横須賀・三浦版【1月24日(金)号】
動画で北下浦ふるさとマラソンを紹介する原さん(左)

北下浦の魅力 動画でPR 住民有志らマラソン契機に

 長沢、野比、粟田などからなる横須賀市の北下浦地区の魅力を発信するため、地元有志らが同地区を動画で紹介するYouTubeチャンネル「きたしたうらチャンネル」を設立した。同地区の観光スポットや店舗、イベント等を週1回程度の頻度で紹介していく。

 チャンネル設立の発起人は、京急長沢駅付近でマリンスポーツ用品店を営む原良一さん。3月16日に行われる北下浦ふるさとマラソンに際し、「海岸沿いの景色だけでなく地域全体を観光地として楽しんでほしい」と同大会で司会を務めるシンガーソングライター・灯織(ひおり)さんとともに企画を立案した。1月14日に投稿された1本目の動画では、実行委員長や原さんが同大会の魅力やコースなどを紹介している。

「通り道でなく目的地に」

 北部には市街地と米軍基地、南部には三浦海岸や三崎と、南北を観光地に挟まれた同地区。「観光客の通り道になっていて、ここを目当てに訪れる人は少ない」と原さんは現状を分析する。一方で、数Kmにわたる海岸線や房総半島・伊豆大島を見渡せる三浦富士など風光明媚な環境資源は豊富だ。「潜在能力は湘南地区にも負けない自信がある。マラソン大会は各地域を知ってもらう良い機会なので、注目ポイントをたくさん紹介したい」と意気込む。

 同地区で楽しめるウインドサーフィンやSUP、登山などのアクティビティーも積極的に紹介することで、「都心から1時間で来れるアウトドア拠点」としてのブランド構築も目指す。「地元の中高生も巻き込み、多世代でアイデアを出し合いたい」と地域一体でチャンネルを盛り立てていく構えだ。

 次回の撮影は来月初頭で、長沢周辺の飲食店を紹介する内容を同月中旬頃から順次配信していく予定だ。「紹介してほしい場所や店舗があれば教えてほしい」と原さん。宛先は【メール】info@yokosukapc.com。

くりはま花の国プールで開かれた市内水泳部の合同練習

部活動地域移行 「横須賀モデル」構築へ スポーツ協会と連携、休日主体に

 公立中学校の部活動を地域のスポーツ団体などに移行していく取り組みに関し、横須賀市は市スポーツ協会との連携で実現する方針を打ち出している。国が定める2023年度から25年度の「改革推進期間」に基づき、先行して運動4競技(柔道・ソフトボール・水泳・バドミントン)でモデル事業を実施。市教育委員会では、平日を個々の自主練習に位置づけ、メーンの活動を休日主体に展開していく構想を描く。各団体も受け皿の役割を果たすことができるかの検証を進めている。

運動4競技で試行実施

 部活動の「地域移行」には、生徒数減少の中での活動維持と過重となっている教員の働き方を見直す2つの狙いがある。国から大枠の方針が示されているが、各自治体に裁量が委ねられており、兵庫県神戸市が2026年度から市立中学校の部活動を終了させ、地域団体への全面移行を打ち出すなど対応はさまざま。

 横須賀市では、40種目の団体が加盟する市スポーツ協会の組織力を頼る。長期的には地域への全面移行をめざしていくが、当面は過渡期として教員が各団体の構成員として加わり、学校との橋渡し役を担っていくことを想定。兼業として給与とは別に報酬を受け取れるよう仕組みを整える。実際の活動は休日を充てることになるが、市教委では、平日の部活動指導が軽減されるため長時間労働は避けられるとの見方を示す。生徒数の減少により野球やサッカーなどの団体競技で単独チームを結成できないケースへの対応として、エリアごとに3〜6校で編成するブロック別の部を設置していく考えだ。

 モデル競技の水泳は1月18日、市内7校の部員を集めて合同練習を行った。横須賀水泳協会のメンバーが指導役を務め、オペレーションの確認と課題の洗い出しを行った。同協会では、中高生を対象とした強化練習を年に数回実施してきた経緯があり、「スムーズな移行を目指している」と渡辺正理事長。ただ、年間スケジュールに中学生の指導をどれくらいの頻度で組み込んでいけるのか、指導者への報酬の有無に加え、施設の利用料など生徒の費用負担の問題も横たわる。

