小田原・箱根・湯河原・真鶴版【1月1日(水)号】
開業当日(1925年10月15日)の大雄山駅。最乗寺参詣客の輸送を目的に開通した。写真提供:伊豆箱根鉄道株式会社

大雄山線が開業100年 参詣客から市民の足へ

 伊豆箱根鉄道大雄山線が今年10月、開業100年を迎える。最乗寺への参詣鉄道として開業し、時代とともに役割を変え、これからも生活や観光の足として地域とともに走り続ける。

 大雄山線は1925(大正14)年10月15日に開通した電気鉄道。最乗寺参詣客の利便を図るために建設された。当時は「大雄山鉄道株式会社」と称し、株主には最乗寺山主や信徒らが名を連ね一丸となって鉄道事業を盛り上げたという。建設中に関東大震災に見舞われながらも、地鎮祭から約2年で開通に至った。

 開通当時の区間は仮小田原駅から大雄山駅の全7駅、約9・0Km。35(昭和10)年には国鉄小田原駅構内まで路線が延長し、現在の全区間約9・6Kmが完成した。41年に戦時統合令により駿豆鉄道株式会社と合併、57年に社名の改称を受け「伊豆箱根鉄道大雄山線」となった。

 開業当時の利用客の8割は最乗寺参詣客であった。33年に大日本セルロイド株式会社により足柄工場(現・富士フイルム(株)足柄サイト)が建設されると定期利用客が増加。また事業所や工場の開業、高校の開校により通勤・通学で利用されるようになった。駅数も増加し、56年に富士フイルム前駅が新設されると現在数の12駅になった。

記念列車運行中

 開業100周年を記念し伊豆箱根鉄道では特別列車を運行している。最乗寺をイメージした朱色の「天狗電車」、南足柄市の花をイメージした「リンドウ電車」、小田原市特産の柑橘類をテーマにした「オレンジトレイン」が沿線地域を走り抜ける。

「大雄山線の発展を地域の発展に」伍堂文康社長インタビュー

 100周年という大きな節目を迎えるにあたり、これまでの大雄山線の歩みと今後の展望について、伊豆箱根鉄道(株)の代表取締役社長である伍堂文康氏に話を聞いた。

 --大雄山線が100年という長い歴史を築いてきた中で、どのような役割を果たしてきたとお考えでしょうか。

 「大雄山線は大雄山最乗寺への参詣鉄道として開業しました。それ以降、多くのお客さまの生活・観光の足として、地域の発展に寄与してまいりました。現在は沿線に企業や高校があり、多くのお客さまの通勤・通学の足としてご利用いただいております」

 --大雄山線の日々の運営で特に注力されていることは何でしょうか。

 「まず何よりも、安全運行、安定運行が運営の基本であることは言うまでもありません。そのうえで最近では、地域との取り組みを深めることに注力しており、その取り組みの一つに大雄山線の副駅名(ネーミングライツ)の導入があります。沿線のスポンサー企業さまとの連携強化により、沿線のにぎわい創出を目指しています。またCBTC(無線式列車制御システム)の導入など、地方鉄道ならではの技術革新にも挑戦しています」

 --今後を見据えた時、大雄山線をどのように発展させていきたいとお考えでしょうか。

 「今後の10年、50年先も大雄山線が地域の皆さまに信頼され、愛される存在になることを目指し、時代の変化・お客さまのニーズを感じ取り、将来を見据えたチャレンジを絶えず続けていきたいと考えます。これからも大雄山線の発展を地域の発展につなげるべく、走り続けてまいります」

 --最後に、沿線地域の皆さまに一言お願いいたします。

 「沿線地域の皆さまに愛され、応援していただき、おかげさまで100 周年を迎えることができました。今後も皆さまにもっともっと愛される大雄山線を社員一同目指してまいりますので、引き続き、ご利用、ご声援をよろしくお願いいたします」

