平塚・大磯・二宮・中井版【1月1日(水)号】
妙圓寺の八臂宇賀辯財天。辯財天の頭の上に鳥居と宇賀神が見える

「巳」にゆかり 平塚・大磯にも 「宇賀神」まつる寺や伝承

 2025年は巳年。平塚市土屋の妙圓寺には、体が巳で頭が老人の「宇賀神」を頭上に乗せた「八臂宇賀辯財天(はっぴうがべんざいてん)」をまつっているほか、宇賀神社がある大磯町西小磯には、蛇の伝承が残されている。

 八臂宇賀辯財天は妙圓寺の境内にある辯天堂「寳珠殿」にまつられている。8本の手にはそれぞれ、悪いものを寄せ付けないための槍や剣、矛、弓、矢、弁棒などの武器と、願い事を叶えるための宝珠、かぎを持っている。「願い事を叶えてくれる弁天様」として知られており、辯天堂の真下に位置し、辯財天の胎内くぐりができる岩屋霊穴の中には、巳の体がはっきりとわかる宇賀神もまつられている。

 今年は干支にちなんで八臂宇賀辯財天と宇賀神とを五色の綱で結ぶ「縁綱」を行う。元日から1年間を予定している。

 年初めの巳の日に辯財天に感謝する初巳大祭が1月12日(日)に実施される。護摩供は【1】午前6時〜【2】9時30分〜【3】午後1時30分〜【4】6時30分〜の4回。詳細は同寺【電話】0463・58・1436。

「蛇はお使い」伝承も

 大磯町民の証言を記録した「大磯町史民俗調査報告書四 大磯の民俗(一)東小磯・西小磯地区」では、子どもの具合が悪くなったときに台所に現れた白蛇の話、キツネに憑かれたという人の家に大きな蛇が出た話など、宇賀神社のある西小磯の町民から「宇賀さんの蛇のお使い」についての伝承が記録されている。大磯町郷土資料館の学芸員は、「畏怖や吉兆などの象徴として蛇は語られてきた。資料は大磯町立図書館でも見られるので、この機会に調べてみては」と話していた。

眺望を楽しめるサンセットテラス

龍城ケ丘ゾーン 開園に向け整備進む 名称は4月下旬公表

 平塚市龍城ケ丘の湘南海岸公園龍城ケ丘ゾーンの整備が進められている。2024年7月に着工し、今秋に完成予定だ。市では「選ばれるまち・住み続けるまち」を実現する取り組みとして、海岸エリアの魅力アップを図る。

 同所にあった龍城ケ丘プールは、老朽化によって2013年に廃止。プール跡地と東側エリア合わせて約2万4000平方メートルを魅力ある公園とするため、民間事業者の資金やアイデアを活用する公募設置管理制度・Park-PFIを活用し公募を行い、20年1月に公園を整備・管理運営する事業者と公園プランを決定した。

 当初は21年12月の着工予定だったが、塩や風が周囲に与える影響の調査や、交通安全対策上の観点から施設配置を見直したことなどにより延期を繰り返してきた。市みどり公園・水辺課によると、昨年7月から始まった工事は順調に進んでいるといい、現段階では造成工事を終え、順次本格的な建築工事が始まるという。

「海辺のある暮らし」創出

 公園のコンセプトは、海・景観・自然・食を楽しむライフスタイル「海辺のある暮らし」。

 総建築面積は約970平方メートル。普段は展望台として、津波発生時は避難施設になるエントランス棟をはじめ、平塚の海の幸や山の幸を扱うマルシェ棟、カフェ機能を兼ね備えたBBQレストランなどの建物のほか、スポーツフィールドや芝生広場、ビーチライフプロムナードなども整備される。

 公園東部には85台駐車できる駐車場も完備。同課では「これまで海に来ても駐車スペースがなかった。市民がこれまで以上に海や自然に触れ合い楽しめるとともに、市外の方にも素晴らしい平塚の海の魅力を知ってもらい、海岸エリアの賑わいを創出できれば」と話している。

