町田版【3月27日(木)号】

尾根幹線  4車線化工事進む 完了時期は未定

 町田街道につながる南多摩尾根幹線道路の4車線化などの整備が進められている。橋りょうの基礎工事や陸橋がかかり、事業を担当する東京都南多摩東部建設事務所によると、現在は主に4カ所の工事が進行しているという。

 尾根幹は町田街道から、八王子・多摩両市などを経由し、多摩川にかかる多摩川原橋までの約16・5キロに及ぶ都道。町田方面から、都心方面を結ぶ道路として活用されている一方、週末や通勤時間帯には交通渋滞が発生することが少なくなく、混雑を避けるため、周辺の生活道路を通過しようとする車両が多い点が問題となっている。

 そのため、都は交通渋滞緩和を目指し、2車線から4車線化などの整備を進めてきた。現在、主に工事が進められているところは4カ所。稲城市などの東側区間ではJR武蔵野(貨物)線にかかる堅谷戸大橋のエリアで、橋りょうの基礎(足)となる工事が始まっている。

トンネルも

 また、昨年施工会社との契約がまとまり、まもなく工事が行われるのが、約1・8キロのトンネル区間。この多摩稲城トンネル(仮称)は多摩市聖ヶ丘5丁目から稲城市長峰3丁目の区間で、多摩市方面と稲城市方面に向かう2車線のトンネルがそれぞれ整備される。トンネル内には消火栓など非常用設備が配置され、6カ所で隣のトンネルと接続し、緊急時には隣に避難できる構造になっているという。

 一方、多摩市などにかかる西側区間では、中央卸売市場近くに南野陸橋(仮称)をかける工事が進められている。尾根幹と交差する鎌倉街道をまたぐようにかかる予定だ。加えて、多摩市の鶴牧中学校近くでは、4車線の幅を保つため、高低差を無くすための擁壁工事が行われているという。

 2021年の計画では国から事業認可を受けている期間は2029年度までとなっているが、都の担当者は「トンネルの掘削だけでもおよそ6年はかかる。工事はそれ以降も続いていく」と話し、全線4車線化の完了時期は未定としている。

リニューアルによってスマートフォンでも表示できるようになった図書館の「利用券」

町田市立図書館 デジタル化「来館増に」 25日に一部リニューアル

 町田市立図書館が25日、オンラインでの利用登録・更新を可能にするなど、図書館情報システムを一部リニューアルした。デジタル化を進めたもので利便性を高め、減少している来館者を呼び戻したい考えがある。

 市立図書館は町田市内に8館あり(中央・さるびあ・鶴川・鶴川駅前・金森・忠生・木曽山崎・堺※4月からは鶴川を除く7館)、市内を走る移動図書館を含む。

 今回のリニューアルによって、図書館情報システムのデジタル化が進んだ。マイナンバーカードを利用し、図書館HPなどからの利用登録・更新ができるようになり、コミュニケーションアプリ「LINE」で本の検索や予約が可能になった。また、AIを活用して書籍を探すこともできるように。全館でフリーWi-Fiが整備された。

 これにより、市立図書館で初めて本を借りる場合、図書館へ出向き、登録用紙に必要事項を記入する必要があったものが、24時間いつでも自宅などで登録することができるようになり、「電子書籍を希望するのであれば、自宅にいるまま、本を借りることが可能となった」と市立図書館の担当者。そのうえで従来通りの申し込み方法でも引き続き、受付けていくという。

 一方、本を探すケースではこれまではキーワードなどをもとに図書館のHPなどから検索する形だったが、AIを活用することで例えば、「ゆっくりと旅先で読みたい本」などと求める内容を示すと希望する書籍を提案してくれるようになったという。「このAI機能は全国で5例目。利用してもらえればと思う」

減少傾向

 市立図書館の来館者数は減少している。コロナ前は年間200万人を超える来館があったものの、休館や入場制限があったコロナ禍の2020年度には130万人台まで減少。コロナの感染が収束していくにつれ、来館者数は戻ってきたものの、23年度は170万人台にとどまった。

