中原区版【12月20日(金)号】

中原区民アンケート 「定住意向」初の8割超 5割超が地域活動参加せず

 中原区役所は12月10日、2024年度の区民アンケートの結果を公表した。区内の定住意向が81・4%と、16年度のアンケート開始以降、最も高い結果となった。一方で、地域活動への参加について、町内会・自治会等が14・4%で前回よりも増加しているものの、依然として低い数値となり、近隣との関係性の希薄さが浮き彫りとなった。

 同アンケートは、区政に対する区民の意識や要望、地域特性を調査し、区政運営や地域課題の解決につなげることを目的に、16年度以降、2年に一度実施している。

 区民の定住意向については、81・4%が「これからも住んでいたい」と回答。アンケート調査を開始した16年度の77・1%を4・3ポイント上回り、最も高い結果となった。理由は28・8%が「通勤・通学の便が良いから」と最も高く、次いで「以前から住んでいるから」が22・9%、「住宅を購入したから」が20・1%だった。

 今回、質問項目として「健康管理について」を新たに追加。健康の秘訣は「食事」が76・2%、「睡眠」が75・3%と高く、「体力維持を目的とした運動(ウォーキングや体操など)」が56・1%だった。

 日常生活で困っていることや、将来的に困ると思うことについては、「粗大ゴミや新聞ゴミなど大きなゴミ出し」が37・2%と最も高く、「役所などでの手続き・書類書き」が25・9%、「家具の移動や電球交換など室内の維持管理」が24・9%で続いた。「交流・集いの機会の提供」の割合は9%で、「特にない」が32・4%という結果となった。

 「現在参加している地域活動」は、「町内会・自治会・老人会・婦人会」が14・4%、「学校や職場の同窓会、同期会」が12・1%、「趣味や娯楽のサークル、会」が7・1%。一方で「どれにも参加していない」が56・7%と半分以上の人が地域活動に参加していないことがわかった。

 「災害に備えるための取組」で一番重要だと思うものは、「水・食料の備蓄」が42・9%が一番高く、次いで「家族との連絡方法」が12・1%、「家具の転倒防止」が9・2%だった。「災害時の交通機関が運休した場合の行動」については、「一時的に滞在できる場所を探す」が40・2%、「10Km以内なら家へ歩いて帰る」が39・3%と続いた。

 区の担当者は「今後も住み続けてもらえるまちとなるために、利便性だけでなく区の魅力を引き続き伝えていきたい。健康管理や災害時の備えなどの回答結果を踏まえて、区政運営や課題解決に係る基礎資料としたい」と話した。

光量や養液の量などの管理が自動制御されている栽培台

20代続く農家・森さん 食用花の栽培に挑戦 「新しい農業の形」発信

 高津区で代々農業を営んできた農家の20代目が、エディブルフラワー(食用花)の生産に取り組み始めた。「キラナ・ファーム」園主の森彰人さん(32)=人物風土記で紹介。エディブルフラワーを個人農家が生産・出荷するのは川崎で初めてという。

 エディブルフラワーは、食用に改良・栽培された花で、レストランや結婚式場で料理をカラフルに彩る食材として人気だ。観賞用の花とは栽培方法が異なり、人が安全に食べられるように無農薬や低農薬で育てられることが一般的だ。

 森さんの実家は高津区久末地区で代々続いてきた農家で、父で19代目、自身で20代目という歴史がある。

 「幼いころから農家を継ぐと決めていた」という森さん。大学卒業後にJAセレサ川崎で7年間勤務した後、3年前に退社し、父や祖母を手伝う形で農業に従事し始めた。家族と共に約70 haの畑を管理しながら、今年9月から新たな挑戦として、エディブルフラワーの栽培を始めた。

気候変動が契機に

 きっかけは近年の気候変動だった。森家の畑ではキュウリやトマト、ブロッコリーなどの野菜を年間25〜30種類ほど栽培してきたが、猛暑や大雨の影響で収量が安定しなくなったという。森さんは「おそらくこの傾向は今後も続き、そう遠くない将来、この気候が普通になると思う」。気候に左右されない安定的な農業を目指し、考え付いたのがエディブルフラワーだったという。

 エディブルフラワーの栽培方法は様々だが、森さんは専門の業者から、花の種から養液、栽培機材や栽培ノウハウまでをパッケージで購入した。農地の一角に建てた栽培施設(約36平方メートル)内に機材を導入。温度や湿度、二酸化炭素濃度などを制御した状態で、5色のビオラとアリッサムなどのエディブルフラワーと、バジルなどのハーブを栽培している。

