鶴見区版【1月1日(水)号】
建替えへ思いを語る下里さん(右)と並里さん

横浜・鶴見沖縄県人会 県人会館が移転へ 100周年の2027年までに

 横浜・鶴見沖縄県人会(金城京一会長)が、同会設立100周年となる2027年に向けて県人会館の移転を目指している。築40年を超えて老朽化も目立つ同館。移転新設することで、これまで以上に鶴見の「沖縄タウン」の魅力PRや情報発信を目指していく。

 仲通や浜町、汐入町、潮田町に広がる鶴見の「沖縄タウン」。その中心として沖縄出身者はもちろん、観光客も多く訪れるのが「鶴見沖縄県人会館」だ。

 現在の会館が建てられたのは1980年。鉄筋3階建てビルの1階には沖縄物産品店や飲食店のほか、観光情報などを発信する広報室を併設。そして2階に賃貸住居、3階に県人会の事務所やホールが入っている。

 築40年以上が経ち老朽化してきた同会館について、県人会では3年ほど前から建替えや移転を検討。しかし、建替え費用や工事期間の長さなどを考慮し、移転する方向でほぼまとまった。県人会で会館建設委員会の実行委員長を務める下里優太さんは「今は移転先の土地を探している段階。鶴見の沖縄タウンの魅力を更に発信できるような会館にすべく、県人会設立100周年となる2027年に新しい会館を開所したい」と話す。

 移転の候補場所はまだ決まっていないが、「新しい会館には事務所、ホール、広報室はもちろん、沖縄物産品の工場見学をできるブースやフードコートなども設けられたら。今まで以上に多くの人が集い、鶴見の沖縄タウンを楽しめる場所にしていきたい」と下里さんは夢を語る。

県人会の団結の象徴

 現在の会館が建てられるまでには様々な歴史があった。

 沖縄の人々が鶴見に移り住んできたのは大正末期から昭和初期にかけて。川崎・鶴見の埋め立て工事や関東大震災の復興に伴い、労働力需要の高まりを受け出稼ぎに来る人が多かった。

 その労働者たちが支え合う互助団体で、県人会の前身となる「鶴見沖縄県人同志会」が1927年に結成された。そして、49年には現在の会館の場所に「潮田劇場」(のちに「第三鶴映」と改名)が誕生。沖縄芝居や沖縄舞踊、無声映画や漫才、曲芸、浪曲など多彩なプログラムで人々を楽しませたという。

 その後、53年に鶴見沖縄県人会を発足。活動を広げる中で多額の寄付を集め、総工費1億2千万円をかけて会館を竣工させた。県人会の並里典仁さんは「会館の建設までには苦しい歴史もあったと聞いている。移転しても、先人たちが『県人会の団結の象徴』として苦労の末に作り上げた会館への思いを大切にしていきたい」と語った。

取材に答える山中市長

人にやさしいまち、横浜へ 山中市長が新年の抱負

 本紙では新年を迎えるにあたり、山中竹春横浜市長に2025年の抱負を聞いた。山中市長は子育て支援や防災・減災対策などの取組を進めると共に、「人にやさしいまち」の実現に向け力を尽くす考えを示した。質問に書面と対話で答えた。(聞き手/木曽祐司・添田守男)

 ――市長就任時より、子育て支援に力点を置いてきました。

 「一昨年は子どもの医療費を無料化し、長年市民の皆様から望まれていた中学校での全員給食の導入を決定しました。全員給食は2026年4月の開始に向けた準備が着実に進んでおり、小学生の保護者向け試食会のアンケートでも75%の方に『良い印象を持った』と回答いただいています。

 昨年は、出産や妊婦健診に係る費用への市独自の助成を新たにスタートさせました。出産費用については、国の出産育児一時金50万円に加えて最大9万円を市独自で助成することで、市内公的病院での出産に係る基礎的費用を100%カバーできるようになりました。妊婦健診の助成額は5万円を上乗せし、政令市トップの水準となりました。46万人もの子ども(中学生以下)が暮らす『日本最大の子育て支援都市』として、皆様が安心して子育てをしていただけるよう取り組んでいます」

 ――子育て支援ではアプリや保育の負担減、「小1の壁」対策等にも取り組んでいます。

 「10月にリリースした全国初の総合的な子育て支援アプリ『パマトコ』は、現在5万人以上の方にご利用いただいています。例えば出産費用助成の申請は、ほぼすべての方が『パマトコ』から申請されています。また、アプリには母子手帳機能や予防接種のスケジュール管理、イベント情報のプッシュ通知など、さまざまな機能を搭載しています。ユーザーの皆様のお声を聞きながら、これからもどんどん進化させていきます。また、保育園に持参するおむつなどの準備や持ち帰りの負担を減らす『にもつ軽がる保育園』も、導入する施設が広がっています。

