多摩区・麻生区版【4月4日(金)号】

麻生区予算 「次の100年」への一歩に レガシー事業などに注力

 川崎市は、3月19日に可決した2025年度当初予算で、麻生区役所が関わる事業に使われる「麻生区区づくり推進事業費」に、前年度比約5916万円増となる10億6558万4000円を計上した。市制100周年のレガシーを継承するため、区の芸術・文化・農業・環境などの地域資源を活用した事業を拡充する。40周年を迎える麻生音楽祭、福祉まつりや区民まつりの開催、地域防災力の向上などにも力を入れる。

 麻生区では、地域課題を解決するための取り組みとして「芸術・文化」「農と環境」「子ども・子育て」「安全・安心」「コミュニティ」「支え合い」「区役所サービス向上」―の7つの主要項目を定め、まちづくりを進めていく考えだ。

「つながり」継続

 主な取り組みとして、市制100周年のレガシー事業を実施する。その一つとして「イメージアップ推進事業」(文化・芸術)に、前年度比約278万増となる約436万円を計上。まちづくり団体「新百合ヶ丘エリアマネジメントコンソーシアム」を中心に、昨年度実施した市制100周年記念の取り組みを契機に結び付いたさまざまな団体や企業、個人の連携強化を図る。公共施設を使用した企画などを想定している。

 加えて、「農と環境を活かした連携事業」(農と環境)には402万円(前年度比59万円増)を投じる。都市住民が農山漁村を訪れ、自然環境や農林水産業などを体験する「グリーンツーリズム」の拡充など麻生区の農業資源、環境資源を活用した取り組みを推進。市が農業振興地域と位置付ける黒川・岡上・早野地区や農業関連施設を訪問するきっかけづくりを図る。「収穫体験などを通して、麻生区の魅力を知っていただく機会にしたい」と担当者は話す。

 レガシー事業以外では毎年6月から7月にかけて開催される「麻生音楽祭」が今年、第40回の節目となることから、ロゴマークの刷新など開催の機運向上に力を入れる。

 「地域防災力の向上事業」については防災訓練や避難所運営会議を実施して自主防災組織の育成や支援を図り、区民アンケートでも要望の多かった災害に強いまちづくりに向けた取り組みを進める。加えて避難所の備品の拡充なども予定する。

 あさお福祉まつり、あさお区民まつりなども継続して実施する。

 予算について、区の担当者は「次の100年に向けて歩みを進める。101年目のステップを着実に踏み、住み続けたい魅力あるまちにしていきたい」と話す。

 なお、同推進事業費の増額に影響しているのは麻生区内にある道路や水路の維持補修に係る事業費で、合わせて5億9795万円(前年度比8700万円増)。

多摩区区民アンケート 「定住意向」が6割超 地域活動の参加 15%未満

 多摩区は3月18日、昨年度に実施した区民意識アンケートの結果を公表した。定住意向を聞いた設問では6割超が「住み続けたい」と回答。一方、地域活動の状況では「活動を行っている」が、14・5%に留まった。

 同アンケートは、区政運営などに生かそうと、隔年で行っている。昨年10月、18歳以上の男女個人(外国人を含む)2000人を対象に実施。有効回収数は807人(回収率40・4%)だった。生活環境の満足度や、区が推進する主な取り組みなどを調査した。

 「多摩区の長所・魅力」では「公共交通の利便性がよい」が60・8%で最も高く、「自然環境がよい」(59・2%)、「住環境がよい」(43・1%)と続いた。「住みやすさ」では「どちらかといえば住みやすい」(50・6%)、「住みやすい」(40・8%)となり、合わせると、91・4%となった。区の担当者は「魅力ある地域資源や取り組みを発信し、区への愛着や関心を高めていきたい。さらに定住意向を伸ばしていけたら」と話した。

