水耕栽培と水産養殖をかけ合わせた循環型農業「アクアポニックス」を行う株式会社アクポニが、打戻の農園でバナメイエビ養殖の実証実験に取り組んでいる。塩水(汽水)を使用した実験は順調で、担当者は「エビも野菜も日に日に大きくなっている」と手応えを話す。
農園のビニールハウスでは、大きな水槽と水耕栽培の畑が並ぶ。アクアポニックスは、魚を養殖した水を微生物が分解し、これを野菜に与え、その水を再度養殖に使う「完全循環型農業」だ。水槽の水替え、土作りや除草などが不要で世界的に注目されている。
これまでは淡水で行ってきたが、実証実験では塩分を含んだ汽水を使用。需要の高いバナメイエビを養殖している。
実験は7月から始まり、エビ約400尾、野菜はスイスチャードやラベンダー、バジルなど塩分に強いものを120株ほど育てている。
担当の怒和亜里寿さんは「開始当初は塩分濃度の管理で試行錯誤しましたが、現在は良いバランスで保っている」とし、「エビは大きいもので約12cm。開始から倍ほどの大きさに育ち、一般的な出荷の大きさまであと少し」だという。実験は9月末までが第1期で、今後も実験を重ねてデータを蓄積する。エビは国内需要が高く輸送コストの面でも優れているため、既に実験段階から問い合わせも多く、将来的には企業等への養殖システム販売を視野に入れる。
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