高津区版【8月8日(金)号】
「六天女来迎図」について説明する樋口住職

久本龍台寺 「六天女来迎図」 補修へ 優美な姿 次世代に繋ぐ

 久本の古刹、龍台寺(樋口智亮住職)の本堂天井を飾る「六天女来迎図」が、8月中旬から来年3月まで補修されることになった。この絵は、2024年度に本堂などとともに市の地域文化財に指定されており、本堂が建てられた当初から存在するもの。

 樋口住職によると、この絵は江戸時代ごろの画家、土佐香雪源治隆とその弟子たちの作品とされており、1769年の龍台寺本堂の完成に合わせて描かれた。

 しかし、長年の歳月により色落ちやくすみといった経年劣化が進んでおり、近年では日光や高温、湿気の影響も顕著に表れていた。そのため、樋口住職は「貴重な絵を次世代に繋ぎたい」という思いから、大規模な修繕を決意したという。

工事に合わせ移動

 「六天女来迎図」は、複数の和紙に描かれた絵を天井で貼り合わせて作られているのが特徴。6人の天女がそれぞれ楽器を持ち、楽しげな雰囲気を醸し出しており「故人が安らかに極楽浄土へと誘われますように、という思いが込められています」と樋口住職は語る。

 当初、6人の天女のうち、2人が本尊の上に設置されていたが、1992年に実施された本堂の拡張工事により、仏像の位置が本堂の奥へ移動することになった。その際「天女が離れるのは好ましくない」と判断されたことから、現在の位置に再度設置されることになったという。

 補修は来年3月10日ごろまで行われる予定で、文化財専門の修復を行う「(株)文化財ユニオン(東京都文京区)」が担当する。

 樋口住職は「今回の補修を通じて、天女様方の穏やかな微笑みを、皆様にお届けできることを願っております」と語っる。また、副住職で樋口住職の息子の樋口智章さんは「天女図の見学は現在できません。修復後にお披露目する計画を立てていますので、それまでお待ちください」と呼びかけている。

優勝を喜ぶメンバー=提供

中学硬式野球川崎西シニア 2年生大会で南関東制す 創立以来初のタイトル獲得

 高津区と縁が深く、区内の中学生が多く在籍する川崎西リトルシニアが、中学硬式野球の日本リトルシニア関東連盟南関東支部の2年生大会「アカギカップ」で優勝を飾った。2009年の創立以来、南関東支部の大会での優勝は初。

 この大会は、南関東支部に所属する神奈川県、静岡県の56チームが参加して行われたもの。川崎西は、シードで2回戦から登場し、初戦で三島と対戦。エースの横山祐介選手(中原中)が7回2失点に抑え、4対2で勝利し、勢いに乗ると、続く3回戦で川崎中央、準々決勝で藤沢、準決勝で海老名を破り、決勝に進んだ。

強豪相手にサヨナラ勝ち

 決勝の相手は、強豪の静岡裾野。1年生大会の準々決勝で敗れていた相手に、初回で先制を許すも、6回に同点に追いつき、最終回に相手のエラーから得点を奪いサヨナラ勝ち。悲願のタイトルを手にした。有間史竜主将(東高津中)は「昨年の1年生大会はベスト8で負けてしまったので、頑張ってその上に行きたいと思っていた。優勝できてうれしい」と喜びを語った。横山選手は「1戦1戦、目の前の試合に勝つことだけを考えていた。1試合戦うごとにチームが成長できた」と振り返る。

 大会を通じて失策が少なく、投手を中心とした守備のチームで勝ち上がってきた川崎西。徳永耕治監督は今回の載冠に「今までベスト8の壁を破れなかった。今回、選手が頑張ってくれて、初のタイトルを取ることができた」と選手たちを称賛する。続けて「今の3年生がしっかりとチーム内で役割を決めて体現していた。2年生は、その背中を見て、しっかりとチームがまとまり、一つになって優勝という目標に向かった結果」とチームの結束力を語った。

次は全国へ

 「やる気・負けん気・根気」をモットーに、野球技術の習得や基礎体力の向上だけでなく、チームの規律を重んじ、社会で通用する人間性の育成にも注力する同チーム。メイングラウンドとして多摩川河川敷の丸子橋硬式野球場、上丸子天神町第4球場を使用し、平日は週に一度、高津中学校を使って練習を行っている。