 市では昨年、公園の名称(愛称)の投票を行った。【1】Beach Life Base(ビーチライフベース)【2】Ocean平(オーシャンダイラ)【3】sea terasu(シーテラス)の3案から選考。投票結果は、今年の4月下旬頃に公園のロゴと合わせて公表される。

 市では1年間で67万人の集客を見込んでいるという。

無病息災願い大磯の左義長 1月12日に北浜海岸で

 国の重要無形民俗文化財にも指定されている大磯町の伝統行事「大磯の左義長」が、1月12日(日)に北浜海岸で開かれる。

 藁や竹、正月飾りなどでつくる高さ7〜8メートルの「サイト」9基に恵方から一斉に火を点け、炎であぶった団子を食べることで1年の無病息災を祈る。火入れは午後6時30分頃を予定。

(問)大磯町観光協会【電話】0463・61・3300

1市3町の首長に新春インタビュー 平塚市落合克宏市長(67)

「あったかひらつか」

 -2024年を振り返って。

 「昨年は、能登半島地震の発生や大雨による災害など、いざという時の備えの大切さを再確認する年でした。

 新しい学校給食センターが完成し、栄養バランスの整った温かく、おいしい給食を小・中学校の子どもたちに届けることができるようになりました。中学生からは『季節の食材がふんだんに使われていて、おかわりが進む』とのうれしい声が届いています。

 また、男性の育児参加を促進するとともに、お母さんが子育てを一人で抱え込むことがないように、産後パパ育休取得応援交付金を創設。姉妹都市との交流では、カウナス市の公式訪問団を平塚市にお迎えしました」

 ―今年の展望は。

 「キーワードをあげるなら昨年策定したスローガン『あったかひらつか』です。二つの意味がありまして、一つは人や気候の『あったか』という意味。温かみのある地域コミュニティーや穏やかな気候など、快適で暮らしやすいまちのイメージを表しています。もう一つは、『それもあったのか』という気づき。 平塚には、多彩な魅力があります。これまで知らなかった魅力を発見してほしい、という気持ちが込められています。

 今年の漢字にはお日様の陽光に包まれ、穏やかで温暖な平塚市に、『住みたい』、『住み続けたい』と思ってもらえるよう、まちづくりを進める決意を込めて『陽』としました。

  今年は、平塚空襲・終戦から80年、本市が核兵器廃絶平和都市を宣言してから40年の節目です。年間を通して様々な記念事業を実施予定です。

 平塚駅周辺地区は、平塚の玄関口と言える場所で、その活性化は大変重要だと考えています。現在、20年後の将来像を示す『平塚駅周辺地区将来構想』の策定作業が大詰め。まちづくりのコンセプトとして、『平塚駅周辺地区をみんなのリビングに』を掲げています。

 海辺の総合公園が今秋オープンします。公園とビーチパークを結ぶ海岸園路も合わせて整備し、新港までがつながります。海岸エリアの回遊性を向上させたいですね」

 ―まちの「にこにこポイント」は。

 「まちの『あったか』ポイントでも良いですか。市北西部の田園地帯が推しです。そこから見える広大な風景と雄大な富士山の姿に心が和み、自然と笑顔になり、まさに『あったか』です」

 ―住民に一言。

 「確定値ではないですが令和6年の平塚市の人口は約1500人の社会増で、10年連続の転入超過を記録することができました。次の時代を担う子どもは、地域の宝です。引き続き子育て支援策に注力し、子どもたちの笑顔がもっとあふれる平塚にしたいですね」

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1市3町の首長に新春インタビュー 大磯町池田東一郎町長(63)

