金沢区・磯子区版【1月30日(木)号】
来場を呼び掛ける野村さん

元音楽教諭野村さん 金沢区と内モンゴル繋ぐ 5年越しに初公演

 中国・内モンゴル自治区の少女芸術団「小鴻燕(しょうこうえん)芸術団」が2月11日(祝)に金沢公会堂での文化交流コンサートに出演する。金沢区での公演は初めて。コロナの影響により一度中止になり、5年越しの実現となる。公演の運営を担う元音楽教諭の野村進さんは「思い出深い金沢区で公演できて非常にうれしい」と語る。

 内モンゴルと日本の子どもたちがお互いの伝統芸術・文化を披露し合い交流を図る目的で開催するチャリティーコンサート「子どもたちが未来につなぐ〜文化交流コンサート」。日本モンゴル中国文化交流会が主催する。同会会長を務めながら、モンゴル民族歌手として活動するボルジギン・イリナさんと、八景小学校や大道小学校で長く音楽教諭として勤めてきた野村さんが橋渡し役となり実現した。

 2020年に公会堂で公演を行う予定だったが、コロナ禍で同団が来日できず中止に。それでも文化を異にする子どもたちが交流し、理解を深め合うことを目的としたイリナさんの活動を支援したいと考える野村さんの働きかけにより、5年越しに初公演の実現が決まった。野村さんは「言葉が通じなくても、場を共有したり、音楽で表現することで、通じ合うことができる」と話す。

母国に教育の場を

 イリナさんは内モンゴル芸術大学で声楽を学ぶ中、日本の民謡に魅せられ、宮城教育大学に入学。約15年前から内モンゴルの子どもたちの教育環境改善や学校建設費用を集めるチャリティーコンサートを実施してきた。今回のコンサートでも、収益の一部をモンゴルでの学校建設の費用に充てる予定。

 同団は中国の全国舞踊コンクールで金賞の受賞歴がある芸術団で、今回は小学4年生から6年生の約40人が来日。公演では内モンゴルと日本の子どもたち約80人とプロの演奏者の総勢約90人が舞台に立ち、伝統芸能舞踊や馬頭琴の演奏、日本舞踊や金沢六浦の三艘囃子連による囃子、「八橋智子バレエ教室」の生徒による発表、イリナさんと野村さんによる歌などが披露される。

 金沢区での勤務が長く、思い入れがあるという野村さんは、「長い間準備してきたので、無事に成功させたい。観客の皆さんが『次も見に行きたい』と思えるような公演になれば」と話す。

 10日にはカナリヤ幼稚園、12日には大道小学校の子どもたちと文化交流会も行う。「子どもの頃から異文化に触れることで、自分と異なる人がいる環境を自然なことと思えるようになる。このような体験は貴重」と野村さん。

 コンサートは金沢公会堂で午後1時30分開場、2時開演。前売り券は1500円、当日券は1800円で、中学生以下は無料。前売り券の予約は前日まで。チケットは当日会場で受け渡し。申し込みは【電話】080・1303・6739。案内チラシは金沢区役所や金沢公会堂に配架されている。

合格通知などを手にする建設コースの生徒

磯子工業高建設科 受験者の8割が検定合格 全国平均超える高さ

 県立磯子工業高校=磯子区森=建設科の3年生12人がこのほど、国家資格「2級建築施工管理技術検定」の第一次検定に合格した。例年生徒が任意で受験している検定だが、今年度の合格率は全国平均を大きく上回る8割。同校でも過去にない合格率となった。

 全日制では建設・機械・電気・化学の4学科がある同校。建設科は2年次から建築・土木の2コースに分かれ、それぞれの専門技術などを学んでいる。

 今回、12人の生徒が合格した建築施工管理技術検定は、建築工事での材料・工程・安全・品質管理などに取り組むための知識を問う。1・2級に分かれ、第一次検定に合格すると各級の建築施工管理技士補の資格を得ることができる。同校からは前期・後期含めて建設コースの生徒15人が2級を受験し、8割が合格した。同科の浜辺恵一教諭によると、全国の合格率は例年5割程度。同校の歴史でも今年度の合格率は過去にない高さで、「成績優秀な生徒が多かったが、こんなに合格できるとは思っていなかったのでうれしい」と話す。