 有間主将は「このチームは元気があって、みんな仲が良い。今回の優勝で次は追われる立場になる。秋の大会でいい成績を残して、関東大会、そして全国大会に行きたい」と抱負を語った。徳永監督は「全国大会出場が目標。そこに向かってどれだけやれるか。しっかり取り組んでいきたい」と誓った。

非常勤講師とプロレスラーという二刀流の実現に向け奮闘している 大原 甫(はじめ)さん 溝口在住 41歳

学びの継続、人生の武器に

 ○…プロレスリング・ノアに所属するベテランレスラー。技巧派として場内を沸かせる一方、地元となる川崎市内での興行では6年前から、地域の視覚障害者を試合に招待。生の迫力を耳で感じられるようにと、特別な音声実況スタイルを発案し、プロレスの醍醐味を広くを味わえる機会を創出している。「誰もが楽しめる場所を目指していければ」とニッコリ。

 ○…テレビのプロレス中継に衝撃を受け、専門学校卒業後に自身もレスラーの道に。メキシコでプロデビューし、海外修行などを経て世界タイトルを獲得。順風満帆な選手キャリアの一方で、日本へ帰国後は祖父母の介護を経験した。その際、現場における力仕事の多さを実感し「(介護者に)自身の肉体作りのノウハウが役に立つのでは?」と着想。介護にまつわる活動を地域でスタートしたものの「信頼を得るには資格が必要」と痛感し、30代からの学び直しを決意。定時制高校で勉強に邁進し、現在は星槎大学で学びを深める。

 ○…学生生活を送るうちに、いつしか教職の道を志すように。歴史の教職員課程を履修しており教育実習生として高校生を前に教壇に立った。自身がかつて訪れた各国の文化などについての話を交えた授業を展開し、さらに「俺は30過ぎて学校で再び学んでいる。君たちにはもっと多くの可能性がある」などと熱弁。親しみやすい語り口が好評を博したという。

 ○…将来は「平日は非常勤講師、週末はプロレスラー」という前代未聞ともいえる二刀流を目指す。もちろん今までプロレスと接点のなかった人にも魅力をアピールしたいと願う気持ちも人一倍。壮大な夢に向け「学び続けることが人生の新たな武器になる」という言葉を胸に今日もリングと学校で、奮闘する―。

川崎市役所

24年度分「市長への手紙」 「公園」関連が最多 等々力緑地に高い関心

 川崎市政に関する市民の声を市長に直接届ける「市長への手紙」制度の2024年度分の概要がこのほどまとまった。内容別件数では等々力緑地再編整備に関する意見や要望を中心に「公園」関連が最多で、等々力緑地に対する市民の関心の高さが浮き彫りになった。

 「市長への手紙」は、市民の声を把握して市政に反映するため、1972年に始まった。市長がすべてに目を通し対応方針を示したうえで、担当部局が対応している。

 2024年度に受け付けた手紙は2160通で、寄せられた要望や意見を内容別に振り分けた件数では3783件だった。このうち手紙やファクスで届いたものは750件、メールは1410件。投稿者の年代では40代が最も多く、50代、30代の順だった。

 内容に応じた振り分け先では建設緑政局が572件で最も多く、次いで教育委員会事務局が401件、健康福祉局が359件と続く。内容別でみると「公園」に関するものが最も多く、「等々力緑地再編整備に関する意見」が突出していたという。市の担当者によると、再編の方向性や新設を希望する設備のほか、再編整備に伴う樹木の伐採に対する危惧などが寄せられた。

 2番目が保育料の減額などを求める「子育て支援」関連、3位は「学校教育」で「教育費や給食費の無償化」に関する要望が多かった。

緑化フェアの影響で

 内容別件数3783件のうち、寄せられた意見や要望を市の施策や事業の「参考」としたものは約6割の2209件。意見や要望を受け具体的に「対応」したり、事業や施策に「反映」したものは、全体の約3割の1187件だった。