「てきほど」な町民サービス

 -2024年を振り返って。

 「大磯式部活動の始動、それから子どもの公園遊具リニューアル。こども家庭センターを設置し、子育てに関する包括的な相談体制も整えました。さらに、介護保険料を昨年4月から平均で4700円にしたのですが、これは神奈川県内33市町村の中で一番低い、最低額になりました。今までの積み重ねもありますが、お年寄りの皆様が健康で元気にいてくださっている1つの大きな恵と考えています。今年もお年寄りの皆様が健康で元気な大磯にしていくというのをしっかりと積み重ねていきたいと思っています」

 ―今年の展望は。

 「キーワードをあげるとしたら『引力』です。人とか物とか、お金、財源が大磯に集まってくるように様々な施策を実施していきたいと思います。

 3月には大磯港の芝生広場でドッグランイベントをやります。海を見ながら、潮風に当たりながら、ワンちゃんを思う存分芝生の広場で遊ばせることができる素晴らしいイベントです。芝生の広場をワンちゃんの殿堂にしたいですね。ワンちゃんの聖地。そうやってワンちゃんが集まる、人が大磯に集まる、お金も大磯に集まるということで引力を発揮していきます。

 今年は戦後80年として旧吉田茂邸で写真展をやります。日本の復興のために大磯が果たした役割を伝えるような写真展です。さらに今年は海水浴場開設140周年の年でもあります。大磯の海水浴場は日本で最古と言われています。明治、大正、昭和ぐらいの、近現代史の舞台になった大磯をテーマに町のPRを進めていきたいですね。昭和100年という節目でもあります。

 一方、ハード面では、町役場新庁舎整備に引き続き取り組むとともに、消防庁舎については、再整備に向けて用地を検討しており、用地が決まり次第直ちに事業を進めていきたいと思っています」

 ―まちの「にこにこポイント」は。

 「お年寄りは、子どものために、とても元気になります。子どもの笑顔は全ての人の元気とか活力ですね。子どもの笑顔でみんな元気になる。町長就任後直後に教育大綱を作りましたが、そこにもつながっていると感じています。『子育て・教育でみんながわくわくするまち おおいそ』。小学校、幼稚園など子どもが集まるところで笑顔がいっぱい生まれて、それはおじいちゃんおばあちゃんの活力になって元気になる」

 ―住民に一言。

 「今年は『てきほど』な町民サービスが目標です。流行語大賞は『ふてほど』ですが、大磯町役場は『適切にもほどがある』をめざします」

1市3町で消防出初式 木遣りなど披露も

 平塚、大磯、二宮、中井の1市3町で、新春恒例の消防出初式が開催される。

平塚市

 平塚市の出初式は1月11日(土)、平塚市総合公園「平塚のはらっぱ」で午前10時〜11時45分。消防車両部隊の入場行進や木遣り・まとい振り込み・はしご乗り、消防部隊による一斉放水などの演技の部は午前10時50分〜。天候不良の場合は式典のみ。

大磯町

 大磯町の出初式は、大磯運動公園多目的グラウンドで12日(日)午前10時から。消防車両部隊の観閲、消防団による放水演技などを行う。荒天時は大磯町保健センターで表彰の式典のみ実施する。

二宮町

 二宮町は12日(日)に開催。生涯学習センターラディアンのホールで午前10時15分から(午前9時45分開場)。長年にわたって消防に貢献した人の表彰などを行う式典後、隣の横浜地方法務局西湘二宮支局駐車場で勇壮な纏(まとい)振込みや、はしご乗りの演技が行われる。荒天時は演技もラディアンホールで実施。

中井町

 中井町では、11日(土)午前10時から中井中央公園南側駐車場で開催する。町消防団による分列行進や操法披露、一斉放水などを行う。雨天時は中井中学校体育館で式典のみ関係者で実施。