 昨年末に行ったソフトボールの合同練習に指導者として参加した山本賢寿市議会議員は、12月議会の一般質問で、生徒との信頼関係を構築していくことの難しさを吐露。スタート段階では、「先生頼みにならざるを得ない」との見解を示した。

2月8日に市役所前公園で「横須賀コーヒーフェス」を主催する 野口 量司さん 横須賀市長沢在住 33歳

コーヒー文化を横須賀に

 ○…「見た目は同じなのにここまで違うなんて」――。コーヒーの味や香りには「フルーティー」「スモーキー」「スパイシー」など、数えきれないほどの個性があり、品種・産地・処理方法・焙煎度合・抽出方法・温度・速度によって大きく変わる。自身がそのとりことなった時の感動を多くの人に届けるべく、屋外イベントという形で横須賀に新たな風を巻き起こす。

 ○…バリスタを志したのは23歳の時。コーヒーを主題にした小説に影響を受け、土日の休みを利用して専門学校へ通い始め、柑橘系の爽やかな香りが特徴の浅煎りコーヒーに衝撃を受けた。卒業後は正社員だったエネルギー関係の仕事を退職し、鎌倉の有名コーヒーショップでアルバイトとして修業を開始。業界内では高齢である27歳での入門で、”年下の先輩”からの指導や叱責には「プライドが折られる思いがした」。その中で知識や接客、焙煎技術などを必死でたたき込み、3年前に独立し、佐野町で自身初の店舗をオープンした。

 ○…コーヒーをテーマにしたイベントは、葉山や湘南で定期的に開催されているが、横須賀では昨年が初めての開催。「横須賀に人なんか集まらないよ」といったネガティブな言葉もかけられたが、結果的には千人以上の集客に成功。飲み比べを楽しむ来場者の様子を見て、「コーヒー未開の地」で新たな文化の息吹きを感じた。

 ○…フェス開催を通した地域活性の先に見据えるのは、コーヒーに携わる人材の育成。かつてバリスタ求人の倍率の高さに苦労した自身を振り返り、「若者がいつでも挑戦できる体制を」と力をこめる。自らの挑戦も道半ばだが、一緒に夢を叶える仲間探しも不可分の命題だ。

シティサポートよこすか 五輪選手に学ぶ水泳教室

 一般財団法人シティサポートよこすかは2月15日(土)、2012年ロンドン五輪100m背泳ぎ銅メダリストの寺川綾さん=写真=が講師を務める水泳教室をくりはま花の国プールと不入斗町のサブアリーナで実施する。参加無料(高校生以上は施設使用料あり)。

 小学生クラスは花の国プールで午前9時45分〜10時45分、サブアリーナで午後1時40分〜2時40分(各回定員25人)。大人クラスは午前11時〜正午、2時50分〜3時50分(同30人)。

 申し込みは会場のサブアリーナ【電話】046・828・5840、くりはま花の国プール【電話】046・835・7754。

城ヶ島の水仙(写真は過去)

早春を告げる水仙 城ヶ島でまつり

 城ヶ島の早春を告げる風物詩である八重咲水仙が1月21日現在、4割ほど開花し、今週末頃から見頃を迎える予定だ。

 開花に合わせ県立城ケ島公園では「水仙まつり」が1月26日(日)に開催される。三浦のとれたて野菜などの販売をはじめ、地場産食材をふんだんに使った「陣屋汁」の無料サービス、相州三浦海防陣屋太鼓の演奏(午前11時・午後1時)などが行われる。

 時間は午前10時から午後3時。島内で使える商品券が当たるスタンプラリーもある。

 詳細は同園【電話】046・881・6640。

アート作品が集結 29日まで

 横須賀市が田浦泉町の谷戸地域に展開するアーティスト村「HIRAKU」の入居作家らの作品を展示する作品展が1月24日(金)からよこすかポートマーケット(新港町6)で始まる。

 陶芸、漫画原画、絵画、版画作品を展示。田浦小学校と田浦中学校の生徒の作品、県立横須賀高校と関東学院大学の生徒らが同村で活動した成果のパネルも展示する。

 29日(水)まで。開場は午前10時から午後5時(土日は7時まで)。

女性を議会へ 県福大で講演会

 戦後の婦人参政権運動を主導した市川房枝(1893-1981)の理念を引き継ぐ「(公財)市川房枝記念会女性と政治センター」(東京都)は2月1日(土)、女性の議会進出を推進する講演会とシンポジウムを開く。