 具体的には、「熱中症アラート発令時はテニスコートを無料でキャンセルできるようにして」という要望を受け、猛暑が続く一定期間、熱中症警戒アラート発令時などに無料でキャンセルできる運用に変更。「がん治療時のウィッグ購入費を助成してほしい」との要望に対し、ウィッグや胸部補整具などを対象に費用の助成を開始した。

 市の担当者は「緑化フェアの影響で、等々力緑地など公園に対するご意見が多かった。市民の指摘で気づかされるものも多く、今後も大切にしていく」としている。

ピアニストの小原孝さん

小原孝ピアノリサイタル 9月28日 高津市民館ホールで

 人気ピアニスト小原孝さんによるリサイタル「BEST OF BEST」が、9月28日(日)に高津市民館・大ホールで開かれる。午後2時開演(30分前開場)。

 NHKラジオ「弾き語りフォーユー」のパーソナリティとしても活躍する小原さん。演奏予定曲は『ボレロ(ラヴェル)』や『ラ・カンパネラ(リスト)』、『あし笛の踊り(チャイコフスキー)』、映画「戦場のピアニスト」や「愛情物語」の主題曲(ショパン)など。小原さんのトークにのせて、美しくもダイナミックなピアノの音色が流れる、珠玉のひと時を堪能できる。

 チケットは前売券が4000円で全席指定。当日券は4500円。申込は高津区文化協会のホームページから。

 リサイタルについての電話での申込、問合せは同協会担当の田村さん【携帯電話】090・9314・1430まで(平日10時から17時)。

高津区美術公募展25年 出展者を募集 10月下旬から開催、80作品まで申込み先着順

 多くの文人・芸術家を生み出した、文化の香り高いまち高津区で芸術・文化の振興を図る「高津区美術公募展25年」が「高津市民ギャラリー」(市民館12階)で10月31日(金)〜11月5日(水)まで開かれる。高津区文化協会主催。現在この公募展への出展を募っている。

 公募のジャンルは【1】絵画(油絵・日本画・水彩画・版画など)【2】写真(組写真を除く)【3】書(刻字も)【4】工芸品(壁面展示品・陶芸など小置物品)など。

 応募は1人2作品までで、1作品につき2000円の出品料が必要。応募資格は18歳以上の高津区内に在住か在勤者、または高津区を中心に美術工芸活動をする人で、国籍は問わない。

 応募の申込みは9月5日(金)から9月30日(火)まで(締切日消印有効)申込み先着順80作品まで募集を受付。作品搬入は10月30日(木)に行う。

 出展作の大きさなどの規格や、注意事項など詳しい募集要項(出品申込書付き)は、公共施設に置かれているが、氏名・住所・電話番号を書いてFAXで申し込めば送ってくれる(044・322・9647)。

 電話での申込み、問合せなどは高津区文化協会事務局の田村さん(【携帯電話】090・9314・1430)まで。
同会によるコンサートチラシ

2人のレジェンド共演 9月13日 溝口でリサイタル

 ヴァイオリンとギター、それぞれの世界で高い人気を誇る2人の奏者によるデュオリサイタルが9月13日(土)、地域の音楽ホールとして広く親しまれている「糀ホール」(高津区溝口3の11の15)で行われる。主催は、地元有志で構成される「田園クラシック音楽の会」。

 定期的に実施されているこの催し。今回は、デビュー50年以上のキャリアを誇り、ギター界を牽引する荘村清志氏と、円熟味を増す国内屈指のヴァイオリニストとしてソロやトリオでも活躍している木野雅之氏の共演が特長となっている。

 曲目はタレガ「アルハンブラの想い出」、バッハ「無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番」より「ロンド形式のガヴォット」、ヴィラ=ロボス「ブラジル風バッハ第5番」、ヘンデル「ソナタ イ短調」などを予定(変更の可能性あり)。

 関係者は「レジェンドともいえる両名の奏者を一度に堪能できるステージを、多くの人に鑑賞してもらえれば」と話す。

 14時開演(45分前開場)で入場料は4500円(前売券4000円)。「チケットぴあ」で販売している(Pコード:300‐048)。未就学児の入場は不可。

 詳細問い合せは、同会【電話】044・812・6090へ。

記念写真に納まるメンバーら=流山市で 提供

若者有志 政治体験の場を提供 小中学生対象に 模擬投票など

 中高生9人で活動する「ぽりーず」が小中学生向け政治体験イベント「せいじのひろばin川崎」を8月31日(土)ミューザ川崎研修室(幸区大宮町)で開催する。議会のような話し合いや模擬投票の体験などを企画。政治を身近に感じてもらいながら「主体的に社会へ関わるきっかけになれば」と願いを込める。

