中区・西区・南区版【11月7日(木)号】
食品館あおば本牧店に置かれた廃食油の回収ボックス

使用済み油が航空燃料に 中区内に回収場所広がる

 使用済みの食用油を回収し、航空燃料として再資源化する取組が市内で広まっている。中区内では10月5日から「食品館あおば本牧店」に回収ボックスが設置されたほか、中区役所のイベント会場でも回収が行われる。

 航空燃料の原料として再資源化する「Fry to Fly Project」の連携企画として、中区役所では11月13日(水)のSDGsマルシェの会場(区役所別館駐車場横)で、不要な食用油の引き取りを初めて行う。午前11時から午後3時までの間に、使用済みの食用油をペットボトルなどのふた付き容器に入れて持参する。

 このプロジェクトは、国内資源循環による脱炭素社会の実現に向けて、家庭や飲食店などで使用された食用油(廃食用油)で作られる持続可能な航空燃料「SAF(サフ)」で航空機が飛ぶ世界を実現しようとするもの。このSAF製造事業に取り組む日揮ホールディングス=西区=が提唱し、昨年4月から開始した。

 従来の航空燃料と比べてCO2排出量が約80%削減できるため、横浜市をはじめ160を超える企業や自治体などがプロジェクトに参加。みなとみらいの商業施設やホテルなどで事業系の廃食油の回収が進んでいるという。同社では、横浜銀行や横浜市などと連携した小学校での出前授業にも取り組み、家庭からの廃食用油回収に向けた周知を強化。一般市民の環境への行動変容に期待し「市内の企業にも協力を促しながら地域と共に進めていけたら」と話す。

家庭に回収呼びかけ

 SAF製造プロジェクトは欧州や米国企業が先行している状況で、来年からEUでは供給義務化がスタート。日本でも2025年の大阪・関西万博開催年にあわせて供給開始が予定されている。

 また、国が30年までに航空燃料の10%をSAFにする目標を掲げる中で、国内で年間約10万トンも発生している家庭の廃食油に注目が集まるが、そのほとんどが廃棄されているのが現状だ。

 今年1月から同プロジェクトに参加する商業施設「MARINE&WALK YOKOHAMA」では飲食店から出た廃食用油のほか、定期的にイベント内のブースで家庭の廃食用油を回収している。「SDGsの取組の一環。告知を強化して回収量を増やしていけたら」と同施設は話す。

 10月5日からSAF用廃食油の回収ボックスの設置を始めた食品館あおば本牧店では、開始約4週間で28リットルを回収。「油の処理に困っていたから助かる」「他の店舗でも回収してほしい」などの声が届いているという。同店では「思った以上の反響。周辺地域の環境に対する意識の高さも感じた」と話し、今後順次回収店舗を増やしていく予定。

タブレット端末で情報共有するイメージ(提供)

市消防局 DXで搬送時間を短縮へ 実証事業で早期整備めざす

 救急活動の時間延伸解決のため、横浜市がDX活用の実証事業を10月から行っている。傷病者の受入確認や医師への引継ぎでタブレット端末を活用。市内3エリアで別々の事業者のシステムを検証し、来年度以降の早い時期の整備を目指していく。

 横浜市内での2023年の救急出場件数は25万4636件。前年比で1万件以上増加し、過去最多を記録した。

 救急活動(出場指令から医師引継ぎ)に掛かる時間も伸びており、13年には60・3分だったものが、73・9分と約14分伸びている。市消防局は、その原因に単身高齢者の搬送が増え搬送準備に時間が掛かることや、コロナの発熱検査など受入の事前チェックに時間が掛かることなどを挙げる。

 このような状況の中、消防局では活動時間の延伸解決のため、DXの導入を検討。今回の実証事業では、これまで電話や紙の書類で行っていた傷病者の受入確認や、医師引継ぎにタブレット端末を活用。搬送現場の救急隊員と病院の医師が傷病者の基礎情報等のデータを共有し、受入の可否を口頭で確認。また、医師引継の際も医師の署名等をタブレットで行うことで時間の短縮を目指す。

 このようなDXの活用は既に他都市で行われており、札幌市では病院の受入確認に掛かる時間で短縮が図られたという。

受入病院「本格的な導入を」

 実証事業は市内を北部、中部、南部の3つに分け、それぞれ別の事業者のシステムで検証。北部エリアで事業に参加する済生会横浜市東部病院の担当医は「聞き間違いなく写真も伝送できるので、患者さんの状態をより早く正確に把握できる。患者さんにとっても早期に搬送先の病院が決まるなどメリットは大きく、ぜひ本格的な導入を進めてほしい」と話す。

