川崎区・幸区版【10月10日(金)号】

川崎市長選 現新6人の争いか 10月12日告示、26日投開票

 任期満了に伴う川崎市長選が10月12日に告示される。本紙の調べでは10月6日の時点で現職と新人の計6人が出馬に向けて準備を進めている。投票は26日に即日開票され、13日から25日まで期日前投票が行われる。

 立候補の意思を示すのは、表明順に会社員の國谷涼太氏(25)、現職の福田紀彦氏(53)、社会福祉法人理事の野末明美氏(60)、出版社CEOの宮部龍彦氏(46)、前市議会議員の山田瑛理氏(42)、清掃員の関口実氏(67)。いずれも無所属での立候補を表明している。

 國谷氏は「若者・子育て世代から選ばれるまち」「ビジネスのまち」「安全・安心のまち」を重点施策に掲げる。子育て世帯向け「アフォーダブル住宅」の供給、市民税の減税、地域活動のデジタル化などを訴える。

 4選を目指す福田氏は、人づくりや健康づくり、住まいなどの「7つの循環」を掲げ、卓越スクール(高専)の設立や子育て支援住宅の実証の開始に取り組む。また、特別市の実現に向けた法改正にも意欲をみせる。

 野末氏は共産党の推薦を受けて挑戦。「市民の子育て・くらし・福祉優先」を掲げ、18歳までの子ども医療費・窓口負担ゼロや中学校給食までの無償化を強調。等々力緑地の緑の保全、公共施設の市の直営化を唱える。

 8月に出馬表明した宮部氏は、事務事業評価で啓発事業を整理し、税金の使い道を正すと強調。SDGsなどの「理念先行」の啓発事業を整理対象に挙げる。最終目的として、ヘイトスピーチ禁止条例の廃止を掲げる。

 山田氏は9月に川崎市議を辞職し、自民党に離党届を提出した。2児の母親目線と庶民感覚をいかした市政運営を掲げる。学校ルールの一斉点検と必要な見直しや、歩道整備などのインフラ対策などに意欲をみせる。

 関口氏は9月下旬に挑戦を表明した。国籍や性別、障害の有無にかかわらず「差別のない、多様性のある社会」づくりを目指すと明言。ヘイトスピーチの対策強化や、南海トラフ地震への防災力に向けた強化を掲げる。

本紙がアンケート

 タウンニュースは市長選立候補予定者に最も訴えたい政策などのアンケートを実施。回答を政治情報サイト「政治の村」で公開している。(10月6日起稿)

「ベトナムの声放送局(VOV)」が開催したコンテストで最高賞を獲得した 及川 三晶(かずあき)さん 川崎区大師駅前在住 61歳

放送受信で国境越え

 ○…世界13カ国の言語でベトナムのニュースを現地から伝える「ベトナムの声放送局(VOV)」が、5年に一度開催するコンテストで9月末、最高賞を獲得。30以上の国からやって来た参加者たちと、ベトナムの伝統や文化、経済、サブカルなどを問う予選を戦い抜き、自由筆記のエッセイをクリア。日本人初の栄誉に輝いた。「5年前に挑戦した時は奨励賞止まりだったので、嬉しかった」と感慨深く語る。

 ○…海外の放送は、自分でアンテナを立て電波を受信する、BCLやSWLといった方法で楽しむ。中学生の頃、男子高のクラスの半数以上が受信機を持つほど流行していた。「クラスでは昨日の放送の話ばかりしていた」と当時を振り返る。中国やロシア、オーストラリア、韓国などの日本語放送に耳を傾け、日本にいては知ることができない情報を得るのが醍醐味だった。「文化や経済など、その国のことが知りたい」。長い月日を経ても、その思いは変わらない。

 ○…2013年、所属する放送愛好家のクラブ会合で、VOVの東京支局長と遭遇。元から聴いていた縁もあったうえに、東日本大震災で疲弊する日本を気遣う言葉をかけられ、感銘を受けた。それを機にベトナムへの思いが高まり、以降神奈川県が力を入れるベトナムフェスタに毎年参加。日越合同で製作した映画を観るなどして知識を吸収し、猛勉強を経て、今回の受賞にたどり着いた。

 ○…普段は薬剤師として勤務。薬局にはベトナム人も多く訪れ、得た知識が役立つことも多い。80年代のアイドルファンという一面もあり、「松田聖子や浅香唯の歌声を聴くと、中学生の頃友人と受信を楽しんでいた頃を思い出す」と懐かしそうに笑みを浮かべる。