二宮町 新春のつどい

 「二宮町新春のつどい」が1月7日(火)、生涯学習センターラディアンで開催される。午後2時〜。

 自治功労者表彰式や落語家による新春落語会が行われる。入場無料。(問)町総務部総務課【電話】0463・71・3315

中井町 防災のつどい

 防災のつどいが1月19日(日)、中井町農村環境改善センターで開催される。午前10時〜正午。参加費無料。

 気象キャスターの岩谷忠幸さんが講師を務める防災講演会が行われる。同時開催で自衛隊車両展示も行う。(問)町地域防災課【電話】0465・81・1110

今年は「こどもまんなか元年」 二宮町村田邦子町長(67)

 -2024年を振り返って。

 「昨年は、台風10号による葛川のいっ水被害がありました。県や近隣の自治体との連携強化による治水対策のスピードアップ、流域全体での対策を図ります。一方、大地震への備えとして進めている、新庁舎建設については、27年度中の完成を目指します。

 住民福祉の向上にも取り組み、18歳までの医療費助成の拡大や中学校給食費の完全無償化を実現しました。高齢者向けには、ごみ出し支援やタクシー券の拡充など生活をサポートするサービスを充実させました。

 情報発信の強化として、公式LINEアカウントを開設し、2千人を超える登録者を得ました。今後は学校連絡にもLINEを活用し、保護者との情報共有を促進する予定です」

 ―今年の展望は。

 「二宮町は、25年を『こどもまんなか元年』と位置づけ、こどもを最優先に考えた町づくりを目指していきます。

 町民や各団体との協働により、11月3日の町制施行90周年記念式典に合わせて、ラディアン全館を使い『こどもの権利フォーラム』を中心としたこどもまんなかイベントを開く予定です。講演会、ワークショップ、演劇などを企画しています。また、こどもの権利条例の制定を目指し、こどもにとっての権利とは何かを町民全体で考えていくつもりです。こどもにも分かりやすいパブコメを実施するなど、積極的にこどもの意見も取り入れていきます。

 そしてラディアン改修にあわせてこどもの居場所づくりに取り組みます。図書館周辺のガラス仕切りを撤去し、自由に過ごせる居場所を創出。中高生だけでなく、小学生や大人も利用できる交流スペースを目指します。

 また、新庁舎にはこども家庭センターと教育委員会を併設し、子育て支援の拠点とします。健診時以外は親子が集える場として活用できれば。

 こどもたちが生き生きと生活できる町、こどもたちの意見が尊重される町を目指します。

 町制90周年記念事業として、こどもの権利フォーラム以外にも、お神輿パレードや花火大会などのアイデアが集まってきており町全体で盛り上がりを見せる1年となりそうです」

 ―まちの「にこにこポイント」は。

 「吾妻山の菜の花畑ですね。菜の花ウォッチングが始まるころには山頂にライブカメラが設置される予定です。LINEを使ったスタンプラリーも実施されます」

 ―住民に一言。

 「二宮町民は町を愛しており、町を良くしたいという思いが強いと感じます。これからも『町をこうしたい』という思いをどんどんお聞かせください」

1市3町の首長に新春インタビュー 中井町戸村裕司町長(56)

町民とともに輝く年に

 ―2024年を振り返って。

 「2024年は、震度5弱の地震に続く台風10号対応がありました。4日間災害対策本部を立ち上げ、避難所運営は異例の長さ。町内では農地等に被害が出ましたが、人的被害はなく、復旧事業補助金を創設し、国庫補助事業も活用し対応しています。この経験から、災害対策本部の運営体制強化など激甚化する災害への即応力向上が課題です。また、避難所のエアコン設置や、葛川流域での監視強化、連携強化も必要です。

 施策では帯状疱疹ワクチン接種補助や加齢性難聴補聴器補助など、町民の保健福祉にも力を入れました」

 ―今年の展望は。

 「2025年のキーワードは『輝』。観光といっても、名所旧跡ではなく、『光を観る』。町民、地域、自然の光を引き出すことが重要です。中井町ならではの幸福と魅力が光り輝く未来を目指し、今年も一人ひとりの輝きを大事にします。