 ぽりーずは「政治は身近で、面白い」をキャッチフレーズに、今年3月には千葉県流山市でイベントを開催。関東から全国での開催を目指す。

 共同代表の谷春香さんによると、メンバーの中には陳情などを通じて社会に声を届けてきた経験者もいるという。「不満や違和感を心の中にしまっておくだけでなく、言葉にして届けることで、大人や議員の方々が真剣に向き合ってくれる」と実感。こうした経験や思いをもとに、政治を「楽しく・やわらかく」触れてもらうことを目指し、イベントを企画。谷さんが川崎市在住であることから川崎での開催を決めた。

 イベントは、小学生にも身近な「教育」などをテーマに、少人数で意見を出し合う話し合いの場や実際の投票箱を使用しての模擬選挙体験を行う。架空の町を舞台に、参加者と議員がより良いまちについて考えるワークショップも予定。現在、議員の参加交渉を行っているという。午前10時開場で、10時30分から正午、午後1時30分から4時の2部制で行われる。会場には3つのブースが設けられ各ブース20分で回る。参加費は無料、事前申し込み制。

 7月20日に行われた参議院議員選挙について谷さんは、「政治不信や偏った意見、さまざまな情報が飛び交う中、人によっては冷静に判断するのが難しい選挙だったのでは」と推察。インターネット上には誤情報も多く、何を信じるかを見極める力の大切さを改めて実感したといい、「すべての当選者を、政治についてしっかり学んだ市民が冷静に見守っていくことが必要だ」と語った。

インタビューに応じる照屋さん

戦後80年 戦禍の記憶【8】宮前区平在住 照屋 真次さん(84) 沖縄戦で九死に一生 「教訓生かして」

 1945年3月末から6月末にかけて、日本軍と連合国軍が沖縄本土を中心に地上戦を繰り広げた。故郷の宮古島は地上戦こそ免れたものの、日本軍の飛行場が標的にされ、激しい空襲を受けた。

 母に手をとられ防空壕に逃げ込む際、隣を走っていた男性に機銃掃射の弾丸が当たった。「みんな自分たちのことで精いっぱい。誰も助けることができず、男性が背負っていた赤ん坊の泣き声だけが響いていた」。戦争は多くの一般市民を巻き込み、山のように積まれた死体を目の当たりにした。

 ある日、上陸作戦があるという噂が流れ、防空壕内はパニックに陥った。「米軍に発見されるのを恐れた兵隊が、泣き叫ぶ赤ん坊の命を絶とうとした瞬間、母が私の目を隠した」。5歳児にとって、戦争の残酷さは衝撃が強く、「戦後10年くらいは悪夢にうなされた」。昼夜となく相次いだ爆撃の記憶は、今も消えることはない。

 そして8月15日、終戦を迎えた。「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び...」。防空壕の中で聞いた玉音放送は理解できなかったが、大人たちが笑顔で万歳している姿を見て、戦争が終わったことを悟った。「子ども心にうれしかった」と当時に思いを馳せる。

 米軍機が投下する「宣伝ビラ」を目にしたが、すぐに回収された。沖縄戦最大の悲劇「集団自決」や「対馬丸」の沈没の事実も、戦後になって初めて知った。「大本営発表は嘘ばかり。非国民と言われるので誰も反対できなかったのではないか」と回顧。沖縄戦では、多くの親戚が戦場へ駆り出された。「どうして死に行くのに、万歳して喜んでいるのか不思議だった。時代のせいだと言えばそれまでだが、やるせない」と語気を強める。

 高校卒業後、専門学校へ進学するためパスポートを使って上京した。その後、沖縄は72年に本土復帰を果たしたが、国土面積のわずか約0・6%にも関わらず、在日米軍専用施設の7割が集中している現状を憂う。「本土防衛を目的に捨て石とされた沖縄に、未だに多くの基地があるのはおかしい」。同胞の死を無駄にしないためにも、沖縄戦の教訓を生かしてほしいと願う。