 実証事業は12月末まで行われる。市は今回の検証を受けて必要なシステムの要件を整理し、来年度以降の早い時期の整備を目指していく。消防局の担当者は「1分1秒でも早く傷病者を搬送するため、できることから円滑化を進めていきたい」と話している。

11月16日に西区の藤棚デパートメントで初監督作の映画を上映する 川口 ひろ子さん 西区西戸部町在住 73歳

チャンスの女神は日常に

 ○…「文藝」元編集者・長田洋一さんの姿を追ったドキュメンタリー映画の監督を務めた。きっかけは長田さんを含んだ酒の席での「本は残っても編集者は影武者」という会話。「だったら私が残そう」と昨年10月から撮影に入った。初の映画作り。試写会では「誰が何のために作ったのか」と言われ、シナリオを練り直した。「足跡をたどり、ただの良い人に終わるのは嫌」との長田さんの思いもくみ、完成させた。

 ○…「頑張ったら男女平等で未来は明るいという教育を受けてきた」と話す。結婚し子育てにいそしむ中、楽しそうに働く夫の姿に「私も何かしたい」と投稿誌を通じて出会った仲間と本の販売促進の会社を作った。長田さんとはその時からの縁。その後、業界紙のライターや知人の店で皿洗い、小説の執筆などさまざまな経験をしてきた。

 ○…亡き夫の遺志を継ぎ、現在は西区の「ヨコハマアパートメント」のオーナー。共有スペースと賃貸4戸からなる建物は「みんなで運営する」方針だ。「共に仕事をする人間関係が好き」と話し、住民と一緒に建物の修繕をする。近くの学童とイベントをしたり、ボードゲームの大会を開くなど地域交流の場にもなっている。15周年を迎え、11月10日には記念イベントを開催する。住人が結成した劇団の公演を行った後は、自ら料理を振る舞う予定だ。

 ○…映画のカメラマンには以前の住人が名乗りをあげた。「日常での出会いは宝物。チャンスの女神の前髪を掴むのがうまいのよ」と笑みを浮かべる。「完成したからには責任を取る」と、2年は腰を据えて上映会場探しに力を注ぐ。最近、一生に一度くらいはと髪の毛を伸ばし始めた。「今までやったことないことをやってみたい」

実技をする石川さん

石川佳純さんが卓球教室 サンクスツアーで横浜に

 「石川佳純47都道府県サンクスツアー in神奈川」が11月4日、横浜武道館で行われた。(一社)神奈川県卓球協会の設立100周年記念事業のメイン企画。当日は同協会会長で元日本代表女子監督の近藤欽司さんとのトークショーや卓球教室、全員での連続ラリーなどが行われた。

 卓球教室では、県内の小・中・高校生と特別強化選手、レディース(40歳以上の女性愛好家)ら約80人に指導をした石川さん。1人1人の動作を見て、「常に前傾姿勢で」「ナイス」「ミスしても気にしないで」などと声をかけていた。

 参加者は「貴重な経験。今後の練習に生かしていきたい」「力の入れ方や身のこなしなど実際に見れて、ためになった」など、憧れの石川さんの言動を真剣なまなざしで見つめていた。

 同ツアーは昨年5月に引退した石川さんが卓球の魅力やスポーツの楽しさを全国各地で伝えることを目的に開催され、今回で33カ所目。質疑応答で大切にしている言葉を聞かれ「自分や卓球に誠実に向き合うこと」と答えるなど、集まった約900人との交流を楽しんだ。

 近藤会長は「次の200周年に向けて、卓球人口を増やすための環境づくりや全国で活躍できる選手の育成に力を入れたい。子どもから高齢者の方まで誰でも楽しめる生涯スポーツなので、卓球を通して豊かな人生を送ってほしい」と話した。

アルファロッカーシステムの和田寿成社長(左)と三木正造担当部長=提供

アルファロッカーシステム、キリン・JA横浜、 食品ロス削減の取組で「きら星活動賞」受賞

 (株)アルファロッカーシステム=金沢区福浦=と、キリンビール(株)氷結チーム・JA横浜果樹部の2事業者がこのほど、「横浜市食の3Rきら星活動賞」を受賞した。同賞は、食品廃棄物の発生抑制や再生利用等で顕著な功績を挙げている事業者等を市が表彰するもの。

