川崎区・幸区版【1月31日(金)号】

川崎市公立学校 体育館の空調整備へ 市議会、全会一致で可決

 猛暑による熱中症対策や防災拠点となる避難所の安全を確保しようと、川崎市議会は先月、公立学校の体育館などへの空調設備の整備促進を求める決議案を全会一致で可決した。国も整備に向けた財政支援の拡充を表明。市内の学校体育館への設置率は約5%にとどまっており、状況改善に期待がかかる。

 地球温暖化などの影響で夏の猛暑が深刻さを増す中、市は2021年度までに、全ての公立学校の体育館に「冷風扇」を配置するなどの熱中症対策を講じた。しかし、より快適な環境を求める市民の声は根強い。そこで市議会は、子どもたちや避難者の安全確保を目的に、第4回定例会で学校体育館への空調設備の整備促進を求める決議案を全会一致で可決した。

設置率は約5%

 教育現場では近年、空調設備の整備が急速に進み、昨年9月時点の市内公立小中学校の設置率は、普通教室が100%、特別教室が約98%となっている。一方で、学校行事や部活動などで使用する体育館等については、全国平均が約19%のところ、約5%にとどまる。

 現時点で空調設備が設置されている体育館は、中学校3校と特別支援学校3校、工事中1校の7校。換気上の問題や、障がいのある児童生徒の体温調節への配慮から整備された。市教委の担当者は「普通教室の整備を最優先課題として取り組んできたため」と全国平均を下回る理由を話す。

費用面に課題

 地域の学校は、防災拠点としての役割も担う。それでも空調設備の整備が進まないのは、費用面が課題の一因となっているからだ。体育館は床面積が広いため熱効率が悪く、断熱対策にも多額の費用が掛かるという。

 国も令和6年度補正予算で新たな臨時特例交付金を創設し、体育館への空調設備の整備を後押しする。補助制度については市議会でも議論され、市は「算定割合が2分の1、対象期間は令和15年度までと示された」と答弁。次年度予算案に向けた重要課題の一つとして検討するとしている。

市長らを乗せて出発するバス

川崎市・自動運転バス 実証実験がスタート 27年度の実装を目指す

 川崎市は1月27日、路線バスによる自動運転の実証実験を開始した。ルートは、羽田連絡線「大師橋駅(川崎区大師河原)〜天空橋駅(東京都大田区)」、川崎病院線「川崎駅〜市立川崎病院」までの2ルートで、都県をまたいでの実証実験は全国で初。運転手不足による路線バスの減便解消に向け、2027年度中にドライバーが不在の中でも自動で運転する「レベル4」の実装を目指す。

 今回の実証実験は、特定地域でシステムが周辺環境を認識し、ドライバー不在で走行する「レベル4」の実装に向けて行われるもの。事業主体は川崎市、運行主体は川崎鶴見臨港バス(株)が担い、8社が協力企業として参画している。

 期間は、羽田連絡線(走行距離約4・4Km)は1月27日〜30日、2月4日(火)〜7日(金)、川崎病院線(約1・3Km)は2月1日(土)、2日(日)。羽田連絡線は、運転手が乗車し、車両走行中にハンドル操作や加減速操作をシステムで行うレベル2(一部区間は手動)で行い、車両側で信号情報を取得しながら走行する信号連携を検証する。川崎病院線は、運転手がすべての操作を行い、センサー類を起動しながら走行データを蓄積。自動運転バス車両を多くの人に見てもらうことで認知度をあげることを目的としている。また、交通量が多く、大型車の走行、路上駐車が多い都市部で実証実験を行うことで、自動運転の走行に与える影響の検証も行う。市の担当者は「自動運転レベル4の実装に関するノウハウを全国に展開する『川崎モデル』の構築に向けた一歩にしたい」と力説する。

 実証実験期間中、一般の試乗も可。事前予約制で先着順。市ウェブサイトで受け付けている。

バス減便対策に

 実証実験の背景には、バスの運転手不足による路線バスの減便が挙げられる。市によると、市内の人口が年々増加しているのに対し、バス便数は運転手不足の影響から、18年の1万2400便(1日)をピークに、23年は1万100便(1日)と、一日当たり2300便減少している。10年後には、現状よりも3割程度運転手が減少する見込みだという。

