鎌倉版【2月14日(金)号】
受を務める高橋さん(右)=6日・横浜市内

大船警察署 高橋健治さんが関東制覇 柔道形競技の「護身術」

 関東柔道形競技大会が2月2日に千葉県で行われ、大船警察署の高橋健治巡査部長(50)が第一機動隊の吉田惟人さん(35)とペアを組み、「講道館護身術」部門で優勝した。同ペアは2年ぶりに関東大会を制し、今年5月に都内で開催される全日本大会の出場権を獲得した。

 講道館護身術は、全7種類ある柔道「形」競技の1つで、柔道6段の昇段時に必要となる難易度の高い術だ。日常生活で起こるさまざまな危険から身を守ることを目的に、柔道の技を組み合わせ、護身に必要な技術を演武する。

 演武は2人ペアで、素手で殴ったり武器で襲い掛かったりする「受(うけ)」と、攻撃をさばいて仕留める「取(とり)」の役に分かれる。高橋さんが「受」、吉田さんが「取」をそれぞれ務め、大会では21種類の技を決まった順番に披露した。

 同ペアは、2年前の全日本大会に初出場。しかし昨年の関東大会では準優勝に終わり、連続出場を逃す悔しさを味わった。今年は基本に立ち返り、細かい所作の見直しや演武のアドバイスを多くもらうなど、「一挙手一投足」にこだわってきた。

強い信頼関係

 2人は普段、別の部署に所属するため、そろって練習できるのは週1回で2時間程度。それでも限られた時間の中で技術を磨き、各地区の代表が集う全日本大会の出場権を獲得した。お互いについて高橋さんは、「技を正確にさばいてくれるので、ちゅうちょせずに持っている力を出せる」と話すと、吉田さんも「リアリティーを追求できる」と信頼を寄せる。

 吉田さんは先月の昇段試験で6段に合格し、全日本大会で初めて赤と白の帯を付けて出場する。全日本大会の目標について2人は、「優勝を狙い、最低でも前回の8位を上回りたい」と口をそろえる。

昨年4月にオープンした観光案内所=10日・鎌倉駅西口

鎌倉が日本遺産アワード1位 「訪れて魅力的」104件から選出

 一般社団法人日本遺産普及協会(東京都)は2月5日、「第1回日本遺産アワード」の結果を発表し、鎌倉が「実際に訪れてみて魅力的だと感じた日本遺産」で1位に輝いた。アワードは全国104件の日本遺産を対象に、投票で選出された。

 各地の歴史的魅力や特色を通じ、文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定する日本遺産。2015年に始まり、鎌倉のストーリー「いざ、鎌倉〜歴史と文化が描くモザイク画のまちへ〜」は16年に認定。日本遺産をさらに盛り上げようと創設されたアワードでは、認定された104件が評価対象に。日本遺産検定合格者の日本遺産ソムリエ173人が、「実際に訪れてみて魅力的だと感じた日本遺産」「これから訪れてみたい魅力的な日本遺産」の2部門に投票した。

「歴史文化が明瞭景観もすばらしい」

 訪れてみて魅力的だった部門で最多得票の鎌倉ついて、投票者からは「何度も訪れているが、歴史文化がわかりやすく景観もすばらしい」という声があがった。選出を受け松尾崇市長は、「地域の皆さまと共に培った歴史的・文化的な魅力が評価され、大変うれしく思う」とコメントした。

 日本遺産に認定される鎌倉のストーリーは、中世からの社寺や近代の洋館など各時代の歴史的遺産が織りなす風景、文士らが残した芸術文化、自然環境の魅力がモザイク画のように組み合わさった街。ストーリーを構成する文化財として、鶴岡八幡宮や建長寺などの社寺、市内の史跡や建築物、祭りを位置づける。

 直近の取り組みでは、昨春に日本遺産を発信する観光案内所を鎌倉駅西口に開設したほか、説明看板の設置、外国人向けウェブサイト構築、スタンプラリー、出張講座などを実施している。

