海老名・座間・綾瀬版【4月4日(金)号】
4月1日に運用を開始した海南分署(=同市消防本部提供写真)

海老名市消防 「南分署」新庁舎が完成 浸水時は屋上避難も

 老朽化のため、新庁舎の移転建て替えを進めていた海老名市消防署南分署が完成し、3月29日に開署式が開かれた。内野優市長や戸澤幸雄議長、大野公彦消防長ら関係者約100人が出席し、同市南部地域を守る防災拠点の門出を祝った。4月1日から運用を開始している。

 新庁舎は、同市上河内の旧庁舎から西へ約400m移転し、社家に建設された。

 敷地面積は約1791平方メートル、鉄筋鉄骨造2階建て。延べ床面積は約986平方メートル。建設費は約8億5000万円。

 1階には車庫や出動準備室のほか、資機材倉庫、トレーニング室、救急隊員の感染防止を図る救急消毒室、2階は隊員待機室や書庫、食堂、シャワーや仮眠室を備えた女性専用エリア、屋上には非常用発電機などを設置した。訓練や各種イベントを通じて消防に親しんでもらおうと、消防イベント広場も設けた。

 新庁舎の周辺地域は、海老名市が作成した「ハザードマップ」で浸水想定区域に位置していることから、屋上直結の屋外階段を設置。大規模水害時には市民が屋上に一時避難できる。

 旧南分署は1984年竣工で、老朽化や女性エリアがないことから女性職員が当直できないなど、業務に支障が出ており、2022年5月から「大規模浸水から市民を守る」をコンセプトに、新庁舎の移転建て替え工事が進められていた。市消防本部によると、旧庁舎は今後取り壊す予定で、敷地内の訓練施設は「海老名市消防訓練場」として活用するという。

安全を約束

 開署式では、来賓として長田進治県議と相原しほ県議、熊崎豊海老名警察署長らが出席し、座間市や綾瀬市、大和市の消防関係者も参列した。

 あいさつに立った内野市長は南分署の開署について、市民の安心と安全を守る要と位置付け、「赤いドアが印象的。市民に防災について関心を持ってもらい、親しまれる施設になってほしい」と期待を込めた。大野消防長は「自然災害は年々被害が大きくなり、防災力の増大は急務でした。新庁舎の完成が海老名市の更なる安全につながることを約束します」と決意を述べた。

 その後、内野市長と大野消防長、戸澤議長が登壇し、テープカットが行われ、新庁舎の門出が祝われた。

海老名市と海老名警察署が連携を始めた

海老名市綾瀬市 犯罪被害者サポートへ 見舞金や生活支援など

 海老名市と綾瀬市は1日から、犯罪被害者や家族らへの支援を始める。3月議会で可決された犯罪被害者等支援条例に基づき対応窓口を設置して生活全般の支援に乗り出す。

 両市で実施する支援策は、おもに遺族や重傷病者への見舞金支給、ホームヘルプサービスや配食、家庭では難しくなった子どもの一時保育や、家に住むのが難しくなった場合の転居費用などの助成、法律などの専門家によるカウンセリングなどがある。2市の窓口では犯罪被害者からの相談事例はなく、県やNPOの相談窓口を利用していると思われる。海老名市市民相談課は「これから相談者に寄り添い支援したい」とし、綾瀬市市民課は「他市と足並みを合わせて始まった。広まってほしい」と話した。

 海老名市は3月28日、条例に基づいて海老名警察署との連携を始めた。熊崎豊署長(=人物風土記で紹介)は「被害者の方々の心を思うと大切な取り組み。署としても色々な悩みや痛みを抱える方に寄り添い、支援をしたい」と話す。

 犯罪被害者の権利・利益保護のために2005年に施行した「犯罪被害者基本法」では、地方自治体が被害者支援を行う責務を明記する。県内では寒川町をはじめ11自治体が支援条例を制定。海老名市と綾瀬市が3月に条例案を可決し今年4月1日から実施が決定したほか、近隣では大和市や厚木市、鎌倉市、小田原市、逗子市が支援を始める予定。座間市は26年4月の実施を目指して準備を進めている。

 県は2009年に支援条例を施行。被害者のサポートステーションや24時間電話相談できる性犯罪被害者支援センターを開設した。被害者や遺族への見舞金制度も拡充している。