 そうした交通課題の解決策として、150万人が暮らす政令市で、川崎市は国や警察、事業者らと連携して取り組んでいく。また市では、今後、得られた知見やノウハウを生かし、他のバス路線への導入、臨海部における自動運転をいかしたまちづくりにつなげていく意向だ。

走行「ストレスない」

 1月27日に、川崎生命科学・環境研究センター(川崎区)で行われた出発式で、福田紀彦市長は「運転手不足によるバスの減便から地域の足をしっかり守っていくためには、最新の技術を駆使して補っていく世界観をいち早く作っていかなければならない」と話した。殿町小学校5年生がSDGsについて学習する中、自動運転バスについての探求、その結果を発表した。

 その後、福田市長をはじめ、関係者らは天空橋駅まで試乗。福田市長は「スピードは35Kmくらいでストレスなく乗れた。車線またぎや、カーブもスムーズで技術の高さに驚いた。センシティブにブレーキがかかることもあったが、こういうことを検証の中で微調整していく。27年度までにレベル4を実現させたい」と乗車の感想を話し、展望を語った。

#かわさき推しメシでグランプリを受賞した「ブラッスリーほっぺ」のオーナー 大森 達也さん 幸区南加瀬在住 60歳

「味は真心」から作る

 ○…「ブラッスリーほっぺ」では文字通りほっぺたが落ちるほどおいしい洋食と、心地よい音楽が楽しめる。「お腹いっぱい食べて、楽しい音楽を聴いて、また来たいと思ってほしい。盛りすぎちゃうのが玉にきずだけどね」と笑う。名物の「よくばりベーコンナポリタン」は今年、かわさき推しメシのグランプリを受賞。「以前準グランプリだったので、結果を求めた」と語るように見事栄冠に輝いた。

 ○…店名の「ブラッスリー」はフランスの「レストラン・ビストロ・ブラッスリー・カフェ」の等級の中の一つ。かしこまらずに気軽に来てほしいという願いが込められている。2010年にオープンし、今年で15年目。「ありきたりな言い方になるけど、やっぱり料理を作っておいしいと言ってもらえるのが一番かな」。奇抜なモヒカンと強面な見た目とは裏腹に、笑顔が印象的だ。

 ○…中原区市ノ坪出身。母が開いた定食屋の手伝いや弟の食事の面倒を見るうちに、いつしか料理の道へ。料理学校を卒業後、先輩のつてをたどって六本木のフレンチレストランに入ったのは20歳の時だった。その後いくつかのレストランを経て、地元川崎へ。この土地に根差し、地域の人に喜ばれる料理を提供したいとの思いから、洋食店を開いた。

 ○…クレイジーケンバンドの大ファンで、歴は20年以上。メンバーとの親交も深く、演奏をしに来てくれたり、ランチを食べに来ることもあるいう。「でも(横山)剣さんはまだだから、来てくれたら壁にでっかくサインを書いてもらうつもり」と冗談めかす。その壁には「味は真心」というモットーが掲げられている。フレンチで鍛えた料理の腕をふるって、今日も真心を込めた一皿を作る。

一日署長を務めた井上京子さん(中央右)ら

川崎南税務署 一日署長に井上京子さん 納税大切さPR

 川崎南税務署と関係民間団体は1月24日、JR川崎駅東口広場で女子プロレスラーの井上京子さんを一日税務署長に任命し、「消費税完納・オンライン手続推進キャンペーン」を実施した。

 同キャンペーンは消費税の期限内納付と、キャッシュレス納付などのオンライン税務手続の周知を目的としたもの。一日税務署長に任命された井上京子さんは「昨年から2回目の任命となり、大変うれしい。いつもはリングの上から元気を届けているが、今日は直接街の人と触れ合って、しっかりと責務を果たしたい。自分も飲食店を経営しているので、期限内に税金を納めることは意識している」と語った。

 当日は井上さんが代表を務めるワールド女子プロレス・ディアナ所属の選手らも参加。税務署職員の案内に従って「スマホ申告」を体験した。Himikoさんは「歳を重ねた私にも簡単にできた。苦手意識のある人もどんどん活用してほしい」と呼びかけた。