ピンク色に照らし出された川崎市役所(川崎市提供)

10月はピンクリボン月間 がん検診の受診率向上 市役所をライトアップ

 乳がんの早期発見・早期治療を目指して普及啓発を行う10月の「ピンクリボン月間」に伴い、川崎市では2日から9日までの8日間、市役所本庁舎(川崎区)をピンク色にライトアップした。

 国はがん予防の指針となる「第4期がん対策推進基本計画」を改定し、全国のがん検診受診率の目標値を50%から60%に引き上げた。これを受けて市でも目標値を60%に引き上げ、啓発活動を続けている。

 市によると、全体的に市民のがん検診受診率は上がっており、市が40歳以上の女性を対象に実施する乳がん検診の受診率は2023年度の実績で19%と2割以下だが、職場などで受診可能な市民も含めた全体の受診率をまとめた22年度の「国民生活基礎調査」によれば、乳がん検診の受診率は前回の19年度より2・9%プラスの51・4%だった。

 ほかのがん検診も、肺がん54・8%(4・3%増)、大腸がん51・3%(4%増)、胃がん53・8%(0・3%増)、子宮がん49・1%(0・6%増)と、受診率は軒並みアップしている。

 市は肺がんや胃がんなど各種のがん検診を実施しており、70歳以上や住民税非課税世帯などの市民は無料で受診できる。問い合わせは【電話】044・982・0491。

12連が躍動、阿波おどり 10月11日 川崎東口で

 川崎の秋の風物詩「第40回かわさき阿波おどり」(金長敏夫実行委員長)が10月11日(土)に開催される。

 川崎東口の銀座街、銀柳街、アゼリアの3カ所に演舞場を設置。12の連約500人が独特の息の合った踊りを披露する。地元からは、「第一ひかり幼稚園連」や「宮前小子ども連」が登場し、会場を盛り上げる。

 開催時間は午後4時から8時。雨天決行。詳細はかわさき阿波おどり公式ウェブサイトを参照。

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診断士会 セミナー開催
2025年度・持続化補助金
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25年度、2回目となる小規模事業者持続化補助金の申請受付へ向け、川崎中小企業診断士会では小規模事業者や個人事業主を対象に10月17日(金)、川崎区富士見にある川... (続きを読む)
カルッツかわさきに設置されたピアノ(=提供)

ホールでピアノ演奏体験 カルッツかわさきで

 カルッツかわさき(川崎区富士見)では、2000席のホールに設置されている世界最高峰のピアノメーカー、スタインウェイの演奏体験を提供している。

 定期的に開催しており、1枠50分で2000円。午前10時から午後6時までの9枠が申し込みでき、枠内でピアノ演奏は4人まで。歌や他の楽器と演奏もできる。

 申し込み可能な次回の日程は11月10日(月)。締め切りは10月12日(日)午後6時で応募多数の場合は、抽選となる。

 詳細問い合わせはカルッツかわさきチケットセンター【電話】044・222・5223。

日本舞踊を鑑賞 10月11日

 川崎市内の日本舞踊団体などで構成される「桔梗の会」(紫扇章太郎会長)が10月11日(土)、36回目となる舞台を開催する。同会主催で、後援は川崎文化協会・お客様後援会。

 踊り手たちが華やかな衣装に身を包み、日頃の成果を披露する。時間は午前10時半開演で10時開場。場所は幸市民館大ホール(幸区戸手本町)。入場無料。先着100人にはおにぎりを謹呈。(問)坂東さん【携帯電話】090・9495・9307

締結したメンバー(上)と協約書

寄稿 京畿道富川教育支援庁と教育交流の協約書を締結 川崎地方自治研究センター理事長 板橋洋一

 9月9日、京畿道富川教育支援庁のキムテソン教育長、ホンスミン教育局長ら6名が(一社)川崎地方自治研究センターを訪れ、ハナ実行委員会(風巻浩共同代表)、川崎―富川市民交流会(山田貴夫共同代表)及び当センターと業務協約書を締結しました。

 今年は川崎市と韓国・富川市が国際友好都市を締結して30周年になりますが、その前から草の根の市民交流が始まり、社会教育や図書館交流などを積み重ねてきました。また、両市の高校生が相互訪問しホームステイなどをしながら歴史や社会問題を学び合うハナ(ひとつの意見)交流も今年で25周年を迎えることから、今後もさらに教育を通じた交流を深めていこうという内容になっています。