現場監督などに生かす

 受験した生徒のほとんどは、今年度に入ってから検定につながる科目の学習を始めた。今年度の受験者15人のうち12人が受験した後期日程に向けては、7月頃から本格的に試験へ向けた勉強に取り組み出し、11月の試験本番に臨んだ。

 将来現場監督の仕事に就くことを目指して受験した古川康誠さんは、試験の1カ月ほど前から授業だけでなく、隙間時間や放課後なども学習に費やしたという。「現場監督という将来像ができてから、興味を持って勉強できた。合格できて安心している」と安堵の様子。一方、佐野佑真さんは「将来の選択肢が広がると思って挑戦した。検定というスキルだけでなく、高校生活で本気で取り組んだ思い出の一つになった」と話し、合格を喜んだ。

土木も4人合格

 また、同科の土木コースで学ぶ3年生15人は「2級土木施工管理技術検定」を受験。そのうち4人が合格した。浜辺教諭は「それぞれの検定に合格した先輩たちの姿を見て、他の生徒たちも『自分たちもできる』と思って挑戦してもらえたら」と話した。

称名寺薪能実行委員会の実行委員長を務める 土橋 功次さん 金沢区長浜在住 64歳

皆で作る一夜限りの舞台

 ○…1998年から続く「称名寺薪能」。金沢区役所と共催で28回目を迎える。実行委員長として迎える4回目の公演。4月の開催に向け準備を進める。敷居が高い能や狂言を少しでも身近に感じてもらおうと出演者による事前講座や舞台前の解説など工夫を凝らす。「かがり火が焚かれた年に一夜限りの舞台。リピーターの方にあと何回見られるかしら、と言われるとぐっとくるものがある」

 ○…出身は横浜市中区。学生時代を通してバスケットボールや山登りなどアウトドアが好きで「恥ずかしながら能を知らなかった」と笑う。三菱重工業に入社し、横浜製作所に勤務時代の後輩が実行委員を務めており、60歳の定年のタイミングで「時間ができただろうから手伝ってみない」と声をかけられ、実行委員として関わるようになった。

 ○…「最初に薪能を見た時は室町時代にタイムスリップしたような感覚や雰囲気に感動した」。今では能トレと体力維持のために能教室に通うように。コロナ前はチケット発売と共に完売することもあった伝統行事。実行委員14人、地元金沢町などボランティア約50人が「手弁当」で行事をつくりあげる。

 ○…運営の課題は「収支」。能は櫻間右陣さん、狂言は野村萬斎さんをはじめ、「超一流の演者さんが毎年快く来てくれ、長く続いてきたイベントを支えてくれる地元の企業を地道に増やしていければ」。今年も地元の子どもたちや能教室に通う人たちによる連吟、当日見に来られない「横浜こどもホスピス」、横浜市大附属病院小児病棟に入院している子どもたちへの配信を行うなど普及にも力を入れる。「称名寺ならではの幻想的な舞台を多くの人に見てほしい」

喜びを爆発させる横浜の部員

高校野球 横浜がセンバツ出場へ 6年ぶり17回目

 3月18日から甲子園球場で行われる「第97回選抜高校野球大会」の出場32校が1月24日に発表され、一般選考で横浜高校=金沢区能見台通=、「21世紀枠」で県立横浜清陵高校=南区=がそれぞれ選ばれた。

 横浜の選抜出場は6年ぶり17回目。昨年は夏の県大会で準優勝の後、秋に関東大会を制し、11月の明治神宮野球大会で27年ぶりに優勝した。選考委員から「総合力は全国トップレベル」と評価され、今大会の優勝候補に挙げられる。

 選出を受けて「春も優勝を目指すが、その中で夏に向けて成長できるように準備したい」と村田浩明監督。阿部葉太主将は「『頑張ってね』と声をかけてくれる地域の方たちのためにも、自分たちが甲子園の舞台で精一杯戦い抜いている姿を見せたい」と話し、2006年以来、4度目の選抜制覇を目指す。