相鉄線海老名駅 今年上期に改札増設 ホームドアも全駅で設置へ

 改修工事が進む相鉄線海老名駅で、今年上期に2階中央改札口の供用が始まる。今後、北口と2階中央改札を結ぶ連絡通路や保育施設も設け、利便性向上を図る。

 相鉄線海老名駅の改修は当初2015年に始まり2020年の完成予定だったが、2021年に鉄骨(基礎杭)の先端に不具合が見つかり、スケジュールが変わった。現在は中央部の鉄骨躯体や建築内外装、設備工事が進んでいる。

 地上2階建てで外壁に濃いグレーなどを使い内装に鉄やレンガ、ガラスを使う。いずれも相鉄グループの統一コンセプト「デザインブランドアッププロジェクト」に沿ったもの。総合監修は「くまモン」の生みの親でクリエイティブディレクターの水野学氏が、空間プロデューサーの洪恒夫氏が手掛けた。

 現在1階にある中央改札をビナウォーク方面に直結の2階にも増設、すでにオープンした北口改札との連絡通路を2026年度に整備、地域ニーズを踏まえた保育施設も新設する。ホームドアも施工し、これで相鉄全駅での設置が完了する。

 利便性向上の背景にはマンション建設や土地区画整理事業など、開発が進む周辺環境もある。相鉄では今月半ばのダイヤ改正で快速の一部を特急に変更。特急を平日計8本とし、横浜〜大和・海老名の速達性も向上させている。

大和連に合わせて多くの来場者が踊った=23日・旧上瀬谷通信施設跡地で

国際園芸博覧会 「2年前イベント」盛況 阿波おどりが花添える

 大和市に隣接し、横浜市瀬谷区と旭区にまたがる旧上瀬谷通信施設跡地で2027年3月19日〜9月26日、「国際園芸博覧会(GREEN×EXPO2027」(通称=花博)が開催を予定している。世界規模の祭典を盛り上げようと、「フラワーフェス2025」が22日・23日、花博の「2年前イベント」として同所で開催された。

 フラワーフェス2025は、地元企業や団体の有志でつくる「横濱花博連絡協議会」(露木晴雄会長)が主催して開かれた。快晴の下、土日の2日間にわたって行われ、多くの人が訪れた。

 会場には50を超える屋台やキッチンカーが並びお祭り気分を盛り上げた。花博の2年前イベントということもあり、会場内には色鮮やかな花々が植栽されたフォトスポットも用意。スマートフォンで「映える」一枚を撮影する親子連れの姿も多く見られた。

 メインステージでは、横浜市内の中学生や高校生らによるフォークソングやチアダンス、合唱などが行われた。23日の夜には歌手のクリス・ハートさんがステージのトリを務め、大きな盛り上がりを見せた。

 同日の1時45分には、瀬谷区に隣接する大和市から「神奈川大和阿波おどり振興協会」(栗城健会長)に所属する9つの連で結成された「大和連」がステージに登場した。総勢76人の踊り手たちが鳴り物に合わせ、「ヤットサー」の掛け声で力強さと美しさを兼ね備えた踊りを披露した。

 大和連のメンバーたちがステージを下りて、集まった大勢の観客に踊りをレクチャーする一幕もあった。最後は大和連に観客、大和市の古谷田力市長も加わり、皆で阿波おどりを楽しんだ。

 踊り手として参加した「そんじょ連」に所属する保坂芳恵さん(48)は「阿波おどりを通して花博を盛り上げることができて良かった。こうして市外の方たちと交流できたこともうれしかった」と振り返った。

花壇で花博PR

 2年後に迫った花博の機運醸成は、横浜市だけでなく県央4市の「花壇」にも見られる。

 海老名市の「東柏ケ谷第四長寿会園芸クラブ」はこのほど、花博をPRする立て札を東柏ヶ谷4丁目交差点付近の花壇に設置した。

 県では花博の認知度向上などを目的に各地で植栽活動に励む団体に、「GREEN×EXPO2027応援看板」を配布してきた(現在は受け付け終了)。同クラブでは県や市の協力要請を受ける形で立て札を設置。通行人や花壇を見に来た人たちへの花博周知に一役買っている。

 同クラブの青山広文さん(77)によると花壇の手入れは毎月第3日曜に行っているといい、青山さんは「微力ながらも園芸博覧会のPRに貢献できていることはうれしいこと」と話している。