防災や脱炭素にも注力

 さらに、『小1の壁』の代表例である夏休み中のお弁当づくりの負担を軽減するため、すべての学童等での昼食提供をモデル実施し、95%以上の保護者から『ゆとりを感じた』との満足の声をいただきました」

 ――防災・減災対策は、横浜市にとって喫緊の課題です。

 「能登半島地震など大きな災害の経験を、横浜でもいつ起きてもおかしくない大規模地震への備えに生かすため、地震防災戦略を刷新し、災害対策を大幅に強化します。

 【1】市民や地域の"発災前からの備え"の強化【2】誰もが安心して避難生活を送ることができる仕組みの構築【3】救援活動や緊急物資輸送の要となる横浜市初の広域防災拠点の整備【4】上下水道の耐震化や緊急輸送路の整備などを加速化する災害に強いまちづくり――の4つの柱に沿って徹底的に『市民目線』に立った取組を進め、市民の皆様の命と暮らしを守るための災害対策を進めていきます」

 ――地域の防犯対策も急務です。

 「地域での平穏な暮らしを守るためには、行政と地域の皆様が連携して取り組むことが必要です。地域からいただいたLED防犯灯の設置要望について、当初予定を拡充し、設置基準を満たすものは全て年度内に整備するなど、スピーディーに対応します。

 また、市内すべての不審者情報をGoogleマップで確認できる市独自の『こども安全・安心マップ』の活用や、学校と家庭との連絡アプリ『すぐーる』を活用した適切なSNS利用の情報発信など、ハード・ソフトの両面から地域防犯の取組を強化します」

 ――脱炭素社会の実現に向けた取組みについてお聞きします。

 「気候変動を食い止め、環境にやさしい循環型の社会にしていくためには、市民の皆様の行動変容が鍵になります。横浜市は、市民の皆様の身近なアクションを後押しし、環境にやさしい社会につながっていることを実感していただけるような取組を進めています。

 プラスチック資源のリサイクルを拡大するため、昨年10月に先行9区でごみの分別ルールを変更しました。今年4月からは、全18区で新たな分別ルールがスタートします。他にも、消費期限が近くなったパンをお得な値段で販売するロッカーを設置して食品ロスを減らす取組や、ご家庭で揚げ物などに使った油(廃食油)を回収し、飛行機の燃料に生まれ変わらせる取組も進めています。

 昨年12月には、『地球1個分で暮らそう STYLE100』プロジェクトを始動し、地球にやさしい新しい暮らしを市民や企業の皆様と一緒に発信していく取組がスタートしました。

 市内企業の99・6%を占める中小企業の皆様の行動変容につなげるため、『脱炭素取組宣言』制度を昨年6月に創設し、環境に配慮した経営、脱炭素経営に取り組む中小企業の皆様のチャレンジを、積極的に後押ししていきます」

「環共」テーマの国際博覧会

 ――旧上瀬谷通信施設で開かれるGREEN×EXPO 2027まで、いよいよあと2年です。

 「『GREEN×EXPO 2027』は、環境と共生し、皆様と共につくる『環共』がテーマの世界で初めての国際博覧会です。

 会場では、まず、皆様を圧倒的な花と緑でお迎えします。脱炭素技術を体験したり生物多様性への理解を深めたりできるエリアをはじめ、農と食が近い暮らしの体験や、子どもたちが自然の大切さを楽しみながら学べるエリアなど、国内外のあらゆる世代の皆様にお楽しみいただける場所となるよう、着実に準備を進めています。

 今後、各エリアの出展内容など、会場計画についてタイムリーに市民の皆様にお伝えし、開催への期待感を高めていきたいと考えています」

 ――会場周辺の交通への対策は。

 「会場および周辺の整備は、地元の皆様の生活に影響がでないことを大前提に、多くの皆様が安全・円滑に来場できる環境を整えていきます。会場周辺の道路整備や主要ルートの交通円滑化をはじめ、環境にやさしいシャトルバスの導入など環境に配慮した対策を関係者と連携して進めています」

 ――2025年度予算編成の方向性を聞かせてください。

 「地震防災戦略を刷新し災害対策を大幅に強化するとともに、子育てしやすさを実感できる更なる取組の推進、医療・福祉の充実などあらゆる世代の暮らしを支えてまいります。

 また、地域交通の拡充に本格的に着手するほか、公園や学校のトイレの洋式化、学校体育館の空調整備など、市民の皆様からの改善要望が多かった身近な環境の整備を大幅に加速させます」