母校の東富水小学校グラウンドで取材に応じる宮原さん

開幕一軍目指して 巨人ドラフト5位 宮原さん

 2024年プロ野球ドラフト会議で、読売ジャイアンツから5位指名を受けた小田原市出身の宮原駿介さん(22・東海大学静岡キャンパス)。最速153キロの力強いストレートと切れのあるスライダーやカットボールが武器の左腕は、「1年間、1軍で投げ続けます」とプロの舞台での活躍を誓った。

 高校までは無名だった。4年間努力を重ね、所属する静岡県学生リーグの投手として初めて、支配下枠での指名を受けた。しかし、名前が呼ばれたのは5番目。「もっと上の順位で呼ばれたい気持ちがあった」と悔しさを口にする一方で、「厳しい世界。また頑張ろうという気持ちなった」と決意を新たにした。

 昨年11月には、本拠地東京ドームで行われたファンフェスタで、背番号「57」のユニフォームに袖を通しファンへあいさつ。「優勝に貢献できるように頑張ります」と力強く語った。現在は、1月から始まる新人合同自主トレに向けてトレーニングを積んでいる。

悔しさ糧にプロの道決意努力重ね夢を掴む

 兄の影響で小学1年からソフトボールを始め、中学校から本格的に野球を始めた宮原さん。静岡学園高校では、1年生からエースナンバーを背負い、チームの中心として活躍した。プロへの意識が芽生えたのは高校3年。夏の選手権大会がコロナ禍で中止となり代替大会が開催されるもチームは初戦敗退。宮原さんも投手としての登板機会はなく、最後の打者として初球をレフトへのフライで試合が終わった。「最後に投げられなかったことが不完全燃焼で、あの瞬間にスイッチが切り替わった」とプロを目指すことを決意し、東海大学静岡キャンパスへ進学した。

 大学では、1年の秋からリリーフとしてリーグ戦に登板するも、課題である制球難に苦しんだ。「入部して球速は上がったがストライクが入らなくて、試合を壊すこともあった」と振り返る。

 転機となったのは、都内の外部トレーナーとの出会いだった。体の使い方や鍛え方を学び、投球フォームも見直したことで制球が安定し始め、球速もさらに上がった。

 3年春からは先発投手としての登板が増え、磨きのかかったストレートと変化球で三振を量産した。4年夏には大学日本代表候補合宿にも参加。代表入りはならなかったがトップレベルの選手の中で貴重な経験をした。

与えられたポジション全力で

 色紙には1年目の目標を「開幕一軍」としたためた。先発にリリーフと、与えられたポジションで全力を出す覚悟だ。「先発なら規定投球到達、中継ぎであれば50イニングを投げたい」と意気込んだ。伝統のユニフォームをまとった宮原さんの挑戦が始まる。

浅野さんが手掛けた、富士正酒造の純米酒「2025干支ラベル木製ラベル(巳)」1本1800ミリリットル・3520円

浅野慶太さん(湯河原町) 木象嵌で日本酒ラベル 富士正酒造「干支」シリーズ

 さまざまな樹種の色や木目を生かして図柄を表現する「箱根木象嵌(もくぞうがん)」。

 湯河原町に工房を構える浅野慶太さん(51)は、静岡県富士宮市にある富士正酒造の依頼で「干支」をモチーフにした日本酒ラベルを作っている。干支ラベルの日本酒はお歳暮や新年用に販売される限定商品だ。

 4年目となる今年は、白蛇が富士山に巻き付いているデザイン。浅野さんは、「蛇に巻き付かれる夢を見た際、不快に感じなければ吉兆の前触れともいわれています」と意図を説明。また富士山には日本全体に良いことがあるようにとの願いも込められているという。

日本で5人目の認定技能士

 子どものころからものづくりが好きだったという浅野さん。関東学院大学に在学中、小田原駅から荻窪のキャンパス(当時)への途中にある寄木細工や木象嵌を扱う「クラフトえいと」で箱根木象嵌に出会った。

 20代半ばに県工芸技術所で木象嵌の基礎を学び都内の内装会社に勤務。6年前に独立し「木象嵌Atelier k」を設立、2021年には現在の日本で5人目という厚生労働省認定「木象嵌技能士」となった。