 体験会後は川崎駅前と銀柳街でキャッシュレス納付に関するチラシを配布し、啓発に努めた。

映画の案内チラシ

平和のつどい 「被爆ピアノ」を上映 2月22日 市平和館

 川崎市民平和のつどいが2月22日(土)、川崎市平和館(中原区)で行われる。午後2時から映画『おかあさんの被爆ピアノ』を上映。主催は同実行委員会。

 原爆が投下された広島で、奇跡的に焼け残った被爆ピアノ。その音色を全国に届けている調律師・矢川光則さんの実話をもとに、佐野史郎さんと元AKB48の武藤十夢さんがダブル主演で描くヒューマンドラマだ。主催者は「戦後79年が過ぎ、世代が変わる中でも平和の大切さを考え、語り継ぐ必要がある」と参加を呼び掛ける。

 先着200人。入場無料、申し込みは二次元コードもしくは川崎市教職員組合【電話】044・433・9101。

来場を呼び掛ける板橋さん

川崎市市制100周年 コンサートで祝福 韓国・市民音楽団、桜本で

 韓国・富川(プチョン)市の市民音楽団「ウマクノリト」が2月2日(日)、川崎区桜本の社会福祉法人青丘社・みんなの家(在日大韓基督教会川崎教会内)で川崎市市制100周年を祝福するコンサートを開催する。

 同楽団はプロとアマチュアの混成で結成。プチョン市民ミュージカル団芸術監督のイ・サンギョルさんが代表を務める。昨年5月、草の根交流を図る「川崎・富川市民交流会」が富川市を訪れ、歓迎会の席で同楽団が歌声を披露。同楽団が川崎を訪問してミュージカル公演を行いたいと希望していたことから、同会と川崎地方自治研究センターが来日を支援した。2月1日(土)には麻生区の市制100周年イベントに出演。2日に在日コリアンが集住する桜本での音楽交流が実現することになった。川崎地方自治研究センター理事長で川崎・富川市民交流会の板橋洋一さんは「音楽に触れつつ、親睦を深めてもらいたい。川崎市100年の歴史の中に両都市の結びつきがあることを知ってもらえれば」と多くの来場を呼び掛ける。

 開催当日の曲目は、創作ミュージカルから「トダンドン(陶唐洞)の夜」「オ・ソレ・ミオ」「月の光ハウス」、韓国童謡「故郷の春」「兄を想う」、讃美歌「アメージンググレース」を予定。時間は午後1時30分から2時30分まで。入場料は無料、定員は当日先着100人。問い合わせは、川崎地方自治研究センター【電話】044・244・7610。

体操講座で健康に

 住民活動の交流拠点である塚越の陽だまり(幸区塚越)は、2月4日(火)午前10時半〜正午、しゃんぐりら地域包括支援センター(同区東小倉)を講師に、体操や脳トレ、工作などを行う「しゃんぐりら講座」を開催する。

 今回は「介護予防健康体操 ヘルシーをやみつきに。体操は愛だ。」をテーマに実施。定員10人。申し込みは事前に同所【電話】044・555・6606。

「放課後の居場所」意見募集 川崎市 2月28日まで

 川崎市は「放課後等の子どもの居場所に関する今後の方向性」(案)に対する意見を市民から募集している。

 市では、放課後などにおいて子どもが安全・安心に過ごすことができる居場所づくりを推進する。今回の案では、さらなる充実に向けて、居場所づくりに関する基本的な考え方や取り組みの方向性などを具体化することを目的に策定した。

 資料は川崎市ウェブサイトのほか、市こども未来局青少年支援室、各区役所などの市政資料コーナー、各図書館などで閲覧可能。募集期間は2月28日(金)まで。提出方法などの詳細は市ウェブサイトへ。問い合わせは市こども未来局【電話】044・200・1425へ。

緑化フェア春開催に向け 「体験型ガーデン」面白く 企業関係者などアイデア

 全国都市緑化かわさきフェアの春開催に向け、等々力会場で制作予定の「アクティブガーデン」に関する「オフサイトミーティング」が1月16日、等々力緑地(中原区)の等々力陸上競技場内で開催された。多様な業種から37人が集まり、活発な意見交換が2時間近く続いた。