 なお、韓国の地方自治制度の違いにより、教育は広域的に京畿道教育支援庁が主に担うことからこの度の協約の締結が行われたものです。

 10月11日にはハナ交流25周年を記念したシンポジウムが川崎市内で予定され、また来年3月には富川市が取り組む多文化共生施策を学ぶツアーも計画されています。

 K─POPやダンスユニット、ドラマ、映画等々、ソフトなカルチャー交流が盛んになり、聖地訪問やグルメやショッピングなども大きな楽しみになっている日韓関係ですが、この協約によって川崎市と富川市に共通する課題を通じて市民同士の理解が深まっていくことを目指していきます。

交通安全ルールに関して話す塚田さん

レッドロケッツ塚田さん 交通安全をPR 一日警察署長務める

 川崎中央地区交通安全対策協議会、川崎区役所、川崎警察署など計11団体による「秋の全国交通安全運動キャンペーン」が9月25日、川崎ルフロンで行われた。

 関係者が約100人集まった同キャンペーンでは、元日本代表で現在女子バレーボールチーム・NECレッドロケッツ川崎のチームスタッフである塚田しおりさんが一日警察署長を務めた。

 塚田さんは、市内の小学校で交通安全に関する講義を行ったり、中原区にある同チームの拠点には自転車で通っていることから自動車の怖さや改訂された自転車の交通ルールを知る事の大切さを話した。

 また同署の担当者は、交通ルールを正しく理解している場合でも、熱中症による判断力の低下で交通事故が起きるケースがあるため、熱中症対策も行ってほしいと注意を促した。

 松尾博之署長は、9月24日までの時点で「川崎区内の自転車事故の件数315件。昨年から80件増加した」と述べ、「こういった活動の一つひとつが事故減少につながる」と感謝を語った。

10月31日まで走行

「秋を感じて」 ハロウィンタクシー登場 ひまわり交通

 ひまわり交通(幸区神明町・村木緑代表取締役)で毎年好評を博す「ハロウィンタクシー」の運行が始まった。1台限定で10月31日まで幸区や川崎区の街中を走行する。

 今年は「インスタ映え」などを意識し、ポップで楽しいパーティーで気分を盛り上げるイメージ。ボンネットには大きな満月と、お化け屋敷や空飛ぶ箒に跨る魔女があしらわれている。また、運転席側の扉にはお化けとフランケンが大きくデザイン、乗車側はかわいい子どもたちが仮装する姿のイラストが施されている。

 村木祐治専務取締役は「つい写真を撮りたくなるようなタクシーに仕上がった。ハロウィン気分を味わっていただければ」と語る。

吉岡太郎氏

社民、吉岡氏を擁立 川崎区市議補選で

 川崎市議会議員川崎区選挙区補欠選挙(10月26日投開票)に、社民党が  

会社員で新人・吉岡太郎氏(27)を擁立する。  

 吉岡氏は1998年、ドイツ生まれ。ミュンヘン工科大学大学院を卒業し、IT企業に勤める。

 吉岡氏は本紙の取材に、市立学校の質向上、大人の学び直し支援やヒューマンファクター(人的要因)に着目した「人災を起こさない街」づくりを目指すと強調。自転車道の整備に力を入れたいと語った。

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チラシを掲げる関係者ら

富士見地区が団結 「ふじみ祭り」初開催

 昨年リニューアルされた川崎区の富士見公園一帯で10月13日(月・祝)、初の地域連携イベント「ふじみ祭り」が開催される。午前10時から午後4時。小雨決行。

 「スポーツの日」に合わせ、公園内の施設や近隣店舗が一体となって、地域を盛り上げる。当日は、カルッツかわさきでの体力測定会や、川崎競輪場でのバンク入場体験など、各施設でスポーツにちなんだ無料イベントなどが多数開催される。

 全7つの施設や店舗を巡るスタンプラリーも実施予定。イベントへの参加や店舗の利用で、すべてのスタンプを集めると、フロンタウンフィットネス1day無料券(富士見公園パークセンター)や、車券が購入できるギフト券(川崎競輪場、大人のみ)、特製リストバンド(リバプール・フットボール・センター川崎)などがもらえる特典も用意されている。