 日本画や浮世絵などをモチーフにした伝統的な作品のほか、モダンな作品も生み出している。木口材の年輪を幾何学的に組み合わせた「木象嵌 細胞分裂(サクラ)」は、昨年の「小田原・箱根木工-1グランプリ」で奨励賞を受賞した。

県立生命の星・地球博物館 「ヘビ」な生き物を展示 1月26日まで開催

 神奈川県立生命の星・地球博物館(小田原市入生田)が1月26日(日)まで、ミニ企画展示「地球博のへび」を情報コーナー(2階ライブラリー入口)で開催している=写真。午前9時〜午後4時30分。観覧料無料(常設展示室入場は有料)。

 今年の干支「巳」にちなみ、アオダイショウの骨格標本のほか、ジャノメガザミやジャノメチョウ、蛇紋岩、リュウキュウヘビガイなど、ヘビに由来する生き物たちを約30点展示している。同館の担当者は「お正月の話題のネタとして、この機会にヘビを楽しんでもらえたら」と話している。

 1月1日(水)〜4日(土)は休館。問い合わせは同館【電話】0465・21・1515。

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持続可能な地域社会を支える学校づくり~SDGs運動と結んで未来社会をつくる 新名学園旭丘高等学校
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通算29作品目となる寄木トロフィーと金指ナナさん

箱根町 金指ウッドクラフト 引き継がれる技と思い 大学駅伝の記念トロフィー制作

 箱根町は昨年12月18日、今年101回目を迎える東京箱根間往復大学駅伝競走の往路優勝校に贈る寄木製の記念トロフィーを公表した。制作したのは金指ウッドクラフト(箱根町畑宿)の金指雲流さん。2022年に亡くなった先代の伝統工芸士・金指勝悦さんの甥で、制作を引き継いだ。同工場による制作は第73回大会から続いており、今回で通算29作目。

 昨年はオリンピックイヤーで、金指さんはフランス・パリのイメージを注ぎ込んで制作した。塔全体にあしらったのは「切りちがえ桝」を応用した柄で、「視点を集中させる場所によって見え方が変わる」。直線のみで構成されているが、丸い円が連なっているように見える不思議な柄だ。台座の五輪マークは木の種類を変えて5色で表現するなど、細部にも趣向が凝らされている。

 金指勝悦さんの妻、ナナさんは「今年から主人の手が一切入っていない。これからは弟子だけで頑張っていくんだ、という気持ちも込められている」と語った。

インタビューに答える黒岩知事

黒岩知事インタビュー デジタル活用で施策推進 新地震防災戦略策定へ

 年頭にあたり本紙では黒岩祐治知事にインタビューを行った。黒岩知事は、デジタル技術を最大限に活用し少子高齢化や人口減少にあたっていく姿勢を改めて強調した(聞き手・熊坂淳)。

 ――少子高齢化・人口減少への対応を視点に据えた新総合計画が昨年、策定されました。

 「少子化の流れに歯止めはかかっていませんが、背景のひとつに子どもを産み育てることに対する様々な不安があるのでは、と考えています。例えば出産に伴う痛みだとか経済的不安、仕事上のキャリアと両立できるのか、急な発熱や引きつけへの対応ができるかなど。こうした不安を少しでも取り除けるようにと開発したのが無料通信アプリLINEを使った『かながわ子育てパーソナルサポート』で、昨年はオンラインで相談できる機能を盛り込みました。デジタルの力を活用しながら、今後も子育て当事者の目線に立った施策を進めていきます」

 ――三浦半島エリアや県西エリアでの人口減が特に著しいです。

 「人口減少地域は、裏返して言えば自然豊かで住みやすい場所でもあります。そうした利点を生かし、県では『ちょこっと田舎でオシャレな神奈川』をキャッチフレーズに施策を展開しています。都心への通勤圏内にありながら自然環境に恵まれ、かつちょっとおしゃれという魅力を前面に打ち出した移住定住作戦です。コロナ禍においては都心から本県への移住者が増えましたので、この流れを今後も継続していきます」