 11月中旬からはJAセレサ川崎の直売所「セレサモス宮前店」で試験販売も始まり、12月からは区内のステーキハウスでエディブルフラワーを使った特製サラダがメニュー入りした。今後は首都圏のレストランや結婚式場などへも販路を広げていくという。森さんは「この方法なら新規就農者も挑戦しやすい。新しい農業のスタイルとして発信し、都市農業を盛り上げていきたい」と意気込んでいる。

エディブルフラワ―を生産するKiranah Farm(キラナ・ファーム)園主の 森 彰人さん 高津区在住 32歳

食用花で食卓に笑顔広げる

 ○…川崎市内の個人農家としては初めて、食用の花「エディブルフラワー」を生産・出荷している。温度や湿度などが制御されているクリーンルームの中で、カラフルなビオラや個性的な苦みのあるアリッサムなどを栽培。今年11月から本格的な収穫が始まり、首都圏の飲食店などに出荷している。

 ○…高津区久末で代々続く農家の20代目。自宅前に広がっていた水田で泥んこになって遊ぶ傍ら、歴史ある農業従事者としての両親や祖父母の姿を見て育った。そのため農家を継ぐ選択は「ごく自然なものだった」という。「小学校の卒業文集にも『将来は農業をやる』って書いてましたから。始める年齢も漠然と、30歳ぐらいって決めてましたし」

 ○…大学を卒業すると、まずJAセレサ川崎に就職。市内全域の農家を回りながら、都市農業の厳しい現実を目の当たりにした。高齢化と後継者不足、そして猛暑や集中豪雨などの異常気象。特に気候変動の影響は年々深刻さを増していることから、「いま『異常』と呼ぶ状態が、いつか普通になる日がくる。それならば最先端の技術も取り入れ、持続可能な都市農業の形を考えていこう」と決意。20代最後の年にJAを退社し、農業従事者の道に進んだ。

 ○…自然に左右されない形を考えた結果、室内で通年栽培できるエディブルフラワーにたどり着いた。選択肢は複数あったが、鮮やかな花に彩られた食卓を想像し、「これだ」と直感した。「食べる人が笑顔になり、会話が弾む様子が目に浮かんで、自分までうれしくなった。幼いころから周りの人を喜ばせることが大好きだったから、自分にぴったりだなと」。手掛ける花々で笑顔が広がる日を夢見て、挑戦を続けていく。

特別授業を行う角当氏ら=提供

下小田中小で能楽の授業 今回初の試み

 能楽師の角当(かくとう)直隆氏は12月4日、下小田中小学校で初めて6年生の児童向けに能楽の特別授業を行った。

 子どもたちに能を体験してもらうことが目的で、児童ら約188人が参加した。国語の授業で、主人公「山伏」が柿を盗んだところを柿の持ち主に見つかり、サルやトビなどのまねをさせられ、自分の罪を覆い隠そうとする姿を面白おかしく描いた作品『柿山伏』を習う6年生を対象に、今回の企画が実現。

 当日は角当氏が江戸時代の能装束を用意し、能の歴史について解説。ほかにも能面を見せながら、能の種類などを説明した。舞台で使われる笛や太鼓、小鼓などの楽器も紹介。児童らがせりふにあたる「謡」を練習し、披露した。角当氏は「地元で子どもたちに能を知ってもらう場がつくれてよかった」と特別な機会を喜んだ。

サンタと写真を撮る親子

サンタと写真撮影 12月21・22日 武蔵小杉で

 小杉3丁目の複合施設「コスギサードアヴェニュー」のクリスマス実行委員会が12月21日(土)・22日(日)、「サンタと一緒に記念撮影」を開催する。会場はサウスパーク。各日午後3時30分から5時30分。参加無料。

 昨年、施設管理組合らが主催した初のクリスマスイベントに続く企画で、会場はイルミネーションに彩られる。当日は、先着順でボランティアの住民らが扮したサンタクロースと記念撮影ができる。自身のスマホか、持参したカメラ等を使い、スタッフが機材を預かり撮影の手伝いをしてくれる。少雨決行。

グッズを手渡す後藤さん(上)、MEZASHIのメンバー

元SKE48 後藤さんが一日警察署長 年末の交通安全呼び掛け

 中原区交通安全対策協議会(原新次会長)は「年末の交通事故防止運動」の一環で12月11日、元SKE48のメンバーで現在はフリーアナウンサーとして活躍する後藤楽々さんを一日警察署長に迎え、グランツリー武蔵小杉で交通安全の啓発キャンペーンを行った。