売れ残りパンをロッカー型自販機で販売

 アルファロッカーシステムは、コインロッカーの製造・販売のノウハウを生かして、賞味期限内でありながら廃棄されてしまう売れ残りパンの販売に、ロッカー型自販機を活用するサービスを開発。消費者は通常よりお得な価格で夜間の時間帯にもパンを購入でき、パン屋は閉店後に売れ残ったパンを廃棄することなく販売できるという双方にメリットがあるサービスとなっている。

 今年1月から地下鉄関内駅構内のSDGsステーションに設置したところ、多くのメディアで取り上げられるなど注目を集めた。その後も、市内では横浜銀行アイスアリーナやみなとみらい線馬車道駅などに設置。同社によると、現在は全国からロッカー型自販機の導入に関する問い合わせが相次いでいるという。

 受賞を受けて、同社営業部担当部長の三木正造さんは「地域に貢献できたことが嬉しい。今後もこのサービスを横浜市内はもちろん、多くのエリアに広めていけたら」と話した。

規格外の浜なしをチューハイに

 キリンビール(株)では、規格外果実を有効利用することで食品ロスを削減する「氷結mottainai(モッタイナイ)プロジェクト」を立ち上げた。そして、その第1弾としてJA横浜と協力し、横浜のブランド梨「浜なし」を使った缶チューハイを発売した。

 同社によると売行は好調で、8月末時点で約3万4千個分の規格外浜なしを活用できたという。

 氷結ブランドの担当者は「JA様、農家の皆様と一緒につくった商品ですので、共同で賞をいただけて大変嬉しく思います。今後も継続して本プロジェクトに取り組んでまいります」と喜びを語り、JA横浜果樹部の山本成樹さんは「取組みを評価され大変嬉しい。横浜の果樹を広くPRするため、今後も取組みを進めたい」と話した。

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ランドマークタワーの「SPARK TREE」の前に立つ尾上松也さん©Disney ©Disney/Pixar ©MARVEL © & ™ Lucasfilm Ltd.

みなとみらいのツリー点灯式に尾上松也さん、パリ五輪金メダル・吉沢恋選手 ランドマークタワーとマークイズ

 横浜ランドマークタワーとMARK IS(マークイズ)みなとみらいで11月6日、クリスマスツリーの点灯式が開催された。ランドマークタワーには歌舞伎俳優の尾上松也さん、マークイズにはスケートボードのパリ五輪金メダリスト・吉沢恋(ここ)選手が登場し、会場を盛り上げた。

ディズニーなど4つの世界

 同日から始まったホリデーイベント「YOKOHAMA MINATOMIRAI WINTER HOLIDAY 2024-2025」では、ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズの4つの世界を音と光で表現したツリーが施設を彩る。

 ランドマークタワー1階に設けられた「SPARK TREE」の点灯式に参加した尾上さんは、12月6日公開のディズニー・アニメーション映画「モアナと伝説の海2」でマウイ役の声優を務める。映画について「家族や友人と見てほしい」と語り、高さ約12mのツリーが点灯すると「とても美しい」と笑顔を見せた。ツリー点灯は午前7時から午前0時まで。映像に合わせてツリーが輝く光のショーもある。

「アナ雪」をイメージ

 マークイズでは「アナと雪の女王」をイメージした「FROZEN CRYSTAL TREE」が1階に登場した。吉沢選手は白を基調にしたストリートファッションで登場。スケートボードの魅力について聞かれると「スポーツとしてだけではなく、みんな一緒に仲間として滑っていて、高め合っていけるのが良いところ」と話した。ディズニーのキャラクターではラプンツェルが好きだといい、「自分の道を悔いのないように進んでいく点が共感できる」と力強く語った。子どもたちと一緒にツリーの点灯ボタンを押し、ライティングショーを見終えると、「音楽もあってめちゃめちゃ楽しめました」と喜んでいた。ライティングショーは午後4時から11時までの毎時00分と30分。

 マークイズ前のグランモール公園のイルミネーションには、「アナと雪の女王」のキャラクターオーナメントが装飾されている。イベントの詳細は公式サイト(https://yokohama-minatomirai-christmas2024.com/)で。