 全国都市緑化かわさきフェア(緑化フェア)の秋開催では、メイン会場の一つである等々力会場で、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の五感を使って植物を楽しみつくす体験型ガーデン「アクティブガーデン」を実施した。大好評だったことから、市では3月22日からの春開催でも「アクティブガーデン」を実施する予定という。より面白い企画にするため、民間企業や大学関係者などからランダムに意見を聞く「オフサイトミーティング」を開き、アイデアや意見を募った。

 参加者はまず視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の5つのグループに分かれ、市の担当職員の進行のもと、主題の「感覚」を使って楽しめる体験型ガーデンについて考え、共有した。「味覚」に参加した「スターバックスコーヒージャパン」チームは、「コーヒーかすを使ったコンポスト」を提案。「嗅覚」に参加した男性からは、「ニオイザクラなど、視覚障がい者の人たちも楽しめる植物を植えてはどうか」という問題提起もあった。

 約2時間のミーティングで、各グループごとに100以上のアイデアと意見が集まった。市は今後、これらのアイデアや意見をガーデン制作チームと共有し、実施の可能性について検討していくという。

虐待への支援学ぶ 幸区で講演会

 幸区役所と区内の子育て支援団体で作る幸区こども総合支援ネットワーク会議は、2月1日(土)午後2時〜4時、区役所4階会議室で「心のケアと支援の輪〜虐待を防ぐコミュニティの力〜」と題した講演会を開く。

 虐待をしてしまう親とその子どもへの理解を学ぶ。講師は社会福祉法人子どもの虐待防止センター相談員の龍野陽子氏。対面またはオンライン(Zoom)で参加可。左記二次元コードから事前申し込み制。詳細は地域ケア推進課企画調整係【電話】044・556・6703。

「ものがたりをめぐる物語」 風土と人の関係性を問う 宮前市民館で映画上映会

 川崎を拠点に映画制作を続ける「ささらプロダクション」(宮前区)の新作「ものがたりをめぐる物語」の上映会が、2月8日(土)に宮前市民館で開催される。由井英(すぐる)監督の故郷である長野県諏訪市の伝承と諏訪湖で続く神事を起点に、「人間と風土」の関係性を現代人に問いかける作品だ。

 「ものがたりをめぐる物語」は、心理学者の河合隼雄さんや神話学者のジョセフ・キャンベルさんの著作に刺激を受けた由井監督が、地域に伝わる物語を通じて日本人の心象風景に迫ろうと、15年ほど前に企画。当初は故郷の諏訪市のみで撮影する予定だったが、2011年に東日本大震災が発生したため、諏訪大社の末社のある岩手県陸前高田市も訪ね、復興の過程を撮影した。

 作品は「昔に戻りたいわけではない」というナレーションで始まり、諏訪大社の縁起物語といわれる神話「甲賀三郎伝説」を軸にすえ、「思索の旅」のように展開する。諏訪湖で約500年続く神事「御神(おみ)渡り」のいとなみや東日本大震災の被災地で生きていく人々の日常などを、訪ね歩くようにカメラがとらえ、伝承や神話の「語り」を交えつつ、風土と現代人のかかわりへと問いを投げかける。

 作中、川崎市が工業都市へと変貌する過程も登場する。由井監督は、「物語の奥にある日本列島の風土と私たちの関わりについて、この映画を観る方々と一緒に読み解きながら、それぞれがこれからの暮らし方を思い描く時間にしてもらえたら」と語る。

 前売り券2200円、当日券2500円。当日は午前中に前作「オオカミの護符」を上映。「ものがたりをめぐる物語」の上映は午後1時40分〜3時55分(途中休憩あり)。上映後、観客とのトークセッションなどがある。詳細は二次元コードから。

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川崎ファクトリーで 歌とアートライブ 参加体験も

 「川崎ファクトリー」(渡辺治建築都市設計事務所内/川崎区鋼管通)で2月8日(土)、アートライブパフォーマンスが開催される。主催は同設計事務所。

 「森に入る」をテーマに、声楽家の上杉麻子さん=写真左=とアートパフォーマーのNoriko Mazda Kura(ノリコ マツダ クラ)さん=写真右=がコラボパフォーマンスを披露。希望者は一緒にアート体験もできる。また、公演後には交流会も実施する。「アート体験参加希望者は汚れても良い服をご持参ください」と主催者は語る。