 佐藤智宏中原警察署長から委嘱状を渡された後藤さんは、「一日警察署長として精一杯頑張ります。事故に遭わないために自分の命は自分で守るという気持ちで、交通ルールを守ってほしい」と来店者らに呼び掛けた。当日は佐藤署長のほか、熊谷智子中原消防署長、今村健二副区長も出席し、三者による安全安心を目指すユニット「MEZASHI(メザシ)」として後藤さんと意見交換。その後、後藤さんと参加者で道路標識に関するビンゴゲームを楽しみ、交通安全用品やチラシなどが入った啓発グッズ約200セットが希望者に手渡された。

プログラミングで動きを学習

下作延小学校 ITで動き学び、実践 体育の授業 区内企業連携

 中原区内に本社を構えるITサービス企業「(株)アルファメディア」は川崎フロンターレと連携して、12月11日に下作延小学校(高津区)の5年生3クラスでプログラミングとサッカーを合わせた授業を実施した。

 高津区の市民提案型事業に採択され、今年で3年目となるこの取り組み。体育の授業の中で、攻撃の選手2人、守備の選手1人の状況で、どのように動くとパスがもらえ、シュートを決められるかをGIGA端末を使って学習。その後、実際にフロンターレのスクール普及コーチの指導のもと校庭で実践し、再び教室に戻ってパスの成功率を上げるために何が必要かをGIGA端末を使って考えるという流れで授業を行った。

 体験した西山遥太さんは「プログラミングと実際は違って難しかった」と話し、井ノ口夏帆さんは「野球とか他のスポーツで同じようにやってみたい」と振り返った。

 同校の岡山憂教諭は「サッカーをやっている子は感覚でわかるが、やっていない子は動き方がイメージしにくい。共通理解ができるようにするのがこの取り組み」と説明する。3年かけてこの取り組みをテキスト化し、他の教員も取り組めるようにできたという。岡山教諭は「動き方がわかれば技能を身に付けることで、試合で得点を取れるようになる。これを川崎市全体に広げていきたい」と力強く語る。同社の小湊宏之社長は「今年で3年目。毎年ブラッシュアップしてきて完成度の高いものができた。今後は、他の学校でも使ってもらえたら」と展望を話した。

優勝を喜ぶ下新城のメンバーら

YOUテレビ杯ドッジボール秋季大会 下新城が優勝 準Ⅴは古市場

 「YOUテレビ杯兼連盟第21回秋季ドッジボール川崎大会」(主催・川崎ドッジボール連盟/後援・タウンニュース社ほか)が11月23日、市立川崎高校アリーナ(川崎区)で行われた。

 「下新城」(黒沢千恵監督)が決勝トーナメントを制し、幸区から出場した「古市場ドッジボール部」(田路朋之監督)が準優勝に輝いた。

 優勝した下新城の岡本柚彩さんと南波那月さんは「市で一番大きな大会で勝ちたかっただけに嬉しい。夏の大会も優勝し周りから警戒されていたが、声出しやフォローがしっかりできていた」と振り返った。

 準優勝の古市場の大嶋優月さんは「全体的にまとまっていた。声も出ていた」ので勝ち進むことができたと振り返った。タイトル獲得とはならず「悔しいけれど、嬉しい気持ちもある。後輩たちにはぜひ優勝してもらいたい」と語った。

第6ホワイトのメンバー

優勝は第6ホワイト 市ジュニア綱引き大会

 川崎市綱引連盟(井土清貴会長)が主催する川崎市民ジュニア綱引き大会が12月15日、とどろきアリーナで開催された。市内5チームが参加し、熱戦が繰り広げられた。

 参加チームは、息の合った連携と力強い綱引きで観客を魅了した。優勝は第6ホワイト(中原区)、準優勝は塚越四丁目BLUE(幸区)、3位は塚越4丁目RED(同)。エキシビジョンマッチでは、県選手権で優勝した川崎消防ライフガードとジュニアチームらが対戦するなど、会場は盛り上がりを見せた。