テーマパークも

 国際園芸博覧会は、花や緑をテーマにした国際的な博覧会で、日本では1990年に大阪で「国際花と緑の博覧会(花の万博)」が開かれた。37年ぶりに横浜市で開催が予定され、1千万人以上の来場が見込まれる。花博後には、次世代型テーマパークを核とする「(仮称)KAMISEYA PARK]の建設も予定されている。

海老名警察署の署長に就任した 熊崎 豊さん 海老名市在住 54歳

歩いて作る守りの絆

 ○…海老名市の安心・安全の要としてこの春から指揮をとっている。これまで各地の警察署や県警本部で働いた。犯罪抑止担当の部署にいた時は、様々な詐欺被害を見てきた。被害者たちは自分を責め、時には家族からも責められる。「子を思う親の気持ちに付け込む犯罪を、決して許さない」。温和な表情の中にゆるがぬ芯が見えた。

 ○…相模原市出身。父・三郎さんも警察官で、食事マナーから髪型、身だしなみにも厳しく、小さいころから警察官に硬いイメージをもっていた。ある日、自宅近くで火災が発生。非番の父が駆けつけ、てきぱきと交通整理にあたる姿にあこがれも芽生えた。父はその後警察署長となり、単身赴任に。同じ境遇になった今、家族と離れて働く気持ちがよく分かる。

 ○…中学・高校ではハンドボールに没頭し、キーパーを任された。チームプレーの面白さはもちろん、みずから動いて死角を減らす意識を磨いた。大学卒業後はOA機器の企業に就職して営業職へ。街を歩いて企業に飛び込み、信頼を重ねて受注する。取引先に信用してもらい、貢献できる喜びを知り「もっと広く人のために役立ちたい」と父と同じ警察官に転職。県警本部では金融機関に詐欺防止の協力を得るため都内に通い、いくつもの絆を結んだ。

 ○…趣味は家庭菜園で、枝豆などを育ててきた。仕事が多忙で収穫を逃してしまうが、チャンスがあれば取り組みたいところ。海老名はビナウォークやららぽーとには家族で訪れ、土地勘がある。同僚には「ワンチームで、市民目線でいい仕事を」と呼びかけ、「安心の街づくりに欠かせないのは、地域との連携です」。長い警察官人生で感じてきた真理が、あゆみの先にある。

公益社団法人大和法人会の青年部会長を務める 三井 絵美さん 大和市中央在勤 47歳

恩返しを次世代へ

 ○…「異業種の方と知り合いになれるので勉強になる」。大和と海老名、座間、綾瀬の経営者が所属する法人会青年部会のかじ取り役を担う。年1回の中小企業経営セミナーや定期的に研修会を開催するほか、大和税務署や税理士会と連携し、4市の小学生らを対象に租税教室の講師も担当している。「人に何かを教えたり伝えることが好きなので、とても楽しい」と声を弾ませる。

 ○…小学生の頃、家族と遊びに行った水族館でイルカを見て「トレーナーになりたい」と憧れた。高校卒業後、念願だったイルカトレーナーとして働いたが、体調を崩し一時中断することに。様々なアルバイトを掛け持ちするようになった。市外のダイビングショップで働きながらインストラクターの資格を取得するなかで「人に教えることってこんなに楽しいんだ」と実感した。

 ○…20代後半の時、誘いを受けて大和市内のダイビングスクールで働くことになった。店舗を受け継ぎ、2代目として17年。現在は国内外のダイビングツアーを開催しており「今は自然界のイルカを紹介することができる」とほほ笑む。インストラクターになりたい人へ向けた講習も実施してきた経験から「様々な事情で資格を得ることが難しい海外の人に向け、今までの知識を活かしていきたい」と夢を語る。

 ○…青年部会に入会しておよそ15年が経った。「辞めてしまおうかな」と考えたこともあったが、「法人会で知り合った人に支えられた」。同世代の経営者がいるからこそ「壁にぶつかった時に悩みを共有し、相談できる」と笑顔を浮かべる。「若い経営者が生き生きとしていることで街が活発になる。今までの恩返しとして、今度はアドバイスできる立場になりたい」と意気込む。