 詳細は川崎区役所まちづくり推進部地域振興課【電話】044・201・3231。

「花」を表現するハナポーズでパチリ

シンポジウム 高校生が語る多文化共生 10月11日から13日まで教文で

 多文化交流活動に取り組む現役高校生や中高時代、反差別運動に携わった経験者らから話を聞くシンポジウム「多文化共生をめざす川崎の高校生たち」が10月11日(土)から13日(月・祝)まで、川崎市教育文化会館で開かれる。主催は市民団体「多文化共生をめざす川崎歴史ミュージアム設立委員会」。

 11日は2000年から続く川崎市と韓国・富川市の高校生の日・韓・在日交流会「川崎―富川高校生フォーラム・ハナ」の現役メンバーやOB・OGが登壇し、会の立ち上げの経緯や現在の取り組みについて紹介。韓国の高校生はオンラインで参加する。時間は午後2時から5時。

 12日は「指紋押捺拒否40年〜指紋押捺を拒否した高校生たち」と題し、中学や高校時代に指紋押捺を拒否した3人が当時の思い出やその後の人生に与えた事柄について語る。呉徳洙監督のドキュメンタリ―映画「指紋押捺拒否」の上映も行われる。時間は2時から4時。

 13日は1994年から2000年まで川崎市の高校生を中心に開催された「アリラン祭」に携わった卒業生がオリジナル劇制作や韓国伝統芸能に取り組んだエピソードを披露。時間は2時から4時。

 会期中は展示コーナーも開設。市内の県立高校で韓国・朝鮮の歴史や文化などについて研究する部活の取り組みや指紋押捺問題についての解説パネルなどが設置される。

 入場無料。問い合わせは、主催事務局の山根さん【電話】090・6500・2109。

木下アビエル神奈川の選手ら©KINOSHITA ABYELL KANAGAWA

木下アビエル神奈川 卓球Tリーグを無料観戦 11月8・9日

 川崎区を拠点に活動する卓球Tリーグ・木下アビエル神奈川、木下マイスター東京のホームゲームに、本紙読者限定で無料招待する。

 日時は以下の通り。▽11月8日(土)正午、木下アビエル神奈川vs京都カグヤライズ

▽同日午後5時、木下マイスター東京vs静岡ジェード

▽11月9日(日)午前11時、木下アビエル神奈川vs日本ペイントマレッツ

▽同日午後4時、木下マイスター東京vsT.T彩たま

 いずれも場所はカルッツかわさき(川崎区富士見)で、2階自由席。各試合先着200人。10月26日(日)締切。申込みは専用フォームから受け付ける。Tリーグの無料会員「Tid会員」への登録が必要。

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川崎区市議補選 5人が出馬へ準備

 市議の辞職に伴う川崎市議会議員川崎区補欠選挙が10月17日告示、26日投開票される。本紙の調べでは、5人が出馬に向けて準備を進めている。

 名乗りを上げているのは、自民党新人で元衆議院議員秘書の菅谷英彦氏(47)、立憲民主党新人で党支部委員の成田絵麻氏(35)、日本維新の会新人で元衆議院議員秘書の和合大樹氏(25)、共産党元川崎市議の片柳進氏(48)、社民党新人で会社員の吉岡太郎氏(27)。9月1日時点の川崎区の選挙人名簿者数は、18万9242人。

2025年度・持続化補助金 診断士会 セミナー開催

 25年度、2回目となる小規模事業者持続化補助金の申請受付へ向け、川崎中小企業診断士会では小規模事業者や個人事業主を対象に10月17日(金)、川崎区富士見にある川崎市教育文化会館でセミナーを開催する。

 時間は午後3時から。質疑応答も入れ約2時間程度を予定。要予約、参加無料(協力・タウンニュース)。

 セミナーでは、決算書や事業計画書など、申請に関する書類の説明、直近の採択事例などを参考にポイントなどを解説するほか、専門家による相談会も行う。

 診断士会では「申請については、先々の見通しも含めた事業の計画が非常に大切」と話し「書類の形式要件を満たすことは最低条件だが、事業の強みを活かした計画が重要」と説明。「興味のある事業者はぜひ、参加を」と呼び掛けている。

 希望者は10月15日(水)午後6時までに、タウンニュース営業推進部【電話】045・913・4141まで申し込み。

朗読ことばの贈り物 10月17日、ミューザ川崎

 「虹の語り自由が丘&語り座 紬」による朗読「ことばの贈り物」が10月17日(金)、ミューザ川崎シンフォニーホール4階市民交流室で開催される。午後0時30分開演。入場無料。