再選出馬、明言せず

 ――今夏の市長選について再選出馬の考えは。

 「市民の皆様から託された任期の中で、成果をしっかりとお返ししていくことに全力を尽くしていきます」

 ――市民へのメッセージをお願いします。

 「地域に足を運ぶといろいろなお声をいただき、その一つ一つがとても大切なものです。今年も、市民の皆様の『声』を第一に、人にやさしく、誰もが安心してくらせるまちの実現に向けて、力を尽くしてまいります」

アメリカのゴルフツアーで活躍し、日本でプロテストに挑戦する 谷田 侑里香さん 鶴見区出身 25歳

「プロになる」思いは一つ

 ○…合格率約3%の狭き門、ゴルフのプロテスト。この大きな壁を越えようと奮闘している若き挑戦者がいる。昨年は4度目のプロテストに挑んだが1歩届かず。「悔しいです。多くの方に応援してもらっているので、期待に応えるために今年こそは」と奮い立つ。

 ○…聖ヨゼフ学園に通い、小学校6年の時には運動会で応援団長に手を挙げるなど、幼少期から活発的だった。3歳からバレリーナになることを夢見ていたが、家族の影響で13歳から本格的にゴルフを始め、目標をプロゴルファーに切り替えた。同学園の高校に通っている時には、学校がゴルフ部を創設するなど手厚いサポートも。「経験を積ませてくれて本当にありがたかった」と周囲への感謝を忘れない。「当時のままでは卒業後にプロテストを受ける実力は無いと思った」と振り返り、高校2年生の時に「アメリカで本格的に学んで実力を付けよう」と一大決心。プロを一直線に志し、単身渡米して夢を追いかけた。

 ○…アメリカの大学でゴルフ部に入るには、大学の監督から推薦状をもらう必要があり、挑戦の日々が始まった。「渡米してもすぐには言葉も上手く通じないし、寂しくて親に電話する日が続きました」と苦笑い。だが、持ち前の積極性と努力を重ね、高校卒業時には10校以上の大学からスカウトが来るほどに。さらに大学では文武両道の証として知られる「オールアメリカン」の賞を4年連続で受賞した。

 ○…昨年は初めてアメリカでツアーを回りながら、日本でもプロテストを受けるなど忙しい日々を過ごしたが、ツアーでは最高3位タイの成績を残した。「今年こそは日本のプロになって、家族や地元に良い報告をしたい」。勝負の1年に気合は十分だ。

11日に消防出初式 公会堂や鶴見駅西口、東口で

 鶴見区消防出初式が1月11日、鶴見公会堂と鶴見駅西口フーガ1前モール、鶴見駅東口駅前広場を会場に行われる。

 公会堂では式典や木遣り・まとい振込み演技、消防署や消防団の訓練動画が披露されるほか、潮田中学校マーチングバンド部の演奏も行われる。

 鶴見駅西口、東口では「消防ふれあい広場」として、消防車両の展示や起震車、ミニ消防車への乗車体験、子ども用防火服着装体験などが行われる。午前10時から11時30分。(問)同署【電話】045・503・0119

スピード感あふれるプレーを会場で=提供

区民デーで招待、優待 横浜エクセレンス

 横浜を拠点に活躍するプロバスケットボールクラブ「横浜エクセレンス」(EX)が2月14日・15日、ホームアリーナの横浜武道館=中区翁町=で行われる試合を「鶴見区民デー」と題して、区内在住、在勤、在学者を対象に招待、優待を実施する。

 当日は、岩手ビッグブルズと対戦する。

 試合は14日が午後7時、15日が2時開始。

 招待席は2階自由席で、抽選各日ペア100組。優待は先着(会場定員に達し次第販売終了)。優待席は2階自由席、コートエンドホームスタンドF、1F指定席から選べる。2階自由席は一般800円、高校生450円、中学生以下無料。その他の券種の料金は下記2次元コード参照を。1組あたり5人まで申込可、両日の申込不可、同居世帯の複数申込不可。

 申込みは招待席が1月9日までに下記ウェブから(抽選結果は10日に発表)。優待は10日正午から。詳細は同ウェブで確認を。(問)横浜エクセレンス【電話】045・264・6424

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師岡熊野神社(石川正人宮司)は2024年、創建1300年を迎えました。その大きな節目には宮神輿の奉納やそのお披露目、例大祭、そして創建千三百年奉祝大祭、奉祝大祭... (続きを読む)