社家コミセンで組手の稽古をする前野さん

海老名市 前野姫輝さん全国大会へ 防具外すフルコンタクト

 海老名市在住の前野姫輝さん(秦野高校2年)が、5月末から有明アリーナで開催される第2回国際フルコンタクト空手道大会に初出場する。

 前野さんは杉久保小学校の時にアニメ「名探偵コナン」に登場する空手競技者のキャラクターに憧れて、新極真会厚木赤羽支部海老名道場に入門した。指導を素直に吸収し、負けても引きずらない性格で実力をつけてきた。小学4年の時に全関東大会で優勝、大谷中の時には全国3位にもなった。秦野高校に進学してからは、昨年のカラテドリームフェスティバル国際大会の高校生女子中量級で優勝した。

 これまでは頭にヘルメット風の防具をつけていたが、フルコンタクトの大会では着用せず、直接打撃で相手にダメージを与える必要がある。「怖さはあるけれども、防具がない分視野が広がりやりやすい」と話す。

 特技は近距離からの体の上部への蹴り。将来の目標は、無差別級の世界大会優勝だ。普段は社家コミセンや厚木のジムで練習、厚いマスクをつけながら体を動かし、苦しい状況でさらに動けるよう、鍛錬を続けている。

1日に改装オープンした建物 一新した内装(下)

座間市 サニープレイス新装 青少年センターも併設

 座間市役所隣で2023年9月から改装工事が行われていたサニープレイス座間が、4月1日にオープンした。

 改装は約7億円かけて行われ、1階には以前デイサービス施設があった部分を改装し、近隣にあった青少年センターが移転、事務室のほかフリースペースや活動室(3室)、学習室や音楽室、和室ができた。2階には改装中にスカイアリーナ(相武台)内に移転していた社会福祉協議会が戻った。CO2排出削減のため建物屋上に太陽光パネルも設置した。

 サニープレイスは2000年築で、市の公共施設再整備計画に基づいて複合化した。近隣にあった旧青少年センターの建物は1974年築で、老朽化を理由に今後5年以内に解体される予定。

海老名市、座間市、綾瀬市 部長級人事 4月1日付

 海老名市【部長級(理事、部長、次長・専任参事)】理事兼市長室長(保健福祉部長)中込明宏▽理事兼財務部長(財務部長)伊藤修▽理事〈都市・建設担当〉(理事兼まちづくり部長)谷澤康徳▽理事兼まちづくり部長(理事〈経済・まちづくり担当〉)松本潤朗▽市民協働部長(市長室次長兼市長室ハラスメント対策専任参事)高田俊一▽保健福祉部長(市民協働部長)告原幸治▽経済環境部高座清掃施設組合担当部長(経済環境部専任参事〈高座清掃施設組合担当〉)小川隆太▽消防長〈消防正監〉(消防長・消防監)大野公彦▽市長室危機管理担当部長併消防本部担当部長〈消防監〉(市長室危機管理担当部長併消防本部担当部長〈消防司令長〉)海塩明宏▽市長室次長(保健福祉部参事兼地域包括ケア推進課長)安宅道善▽保健福祉部次長〈福祉担当〉兼福祉事務所長(財務部参事兼企画財政課長)井上雅文▽保健福祉部次長〈子育て担当〉(保健福祉部次長〈福祉担当〉兼福祉事務所長)山田志保▽保健福祉部専任参事〈社会福祉協議会担当〉(保健福祉部専任参事〈社会福祉協議会担当〉)内田拓亜(派遣更新)▽まちづくり部専任参事兼住宅まちづくり課長(まちづくり部参事兼住宅まちづくり課長)得田悟志▽会計管理者(参事兼会計課長)押方信一郎▽消防次長〈消防本部担当〉〈消防監〉(消防次長〈消防本部担当〉〈消防司令長)河井務▽消防次長〈消防署担当〉兼消防署長〈消防監〉(消防次長〈消防署担当〉兼消防署長〈消防司令長〉佐藤幸博▽議会事務局参事兼議会事務局次長(市民協働部参事兼地域づくり課長兼コミュニティセンター所長兼文化センター所長)安齊浩史▽監査委員事務局長(保健福祉部参事兼福祉政策課長)柏木功▽農業委員会事務局長(保健福祉部参事兼こども育成課長兼えびなこどもセンター長併教育部参事)本木大一【退職】(3月31日)▽青木利行、中島真二、秦芳生