 今年は女性参政権が認められてから80年。当日は、婦人の地位向上に向けて活動した市川房枝が自らの生涯について語った記録映画「八十七歳の青春」の一部上映のほか、女性差別撤廃条約を生かすため地方議会が果たす役割などについての講演が行われる。

 会場は県立保健福祉大学の大講義室。午前10時30分から午後4時30分。参加費500円。詳細は同法人【電話】03・3370・0238。

横須賀コーヒーフェス 17店のこだわり一堂に 市役所前公園で2月8日

 横須賀独自のコーヒー文化の定着を目指す有志らで企画された「横須賀コーヒーフェスティバル」が2月8日(土)、横須賀の市役所前公園で開催される。午前10時から午後7時。入場無料。

 当日は県内外から集まったコーヒー店17店舗と食事を提供する4店舗が出店。各店での購入も可能だが、バリスタのこだわりを少しずつ楽しめる「飲み比べチケット」をオンラインで先行販売中。会場でも4杯1600円で販売するほか、オリジナルロゴが入ったミニカップ付きのセット(3千円)も販売する。

 初開催となった昨年は屋内で1200人超を集客した同イベント。佐野町で「SPECIALTY COFFEE BEANS No.13」を営み、主催兼出店者として参加する野口量司さん=人物風土記で紹介=は3千人の動員を目指す。

 「『コーヒーは苦いだけの飲み物』と思っている人にこそ、多種多様な味わいを楽しんでほしい。プロのバリスタのおすすめも参考にしつつ、好みの一杯を見つけてもらえたら」と来場を促す。荒天中止。

大勢の観客に見守られながら伝統の舞を披露する踊り手の少女ら(=15日、海南神社)

晴れ着姿で可憐な舞 三崎で「チャッキラコ」奉納

 三崎地区に伝わる民族芸能で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産(風流踊)に登録されている「チャッキラコ」が15日、海南神社などで奉納された。約300人の観客が見守る中、赤や橙色の晴れ着を着た少女らが可憐な舞を披露した。

 毎年小正月に豊漁・豊作や商売繁盛などを祈願する踊り。仲崎・花暮地区で260年を超える歴史があり、保存会が三浦の伝統文化として継承している。1976年に国指定重要無形民俗文化財に指定された。

 今年は5〜12歳までの少女19人が踊り手として参加。午前10時半頃、海南神社で扇や鈴のついた綾竹を優雅に操りながら、「初いせ」「二本踊り」「鎌倉」など6演目を披露した。「音頭取り」と呼ばれる成人女性の素唄に合わせながら愛らしい仕草で踊る様子に、境内に詰めかけた観客らが目尻を細めていた。

最後の晴れ舞台

 6年生にとっては最後の晴れ舞台。年中のときから参加しているという三崎小学校の井上七緒(なお)さん(12)は「最後なので悔いなく踊りきれるようにがんばった」と満足気な表情。「卒業に寂しさもあるけど、地元が誇る文化なので皆でずっと続けていってほしい」と後輩らに思いを託していた。

横須賀市 住宅火災急増、8人死亡 「危機的状況」消防局が注意喚起

 横須賀市内で住宅火災による死者が急増している。昨年11月28日から1月11日までの45日間で火災が相次ぎ、計8人が死亡した。出火原因はタバコや電気ストーブに起因するものが多いとみられる。市消防局では「危機的な状況」として警戒感を強めており、市民に火災予防や住宅火災警報器の設置を呼び掛けている。

寝たばこ、電気ストーブ原因か

 市消防局によると、同期間中に死者が発生した住宅火災は6件。昨年11月28日に鴨居2丁目の県営団地、12月17日に林3丁目の市営住宅、同21日に太田和2丁目のアパートと汐入町4丁目の戸建て住宅でそれぞれ火災があり、焼け跡から遺体が見つかった。1月4日には三春町6丁目でアパート火災があり、住人が搬送先の病院で死亡、同11日には田浦泉町の住宅火災で焼け跡から2人の遺体が見つかった。