 ――少子高齢化に伴い生産年齢人口も減ってきています。

 「今の高齢者は元気です。そういった皆さんに働いていただける環境づくりを、まずは進めたい。それからロボットとDXです。ロボット技術やデジタル技術は、業務効率化を補うために大きな力になると考えています。それと外国人です。県は現在ベトナムとの間に太いパイプを持っており、昨年、県内企業で働いてもらう流れもできました。優秀な外国人材によって労働力不足を補う施策も推進します」

 ――昨年も米軍による事件・事故事案が続発しました。日米地位協定の改定が課題です。

 「神奈川県は沖縄に次ぐ第二の基地県です。日米安保条約、安保体制を守るのが我々の大きな使命だと思っていますが、米兵の犯罪を日本の法律体系の中で扱えないという現状に対し、割り切れないという住民感情もあります。私は米軍基地が所在する15都道府県の知事で構成する『渉外知事会』の会長でもあります。石破総理は総裁選時に日米地位協定の見直しを明確におっしゃっていましたので、この問題を前に進めてくださることを期待しています」

 ――今年3月に新たな地震防災戦略を策定予定です。

 「昨年の能登半島地震では情報網が未整備で全体像を把握できない状況がありました。県では『防災DX』を以前から準備してきましたが、それをさらに発展させ、デジタル技術の活用促進により安心安全を図ることを基本に据えます」

 ――県民の皆さんに新春のメッセージを。

 「昨年は横浜DeNAベイスターズが日本一となり、大谷翔平選手も大活躍、オリンピック・パラリンピックでも神奈川県勢が活躍してくれました。そうした『感動』『高揚感』を新しい年でも展開したいですね」

鈴木悌介会頭

小田原箱根商工会議所 会頭インタビュー 地域の「商売繫盛」を目指して

 --地域の経済情勢は、回復基調と、逆に厳しさを増す部分との両面があります。どのように感じていますか。

 「観光業については、インバウンドが目立つようになりましたが国内の団体バス旅行が減少しています。宿泊施設の料金が上がったこともあり、全体的にはコロナ前までには戻っていないと思います。相変わらずの円安は地域の中小企業にとっていいことはほとんどありません。輸入原材料など全体的なコストが増えています。また人件費も増加しており、経営者も給料を上げたい思いはあっても現実が追いついていません」

 --最近の商工会議所の取り組みについて教えて下さい。

 「私たちの基本方針は、会員企業の商売繁盛をお手伝いすることです。コロナを経てビジネスも大きな転換点を迎えている中、企業の要望や困りごとを丁寧に拾い上げ適切な支援を提供することが重要です。職員が企業支援にかける時間が増やせるように、事務作業などの業務効率化を進めています。また経営者のニーズを聞き出すためのスキルアップも必要で、その教育にも力を入れています」

商売がしやすいまちづくり

 --小田原箱根地域のまちづくりについて、お考えをお聞かせ下さい。

 「経済団体としては、中小企業が商売しやすい環境づくりを念頭に置いています。ひとつに定住人口や交流人口の増加がありますが、かつてのようにショッピングセンターや工場誘致だけでは人が集まらない時代です。これからはウェルネス、スポーツ、アートの分野が、人を惹きつけるまちづくりには重要な要素だと思います」

 --商工会議所の重点施策に「スポーツを通じたまちづくり」を掲げています。具体的な取り組みは。

 「例えば新たな試みとして、昨年11月に箱根のゴルフ場を貸切にして、家族みんなで楽しめるイベントを初めて開催しました。お父さんたちがコンペでラウンドしている間に、未経験者や子ども向けのゴルフ体験やミニ大会、またクラブハウス内にブースを設けて寄木細工などのものづくりを楽しんでもらいました。ゴルフ場を”地域資源”ととらえ、新しい価値を引き出して活用するヒントになればと思います」

エネルギーで地域経済の好循環を

 --会頭が継続して訴えている、気候変動対策やエネルギー政策についてはいかがでしょうか。

 「小田原市では脱炭素先行地域として、省エネと再エネ(太陽光発電等による自家発電)に取り組んでいます。商工会議所では、市と公民連携懇談会を設け情報を共有しながら地域のエネルギー政策の基本計画策定を進めているところです。交流人口や定住人口の増加は、現在も多くの自治体が目標としていますが、その実現はつまり他の地域から引っ張ってくるということです。その点、我々が目指すエネルギーの自給自足は、外に払っていたお金を減らし地域に回るお金を増やすことなので、地域間競争を生みません。CO2削減と地域経済の活性化の両方に資するものです」

