青葉区版【9月19日(木)号】
無電柱化が完了した、根岸駅周辺の山下本牧磯子線

災害時の第1次緊急輸送路 無電柱化が難航 計画策定時と同程度に

 横浜市は2018年度、災害時の消火や救助活動、物資輸送の生命線となる「緊急輸送路」などについて無電柱化(※)の推進計画を策定したが、工期の長さや高い整備費で難航。高速道路や幹線道路などと広域ネットワークを構成する第1次緊急輸送路の無電柱化率は、策定時と同程度の33%にとどまる。

 市は推進計画に基づき、緊急輸送路を含む管理道路を整備してきた。しかし、23年度末の第1次緊急輸送路(総延長198Km)の無電柱化率は計画策定以降に指定された道路もあり、18年と同程度の33%(65Km)。また、第1次緊急輸送路のうち、横浜新道や保土ケ谷バイパスにつながる環状形成3路線(環状2号線、山下本牧磯子線、鶴見溝ノ口線/合計36Km)を27年度までに完成させることを目標にしていたが、23年度末の無電柱化率は18年から3ポイント増の71%(26Km)と達成困難な状況だ。

 整備が進まない要因の一つが長い工期。市道路局企画課によると、既設埋設物の移設や共同溝の設置、電柱・電線の撤去など10年前後かかる。整備費も高く、国交省の試算では電線共同溝方式の場合、道路管理者の負担額は1Kmあたり約3・5億円。横浜市のような都市部は既設埋設物が密集しており、試算以上の費用が必要という。

 市は現在、環状形成3路線の整備に注力し、25年度末の無電柱化率74%を目指している。コスト削減の技術導入や国への補助金要望にも取り組むとして、担当者は「人命救助や復旧・復興につながる事業。しっかり進めていきたい」と話す。

 NPO法人電線のない街づくり支援ネットワーク(大阪府)の井上利一事務局長は無電柱化推進にあたり、低コスト手法の積極的な活用のほか、昼間の工事や昼夜連続した常設作業帯などの導入を呼びかける。また、「11月10日の『無電柱化の日』などを活用し、市民に意義やメリットを周知すべき」と説明する。

最後の「豆念仏」の様子

黒須田 消えゆく伝統「豆念仏」 「自分らの代でけじめを」

 黒須田に古くから伝わる伝統行事「豆念仏」が9月12日、黒須田自治会館で最後を迎えた。担い手の高齢化や後継者不足などが理由。当日は、行事を伝え継いできた18軒の一員である志村善一さん(84)が中心となり、思い出話とともに和やかに行われた。

 念仏を唱えた後に豆をもらえるから「豆念仏」。長年にわたって近隣の18軒の家で伝え継いできた。その昔、道に迷った僧侶が一晩の宿の礼に大日如来像を置いていき、毎年9月12日に千回念仏を唱えるよう言い残したのが起源などと伝わっているが、資料もなく歴史ははっきりしない。それでも、「昔から何があってもこの日だけは18軒が揃い、健康や安全を祈ってきた」と善一さんは語る。

 近年は高齢化や後継者不足などで参加者が年々減少。加えて「自分たちでさえ起源などが分かっていないのに、次の世代は何も知らず形だけが続く」と懸念。18軒で話し合い「おざなりになって廃れていくより、自分たちの代で『けじめ』をつけよう」と決めたという。

 当日は黒須田自治会館に15軒が集まった。大日如来像の前で輪になり、鉦(しょう)と音頭に合わせて「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えながら、大きな数珠を回していく。鉦を打ち、音頭を取ったのは志村ユキさん(92)。長年音頭を取り続けてきた18軒の最年長者だ。休憩を挟みつつ、参加者らは300回の念仏を唱え切った。

 「自分が小学1年生の頃にはすでに行われていた。少なくとも戦後80年近く続いている」と善一さん。かつては念仏が終わると1軒1杯ずつ、お椀いっぱいの豆が配られていた。子どもたちは1人1杯もらえたそうで、ユキさんは「黒砂糖がかかっていてね。食料のない時代だったから嬉しかった」と懐かしんだ。最後の日も参加者には形ばかりの豆が配られた。