 井土会長は「各チーム、力を合わせて挑む姿や一歩も引かない全力プレーが光った。熱い戦いを見せてくれた子どもたちに川崎市の未来を感じた」と総括した。

優勝旗を手にした神地こども会

巽LC 優勝旗を神地へ 少年野球への奉仕活動

 川崎巽ライオンズクラブ(LC/今井宏志会長)は12月14日、多摩川宮内地区グラウンドで行われた大戸地区少年野球の閉会式に参加し、クラブ名の入った優勝旗やカップなどを贈呈した。

 「ライオンズ旗争奪少年野球大会」を制した神地子ども会野球部が優勝旗を手にし、準優勝の下小田中第一武蔵野球部、3位の大谷戸常陸子ども会野球部、敢闘賞の宮内子ども会野球部がカップや賞状を受け取った。

 会長の代理で参加したLCメンバーの石丸宣邦さんは「クラブの大事な奉仕活動。これからも子どもたちのことを応援していきたい」と話した。

4商店街でおみくじ 1月6日から

 玉川商店会連合会に加盟する4つの商店街(平間銀座商店街・平間商栄会・平間駅前商栄会・北谷町通り商店会)は1月6日(月)から17日(金)まで、おみくじを使った新春イベントを行う。

 前回、平間銀座商店街が単独で行い訪れた人に好評だったことから、今年は4商店街合同で行われる。景品がなくなり次第終了。店舗によって実施期間が異なるので確認を。平間銀座商店街の石井雄介理事長は、「新年も、ぜひイベントをきっかけに多くの人に商店街に足を運んでもらいたい」と呼び掛ける。

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1月5日からの大会を前に健闘を誓う選手ら

市立橘高校男子バレーボール部 「春高」前に、新たな決意 黒岩知事を表敬訪問

 「第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会」(通称・春高バレー)に出場する川崎市立橘高校の男子バレーボール部メンバーが12月13日、神奈川県庁を訪問。黒岩祐治知事に晴れ舞台での健闘を誓った。

 共に春高バレーに出場する慶應義塾(男子)、横浜隼人、大和南(共に女子)の4チームが一堂に会し知事に大会への抱負などを報告した。

ゲン担ぎの記念撮影

 「春高バレー」は知事ゆかりのテレビ局で長きにわたって放映されているだけに「皆さんの健闘を心から期待している」と、ひと際心のこもったエールが送られると皆、決意を新たにした様子。記念撮影では「ビクトリー!」という掛け声と共にガッツポーズをとる、県庁では縁起が良いとされるスタイルでフレームに収まり、晴れやかな表情を見せていた。

舞台の上で元気に和太鼓を打ち鳴らす児童ら=提供

平間わんぱく少年団 全国の和太鼓を披露 45周年で芸能交流公演

 全国各地に伝わる太鼓に親しむ小学生らが集う平間わんぱく少年団(山本忠利代表)が12月15日、川崎市国際交流センターで45周年の記念公演を開催。「こだまする和太鼓」と題し、台湾伝統芸能と舞台で交流した。

 平間小を中心に、近隣の保育園や小学校に通うメンバー17人は、この日のために4月から週2回1日2時間の練習を続けてきた。当日は福井県の『うすずみ太鼓』、千葉県の『銚子はね太鼓』など、太鼓や衣装を変えながら11演目を披露。150人以上が詰め掛けた会場を盛り上げた。合間には台湾の文化を伝承する活動をしているAtayal舞踏団が先住民族の踊りを舞う場面も。同少年団を指導する和太鼓祭音のメンバーも、ダイナミックな演奏を見せた。

 山本代表は「これまでで一番の太鼓だった。これからも和太鼓を通して子どもたちと祭りをつくり、楽しみ、育ち合っていきたい」と話した。同少年団は来年1月10日(金)に平間で練習始めを行う。見学、体験も歓迎している。問い合わせは山本代表【電話】090・9677・2205。

アルファ米を炊く参加者

避難所開設へ3町会協力 約50人が手順学ぶ

 木月一丁目町会・木月伊勢町町内会・木月三丁目町会は12月7日、住吉小学校(木月祗園町)で町会役員向けに避難所開設訓練を行った。

 災害時に必要な手順を学ぶことを目的に行われ、約50人が参加。当日は、情報収集班や食料物資班などに分かれて各自の役割を確認。避難者とスタッフの一人二役で、避難者の受け入れ方法を学んだ。実際に非常食の準備も行い、アルファ米が昼食として参加者に提供された。

 木月伊勢町町内会の勝山景之さんは、「今回の経験を生かし、災害時に会員皆で迅速な対応ができるよう努めていきたい」と力を込めた。