藤沢版【8月30日(金)号】
付箋に思いを書き共有する参加者(MOP提供)

「逃げる」選択できる社会へ 自殺対策 学生団体訴え

 子どもの自殺リスクが高まるといわれる夏休み明け。「学校に行くのが辛いときや、心が壊れてしまうほど追い込まれそうになったら、逃げてもいい」。子どもや若者たちに「#逃げ活」を啓発する学生団体MOPの理事・李紀慧さんはこう話す。2回目のワークショップを9月に控える今「逃げることは悪いことではない」と訴える。

 「#逃げ活」は厚生労働大臣指定法人の一般社団法人「いのち支える自殺対策推進センター」(東京都)が企画した啓発活動。賛同者を中心に全国で展開されている。

 同団体もその一つ。自分の場所「My Own Place」という名前を付けて活動している。

先月27日には初めて「#逃げ活」のワークショップを開催。小学生から大学生、保護者の計14人の参加者に「逃げる」ことの大切さを訴えた。

 参加者は逃げたいことや、その気持ち、回避法などを付箋に記して台紙に貼りつけた。逃げたいものとしては「SNSの返信」「学校」などが挙がり、回避法では「その場から家に帰る」「推しを愛でる」といった具体的な行動が出た。また、逃げてよかった体験談として「色々な人に出会えた」「気持ちに余裕が生まれて優しくなれた」といった前向きな内容が示され、「逃げる」ことが悪いことではないとの認識が広がったという。

 李さんは「他の人の考えを知ることで逃げてもいいんだという後押しになれば」と話す。

 同団体は、毎月第2・4土曜に東勝寺(高倉258)で「湘南台MOP HOME〜寺子屋 〜」と題した子ども食堂を定期的に開いている。食事の提供に加え、学習支援や遊びを通して交流している。その中で「#逃げ活」を9月14日(土)に開く。対象は18歳以下とその保護者。午後1時30分から7時まで。高校生以下の食事は無料。

市は啓発事業実施

 9月10日(火)から16日(月)までの「自殺予防週間」に合わせ、藤沢市は女性のメンタルヘルスに関する講演会を実施する。女性を取り巻く社会の構造や問題を踏まえ、北星学園大学社会福祉学部の高橋あすみ専任講師が「自分を責めないために」と題して語る。9月2日(月)から30日(月)まで申し込みを受け付け、オンライン動画を配信。また、市役所分庁舎1階ロビーでパネル展示が行われるほか、江の島シーキャンドルが自殺対策のシンボルカラーの緑色でライトアップされる。

体育館の空調イメージ

藤沢市 体育館に空調整備へ 小中学校6校が対象

 近年続く夏場の猛暑による児童・生徒の暑さ対策や災害発生時に避難者の利用に配慮するため、藤沢市は市立小中学校の体育館に空調設備を整備する。設置対象は本町・大道・大庭小学校、秋葉台・湘南台・滝の沢中学校の計6校。債務負担行為設定額(小中学校施設環境整備事業費)約3億円を補正予算案に盛り込み、9月に行われる市議会で議決されれば来年、本格的な夏がくる前に稼働開始となる。

 27日に開かれた定例記者会見で市が発表した。鈴木恒夫市長は「業者の手配や財政的な問題もあるが、順次計画的に進めていき、早い時期に全校につけたい」とした。

 学校施設課によると、人体と外気との熱のやりとりに着目した指数「暑さ指数」に応じ、今夏は各学校の判断により、熱中症のリスクを回避するため体育の授業を行わないケースもあるという。

 また、こうした教育現場での課題解消だけでなく、体育館は災害発生時に多くの地域住民が避難生活を送る場所として利用されることから、市は避難生活に伴う身体的・精神的なダメージが原因で亡くなる、いわゆる「災害関連死」などへの対策も図りたい考え。

 現時点で市立学校に空調設備が設置されている体育館は白浜養護学校1校のみで、小中学校54校には取り付いていない。先行設置する対象校について同課は「再整備をしている、または再整備を計画している4校を除き、地域に開放している回数が多く、比較的小規模で設置しやすい体育館を選定した」と話す。

 リースか、整備工事かは学校ごとに異なるが、市は今年12月に施工業者と契約、施工、来年6月に稼働させる方針だ。

市教委に署名千通

 「体育館の中は異常な暑さ。サーキュレーターはあるが、何の足しにもならない。子どもには体を冷やすものや水分を多めに持たせることしかできず、熱中症で倒れる子もいた。真っ青な顔の大人もいる」。こう話すのは、かつてミニバスケットボールのコーチを務め、現在はバスケチームの一員として大鋸小学校で活動する長根山真澄さん(46・西富在住)。学校関係者などが出席する体育館利用会議の場で、3年ほど前から空調設備の設置を訴えてきた。

 2人の子どもは藤ヶ岡中に通っており、「何かあってからでは遅い」と危機感を抱き、「小中全体育館に取り付けてほしい」という内容の署名活動を展開。1年掛かりで約千通が集まり、6月に教育委員会に提出した。

 しかし今回の設置対象校に大鋸小は入らなかった。「市が動いたことはありがたい。でも緊急性が求められている学校もある。困っている市民の声を聞く耳を持ってほしい」と憤りを隠せない。

「藤沢ランドスケープシアター」の企画・運営を手掛ける 木津 潤平さん 市内在住 55歳

 ○…「建物を持たない劇場」を市内各所につくるプロジェクトが今月、フジサワ名店ビルで始まった。「藤沢ランドスケープシアター」と銘打ち、その仕掛け人として奔走。開幕イベントでは市民から活発な質問が飛び交ったことに触れ、「皆さんの関心も高く、手応えを感じた」とほっとした表情を浮かべる。