 現在、行事に使われていた大日如来像や鉦、念仏を数えるための数え札などの道具一式は、横浜市歴史博物館に預けられ、同館に寄贈する方向だ。同館の小林光一郎さんは「似た形式の行事は各地に残っているが、18軒というごく小さな規模で今日まで続いてきたというのは珍しい。地域のつながりを感じる」と話す。善一さんは「長年、地域の絆でもあった。消えゆくのは残念だが、せめて記録として『豆念仏』の存在を残していきたい」と思いを語った。

10月から始まる区民企画運営講座の講師を務める 小野木 智子さん 宮前区菅生在住 63歳

声でつなげる仲間の輪

 ○…青葉区民が「やりたいこと」を形にする区民企画運営講座。「コーラスをやりたい」との要望に応え、昨年12月に講師として初めて指導にあたった。前回の参加者は30人を超え、「また参加したい」との感想も集まるなど大成功。「皆さん物怖じしないで、しっかり学んでくれた」と笑顔をのぞかせる。約1年ぶりの講座を控え「緊張するけど、やっぱり楽しみ」と意気込む。

 ○…三重県出身。幼少期の大半を関西圏で過ごしたこともあり、「指導にお笑いの要素が入る」とニヤリ。高校では友人に誘われ、合唱部に入部。5歳から始めたピアノと並行して、練習に打ち込んだ。転機は3年の夏。当時の顧問から言われた「声楽科に進学したら」の一言だ。言葉に乗せられ、本格的な声楽練習を開始。「ピアノ科への進学を望んでいた親とは揉めましたが」と頬をかく。必死の努力は結実し、大阪音大への合格を掴み取った。現在も音楽家として活動し、学校や介護施設、各種団体で指導にあたる。

 ○…青葉区には1987年から17年住んだ。思い出に残っているのは、自身の子どもが通っていた小・中学校の周年記念で他の母親たちとコーラスを立ち上げたこと。周年が終わり、1度は解散したものの、「このまま終わっては寂しいから」と有志数人で「くさぶえコーラス」を設立。同コーラスは現在でも存続し、来年で25周年を迎える。「子育てした街だから思い入れが深くて」

 ○…今回の講座は、短時間で合唱の知識と技術を身につけられるように、座学を取り入れるなどブラッシュアップ。「練習も本番も楽しく」をモットーに指導にあたる。「合唱を通した仲間づくりを楽しんで、横のつながりを広げていただければ」

青葉区制30周年記念 井端監督、大いに語る 公会堂で特別講演会

 野球日本代表「侍ジャパン」トップチームの監督で、青葉区在住の井端弘和氏=写真=を迎え、青葉区制30周年記念特別講演会が9月8日に青葉公会堂で行われた。記念事業実行委員会と青葉ふるさと協議会の主催。

 当日は区民らで会場が満席となる中、2部制で行われた。第1部はCBCテレビの若狭敬一アナウンサーをパートナーに檀上に上がった井端氏。国際大会「WBSCプレミア12」が11月から始まることもあり、代表入りする選手について尋ねられ苦笑する場面も。現役時代はゴールデングラブ賞を7回獲得した井端氏だが、アテネ五輪アジア予選ではセカンドは宮本慎也氏、ショートは松井稼頭央氏で、自分はDHだったと説明。トップレベルを知ったことで奮起し、猛練習に励んだと振り返った。

 第2部は瀬川ふみ子氏の司会進行の下、元大学日本代表監督の善波達也氏と対談。善波氏は「井端監督ほどアンダー世代から見てくれる人はいない」と評価。井端氏も「野球が大好きで、良くしていきたい思いがある」と応じるなど、終始和やかな雰囲気だった。

 青葉区に実際に住むようになって7年、8年という井端監督。「落ち着いていて、生活がしやすい街。ずっと住み続けたい」と話していた。また、プレミア12を前に「世界一に向けて期待してほしい」と語った。

申し込みはこちらから

懐かしの2曲を学ぶ 9月30日、申込締切

 青葉区区民企画運営講座「発声から学ぶ健康仲間づくり」が10月9日(水)、23日(水)、30日(水)の3日間、午前10時45分から午後0時50分まで行われる。会場はフィリアホールリハーサル室(青葉台東急スクエアSouth‐1本館5階)。