 一方、「地域活動の状況」では、「活動を行っている」は前回調査時(2022年度)に比べ、2・2ポイント上昇したものの、14・5%に留まっている。「地域活動を行っていない理由」では「仕事や子育て、介護などで忙しく時間がない・合わないため」が48・9%で最も高く「地域で活動するきっかけがないため」(44・6%)も高かった。「きっかけを作れるよう、後押しできるイベントや取り組みを推進したい。また、市政だよりなども積極的に活用し、PRしていく」と担当者は述べた。

力を入れるべき施策は

 区役所が力を入れて取り組むべき施策を聞いた設問では「災害時の対応などの危機管理」(48・3%)が最も多かった。「防犯対策」も前回調査時から7・7ポイント伸び、46・2%だった。区は安全・安心のまちづくりに向けてのニーズが高い傾向があるとした上で、愛犬と散歩をしながら地域の見守りを行う「わんわんパトロール」や、町内会などと連携した取り組みを進める。

 今回の調査では、生田出張所の地域での活用に関する設問も追加した。

 同出張所の「市民利用スペースの認知度」は「特にない」(86%)が最も高かった。知っている市民利用スペースは「大会議室」(5・9%)、「多目的スペース」(5・6%)、「生田出張所新広場・生田っ子広場」(4・5%)、「生田交流センター」(3・5%)、「キッチンコーナー」(1・6%)だった。同出張所が「コミュニティ拠点として活用されるために力を入れてほしい取り組み」では「利用可能な活動の拡充」(14・3%)、が最も多く、「予約手続き(電話・メール予約)の簡便化」(12・6%)が続いた。

 結果は区サイトで閲覧可。区役所や生田出張所の市政資料コーナーに報告書と概要版を配架している。(問)区企画課【電話】044・935・3144

多摩警察署の第44代署長に3月21日付で就任した 竹内 洋一さん 多摩区在住 58歳

前向きに 次の一手を打つ

 ○…「気持ちも行動も前向きに」。着任日、署員へそう呼びかけた。川崎市内での勤務は初めてだが、昔から多摩区にいるような落ち着きぶり。穏やかな口調で「緑地や丘陵、多摩川など自然が溢れ、交通利便性も良くとても暮らしやすい」とまちの印象を語る。「安全を守るのは当たり前。事件事故の処理をして終わりではなく、次の事件事故を防ぐためプラスアルファで何ができるかを考えたい」と意気込む。

 ○…田園風景に囲まれ、富士山を眺め、みかんの収穫に駆り出された故郷松田町での少年時代。山好きの父は八ヶ岳などによく連れていってくれた。その影響からか高校大学では登山部で健脚を育む。今も趣味は登山。「新しい景色が見たいという冒険心をくすぐられる。あとは毎日富士山を見ていたからかな」と笑う。土いじりも好きで旬野菜を楽しみ、「体が資本」とジョギングやトレーニングに精を出す。酒は泡盛が好物だ。

 ○…大学を卒業し、一般企業への就職を控えていた矢先。一人旅した西表島の大自然に包まれ、「この生活を失いたくない」と心境が一変。入社を断り、一年間、各地の山々を巡った。就職浪人中、偶然目にした警察官の求人で採用され、座間市の交番でキャリアをスタート。交通機動隊や高速道路の警察隊など交通関係の部署に長く在籍し、前任地では運転免許本部でマイナ免許証運用の準備などに奔走した。

 ○…「交通事故の発生件数は治安をはかる一つのバロメーター。事故がないと安心感が高まる」と交通畑の豊富な経験に裏打ちされた考えを述べ、事故撲滅を目指す。全県的な重要課題である特殊詐欺にも目を光らせる。事故に対しても犯罪に対しても一歩先を見すえ、常に前向きに次の一手を繰り出していく。

飯田遼選手(写真提供・川崎ブレイブサンダース)

川崎BT・飯田選手が語る 重み増すファンの存在 「ひとり親家庭招待」で交流

 さまざまな事情で試合会場に来ることが難しい人にも、川崎ブレイブサンダースの試合を会場で観て欲しい--。そんな思いから、ひとり親家庭を川崎市とどろきアリーナ(中原区)でのホームゲームに招待する企画を続ける飯田遼選手(29)。開始から約4カ月が過ぎ、招待者の累計が30組100人を超えた。企画の手ごたえとチームへの思いを、自身の言葉で語った。