 座間市【部長級】選挙管理委員会事務局長併会計管理者併総合政策部参事〈事務管理担当〉(総合政策部行政管理課長併選挙管理委員会事務局次長)久保秀満▽財務部長(選挙管理委員会事務局長併会計管理者併総合政策部参事〈事務管理担当〉)本山雅陸▽こども未来部長兼福祉事務所長(健康部長)山本浩由▽地域づくり部長併農業委員会事務局長(総合政策部総合政策課長)中村政秀▽健康部長(こども未来部長兼福祉事務所長)白井政明▽都市部長(都市部参事兼都市計画課長)原仙幸▽消防本部消防長(消防署長)三本千春▽消防本部次長兼消防署長(消防署第2警備課長)吉川正剛▽議会事務局長(財務部長)安藤誠▽監査委員事務局長(地域づくり部市民協働課長)松崎佳子【退職】(3月31日)▽田川敦子、宮野敬、川島是一

 綾瀬市【部長級】総務部長(会計管理者兼会計課長)庄司登紀江▽福祉部長兼福祉事務所長(同部参事兼高齢介護課長)今井美智代▽産業振興部長併農業委員会事務局長(議会事務局長)中西忠彦▽議会事務局長(市長室参事兼秘書広報課長)保坂敦▽教育部長(同部参事兼教育総務課長)大矢博之【退職】(3月31日)▽比留川龍、峯山哲夫

日本語を教える渡邉代表(右)

吉岡工業団地 日本語教え10年 歴史に幕 あやせ未来塾

 綾瀬市の吉岡工業団地で海外出身者向けの日本語教室を開いてきた「日本語クラス あやせ未来塾」(渡邉誠一代表)が3月28日に閉講式を行い、10年間にわたる活動を終えた。

 この教室は、海外の日本人学校で教鞭をとった験がある渡邉代表と、海外出身者が多く働く(株)栄和産業の伊藤正貴社長が出会い、意気投合して開設した。同社の食堂を教室として毎週金曜日の夜に生徒を集め日本語を教えてきた。10年間で305回の授業を開き、餅つきなどを通じて日本の文化にも親しんでもらった。卒業生の中には、日本語能力検定合格者や高校・大学入学者もいる。

 渡邉代表は昨年で83歳となり、将来の事を考えて10年間の活動を区切りとして閉講を決めた。ボランティアスタッフの高齢化と後継者不足も継続を難しくしたという。渡邉代表は「多文化共生の一助を担えたことはボランティア冥利に尽きる。活動の中で多くの方にお世話になった。一人ひとりに『ありがとう』と伝えたい」と振り返った。

 10年間通い、閉講式で学習努力賞を受賞した榊楓人さん(38・カンボジア出身)は「来日直後は日本語が全く分からなかった。ここで学んで話せるようになり、仕事もできるようになり、日本国籍も取得した。先生達に出会えて本当によかった」と感謝を述べた。

水も飲まずに日中を過ごし、夕食の前に祈る

断食を終え、皆で夕食 上郷の海老名マスジド

 3月の約1カ月間はムスリムが日の出から日没まで一切の食を絶つ、イスラム教の「ラマダン」だった。海老名市上郷の「海老名マスジド」では、毎晩日没後に人が集まり食事や祈りの時間を過ごした。

 玄関には料理の香りが漂い、あいさつを意味するアラビア語「アッサラームアライクム」の声が響く。パキスタンやインド、スリランカ、インドネシアなど出身地は様々で、飛び交う共通語は日本語が多い。誰もが午前4時頃から水も飲まず、一日働いた後に集まる。敷物の上には揚げ物や果物、煮込み料理が並んだ。薄桃色のミルクや、日本ではなじみの薄いナツメヤシの実も。夕食を共にする理由を参加者に聞くと「みんな家族だから」。日没時刻は国内でも異なり、スマートフォンで確認して、落ち着いた雰囲気で食事が始まった。祈る時は、相模川方面の壁がメッカの方角になり、来場者は列になり祈った。ハワジャ・アサド・ナシムさん(50)は「1年の中でもラマダンは特別で、嬉しさもある。神様を近くに感じる」と話した。