 合唱を通じた仲間づくりが目的の同講座。『上を向いて歩こう』『見上げてごらん夜の星を』の昭和歌謡2曲を小野木智子さん=人物風土記で紹介=の指導の下、二部合唱で練習する。小野木さんは「初心者大歓迎の講座です。誰でもお気軽にご参加ください」と話している。

 定員40人で応募多数時は抽選。原則全回参加で、参加費500円(全回分)。申し込みは左記二次元コードから。締切は9月30日(月)まで。

 (問)青葉区役所地域振興課【電話】045・978・2295

防災ガイドを手にする七理さん

中学生向けに防災ガイド 市内企業が無料で配布

 防災用品の製造販売を行っている(株)ペガサス=港北区=が中学生向けの副読本「はまっ子防災ガイド」を発行し、9月から横浜市立中学校の1年生に順次配布している。

 発行責任者を務めた七理義明さんは、防災について子どもたちにより関心を持ってもらおうと、横浜市に共創事業として教材の製作を提案。授業で使用する防災ガイドの発行に至ったという。

 内容に関しては横浜市総務局危機管理室と横浜市消防局が監修し、教科書作りのノウハウを持つ東京書籍(株)が編集協力して作り上げている。2022年の初版から今年で第3版となり、内容も充実。震災の被害想定や被災時にとるべき行動、備蓄品などに加え、応急手当や風水害への備えなど防災全般を網羅している。

 防災ガイドは教育委員会を通じて中学1年生に無料で毎年改訂版を配布しており、製作費は地元企業などの協賛で賄っている。今年4月には藤沢市でも発行し、来年4月には東京都品川区で創刊する予定だ。

 七理さんは「キャラクターを多用するなど中学生に防災について興味を持ってもらうように工夫している。大人が読んでも役に立つ内容なので、家族で読んでもらえれば」と話している。同ガイドに関する問い合わせは同社まで。【電話】045・565・9936

防災講話に耳を傾ける参加者

認知症と防災学ぶ 地域で助け合える関係を

 山内地区センターで9月7日、「認知症と防災」がテーマのイベントが開催された。「誰もがなりうる認知症」と「いつでも起こりうる災害」に備え、地域で助け合える関係づくりを考えるもの。主催は、誰もが住みよい街を目指して活動している「やさしい街あざみ野実行委員会」(根岸里香実行委員長)。

 認知症の人は災害時に状況の理解が困難だったり、徘徊、精神的に不安定になりやすい等、避難生活において周囲の理解やサポートが必要になることが多い。参加者は防災講話やシンポジウム、地図を見ながら災害対策を話し合うDIG(災害図上訓練)等を通して、サポートが必要な人のために地域ができることを考えた。

 元石川消防出張所の池田拓真所長による防災講話では過去の震災を例に挙げ、ヘルプカードの活用や避難生活の準備、精神的に落ち着けるグッズを持っていくなどの対策が語られた。根岸実行委員長は、「改めて地域の避難所や避難ルート、支援団体などを知る機会になれば」と話していた。

 その他、横浜総合病院の長田乾臨床研究センター長を招いての認知症サポーター養成講座も行われた。また、会場では、骨密度測定をはじめとした健康チェック等のコーナーが設けられた。

冊子を配布する松本局長

防災考えるきっかけに 郵便局が冊子配布

 横浜市内の郵便局で、防災に役立つ情報をまとめたオリジナル冊子「防災と暮らしの安心情報」が、9月9日から無料配布されている。

 この取組みは2021年に始まり、反響が寄せられたこともあって毎年継続して行われている。

 冊子の内容は、災害時の緊急連絡先や必要品リスト、避難行動計画「マイ・タイムライン」の作成シートなど。この一冊に防災情報が分かりやすくまとまっている。さらに今年は、食品を多めに買い置きし、消費した分を買い足しながら備蓄する「ローリングストック」や、災害時にテレビを自動で起動させて、緊急情報を音声とテレビ画面で配信するサービス「よこはまテレビ・プッシュ」等の紹介が新たに盛り込まれている。

 区内のたまプラーザ駅南口郵便局では、冊子と共にハザードマップ「青葉区民防災必携」も配布。同局の松本篤子局長は「年に1回でも防災の話題に触れることで、備えを考えるきっかけになれば」と話していた。