 ひとり親家庭を試合に招待する「飯田遼シート」を始めたのは昨年11月だった。当初は1試合1組から始めたが、応募が急増したため、1試合25人まで枠を広げた。それでも各回とも抽選という人気ぶりだ。 

 招待家族には、選手名入りタオルやメガホンなどの「お土産」も贈られる。そしてこの「お土産」に、飯田選手が手書きする手紙を同封する。「本当はゲームの後にご家族と記念写真でも撮れたらいいけれど、時間的に厳しいので」。一枚一枚、丁寧に書き綴る。

親子の会話時間にも

 両親のいる家庭で育った飯田選手が、企画の対象を「ひとり親家庭」にした理由は、「プロスポーツに触れることが難しい人のために、特別な機会を作りたかったから」。プロ野球やJリーグでも様々な招待企画があるが、「ひとり親家庭」を対象にした企画はほとんどなかった。

 招待された家族からは、さまざまな感想が寄せられる。「思春期で難しくなっている息子」と観戦した母親からは、親子の会話が生まれ、「家族の楽しい時間となった。本当にありがたい」。飯田選手は「この企画で親子の関係が少し良くなったなんて、嬉しい」と目を輝かせる。

大学では文武両道

 長野県富士見町出身。大学進学時、スポーツ推薦も選択肢にあったが、「教員になりたい」という思いを貫き、拓殖大学の外国語学部に進学した。入試の面接で「体育会との両立は難しい」と指摘されたが、「全部の時間をバスケと勉強に使えばいい」という親の助言の通り、真摯に文武両道に取り組んだ。

 バスケの実力も「全国トップレベル」ではなかったが、高校の恩師の「上の選手は山ほどいる。コツコツ頑張れ」という言葉を胸に刻んだ。インカレ3位の成績を残し、卒業後はプロの道へ。「あの4年間で、地道に努力し続けることの大事さを、身をもって実感した」と振り返る。

 川崎で2季目を迎えたばかりだが、飯田選手の英語力と持ち前のコミュニケーション能力が、チームに欠かせないものになっている。

 今季の川崎は3月末時点で勝率3割、中地区で最下位という厳しい状況だ。主力選手が抜け、新たな指揮官にチーム初の外国人ヘッドコーチ(HC)を迎えるなど、大きな変化が影響したとの指摘もある。

「ファンのために」

 そんな状況にあって、自分の責務を問うと、「プレー面はディフェンスと3ポイントで貢献すること。あとは自分なりのコミュニケーション」と即答。HCが英語で話す指示を理解できなかった選手たちから、「何て言った?」と聞かれることも多く、自分からも問い直すことで、「お互いの考えが整理されている」と感じるそうだ。

 厳しい戦いの中で、ファンの重みも増した。

 昨秋の「出陣式」では、ラゾーナ川崎の広場をファンが埋め尽くした。しかしベテランの篠山竜青選手(36)から「昔は違った」と聞いて驚いた。2011年に前身の「東芝ブレイブサンダース」に加入した篠山選手は、閑散とした会場で戦った時代を知る。「イベントに数人でも来てくれたら嬉しかった」という話を、身の引き締まる思いで聞いた。

 「今までの自分は、ただ一生懸命プレーするだけだったけれど、この状況でもファンの方々が『今日こそ勝利を』と思って応援に来てくれる。僕たち選手はもっと強い思いを持って、ファンの心に何か一つでも残るプレーを、しなくてはいけないと思う」

対談する新田会長(左)と田村代表

ボクシング×プロレス 格闘技で川崎活性化 商議所がビジネス交流会

 川崎商工会議所多摩麻生支所会員ビジネス交流会(同会議所主催)が3月19日、多摩区登戸にある専修大学サテライトキャンパスで開かれた。

 会員向けビジネスネットワーク促進事業で30人超が参加。今回は「多摩区から『ボクシング×プロレス』を通じて川崎を盛り上げる!」と題し、多摩区を拠点に活動する川崎新田ボクシングジム会長の新田渉世氏(57)と、プロレスリング・ヒートアップ代表の田村和宏氏(45)=TAMURA☆GENE☆=が登壇し、地域での取り組みや格闘技ビジネスについてそれぞれ講演した。