まつりのチラシ

西区 区制80周年を祝う ベイスターズとコラボ

 「第49回西区民まつり」が11月10日(日)の午前10時から午後3時まで、戸部公園や西前小学校などで行われる。小雨決行、荒天中止。

 当日は区内で活動する団体がダンスや音楽のステージを披露する。また、物販、展示、体験など約100ブースが出店。まつりを通じて西区制80周年を盛大に祝う。

 今年は同じく球団神奈川移転70年目の周年を迎える横浜DeNAベイスターズとのコラボ企画も。午後2時15分からはスタジアムDJの山田みきとしさんとOBの荒波翔さんを迎え、トークショーと球団グッズが当たる抽選会を開催する。ほかに、年中児から小学生を対象としたバッティングチャレンジやふわふわスライダーなども。

 浅間町、一本松小、みなとみらいと会場をそれぞれ結ぶ無料シャトルバスも運行される。(問)西区民まつり実行委員会事務局【電話】045・320・8386

みなと総合高校の軽音楽部が区民まつりのステージ初登場(提供写真)

中区 約90ブースが勢揃い 象の鼻パークで

 ハローよこはま(中区民まつり)が11月10日(日)の午前10時から午後4時まで、象の鼻パークで行われる。荒天時中止。

 港を臨む会場で、中区内の団体や横浜のプロスポーツチームの体験コーナー、ワークショップなど約90ブースが出展。今年はキッチンカーが登場し、飲食も楽しめる。

 2027年の「GREEN×EXPO」(国際園芸博)と区制100周年をPRする特設ブースでは、中国人書家の熊(ゆう)峰(ほう)氏による揮毫パフォーマンス(正午〜)や親子で遊べる「木育ひろば」、港に停泊する「ロサ・アルバ号」の中で廃木材を活用したオーナメントづくりが行われる。

 豪華景品が抽選で当たるスタンプラリーのほか、ステージでは、若者を中心にダンスや音楽、トリには横浜エクセレンスの専属チアによる圧巻のパフォーマンスも。

 ハローよこはま実行委員会事務局【電話】045・224・8132

様々な表情をみせる横浜の写真を展示

横浜テーマに写真展 中区吉田町で

 南区在住の平林靖敏さん(84)=10月31日号タウンニュース人物風土記で紹介=の写真展「横浜まちかど万華鏡2」が11月11日(月)から17日(日)まで、ギャラリー・ミロ=中区吉田町=で開催される。午前11時〜午後6時(最終日は4時まで)。横浜の街角を撮影した約70点が並ぶ。入場無料。(問)同ギャラリー【電話】045・251・5229

今回会場となる開港記念会館の昔の写真も展示=撮影:森田満夫(しでんの学校)

入場無料 「街の先生」が一堂に 11月10日、センター祭り

 中区民祭り(ハローよこはま)と同日11月10日(日)、「なか区民活動センター祭り」が行われる。

 今年はリニューアルした横浜市開港記念会館を会場に、なか区民活動センターに登録する団体と、自らの経験や知識を生かして地域で活躍する「なかく街の先生」が参加。ステージではウクレレやフルート、口笛演奏といった多彩な音楽やフラダンス、社交ダンス、マジックなどを披露。そのほか、時間替わりでヨガや太極拳、ハーモニカのミニ体験やキーワードラリー、館内ガイドも。

横浜の歴史も

 また会場には、横浜の歴史関連の7団体による展示も充実。本紙で市電コーナーを連載中の「しでんの学校」=今号で掲載=も参加する。本町通りを中心とした市電の写真や系統版などの関連部品の展示、模型走行のほか、子ども向けの木の市電づくりを行う。

 午前10時から午後4時まで。入場無料。イベント内容など詳細は同センターホームページで。

真剣な表情でプレーする参加者

キッズ麻雀大会を初開催 藤棚地区センターで

 横浜市内の15歳以下を対象とした「キッズ麻雀大会」が11月4日、西区の藤棚地区センターで初開催された。主催はNPO健康麻雀の会。

 当日は20人が参加し、真剣な表情で麻雀を楽しんだ。笠原一博会長は「役づくりがしっかりしている子が多かった。麻雀は能力開発や思考の形成に役立つので、沢山の子どもに取り組んでほしい」と話した。

 同会は毎週日曜日の午前11時15分から30分まで、子ども対象の勉強会を行っている(一般もあり)。参加無料。中止の可能性もあるので参加希望者は前もって確認を。(問)【携帯電話】090・4457・7587(笠原さん)