 ○…愛知県豊田市で生まれ育った。モノづくりが好きで、映画監督に憧れた時代もあったが、高校生の時に舞台美術家の故・朝倉摂氏の写真集を手にし、あまりの迫力に「こんな世界があったのか」と衝撃を受けた。芸大への進学も考えたが、空間デザインをカバーしたいと東京大学に入学。建築学科を専攻し、大学院に進むと演出家の宮城聰氏率いるプロ劇団で美術スタッフとして舞台を陰で支えた。その後、大手設計事務所に入社。一級建築士を取得して、劇団関係者や一般顧客の求める世界観を実現した。

 ○…仏・アヴィニョン演劇祭での野外劇『マハーバーラタ』では石切場という特殊な環境を生かし、リング状の舞台が客席を包み込む空間構成を手掛けた。「太鼓の一打に鳥肌が立った」と自身も興奮したが、幕が閉じた瞬間に爆発するかのように総立ちした観客から称賛を浴びた。現地の老婆の「こんなに気持ちいい場所だったなんて」という一言は今も活動の原動力になっている。

 ○…18年前に妻の実家があった藤沢で独立した。歴史の積み重ねから香り立つ文化。昭和レトロな雰囲気漂う駅前の佇まい。「エネルギーに満ちたここに来れば、本物に出会えるといった期待をしてほしい。全国から注目される場になるまで地道に長期的に活動していくつもり」。意表を突くほど面白い、土地の魅力を可視化する劇場化。好奇心が未来をつくる。

親子で仮装してパレード(過去)

ベビーカーで仮装パレード 参加する親子募集

 「藤沢市民まつり」の実行委員会は、9月22日(日)に開催する「ベビーカー&キッズ大行進」の参加者を募集している。

 当日正午から15分間、藤沢駅北口柳通り約250mを仮装してパレードする。ベビーカーで参列できる親子、または小学6年以下の子どもと保護者が対象。先着順で各100人ずつ。参加無料。猛暑、荒天時は中止。

 希望者は9月6日(金)までに市民まつりホームページから申し込む。

直筆の色紙を手にする金田さん(左)と鈴木市長

セーリング金田選手 「目指すは金メダリスト」 世界の壁、市長に報告

 鵠沼橘在住の金田惺吾さん(13)が21日、鈴木恒夫市長を表敬訪問し、セーリング世界大会の結果を報告した。

 金田さんは先月28日から8月2日にかけてイタリアで行われた「オープンスキフワールドチャンピオンシップ2024」に出場。186人中総合32位を記録した。

 この日、金田さんは将来の目標「オリンピック金メダル」と書いた直筆の色紙を持参し、大会の様子や普段の練習など市長からの質問に答えた。「各国の選手は想像以上に強かった。さらに経験を積み、五輪種目にも挑戦して世界1位を取れるような選手になりたい」と決意を新たにした。

 鈴木市長は「パリ五輪でも藤沢出身の吉岡選手がメダルを獲得した。これを契機に競技が盛り上がれば。金田選手も次のロス五輪を目指して頑張って」と激励した。

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優勝メダルを獲得した六会中陸上競技部のリレーメンバー

全中陸上 400mリレー 六会(男子)優勝鵠沼(女子)4位入賞

 福井県で17日から20日まで行われた第51回全日本中学校陸上競技選手権大会(全中陸上)の男子4×100mリレーで、六会中学校が記録42秒73で第1位に輝いた。女子のリレーでも鵠沼中学校が4位入賞を果たし、神奈川県代表の藤沢勢が全国の大舞台でハイレベルなレースを繰り広げた。

 全国制覇を成し遂げた六会中のメンバーは、陸上競技部の浅岡湊さん、新井伶(りょう)さん、小川銀司さん、冨松慶貴さんで、いずれも3年生。チームは予選レースを1位で勝ち抜き、今大会の予選トップ記録43秒08を打ち出して決勝へ進出。「最後は競り合いになることを想定していた」というアンカーの冨松さんはゴール手前で3人の選手が並んだ瞬間、スパートをかけ引き離しゴールテープを切った。

 大会を振り返り、浅岡さんは「1位になれたのはうれしいが、中学日本記録を更新したかった」。新井さんは「緊張したが、走りを楽しむことができた」、小川さんは「一人ひとりが全力を尽くすることができた」と話した。

 「おめでとう」。顧問の鈴木智也教諭は「全国1位の成績に満足せず、中学生の日本記録更新を目指している彼らには、まだまだ伸びしろがある」と期待を寄せる。

 4位入賞を果たした鵠沼中のメンバーは辻村佳歩さん(2年)、氏家美心さん(3年)、和田涼香さん(同)、雫石真央さん(2年)。しかし、練習や予選の地区大会では、けがや体調不良などでメンバーの入れ替えがあり、この活躍は「リザーブメンバー3人を加えた7人の結果」と話す。「3位のメダルがとれなかったのは悔しい」と和田さんは悔しさを滲ませた。顧問の林嗣教諭は「決勝は走りにくい1レーン。厳しいレースにもかかわらず4位に食い込んだのは素晴らしい」と活躍を称えた。