 両氏は、開業の経緯や経営理念、ジム運営の現状などを説明。加えて、共に多摩区観光大使や川崎西税務署広報大使を務めたり、市区内のさまざまなイベントに参加したりといった地域に根ざした活動に取り組んでいることを紹介した。

 対談では川崎西法人会での両氏の出会いやプロレスとボクシングのビジネスモデルの違いなどを語り合った。また、川崎新田ジムは市内の小中高生や障害児、児童養護施設利用者を無料招待する「かわさきYUMEシート」を、ヒートアップは18歳以下と障害者手帳所有者の全大会無料招待を社会貢献事業として実施しており協賛を求めた。

 2部の交流会では、参加者同士が名刺交換や自社事業の紹介などをして親睦を深めた。

川崎市選管 衆院選の記録を作成

 川崎市選挙管理委員会(市選管)は3月28日、昨年10月27日に行われた衆議院議員総選挙の結果を取りまとめた「令和6年10月27日執行 衆議院議員総選挙の記録」を作成したと発表した。

 この記録には、選挙概要や選挙啓発、候補者などの情報、投開票の結果、選挙公営に関することなどを約180頁にわたって記載している。

 衆議院議員総選挙の記録は、川崎市のホームページ(https://www.city.kawasaki.jp/910/page/0000175171.html)で公開している。

ゴミを集める会員ら=RC提供

川崎麻生RC きれいな麻生川へ 桜まつりに向け清掃

 川崎麻生ロータリークラブ(RC)は3月28日、社会奉仕活動の一環として、麻生川の清掃を行った。

 同クラブは毎年、麻生川桜まつりに向け、会場となる麻生川の清掃を実施している。

 まつり前日の開催となった今回は会員ら10人が参加。1時間ほどかけて、ゴミを拾い集めた。

200万人目の来館となった増田さん家族=3月29日

岡本太郎美術館 来館者200万人達成 セレモニーで祝う

 生田緑地(多摩区)にある川崎市岡本太郎美術館(土方明司館長)の来館者数が3月29日、200万人を達成した。

 200万人目となったのは、静岡県から家族で訪れた増田暁三さん(43)と恵理さん(42)、樹木さん(16)、六花さん(14)。同館のエントランスで、セレモニーが行われ、土方館長らから記念品が手渡された。初めて同館を訪れたという恵理さんは「すごく多くの人が作品を目にしたと思うが、本当に迫力があって、生命力を感じた。これからもいろんな人に見ていただけたら」と話した。土方館長は「昨年秋に開館25周年を迎えた。そんな年度の最後の週末に200万人を迎えられたことは、館員一同にとっても大きな喜び。次年度以降の励みになる。今後も太郎作品の魅力をさまざまな切り口で紹介していきたい」と述べた。

 同館は川崎出身の芸術家・岡本太郎氏から約1800点の作品などの寄贈を受け1999年に開館。2012年3月に来館者100万人を突破、昨秋に25周年を迎えた。

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満州の学校で撮影した写真を手にする大塚さん

中原区上平間在住 大塚ミネさん(93) 「亡くなった人の無念伝えたい」 満州から逃避行、一人故郷へ

 「生き抜いて80年 生かされて80年 まだ生きる」――。戦後80年の今年、そんな句を詠んだ。

 新潟県刈束郡高柳村生まれ。教員や議員を務めていた父親が、中国東北部にあった「満州国」の開拓団に手を挙げ、家族で海を渡った。当時8歳。現地の学校に通い、家では放牧、家畜の飼育を手伝った。

 1945年8月9日。ソ連が侵攻してくると聞き、避難するため、畑に行っていた父親、長兄以外の家族で神社へ。団長から青酸カリを渡された。駅に向かうも列車は出た後だった。迫るソ連軍。待ち受ける満人。列の間が開き、後方は満州軍に襲われ、多くの人が亡くなった。「乗るはずの列車は爆破され、前列だったから助かった。運が良かった」