 冊子は区内各郵便局(青葉郵便局を除く)で50部ずつ配布されている。部数は限られているため、窓口に確認を。

申し込みはこちらから

地震から学ぶ防災 ボランティアセミナー

 「防災ボランティアセミナー―能登半島地震から学ぶ―」が9月28日(土)、10月12日(土)、26日(土)の3日間、青葉区役所と桐蔭学園で行われる。午後2時から4時。無料。

 地域住民や大学生、高校生を対象に、過去に起きた震災から、防災に関する知識や技術を身につけることを目的とした同セミナー。28日は青葉区役所で能登半島地震に関する講義を実施。12日と26日は桐蔭学園で「地域防災について考える」「被災地支援で自分たちができること」をテーマに講義とワークショップが行われる。

 定員100人。申込は下記二次元コードから。締切は9月25日(水)午前10時。(問)桐蔭学園【電話】045・975・2100

耐震給水栓=横浜市提供

災害時給水所の確認を 市、断水時の対策強化

 横浜市は市内各地の地域防災拠点などに、災害時給水所を整備して断水に備えた応急給水体制づくりを進めている。今年度は新たに5カ所で耐震給水栓を整備。市水道局では各家庭での飲料水や容器の備蓄とともに、近隣の災害時給水所の確認を呼び掛けている。

 市防災計画では、最大震度7の元禄型関東地震が起きた場合、市内約25%の約40万世帯で断水が発生すると想定している。断水発生時には、各自が備蓄する飲料水を活用してもらうほか、各家庭からおおむね500m圏内の小中学校や公園などに設置されている災害時給水所で誰でも飲料水を得ることができる。

 市内の災害時給水所にはさまざまな種類があり、浄水場でつくった水道水を貯留する配水池22カ所、地域防災拠点や公園などにある災害用地下給水タンク134基や緊急給水栓358基、主に同タンクなどがない拠点にある耐震給水栓48カ所、配水池の水を運搬する給水車19台がある。市によると配水池だけで市民1週間分に相当する水を確保しているというが、施設の老朽化なども踏まえて必要な施設整備を続けている。

今後3年で27カ所に

 市内の地域防災拠点では災害時給水所のほか、一部では学校受水槽を応急給水施設と位置付けて飲料水を確保する。しかし、受水槽の撤去などにより、2023年度末時点で459カ所ある拠点のうち17カ所で給水施設が無い状況。そこで、市は27年度までに17拠点に加え、受水槽の容量が小さいなどの課題がある10拠点を対象に耐震給水栓の整備を順次進める。

 耐震給水栓は、蛇口までの水道管を耐震化した地震に強い屋外の水飲み場。特別な開設作業を必要とせず、発災後も蛇口をひねれば飲料水を確保することが可能だ。今年度は5カ所で整備を進めている。

 市水道局担当者は各家庭で飲料水を備蓄することを求めつつ、「日頃から近くの災害時給水所の場所を確認し、容器の準備などの備えを」と話す。各区の災害時給水所は区役所などで配布している災害時給水マップや、同局ホームページから確認できる。

墨の美術館 歌人比庵の作品展 9月28日から10月6日

 書道家、濱崎道子さんが自宅を改築した「墨の美術館」(みたけ台11の13)で9月28日(土)から10月6日(日)、同館10周年を記念して「清水比庵展」が開催される。正午から午後4時。入館料500円。

 書家、画家、歌人である比庵の作品30点以上が展示される。今回は、比庵が天台座主菅原栄海と石匠上杉儀一に宛てた書簡を初公開。日光や深大寺等の歌碑拓本も展示する。

 また、会期中は比庵に関するイベントを多数実施。28日はノンフィクション作家の井笠信二氏、29日(日)は比庵令孫の妹尾汎子氏、10月3日(木)は濱崎さんが比庵を語る。それぞれ2時から3時、参加費1000円。そのほか、5日(土)2時から3時は現日会常任理事の平岡常依氏による書道体験、6日1時からと2時半からは「比庵茶会」。それぞれ2000円。