全中の砲丸投で6位入賞した三浦さん

三浦さん砲丸投で6位 全中で自己ベスト連続

 福井県で17日に行われた「第51回全日本中学校陸上競技選手権大会」の男子砲丸投で、片瀬中学校の三浦大翔さん(3年)が14m34を記録して6位に入賞した。

 全中への出場は今回が初めてという三浦さん。「凄く緊張した」と当日を振り返るが、大一番の競技に気合が入り、1投目から自己ベストを超える13m85を記録。2投目はミスをするものの、3投目で14m16と再度自己ベストを更新して7位の成績で決勝ラウンドへ進出した。

 決勝ラウンドでも14m34と、3度目の自己ベスト更新となる好記録を出して6位に入賞した。

 中学1年の冬から砲丸投を始めた三浦さん。野球経験があったことから、砲丸を押し出すスピードや下半身の強さは当初から大きな武器だったという。

 初の全中での入賞に「良い記録を残せて満足」と笑顔を見せる一方、「まだ大会があるので、これからも記録を伸ばしていきたい」と意欲を燃やす。

藤沢市議会 ケアラー条例12月上程へ パブコメ意見を反映

 日常的に家族等の介護をしている人を支援するため、藤沢市議会が制定を目指す「(仮称)藤沢市ケアラー支援に関する条例」の素案について、同議会ホームページでパブリックコメントに寄せられた意見が公開されている。

 病気や障害を持つ人や高齢者等を日常的に無償で介護する「ケアラー」。心身の疲弊や孤立だけでなく、自分らしく生きる機会の損失といった負担もある。

 2020年に埼玉県が全国で初めてケアラー支援に関する条例を制定して以来、各地に動きが広がり、今年4月には鎌倉市が神奈川県内初となるケアラー支援条例を制定した。

 藤沢市議会では、昨年9月に全会派が参加して政策検討会議を設置し、シンポジウムを開催するなど検討を重ねてきた。素案では、18歳未満のヤングケアラーを含めた全てのケアラーとケア対象者を「健康で文化的な生活を営むことができるように」すべきと定義。当事者が参加する協議会による支援計画の策定など、意見が反映される体制作りなども見据える。

 パブリックコメントでは、6月17日から7月16日の期間中に条文の表現等で5件の意見が寄せられた。

 今後は、意見をもとに政策検討会議で条文を検討し12月議会への上程を目指す。

 自身もケアラーとしての経験を持つ竹村雅夫副議長は「家族のケアをしているけれど、周囲に言えない人もおり、潜在的なケアラーは多い」とし、「条例ができることで、ケアラーに対する市民の認識を高めたい。ケアする人も、される人もSOSを出して良い。家族まるごと支援できる社会にしていけたら」と話す。

栄冠を手にした湘工大附高テニス部男子

湘工大附高テニス部男子団体 11年ぶり全国優勝

 福岡県で8月2日から4日に開かれた全国高校総体(インターハイ)テニス競技団体戦で、湘南工科大学附属高校男子テニス部が11年ぶり5度目の優勝を果たした。

 同校は今年、ジュニア日本代表である川西飛生選手(1年)や松村怜選手(2年)、全中ベスト4などの戦歴を持つ名雪楽工選手(1年)など、全国トップクラスの実力を持つ選手を擁している。大会開幕前から掲げたのは「全国優勝」。主将を務めた安藤雄哉選手(3年)は「チームに勢いを感じていた。うまく波に乗れたのではないか」と振り返る。

 団体戦では、1校につき5選手がダブルス、シングルス1、2に分かれて対戦する。同校は2回戦と準々決勝でストレート勝ちをするなど、順調に駒を進めた。「最初はみんな緊張していたが、勝利を重ねていくうちに楽しくなり、各々が自分らしいプレーをできるようになった」という。

 着実に勝利を収めていくチームだが、準決勝の相手である柳川高校(福岡)には苦戦を強いられた。ダブルスでは敗れ、シングル1の杉本一樹選手(3年)が勝利。決勝進出を賭けたシングル2に安藤選手が臨んだ。序盤は1点リードを許し、追う展開に。「相手はショット力が高く、甘いボールも見逃さないので苦しかった」。中盤から逆転し、その後も粘りを見せ勝利した。進んだ決勝でも相生学院(兵庫)に2―1で勝ち、日本一に輝いた。

 「試合で辛いときは日々の練習を思い出していた」という安藤選手。放課後5時間に及ぶ練習で、体力や技術のみならずメンタルや集中力が鍛えられた。同校では、外部のクラブチームに所属しながら部の練習にも参加する選手も多い。瀬野圭紀監督は「テニスは個人競技の側面が強い。個性を伸ばしながら、チームとして質を高めていく指導を心がけた」とした上で、優勝という結果に「選手たちの競技人生はこれからも続き、チームも戦っていく。これで終わりではないけれど、よく頑張ってくれた」と選手たちをねぎらった。

米不足の現状 「慌てないことが大事」 JAさがみに聞く

 スーパーマーケットに米がない――。今月中旬ごろから、全国的に米不足が問題となっている。市内の各小売店舗の売り場でも「一袋も並んでいない」「どこで手に入るのか」という声が相次いでいる。

 「『お米ないの?』との質問が直売所にもたくさん寄せられている」と話すのは、JAさがみの担当者だ。同社が運営する「わいわい市場」や「米ディハウス」でも、店頭では品薄状態が続いている。

 なぜこのような事態になったのか。前提として8月から秋ごろまでは新米への入れ替え時期で、出荷量は少なくなる。しかし店頭における品薄については「それだけが要因ではない」という。