 朗読は「枕草子」や「源氏物語」などの古典文学から、太宰治、芥川龍之介、浅田次郎などの文学作品、新見南吉の絵本までさまざまなジャンルの本が語られる。

 公演に関する問合せは川崎さん【電話】03・5701・4376。

(上)2017年の川崎フロンターレの始球式(下)フロンターレの観客席で応援する3人=いずれも©KAWASAKI FRONTALE

川崎ゆかりのバンド SHISHAMO「終了」 フロンターレ「大切な存在」

 3ピースロックバンド「SHISHAMO」が9月27日、来年6月のライブを最後に活動終了することを発表した。川崎市制100周年記念イベントや川崎フロンターレのイベントに出演するなど、川崎との縁が深いアーティストの「終了」を惜しむ声が各方面から上がっている。

 9月27日、SHISHAMOの公式ホームページに「大切なお知らせ」がアップされた。「2026年6月13日・14日にUvanceとどろきスタジアム by Fujitsu(等々力陸上競技場)でワンマンライブを開催します。そして、そのライブをもって、SHISHAMOは活動を終了します」

 メンバー3人で「これからのSHISHAMO」について話し合った結果、「完結に向かおう」という結論に至ったことを知らせる内容だった。

 SHISHAMOは10年に川崎市立川崎総合科学高校の軽音部で結成され、卒業後に本格的な活動を始め、13年にデビューした。日本武道館などでの大型ライブやNHK紅白歌合戦出場なども果たす一方で、川崎フロンターレの始球式やハーフタイムショーを務めたり、昨年6月の川崎市制100周年記念イベント「かわさき飛躍祭」にも出演した。

 3人の発表をうけ、川崎フロンターレは「ともに川崎を盛り上げていく同志のような存在であり、音楽の力で後押ししてくれる大切な存在。数多くの活動に協力していただいた」とコメントを発表した。フロンターレ後援会の会員向けにSHISHAMOのラストライブチケットの先行発売を始め、コラボグッズもJリーグの試合会場で販売。第1弾は「SHISHAMOコラボキーホルダー」計400個を完売し、10月18日の清水戦で追加販売する。

 川崎総合科学高校教諭で軽音部顧問の菊田直史さん(52)は、練習熱心な教え子たちが成長する姿をファンとしても見守ってきた。「(発表には)驚いたが『長い間よく頑張った。本当にお疲れ様』という思い。彼女たちの今後がどんな形であれ応援していく」とねぎらった。

 高津区のとんかつ店「華家」はファンの間で「聖地」として知られ、全国からファンが訪れる。常連客の菊田さんが「教え子自慢」をしたところ音楽関係者の耳に入り、SHISHAMOのデビューへとつながった現場だ。店主の天谷信元さん(52)は「全国からファンがここに来て音楽でつながり、自分も多くの出会いに恵まれてきた。心からありがとうと伝えたい」と、満面の笑顔で感謝を述べた。

制作中のミューラルアートの前に立つDragon76

聖地ミゾノクチの象徴 「ブレイキン」が壁画に 世界的アーティストが制作

 世界的なダンサーたちが巣立った「ブレイキンの聖地」として知られる「ミゾノクチ」を象徴する壁画制作が、JR南武線武蔵溝ノ口駅の南北自由通路で進んでいる。世界で活躍する日本人ミューラル(壁画)アーティスト、Dragon76が来日し、10月11日(土)までの完成を目指して制作中だ。

 JR武蔵溝ノ口駅の改札前通路はブレイキンのダンサーが集まることで国内外に知られ、パリ五輪の金メダリスト・AMI(本名・湯浅亜実さん)や世界で活躍するSHIGEKIX(本名・半井重幸さん)もここで技を磨いた場所だ。

 そんな特別な空間を地域のプライドとして形にしようと、高津区内の団体や学校、ダンス関係者が「高津区ブレイキン・モニュメント制作委員会」を結成。中心メンバーで川崎市出身のダンサー「KATSU ONE」こと石川勝之さんが、友人のミューラルアーティストであるDragon76をニューヨークから招聘し、ブレイキンをイメージした壁画の制作を依頼。9月下旬から制作が始まった。

 Dragon76は2019年と20年に、市役所本庁舎の工事現場の仮囲いに巨大なミューラルアートを制作した実績があり、川崎での壁画制作は3度目。今回のテーマは「ニューヨークで生まれたブレイキンの文化が日本独自の発展を遂げ、再び世界に広がるイメージ」という。