 イベント参加は申し込みが必要。申し込み、問い合わせは【携帯電話】090・3439・5014または【メール】hm02hamasaki@gmail.com(濱崎)。

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)
イベントの告知ポスター

500人を無料招待 五輪メダリスト 卓球・石川佳純さん参加のイベントが横浜武道館で 11月4日、県協会が観覧者募集

 ロンドン、リオ、東京の五輪3大会連続でメダルを獲得した元卓球選手の石川佳純さんが参加する「石川佳純47都道府県サンクスツアー」が11月4日(月・振休)に横浜武道館=中区=で行われる。神奈川県卓球協会の設立100周年記念事業のメイン企画。

 「サンクスツアー」は石川さんが全国に卓球の楽しさを伝えるため、2022年から行っているもの。

恩師との対談や実技指導も

 イベントでは石川さんの記録映像の上映、同協会会長で石川さんの恩師でもある元日本代表監督・近藤欽司さんとの対談、観客とのクイズやゲームなどのトークショーのほか、石川さんが実技指導する卓球教室が行われる。

 石川さんは五輪3⼤会連続でメダルを獲得したほか、17年デュッセルドルフ世界卓球選手権で混合ダブルス⾦メダル、全⽇本卓球選⼿権優勝5回などの成績を残す。09年には、横浜アリーナで行われた世界卓球選手権で世界ランク99位だった石川さんが世界ランク10位の台湾選手を相手に大逆転勝利を収め、「世界デビュー」を果たしており、横浜は思い出の地の一つ。

 イベントの一般観覧者を募集中。定員は500人で観覧無料。応募受付は9月20日(金)から10月15日(火)までで、定員に達し次第終了。応募方法の詳細は同協会のサイト(https://ktta.jp)に9月20日から掲載される。問い合わせは同協会【電話】045・662・5061。

持参したマイボトルをセットしてコーヒーを購入する山中市長

マイボトル専用のコーヒーサーバーを横浜市庁舎内に設置 プラスチックごみ削減へ実証実験

 横浜市はプラスチックごみの削減やマイボトルの利用促進を目的に、市庁舎18階にボトル専用のコーヒーサーバーを設置した。9月17日から実証実験を約3カ月間行い、区役所などへの設置を検討していく。

 この取り組みは、自動販売機の設置などを手掛ける株式会社アペックスと味の素AGF株式会社から市に提案があって進められたもの。市職員のほか、市民が参加する会議が多く行われる会議室がある18階にマイボトル専用のコーヒーサーバーが設置された。アペックスによると、同社のマイボトル専用コーヒーサーバーは全国に約500台設置されているが、自治体の庁舎内に置くのは初めてだという。

 マイボトルやタンブラーをサーバーに置き、カバーを閉めた後にボタンを押してコーヒーや烏龍茶などの商品を選ぶ。ホットとアイスがあり、アイス用の製氷機がサーバーの隣に置かれている。コーヒーは一杯ずつドリップするタイプ。支払いは電子マネーやQRコードで行う。

 設置初日の17日午後には、山中竹春市長がマイボトルを持参して「来店」した。アイスコーヒーを飲んだ山中市長は「おいしい」と感想を語り、日頃コーヒーをよく飲んでいることから「(サーバーを)定期的に使いたい」としていた。

 市は温室効果ガス削減を目的に、プラスチックごみの分別ルール変更を10月から市内9区で先行して実施する。山中市長は「マイボトルから始まる環境にやさしい生活を市から広められるようにしたい」と述べた。

 サーバーは12月13日まで3カ月間設置され、利用頻度や使い勝手を調べていく。その上で、市は区役所や多くの市民が集まる施設への設置も検討していくという。

申し込みはこちらから

脳卒中予防を考える 10月16日、青葉区役所

 脳卒中予防講演会が10月16日(水)、青葉区役所4階の会議室で行われる。午後2時から4時(開場1時30分)。現在、参加者を募集中だ。

 「今日からできる予防のための活動 〜リハビリテーションの視点から〜」と題し、昭和大学藤が丘リハビリテーション病院の診療科長、川手信行教授が講師を務める。寝たきりの最大の原因といわれる脳卒中について、発症予防や再発予防を考える。

 定員80人の先着順。申し込みは電話か二次元コードで。

 (問)青葉区高齢・障害支援課【電話】045・978・2451

 

横浜駅西口周辺の公共スペース整備イメージ(相鉄HD提供)