 原因別では、タバコが2件、電気ストーブが4件(疑い含む)。時間帯は深夜0時〜朝6時までに4件発生しており、市消防局では「死者のほとんどは65歳以上の高齢者。寒さをしのぐため暖房をつけっぱなしにしているケースが多い」と説明する。寝返りの際に毛布や衣類などの可燃物がストーブに接触し、着火する恐れがあるという。

 市内では高齢化が進み、独居高齢者も増加傾向にある。そうした状況を踏まえ、「寝たばこは絶対しない、就寝前にはストーブを必ず消すなど火災予防に努めて」と1人ひとりの防火意識向上が不可欠として注意を呼び掛ける。

 火災を早期に察知し迅速に消火や避難するには、住宅用火災警報器の設置と定期的な点検が欠かせない。動作確認や10年を目安に交換することが必要とされており、同消防局では「いざという時に困らないよう適切な設置と管理を心掛けて」と話している。

本番に向け、合同練習を行う生徒ら(提供写真)

響け若きサウンド 港音楽祭に向け準備万端

 三浦市立中学校吹奏楽部の楽器購入支援とプロ音楽家との共演による生徒の文化的意識向上を目的としたチャリティーコンサート「港音楽祭」が2月8日(土)に開かれる。第5弾となる今年は三崎中16人、南下浦中18人、初声中9人の3校合同とプロミュージシャンらが共演する。

 ソプラノサックスプレーヤーで諸磯在住の朝本千可さんが中心となり2018年に初開催されたイベントで、昨年の会場には254人の聴衆が詰めかけた。朝本さんは「子どもたちが楽しみにしているから辞められない。イベントを機に部員も増えている」と話す。

 1部は朝本さんらプロミュージシャンによる演奏、2部で3校合同バンドとプロのコラボステージが行われる。1月18日には南下浦中で合同練習を実施。朝本さんらと音合わせを行い、部員らは構成を確認した。

三浦RCも支援

 合同練習前の同月16日には、三浦ロータリークラブが三浦市教育委員会を訪れ、会員が購入したチケット30枚分と協賛金1万円を及川圭介教育長に届けた。主に中学生に配布されるという。

 会場はうらり三浦市民ホールで午後2時開演。チケットは3千円でファミリーマート三浦三崎店ほかで販売中。問合せは辻克仁実行委員長【携帯電話】090・8581・9874。
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通行人に啓発グッズを手渡す海上保安部員

海の事故は「118番」 正しい利用法呼び掛け

 海上の事件や事故を通報する緊急ダイヤルの周知のため、横須賀海上保安部は「118番の日」の1月18日に、横須賀中央駅前Yデッキで啓発活動を行った。

 同署の管轄内で昨年発生した海難事故は56隻(昨年比増減無し)、人身事故は29人(昨年比27減)だった。職員らは「110番にかけるより救助に早く駆け付けられるので、命を守るためさらに認知を上げたい」と必要性を訴えた。

 海上保安庁によると「118番」は2000年から運用が始まったものの、昨年架電のあった約40万件のうち、97%が間違い・いたずら電話だったという。

「Good」「Grow」「Gratification」でGIII。柳屋の体操服を手にする鈴木さん

横須賀商議所セミナー ブランド再構築に挑む

 企業や店舗が築き上げてきた価値を点検して、ブランドの再構築を図る短期集中の実践型セミナーが横須賀商工会議所の主催で開かれ、市内7社が参加した。

 時代のニーズを捉え直し、顧客ターゲットを新たに設定することで販売力を高めていく試み。中小企業のブランディング戦略を専門とする安藤竜二氏を指導役に、重要性を増しているデジタルマーケティングやメディア露出を増やすためのプレスリリース作りなどを学んだ。1月16日には取り組みの成果を発表する報告会が同商議所で開かれた。

”いつもの体操服”実はヒット商品

 地域で多店舗展開する衣料品店の「柳屋」は、密かな人気商品である児童用のオリジナル体操服を前面に押し出すことにした。品切れやサイズの欠品を防ぐとともに安価を実現するために13年前に自社商品化した「GIII SPORTS」に着目。累計販売実績80万枚を突破し、大手ECサイトではこの領域でナンバー1の売上を誇っているが、「積極的にPRしてこなかったため、ネーミングを含めて対外的にほとんど知られていない」と同社の鈴木あいさん。保護者の声を取り入れながら改良を重ねてきた”いつもの体操服”をブランド化することで、企業名の向上にもつなげていく考えだ。