 完成する11日には、午後5時から壁画前で完成記念セレモニーがある。

川崎信用金庫大師支店の阿部さん(中央)、小林さん(中央左)

川信大師支店 息子を騙る詐欺、防ぐ 川崎警察署より感謝状

 川崎警察署(松尾博之署長)は9月26日、特殊詐欺の被害を未然に防いだとして、川崎信用金庫 大師支店の行員 阿部貴子さんと小林智穂さんに感謝状を贈呈した。

 8月下旬に高齢女性が同支店に定期預金の解約の相談に来た際、行員が具体的な理由を確認すると「息子が財布を無くし、入院代が支払えない」と特殊詐欺の疑いを抱いた。

 行員と共に実際の息子に事実確認を行うと、息子を騙った詐欺であることが判明した。

 対応にあたった阿部さんと小林さんは「もしもに備えマニュアルで共有している。未然に防げて良かった」と話した。

ピンク色に照らし出された川崎市役所(川崎市提供)

10月はピンクリボン月間 がん検診の受診率向上 市役所をライトアップ

 乳がんの早期発見・早期治療を目指して普及啓発を行う10月の「ピンクリボン月間」に伴い、川崎市では2日から9日までの8日間、市役所本庁舎(川崎区)をピンク色にライトアップした。

 国はがん予防の指針となる「第4期がん対策推進基本計画」を改定し、全国のがん検診受診率の目標値を50%から60%に引き上げた。これを受けて市でも目標値を60%に引き上げ、啓発活動を続けている。

 市によると、全体的に市民のがん検診受診率は上がっており、市が40歳以上の女性を対象に実施する乳がん検診の受診率は2023年度の実績で19%と2割以下だが、職場などで受診可能な市民も含めた全体の受診率をまとめた22年度の「国民生活基礎調査」によれば、乳がん検診の受診率は前回の19年度より2・9%プラスの51・4%だった。

 ほかのがん検診も、肺がん54・8%(4・3%増)、大腸がん51・3%(4%増)、胃がん53・8%(0・3%増)、子宮がん49・1%(0・6%増)と、受診率は軒並みアップしている。

 市は肺がんや胃がんなど各種のがん検診を実施しており、70歳以上や住民税非課税世帯などの市民は無料で受診できる。問い合わせは【電話】044・982・0491。

全国学力・学習状況調査 全教科で平均を上回る 自己肯定感も上昇

 川崎市総合教育センターはこのほど、今年4月に国が実施した今年度の全国学力・学習状況調査に関する市内分の分析結果をまとめ、公式ウェブサイトで公表した。小中学校とも、全教科で全国平均を上回った。

 国の「全国学力・学習状況調査」は、教育施策の成果と課題を検証することを目的に、毎年春に全国の小学6年生と中学3年生を対象に実施している。川崎市では、小学校115校と特別支援学校1校(小学部)の6年生1万1387人と、中学校52校と特別支援学校1校(中学部)の3年生8962人が対象となった。

 7月末の速報値を市教委が分析した結果、小学生、中学生とも国語・算数(数学)・理科のいずれの教科でも全国平均を上回った。また、国語の「読むこと」「書くこと」などの学習指導要領の内容に基づく設問の正答率も、いずれの教科でも全国を上回った。

塾など学習時間長め

 生活習慣などを尋ねた「児童生徒質問調査」では、「自分にはよいところがあると思う」と答えた小学児童は88・4%(全国86・9%)、中学生徒は85・7%(同86・2%)。10年前の調査と比べると小学児童が11ポイント、中学生徒が18・1ポイント高くなっており、市内の児童生徒の自己肯定感が確実に上がったことが分かる。

 また学習習慣を尋ねる設問では、校外での勉強時間が「2時間以上」の小学児童は37・6%(24・9%)、中学生徒が43・6%(30・8%)で、塾などの学習時間が長い傾向にあった。

 センター担当者は「川崎の子どもたちが頑張って勉強している結果が出ている」と評価した。

10月13日はスポーツの日 川崎市 持続可能な部活動へ 生徒の代表者会議も開催

 10月13日(月)は「スポーツの日」。部員減で学校の部活動が存続できない地域があることから、国は地方自治体に対して部活動の「外部化」などの対策を講じるよう求めている。川崎市でも、将来的に少子化に転じる可能性があるとして準備を進めている。