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山中市長(右から3人目)と表彰を受けた企業の関係者ら

若者の自立支援に協力した7団体を横浜市が表彰 就労訓練、長年受け入れ

 ひきこもりなどの困難を抱える若者に対し、自立に向けた就労訓練を実施する団体を表彰する式が11月5日、横浜市役所で行われた。

 市は2006年度から、無職やひきこもり経験のある若者の自立・就労支援を行う「よこはま若者サポートステーション」を通じて、企業や団体に就労訓練の受け入れを依頼している。

3社が5年間継続

 今回は就労訓練を5年間継続したアイング株式会社=東京都千代田区=、株式会社サンパワー=港北区=、ブックオフコーポレーション=相模原市南区=の3社が市長表彰、3年間継続したガイズカンパニー株式会社=港北区=、公益財団法人神奈川県労働福祉協会=中区=、特定非営利活動法人藤沢市民活動推進機構=藤沢市=、労働者協同組合ワーカーズコレクティブデポットつつじが丘ブランチ=青葉区=の4団体がこども青少年局長表彰の対象。表彰式には市長表彰の3社の関係者が出席した。

 アイングはみなとみらいや東戸塚などの商業施設の清掃などを行っており、5年間で16人を受け入れた。担当者は「受け入れた人に達成感を味わってもらえるようにしており、中にはリーダー的な役割を担っている人もいる」という。

 サンパワーはソーシャルビジネスのコンサルティングなどを行い、就労が困難な人の雇用に注力している。5年間で11人を受け入れ、パソコンの入力作業などを行ってきた。川村拓也社長は「来た人が自信をつけて戻ってもらうことを心掛けてきた」といい、受け入れ終了時には、社員が色紙にコメントを書いて渡すなど、正社員と同様の対応をしてきたという。

 ブックオフコーポレーションは港北区の本や衣類などを扱う店舗などで67人が勤務した。BOOKOFF SUPER BAZAAR 綱島樽町店の長崎哲也館長は「いろいろな売り場に入ってもらい、適性を感じられるようにした」といい、指導する側のメリットもあったとした。

 表彰式で山中竹春市長は「温かい指導で若者のその後の生活に役立つものだった」と企業に感謝し、「今後も若者に寄り添った支援をできるようにしたい」と述べた。

横浜ワールドポーターズの授乳室にマークを貼る黒岩知事(中央)、penaの坂上理事長(左)、イオンモール株式会社の武田東日本支社長

県が「リトルベビー」支援でNPO法人penaと協定 「搾乳」マーク作成、施設掲示も

 神奈川県は「リトルベビー」と呼ばれる2,500g未満で生まれた低出生体重児とその家族を支援するため、10月30日に当事者家族らによるNPO法人「pena」(坂上彩理事長)と連携協定を結んだ。当事者の声を受け、母親が自分で母乳を絞る搾乳ができることを示したマークを作成し、公共施設や商業施設への掲示を進めていく。

「授乳室での搾乳が当たり前に」

 penaはこれまで、情報交換や写真展の開催、当事者の要望を自治体に伝える活動などを行っており、県が発行した子育て記録ノート「かながわリトルベビーハンドブック」の作成にも協力していた。坂上理事長は、「赤ちゃんが入院中だったり、早期に職場復帰したりすると、搾乳が必要になる場合があるが、赤ちゃんと一緒にいないと授乳室が利用しづらい」と話す。

 10月31日には民間施設としては初めて、横浜ワールドポーターズの授乳室に「搾乳」マークを掲示。同日の掲示セレモニーに黒岩祐治知事、坂上理事長、同施設を運営するイオンモール株式会社の武田久和東日本支社長が参加した。

 黒岩知事は「今後、大型商業施設、鉄道会社などにも掲示の協力をお願いしたい」とし、「搾乳」マークの推進と理解の促進に力を入れるとした。横浜ワールドポーターズの野口耕司ゼネラルマネージャーは、「今回、県から呼び掛けがあるまで搾乳に関する気づきがなかった。反省を含め、今後は県内の系列店で掲示を進めていく」と話した。坂上理事長は「リトルベビーの存在が社会的に認められたようでうれしい。授乳室にいづらい気持ちで搾乳するママが減るように願っている」と話した。