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今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。

あやめ会 若者支える家族のつどい 8月16日 総合自治会館で

 高津区久本にある「地域福祉施設ちどり」に本部を構え、市内各区の精神疾患の人を抱える家族会をまとめる「NPO法人川崎市精神保健福祉家族会連合会あやめ会」(長加部賢一理事長)。同会が主催する「精神疾患を持つ若者を支える家族のつどい」が8月16日(土)、川崎市総合自治会館(JR南武線武蔵小杉駅近く)で開催される。午後1時30分から4時30分。

 対象は10代、20代の精神疾患の当事者を支えている家族。「親としてどう対応したらよいのか」「病院に行かないと言われ、不安」などの悩みに寄り添う。1部は思春期専門の精神科医・石井美緒氏の講演と質疑応答を行う。2部では家族会の紹介や、グループに分かれて交流会を実施。長加部理事長は「若者特有の精神疾患を発症した同じ世代の当事者を支える家族と交流し、思いを話してみませんか」と参加を呼び掛ける。

 定員15人。参加費無料。申込み締め切りは8月14日(木)。問い合わせは同会【電話】044・813・4555(火・木曜、午前10時から午後4時)。

宮部龍彦氏

市長選 宮部氏が出馬表明 出版社CEO、無所属で

 任期満了に伴い10月26日に投開票される川崎市長選挙に、宮部龍彦氏=座間市在住=が無所属で立候補する意向を示した。

 宮部氏は鳥取県生まれの46歳。信州大学工学部を卒業後、プログラマーやジャーナリストとして活動。ソフトウェア開発会社の代表や、多摩区に所在地を置く出版社「示現舎合同会社」の最高経営責任者(CEO)を務める。

 宮部氏は「川崎区池上町の密集住宅地改良に手を付けたい」とし、さらに「これに象徴される長年放置された川崎市の懸案に対して妥当かつ透明な手法で向き合う」と説明。またIT技術者の経験を生かし「業務の効率化を進め、得た余力を市民サービスの充実、福祉現場などの職員待遇改善、将来の減税へと分配し、まち全体に還元する」と述べた。

 市長選をめぐっては、これまでに新人の國谷涼太氏と現職の福田紀彦氏、新人の野末明美氏が出馬を表明している。(7月31日起稿)

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「カワサキをカイセキ!」の表紙

「カワサキをカイセキ!」 川崎の「若さ」健在 平均年齢の低さなど1位

 政令指定都市や東京都区部の21の自治体の基礎的な統計情報を分かりやすくまとめた「大都市データランキング カワサキをカイセキ!」の2023年度版が7月30日に刊行された。自然増加数や自然増加比率で1位となるなど、前年度に続き「若い川崎」を印象付けるデータが並ぶ。

 「カワサキをカイセキ!」は、大都市統計協議会が毎年発行する「大都市比較統計年表」をもとに、川崎市が主な統計情報をグラフや順位表記などで分かりやすくまとめてリリースしている。

 まず「人口」関連の統計では、自治体の「若さ」を証拠づけるデータが多い。出生数から死亡数を引いた「自然増加数」と、全人口に占める「自然増加数」の割合である「自然増加比率」が21の自治体で1位。20年の国勢調査に基づく「平均年齢」では43・7歳で最も若く、23年度の「死亡率」は最下位だった。

外国人住民は8位

 人口に占める外国人住民の割合は3・32%で8位。1位は大阪市の6・14%、2位は東京都区部の5・63%だった。

 「土地」関連では、市域面積1キロ平方メートルあたりの都市公園数が8・3カ所と最も多く、都市計画法に基づく用途地域における工業専用地域の割合は北九州市、堺市に次いで多かった。

 「商業・農業・貿易」関連では、「入港船舶隻総数」が港湾のある16自治体中10位と、約30年の間に3分の1になった入港船舶の減少傾向をそのまま反映した結果に。一方で、船舶の大型化や機能性の向上などにより、1隻当たりの総トン数は30年で約3倍に増えており、総量では横ばいの可能性もある。