 料金は1000円(高校生以下は500円)からの投げ銭。開催時間は午後3時から。交流会は5時から。

 問い合わせは同ファクトリー【電話】044・344・3640。

市政報告を行う渡辺市議

「福祉切り捨て」を批判 渡辺市議が主張

 幸区選出の渡辺学市議(共産)は1月19日、市産業振興会館で開かれた同党幸区後援会主催の新春の集いで講演。「福祉の増進どころか、福祉そのものを切り崩し壊している」と福田市政を批判した。

 物価高騰による生活苦に対する川崎市独自の支援が全くないとも指摘。介護報酬引き下げによる減収分をめぐり、新潟県村上市が独自に補助することを決めたことを紹介し、介護職の処遇改善を訴えた。臨港道路東扇島水江町線など大規模開発に多額の税金をつぎ込んでいるとも批判。「市民のための政治」が必要との認識を示した。

藤田佳子氏

パネルシアターを学ぶ 2月22日 市役所本庁舎で

 パネルに布を貼った板の上で主人公などを自由に動かしながら演じるパネルシアターの入門講座「はじめてのパネルシアター」が2月22日(土)、川崎市役所本庁舎復元棟2階201会議室で開催される。主催は市立川崎図書館と読み聞かせ協働団体「おはなしの花」。

 クイズやゲームなど自由に楽しみながらシアター作りに挑戦する。講師は淑徳大学客員教授でパネルシアター教育研究会代表の藤田佳子氏。同図書館担当者は「学校などでの読み聞かせボランティアを始めたい方、ぜひご参加ください」と呼びかける。

 開催時間は午前10時から午後3時30分。定員は大人先着15人。費用は600円(材料費)で当日支払い。申し込みは同図書館へ電話(【電話】044・200・7011)もしくは直接。

無量院の本堂へ一斉放水する消防士ら(幸消防署提供)

文化財を守れ 幸区・無量院で消防訓練

 1月26日の文化財防火デーに合わせ、幸消防署は無量院(幸区小倉)で1月27日、文化財を火災から守ることを目的とした消防訓練を行った。

 文化財防火デーは1949年1月26日に法隆寺金堂壁画が焼損したのを機に、1955年に定められた。同寺では川崎市重要郷土資料に指定されている庚申塔(石灯籠)が保存されている。

 訓練では同寺関係者が119番通報と初期消火、本堂にある保管品を搬出する模擬訓練の後、消防士と消防団が駆け付け、一斉放水を行った。

 幸消防署の永岡敦司署長は「今後も訓練を継続し、地域住民にも地域の宝として文化財に関心を持ってもらい、災害から文化財を守っていくことが大切」と話した。

川崎区の訓練で飛来する「そよかぜ」

川崎、幸で総合防災訓練 各種訓練の体験など

 川崎市は区ごとに年2回、区総合防災訓練を実施している。

 川崎区では2月1日(土)、大師小学校(川崎区東門前)で行う。川崎消防航空隊のヘリコプター「そよかぜ」が上空に飛来するほか、煙体験や地震体験訓練、消火・放水訓練などを予定。また、レスキュー隊が実施するロープ渡過訓練体験ができるブースもある。景品がもらえるスタンプラリーなど子どもが楽しめる企画も。

 午前10時〜11時30分。詳細は川崎区役所危機管理担当【電話】044・201・3327へ。

 幸区は2月9日(日)、御幸小学校(幸区遠藤町)で実施。応急救護訓練や災害時の給食体験、口腔ケア訓練や災害用トイレ組み立てなどを予定。各種車両の展示やクイズラリーもあるので親子で楽しめそうだ。

 午前9時〜11時。問い合わせは幸区役所危機管理担当【電話】044・556・6622へ。

動物園のニホンザル(参考)

サルやイノシシ出没 「刺激は禁物」 川崎市が注意喚起

 川崎市内で年末年始にイノシシやサルの出没が続いた。イノシシは昨年12月7日から17日、サルは今年1月6日から9日にかけ、市街地での目撃情報が相次いだ。以後は情報が途絶えているが、市は「もし遭遇しても絶対に刺激しないように」と注意喚起している。