 今年8月、部活動の当事者である生徒たちの意見を集めるため、川崎市教育委員会が「部活動生徒代表者会議」を開催した。市内52校の中学2年生ら計95人が市役所の本庁舎(川崎区)に集合。「将来の後輩たちに向けて」という前提で「持続可能な部活動にするために必要な工夫」をテーマに議論し、生徒からは「部への参加スタイルを自分で決める」「自分たちでメニューを決める」といった意見やアイデアが出た。市教委ではこれを受けて2018年策定の「川崎市立学校の部活動に係る方針」を今年度内に改定する予定だ。

 市が「方針」の改定を進める背景には国の意向がある。文化庁とスポーツ庁は22年12月、少子化の影響で部活動が存続できないケースが増えているため、生徒がスポーツや文化・芸術活動に継続的に親しめる環境整備を目指す「総合的なガイドライン」を策定し、地方自治体に通知。23年度から25年度までを部活動に関する「改革推進期間」に指定し、状況に応じた取り組みを求めている。

部活動に充足感

 川崎市内の市立中学校の部活動の状況としては(24年5月時点)、52校で計749の部活動があり、内訳は運動部が520、文化部は229。全生徒2万9922人のうち約82%にあたる2万4659人が部活動に参加しており、市教委によれば、これまでのところ人員減で部を廃止したケースはないという。

 生徒にとっての部活の位置づけとしては、23年11月〜12月に実施した「中学校の部活動に関するアンケート」で、生徒が学校生活で「充実している」と感じる時間のトップは「休み時間」だったが、「部活動」が2位にランクインした。一方で部活動に関連した心配事や悩みを尋ねる設問では(複数回答可)、生徒の50・3%が「勉強との両立」、51・4%の保護者が「部活動と学業の両立」と回答。教員に負担感を尋ねた設問では「感じる」と「どちらかと言えば感じる」が合計で8割近かった。

 市の担当者は、「市も将来的に少子化となり、部活動の機能を地域で担う必要が生じるかもしれない。将来的な課題として、準備を進めていく」と話している。

イベントを知らせるチラシ

第3火曜日のお楽しみ 10月21日、ラゾーナ寄席

 ラゾーナ川崎プラザソルで10月21日(火)に「ラゾーナ寄席2025」が行われる。

 川崎市文化財団が地域に根差した文化を発展させていこうと、毎月の第3火曜日に同所などで寄席を開催している。

 当日は吉原朝馬さん、初音家左橋さん、古今亭雛菊さんが出演。

 午後6時30分から(開場は6時)。料金は一般2000円、25歳以下は1000円。定員200人、チケットは事前予約、または当日会場で5時30分から発売。全席自由、入場は先着順。

 チケットの予約、問い合わせはラゾーナ川崎プラザソル【電話】044・874・8501

介護や認知症対策を学ぶ 川崎南法人会が講座

 公益社団法人川崎南法人会が10月21日(火)に「介護問題 認知症対策緊急講座」をカルッツかわさき(川崎区富士見)で開催する。オンライン視聴可。

 高齢化社会となり、経営者の年齢も高くなっている現代。認知症が始まると自身で要介護か否かの判断が難しく、徘徊やセルフネグレクト。また判断力の低下から悪質商法などの消費者被害が受けやすいとされている。

 この講座では、FP1級で相続や事業継承に10年従事してきた大谷修太氏を迎え、介護業界の最新の動向や介護が必要になった時の手続きなどが学べる。

 午後2時から3時30分。費用は同法人会の会員は無料、非会員は1人3000円 。定員20人(オンラインは上限なし)。詳細は同法人会【電話】044・276・8731

旗を手に持つ吉村さん

市薬剤師会 開局示す黄色い旗 薬局で災害想定の訓練

 (一社)川崎市薬剤師会は9月1日、災害時に開局していることを示す「開局中」のイエローフラッグを掲出する訓練を市内の会員薬局475店舗で実施した。

 「災害時に薬局が営業しているか分かりづらい」という市民の声を受けて始めたもので、東日本大震災の起きた3月11日と、防災の日の9月1日に毎年行っている。

 グレイスファーマシー(中原区)の吉村美穂さんは当日を振り返り、「旗に気づいてくれる常連さんもいて、訓練であることを伝えた」と手応えを得た様子。「避難の際には、お薬手帳とマイナンバーカードを忘れずに携帯してほしい」とアドバイスを送った。