 そこで、現在策定中の2026年度から始まる第七次総合計画では、『ウェルビーイング(地域幸福度)』を導入しています。ウェルビーイング指標を用いて幸福度を可視化し、エビデンスに基づいた政策立案を行います。幸福度アンケートの結果、町民の幸福度は全国平均より高いものの、将来に対する幸福度は、高齢者で平均より下がっているとの結果が出ました。AI分析もかけながら、解決に向けた方策を見極めています。

 役場周辺に新たな生涯学習施設を建設する公募型プロポーザルを実施中で、年内に設計者を決定します。建築家、ランドスケープ専門家、町民、町関係者が審査を行います。公民館機能に加え、生涯学習、図書館、郷土資料館の機能を合わせ持ち、『行きたくなる、居たくなる、(町に)暮らしたくなる』施設を目指し、25年度の実施設計にも引き続き町民の意見を反映しながら、利活用する人材育成も進めます。27年度中の供用開始ですが、プロポーザルでは、改善センター跡地を含めた役場周辺の活性化につなげる構想も描いてもらいます」

 ―まちの「にこにこポイント」は。

 「パン屋さんが増え飲み屋さんや、洋菓子屋さん、喫茶店などでき、町内に『にこにこポイント』が増えています。町民おすすめの店などをまとめた冊子も作成。年度内に発行予定です」

 ―住民に一言。

 「昨年末に開催された厳島湿生公園『あかりの祭典』は地域の手作りイベントで年々素晴らしくなっています。商工会の中井中央公園『花見で花火』も含めこの町には輝きがあります。新年も皆様の安心安全が守られ、健康で活躍される健やかな1年となるよう、役場職員一同がんばります」

明治記念大磯邸園 新年のカルタ取り 大隈重信別邸を会場に

 明治記念大磯邸園で1月11日(土)、旧大隈重信別邸の大広間で「大隈カルタ」取りが開催される。午前10時30分〜正午と午後1時30分〜午後3時の2回。各回先着16人。子ども歓迎。参加希望者は事前に電話で予約する。参加無料。

 会場となる旧大隈重信別邸は昨年11月、陸奥宗光別邸跡と共に公開された邸宅。木造平屋建寄棟金属板瓦棒葺。明治30(1897)年以前に建築されたもので、改築はされているものの、大隈が書斎として使用していた「神代の間」のほか、社交家の大隈がよく宴を開いていたと言われる「富士の間」など主要な居宅部分は大磯の別荘文化が最も栄えた時代を、現代に伝えているという。

 申し込みは明治記念大磯邸園【電話】0463・61・0101。

国1横断で八幡宮参拝

 平塚八幡宮の表参道である大門通りから国道1号を横断して同社へ参拝する「大門通り渡り初め」が、きょう元日の午前11時〜午後3時に行われる。

 大門通りと同社は普段、国道1号によって分断されているが、地域住民らが参道復活に向けた活動を続けたことで、元日のみ横断できる。

 大門通りの商店会である大門会は、通りを訪れる参拝客にみかんやコーヒーを先着順で振る舞う予定。

湘南スターモールの将来像=市都市整備課提供

平塚駅周辺地区将来構想 3月末までに最終案策定

 平塚市は中心市街地の概ね20年後の将来像を描く「平塚駅周辺地区将来構想」の素案をこのほど作成し、昨年12月に市民に対するパブリックコメント(意見公募)を実施した。それらの意見を取り入れ、今年3月末までに最終案が策定される予定。平塚駅周辺の未来のビジョンがいよいよ形となる。

 平塚駅周辺地区では、近年の大型商業施設の出店や消費者のライフスタイルの変化などで商圏が縮小し、商店街から賑わいが失われつつある。そのような状況を打破するため、地元経済界では2022年、市に先駆けて平塚商工会議所が旗振り役となり「平塚駅周辺再開発構想会議」を設立。駅前の地権者や商業施設、開発事業者などと意見交換を重ね、再開発の機運醸成を図ってきた。