 イノシシは、昨年12月7日、多摩区菅稲田堤1丁目での目撃情報に始まり、多摩区内で連日「イノシシを見た」という情報が多摩警察に寄せられ、12日には麻生区、13日には宮前区でも目撃された。17日午後に麻生区王禅寺西7丁目を最後に、市内の情報は寄せられていないという。

 一方のサルは、1月6日に多摩区内で「サルを見た」という110番通報が相次ぎ、翌7日には多摩区と高津区、中原区で、左手のないサルが目撃されている。

 市の動物愛護センターの金子亜裕美所長によると、サルはたびたび市内に出没したが、「イノシシが市内で確認されたのは初めてではないか」という。「サルは電柱や屋根を伝って動くので人に遭遇せず長い距離を移動できるが、イノシシは地面を歩いて移動する。市街地に出没することは想定外だった」と話す。

 冬はイノシシ猟が解禁されており、丹沢や奥多摩に生息する個体が駆除から逃れて多摩川沿いに移動した可能性などが推察されるという。

 金子所長は、「イノシシは道を開けてやり過ごせば危害は加えないが、興奮すると敵を失血死させるほど攻撃的で危険な動物。サルでもイノシシでも、目撃しても接近して撮影するなどの行動はとらないでほしい」と呼び掛けている。

李さんの話に耳を傾ける参加者

桜本で学習会 どぶろく闘争紹介 識者、在日への差別言及

 戦後復興期における、在日コリアンの生活権をめぐる闘いをテーマにした全3回の学習会が川崎区桜本の社会福祉法人青丘社「みんなの家」(在日大韓基督教会川崎教会内)で開かれている。

 第2回は「いのちをつないだドブロクをめぐる闘い」と題し、東京経済大学専任講師の李杏理(リヘンリ)さんが登壇。李さんは、終戦直後の在日コリアンの失業率が66・9%で完全失業状態の数が日本の労働者の6・5倍だったと説明。在日1世、2世の証言を交えながら雇われ先がない中、生きる糧としてどぶろくづくりが始まった歴史を紹介した。

 1947年6月の「川崎事件」を契機に、酒税法班は主として朝鮮人との認識が法執行者の間で共有されたと指摘。その後の大舘、静岡高松などの朝鮮人コミュニティーが「集団的密造」の捜査対象となり、民族的属性が酒税法の根拠とされたと述べた。李さんは国籍、民族的出自などに基づき捜査対象を選別する「レイシャル・プロファイリングに位置付けられる」とも指摘した。

 学習会は、川崎在日コリアン生活・文化・歴史研究会が主催。同会代表の山田貴夫さんは「戦後の在日コリアン史を知る上でもどぶろくをめぐる闘いは重要」と強調する。第3回は「在日朝鮮人 社会保障からの排除〜生活圏獲得闘争をめぐって〜」をテーマに2月8日(土)、同所で学習する。講師は敬和学園大学准教授の金耿昊(キムギョンホ)さん。午後2時開演。申し込みは専用フォームから。

よくばりベーコンナポリタンを手にする大森さん(本人提供)

#かわさき推しメシ GP受賞 ナポリタン語る ほっぺ 大森店主

 川崎市内飲食店の自慢の一品から市民投票や料理研究家などによる実食審査会でグランプリを決める「#かわさき推しメシ」。昨年12月に最終審査が行われ、一般部門でブラッスリーほっぺ(幸区鹿島田/大森達也店主=人物風土記で紹介)の「よくばりベーコンナポリタン」がグランプリに輝いた。

 ナポリタンは創業時からのメニューだが、「よりインパクトのある一品にしようと、大きなベーコンをのせるなどして改良した」と大森店主。トマトの酸味が少なく、まろやかな味わいが特徴だ。川崎産の野菜も使用されている。

 大森店主は「応援してくれたお客様や家族に感謝したい」と話した。

川崎市役所

結核の集団感染が発生 発病者6人、感染者7人

 昨年4月に市内在住の男性が結核と診断され、川崎市が接触者検診などを実施した結果、この男性とは別に結核の発病者6人、感染者7人の集団感染が確認された。これを受けて市は1月23日、厚生労働省に「集団感染事例」として報告した。