ムスリムの小学生給食の時は別室へ

 中には子どももいた。断食は7歳位から始める子が多い。礼拝用の帽子をかぶった小学生(綾瀬市在住・5年)は給食の時間になると国際教室で過ごす。水を飲まないため、運動すると疲れやすいという。「断食をするのは、貧しい人や戦争などで食べられない人の気持ちを分かるようになるため。つらいとは思わない」と笑顔を見せた。

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左から宮越漣さん、原田さん、浴琢真さん

2度目の総務大臣賞 海老名市少年消防クラブ

 総務省消防庁主催の令和6年度優良少年消防クラブ・指導者表彰で、海老名市少年消防クラブが「特に優良な少年消防クラブ」として総務大臣賞を受賞した。3月20日に都内での表彰式で日ごろの活動報告を行い、表彰状を受け取った。同クラブの受賞は2017年度以来、2度目となる。

 少年消防クラブは防火や防災について学習するための組織で、小学生から高校生までの少年少女で結成。全国で4029クラブ(昨年5月1日時点)が活動している。

 海老名市少年消防クラブは市内の小中学生52人と同クラブを卒業した高校生5人が指導員として在籍している。将来の地域防災の担い手や防火・防災思想の普及などのため、市消防本部で放水や消火訓練を定期的に行っている。

 表彰式ではメンバー3人が檀上でスライドを使いながら、海老名市の特長と合わせて普段の訓練や活動内容を報告した。表彰状を受け取ったリーダーの原田和幸さんは、「日ごろの活動が認められ、賞をいただけて嬉しいです」と喜んだ。

単身高齢者の終活サポート 身元保証や葬儀・埋葬支援 サン・ライフ「ライフリリーフ」が脚光

 ひとり暮らしの高齢者にとって、日頃の暮らしや将来に対して、様々な心配や悩み事を抱えてしまいがち。

 そんな終活の不安を解消する株式会社サン・ライフの新しいサービス「ライフリリーフ」が脚光を浴びている。一人ひとりにぴったりの介護施設の紹介を始め、施設への入居や病院への入院に際して、同社が身元保証人となったり、緊急の際の窓口になってくれる。

 「自分の葬儀はどうすればいいのか」と言う悩みには、元気なうちにあらかじめ希望通りに自身の葬儀スタイルを決めておくこともできる。火葬後も同社が収骨を代行するほか、料金の支払いや手続きなど全般を担う。埋葬に関しても埋葬先がある場合はご遺骨の搬送や納骨を代行。海洋散骨(自然葬)や合祀墓での供養なども要望に応じるなど、高齢者の様々な不安を安心に変えることができる。

 問い合わせは【フリーダイヤル】0120・99・1169サン・ライフ「ライフリリーフ相談室」へ。

表彰される平井さん

背中叩き、窒息救う 綾瀬市の平井さん

 綾瀬市在住の平井美知代さんが、年配の男性を窒息から救ったとして、3月5日に早園小学校で市から表彰された。

 平井さんは昨年10月26日、市内の飲食店内で男性(83)が食べ物で窒息していることを見つけ119番通報。さらに背中を叩く応急処置をして、男性は息を吹き替えした。保田政浩消防長は「適切な応急処置で、勇気のある行動に大変感謝しています」とコメントしている。

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山ゆり会水彩画展 4月16日から

 第17回山ゆりの会水彩画展が4月16日(水)から20日(日)まで海老名市文化会館展示室で開かれる。

 風景画や人物画など68点の個性的な水彩画が展示される。時間は午前10時から午後5時。初日は午後1時から、最終日は午後4時まで。

(問)沢潟清会長【携帯電話】090・6179・6791 

河川敷を彩る菜の花(3月31日撮影)

こぼれた種から花咲く 座間市四ツ谷で

 座間市四ツ谷の河川敷にある畑で、菜の花が見ごろを迎えている。

 この畑は「ひまわりまつり」の四ツ谷会場で、 

休耕期間の活用法として、菜の花の栽培に取り組んでいる。

 例年は秋にかけて種をまいていたが、今回からは種をまかずに、前年に咲いた花を枯らしてから土に混ぜ、こぼれた種から芽吹かせる自然に近い手法での栽培に取り組んでいる。

 この試みを主導した「四ツ谷ひまわりの会」副会長の小泉聡さんは「今年は雨が少なく乾燥していたため、発育は遅め。例年より花の数は少ないが、咲いてくれてよかった」と話している。