 「今年の春ごろから現場では品薄感があった」と振り返る担当者。昨夏の猛暑といった天候の影響による不作や質の低下などが見受けられた。

 加えて、今月8日に宮崎県で最大震度6弱を観測した地震発生から、気象庁が発表した南海トラフ臨時情報により、市民からの需要が高まったことが原因していると分析する。

 不安が広がる中、われわれ消費者に求められるのは「慌てないこと」だと話す。「災害の備えとして米を蓄えても、非常時に研ぐ水や炊く際のガスがあるとは限らない。むしろ非常食など備蓄の方が重要ではないか」。1993年に起きた米不足を思い出す人の声には、「飲食店や学校給食では普段通り供給されている。あの頃とは深刻度が異なる」と解説する。

 9月中旬からは例年通り新米の出荷時期となり、店頭に出回る量も増えてくる。「買い溜めせずに、冷静に判断してもらえれば」と呼びかけている。

クラゲを採取する際に使用する自転車や網が並ぶ展示を背にほほ笑む渡部さん。

クラゲに魅せられて 「ロマンと現場伝えたい」

 今年20周年を迎えた「新江ノ島水族館」 を支える人々へのインタビューを通して、華々しい軌跡の舞台裏に迫ってきた本連載。最終回を飾る主役に選んだのは、新館オープンから展示され続けてきたクラゲだ。「えのすいの象徴」ともいえる海洋生物と同館の歩みを紹介する特別展「”えのすい”のくらげ展」が、この夏から秋にかけて開かれている。クラゲの展示飼育を担当する渡部舞さんに、その魅力や見どころ、今後の目標などについて話を聞いた。

 「私たちが一生の時間を掛けたとしても、全てを知ることはできないかもしれません」と熱弁する渡部さん。クラゲの魅力は「未だ生態が明らかになっていないロマンにある」といい、自身もそれに魅了された1人だ。

 学生時代は分類研究をするなど根っからのクラゲ好き。同館でクラゲ担当になってから早2年。特別展について「多くの人に知ってもらえる機会を得られてうれしい」と顔をほころばせる。

 展示の準備には、昨年12月ごろから約半年間を要した。世界で初めて繁殖に成功したアカクラゲや今回が世界初展示となるポドコライナボレアリスなど、同館が手掛けた調査研究の成果やゆかりの種をずらりと並べた。見どころはそれだけにとどまらない。

 同館では、職員が毎日近隣の海に出向いてクラゲの採取を行っている。飼育の裏側を身近に感じてもらおうと、実際に採取に使用している網やピペット、バケツといった道具も設置。採取現場を再現した構図にした。狙い通り、それら手作りの道具や毎日の採取することに来場者たちは驚いた。「移動する際に使っていた自転車の使い古し具合を哀れむ声も上がり、買い替えが決まったんです」と苦笑い。思い掛けない収穫となった。

 7月から始まった特別展は連日盛況。大きな反響に手応えを感じた一方で、課題も見つかった。来場客の大半は巨大で美しいクラゲを目当てに訪れており、体長が小さいクラゲの魅力を伝える難しさを痛感。現在は「どんなクラゲでも写真で撮りたくなるような展示ができれば」と、桃色の「ナデシコクラゲ」を大きな水槽で展示する構想を練っている最中だ。

 伝統を重んじつつ、遊び心を追求する若手スタッフたち。今後はどんな光景を見せてくれるのか。期待せずにはいられない。(連載終わり)

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湘南労福協 未使用タオルを寄贈 児童養護施設に600本

 藤沢、茅ヶ崎、寒川の労働組合などで構成される湘南地域労働福祉協議会(宮城宏之会長)は20日、みその台にある児童養護施設「聖園子どもの家」に、タオル200本を寄贈した(=写真)。

 同協議会では、会員から未使用タオルを集めて福祉施設に寄贈する「タオル1本運動」を毎年行っている。

 寄贈されたタオルは園児が洗顔などに使用するほか、卒園する生徒の餞別としても活用されるという。

 タオルを受け取った同施設の堀衣里主任は寄贈について、「ありがたい。タオルを使うことで、園から巣立った後も地域の方や施設からの支えを感じられるのでは」と感謝の意を表した。

米国発会員制スーパーオリジナルの巨大なぬいぐるみが棚の上に陳列された店内で商品を選ぶ来店者

やまか新店 米国スーパーから仕入れ 人気は小分け販売

 湘南エリアを中心に店舗展開する「スーパーマーケットやまか」が先月、米国発の会員制大型スーパーの商品を中心に扱う新店「やまコス獺郷店」(獺郷1234の1)をオープンした。米国スーパーから商品を仕入れ、家庭で使いやすい小分けで販売する形態が人気を集めている。

 やまかでは以前から、米国スーパーの商品を販売するフェアを期間限定で開催。反響が大きく、既存店での試験販売を経て、今回の新規開店に至った。

 過去に実施した来店者への聞き取りでは、近隣に住む高齢者から「商品は好きだけれど量が多いので、食べきれるようなサイズにしてもらえるとうれしい」という声が上がった。そこで仕入先オリジナルブランドのスナック菓子や飲料のほか、パックいっぱいに入った味付き肉やパンを店内で小分けにして販売。店長の坂口洋一さんによると、1日に2度訪れる常連客もおり、特に小分けのパンが売れ筋という。また今月からは日替わりでパンやマフィンのバラ売りも始め、こちらも好評を博している。

 市外から友人と訪れた女性は「前から評判は聞いていた。便利なので、また来たい」と話した。

互いに協力して調理する児童

孤食解消へ子ども食堂 明治地区で初

 明治市民センターで8月10日、子ども食堂が開かれた。夏休みの子どもの孤食解消や居場所づくりを目的に、市民有志でつくる「明治地区みんなの居場所食堂事業実行委員会」(小河愛由美会長)が初企画。小学1年から6年までの児童ら約30人が交流を深めた。