 市によると、市内在住の20代の男性(学生)が、2021年4月ごろから咳症状が続いていたため翌年8月に市内の医療機関を受診したところ、咳ぜんそくの疑いと診断された。しかし咳がおさまらず、11月に同じ医療機関を受診。気管支ぜんそくの診断を受け、薬を処方されたが、咳や鼻水、のどの痛みなどが続いたため、24年1月に再受診。4月に再び受診のうえ胸部エックス線検査や喀痰(かくたん)検査を実施した結果、最終的に「肺結核」と診断されたという。

 これを受けて保健所が感染経路の特定や接触者の検診などを進めたところ、発病者6人と感染者7人が特定された。すでに全員が適切な治療を受けており、感染拡大の恐れはないという。

 市によると、日本では年間約1万人が結核を発症しており、市内でも毎年130〜150人ほど報告されている。市の担当者は「2週間以上続く咳や痰など、気になる症状があるときは、早めに医療機関を受診してほしい」と呼びかけている。

高橋会長(左)と小倉充子(あつこ)園長

「日吉ファースト」へ 地元商連が賀詞交歓会

 小倉商栄会、南加瀬中央通り商和会、南加瀬原町商店会、谷戸福栄会でつくる日吉商店街連合会は1月22日(水)、AIRBICラウンジ(幸区新川崎)で賀詞交歓会を開いた。

 各商店会の会長や会員、幸区選出の市議や県議等が参加。主催者あいさつで同連合会の高橋正会長は「お客様が振り向いてくれるように、まずは自分たちが表に出て、日吉のことを第一に考えて今年も頑張りたい」と新年の抱負を語った。

 会の中では同連合会から夢見ヶ崎動物公園へ目録(4万円)が贈呈された。同連合会が同動物園内で飲食の提供や雑貨の販売を行う「ゆめみ車マルシェ」の収益の一部が寄付され、動物たちの餌代などに役立てられる。

参加無料 知っておきたい、令和の相続 2月20日、新横浜でセミナー

 近年大きな変革があった相続税・贈与税制-。相続税に特化したランドマーク税理士法人では、その内容と令和7年の税制改正についての特別セミナーを、2月20日(木)に開催。午後2時から3時まで。セミナーテーマは『令和7年度税制改正と不動産の相続問題』。

 「相続税についての理解を深め、早めの対策を進めていきましょう」と講師の清田幸佑さん。終了後、希望者には個別相談も(要予約)。

 参加無料。会場は同社新横浜セミナールーム(新横浜駅1分)。申込・問合せは【電話】03・6269・9996まで。

神奈川県 新なでしこブランド披露 2月1日(土) マークイズMMで

 女性が開発に貢献した優れた商品やアイデアを県が認定する「神奈川なでしこブランド」事業。この新認定商品の認定式が2月1日(土)午後3時〜、マークイズみなとみらい(横浜市西区)で催される。

 認定商品の展示販売会やパフォーマンスは午前10時〜午後4時半。トークショーでは、女性の働き方研究所を運営する中山ゆう子氏が「自分らしい働き方」を語り、女性活躍にエールを送る。

 問い合わせは、同ブランド事務局【電話】045・210・5867へ。

ユニフォームを着る家長昭博選手

GO!GO!!フロンターレ

2025ユニフォーム発売中!

 川崎フロンターレは2025シーズンの新ユニフォームを公式ウェブショップ「AZZURRO NERO」(アズーロ・ネロ〈検索〉)で発売中。

 今年は川崎の秘密基地「BASE」がモチーフ。チームカラーであるブルーとブラックを中心に、クラブにゆかりのある市内の場所を番号で表した座標コードを取り入れ、落ち着いたストライプ柄に仕上げた。クラブの伝統と本拠地である川崎とのつながりを感じられる、クラシックなデザインだ。

 素材には吸水性・速乾性に優れたスクエアドライニットを使用。汗をかいても衣服の中を快適に保つことができる。エンブレムには川崎市の花「つつじ」、チームマスコットの「イルカ」、チームカラーのブルーとブラックをあしらい、世界に向けて開かれた活力と、魅力ある臨海都市・川崎を表現。

 フィールドプレーヤー1st・2nd、ゴールキーパー1st・2nd、すべて17600円。選手名・背番号の追加には別途4400円が必要(任意の名前の場合、背番号は12のみ)。

画像はいずれも川崎フロンターレ