21世紀枠 県勢初

 横浜清陵は春夏通して初の甲子園出場。県内の県立校が選抜大会に出場するのは1954年の湘南以来、71年ぶり。県内校が21世紀枠で出場するのは初めてとなる。

第一部で講師を務めるソフトバンク株式会社の池田昌人氏

かながわSDGsパートナーミーティング 2月6日にパシフィコ横浜で開催

 神奈川県主催による「かながわSDGsパートナーミーティング」が2月6日(木)、パシフィコ横浜で開催される「テクニカルショウヨコハマ2025」内の催しの一部として行われる。時間は午前10時15分〜午後4時20分。

 当日は三部構成で、第一部(午前10時15分〜11時55分)は、ソフトバンク株式会社CSR本部長/ESG推進室長の池田昌人氏と株式会社トビムシによる「SDGsセミナー」、第二部(午後0時10分〜午後1時15分)はSDGsの取組についての表彰式「みんなのSDGs表彰」や受賞企業による取組発表などが行われる。

 休憩を挟んだ第三部(午後2時〜午後4時20分)は、企業同士のマッチングの機会となる少人数の「意見交換会」を予定している。

 参加申込は不要。参加希望者はかながわSDGsパートナーミーティングの会場となるパシフィコ横浜展示ホール内セミナー会場にて受付(参加希望者は名刺2枚必要)を。

 問い合わせは、神奈川県政策局いのち・未来戦略本部室SDGs推進グループ【電話】045・285・0909へ。

金蔵院で節分追儺式 2月2日 午後4時から

 金蔵院=磯子区磯子=で2月2日(日)、毎年恒例の「節分追儺式」が行われる。午後4時から開催。豆まきは開始30分後から、2回に分けて実施される。昨年は約300人が訪れた。

 同院の眞田有快住職は「今年は例年とは異なり、日曜日に開催する。多くの地域の方々に豆を拾いに来ていただきたい」と話した。問い合わせは同院【電話】045・752・1741。

瀬戸神社で節分祭 2月2日 2時30分から

 金沢区の瀬戸神社で2月2日(日)午後2時30分から、節分祭が開催される。雨天中止。主催は瀬戸神社、共催に事業協同組合金沢八景共栄会。

 2時45分から境内で悪疫退散を祈念した「追儺御歩射式」、3時すぎから5回に分けて豆まきが行われる(当たり景品付)。恵方巻や金澤八味唐辛子、横浜金澤黒船石けんなどの出店も。

 問い合わせは同神社【電話】045・701・9992。

感謝状を受けた三島さん(左)と中村署長=磯子警察署提供

磯子警察署 横高生へ感謝状 行方不明者発見に貢献

 磯子警察署(中村高久署長)は1月14日、行方不明者の発見に貢献した三島瑛真さん(17)に感謝状を贈った。

 金沢区富岡西在住の三島さんは、横浜高校の2年生で野球部に在籍している。昨年12月12日、三島さんは練習後の帰宅途中にファミリーレストラン「ジョナサン京急富岡店」付近の路上で、額から出血して座り込んでいる高齢男性に遭遇。声を掛けると男性は氏名や転んで顔を打ったことを話したが住所を言えなかったことから、三島さんは119番へ通報して救急隊に引き継いだ。同署によると男性は磯子区在住で、認知症を患っており、行方不明者として手配されていた。三島さんの適切な対応によって早期発見につながったため、功績を称えて感謝状贈呈に至った。

 中村署長は「助けを求めることができない人もいる中で、声を掛けていただいた思いやりと行動力に感謝しています」と述べた。

昨年の豆まきの様子

森浅間神社で豆まき 2月2日に節分祭

 磯子区の森浅間神社で2月2日(日)、節分祭が開催される。

 年男・年女が行う豆まきは、午後1時30分と2時から境内で実施する。そのほかにも、森浅間神社神田囃子森保存会による囃子の披露なども予定している。

 問い合わせは同神社【電話】045・753・1840。

神奈川県 新なでしこブランド披露 2月1日マークイズMMで

 女性が開発に貢献した優れた商品やアイデアを県が認定する「神奈川なでしこブランド」事業。この新認定商品の認定式が2月1日(土)午後3時から、西区のマークイズみなとみらい1階グランドガレリアで開催される。