協定式の様子

南区永田町上第一・二町内会 ジェイコムと地域安全協定 町内会館に防犯カメラ設置

 永田町上第一町内会(町田忠博会長)と第二町内会(竹本淳一会長)は11月2日、(株)ジェイコム湘南・神奈川横浜テレビ局と地域安全に関する協定を締結した。

 互いに連携し、空き巣やごみの不法投棄、特殊詐欺などの犯罪被害の未然防止を図り、安全で安心して暮らせる地域社会の実現を目指す。協定締結を機に、同社は町内会館へ防犯カメラを1台提供する。また、町内会員に対して防犯カメラの設置に伴う工事費を無料にする。

 永田町上第一町内会の町田会長は「高齢者が多く住む地区。全国的に住宅を狙った強盗事件も増えているので、防犯カメラの設置が犯罪の抑止につながることを期待している」と話した。

 同社が自治会町内会と地域安全に関する協定を結ぶのは南区では初。千葉孝局長は「一軒一軒が防犯に対する意識を持つことにつながれば。地域メディアとして、情報の共有や発信にも力を入れていきたい」と話した。

2日間で62得点をあげた トレイ・ボイドIII選手(横浜エクセレンス提供)

横浜エクセレンス ホーム全勝キープし、9連勝に 11月8・9日は南区民デー

 プロバスケットボールB3リーグに所属する横浜エクセレンスは、11月1日、2日に湘南ユナイテッドBCと対戦した神奈川ダービーを連勝し、9連勝を達成した。現在、ホーム全勝をキープしている。

 1日目は終盤まで激しい点の取り合いとなったが、キャプテンの大橋大空選手やトレイ・ボイドIII選手の活躍により89対84で勝利。2日目も、後半に突き放し82対64で快勝した。この日会場の横浜武道館には、同施設で行われる試合でクラブ史上最多の2553人が集まった。

 1日の試合で最も活躍した「マンオブザマッチ」に選ばれたトレイ・ボイドIII選手=写真=は、「チーム全員がタフに戦いぬけた。ブースターはもちろん、小さなお子さんにも応援いただけて、皆さんの声が力になった」とコメントしている。

 次戦は11月8日(金)、9日(土)にアースフレンズ東京Zとの試合を控えている。この日は、南区在住・在勤・在学者がお得に観戦できる「南区民デー」が開催される。大人800円〜3600円。中学生以下は無料。公式ホームページから事前に予約が必要。

日本一が決まり、横浜スタジアムの外で大喜びするファン(11月3日午後9時15分頃)

ベイスターズ ハマスタで決めた 26年ぶり歓喜の日本一 セ・リーグ3位から「下剋上」

 プロ野球の横浜DeNAベイスターズが11月3日、横浜スタジアムで行われた福岡ソフトバンクホークスとの日本シリーズ第6戦に11―2で勝利し、4勝2敗で1998年以来26年ぶり3回目の日本一を決めた。

 ベイスターズはセ・リーグ3位でクライマックスシリーズ(CS)に進出。CSで阪神タイガース、読売ジャイアンツを下し、日本シリーズ出場を決めた。

 パ・リーグを圧倒的な強さで制し、CSも無傷で突破したホークスとの日本シリーズは10月26日に横浜スタジアムで開幕。ベイスターズは第1、2戦に敗れたものの、福岡に場所を移した第3戦に勝利すると、そこから4連勝で日本一に輝いた。CSが始まった2007年以降、リーグ3位からの「下剋上」で日本一になったのは、2010年の千葉ロッテマリーンズ以来2回目で、セ・リーグのチームでは初めて。

 王手をかけた第6戦は2回に筒香嘉智選手の本塁打などで3点を先制。その後も5回に一挙7点を挙げて試合を決めた。

場外ファンも大興奮

 横浜スタジアムがある横浜公園には、球場に入れなかった多くのベイスターズファンが詰め掛けていた。日本一が決まった午後9時15分頃に大歓声が上がり、喜びが爆発。場外のファンも選手の応援歌を歌うなどして興奮状態が続いた。公園内で「ビールかけ」をする人が見られたほか、ハマスタから関内駅に向かう交差点では横断歩道を渡る人がハイタッチを交わすなど、26年ぶりの日本一に関内周辺が沸いた。