相鉄、横浜駅西口を大規模再開発へ ムービル建て替えも 構想発表、2040年代の実現目指す

 相鉄ホールディングス(HD、横浜市西区)と相鉄アーバンクリエイツ(同区)は9月11日、横浜駅西口周辺を大規模に再開発する「横浜駅西口大改造構想」を発表した。2040年代の実現を目指し、市や地権者と連携を進めていく。

 横浜駅西口は相鉄が1952年に土地を取得し、開発を始めてから70年以上が経過。安全性や機能性の面からも再開発の必要性が高まっているとして、構想を定めた。

 構想では、20年代後半から映画館「相鉄ムービル」の建て替え工事に着手。相鉄ジョイナスと横浜高島屋が入る「新相鉄ビル」も建て替えを視野に検討する。横浜市が主導するまちづくり計画「エキサイトよこはま22」を踏まえ、官民一体となって公共空間も含めた再開発を進め、40年代の実現を目指す。

 11日の会見で相鉄HDの滝澤秀之社長は、再開発が進む新宿、渋谷、品川などの例を挙げながら「東京にはない、個性ある街づくりが求められている」とし、現在の横浜駅西口の魅力に「豊かさ」をプラスした「Well-Crossing」をコンセプトに掲げた。歩行者優先のウォーカブルな駅前空間、河川を利用した親水空間などのハード面の整備のほか、多様な人の交流やオフィス機能、居住機能などのソフト面でも、「現在の西口エリアに不足した魅力を盛り込んでいきたい」とした。

青葉区主催 信友直子監督が介護経験を講演 『ぼけますから、よろしくお願いします。〜おかえりお母さん〜』の上映も

 青葉区主催の人権啓発講演会「認知症が私たち家族にくれたギフト 第2弾」が9月25日(水)、青葉公会堂で午後2時から4時30分まで行われる(開場30分前)。入場無料。

 昨年に続き、講演会の講師を務めるのは映画監督の信友直子さん。信友さんは認知症の母親と耳の遠い父親の暮らしを撮影したドキュメンタリー映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』で知られ、講演会では自身の介護経験を話す予定だ。また、当日は同映画の第2弾『ぼけますから、よろしくお願いします。〜おかえりお母さん〜』の上映会も行う。

 定員300人の先着順で事前申込制。申込は下記の関連リンクからか、電話で申込。申込期限は9月18日(水)まで。【電話】045・978・2211

 

参加店に掲示されるポスターを手にする市商連の石川会長(中央)ら

横浜市商店街総連合会がPayPay使い広域プレミアム商品券 10月1日から販売

 一般社団法人横浜市商店街総連合会(石川清貴会長)は、キャッシュレス決済サービス「PayPay」を利用し、市内広域の商店で使えるプレミアム商品券を10月1日(火)から発行する。市内商店のデジタル化と、商品券発行のノウハウや資金のない小規模商店街の支援などが目的。

1200店舗以上が参加

 市内商店街のうち、9月上旬時点で80団体・1200店舗以上が参加予定。すでに今年度、市の補助金を活用して紙のプレミアム商品券を販売している商店街と、市商連未加盟の旭区、独自企画を行う保土ケ谷区、泉区の店舗は参加しない。

 プレミアム分は20%。1口1万円の購入で、1万2千円分の利用ができる。販売総数は2万5千口・3億円で、1人あたり3口まで購入可能だが、購入機会は1回のみ。横浜市民以外でも購入できる。来年1月15日まで使用できる。

 販売開始は10月1日の正午からで先着順。PayPayアプリ内での購入となり、本人確認が必要なため、市商連では事前の本人確認審査完了を呼び掛けている。

 石川会長は「(紙の商品券で多い)500円単位ではなく1円単位から使えるのでお得感を味わってほしい。ぜひ加盟店で買い物して頂き、物価高を乗り切って頂ければ」と話した。詳細は横浜市商連のサイト(http://www.yokohama-syoutengai.com/news/20240912-1/)で。

<PR>
記者が徹底取材!訴求効果の高いWebタイアップ広告出せます
記者が徹底取材!訴求効果の高いWebタイアップ広告出せます
Webタイアップ広告のご案内Web版タウンニュースに記事広告を掲載できます。ドメイン評価の高いWeb版タウンニュースに掲載することでSEOが有利に働き、より... (続きを読む)
山崎ナオコーラさん