 図書館担当者はその要因について、娯楽や趣味の多様化などの影響によるものと考えているといい、現在は来館者を呼び戻す取り組みを始めているという。利用が少ない若者層に足を運んでもらうため、昨年度から学生らに図書館の企画を考えてもらう機会をつくったほか、先日は図書館との合同企画についての企業提案の募集を開始した。「図書館を見直してもらえるようにしたいと思う」と力を込める。

 図書館を取り巻く問題について考える市民らで構成される「町田の図書館活動をすすめる会」の守谷信二代表は図書館の利用を促すには本の貸出や閲覧など、その本来のあり方に力を注ぐことが重要とし、「市民が必要とする本を十分にそろえることが大切」とする。

 一方で、SNSなどのフェイクニュースが問題となるなか、責任の所在が明確な本の意味を改めて認識してもらうように働きかけていくべきとしている。

キャンドルによる企画を通じて町田市内のイベントを盛り上げる 丹 裕子さん 大蔵町在住 54歳

「幸せ」広げていく

 ○…町田市内で行われるイベントにここ数年、呼ばれる機会が増えた。子どもたちにキャンドルのつくり方を教え、数多く灯して来場者らに思いを巡らす時間を提供するなど、それぞれの催しに合った形で盛り上げている。「灯火に癒しの効果があることは科学的に証明されているんです」。そんな情景がSNSで拡散され、「幸せが広がっていけば」と笑顔になる。

 ○…キャンドルの販売や教室を開く店舗を山崎町の団地内商店会にオープンしてもうすぐ2年。店をもたずに活動していた頃よりも出会いが増え、人が人を呼んでくれることがうれしい。同じ商店会内のオーナーらが懸命に事業と向き合う姿から刺激を受け、周辺に若い世代が多く住むこの場所には大きな可能性があると感じている。「入店する店が増えてきた。みんなで活気を生んでいければいいですね」

 ○…幼い頃からものづくりが好きだった。絵を描くことやデザインに興味をもち、若い頃は企業のパッケージデザインなどを手がける工業デザイナーとして活躍した。背景には町田市内で自転車の競技用フレームづくりにあたっていた父の姿がある。1つのことに没頭する姿は今の自分そのもの。経営者としてやっていくことを選んだのも父の影響だったのかな、と思いを巡らす。

 ○…地域と触れ合うなか、生まれ育った町田の盛り上げに関わりたいという思いが芽生えてきた。そのためにはまず自身の店をより身近に感じてもらおうと今月からクレープの販売を開始。「甘いものは親密にさせてくれるものと思いまして」。そのうえで目指すのが、みんなで灯火を囲むイベントの拡大。「私一人ではできないこと。みんなの力を借りて広げていければと思います」

藤の台小の6年生ら(上)体育館で同級生や5年生に向けて行った発表(下)

藤の台小6年生 薬師池プロジェクト集大 イベント企画や冊子でPR

 町田市立藤の台小学校6年生が取り組んできた「薬師池プロジェクト」が先ごろ、総合学習の集大成として報告された。薬師池の魅力を広く知ってもらおうという目的で始まったもので、児童らは約1年間にわたり活動を続けてきた。

 昨年秋に開催された「四季彩の杜 秋遊び」では、6年生がグループごとに謎解きイベントを企画・実施し、ポスター制作などにも携わった。そして冬には薬師池公園の来場者が減ることを受け、園内の魅力を地元小学生ならではの視点で紹介したガイドブックを作成した。

 これらのイベントの成功を受け、6年生は各自で作成したスライドを使い、企画作成の過程や感想を参加者らに向けて発表。5年生らが聞き入り、時に質問しながら関心を深める様子が見られた。謎解きに携わったという横松遥希さんは「企画したものがプレゼンでボツになったりして悔しい場面もあったけど、立て直して多くの人が来場してくれるイベントを開催できてよかった」と笑顔。パンフレット作成に携わった中嶋康瑛さんは「具体的に話を聞いて中身を作り上げたり、表紙も絵の具で綺麗に仕上がっていて、いい作品になったと思う。5年生たちにも生かしてもらえたら」と感想を述べた。