 8月21日、集落に着くとソ連軍機から「日本は負けた。降伏して出てきなさい」とチラシがまかれた。信じられず出発するも、満人に襲撃され、集落に戻った。そこで言い渡された団の解散。絶望し、家族で青酸カリを飲んだ。意識を失うも数時間後に目を覚ました。「一人で行動できる者で脱出する」と団から言われた。残ると決めたが、母親らに「生きて国のために働きなさい」と背中を押され、家族でただ一人、涙ながらに団を後にした。集落はソ連軍に囲まれて全滅。家族との最期の別れとなった。

 9月半ば、渡河中にソ連軍に囲まれ降参。収容所に送られ、日本が負けたことを知った。「わかっていれば、みんな死ななくて良かった。悔しくて涙が止まらなかった」。収容所で満人に売られかけ、発疹チフスにかかり命を落としかけたこともあった。

 1年後、引き揚げが始まった。満人から「日本に帰っても大変。ここに残れ」と誘われたが、忘れるはずのない故郷。博多港から一人、新潟に戻った。「孤独に慣れすぎてしまった」と、故郷の地を踏んでも悲しさが募った。

 父と長兄は帰ってこなかった。大阪で就職し、結婚後、川崎に転居。食料品店などを営んできた。満州での出来事を知る人は数少ない。「時代だから仕方ない。亡くなった人の無念さを伝え、戦争のことを若い人に知ってもらいたい」。次世代へ言葉を紡ぐ。

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今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。

ボールと賞状を持つ木村さん

中野島中出身 木村守さん 作文コンで県知事賞

 神奈川新聞社主催「道の作文コンクール2024」の入賞作品がこのほど発表され、3月に中野島中学校(多摩区)を卒業した木村守さん(15)の作品が、最高賞の神奈川県知事賞に輝いた。

 同コンクールは、「道」や「高速道路」をテーマに、思ったことや考えたことを自由にまとめるというもの。今回は県内の小中学生から合わせて605点の応募があった。

ペルテス病を経験

 木村さんは小学3年生の時、股関節の大腿骨頭が壊死する病気「ペルテス病」を発症。無意識に足を引きずる姿を見た母・幸子さんが複数の病院に連れて行ったところ病気が発覚し、突然の入院が決まったという。

 ペルテス病は2〜10歳の男児に多く発症する病気で、個人差はあるが手術や装具治療によって3〜5年で完治するとされている。木村さんは3カ月間の入院と約3年にわたる治療の末、「病気に勝った」。

「道」になぞらえ

 作文には当時の心境と現在の夢を「道」になぞらえてつづった。通院のために幸子さんの運転でいつも通っていた道と、苦難を乗り越えた今、夢に向かって進む道。木村さんの夢は「プロボウラーになること」だ。

 3年ほど前、兄と遊びに出かけたことがきっかけで出合ったボウリング。当時も定期的に通院していた木村さんにとって、ボウリングは「自分が気を付けていれば安心して思う存分体を動かせる」スポーツ。作文には「自由にスポーツができる喜びと、ストライクが出た時の爽快感が、僕の心を魅了した」とつづられている。

 この春から都内の高校へ通う木村さん。現在はプロをめざして相模原市内のボウリング場で毎日練習に励む。強みは「病気を克服して手に入れた強い心」。「全然できないときもあるが、そんなの大したことない。前向きにとらえないと」と笑顔で話す。

「知ってほしい」

 ペルテス病の発生率は1万人に1・5人といわれる。知らない人も多く、学校などで適切な対応が受けられなかったり、偏見の目で見られたりすることもあったという。幸子さんの勧めで自分の体験や心境を文章に残し、詩や作文のコンクールで受賞を重ねてきた木村さんの文章には「知ってほしい」という思いも込められている。「ペルテスも含めて自分だから隠す必要もない。治ればこんなに元気に動けると知ってほしい」