 認定商品の展示販売会やパフォーマンスは午前10時から午後4時30分まで。トークショー(午後2時15分から45分まで)では、女性の働き方研究所を運営する中山ゆう子氏が「自分らしい働き方」を語り、女性の活躍にエールを送る。問い合わせは同ブランド事務局【電話】045・210・5867。

磯子区・熊野神社 鳥居修復へ支援募る

 磯子区中原の熊野神社は、2024年8月に発生した神奈川県西部を震源とした地震によって損傷した鳥居を修復するために支援を募っている。

 鳥居は1936年に建立されたもの。地震の影響によって鳥居を水平に貫く「貫」の左側部分に亀裂が入った状態となり、現状では貫が落下しないように応急措置が施されている=写真。安全確保のために修復を計画しているが、多額の費用が必要と見込まれることから、支援を呼び掛けている。

 同神社の杉原博昭宮司は「鳥居は神さまのお鎮まりになる神域と人間世界を隔てる建造物としての役割を果たしています。引き続きその役割を担っていただけますよう、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます」と話す。

 問い合わせは同神社社務所【電話】045・771・6534。

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上野 孝 会頭

年頭所感 「Y★X」(横浜トランスフォーメーション)で新たな変革へ挑戦 横浜商工会議所会頭 上野 孝

 これまでの3年間を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症は再拡大の振れを伴いながら収束に向かい、徐々に経済社会活動の正常化が進んだと考えております。

 わが国経済は今、停滞から成長への転換点を迎えております。この好機にデフレマインドを完全に払拭し、自己変革によりイノベーションに果敢に挑戦して、持続的な「成長型経済」を実現することが急務です。しかしながら、地域の経済と雇用を支える中小企業は自助努力をはるかに超えた厳しい経営環境に立たされております。

 厳しい時期だからこそ、地域に密着し企業とともに活動する商工会議所の出番であり、その社会的な存在意義と使命が問われております。こうした認識から、私は今期の活動を進めていくにあたり「三つの基本目標」を設定いたしました。

 一番目は「GREEN×EXPO 2027の会員一丸となった開催支援と横浜の新たな飛躍を目指して」です。この催しは国家プロジェクトであり、横浜で初めて開催される国際博覧会です。開催効果が横浜全体に波及するよう、会員一丸となって開催協力・支援してまいります。さらに、跡地活用の推進等を通じて市内全域の活性化にも繋げていきたいと考えます。二番目は「人口減少に立ち向かう横浜の革新と飛躍を目指して」です。横浜商工会議所も、企業経営や街づくり等における諸課題や施策等を検討・提案することによって、横浜全体の新たな飛躍につなげていきたいと考えております。三番目が「経営基盤の強化を図るDX・GX・CXの先駆的推進を目指して」です。社会的課題の克服にチャレンジする中小企業を全国的にも先駆的に支援していこうという取組みでございます。

 そして、全体を包括するキャッチフレーズとして『横浜トランスフォーメーション(Y★Ⅹ:ワイエックス)の推進による新たな変革への挑戦』を設定いたしました。

 この三つの基本目標を達成するため、「六つの基本政策」、【1】「物価高騰や人手不足等による倒産の防止や事業継続のための(中小企業に対する)伴走型経営支援の強化」【2】「中小・中堅企業の成長段階に応じたきめ細かな経営支援の強化」【3】「GREEN×EXPO 2027の開催に向けた協力体制の強化」【4】「人口減少問題と企業経営の諸課題に関する施策検討と支援事業の展開」【5】「DX・CX推進やSDGs、カーボンニュートラル実現に向けた取組への支援強化」【6】「稼げる都市・横浜の創造を目指した多様な都市開発の推進、交流人口の拡大、観光産業の振興等による賑わいの醸成」を掲げています。

 このように、三つの基本目標とそれを達成するための六つの基本政策を展開することによって、『Y★Ⅹの推進による新たな変革への挑戦』を進めてまいります。

(以上、要旨。見出しは本紙)