古典の新たな楽しみ方 10月27日、あざみ野で

 「山崎ナオコーラさんトークイベント『ミライの源氏物語』」が10月27日(日)、アートフォーラムあざみ野で開催される。午後1時30分から3時30分(20分前開場)。参加費1200円(23歳以下800円)、当日現金支払い。先着130人、事前申込制。

 人間関係やジェンダーの多様な在り方を表現してきた作家・山崎ナオコーラさんが、著書『ミライの源氏物語』(淡交社、2023)をテーマに、今だからできる古典の新たな読み方、楽しみ方を語る。会場1階の交流ラウンジでは10月21日(月)から11月2日(土)まで「開催記念パネル展〜源氏物語の世界〜」も行われる(観覧自由)。

 トークイベントの申し込みは男女共同参画センター横浜北HP(下記二次元コード)、【電話】045・910・5700、または来館で。

レイエスフィエスタ 9月23日、あざみ野で

 東急SレイエスFC主催の「レイエスフィエスタ2024」が9月23日(月)、あざみ野ガーデンズ内で行われる。午前9時から午後6時。

 当日は、親子で参加できるスポーツチャレンジやミニ運動会、3対3のフットサル、YoutuberのあしざるFCとのスペシャルマッチなどが行われる。

 各種プログラムへの参加は有料(一部無料)で事前申込制。詳細は左記二次元コードから確認を。

BARDUHN ドイツ デリカテッセンの無添加ソーセージ

横浜市内商店街9店舗が高島屋で自慢の品販売 9月25日から催事「LOVE YOKOHAMA」

 横浜市内商店街の9店舗が自慢の品を横浜高島屋=西区=で販売するイベント「LOVE YOKOHAMA」が9月25日(水)から30日(月)まで行われる。

 市経済局が商店街活性化や店舗の販路拡大に向けて出店を支援。横浜をモチーフにした商品を扱う9店舗が参加する。同店地下1階フーディーズポート2のイベントスクエアで午前10時から午後9時。

 参加店舗と主な販売商品は次の通り。▼25日〜30日▽BARDUHN ドイツ デリカテッセン(鶴見区・鶴見銀座商店街)…ドイツ人手作りの無添加ソーセージ▽カウアイハニー(神奈川区・反町駅前通り商店街)…クリスマスベリーハニー、他単花蜂蜜▽きじま 戸塚本陣(戸塚区・戸塚宿ほのぼの商和会)…銀だらの有機味噌漬け焼き弁当▼25日〜27日▽黒滝洋菓子店(保土ケ谷区・和田町商店街)…レーズンサンド▽とりあえず星川店(保土ケ谷区・星川商店会)…熊本あか牛重▽こまちカフェ(戸塚区・戸塚宿ほのぼの商和会)…こまちカフェのクッキー缶tamatebako▼28日〜30日▽メリハリベイク(保土ケ谷区・星川商店会)…バスクチーズケーキ▽とんかつ稲 仲町台駅前店(都筑区・仲町台商業振興会)…手延肉厚ヒレかつサンド▽からあげ専門店 鶏笑中田店(泉区・中田中央商店会)…骨なしムネ

「お倉」を演じる五大さん

横浜「注目の人」インタビュー 女優・五大路子さん「横浜は宝の宝庫、もっと掘り下げたい」 舞台生活50周年、横浜夢座25周年

 横浜市港北区出身の女優・五大路子さんが企画・主演を務める舞台「富貴楼(ふうきろう)お倉〜花のように、風のように、海のように〜横濱から日本を動かした女」が2024年9月13日から16日まで、KAAT神奈川芸術劇場=中区山下町=で上演される。五大さんが横浜から演劇を発信したいと立ち上げた「横浜夢座」の25周年、舞台生活50周年を記念した公演となる。今回の作品や横浜への思いを聞いた。(取材=2024年8月)

 ――これまで横浜の歴史の中ではスポットライトが当たることが少なかった「お倉」を演じようと思ったのはどうしてですか。

 「2009年の横浜開港150周年の時に記念事業の一環として大さん橋ホールで演じていました。横浜夢座の25周年、舞台生活50周年の節目に大きな場所でやってみたいと思ったからです」