「みんなのリビングに」

 素案のまちづくりのコンセプトは「平塚駅周辺地区をみんなのリビングに」。同地区を家のリビングに見立て、商業や交通の利便性だけでなく、学びや子育ての場として過ごせるまちづくりを目指していくとし、「地域資源・商店街の特色を活かしたまちの魅力づくり」「多様な活動を支える機能誘導と配置」「市街地の更新」など7つの方針を定めた。

 またその方針をもとに、紅谷パールロードや見附台周辺など主要な商店街やエリアごとに将来像のイメージを具体化。湘南スターモールでは、商店街としてのにぎわいが感じられ、歩行者が回遊できる空間や機能、七夕まつりなどの湘南スターモールらしい景観づくりを目指している。

 市は将来構想を実現するため、一昨年7月に敷地共同化を推進する支援制度の運用を開始。駅周辺の狭小な土地の開発を促進するほか、開発に関する補助金の新設・拡充なども予定している。

 昨年12月まで実施したパブリックコメントは、寄せられた意見の内容ごとに市の考え方を整理し、後日公表するとしている。

 湘南スターモール商店街振興組合の理事長で平塚商工会議所の会頭を務める常盤卓嗣氏は、「平塚市が駅前の開発に目を向けてくれたことは歓迎したい。マンション建設で駅周辺の人口が増えている。鉄道の駅が1つしかない街。価値をもっと認めてもらえれば」と話した。

フレーベル館作成の事業の設計図。大磯町全体が子どもたちの育ちの場に

大磯・二宮・中井 「将来」見据えた事業3町で動き出す

 2025年、大磯・二宮・中井の3町で、将来のまちづくりを見据えた事業がより具体的に動き出す。

大磯町

 大磯町では昨年12月16日、絵本の出版や遊び場の運営を行う(株)フレーベル館と「わくわくする『こども・子育て支援』に関する包括連携協定」を締結。山や海の自然のほか町内の空家・空き店舗など、大磯に今ある資源を活用した遊び場の創出、保育に携わる人材の育成などを行う。

二宮町

 新庁舎整備事業が進む二宮町では、昨年12月に用地取得などに関わる補正予算案が可決された。同事業は二宮町生涯学習センターラディアン周辺に新庁舎や福祉会館などの行政施設を集約させるもので、全体の完成は30年度末の見込み。

中井町

 中井町では、生涯学習施設「農村環境改善センター」の建替えに伴い、新たな施設を作るためのワークショップ「わいがやサロン」が昨年開かれ、延べ475人が参加。子どもから大人まで「新しい生涯学習施設で大事にしたいこと」について意見を出し合った。

 同事業の設計者の選定は公募型プロポーザルで実施する予定で、2月15日(土)に、誰でも傍聴可能な形で最終審査を行う。25年度に基本設計、実施設計に入り、27年12月の開館を目指している。

久保田亘会長

平塚市医師会 災害時 安心の医療を提供 久保田亘会長

 明けましておめでとうございます。健やかな新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 昨年は1月に能登半島地震、9月に能登や神奈川県西部に豪雨災害があり、平塚市も大きな被害を受けました。日本各地で発生した地震、災害のために市民の防災意識とその対策の重要性がさらに高まった1年であったと思います。平塚市医師会では平塚市地域防災計画の改訂を受けて、災害時の平塚市夜間・休日診療所の役割と各医療機関、さらに臨時救護所と災害拠点病院等の連携確認を行います。市民に災害時でも安心できる医療を提供していきたいと考えております。   

 一方で、長時間労働の是正を図り、効率的な業務の遂行を求め、様々な職種で「働き方改革」が実施されました。そのため人材不足等で市民生活に大きな変化がもたらされましたが、需要が高まる救急医療や在宅医療に対しては今後も正確な情報を発信し、地域医療の充実に努めてまいります。また、昨年12月に保険証からマイナ保険証に切り替えられましたが、徐々に利用率も向上していますので、引き続きマイナ保険証での受診をおすすめいたします。