今井さん

榛葉樹人&今井俊輔 再びのデュオコンサート

 BS日テレ月曜日の夜8時放映の「こころの歌」にフォレスタメンバーとして毎週出演し人気を集めるバリトン・今井俊輔さんが4月23日(水)、今年も町田の舞台に登場する。主催は町田イタリア歌劇団。

 今回は、今井さんがジェルモンを歌った二期会本公演のオペラ「椿姫」で主役ヴィオレッタを歌い絶賛を浴びたソプラノの種谷典子さんを迎えてのデュオコンサート。種谷さんは、同歌劇団主宰の柴田素光さんが「一声惚れした」とする素晴らしい声と歌心を併せ持ったプリマ。今井さんは言うまでも無く日本バリトン界最高峰の歌声と歌唱力で東奔西走する大物だ。今回も凄腕のピアニスト水野彰子さんの伴奏に乗せて二人が渾身の歌声を披露する。

 「日本の歌、イタリアの歌、オペラアリア、重唱をたっぷりとご堪能下さいませ。売り切れ必至です。早めのご予約をお願い致します」と柴田さん。

 町田市民フォーラム3階ホールで2時開演(1時30分開場)でチケット3千円(全席自由)。

 予約は3月27日(木)の午前9時から、柴田さん【携帯電話】090・1734・8116又は【携帯電話】080・4374・8148(27日のみ可)で受け付ける。留守番電話の場合メッセージ録音は不可とのこと。

「d払い」で還元チャンス  町田市内商店会でキャンペーン

 町田市商店会連合会の加盟店などで現在、決済サービス「d払い」による支払いでdポイントが還元されるチャンスがあるキャンペーンを実施している。対象となる店舗にはキャンペーンを紹介するチラシ=写真=などが掲示されているといい、4月14日(月)まで。

 d払いの対象外商品などもあるといい、同会は「この機会に町田市の商店街での買い物を。地域のお店を応援しながら、ポイントもゲットできるキャンペーンになります」としている。詳細は同会HPなどで。

玉川大学の学生ら(写真上)と中学部生徒ら

玉川学園生が町田市と連携 ごみ分別啓発に貢献

 玉川学園が町田市との連携事業として、市民へのごみ分別の周知・啓発に取り組んだ。今月1日に町田市役所で行われた「まちだEco to(いーこと)フェスタ」では、玉川大学の学生が企画した制作物や玉川学園中学部の生徒たちがデザインしたポスターなどが発表された。

 この事業は、町田市が2026年度から始める容器包装プラスチックの分別収集を前に、市民の意識向上を目的として行われたもの。町田市環境資源部環境政策課の依頼を受け、玉川大学の芸術学部と工学部の学生有志がワークショップや施設見学を重ねながら、ポスター、ロゴデザイン、PR動画を制作。さらに、ごみ分別を楽しく学べる体験ゲーム「もぐら叩きdeまちだReプラチャレンジ」も考案した。一方、リチウムイオン電池によるごみ処理施設内の火災防止に向けた啓発活動には、玉川学園中学部の生徒たちが参加。ポスターや周知啓発キャラクターの制作を通じて、安全なごみ処理の重要性を伝えた。

 フェスタ当日は、学生や生徒たちが自ら制作物を紹介し、取り組みに込めた思いや制作過程をプレゼンテーション。中学部の学生らからは「ポスターの背景や色遣いに注意した」「分別するときに一目でわかるように心がけた」という声が上がった。また、もぐら叩きの制作を担った学生は「小さい子から大人まで楽しめるものができたと思う。クイズ形式のものなので、学ぶ機会になればと思う」と感想を述べた。