 2月16日には、日本遺産アワードの表彰式が京都市で開催される。

ショールーム&カフェ「ザ ガレージ」で認知症カフェを開催している 小澤 ルミ子さん 常盤在住 57歳

一人で抱えないように

 ○…それは突然のことだった。岐阜県で婦人服店を営む78歳の母親が、今まで書けていた売上表の記入がある日を境にできなくなった。電話のやりとりは問題なかったが、心配して訪ねると母親は随分やせ細り「認知症の兆候。絶対に違いない」と疑った。脳神経外科を受診すると、認知機能検査のテストはボロボロ。「昨日までできていたことが今日はできない」。崖から転げ落ちるような気持ちになった。

 ○…昨年4月から母親も常盤で暮らすようになり、市内の包括支援センターを訪れる。介護や支援の方法について相談すると、「認知症カフェを開いてみては」とアドバイスをもらった。自身は夫とともに5年前から、自転車ショールームにカフェを併設した「ザ ガレージ」を経営する。常盤周辺には認知症カフェがなかったこともあり、今年1月からスタート。毎月第3月曜日に開き、2月17日は2回目だ。

 ○…愛知県出身。30代の時に、仕事に関係ない趣味を持ちたいとイタリア語教室に通った。そこで出会ったのが、自動車メーカーで工業デザイナーを務める夫のサンティッロさんだ。「夫が生まれ育った南イタリアの環境に近い場所に」と18年前に鎌倉へ移住。経営するカフェでは、夫が手がけたロードバイクが並び、南イタリア料理も堪能できる。「オープン当初は新型コロナの影響で苦しかった」と振り返るが、今ではサイクリストや地元の人たちで連日にぎわう。

 ○…認知症カフェでは、どこに相談して良いかわからないことでも皆が教えてくれて、「自分1人で抱えなくても良いんだ」と気持ちが和らいだ。一方的な情報発信ではなく気軽に相談できる場を創り出す。「ゆる〜く参加してみませんか」と呼びかける。

デンマークから学生バンド 22・23日 鎌倉で演奏

 デンマーク・オールボーにある聖マリアスクールの生徒によるビッグバンドが、2月22日(土)・23日(日)に鎌倉市内で開催される2つのコンサートに出演する。

 毎年海外公演を行っている同バンド。メンバーの保護者に小学生ジャズバンド「植木リトゥル・エコー・アンサンブル(ULEE)」の卒業生がいたことから初の来日と、鎌倉での演奏、ホームステイが実現した。

 22日は、ULEEとのジョイントコンサート。植木小学校体育館で午後2時開演。入場無料。スリッパ要持参。詳細は、ULEEのインスタグラムやホームページへ。

 23日は、「ジャズイン鎌倉」に出演。鎌倉芸術館小ホールで正午開演。入場無料。聖マリアスクールは2時30分過ぎに出演予定。(問)ジャズイン鎌倉の後藤さん【携帯電話】080・5680・6057

湘南モノレール タッチ決済で乗車可能に

 湘南モノレール(株)は2月13日から、クレジットカードやデビッドカードなどのタッチ決済で乗り降りできる新たな乗車サービスを開始した。

 手持ちのタッチ決済に対応したカードやスマートフォンなどを使い、線内全駅を乗り降りできるサービス。二次元コードを使った1日フリー切符の販売も開始し、同社は観光ルートの分散化やオーバーツーリズムの解決を目指す。

 (問)【電話】0467・45・3181

発掘調査の現地説明会 15日 若宮大路周辺遺跡群

 若宮大路周辺遺跡群(雪ノ下1の156の1)で2月15日(土)、発掘調査の現地説明会が開催される。午前10時〜正午と午後1時〜3時。

 (一社)鎌倉・中世文化研究センターが実施する、集合住宅建築に伴う発掘調査。現地では、鎌倉時代の石敷き遺構や木組みの側溝を持つ道路遺構が発見され、鎌倉の歴史を身近に感じられる機会として、遺構の様相や出土品を公開する。

 参加無料で申し込み不要。説明会の時間内は自由に見学可。足元が悪く、汚れてもよい靴や服装で参加を。気象注意報や警報発令などで中止や規模縮小の場合あり。変更時は市HPで発表。(問)同センター【電話】0467・91・2501