 --昨年10月に「政府の総合経済対策」について、日商に意見書を出されました。狙いは。

 「日商が提唱する『地域経済の好循環』を、エネルギーの取り組みで促進しましょうという提案です。ひとつは国の費用負担による中小企業の『省エネ診断の義務化』です。経営者に自社のエネルギーの無駄を認識して、コスト削減につなげてもらいます。省エネ化は、照明のLED化、空調の更新、断熱工事など既存の技術と設備でできることも多く、地域の中小企業の仕事にもつながります」

国際的視点でサポート

 --若者世代の力の活用、国際的な感覚を養う教育にも取り組まれているそうですが。

 「まちづくりには長期的な視点が必要で、未来の当事者たる若者にも積極的に関わってもらいたいと思います。いわゆる”Z世代”と一括りにせず、一人ひとりの価値観や個性、アイデアを発揮してもらう機会を提供できればと考えています。国際的な感覚については、ウクライナで戦争が起きると隣の豆腐屋さんの値段が上がるように、この地域の中小企業も世界のバリューチェーンに組み込まれています。国際情勢を知らないことはビジネス上のリスクであり、逆にチャンスを逃すこともあり得ます。まずは当会議所で勉強会をスタートしました。職員が会員企業をサポートできるようになり、ひいては小田原箱根が海外の企業から選ばれる地域となるように、一歩ずつ進んでいきたいと思います」

来場者を迎えるごうらん(昨年)

新年は強羅で運試し 駅前で福引じゃんけん大会

 箱根登山電車の強羅駅で1月3日(金)、「箱根強羅温泉 2025新春福引じゃんけん大会」が開催される。誰でも挑戦できる福引大会。箱根強羅温泉のゆるキャラ「ごうらん」または、現地スタッフと「じゃんけん」をすることが参加条件。蒸したての饅頭など、地元にゆかりのある景品が当たる。午前9時30分から受付開始。景品が無くなり次第終了。

 この日は同会場で「強羅温泉旅館組合 宿泊御礼ガラガラ抽選会」も開催される。箱根強羅温泉の宿泊者が対象で、豪華な景品が当たる。

 箱根強羅観光協会の担当者は「年始は多くの人が強羅駅前にお立ち寄りいただいている。寒空の中お越しいただいたお客様へのおもてなしができれば」と話している。

矢を放つ射手(写真は過去)

1年の吉凶占う奉射祭 1月7日 白髭神社

 小田原市の無形民俗文化財、白髭神社(小船669)の「奉射祭(ぶしゃさい)」が1月7日(火)午前10時から開催される。小雨決行。

 同祭は鎌倉時代初期に端を発する神事で、毎年1月7日に一年の五穀豊穣の吉凶を占っている。

 当日は2人の射手が7本の矢を的に向けて放ち、命中の本数で吉凶を決める。最後の一矢が射られた後、幸運に恵まれるといわれる、的につるされた「鳥形(つばめ)」を観衆(小学生以下)が取り合う。鳥形は戸口につるすと厄除けになるといわれている。(問)同神社【電話】0465・43・0093

インタビューに応じた渡邊会長

新春特別医療企画 連携強化で医療サービス向上を 小田原医師会・渡邊清治会長に聞く

 感染症法上の分類「5類」への引き下げもあり、ここ数年新型コロナウイルス対応に追われてきた医療機関も一定の落ち着きを見せている。一方で高齢化の進展、労働力不足など「2025年問題」も指摘される中、持続可能な医療体制への再構築も課題だ。県西1市3町(小田原市・箱根町・真鶴町・湯河原町)を管轄し、地域医療を支える小田原医師会の渡邊清治会長に現状とこれからについて聞いた。