 玉川学園はこのほかにも、木の輪で学びの場を広げるTamagawa Mokurin Projectnのブースも出店。キャンパス内で剪定した木材を利用した箸づくりのワークショップを開催し、来場した親子連れなどが制作に励む姿が見られた。

町田警察署 暴力団追放訴え 町田駅前でパレード

 町田警察署は1日、町田駅周辺で「暴力団排除パレード」=写真=を実施。市民らに暴力団追放と特殊詐欺撲滅を呼びかけた。増加するオレオレ詐欺などの特殊詐欺被害の背景には暴力団の存在があるとみて行われたもので、パレードには警視庁音楽隊、町田警察署内暴力団排除協議会と共にFC町田ゼルビアのアンバサダーを務めている太田宏介さんらが参加。町田市中心市街地の商店街を練り歩いた。

 同署の暴力団対策係担当者は「現状、町田警察署管内での暴力団事務所は把握していないものの、入り込みやすい環境であると感じている。地域の目を光らせ排除に力を入れたい」と話している。

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演奏会の告知

男声合唱団が演奏会 4月13日 市民ホールで

 町田男声合唱団マルベリーの演奏会が4月13日(日)、森野の町田市民ホールで開かれる。男声合唱組曲「柳河風俗詩」や、昭和のシンガーソングライターの作品からのものなどの歌声が披露され、時間は午後1時30分(開場は1時)から。入場料千円(全席自由席)で未就学児の入場は不可。

 チケットは市民ホールで。その他、詳細はマルベリーの竹下さん【携帯電話】090・2140・8042まで。

 マルベリーは「男声合唱をこの地に」との呼びかけに集まった7人によって発足した合唱団で、単独演奏会のほか、市内行事などに参加しているという。マルベリーについては合唱団のHPで。

横断幕を掲げたソロプチミスト町田のメンバー

国際ソロプチミスト町田 女性デーに呼びかけ  

 市内で奉仕活動を行う女性ボランティア組織・国際ソロプチミスト町田(山口美知子会長)が3月8日、和光大学ポプリホール鶴川で「国際女性デー」のキャンペーン活動として、ミモザの花と横断幕をかかげた。

 キャンペーンは女性の地位向上、女性差別の払拭等を目的として国連が制定した3月8日の「国際女性デー」に合わせて実施されたもの。世界経済フォーラムが算出する男女格差を示すジェンダーギャップ指数において日本は146カ国中118位で、山口会長は「毎年している活動。困難にある女性と女児の生活向上のために資金援助を含む支援をしています。こうしたキャンペーンを通して、ソロプチミスト町田の活動を地域の方々に知っていたければと思う」と話した。

キャリア教育も

 またソロプチミスト町田は今月、市立真光寺中学校で1・2年生を対象に将来の目標について考えるキャリア教育「夢を拓く」を実施した。JICA海外協力隊として東アフリカの国マラウイで活動する時田絢子さんを講師に、現地と中継でつないだ講義が行われると、中学生らは目を輝かせて話に耳を傾けた。

コンサートを行う冨貴さん(左)と塩谷さん

4月、たけのこコンサート  小野路のピアノカフェで

 小野路産のタケノコ1本が土産としてもらえる毎春恒例の「たけのこコンサート」が4月20日・27日、共に日曜日にピアノカフェ・ショパン(小野路町)で行われる。

 登壇するピアニストは、20日が塩谷遥さん、27日が冨貴亜里紗さん。今年初めてたけのこコンサートに参加するという塩谷さんは「先輩方が毎年やっているコンサートで、演奏の機会をいただけたことがうれしい」と笑顔。冨貴さんは「春の良い季節に行うコンサート。今年も演奏でき、光栄です」と微笑む。