 われわれは市民の目線に立ち、市民に安心した医療を提供してまいりますので、本年もよろしくお願いいたします。

簑島利文会長

平塚歯科医師会 オーラルフレイル対策で未病改善 簑島利文会長

 新年あけましておめでとうございます。

 皆さんはオーラルフレイルをご存じですか?身体の虚弱をフレイルと言います。つまりオーラルフレイルはお口の虚弱です。お口に関する些細な衰えを放っておいたり、適切に対処しなかったりする事により、お口の機能の低下や食べる機能の障害、更には心身機能の低下にまで繋がります。オーラルフレイルは、要介護認定や死亡のリスクを高めることから、オーラルフレイル対策は未病改善に繋がります。市民自らが些細な口腔機能の変化に気付き、口腔機能の維持・向上対策に取り組む事が重要です。

 市民・町民の皆さんがオーラルフレイルを早期に把握して対応出来ることが健康寿命の延伸に繋がると思います。

 平塚歯科医師会ではこの取り組みの一つとして2月11日に市民公開講座を開催致します。講師は平塚保健福祉事務所の歯科医師古川清香先生で、.オーラルフレイルについてお話し頂きます。また6月の「歯と口の健康週間」には平塚市、大磯町、二宮町でイベント開催を予定しております。

 最後に、昨年12月2日より従来の保険証から「マイナ保険証」に代わりましたが、まだマイナンバーカードによる資格確認が出来ておりません。皆様のご協力をよろしくお願い致します。
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齋藤昌久会長

平塚中郡薬剤師会 行政連携で有事も薬供給を 齋藤昌久会長

 新年明けましておめでとうございます。

 昨年の元日の能登半島地震や、夏には地元の自治体でも台風10号の水害等がありました。当薬剤師会では防災部会の活動も活発になり、1月には能登町へ岡本薬局の桐生先生が現地活動に向かいました。他にも3月に「ひらつな祭」、平塚市医師会防災訓練参加(岡崎地区)、二宮町応急救護訓練、大磯町災害時医療救護研修会に参加する等、地域と密着した活動を実施しました。特に医師会防災訓練では災害時のお薬手帳の重要性をお話しできました。また各行政と提携している防災協定の中で有事時の薬供給を行っていきます。

 夏休みの土日には「キッズ薬剤師体験」を20回開催。子供達に薬剤師の仕事体験を通じ、理念と業務、さらに薬の大切さを理解してもらえたのではと思います。オーバードーズ、薬物乱用のニュースが多い中、幼少期の教育の大切さを強く感じます。各学校薬剤師も学校での薬物乱用教室は依頼があれば対応しています。11月には平塚駅での献血業務のほか「大磯チャレンジフェスタ」への参加、12月には医師会のご協力を仰ぎ糖尿病をテーマにした市民公開講座を開催しました。今年もかかりつけ薬剤師・薬局として信頼され、地域に貢献できるように努力して参ります。

インタビューに応じる常盤会頭

新春経済インタビュー 「飛躍する新たな年へ」 平塚商工会議所・常盤卓嗣会頭に聞く

 ―明けましておめでとうございます。昨年はどのような年でしたか。

 「昨年は、国内外ともに不透明かつ混迷の社会情勢で、自然の猛威に痛ましい災害にも見舞われ、また衆議院選では少数与党に変じる政治的変動も生じました。経済では、歴史的円安や物価高が続いており、日経平均株価も史上初の4万円台を記録しました。物価と賃金の好循環に向かった年であり、官民を挙げた価格転嫁などが課題となりました。

 平塚市の経済においては、地元企業の厳しい状況が続きました。平塚商工会議所においても経済のダメージを極力抑え、企業の持続的成長・発展に繋げていくことを重要な課題として、引き続き『まちを元気にする商工会議所』をスローガンに事業を展開しました。