 同会によると、この手法は次回も継続する予定だといい、数年後には一面が黄色になる予定だという。見ごろは4月中旬ごろまで。

 

San-Ei Gen with B-Maxとして出場=B-Max Racing Team提供

B-Max初ポイント 綾瀬や大和拠点に参戦

 綾瀬市深谷中と大和市下草柳に拠点をもつB-Maxレーシングチームが、国内の最高峰レース「全⽇本スーパーフォーミュラ選⼿権」の第1・2戦に出場した。

 決勝は3月9日三重県鈴鹿サーキットで開かれ、綾瀬市在住で今季初出場となった⼩出峻選⼿(25)は第1戦で14位となり、続く第2戦ではピット作業の素早さとともに、小出選手がベストラップを重ね、前⾞を追い抜くシーンも。結果8位に入り、3ポイントを獲得した。

 小出選手は昨年、同レースの一つ下のカテゴリー「スーパーフォーミュラライツ」のチャンピオンとなり、今季ステップアップを果たした。「できれば今年中に優勝したい。綾瀬市に転居し、チームとも密にコミュニケーションが取れ、雰囲気も⽇を追うごとに良くなっている」と期待をにじませた。

 第3戦と4戦は、4⽉18日から20⽇まで栃木県のモビリティリゾートもてぎで開かれる。

店内の回収ボックス

廃油で航空機飛ばす 食品館あおば綾瀬店

 食品館あおば綾瀬店(深谷中)が、廃食用油を航空燃料に再生するため回収を始めた。

 個人や自治体、企業による活動「Fry to Fly Project」の一環。化石由来の燃料より温室効果ガスの排出量を削減できる。

 食品館あおばでは戸塚区や旭区の店舗でも回収しており、綾瀬店では日本航空のロゴ入り回収箱で2月から月に2回ほど回収している。同店によると「他社に先駆け実施した。環境への取組は人材採用などでも関心事になっている」と話す。

 同プロジェクトには綾瀬市も参画しているほか、近隣ではレンブラントホテル海老名も加わり厨房の使用済みの食用油を回収している。

住宅地 地価公示 大和が県内3番目の上昇率 商業地は厚木が堅調

 国土交通省は18日、2025年1月1日時点の地価公示を公表した。神奈川県内では住宅地が4年、商業地13年、工業地は12年連続で前年より上昇幅が拡大。県央地域では大和の住宅地が県内3番目、厚木の商業地も堅調な伸びを示した。

 県全体の用途別平均変動率は、住宅地が3・4%、商業地6・6%、工業用地6・2%でいずれも前年より上昇率が拡大した。

・住宅地

 県央地域の住宅地では大和市が5%以上、海老名市4%以上、綾瀬市と座間市で3%以上、厚木市が2%以上、愛川町は0・6%、清川村も0・5%上昇した。政令市は3〜4%台の伸びで一般市の方が堅調な伸びを示した。

 大和市は、相鉄・東急直通線の開業による交通利便性の向上に加え、駅徒歩圏の需要が旺盛で継続して強い上昇傾向がみられた。

・商業地

 商業地では、厚木市と大和市が7%以上、海老名市6%以上、座間市と綾瀬市は5%以上の伸びで、厚木と大和は県平均を上回った。

 綾瀬市は県内で横須賀市と並ぶ3番目の伸び率となった。

・工業地

 工業地は厚木市が7%以上で県平均よりも高い上昇率を示した。圏央道や新東名のインターチェンジを擁する厚木市は県内で4番目に大きい伸びとなったが、昨年の10・1%と比べて鈍化した。

 地価公示は、国土交通省の土地鑑定委員会が毎年1回、標準地の正常価格を公示するもの。

※『生成AI』とは、テキスト、画像、音声などを自律的に生成できるAI技術の総称

県内市町村 生成AI 約6割が利用 本紙調査 「業務の時短に効果」

 人工知能(AI)を用いて文章や画像を作成する生成AIが世界的に普及する中、業務に導入する自治体も増えてきている。神奈川県内33市町村のうち、導入済が12市町村で実証実験中を合わせ6割近い19市町村が生成AIを利用していることが、タウンニュース社の独自アンケート調査で明らかになった。

 同調査では1月1日現在の生成AIの導入状況や活用事例、効果、課題などについて県内の33市町村に聞いた。導入済と回答したのは36・3%にあたる12市町村。実証実験中を合わせると19市町村(57・5%)が生成AIを利用していた。