 塩谷さんはショパンのバラード、シューベルト「野ばら」などを演奏。「自然をテーマにした曲やお客様にリクエストいただいた曲を盛り込みkました。春を感じられるプログラムです」と語る。ラフマニノフ「りらの花」、平井康三郎の幻想曲「さくらさくら」などを演奏する冨貴さんは「この季節に合うものと、花をテーマに選曲しましたので、皆さんに届けられたらうれしいです」と話した。

 20日は午後2時30分開演(1時30分開場)。27日は第1回が午後1時開演(正午開場)、第2回が午後5時開演(4時開場)。各日とも、チケットは小野路産の茹でたタケノコとドリンク付きで3000円。定員30人。申込は岡さん【携帯電話】070・2185・1889へ。

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座ってズンバを楽しむ参加者ら

座ったままズンバ楽しむ 先ごろ 木曽で催し

 椅子に座ったままでできる運動「チェアーズンバ」のイベントが先ごろ、ネコサポステーション木曽で開催された。講師は町田市内でズンバを広める活動をしている指導歴25年の杉山直子さんで、イベントの開催は今回が初めて。

 当日は高齢者や膝が痛いことに悩みを抱える人など幅広い世代が参加し、ラテンのミュージックに合わせてそれぞれが椅子に座ったまま体を動かすことを楽しんだ。参加者らからは「座りながらでも体がじんわりと温まった」との声があった。

 杉山さんは「誰もやってないことをして、幅広い方にズンバを楽しんでもらいたかった。今回を機に、もっと広めていきたいと思う」と笑顔を見せた。

 次回の「チェアーズンバ」は、5月29日(木)の午前11時15分から正午までの時間で開催予定。

催しの告知

町田市仏教会4月2日 原町田で お釈迦さま誕生祝う

 40を超える町田市内の寺院が名を連ねる町田市仏教会は4月2日(水)、原町田のレンブラントホテル東京町田・地下1階で「花まつりの集い」を開く。お釈迦さまの誕生を祝うもので、花まつり法要のほか、相続や終活にまつわる諸問題を落語風に解説する講演「落語で笑って学べる!相続と終活」が行われる。

 時間は午後3時から4時30分(開場は2時30分)。入場無料で定員150人。申し込み不要、観覧希望者は直接会場へ。

 同会担当者は「会場となるホテルへの問い合わせは遠慮下さい。慌てずに会場へお越しいただければ」と話している。レンブラントホテル東京町田はJR町田駅・ターミナル改札より徒歩1分。

ムジナタケ

町田天満宮 宮司 池田泉 宮司の徒然 其の148

ムジナ

 地面を掘り返して放置するとキノコが発生しやすい傾向がある。空気中を飛ぶ菌類の胞子は、硬い地面より柔らかい方が入り込みやすい。境内の一角を整地して玉砂利を敷いた所にムジナタケが発生した。大きさは3〜4センチほどで、短い茶の毛に覆われているのが、ムジナの肌に似ているから名づけられたのだろう。見た目に反して食用になるキノコで、よく炒めていただいてみたが美味しい。小さいものを残しておけばしばらく楽しめるが、土が硬くなってしまうと出なくなる。つまりタイミングが良ければ見つかるキノコだ。

 はて?ムジナとはどんな動物か。古くからその定義は時代や地域によって異なる。ハクビシン、タヌキ、キツネ、アナグマ、イタチなどの総称とする地域が多いが、有力なのはハクビシンだ。ハクビシンは亜熱帯性の動物だが、実は九州には少なく本州に多く生息するため、日本の在来種ではないかとする説もあり、6世紀頃の文献にも登場するなど謎が多い。だが近年では一般住宅の天井裏に入り込んだりして害獣扱いになっている。古来は人を騙す妖怪とされていたが、これはハクビシンに限らず同類がミックスされた動物として描かれてきている。実際、アナグマが掘った巣穴にハクビシンやタヌキが昼寝用に使ったりするのは、行動する時間帯が違うからさしたる喧嘩にもならないから面白い。おおまかな同類、それこそ同じ穴のムジナだ。ムジナと括られる動物たちは個性もあってそれぞれに可愛いと思うが、野山では主に夜行性で雑食。小動物や昆虫などを狩ったり、農作物を食い荒らす。