チェロの魅力存分に 2月24日 タウンニュースホール

 人の声に近いといわれる楽器「チェロ」。その演奏で多くの人を魅了するチェリスト・玉川克さん=写真=が2月24日(月・祝)、東海大学前のタウンニュースホール(小田急線東海大学前駅南口徒歩1分)でコンサートを行う。

 玉川さんは、国内の主要オーケストラから客演首席奏者として招聘されるほかクラシック、ポップスなどジャンルを問わずレコーディングへの参加も多数。スーパー・チェロ・アンサンブル・トウキョウ、「硬派弦楽アンサンブル石田組」のメンバーとしても定期的に演奏を行う実力派。当日の演奏予定曲目は「無伴奏チェロ組曲第1番」(バッハ)、「セレナーデ」「トッカータ」(カサド)、「シチリアーノ」「夢の後に」「エレジー」(フォーレ)、「チェロソナタ第1番」(ブラームス)。奥深いチェロの音色に存分に浸れる。ピアノは宮㟢琴音さん。

 午後2時開演(1時30分開場)、3時30分終演予定。入場料2000円(予約制・自由席・未就園児入場不可)。予約は公演事務局【電話】0463・81・1211へ。

大河ドラマ関連 田沼意次ら 題材に講演 3月 きらら鎌倉

 大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』で登場する田沼意次らを題材にした講演会が3月8日(土)、鎌倉生涯学習センター(きらら鎌倉)で開催される。

 「田沼意次・松平定信時代の国際問題」と題し、講師は東洋大学の岩下哲典教授。蝦夷地探検などの国際問題が起きた時代に、幕府がどう対処したかを解説する。午後1時〜2時30分。無料。定員280人。申し込みは同センターHPなど。3月3日締切。(問)【電話】0467・25・2030

18日から上映の『ローラ』

映画字幕翻訳の「魔術」 川喜多映画記念館で開催中

 鎌倉市川喜多映画記念館で企画展「映画字幕翻訳の仕事―1秒4文字の魔術」が開催されている。3月30日(日)まで。

 字幕付き映画の上映、翻訳原稿、名せりふをイラストやポスターと共に楽しめる展示も。3月29日(土)午後1時から、スペイン映画『瞳をとじて』の上映と字幕翻訳者・原田りえさんのトークイベント開催。特別上映料金1600円。

 企画展観覧は一般200円。住所提示で鎌倉市民は無料。月曜休館(2月24日開館、翌日休館)。(問)【電話】0467・23・2500

会場のザ ガレージ

17日に認知症カフェ 市内常盤「ザ ガレージ」で

 自転車のショールームとカフェを営む「ザ ガレージ」(常盤42の1)で2月17日(月)、認知症カフェが開催される。午前10時〜正午。

 同店が今年1月から毎月第3月曜日に実施する認知症カフェ。認知症に関わるすべての人がカフェに集い、飲食しながらミニ講話や専門職への相談の他、生活に役立つ情報交換などをする。

 カフェを企画した小澤ルミ子さん=人物風土記で紹介=は、「どこに相談して良いかわからないことでも、みんなで考え教え合う空間を整えています」と話し、参加を呼びかける。

 申し込み不要で、開催中は出入り自由。参加無料(ワンドリンク制)。問い合わせは同店【電話】0467・53・7077。

5区藤木さんから6区上野さんへ=9日・丹沢湖

市町村対抗かながわ駅伝 鎌倉チーム、目標届かず17位 池田監督「新生鎌倉の予感」

 中学生から社会人までがたすきをつなぐ第79回市町村対抗かながわ駅伝競走大会(全7区間42・236Km)が2月9日、山北町・丹沢湖周回コースで行われ、鎌倉市チームは2時間19分57秒で17位だった。29チームが出場。レース序盤は川崎市が先頭に立つ展開だったが、4区で首位を奪った横浜市がそのまま前を譲らず2時間10分秒36秒で3連覇を達成。57秒差で2位に相模原市、3位には小田原市が入った。