参院選 立民 現職2人擁立へ 牧山氏と水野氏

 今夏の参院選神奈川選挙区(改選定数4)に立憲民主党がともに現職の牧山弘惠氏(60)と水野素子氏(54)の2人を擁立することを決めた。

 牧山氏は米国での弁護士活動などを経て、2007年の参院選に民主党から出馬して初当選。13年、19年と連続当選している。1月28日に県庁で会見を開き、「物価高への対策として、食料品の消費税ゼロを訴えていく」と語った。

 水野氏は宇宙開発事業団(現JAXA)に28年間勤務した後、22年の参院選で欠員議席分の5位で当選。28日に牧山氏と別に行った会見で、「日米地位協定の改正を進めることや先端技術による産業が元気な日本を作っていきたい」と述べた。

 2人が出馬することに牧山氏は「自分の政策を思い切りアピールする」、水野氏は「議員歴が短い自分がいかに頑張れるか」と語った。

横浜市内 2024年の火災件数は23年より減少も死者は増加 24人、過去10年で最多タイ

 横浜市消防局は1月17日、2024(令和6)年の「火災・救急概況(速報)」を発表した。火災件数は23年より減少したものの、死者は10人増の24人だった。全火災の出火原因は「たばこ」に代わり「放火」が最多となった。救急出動件数、搬送人員ともに3年連続で過去最多を記録した。

出火原因は放火が最多

 発表によると、市内で24年に発生した火災は678件で、23年と比べて55件減少した。

 出火原因で最も多かったのは「放火(疑い含む)」で115件。23年は1番目だった「たばこ」は23年比15件減の110件で2番目となった。3番目は84件の「こんろ」だった。

 住宅火災(290件)の出火原因は例年と同様、「こんろ」が最多で23年比7件増の65件。次いで「たばこ」が38件、「電気機器」が32件だった。

 テレビや掃除機などの電気機器、テーブルタップなどの配線器具を発火源とする「電気火災」は全火災のうち198件で、全体の29・2%。中でもリチウムイオン蓄電池に起因した火災は40件で、消防局の担当者は「近年増加傾向にある」と話す。モバイルバッテリーやスマートフォンなどに使われていることが多いリチウムイオン蓄電池は、強い衝撃に弱いため、「高いところから落下させた場合は、使用を控えてほしい」という。特に膨れていたり、充電中に異常な高温になった場合には、「速やかに使用を中止してほしい」と呼びかける。

火災による死者の8割が高齢者

 火災による死者(放火自殺を除く)は24人で、過去10年間で2016年と並んで過去最多。全員が「住宅火災」で死亡し、そのうち19人(79・2%)が65歳以上の高齢者だった。

 火災による負傷者は108人(23年比9人減)で、そのうち45人(41・7%)が65歳以上の高齢者。23年の32・5%よりも高齢者の割合が増えている。

 火災件数は減ったが、死者数が増えている要因について、同局の担当者は高齢化があると分析。「高齢者は煙の臭いに気付きづらい人が多い。また、足腰が弱っていて逃げるのに時間がかかる人もいる」と話し、今後も高齢化が進むため、火災による死者、負傷者で高齢者の割合が高い傾向は続くとみている。

日頃から整理整頓を

 同局の担当者は出火原因1番目の「放火」に対しての備えとして、「自宅の屋外に余計なものを置かないこと」を挙げる。ごみ袋や使わないものなどを屋外に放置していると、放火犯に目を付けられやすくなるという。

 また、火災が発生した場合、速やかに避難するためには「自宅内も整理整頓してほしい」と同担当者。安全な避難ルートを確保できるだけでなく、リチウムイオン蓄電池が発火しても、周囲に燃え移るものがなかったため、被害が拡大せずに済んだケースもあったという。「日頃からの整理整頓が大事」と呼びかけている。

■過去10年間の救急出場件数・搬送人員の推移

横浜市内で2024年 救急出場、搬送人員ともに3年連続で最多更新 消防局「火災・救急概況」発表

 横浜市消防局は1月17日、2024(令和6)年の「火災・救急概況(速報)」を発表した。救急出場件数は25万6481件で23年を1845件上回り、過去最多を記録。2分3秒に1回救急車が出場し、市民15人に1人が救急車を利用したことになる。