 大正3年創業の「パン市場 濱田分店」は、100年以上変わらない伝統の味である「ソフトフランス」の魅力を再定義。無添加の安心素材で卵・乳製品不使用をアピールすることで、子どもの健康を気遣う子育て世代への浸透を目指す。これを発信するホームページをリニューアル、オンラインショップの充実化も図った。

 セミナーの担当講師は、ブランディングの考え方として、「値段ではなく価値を売る発想とペルソナ(訴求対象)の設定が大切」と説き、時代や嗜好の変化に合わせて商品・サービスを更新していく必要性をアドバイスした。

武山初不動の縁起物の笹菓子

初不動で無病息災祈願 28日、縁起物の販売も

 「武山不動」の名で親しまれる持経寺武山不動院(横須賀市武1の3040)で、1月28日(火)に新年最初の縁日「初不動」が行われる。

 古くから漁師から豊漁や航海安全に厚い信仰が寄せられ、別名「浪切不動」とも呼ばれる不動尊。例年、無病息災を願う参拝者が訪れ、境内には多くの露店が並びにぎわいを見せる。

 当日は地元の武山観光協会が笹を釣り竿、ふ菓子を魚に見立てた名物の「笹菓子」(千円)を午前7時30分から正午まで販売。同地域のマスコットキャラクター「武丸」の焼印が入ったどら焼き(270円)や武丸パン(200円)、武丸フィナンシェ(900円)も販売する。

 詳細は同協会(西行政センター)【電話】046・856・3157。

迫力の火柱に祈り 鴨居 恒例の「おんべ焼き」

 正月飾りやお札、破魔矢などを焚き上げ、新しい一年の無病息災や家内安全を祈る「おんべ焼き」が1月15日、鴨居海岸で実施された。竹のやぐらで作った土台に近隣地区から集まった材料を組み立て、約7mの高さの「おんべ」に火がつけられた。

 同様の行事は「どんど焼き」「左義長」として、各地で行われている。同地区では70年以上前から恒例の行事として親しまれており、かつては中学生らを中心に行われていたという。他地域では土日に実施するところが多い中、鴨居地域では平日であっても小正月である1月15日での実施を続けている。

 海岸には登校前の小学生らも集まり、燃え上がる炎に驚いた様子を見せた。

蛤御門(京都御所)

OGURIをあるく 〜小栗上野介をめぐる旅〜第31回 横須賀編【2】文・写真 藤野浩章

「幕府が、そっくり京へ移ったようなものではないか」(第四章)



 1864(文久4)年になっても、政治の混乱は続いていた。京では一橋慶喜を中心とした主導権争いが激化し、そのスタンドプレーに幕閣は翻弄(ほんろう)されていた。

 本書では、遠く離れた江戸にいた小栗は「かえって実態が把(つか)める」としながらも「この重大な時期に、なぜ身内争いなどしているのか」と焦る様子が描かれている。そう、彼はこの時無役だったのだ。

 そんな中、7月には攘夷過激派を新撰組が急襲する池田屋事件が起こり、攘夷運動が再燃する。さらにその報復として長州勢が京を攻撃。蛤御門(はまぐりごもん)(禁門)の変だ。孝明(こうめい)天皇は激怒し「朝敵」として長州征討(せいとう)が発せられることになる。

 その直後、小栗は3度目の勘定奉行勝手方を命じられる。大坂夏の陣以来という大動員に当たり、その計画と資金繰りを任せられたのだ。まさに"困った時の小栗"というわけだ。

 時にはありがた迷惑という事もあったが、しかし本書では今回ばかりは本人が切望していたという説をとっている。それは彼が、自他ともに認める大規模な兵力動員計画立案の第一人者であったことに加え、薩摩や長州の増長を目の当たりにして、幕府自前の造船所づくりを急ぎたいという思いも大きかった。そしてもう1つ、将軍家茂(いえもち)に直訴して神戸に「海軍操練所」の設立を認めさせたという勝海舟(かつかいしゅう)の存在も彼の原動力になったとしているのが興味深い。

 ライバルが動けば、味方も現れる。この後、彼の力となる2人の重要人物がついに登場する。