宝蔵館で新春展示 「皇室と總持寺」

 大本山總持寺の宝蔵館「嫡々庵」で、新春展示「皇室と總持寺」が今日1月1日から2月28日まで開かれる。

 数々の重要文化財や絵画、彫刻、古文書など同寺所蔵の貴重な文化財を一般公開している同館。

 今展示では、書跡や文書、工芸、仏典など皇室ゆかりの品を展示する。

 1月27日と2月24日にギャラリートークあり。また、小さな展示「装飾料紙」も併設。

 午前10時から午後4時30分(受付は4時)まで。木・金休館(1月7日から10日も休館)。入館料は一般300円(学生200円)だが、弊紙持参で無料に。先着50人に特製クリアファイルをプレゼント。(問)同館【電話】045・581・6065

福求め、鶴見七福神めぐり 楽しく歩いて開運、健康増進

 区内の寺社にまつられている福の神々をお参りする「鶴見七福神」が1月4日から12日まで、新年特別ご開帳される。期間中は普段見ることができない七福神をお参りすることができる。

 鶴見七福神めぐりは、鶴見区文化協会や鶴見歴史の会などによる鶴見七福神愛護会が2011年から実施している企画。昨年からは生麦の慶岸寺の「七福神集いの小径」も加わった。

 御朱印台紙は各寺社にあり、1枚100円。

 4日と12日には、歴史の会によるガイドツアーも実施される。午前10時から。横浜熊野神社(京急鶴見市場駅徒歩2分)集合。参加費600円(御朱印台紙付き/昼食持参)。雨天中止。事前申込不要。拝観は、各日午前9時30分から午後4時30分まで。

 問い合わせは、同会・東海林さん【電話】045・581・0372または箸さん【電話】045・571・5035。

詳細はコチラから

市国際学生会館 留学生との交流会 1月に2回 参加者募集

 横浜市国際学生会館=本町通=で1月18日と25日に、同館の留学生との交流会が開かれる。中学生以上対象、定員30人。

 18日は日本語で、25日は簡単な英語で交流を楽しめる。両日とも午後1時30分から3時まで。参加費300円。詳細は左記2次元コードから。(問)同館【電話】045・507・0121

伊藤さんのデザインしたTシャツ

自由な発想のTシャツ募集 サルビアホール 1月25日まで

 一般公募したオリジナルTシャツを展示する「Tシャツアート展」が2月にサルビアホールで開かれる。同館では現在、Tシャツを募集している。

 オリジナル作品であれば色やサイズ、イラストや写真のプリント、クレヨン等の手書き、刺繍など表現方法は自由。展示会では一般作品に加え、デザイナーの伊藤尊朗さんやイラストレーターの住田一夢さんのTシャツなども展示。両氏が公募作品から1作品ずつ賞を選び、コメントも送られる。

 作品募集は1月25日まで。応募は県内在住、在学、在勤者対象で1人2点まで。先着30点。詳細は左記から。(問)同館【電話】045・511・5711(年始は3日まで休館)

パンを考案した児童ら

寺尾小学校6年3組 地元店と協力しパン製作 味や形に工夫 3月末まで販売中

 寺尾小学校6年3組の児童がこのほど、馬場のパン屋「パンの木モグモグ」と協力して、オリジナルのパン「つるぴよッピーパン」を考案した。

 同組は「まちの人とつながり、まちの人を幸せにしたい」という目的のもと、昨年度に5年生がコラボした同店と交流したいと、昨春ごろから活動を始めた。

 同店から「お客さんが増えると良いな」との思いを聞き、さらに地域に笑顔を増やすためのオリジナルのパン作りに挑戦。全校児童や近隣の旭小学校にも足を運び、約1200人から好きな味などのアンケートを実施して売れるパンを調査した。

 そして同店や(株)ロッテの社員らを授業に招き、美味しいパンの作り方を教えてもらいながら、本格的にパンの形や味を考案。最終的に7つのアイデアに絞り、同店店主の保住素朴さんに提出。試作可能な4種類を実際に製作してもらい、試食を重ねて、今回販売するパンが決定した。

 オリジナルパン「つるぴよッピーパン」は、同校で長年愛されているキャラクター「てらぴよ」と「鶴」の2つをデザインし、家族や友達とシェアして食べられるようにチョコレートとカスタードの2つの味に分ける工夫もされている。

 販売が始まり、売れ行きも好調だとか。保住さんは「お客さんからの反響も凄く、子どもたちのアイデアと工夫には驚くばかり」と話した。児童の1人、梅澤那帆さんは「まちの人と繋がれたりして楽しかったし、パンも美味しくできて良かった」と笑顔で語った。

 パンは同店=馬場4の36の15=で3月末まで販売予定。1個260円。

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