 今まではどんなに反論され野次を飛ばされようと数で押し切れた与党だったが、過半数を割った今、細かな政策ごとに野党各政党との擦り合わせをしないと決められない状況になった。それは国民にとって良い方向なのかもしれないし、何も決まらない泥沼になる可能性もある。ムジナのごとく夜行性で動き回り、狩りをしたり勢力範囲を広げたり、裏金を作るような抜け穴は掘らせないよう、国民も注視していなければならない。

町田天満宮 宮司 池田泉 宮司の徒然 其の149

彷徨う日本語

 五月の節句に健康長寿を願って湯船に浮かべる「菖蒲(しょうぶ)」はイモ科。花は茎の途中にガマの穂を小さくしたような地味な花穂をつける。葉の成分に効能があり、香りも良いのでアロマ効果もある。一方菖蒲園の菖蒲は「花菖蒲」。アヤメ科で湯に浮かべても効能はなく、香りも良くない。ところが、おそらく葉がよく似ているというだけの理由で花菖蒲と名付けられた。幼い頃から、5月5日には父が庭で刈った菖蒲が湯に浮かべられていたが、ずっと花はいつ咲くのだろうかと思っていた。何年経っても咲かないのが当たり前だと知ったのは社会人になってからだった。ここで言いたいのはどちらにも「菖蒲」という字を充てたこと。日本語が難解なのはこれを「あやめ」とも読むこと。あやめは綾目とも書くように、花弁の付け根に網目状の模様がある。しかしショウブやカキツバタには模様がない。なのにこの仲間は総じてアヤメと呼ばれてしまう。同様のことは「紅葉(もみじ)」にも言える。モミジとカエデの区別がしばしば話題になるが、そもそもモミジはカエデ属の一部。だから全てをカエデと言って間違いではない。〇〇モミジという固有名があればモミジだというだけ。ところがこれも「紅葉(こうよう)」という自然現象がややこしくする。「紅葉の紅葉」と書いたらあなたはどう読むか? 七草粥の一つ「ホトケノザ」は二種類ある。一つは丈も大きくて目立つ雑草で、無毒だが美味しくはない。粥に入れるホトケノザは小鬼田平子(コオニタビラコ)のことで、新暦正月の頃には地面に貼りついていて素人にはなかなか見つけられない。旧暦の行事を新暦にあてはめると、凡そ一ヶ月早いのだから七草は揃わないのは当たり前。菖蒲も七草も今は採るものではなく買う物になっているから、生産者を信じていれば安心だが、日本の良き風習なのだから、本当の菖蒲やホトケノザ知っておいても損はないと思う。

 日本人は残念ながら混乱を招くまでに言葉遊びをしてしまい、海外の言語も吸収して異形の物に変化しつつある。加えて合理性を好むあまりに氾濫する略号、AV AKB SKE DV IS TPP ATMetc…、文字の読み方を無視したキラキラネーム、難解なパソコン用語、若者が発信する略語に造語、パズドラ、外タレ、スマホ、ガラケー、クソゲー、艦コレ、アキバ、ボイパ、壁ドン、アゴくい、エモい、バズる、…。全てが混じりあって破壊が止まらない。かつて一流企業にいらっしゃったおじさまが、「そのデータをハードにしてくれない?」などとのたまうと「印刷してくれ」って言えんのかー!と心で叫ぶ。

 守るべき日本語や美しい日本語は、文学作品や辞書の中にしか存在しなくなるのもそう遠くはないのかも。日本の伝統や文化、正しい言語はきっちり遺しておきたい。日本を訪れた外国人が間違った日本語を土産にしてほしくない。