ずらりと並ぶコラボメニューの数々

GO!GO!!フロンターレ

マルコメとのコラボメニュー販売

 川崎フロンターレオフィシャルカフェ「FRO CAFE」で、オフィシャルパートナーのマルコメ(株)とコラボしたメニューの発売が始まった。10月31日(金)までの期間限定。

 期間中は、同社の発酵食品や大豆ミートなどを使った、体に優しく美味しいメニューが楽しめる。ピリ辛の味付けが食欲をそそる「大豆ミートの台湾混ぜ飯」や、西京焼き用みそのマヨネーズソースが決め手の「塩糀ローストポークのピタパンサンド」、「濃厚味噌の鶏団子汁定食」などが並ぶ。いずれも1100円(税込)。

 ドリンクには同クラブの練習拠点、麻生グラウンドで選手にも提供されているスムージーを、カフェ風にアレンジした「米糀ミルクのベリーバナナスムージー」も登場。トップチームの選手も愛飲する一杯を味わうことができる。

 担当者は「マルコメさんの商品を使った、こだわりのメニューがそろいました。ぜひこの機会にご賞味ください」と来店を呼びかけている。問い合わせは併設のアズーロ・ネロ【電話】044・767・6111。

画像はいずれも川崎フロンターレ

検証 福田市政㊦ まちづくり、輸送力強化に課題 特別市は市民理解不可欠

 10月12日告示、26日投開票の川崎市長選挙。3期目・4年間の福田市政検証の2回目のテーマは防災対策やまちづくり、特別市などについて。

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 2024年1月1日に発生した能登半島地震を受け、福田紀彦市長は「被災直後から衛生面で重要な課題となる」との認識を示し、川崎市の災害時におけるトイレ対策を転換する方針を決めた。長期の断水により、災害時のトイレ対応の重要性が浮き彫りになったことを受け、川崎市は下水道管に接続して利用できるマンホールトイレを市内156カ所に整備、携帯トイレの備蓄も推進した。加えて、市内のコンビニエンスストア208店舗へAEDの設置を進める。一方で市民救命士の養成は課題だ。

 まちづくりの取り組みでは、京急川崎駅や武蔵小杉駅をはじめ、市内各地で整備計画を進めてきた。福田市長は「50年先を見据えた都市整備」を行うとしている。登戸、鷺沼、新百合ヶ丘などの駅周辺での再開発は、人口増加につながることも期待されている。交通インフラでは、川崎の南北を縦断するJR南武線で連続立体交差事業が進められているが、ラッシュ時の混雑問題はいまだ解消されていない。JR東日本は今春、南武線のワンマン運転を開始。ただ、遅延問題は度々発生している。輸送力増強に向けた市としての働きかけは、いっそう求められている。

 ふるさと納税で福田市長は「本格的に取り組み、流出分を取り返したい」との決意のもと、ポータルサイトを3サイトから14サイトに増やし、返礼品も24年度の約400品から倍以上の約850品目へと増やすなど、力を入れてきた。こうした取り組みが功を奏し、寄付受入額は、過去最大の約26億円に達した。もっとも、2024年度における同制度経由の市税減収額は、過去最大の約138億円に上り、歯止めがかからないのが現状だ。川崎市は市の税収で財政をまかない、国から地方交付税の交付を受ける必要がない「地方交付税不交付団体」であるがゆえ、ふるさと納税による住民税の減収分が補填されず、市民サービスの低下の懸念が生じている。

 福田市長が主張し続けているのが「特別市」の実現だ。政令市を都道府県から独立し、行政サービスを一括して担う制度。実現により、都道府県との連携強化に加え、市町村との水平連携が推進・強化され、「行政サービスの充実などの成果を市民、近隣自治体を含めた圏域、日本全体に還元できる」と福田市長は力を込める。「東京一極集中」の打開にもつなげたい考えでもある。法制化に向けて福田市長は音頭を取り推進する一方で、市民に「分かりづらい」との声はつきまとう。こうした中、福田市長は地方自治制度を「スマホの本体」、まちづくりや福祉、防災など個々の政策を携帯電話内の「アプリ」と例えてしきりに説明を行う。「いくら良いアプリ(政策)だとしても、携帯電話が古ければ使うことはできない」と抜本的改革の必要性を訴える。特別市実現に向けては市民の理解度を上げていくことは欠かせない。