 藤沢市社会福祉協議会の協力を得て、今年4月に同実行委が発足。かながわ信用金庫羽鳥支店、(株)タカギフーズ、(有)工匠から物品や食材の提供を受けて開催に至った。

 児童たちは子ども用包丁やピーラーを使い、カレーライスとデザートみつ豆づくりに挑戦。「お母さんがさせてくれないことをできた」などと皆笑顔で取り組んでいた。

 イベント終了後、小河会長は「食事を必要とする子に届いてもらえれば」とした上で、12月にも豚汁とおにぎりづくりを予定しているという。

藤沢の魅力を描いた絵の解説をする児童とダルトン大使(中央)

村岡で交流事業 五輪の縁つなぐ

 東京2020オリンピックでの縁をつなぐレガシー事業として26日、村岡公民館で「ホストタウン交流イベント」が開催された。

 同大会では、エルサルバドル共和国の選手がホストタウンとして藤沢市に滞在した。これをきっかけに、大会後も交流事業が続いている。

 この日は、同公民館事業「きらりっこ」に参加する小学4年生から6年生約20人が、同国のディエゴ・アレハンドロ・ダルトン大使らと交流。牛乳パックを使ったヨットを作り、藤沢の魅力を描いた絵を紹介したほか、互いの郷土料理を食べて親交を深めた。ダルトン大使は「藤沢の人はとてもオープンで親切。ビーチの文化があり、エルサルバドルに似ている点も多い」と話した。

天然芝でサッカーを楽しむ(提供)

天然芝を楽しもう キッズ向けイベント

 市内25公園の指定管理事業を行っている藤沢市まちづくり協会が9月下旬から10月中旬、天然芝のグラウンドでサッカーを楽しむキッズイベントを開催する。

 賑わいのある公園を創出し、市民交流の場を提供する「公園活性化プロジェクト」の一環で初めて企画されたもの。

 一つは、幼児と女子小学生を対象にした「Enjoy Soccer Day」。年中から年長の幼児を対象にした「ちびっこひろば(定員30人)」は引地川親水公園球技場で9月21日(土)、午前10時から。女子小学生を対象にした「女子サッカーなでしこひろば(同)」は9月22日(日)、下土棚遊水地公園活動芝生広場で、小学1年生から3年生は午前9時15分から、小学4年生から6年生は午前10時30分から。参加費無料。雨天中止。参加申し込みは9月2日(月)から受付。

 二つめは、英語に親しみながらサッカーをする「公園の天然芝で英語&サッカーを楽しもう!」。会場は引地川親水公園球技場で9月27日(金)、10月4日(金)、11日(金)、18日(金)の4回開催。時間は各日とも午後3時から。対象と定員は小学1年生から3年生まで16人、小学4年生から6年生16人。参加費は1回500円(当日支払)。雨天中止。参加申し込みは9月13日(金)から受付。

 イベント内容や持ち物などの問い合わせや、申し込みは同協会【電話】0466・46・7788。

特別車両の外観イメージ(江ノ島電鉄提供)

嵐電姉妹提携15周年記念 京紫色の江ノ電走る

 京都を走る嵐電(京福電気鉄道)の京紫色で江ノ電の車体をラッピングした特別車両「江ノ電・嵐電 姉妹提携号」が9月4日(水)から運行される。2009年10月に締結した姉妹提携が今年で15周年を迎えることを記念した企画。

 車体には、江ノ電のクリーム色や、江ノ電と嵐電のマスコットキャラクター「えのん」と「あらん」のイラストなどをあしらい、専用ヘッドマークも取り付けられる。運行期間は2026年秋ごろまでを予定している。姉妹提携15周年を記念した入場券を江ノ電の藤沢・江ノ島・鎌倉駅各窓口で4日から発売。

 また、嵐電の嵐山線では江ノ電カラーに塗装した車両が7日(土)から運行される。

 江ノ島電鉄と京福電気鉄道の両社は、共同PR事業「あたらしいコトみつけよう」を展開。ポスターを掲出するなど、東西の古都である鎌倉と京都の沿線地域の魅力などを発信していく。

おやじの会は必要か? 全国サミットで議論白熱

 「全国おやじサミットin藤沢」が8月24日、市民会館で開かれた。県内外で活動するおやじの会メンバー約170人が参加し、情報交換を通じて交流を深めた。

 パネルディスカッションには"全国のおやじ代表"6人がパネラー出演した。また特別ゲストとして、ふじさわ観光親善大使でタレントのつるの剛士さんも登壇。「おやじの会は本当に必要?あるべき未来像とは!?」をテーマに、独自の視点から白熱した議論を展開した。

 「そんなに頑張って何に幸福感を得ているか」という質問については「子どもの笑顔や『ありがとう』の言葉」「仕事場とは違った共感や元気をもらえる」「親同士が知り合いだと子どもがけんかしても『お互いさま』で済む」「定年後に遊ぶ友だちや地域に貢献する役割をもてる」などの意見が挙がった。終盤には「出会いは一期一会。おやじの遊び心を子どもや若い先生に伝えていきたい」と展望を語り合った。

 おやじの会特別会員の名刺を贈られたつるのさん=写真=は「それぞれの得意を生かして地域で子どもを育てる姿は素晴らしい」と皆を称えた。

司法書士の無料相談会 9月7・21日

 県司法書士会湘南支部(門田渉支部長)は「司法書士無料相談会(面談)」を9月7日(土)と21日(土)、フジサワ名店ビル6階で開催する。午後2時30分から5時30分。