タネツケバナ

町田天満宮 宮司 池田泉 宮司の徒然 其の150

タネツケバナ

 まだまだ寒さの厳しい日もある2月中旬、ロゼット状に広げた葉を地面につけたまま、ツチタネツケバナは花芽を伸ばして、オオイヌノフグリと競うように開花する。タネツケバナの仲間はほとんどがヨーロッパからの帰化植物。湿地や水辺を好むタネツケバナ(タガラシ)や、湿った山中に出るオオタネツケバナ、水の中から生えるクレソン(オランダガラシ)など。そしてツチタネツケバナはというと、5〜10cmと一番背丈が小さいが開花が最も早く、乾いた土地でも生きられる進化系。名前の由来は、種を水に漬けて稲の苗代を作る頃に咲くから「種漬花」らしい。以前紹介した越冬植物とされ、冬は少ない日差しを効率よく浴びるために、葉をロゼット状に開いて根に養分を蓄え、春の気配を感じたら真っ先に開花する。なんともせっかちだが、生き残りをかけた彼らなりの戦略なのだろう。ただし、タネツケバナの仲間はクレソン同様にどれも食用になるから、私は花芽が出る前に少しだけいただいてしまう。生でも美味しいが少し辛味がある。

 米大統領が関税のアメとムチを繰り出し各国が報復関税で対抗する最中に、ウクライナの停戦に向けて駆け引きを始めている。周囲を7か国に囲まれたウクライナの歴史は、1800年余りにわたって占領されたり分割されたり、戦争の当事者であったり、大国同士の戦争の土俵になったり、近年独立してもなお苦しい状況に置かれている。トランプだからではないが、カードが多いアメリカに対して、ヨーロッパでもっとも貧困であるウクライナにはカードが少ない。鉱物資源と穀物というカードの奪い合いで、ウクライナを土俵にして戦争が継続する可能性さえある。国同士の駆け引きで多くの命が奪われ、多くの難民を生み、故郷を捨てなければならない人々が増える。3年という長く厳しい冬を耐え忍んだのだから、小さくとも逞しい花を咲かせてあげられないものか。

椿

町田天満宮 宮司 池田泉 宮司の徒然 其の151

大船渡と椿

 冬に咲く紅花の「椿」は、藪椿、山椿と同種で、総称して椿とされている。冬に咲いても蜜を吸いに来る鳥によって受粉する鳥媒花だ。交配が容易で園芸種も多数あるが、赤い花の原種は日本の固有種で、九州から青森まで自生する。伊豆大島や五島が有名だ。花は見て楽しむだけでなく、天ぷらなどでいただける。幹はツゲと並ぶ高級な木材で細工物などに使われ、さらに木を燃やした灰も染色や日本酒の醸造に使われるが、大木にならないからやはり希少で高級だ。葉も薬用として用いられるほか、種を搾って作る油は食用、化粧品、機械油、薬用と様々に使われる。こんなにも有用な椿だが、花が散るときに首から全部落ちることから、病室に飾ったりはしない。一方で似ている山茶花(さざんか)は花びらがはらはらと散るから、判別する大きな特徴だ。当社にも大きな椿があるが、花が終わり始めると毎日根元にはぼとぼとと花が落ちるから頻繁に掃除するが、花は多少の風では飛ばないくらい重いから助かる。

 山火事で甚大な被害を被った大船渡市は椿が多く自生し、市の花になっている。おそらくたくさんの椿が灰になってしまったのだろう。広大な山林が灰となり、雨で海に流れ込めば、山のミネラルで美味しく太る特産の牡蠣にも影響が出てくるのだろう。

 庶民の常識を逸脱した額の商品券を新人議員に配ってないで、ポケットマネーであるなら、大船渡でわんこそばや牡蠣をたくさん食べて、特産銘菓の鴎の卵や柿羊羹をたくさん買って配ればいいではないか。能登半島で能登牡蠣やホタルイカ、能登牛を食べて、シロエビ煎餅や輪島塗の箸でもたくさん買って配ればいいではないか。もちろん親族や友人限定で。