議事録要約などに活用

 利用するすべての自治体が「効果があった」と回答。具体的には「業務の時間短縮」をほぼすべての自治体があげた。

 活用事例として多かったのは「あいさつ文案の作成」「議事録の要約」「企画文書の作成」「アイデア出し」など。さらに、「市長の動画・音声生成AIを使い『市長アバター』を作成し、英語で行政情報や観光情報を発信する」(横須賀市)、「ビッグデータを使った数値予測や行動最適化」(横浜市)、「Excel関数、VBAなどのコードの生成」(平塚市)などもあった。

 課題は、セキュリティー面や生成AIが作成した内容の正確性などに対する懸念のほか、生成AIを使いこなす人材育成や技術習得など、「使う側」の問題が多くあがった。

 未導入の自治体で「検討中」と回答したのは8自治体で、うち3自治体は導入を予定していた。実証実験はしたものの導入には至らなかったのは2自治体。そのうちの1つ大磯町は、「有効なものだとは思っているが、一般的なリスクを鑑みた。事業者の提案をもらいつつ、検討は継続していく」とした。

4自治体「予定なし」

 残る4自治体が検討も導入予定もなかった。

 未導入の自治体はいずれも「業務効率があがる便利な技術」という認識はある一方で、「導入費用」「セキュリティー」「技術面」「利用規約の策定」「専門知識を持つ職員がいない」などをハードルと捉えていた。

県央地域

 県央地域では、導入済みと答えたのが大和市、厚木市、海老名市の3市で、綾瀬市が実証実験中、座間市と愛川町、清川村は導入又は実証実験を検討中だった。

春を彩る作品展 座間駅前で

 座間駅周辺が好きな人々が集う任意団体「座間駅前を盛り上げ隊」は、4月12日(土)から26日(土)まで座間駅東口駅前広場(ざまにわ)からフードワン座間店にかけての通りで「街かどギャラリー」を開催する。

 このイベントでは、「春をイメージできるもの」をテーマに、近隣の幼稚園や市民から、座間市内の風景や花などの絵や写真を募集。集まった作品を通り沿いの協力店舗に掲示する。

 主催者は「道を通った際に作品を見て、春を感じて下さい。今回の企画を通じて、座間駅周辺や座間のまちを好きになってくれたらうれしい」と話している。

 (問)ユアシセイドウマツムラ【電話】046・254・3533

パートナーシップ宣誓 座間と相模原で連携

 パートナーシップ宣誓制度について、座間市と相模原市が自治体間連携を締結した。隣接するため連携に至ったもので、4月1日から制度利用者の住所移動手続きなどを簡素化し負担を減らす。

 宣誓制度では2人に対し名前や生年月日、宣誓日を記した宣誓書受領証、カード型の証明などを発行している。自治体連携は昨年2月に座間市・海老名市・綾瀬市・大和市の間でも協定が結ばれている。

 座間市では制度導入から7組が宣誓、大和市では31組が、綾瀬市では2組、海老名市では11組が宣誓している。

綾瀬地区交番と市庁舎の南側に広がる

黄色に浮かぶ 綾瀬市役所

 綾瀬市役所から県道42号を南側に歩いた農地が菜の花畑となり、視線を集めていた(=3月21日撮影)。小さな蜂が飛び交い、三脚にカメラを構える人やスマートフォンで撮る人も。菜の花は農業では畑にすき込む緑肥としても使われる。

今年初の徳の市 4月6日(日)

 「朝一番徳の市」が、4月6日(日)に綾瀬市のオーエンス文化会館駐車場で開催される。午前6時30分から7時30分まで。雨天決行。

 この朝市は、1989年から続く綾瀬の名物⾏事で、4月から12月の第1日曜日に開催される。綾瀬市の商⼯会に加⼊している店舗と市内の農家が一堂に会し、商品を持ち寄って販売する。

 今回は小松菜やレタスといった春野菜に加え、卵や総菜、焼き立てパンなど23店舗が出店。子どもにはポップコーンがプレゼントされる。特価で販売される「徳の市商品」や「7時から商品」もある(数量限定)。

 担当者は「冬の休止期間を経て、今回が今年初の開催です。ぜひご来場ください」と話している。

 (問)綾瀬市商工会【電話】0467・78・0606