コロナ、インフルは予防が肝心「冬の脱水症状」に注意

 ――感染症法上の分類「5類」引き下げなどもあり、市民生活でも新型コロナへの対応に適応できている感があります。医療現場での認識はいかがでしょうか。

 「確かに新型コロナは一般化しつつあり、今はちょうど沈静化しているところです。最近、ワクチンに耐性がある新しい株が出始めているとの報告がありましたが、以前に比べて重症化も少なくなっています。それほど感染は大きく増えないと考えています」

 ――季節性インフルエンザと同じように考えれば良いでしょうか。

 「そうですね。ただインフルエンザは流行する時期がある程度決まっているので、用心するべきタイミングが分かりやすい。また症状もはっきりしている。一方で、新型コロナの流行は季節を問わず、また症状も分かりにくいのでじわじわと蔓延する点が要注意です」

 --やはり予防が重要になりますね。

 「毎回お伝えしていますが、石鹸での手洗いとうがい、そしてマスクが一番大切です。また咳が出るなど自覚症状がある人は、他人にうつさないためにもマスクをしてください。コロナ禍の時には、インフルエンザや風邪も非常に少なかった。みんなが予防を徹底していたからだと思います」

 --ほかに冬の健康ケアのポイントは。

 「冬場の脱水症状に要注意です。厚着や布団を重ねて寝ていると、汗をかいていることが多いです。喉が渇いたと感じた時にはすでに脱水状態ですので、こまめに水分を摂ってください。寝る前にコップ一杯の水を飲むのも良いですが、ホットミルクやココアなど温かいものを少し飲むと眠りやすくなります。またストレッチをしたり布団の中で肩を上下に動かすなど軽い運動で血流を良くすると、冬に低下しがちな免疫力を高める効果が期待できます」

地域医療の体制強化、将来のケアについて

 ――小田原市、足柄下郡の現在の医療課題は何でしょうか。

 「高血圧に加え、腎臓疾患が最近のトピックです。地域に腎臓専門医も増えましたので、腎疾患予防のネットワークづくりを進めています。また昨年6月の診療報酬改定で生活習慣病(高血圧症・脂質異常症、糖尿病)については、患者さんごとに数値目標を示し療養計画を立てるよう指針が示されました。小田原医師会としても生活習慣病の予防、改善に引き続き取り組みます」

 ――高齢化の進展、医療費増大、労働力不足等による医療の「2025年問題」への対応は。

 「県西地域は、ニーズに対してベッド数が多すぎると指摘されてきました。改善が進まず、ここで国が積極的に支援する『推進区域』になりました。いわばイエローカードですが、逆に支援が受けられるチャンスだと思っています。団塊ジュニアが65歳以上となる『2040年問題』もあります。その時、高齢によって具合が悪くなる地域の人をどう受け入れて医療を提供し、どこに戻すか。支援を受けながら将来提供するケアについて考えたいと思います」

 ――新しい小田原市立病院の開院予定2026年春まで1年余りとなりました。

 「先進の医療機器や設備が導入されますが、それを医療現場でいかに活用できるか。また手術の前段階や後に、患者さんにどのようなサービスが提供できるかが重要です。いずれも人の育成がカギで、しっかり準備を進めてほしいと思います。また基幹病院として、地域全体への機能強化も求められます。小田原医師会の地域医療連携室が持っている豊富な情報を市立病院とリンクすることで退院管理に役立てることも可能となり、地域医療サービスの質は向上します。医師会として市立病院にさらなる連携強化を働きかけて参ります」

9党県代表が年頭所感 経済政策などで抱負

 2025年の年頭にあたり、神奈川県内に組織基盤を持つ国政9政党の県代表・責任者がタウンニュースにコメントを寄せた。

 昨年の衆議院選挙でも争点の一つとなった政治とカネをめぐる問題に対する対応や物価高対策をはじめとする経済政策、安全保障・外交政策、能登半島地震被災地への支援策、福祉・教育政策、与野党伯仲下の国会運営のあり方、今年夏の参議院選挙に向けての決意など、各党それぞれの重点政策や新しい年を迎えての抱負や意気込みが語られている。