 同支部所属の司法書士が相続全般や遺言、相続登記、債務整理、過払請求、成年後見などの困りごとにアドバイスする。無料相談会は社会貢献活動の一環として第1、3土曜日に実施。申し込み不要。当日会場へ。(問)ひなた司法書士事務所【電話】0466・29・0308

いさわ果樹園の伊澤さん(上)、Aoki果樹園の青木さん

市内果樹品評会 梨とぶどう優等賞2園決まる

 市内の果樹園が梨とぶどうの品質を競い合う果樹持寄品評会が今月20日、イトーヨーカドー湘南台店で開催された。梨では遠藤の「いさわ果樹園」、ぶどうでは高倉の「Aoki果樹園」が優等賞に輝いた。

 いさわ果樹園では「幸水」を出品した。幸水は甘みが多く酸味が控えめで、みずみずしい食感が特徴の品種。同園では毎年、実の大きさにこだわって栽培しているという。伊澤昇平さん(35)は「梨は大きくしても大味にはならず、甘い部分が増える。お客さんには700グラム以上特大サイズのものが毎年好評を得ている」と話す。

 品評会では形や色にむらがないことも評価された。「有機肥料の活用や土づくりを工夫したほか、収穫のタイミングを細かく見極めた」。初の優等賞となり「家族の支えに感謝している。今後もお客さんによろこんでもらえる梨を作りたい」と決意を新たにした。

 Aoki果樹園は、藤沢発祥の「藤稔」を出品した。大粒で甘みや香りに優れた同品種を、開発当時から栽培している。ぶどうでは、初めての優勝。品評会では粒はりの良さ、ブルーム(実の皮に付着する白い粉のような天然成分)がよく付いていることなどが評価されたという。

 同園の青木拓磨さん(36)は「粒を大きくしても、ゲリラ豪雨などですぐに割れてしまう繊細な品種。栽培が難しい分、優勝できてうれしい」と笑顔で語った。

 現在、いさわ果樹園では今年の幸水は店頭販売残りわずか。Aoki果樹園では藤稔の販売はほぼ終了している。

ボトル印刷の一例

「ふじキュン♡」防災ボトルいかが 自治会・団体向けグッズ

 元日に発生した能登半島地震では、改めて災害への備えの大切さが認識された。

 タウンニュース社では、災害に役立つものがセットになった「防災ボトル」に藤沢市の公式マスコットキャラクター「ふじキュン♡」のイラストと希望する団体名などを印刷するオリジナル品の取り扱いを始めた。

 水などを入れられるフタ付ボトルに入っているのは【1】救助要請を知らせる笛【2】LEDライト【3】ペットボトルキャップ1杯の水で元のサイズに戻る圧縮タオル【4】保温大判アルミシート【5】ジッパーバッグ――の5点。ボトルは500ミリリットルのスリムサイズで飲用に使える。

300本から取り扱い

 取扱いは300本からで、1本あたり880円(税込)。

 その他、タウンニュース社では、防災トイレ「トイレッポン」や安否確認タオルなども販売中。

 様々な防災グッズの中から選びたいという人には、総合カタログも無料で届けている。

 問い合わせはタウンニュース社営業推進部【電話】045・913・4141(平日午前9時〜午後6時)。

腕章をつけて会見に臨む児童

小学生が記者に挑戦 バスケ選手の会見体験

 子ども向け職業体験イベント「令和耕餘塾お仕事体験 記者の仕事を体験しよう」が22日、明治市民センターで行われた。明治・羽鳥・八松小学校区に住む1年から6年まで13人が参加。大人顔負けの鋭い質問が飛び交った。明治公民館の主催。

 この日、子どもたちは地域新聞社の記者から仕事にまつわる講義を聞いた後、疑似記者会見に挑戦した。会場に現れたのは、プロバスケットボールチーム「湘南ユナイテッドBC」の内田旦人選手と重冨周希選手。子どもたちは物おじせずに「練習のない日はどのように過ごしていますか」「憧れの選手はいますか」など各自、積極的に質問を投げかけた。

 一つひとつ丁寧に回答した内田選手は「子どもたちの質問が思っていたよりも本格的で驚いた。しっかり準備してくれてうれしい」と話し、重冨選手は「プロ生活について質問され、自分を見つめ直すきっかけにもなった」と感想を述べた。

笑顔と感動届けた舞台 市民ミュージカル、盛大に

 市内を拠点に活動する「ふじさわ市民ミュージカル」が25日、藤沢市民会館大ホールで第11回目となる公演を開催した。出演者は、ホールに元気な歌声を響かせた=写真上。

 当日は小学生から大人まで59人が昼と夜の2公演を熱演。披露した演目「Dear my friends」は脚本、楽曲、振り付けなどが同公演のために制作されたオリジナル作品で、「人の気持ち」が分からない主人公が友人との出会いや冒険を通じて成長していくストーリーだ。

 会場には市民が活躍する姿を見ようと満員に近い観客が詰め掛け、出演者たちの堂々としたパフォーマンスに惜しみない拍手が送られた。

 市内から友人と訪れたという女性は「ミュージカルが好きで普段からよく見ているが、予想以上に本格的で、メッセージが伝わってくる舞台だった」と感想を話した。

ピュアな演技届け

 同公演で脚本と演出を手掛けたのは、辻堂東海岸在住の和泉さなさん=写真下。会社勤めの傍ら、県内を中心に舞台活動に取り組んでいる。同団体とはコロナ禍で中止となった前々回公演に出演が決まっていたという縁があり、脚本執筆の依頼を受けた。