千葉修平氏

参院選 維新が千葉氏擁立へ 52歳、喫煙対策など訴える

 日本維新の会は夏の参院選神奈川選挙区(改選定数4)に参議院議員秘書の千葉修平氏(52)を擁立することを決めた。

 千葉氏は八王子市議を1期務め、2003年から松沢成文知事(当時)の秘書となり、松沢氏が参議院議員に転身後も秘書を務める。本紙の取材に「首相公選制の実現や飲食店の禁煙化などの受動喫煙対策を訴えていきたい」としている。

 参院選にはこのほか、現職では牧山弘惠氏(60/立憲民主党)、佐々木さやか氏(44/公明党)、水野素子氏(54/立憲民主党)。新人では脇雅昭氏(42/自由民主党)、籠島彰宏氏(36/国民民主党)、浅賀由香氏(45/日本共産党)、三好諒氏(39/れいわ新選組)、初鹿野裕樹氏(47/参政党)が出馬の意向を表明している。(4月1日起稿)

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齋藤理事長(左)に用意したロウソクを手渡す(株)飛鳥典禮の真鍋康行代表取締役社長

葬祭具協同組合 取手市にロウソク寄贈 障害者支援へ 4年ぶり

 川崎葬祭具協同組合(齋藤隆理事長)は3月24日、使用済みロウソク100kgを茨城県の取手市立障害者福祉センターふじしろに寄贈した。

 同組合は、使用済みのロウソクと廃木材を使って着火剤を製造、販売し、障害者の就労支援活動を行っている取手市の施設を支援するため、川崎市内で使用済みのロウソクを回収。21年7月に184kgを寄贈した。

 以降、川崎市内の障害者福祉サービス事業所でも同様の取り組みをスタート。使用済みロウソクを寄贈している。昨年、福田紀彦市長からこの取り組みに対し表彰を受けたことから、原点である取手市に再度ロウソクを贈ろうと、同組合会員で計100kgを用意し寄贈した。

 齋藤理事長は「取手市で新商品を展開していたので川崎市でも検討していきたい。今後もロウソク回収にご協力いただければ」と話している。

市長に提言するメンバー

川崎市子ども会議 「U18」で福田市長に提言 地震の備えテーマに

 川崎市の課題を子どもたちで考える「川崎市子ども会議」が2024年度の議論を終え、3月27日、拡大会議「カワサキ☆U18」の場で、福田紀彦市長に「子どもが考える地震のそなえ」を提案した。市は提言の扱いを検討の上、後日「子ども会議」に報告する。

 「川崎市子ども会議」は、市の「子どもの権利に関する条例」に基づき、市政について市長が子どもの意見を求めるために開設する。

 24年度は「子どもが考える地震のそなえ」をテーマに年間を通して議論したほか、「子ども会議」に参加していない子どもや、地域の大人を交えた拡大企画「U18」を夏と秋に開き、幅広く意見を集めた。

 提言では、【1】普段から防災情報にふれるきっかけ【2】子どもが主体的に防災について考えるきっかけ【3】家族で防災について考える機会【4】子どもが過ごしやすい避難所--の4項目について、市長に要望を伝えた。

 各項とも具体案を添え、【2】では「子どもが中心となって考えた防災訓練を行う」、【4】では「避難所運営に子どもの意見を取り入れる」など、議論で上がった声が明記された。

「相談の場」に要望

 提言の後は、25年度の「子ども会議」のテーマについて、福田市長と意見を交わした。

 テーマの候補は「私たちの子どもの権利をもっと大切に!」「私たちが考えるキレイなまちづくり」の2つ。会場からは前者に関する意見が多く集まり、「子どもが納得できるルールづくりを」「子どもの権利を実際に使えるようにして」といった声が上がったほか複数の子どもから「相談しやすい環境」への要望が相次いだ。「いじめにあっていると親にも言えなかった」という男子が「やっと相談できた先生が異動していく。どうしたらいいのか」と窮状を訴える一幕もあった。