 9政党の県代表・責任者のコメントは以下の通り。

(敬称略)

自民党神奈川県支部連合会 会長 小泉 進次郎

 衆院選での自民党への厳しい結果は、「国会で丁寧な議論をすべき」という皆さまの声です。

 国政では少数与党となりましたが、かながわ自民党の強みは、国・県・市町村の連携による政策実現力です。皆さまの声を聞いて、政策にする力はどの党にも負けません。

 本年も政治の信頼回復、そして経済の回復に全力を尽くします。 

立憲民主党神奈川県連 代表 青柳 陽一郎

 立憲民主党は昨年の衆院選で県内14議席を獲得、自公過半数割れという歴史的結果となりました。能登半島地震対応はじめ国民に寄り添わない自民党政治と裏金による不信の表れ。与野党伯仲の熟議による新しい国会で期待に応えて参ります。本年は参院選や横浜市長選の決戦の年、県連代表として多くの皆様に私達の政策を届ける、その先頭に立つ覚悟です。

神奈川維新の会 代表 松沢 成文

 あけましておめでとうございます。

 日本維新の会は、減税とタブーなき規制改革、首相公選制の統治機構改革によって経済推進と行政改革を実現します。「次世代につなぐ社会を創造する」ために、古い永田町政治から脱却をし、新しい政策決定のもと、教育の無償化をはじめ、次世代のための社会保障改革を神奈川から推し進めます。

公明党神奈川県本部

 代表 三浦 信祐

 新年おめでとうございます。

 公明党は政治改革の先頭に立ち、結果を出す政治に邁進してまいります。激動する世界情勢の中、日本の平和と安定を徹底的に追求するとともに、県民の皆様の生活と経済の向上へ、物価高騰対策を強力に推進し、神奈川が持つ力を引き出す政策を通して、景気経済の向上が実感できるように全力を尽くします。

国民民主党神奈川県連 代表 小粥 康弘

 国民民主党は、「手取りを増やす」という約束を果たすため、今年も全力で取り組みます。所得税の減税や社会保険料の軽減、生活費の引き下げなど、皆さまの日々の暮らしに寄り添った政策を実現し、まじめに働けば、安心して暮らせる社会を築きます。「対立よりも解決」の姿勢で、皆さまと共に新しい政治を動かす一年にしていきたいと思います。

日本共産党神奈川県委員会 委員長 藤原 正明

 新年おめでとうございます。日本共産党と「しんぶん赤旗」の徹底調査、そして国民のみなさんの声で、「政治とカネ」問題にメスが入りました。問題の本丸である企業・団体献金の禁止へ、国会で法案を提出して成立をめざします。今年は夏の参院選など政治を変えるチャンスの年。くらしと平和を守り「国民が主人公」の政治めざし全力をつくします。

れいわ新選組元神奈川県第2区 総支部長 三好 諒

 能登半島地震発災から1年が経過しました。しかし、今なお復旧が殆ど進まず苦しむ人が多数存在しています。能登をはじめとする地方の未来を守るためには、今の古い政治からの脱却が必要です。国民に寄り添い、地方を見捨てない政治の実現のためにも、れいわ新選組を中心とする政権交代を目指していきましょう。この国を変えるのは、あなたの一歩です。

参政党神奈川県支部連合会 会長 島津 勝仁

 昨年は県下の党員の下支えがあり、比例代表の衆議院議員として鈴木あつしを国会に送り込む事ができました。世界では、自国の国益を大事に、自国民を大切に考える政治の支持が、拡大しています。揚げ足取りのような政治話題が多い中、私共は国民の命を護り、経済的豊かさを実現し、国柄を護る政策実現に向け、国民主体の政治創りを促して参ります。

社民党神奈川県連合 代表 福島 みずほ

 政治はあなたを応援するためにあります。軍事費年間10兆円を目指すのではなく、その半額でしかない教育予算をもっと増やし、介護や年金、福祉を応援する、そんな政治をしっかりやっていきます。すべての子どもが自分のなりたいものに挑戦し、やりたいことができる社会、安心して働くことができ、安心して歳をとることができる社会を作ります。

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