関東学院中高同窓会「橄欖会」が設立100周年で音楽イベント 11月3日、エディ藩さん、相川七瀬さんら出演

 関東学院中学高校=南区三春台=の同窓会「橄欖(かんらん)会」(水谷透会長)が設立から100周年を迎えたことを記念する音楽イベント「ミュージックフェスタ橄欖100」が11月3日にビルボードライブ横浜=中区北仲通=で行われる。

 同校卒業生の元ゴールデンカップスのエディ藩さん、元ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの和田静男さん、元TENSAWの田中聖一さんのほか、相川七瀬さんなどが出演。ラテン、ジャズ、ロックなどの音楽やダンスパフォーマンスが披露される。主催者側は「シークレットゲストの登場もあります」としている。

 開場午後3時、公演は3時30分から9時。会費は6,000円で飲食費は別途必要。詳細は同フェスタのサイト(http://kanrankai.net/musicfestival)で。

説明会のチラシ

神奈川県が11月16にサステナブル企業説明会

 神奈川県は大学生や第2新卒を対象にしたサステナブル企業説明会「やりたい仕事の見つけ方」を11月16日(土)正午から午後4時まで、西区みなとみらいのTKPガーデンシティPREMIUM横浜駅新高島で開催する。

 説明会では、サステナブルな事業に取り組む企業が参加し、企業の具体的な取り組み、働き方について説明を行う。セミナーも開かれ、次世代キャリア支援プラットフォーム「Base Me(ベイスミー)」を運営するアレスグッドの勝見仁泰代表取締役が「価値観にあった仕事の見つけ方」をテーマに講演。続くパネルディスカッションでは、企業の幹部や採用担当者も登壇し、サステナブル企業の選び方について議論する。企業紹介タイムでは、小田急電鉄やLINEヤフーなどが説明を行う。会場内には東京海上日動火災保険や丸井グループなど約30社がブース出展する。

 参加無料。申し込みは県のホームページ(https://www.pref.kanagawa.jp/docs/bs5/sustainablesetumeikai.html)から11月14日(木)まで。私服での参加も可能。問い合わせは県政策局SDGs推進グループ【電話】045・285・0909。

黒岩知事から感謝状を受け取る印出取締役副会長(左)=提供写真

ウエインズグループ みどり基金に180万円 黒岩知事から感謝状

 ウエインズトヨタ神奈川をはじめとするウエインズグループ(宮原郁生代表)がこのほど、緑化保全のため県が設置する「かながわトラストみどり基金」に180万円を寄付した。これを受け、10月30日に県庁で黒岩祐治県知事から同社に感謝状が贈呈された。

 同グループは1993年から同基金への寄付を行っており、オイル交換キャンペーンなどの売り上げの一部を寄付。32年間でその総額は約7746万円となる。

 黒岩知事から感謝状を受け取った印出和憲取締役副会長は、「自動車は便利である一方、二酸化炭素を排出する。環境に配慮した取り組みを継続して取り組んできたが、これからも自動車販売店の責務として続けていきたい」と話した。

昨シーズンの試合の様子©横浜キヤノンイーグルス

横浜キヤノンイーグルス開幕戦に市民5千人を招待 12月22日、日産スタジアム

 横浜をホストエリアとするラグビーチーム「横浜キヤノンイーグルス」は、12月22日(日)に日産スタジアム=港北区=で開催するホストゲーム開幕戦に市民5千人を無料招待する。

 招待企画は横浜市と連携してスポーツ振興に取り組む「横浜スポーツパートナーズ」の一環。

 横浜キヤノンイーグルスは、ジャパンラグビーリーグワンのDIVISION1に所属。日本代表の梶村祐介選手や岡部崇人選手、ラグビーワールドカップ2023で優勝した南アフリカ代表のファフ・デクラーク選手、ジェシー・クリエル選手など、世界で活躍する選手が多数在籍している。

 対戦相手は東芝ブレイブルーパス東京。午後3時5分キックオフ。自由席が対象。

 応募は先着順で11月15日(金)午前10時から12月21日(土)午後11時59分まで。申込サイト(https://www.canon-eagles.jp/tickets/invite/20241222.html