 『ひらつか産業FES』の開催時期を変更し、10月に第3回をひらしん平塚文化芸術ホールと見附台広場にて実施しました。初日は青年部が『平塚YEGビジネスEXPO2024』と題して、ビジネスマッチングイベントとして59社の出展とステージでの企業PRなどを実施。大ホールでは、3部会合同の講演会にメディアで活躍中の杉村太蔵元衆議院議員をお呼びし、863名の申し込みをいただきました。2日目は会員企業による出店やキッチンカー、モノづくり企業による展示、日産やトヨタの旧車や新型車両の展示など平塚の商工業をアピールしました。さらに女性会は東海大学吹奏楽研究会によるチャリティコンサートを実施いただき、イベント総計6千人の来場者をお迎えすることができました。

 組織としては、会員増強に努めており欠員となっておりました副会頭と部会長の選任を行い円滑な運営に努めました」

 ―今年の展望をお聞かせください。

 「地域に存在する商店街や特に駅前中心商店街は事業所数や商業の売り場面積が大きく減少し賑わいを失いつつあります。再開発等による都市再生・魅力アップが強く望まれております。当所の委員会『平塚駅周辺再開発構想会議』による活動に加え、行政においても平塚駅周辺地区将来構想の策定が進められ、両輪による活動で再開発が推進されるべく機運を高めてまいります。

 当市の財産でありますスタジアム再建の課題についても、『シンスタジアム建設促進委員会』を中心にチームや行政そして市民や団体・企業と連携して機運を高めるべく取り組みます。また、今秋開園予定の龍城ケ丘海岸公園の利活用について平塚の魅力を発信する提案してまいります。

 地域経済を下支えする中小企業・小規模事業者のニーズ・経営課題に応え経営基盤の強化を図る相談所業務にも積極的に取り組み、創業支援や円滑な事業承継にも注力し相談強化に努めるなど、地域経済の活性化に努めてまいります」

 ―今年は会頭任期3期目の最終年です。

 「今後も取り組むべき課題は多々ありますが、会員事業所をはじめとする地元企業の皆様と商工会議所役員・議員等が一丸となって、行政や関係機関とも連携し、産業振興と地域の活性化に向けて力を尽くします」

会長 福澤正人

年頭所感 創立70周年を迎えて 平塚市観光協会会長 福澤正人

 あけましておめでとうございます。本市の観光振興、観光協会の運営にご支援・ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。

 昨年は市を代表するイベントである七夕まつりは、開催期間の3日間天候にも恵まれ110万人の観光客を迎えました。また、当協会主催のガイドツアーも定着し、こだわりの企画により東京からの参加者も見られようになりました。

 さて、当協会は昭和30年9月20日に設立され、おかげさまで今年70周年を迎えます。これも皆さまのご理解とご協力の賜物と考えております。

 平塚市は、南方が相模湾に面し、北方には丹沢・大山山塊が控え、西方には富士・箱根連山が位置します。その豊かな自然環境に加えて、七夕まつりや湘南平、総合公園など、多様な観光資源があります。一方、年間観光客数は県内19市中8位ですが、宿泊客数は11位となっており、経済効果は限定的となっています。そのため、今後は観光資源の魅力アップや観光プロモーションの推進が求められています。

 今年は、1月16日(木)から21日(火)まで、ひらつか市民プラザにおいて「湘南ひらつか観光フェスティバル2025〜湘南ひらつか魅力再発見〜」を開催します。期間中は、パネル展示や甘味めぐりスタンプラリー、平塚八景をめぐる企画も実施します。18日(土)には七夕太鼓の演奏や七夕に関する講演も行います。ぜひお立ち寄りください。

 今後も市民や観光客に対し新たな事業を模索し「湘南ひらつか」の魅力を発信してまいります。様々な観光事業が市民生活に豊かさをもたらし、交流人口が増え地域振興が図られればと思います。引き続きお力添えをお願いいたします。