 搬送人員は23年を2501人上回る20万7472人で過去最多。救急出動件数、搬送人員ともに3年連続で過去最多を記録した。

救急出場、1日あたり701件

 1カ月当たりの平均救急出場件数は2万1373件で、23年から153件増えた。月別では7月が最も多く、23年を288件上回る2万5442件。次いで12月が2万4857件、1月が2万3192件だった。消防局の担当者によると、熱中症や感染症の流行時期に救急要請が多くなったという。

年代別では高齢者だけ増加

 年代別に搬送人員を見ると、新生児・乳幼児から65歳未満までは減少している一方、65歳以上の高齢者は23年から6212人増えて12万1349人だった。

 事故種別別の出場件数は、「急病」が最多で18万580件で前年から1302件減少。次いで転倒・転落、やけど、熱中症などの「一般負傷」が4万6939件で前年から2163件増えた。

 搬送人員で高齢者だけが増えていること、一般負傷が増えていることについて担当者は、どちらも「高齢化社会の影響」と分析。高齢者は転倒しやすかったり、体温や室温の変化に気付きにくい人が多いため、「今後も社会の高齢化が進み、同様の傾向が続くと見込まれる」と話す。

迷ったら「救急受診ガイド」か「♯7119」

 出場件数が増加すると、現場から遠い救急車が出場することが増え、一分一秒を争う現場への到着が遅れる恐れがある。救急車を必要な人が必要な時に安心して利用できるよう、消防局は適時・適切な利用を呼びかけている。

 同局はパソコンやスマートフォンから緊急性や受診の必要性を確認できる「横浜市救急受診ガイド」(「横浜市救急受診ガイド」で検索)の利用を推奨。当てはまる症状などを選択してクリックしていくと、すぐに救急車を呼ぶべきか、何かを受診すればいいかなどの結果が表示される。

 電話で「♯7119」にかけると、かながわ救急相談センターにつながり、「救急受診できる病院・診療所」、「今すぐに受診すべきか救急車を呼ぶべきか」をオペレーターと直接、相談できる。

 市は「あんしん救急―知って予防!救急車―」というキャッチフレーズで、救急資源の有効利用の啓発を行っており、日頃の備えや困った時の相談先などまとめた同名のリーフレットを消防署や区役所などで配布している。

親子でスポーツ体験「かなざわ Let's パーク」 2月2日に金沢区のビアレヨコハマで

 親子でいろいろなスポーツを楽しめる「かなざわ Let's パーク」が2月2日(日)、金沢区のビアレヨコハマ新館2階で開催される。午後1時から4時30分。事前予約不要、入場・体験無料。雨天決行。

 5人制の手打ち野球「ベースボール5」 やピックルボールのほか、野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール、モルック、ボッチャなどのスポーツを体験できる。

 主催はMIRATOBI。問い合わせは【電話】070・8363・4520。

 

逮捕術の演武を披露する署員

磯子警察署 逮捕術や剣道、柔道の訓練成果を武道始式で公開

 磯子警察署(中村高久署長)は1月21日、武道始式を同署4階の道場で実施した。

 武道始式は、柔道や剣道などの署員の訓練成果を地域に披露する新年の恒例行事。会場には警察や地域関係者、来賓など約100人が集まった。演武では最初に剣道と柔道の団体試合、続けて特別訓練員による柔道の五人掛けを実施。さらに、逮捕術の演武も行われ、署員たちは徒手や警棒、短刀などを使い、犯人を安全に取り押さえるための技術を観衆に披露した。

 式を終えて中村署長は「本日披露した気力・体力を遺憾なく発揮して、皆様が笑顔で暮らせる地域社会を実現するため、署員一同職務にまい進してまいります」と話した。

喜びを爆発させる横浜の部員(上)と野原監督を中心に集まる横浜清陵の部員

高校野球 センバツに市内2校 6年ぶりの横浜、初の清陵

 3月18日から甲子園球場で行われる「第97回選抜高校野球大会」の出場32校が1月24日に発表され、一般選考で横浜高校=金沢区=、「21世紀枠」で県立横浜清陵高校=南区=がそれぞれ選ばれた。戦後の選抜大会に横浜市内から2校が選ばれたのは、2019年に横浜と桐蔭学園=青葉区=が出場して以来、6年ぶり7回目。