 出演と制作の両面から携わってきた和泉さんが考える市民ミュージカルの魅力は、「さまざまな人が一体となって取り組める場」ということ。全ての出演者に役名とセリフがあり、歌、ダンス、芝居とそれぞれの見せ場も多い。

 また、ひたむきに取り組む地元住民の姿を見ることができるのも魅力。「ピュアな演技を通じて、作品のメッセージを感じてもらえれば」と前を向いた。

インタビューに応じる鈴木市長

「いざ」に備えを 自助・共助・公助の重要性

 1923年9月1日、相模湾北西部を震源とするマグニチュード7・9の関東大地震が発生した。10万5千人もの犠牲者を出した未曾有の災害から101年を迎える今なお、県西部を強い揺れが襲うなど予断を許さない状況が続く。我々ができる備えとは。鈴木恒夫藤沢市長に聞いた。

 ――関東大震災では市内でも死者221人、行方不明者50人に及びました。そこで得た教訓は。

 「東京や横浜をはじめ火災被害が大きかったと認識しています。家屋倒壊によって火の粉や焼屑が飛散したことで、可燃物に燃え広がったとされています。これを教訓とした全般的な対策として、建築物の耐震化を図ってきたことが今日の建築基準法につながっています。本市においては家屋倒壊による被害を免れ、避難所での生活を送らなくても良いよう、耐火・耐震化を促すと共に、地震に伴う大規模火災の輻射熱などから逃れるため、現在24カ所の指定緊急避難場所(大規模火災)を設けています。加えて、当該緊急避難場所への避難路沿いには、68本の誘導標識柱や2千基を超える街頭消火器を整備しています。また、津波からの避難は喫緊の課題と捉えており、避難先となるビルの拡充や民間施設の整備事業に補助するほか、誘導標識や津波フラッグの設置を進めています。今年度は、避難が長距離となる片瀬海岸3丁目で津波避難施設の建設を始めるなどの施策を展開中です」

 ――盆期間中に、県西部で地震がありました。市内の被害状況は。

 「本市でも震度4を観測しましたが、幸いにも被害の報告はありませんでした。どのような状況に見舞われるか分からなかったことから、市としては状況確認や情報収集ができるよう、万全の体制を敷いてきました。今後も市民の不安を軽減するべく、必要な情報を速やかに発信できるように努めていきます」

 ――専門家によると、先の県西部地震は南海トラフ地震とは関係ないとしていますが、もし市内で大地震が発生した場合の被害想定は。

 「藤沢市地域防災計画では、大きな被害をもたらすとされる相模トラフを震源とする関東大震災の再来モデルを想定地震としています。被害は全壊の建物が2万8010棟、死者3260人、避難者数約24万人のうち、指定避難所への避難が約18万人と想定しています。また本市は相模湾に面した5Kmを超える海岸線を有しているため、津波や液状化による被害も想定されます。津波被害については地震とは別に被害を想定しており、約4・7平方キロメートルが浸水、3万世帯6万6千人ほどの住民と多くの観光客が避難の対象となり、被害は甚大なものと捉えています」

 ――地震被害を最小限に抑えるための市の対策は。また、各家庭や個人ができる備えは。

 「市内には81カ所の指定避難所を設け、それらを13の市民センター・公民館が地区防災拠点本部として運営することにしています。多くの方々が避難所などへ避難された場合、そこでの生活には十分な配慮をしなければなりません。例えば空調をはじめとした保健衛生の観点やプライバシー確保、女性の視点、さまざまな特性への対応、電源などエネルギーの確保といった取り組まなくてはならない課題は山積しており、課題解消に向けて一つずつ着実に進めていきたいと考えています。備蓄食や毛布、トイレ個別処理袋など基本的な防災備蓄資機材については2022度に指定避難所への避難者分を充足していますが、これからは在宅避難者のための備蓄もする必要があります。市はこうした「公助」に取り組んでいますが、災害時に避難しなくても良いように、市民の皆さんにも「自助」に取り組んでもらいたいと思います。具体的には、自宅の耐火・耐震化や家具の転倒防止、避難生活を最低3日間、できれば7日間持続できるように備蓄してもらうほか、自分自身や家族との連絡手段の確保、万が一の避難に備えた行動計画、避難ルートの想定などです」

 ――地震以外にも台風大型化、線状降水帯といった風水害対策も重要だと思います。防災について、どのように市民へ啓発していますか。

 「今年は元日の能登半島地震から幕を開け、日向灘を震源とする地震に伴う南海トラフ地震臨時情報が初めて発表されたほか、今月9日には県西部地震が発生しました。風水害についても台風第7号が関東をかすめ、東海道新幹線の一部区間で終日運休になるなど大きな社会的影響を及ぼしています。あす31日(土)には市役所本庁舎で「ふじさわ防災フェア」を開催します。地震や風水害に対する市民の意識が高まっている状況を捉え、市防災部門だけでなく、たくさんの関係者とのマルチなパートナーシップにより、市民に分かりやすく親しみやすい啓発を展開していきたいです。特に起震車については昨年度、VRと揺れを連動させる最新デジタル技術を用いた地震体験車に刷新しましたので、多くの市民に体験してもらい、よりリアルな体験によって備えを万全にしてほしいと思います。また、昨年度から事業者の協賛を得て、中学生向け防災啓発冊子『ふじさわ防災ナビJr.』を作成し、若い世代への教育現場での啓発を進めていくほか、市民が防災情報を入手しやすいように、防災アプリ『HAZARD ON(ハザードン)』を導入してきました。今後も多くの方々の理解と協力により、機会を捉えた効果的な啓発に取り組んでいきますので、どうぞよろしくお願いします」