まずはお墓参りから

 ――今回の公演へ向けて、どのように準備をしてきましたか。

 「まずは今から1年半前に、西区赤門町の東福寺にあるお倉のお墓参りから始めました。どの作品でも自分の足で舞台となるまちを歩いていて、今回もお倉がいたころの横浜駅、現在の桜木町駅周辺などを歩きました。そのころの横浜を想像しながら歩いてみると、開港当時の香りが残っていて、100年以上の歴史がパッと縮まる感じがします」

 ――お倉は1871(明治4)年に現在の相生町で料亭「富貴楼」を開き、伊藤博文や大隈重信といった要人が集まる場所として重要な役割を果たしていました。お倉はどのような存在だったのでしょうか。

 「困っている人がいれば助ける、身を挺してでも頑張るという人だったのではないでしょうか。自分が動き、この国を動かそうとしていました。当時、女性が物を言うのは命がけでしたので」

 ――今回の舞台ではどのようなところに注目してほしいですか。

 「開港し、世界に扉を開いた時、まちの人が何を思い、何を夢見てチャレンジしたのか。歴史を感じ、生きた人を感じ、当時の横浜にタイムスリップした気分で観てほしいです」

横浜から世界に演劇を発信

 ――舞台生活50周年を迎えます。演劇との出会いを教えて下さい。

 「神奈川区の神奈川学園中学の2年生の時に演劇部に入り、高校2年生の時、県立青少年センターで行われていた演劇講習会に参加したのが原点です。その時から『横浜から世界に演劇を発信したい』と夢を抱くようになりました」

 ――「横浜夢座」はどのような思いで作られたのでしょうか。

 「ある日、群馬県で行われた講演会に招かれ、町の人が作ったお芝居を見ました。それは地元の学校の先生が脚本を手掛け、出演者も全員町の人。主人公がタイムスリップするストーリーで、何百年も前から伝えられている踊りと太鼓を使った伝統芸能も加わったもので、エネルギーを感じました。横浜でこういうことができないかと考え、多くの方にアドバイスをいただきながら、『横浜夢座実行委員会』を作り、公募で市民の参加を募って、プロの役者と一緒に舞台に立ってもらうようにしました。そうして、1999年12月に旗揚げ公演『横濱行進曲』を上演しました。そこから2018年まで14回の公演を行ってきました。その後、コロナ禍で予定していた舞台の中止が続きましたが、やっぱり夢を持ち続けたいと考え、夢座が25年の節目を迎えるのに合わせ、『お倉』を上演することになりました」

横浜に「磁力」感じる

 ――ひとり芝居「横浜ローザ」で伊勢佐木町などに立ち続けた娼婦「メリーさん」を演じるなど、横浜の歴史を題材にした作品を多く手掛けていますが、五大さんにとって横浜はどんな場所でしょうか。

 「私は東京の大劇場での舞台も踏んできましたが、横浜にはいろいろなものを引き付ける『磁力』を感じます。これまで、生まれ育った港北区にあった篠原城や鶴見区の花月園、戸塚区のドリームランド、鎌倉時代に活躍し、旭区二俣川で最期を遂げた畠山重忠に関する作品も上演してきました。中区や西区だけが横浜ではありません。いろんな夢を持った人がいて、宝の宝庫、ワクワクするまちです。もっともっと横浜を掘り下げていきたいと思っています」

 ――50周年を迎え、これまでの活動を振り返り、節目となったのはどのような出来事でしょうか。

 「19歳の時、劇団の練習で行っていた空中回転で失敗し、頸椎を損傷する大けがを負いました。病院のベッドの上で『一生、体が動かなくなったらどうしよう』と思う中、そばに生けられていた一輪の花を見て『生きたい』と感じました。その後、25歳でNHK朝の連続テレビ小説『いちばん星』でヒロインを務め、環境が一変しました。この2つは大きな転機となりました」

「横浜ローザ」をエジンバラで

 ――今後の活動や目標について教えて下さい。

 「金太郎飴のように誰がやっても同じではなく、私の命、眼差しから演劇を発信したいと思っています。横浜で多くの方とつながることができました。つながった方と夢を共有し、横浜にある宝を世界に発信していきたいです。夢は仲間がいてこそ叶うもの。夢を見続けられることが幸せです。まだまだ夢の途中。いつか、『横浜ローザ』をイギリスのエジンバラ舞台芸術祭で上演する夢に向かって続けていきます」