 「経済・財政」では、市内総生産に占める家計最終消費支出(家計が生活に必要とする支出)の項目別割合で、「住宅・電気・ガス・水道」の割合が全体の3分の1を占めて大都市平均を大きく上回った一方で、「保険・金融サービス」が大幅に下回った。家賃の高さや平均年齢の若さが影響したとみられる。

ごみ収集量は最小

 「生活」関連では、人口10万人あたりの生活習慣病による死亡者数が福岡市に次いで少ない。また人口当たりのごみ収集量が最も少なく、世帯当たりのごみ収集量も過去30年で半減するなど、ごみ減量化の取り組みの成果が見られた。

 「カワサキをカイセキ!」は市のウェブサイトに掲載するほか、市の統計情報課や各区役所などで配布している。

リバーFC 高井選手「海外」に歓喜 後輩「自分もいつか世界に」

 サッカーJ1・川崎フロンターレから、7月にイングランド・プレミアリーグのトッテナムに完全移籍した高井幸大選手(20)。クラブのアジア遠征では足のケガでメンバー外となったが、同選手が小学4年まで所属したジュニアチーム「リバーFC」(幸区)の後輩たちは、先輩の移籍に歓喜している。

 猛暑となった7月下旬の土曜日。リバーFCのメンバーは、川崎市立古川小学校(幸区)のグラウンドで練習に励んでいた。現在、リバーFCには約100人の児童が所属する。今年は小学4年のチームに女子8人が入り、男子と共に練習に打ち込んでいる。女子メンバーに高井選手の移籍の感想を尋ねると、口々に「うれしい!」。メンバーの一人は「私も練習を頑張って、高井選手みたいに世界で活躍したい」と元気に話した。

 小学4年と3年の指導に当たる山田昌弘さんは、元教え子の快進撃に「正直、驚いた」と語る。高井選手は5歳からリバーFCに所属し、小学5年でフロンターレの育成組織へと進んだ。山田さんは「当時から才能も実力もずば抜けていたけれど、まさかこのチームから世界で活躍する選手が出るなんて。後輩たちも勇気をもらえる」と手放しで喜ぶ。

 今年3月には、クラブ内の試合の「特別賞」用に高井選手にフロンターレのマフラーにサインを依頼したところ、快諾してくれたという。

 クラブの中心的な存在である小泉勇さん(小学6年)は「世界でもめいっぱい活躍してほしいし、自分もいつか世界のピッチに立ちたい」と意気込みを語った。

チネチッタのポート

電動モビリティ200台 市内でシェアリング開始 東京や横浜も移動可能

 川崎市内で電動キックボードや電動アシスト自転車など「マイクロモビリティ」と呼ばれる小型の乗り物のシェアリングサービスが、7月14日から始まった。まずは約70カ所の「ポート」に計200台を配備し、状況に応じて車両台数やポートを増やしていくという。

 電動キックボードなどマイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」を展開する(株)Luup(本社・東京都)が運営する。同社は2020年5月に東京都でサービス提供を開始し、現在は大阪府や京都府、横浜市など主要都市で約1万4千カ所のポートを設置。今回、先行してサービスが展開されている東京都や横浜市の利用状況やユーザーの要望などから、新たに川崎市でもサービスを展開することになった。

 14日の時点で、チネチッタ(川崎区小川町)の立体駐輪場入り口横や京急川崎駅前ビル(川崎区砂子)、ローソン武蔵中原駅前店(中原区上小田中)といったコンビニエンスストアの店舗など約70カ所に、モビリティの停留拠点であるポートが開設された。

 利用時には、あらかじめスマートフォンに専用アプリ「LUUP」をインスト―ルのうえ年齢確認書類を登録し、複数の交通ルールテストすべてに満点で合格する必要がある。移動できる範囲は川崎市内に限らず、川崎市内から横浜市内や東京都内のポートでモビリティの発着ができる。

 同社の担当者は「住民のみなさんを始め、観光やビジネスで川崎を訪れる方々の移動をより便利にし、街の活性化に寄与したい」と話している。

 (株)Luupでは、駐車場の空き区画などのデッドスペースにポート開設が可能なオーナーを募集中だ。詳細と問い合わせはウェブサイト(https://lp.luup.sc/port-owner)から。