優勝候補の名門

 横浜の選抜出場は6年ぶり17回目。昨年は夏の県大会で準優勝の後、秋に関東大会を制し、11月の明治神宮野球大会で27年ぶりの優勝を果たした。今大会では優勝候補に挙げられる。

 阿部葉太主将は「『頑張ってね』と声をかけてくれる地域の方たちのためにも、自分たちが甲子園の舞台で精一杯戦い抜いている姿を見せたい」と話し、06年以来、4度目の選抜制覇を目指す。

21世紀枠 県勢初

 横浜清陵は春夏通して初の甲子園出場。県内の県立校が選抜大会に出場するのは1954年の湘南以来、71年ぶり。

 21世紀枠は、困難な練習環境を克服しているなどの学校を選出するもの。県内校が21世紀枠で出場するのは初めて。

 野原慎太郎監督は「喜びより使命感を強く感じる」と話し、「今日も甲子園に向けた大事な一日」と監督から言葉をもらった選手は、いつも通りの練習に励んだ。

親と子の健康応援ひろば  金沢区のビアレ横浜で2月9日に開催

 「親と子の健康応援ひろば」が2月9日(日)、金沢区並木の商業施設「ビアレ横浜」の新館2階で開催される。午前10時から午後4時。

 「ママのがん検診応援プロジェクト」と「おとなもこどもも楽しみながら、健康になれるイベント」が7つのエリアで同時開催。子宮頸がんをテーマにした「お話し会」は午前11時から正午。参加無料。要予約制で先着30人。「マザーキラー」の異名を持ち、30代が好発年齢とされる子宮頸がんについて、横浜市立大学副学長で、婦人科のがんの専門家として30年以上のキャリアを持つ宮城悦子氏が話す。

 ほかにも、アロマでハンドクリームやバスボム作り、横浜市立大学看護生命科学領域ゼミ「地域と大学をつなぐ健康HAMAぷらっとフォーム」による皮膚測定会、乳がんしこりチェッカー体験、メディカルAIアシスタントと健康相談実演、子育て相談、縁日やプレイパークも。申し込みや詳細は【URL】https://mama-kenshin.com/female/で確認を。

 問い合わせは主催の一般社団法人シュフレ協会【電話】0120・72・1010(月曜から金曜午前9時から午後6時)。

 

会見で発言する山中竹春市長

中居さん女性トラブル フジテレビと連携協定結ぶ横浜市の山中市長「状況を注視したい」 消防局がドラマ撮影に協力

 タレントの中居正広さんの女性トラブルにフジテレビ社員が関与していた疑いが報じられた件に関連し、フジテレビと連携協定を結んでいる横浜市の山中竹春市長は1月22日の定例会見で「今後の状況を注視していきたい」と述べた。

 市とフジテレビは2024年11月に連携協定を締結。協定に基づき、市消防局が撮影に協力している消防司令センターを舞台にしたドラマ「119エマージェンシーコール」が1月13日から放送されている。

 会見の中で山中市長はフジテレビへの対応について聞かれ、「市として特段のアクションを起こしたことはない。今後、状況を注視していきたい」と述べた。さらに、「(ドラマが)市消防局の業務の理解につながるものとして、SNSなどの発信を続けてきた。しかし、それがあまり許容されない状況になるのなら、対応を考えたい」と語った。

横浜ビー・コルセアーズ オールスターで2選手が対戦

 Bリーグのオールスターゲームが1月18日・19日に千葉県で開かれ、「Bリーグアジアライジングスターゲーム」に横浜ビー・コルセアーズ(BC)からキング開選手=写真左=とキーファー・ラベナ選手=同右=が出場。試合はキング選手が3ポイントシュート7本を決めるなど25得点の活躍を見せ、若手選手が集まる「Bリーグライジングスターズ」の勝利に貢献した。

 試合後のインタビューで2人は対戦を楽しんだと笑顔で振り返りつつ、シーズン後半戦へ向けての応援を呼び掛けた。横浜BCは2月にアウェーで千葉ジェッツと京都ハンナリーズと対戦後、3月1日・2日にホームの横浜国際プールでサンロッカーズ渋谷を迎える。