町田 文化
公開日:2025.07.17
桜美林で見るシェイクスピア
プロデューサー鷹野さんに聞く
桜美林芸術文化ホール(本町田)で8月3日(日)、世界的な劇作家・シェイクスピアの不朽の名作「マクベス」が上演される。企画は国内でシェイクスピアの魅力を広める演劇ユニット「イエローヘルメッツ」。観客の意見を反映させる試演会形式で、7月31日(木)には学生限定の無料公開稽古も行う。本公演をプロデュースする俳優の鷹野梨恵子さん=写真=に話を聞いた。
―「日本でシェイクスピアを流行らせる!」をモットーにしているそうですが、きっかけは?
私が小学生の時、子ども向けの演劇を通じて、シェイクスピアを知り好きになりました。作品のおもしろさはもちろん、身近にある感動を多くの人と共有したいという思いで、このモットーを掲げています。
―なぜ演劇の道へ?
ドイツへバレエ留学した際、自由に生きる同世代の姿に衝撃を受け、「自分が本当にやりたいことは何だろう」と考えました。その時に思い出したのが、子どもの頃に見たシェイクスピアの舞台です。あの舞台に立ちたいと強く思い、バレエの基礎に芝居を加えれば、演劇の舞台に立てると考えました。
―今回の『マクベス』を上演する上での工夫した点は?
イエローヘルメッツ作品の大きな特徴ですが、シェイクスピアの戯曲の「言葉の多さ」を整理し、物語の筋道がお客様に伝わりやすくなるように工夫しています。物語を木に例え、葉(言葉)に隠れがちな幹や枝(ストーリー)を見やすくします。原作の魅力はそのままに、独白を複数人による対話形式(割り台詞)に再構成。これにより登場人物の葛藤や心の変化を分かりやすくしています。
―将来、表現の世界を目指す次世代へのメッセージをお願いします。
学生の皆さんには、大人たちが、みんなで束になって一つの作品を真剣に作り上げようとするエネルギーを目の当たりにして、何か刺激を受け取ってもらえたらうれしいです。本気でがんばることは、決して格好悪いことではありません。また、演劇に限らず、創作活動で培われるクリエイティビティは、どんな仕事においても、新しい発想を生み出したり、物事を前に進めたりする力になるはずです。私たちの稽古や舞台が、皆さんの視野を広げる一つのきっかけになれたら幸いです。
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