紫金山・アトラス彗星の写真

大山街道ふるさと館 彗星テーマに写真展 地元有志ら撮影、8日から

 市内を中心に活動する天文同好会「多摩天文グループ」が、川崎市大山街道ふるさと館(溝口3の13の3)2階のイベントホールで8月8日(金)から11日(月)まで「彗星写真展」を開催する。午前10時から午後5時(初日は午後1時から)。

 期間中は、27年ぶりの大彗星となった紫金山・アトラス彗星を中心に、過去51年間に会員が撮影した彗星の写真60点あまりが展示される。

 写真展の担当者は「ほうき星ともいわれる彗星が持つさまざまな魅力を、多くの人にお伝えできればと思います」と話し、広く来場を呼びかけている。

 作品展に関する問い合わせは、大山街道ふるさと館【電話】044・813・4705。

「FC東京交流戦」の開催チラシ

GO!GO!!フロンターレ

女性限定!FC東京と交流戦

 川崎フロンターレは9月20日(土)、フロンタウンさぎぬまで18歳以上の女性を対象とした「FC東京交流戦」を開催する。現在、参加者を募集している。

 多摩川を挟んで熱い戦いが繰り広げられている「多摩川クラシコ」。同日に行われる第30節 FC東京戦の前哨戦として、FC東京が集めたメンバーと試合を行う。当日はフロンターレのスクール・普及コーチが指導にあたるため、誰でも楽しむことができる。

 午前9時から11時まで。定員24人(最少催行人数5人)。参加費は保険料込みで2500円。参加には、同クラブ公式ウェブサイト内の専用フォームから申し込みが必要で、9月3日(水)締切。応募者多数の場合は抽選となり、結果は9月5日(金)にメールで通知される。持ち物は、運動のできる格好、トレーニングシューズ(スパイク不可)、すねあて、飲み物、タオル、着替え等。試合のチケットは付帯されない。

 担当者は「リーグ戦前に汗を流し、トップチームの戦いに勢いをつけましょう」と参加を呼びかける。問い合わせは同クラブ メール:kids@frontale.co.jp。

画像は川崎フロンターレ

不定期連載 市民健康の森だより 第195回 7月度の「菜園体験教室」は少し想定外に

 7月18日に関東地方でも梅雨明け宣言がでましたが、例年とは異なる梅雨だった気がします。6月の平均気温は平年比2度以上も高く雨量は半分くらいだったようです。自然へは様々な影響があるでしょう。一例では今年はセミが鳴きません。7月24日にセミの抜け殻を一つ、春日台で見つけたので全滅ではありませんがセミ激減です。川崎だけでなく全国でセミが鳴いていないようです。温暖化の影響のようです。ネット情報ではセミの幼虫が地上へ出るタイミングを逸したことが考えられるそうです。

 そんな梅雨を過ごしたせいでしょうか、春日台のサツマイモの生育が例年とは違います。6月上旬に「紅ハルカ」の苗を植えたのですが、葉に元気がなく枯れたようになる苗が目につきます。園農部会長は心配し活動日以外の日も水やりに通ってくれていますが、余り生育のよくない苗はあきらめて「栗かぐや」という品種の苗に植え替えています。「栗かぐや」は2023年に登場した新品種です。この方が生育は良さそうです。

人気の「耕運機の操作体験」がエンジン始動までに...

 こんな苦労をしていた7月17日の活動日は7月度菜園体験教室の開催日でした。当日は前日が雨、早朝まで小雨が続きましたが、朝7時過ぎに止み、予報も快方に向かっていたので実施しました。生徒さん達も全員が参加してくれました。

 実施したのは良いのですが困ったこともありました。当日は耕運機の操作体験を予定していました。ここ数年、7月度の菜園体験教室では耕運機の操作体験を入れています。耕運機操作体験は中々に人気のあるプログラムです。ところが前日来の雨で耕す予定の畑がぬかるんでしまい、耕運機を入れられる状態ではなくなってしまいました。仕方なく耕運機はエンジン始動までを体験してもらい、実際の耕運は又の機会となりました。

 耕運機の後はサツマイモ畑の手入れ体験から5月の教室で種まきをしたモロヘイヤとオクラの収穫体験です。耕運機操作は別として畑作業の充実した体験となったでしょう。