)から受け付け。チケットは各自で手数料を負担し、コンビニで発券する。詳細は、横浜キヤノンイーグルス横浜事務局(横浜アーチスト)【電話】045-664-3731。

啓発物を渡す参加者

大通り公園で迷惑駐車追放キャンペーン 神奈川県警、伊勢佐木署、南署の3所属合同で

 神奈川県警本部交通部駐車対策課と伊勢佐木警察署、南警察署は3所属合同で10月30日、横浜橋商店街近くの大通り公園で放置駐車追放キャンペーンを実施した。

 交通安全協会や交通安全母の会連合会、安全運転管理者会などから約25人が参加。道行く人々に啓発物を配り、迷惑駐車の防止を訴えた。

 県警の担当者は、「迷惑駐車は死角をつくるなど事故の要因になるほか、緊急車両の通行の妨げにもなる。『少しぐらいなら』と思わず、パーキングエリアを正しく使っていただきたい」と話した。

当選証書を受け取る1区の篠原豪氏

衆院選 小選挙区当選者に証書付与

 衆議院議員選挙の神奈川県内の小選挙区当選者に当選証書を付与する式が10月30日に県庁で行われた。

 県内20選挙区の当選者やその代理人に県選挙管理委員会の保阪努委員長が当選証書を手渡した。

 横浜市関係の選挙区では1区・篠原豪氏(立民・前)、3区・中西健治氏(自民・前)、6区・青柳陽一郎氏(立民・前)、7区・中谷一馬氏(立民・前)、19区・草間剛氏(自民・新)は本人が参加して受け取った。

交通安全功労141者を表彰 長年の活動で貢献

 今年度の横浜市交通安全功労者表彰式が10月29日に中区で行われ、計141者が表彰された。市交通安全対策協議会(山中竹春会長)と(一財)横浜市交通安全協会(板橋悟会長)の共催。

 この催しでは、長年にわたり交通安全と交通事故防止に貢献し、その功績が顕著な個人・団体を表彰している。同協議会による功労者表彰は40者(個人28人、団体12)、市安協は同101者(地区役員や退任役員を含む個人95人と団体6)。

 表彰式であいさつに立った山中市長は「市のソフト面とハード面での対策に加え、県警との連携、何より皆さまとの協働によって、市の交通安全対策をすすめていきたい」と話した。板橋会長は、「誰もがいつ加害者、被害者になるか分からない。引き続き交通安全の意識を高めていけるよう尽力していく」と述べた。

 中区・西区・南区内の被表彰者は、同協議会が個人6人、団体3、市安協が地区交通安全協会役員や10年間無事故無違反優良運転者を含め個人40人、団体2だった。

 

排骨飯

町中華へGO!【11】 中区本郷町「李園」で排骨飯 本紙記者がランチ紹介

 どの町にもある、古くから地元に愛される中華料理店。「町中華」が注目を集める中、地域を回るタウンニュース記者が中区、西区、南区にある中華料理店で食べるランチを紹介。さあ、町中華へGO!

 山手トンネルを抜けて本牧通り沿いにあるのが「李園」。赤い看板が中華料理店らしさを感じさせる。カウンターが8席、テーブルは円卓。ランチタイムのど真ん中に行ったところ、満席近い状況に。厨房からテンポ良く仕上がる料理が次々に運ばれていて、活気を感じる。

 注文したのは「排骨(パイコー)飯」(970円)。シャキシャキの青菜にカレー風味の豚肉がマッチ。脂っぽさがなく、ほかの揚げ物単品を組み合わせてもいいかも。

■中区本郷町1-18【電話】045-621-9878(メニュー、価格は取材時のものです)

地区連合町内会インタビューvol.10 私のまちの連合会長 埋地地区連合町内会会長 藤平 保之さん

――地域の特徴と主な取り組みを教えてください。

 多様な国籍の方がいます。掲示板や回覧板のポスターやチラシは日本語、英語、中国語の3カ国語用意しています。外国につながる若者たちが2017年に結成した「にじいろ探検隊」のメンバーのサポートを受け、国籍は違えど地域の一員だと思ってもらえるよう取り組んでいます。

――抱える課題は。

 今の一番の課題は災害対策です。今まで炊き出しや仮設トイレの訓練はしていましたが、避難所の開設訓練は行っていません。開設までの動きを委員と勉強して災害に備えます。また、外国の方に向けた避難者カードもなく、現在、母国語や家族の中に日本語を話せる人はいるかなどの質問が書かれたカードを独自に作成中です。町内会の人手不足も課題です。外国の方、若い方のコミュニティーにも声をかけて、積極的に活動への参加を促していきたいです。顔を合わせていれば言葉が分からなくても伝わるものがあると思います。普段からの交流を大切にしていきたいですね。