 福田市長は「みなさんの意見にしっかり向き合っていく。新年度の議論にも大いに期待している」と語り、会場の子どもたちに感謝を伝えた。

伊藤さん(右)と岩見さん

JAセレサ川崎など 交通安全グッズを寄贈 市内の新1年生全員に

 新入学生たちが安全に登下校できるようにと、セレサ川崎農業協同組合(JAセレサ川崎、宮前区)が3月27日、鮮やかな黄色のランドセルカバー1万3千枚を川崎市に寄贈した。みずほフィナンシャルグループなど市内に拠点のある金融機関4社からは、黄色いワッペン1万1740枚が贈られた。いずれも市立小学校や私立学校、支援学校に提供される。

 市役所で開かれた贈呈式では、福田紀彦市長とJAセレサ川崎の梶稔代表理事組合長のほか、各企業の川崎支店長らが出席した。新入生を代表し、いずれも宮前区在住の伊藤紘希さんと岩見咲奈さんが、ランドセルカバーやワッペンを受け取った。

 新入生としての抱負を聞かれ、伊藤さんは「漢字を頑張ります」と答え、岩見さんは「算数を頑張ります」とはきはきと答えた。福田市長はJAセレサなどの支援への感謝を伝え、新1年生の2人と保護者たちに「交通事故に気を付けて、すこやかに育ってほしい」と語りかけた。

 ランドセルカバーはJAセレサ川崎が2008年から寄贈を続ける。ワッペンには交通事故傷害保険が付帯しており、04年から、みずほフィナンシャルグループ、損害保険ジャパン、明治安田生命保険、第一生命保険の4社が寄贈してきた。

富士通レッドウルブズ©Fujitsu

スポーツアンバサダー 川崎市 2団体の認証を決定

 川崎市を拠点とするスポーツ団体を市が認証する「かわさきスポーツアンバサダー」に、新たにプロダンスチーム「KADOKAWA DREAMS」(中原区)と男子社会人バスケットボールチーム「富士通レッドウルブズ」(同)の2団体が決定した。

 「かわさきスポーツアンバサダー」は市内を拠点に競技活動を行い、地域活動にも積極的なスポーツ団体やスポーツ選手の所属団体を市として応援する制度。団体は認証マークをPRや地域活動に利用でき、市も公式ホームページで取り組みを紹介する。任期は3年で、更新もできる。

 「KADOKAWA DREAMS」はプロダンスのDリーグを連覇するなどトップチームとして活動しながら、「かわさき飛躍祭」など地域のイベントでもパフォーマンスを披露。認証を受け、「川崎の方々から愛され、日本の未来を担う子供たちが夢を抱くチームでいられるよう努力する」とのコメントを発表した。

 「富士通レッドウルブズ」は地域の小学校でバスケ教室を開いたり、キャリア教育の講師を選手が務めるなどの活動を推進。富士通企業スポーツ推進室の担当者は「今後は官民連携の地域清掃や大規模なスポーツ教室なども検討し、社の複数のスポーツチームと力を合わせ、地域に必要とされる活動を継続していく」と抱負を語った。

GO!GO!!フロンターレ

オフィシャルスーツ発売開始!

 ORIHICAが川崎フロンターレのオフィシャルスーツサプライヤーとなって20年。これを記念して、20周年記念となる2025年モデルのオフィシャルスーツが発売。

 ジャケットとパンツのサイズを別々に選べるセットアップスーツのため、ビジネスシーンだけでなく、ビジカジスタイルやジャケパンスタイルなど、幅広い着こなしが楽しめる。

 既製品として販売されるため、ORIHICAショップで実際に試着して購入でき、仕上がり期間も短縮された。

 スーツ生地には、過去最高レベルのストレッチ性とウォッシャブル機能を実現。ネクタイにはふろん太とカブレラのシルエット、シャツには20周年モデルを示すプリントがあしらわれている。

 本日から販売開始。ORIHICAの各店舗やオンラインショップで購入可能。5月11日(日)までにジャケットを購入すると、オリジナルピンズと選手の直筆サイン色紙がプレゼントされる。