 前年9位、今回は5年前の6位を上回る5位以内を目標に掲げた鎌倉市だったが、17位でゴールへ戻って来た。大学生や社会人の大砲を欠いた苦しいレース運びの中でも、一筋の光が差し込んだ。

 出場した中学生と高校生は、下級生ばかり。エース区間の1区10Kmを任されたのは、高校1年生の稲森大彦さん(栄光学園)。同区間では高校年代の上級生だけでなく、大学生、社会人とも肩を並べて走り、29チーム中16番目でたすきをつないだ。

 2区尾道裕さん(手広中)や6区上野岬紀さん(藤沢清流高)もまだ2年生。唯一の女子区間5区では、初出場の高校1年生藤木秋さん(川崎橘)が区間4位の好走で、順位を19位から17位へと2つ押し上げた。藤木さんはレース後「きつかった」と振り返りつつ、「鎌倉市に貢献したいという気持ちがあった。少しでも順位を上げられてよかった」。

 アンカーを務めた坂本智史さん(社会人)は、「どんな順位でも前を追いかける気持ちで走った」と笑顔でフィニッシュ。池田克行監督は選手たちを労い、こう締めた。「新生鎌倉の予感がする」

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オーガニックマルシェ 15日 由比ガ浜公会堂

 おいしい給食かまくら主催の「かまくらオーガニックマルシェ」が2月15日(土)、由比ガ浜公会堂で開催される。

 地元農園で採れた旬の野菜や弁当を販売。リサイクル品の募金での譲渡会も(募金は公会堂運営費に充てる)。品物の寄付は当日も受け付ける。

 午前11時から午後3時まで。雨天決行。エコバッグ持参を。

こんな感じでいかが?

 2月14日はバレンタインデー。縁結び、円満を願って、円応寺(えんのうじ)(山ノ内)を訪れる人がじわじわと増えている。

 昨年7月にオープンしたカフェ内に、イノシシの目尻の形に似た猪目模様の窓を設置=写真。ハート型に見えるため、カップルや家族から撮影スポットとして人気上昇中。写真が映えるオリジナル御朱印、円満を商品名に入れた「えんまんじゅう」も販売している。同寺は「訪れた方がハッピーな気持ちで帰ってもらえれば」と話す。

22日 食料・日用品無料で配布

 物価高で生活に影響を受ける市民を対象に鎌倉市は2月22日(土)、スマイルフードプロジェクトを市福祉センター(御成町)で開催する。正午〜午後1時。予約不要。

 主食や副菜の食料パック、洗剤などの生活用品を無料配布。数に限りあり。大きめのエコバッグ持参を。また、会場ではこころと身体の相談会も実施する。(問)市生活福祉課【電話】0467・61・3958

15・16日 北鎌倉台が阿久根一色に 郷土飯、魚の解体実演など

 (一社)鎌倉さかなの協同販売所は2月15日(土)と16日(日)、北鎌倉台商店街(今泉台)で鹿児島県阿久根市を堪能できるイベントを開催する。午前11時から午後5時まで(16日は3時頃)。

 「鎌倉で阿久根を楽しむ2日間」と題し、阿久根市の8事業者が参加するイベント。郷土飯のサバ飯丼や深海魚バーガーの販売の他、魚の解体実演、大石酒造の焼酎Bar、印染めの手ぬぐい作りワークショップなどが実施される。地域連携や焼酎に関するトークライブもあり。

 (問)同販売所【電話】0467・38・7017

個性あふれる水彩画展 25日まで道ギャラリー

  知的や精神の障害がある人らが創作に励む。道工房(小町)。所属アーティスト30人超による水彩画展が、2月25日(火)まで道ギャラリー(雪ノ下1の9の24小池ビル1階)で開催されている。

 風景や動物、抽象画など、写実的なものから力強いタッチのものまで、作家の個性が楽しめる作品が並ぶ。日によって作家本人が在廊することもある。

 平日は正午から午後4時まで(土日祝は午前11時から)。入場無料。水曜休廊。道工房では作品やグッズの販売も行っている。(問)道工房【電話】0467・23・8772