放水体験を行う子ども(2022年)

体験・発見もりだくさん 親子で楽しめる防災フェア あす31日 市役所で

 市民の防災意識向上に向けて藤沢市では8月31日(土)、本庁舎で、「藤沢市防災フェア」を開催する。午前10時から午後3時。

 当日は、防災に関わる46の団体が参加し、親子で学べる企画を用意。

 体験では、最新のデジタル機能VR技術を活用した地震体験車や、応急給水、応急手当、災害時の紙食器づくりなどコーナーが登場。展示では、能登半島地震災害派遣活動記録や地域の業界団体の備えの紹介から、人命救助で活躍するはしご車からポンプ車、陸上自衛隊の偵察用オートバイ、電気自動車など様々な場面で活躍する車両が集まり、一部車両では体験乗車もできる。

 加えて子どもたちと一緒に楽しみながら学べる防災ゲームや、景品付きのスタンプラリー(数に限りあり)も企画されている。

 ステージでは、市消防音楽隊や、県警音楽隊の演奏が披露されるほか、関係団体による災害対応の実演が行われる。

 市危機管理課では「みなさんが楽しみながら防災を意識してほしい」と呼び掛けている。

 小雨決行。中止の場合は市ホームページなどで午前7時までに発表する。詳細は同課【電話】0466・25・1111(内線)2432。

実証実験を担当する怒和さん

アクポニ農園 汽水養殖に手応え エビとハーブ育成

 水耕栽培と水産養殖をかけ合わせた循環型農業「アクアポニックス」を行う株式会社アクポニが、打戻の農園でバナメイエビ養殖の実証実験に取り組んでいる。塩水(汽水)を使用した実験は順調で、担当者は「エビも野菜も日に日に大きくなっている」と手応えを話す。

 農園のビニールハウスでは、大きな水槽と水耕栽培の畑が並ぶ。アクアポニックスは、魚を養殖した水を微生物が分解し、これを野菜に与え、その水を再度養殖に使う「完全循環型農業」だ。水槽の水替え、土作りや除草などが不要で世界的に注目されている。

 これまでは淡水で行ってきたが、実証実験では塩分を含んだ汽水を使用。需要の高いバナメイエビを養殖している。

 実験は7月から始まり、エビ約400尾、野菜はスイスチャードやラベンダー、バジルなど塩分に強いものを120株ほど育てている。

 担当の怒和亜里寿さんは「開始当初は塩分濃度の管理で試行錯誤しましたが、現在は良いバランスで保っている」とし、「エビは大きいもので約12cm。開始から倍ほどの大きさに育ち、一般的な出荷の大きさまであと少し」だという。実験は9月末までが第1期で、今後も実験を重ねてデータを蓄積する。エビは国内需要が高く輸送コストの面でも優れているため、既に実験段階から問い合わせも多く、将来的には企業等への養殖システム販売を視野に入れる。

勤続者表彰の様子

永年勤続者37人を表彰 盛況に藤沢市幼稚園大会

 特定非営利活動法人藤沢市私立幼稚園協会(池田清会長)は21日、藤沢市民会館小ホールで「第39回藤沢市幼稚園大会」を開催した。加盟29園の教職員をはじめ、地元の衆議院議員や県・市議会議員、教育関係者など約200人が参加した。

 式典では勤続20年以上1人、15年以上6人、10年以上7人、5年以上23人の教職員計37人の表彰や花束贈呈が行われた。

 池田会長は「子どもたちにとって、どんなに立派な遊具や施設よりも幼稚園の先生一人ひとりが最良・最善・最大の環境であり、先生方の果たす役割は大きいと信じている。長く勤務していただきたい」と述べた。来賓の鈴木恒夫市長は「子どもたちの成長を支えていただき感謝。行政も皆さんと一緒に努力していく」とあいさつした。

市長動向 鈴木恒夫藤沢市長

8月19日▽川名御霊神社におけるすず虫放虫事業▽市内現場視察▽湘南政策懇談会

8月20日▽ふじさわシティプロモーション委員会▽百歳訪問▽藤沢市果樹持寄品評会▽中山副市長

8月21日▽神奈川県都市計画街路事業促進協議会総会▽市民ギャラリー▽藤沢市幼稚園大会▽オープン スキフ ワールド チャンピオンシップ2024出場選手表敬訪問▽湘南台アートスクエアプロジェクト「SUMMERフェスタ」

8月22日▽政策会議▽市政運営の総合指針改定委員会▽昴の会事業所「カフェすばる」移転に伴うお披露目会▽姉妹都市保寧市青少年派遣訪問団表敬訪問▽藤沢市総合教育会議▽決裁

8月23日▽湘南地域首長懇談会(二宮町)▽川崎副市長▽中山副市長▽藤沢市肢体不自由児者父母の会から要望書受領▽タウンニュース取材▽厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部野村知司部長ら

市長動向 鈴木恒夫藤沢市長

8月8日▽長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に出席のため移動

8月9日▽長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典(長崎市)

8月13日▽所用外出▽中山副市長▽2024PONY World Series日本代表選手表敬訪問

8月14日▽宮原耕地検討委員会ブルーベリー農園視察▽全日本ビーチバレーボール男子選手権大会閉会式▽市民ギャラリー▽「藤沢の道」写真コンテスト掲示▽藤沢市災害対策警戒会議

8月15日▽所用外出

8月16日▽決裁▽両副市長