神奈川区版【4月10日(木)号】
羽沢横浜国大駅

羽沢横浜国大駅周辺 まちづくりプラン始動 2区にまたがり市民主体

 羽沢横浜国大駅を中心とした神奈川区と保土ケ谷区の2区にまたがる市民主体のまちづくり計画「羽沢横浜国大駅周辺地域まちづくりプラン」が策定された。3月25日に横浜市から認定を受け、今後、4つのテーマを軸に具体的な取組が推進される。

 同プランは羽沢横浜国大駅の開業(2019年)を契機に、両区の自治会・町内会や横浜国立大学、保土ケ谷区の常盤台地域ケアプラザ、コミュニティハウスなどで形成される「羽沢横国まちづくり協議会」(石川源七会長=常盤台地区連合町内会長)によって策定された。横浜市地域まちづくり推進条例に基づき、3月25日に山中竹春横浜市長から組織及びプランの認定を受けた。

地域に愛着を

 同協議会はプラン策定にあたり、まちの課題や魅力についてを問う住民アンケートを実施。石川会長によると1200を超える意見が集まったという。その後、集まった意見を基にまち歩きやワークショップなどを企画し、まちの課題や魅力を確認。まちづくりプランにはこうした取組を通じて検討された目標のほか、6年間に渡って推進する取組がまとめられている。

 同プランの根底にあり「まちづくりの目標」に掲げられているのが「羽沢・常盤台に住む人々が地域に愛着を持って暮らせること」。地域住民が安全で安心な暮らしと住民同士のつながり、そして現在の自然環境の保全を重視し、「永く住み続けたい」と思えるまちづくりを目指す。

4つのテーマで

 プランの対象は神奈川区羽沢南と保土ケ谷区常盤台の一部。まちづくりプランには4つのテーマ(「安全安心なまちを目指して」「豊かな街並みや景観をつくる」「多様な交流が生まれる地域」「横浜国立大学との連携をさらに深める」)が示されている。「安全安心なまちを目指して」では、道路の安全(バリアフリー)、交通対策、防犯力向上(防犯灯や防犯カメラ設置)に取り組む。「豊かな街並みや景観をつくる」では建設時の事前協議や緑化の促進(ごみ問題など)を進める。また、「多様な交流が生まれる地域」に関連する取組として、多世代交流拠点を目指すグループへの支援や、新住民との交流を促すウェルカムパッケージの配布など既に実施されているものもある。「横浜国立大学との連携をさらに深める」では、地域活動への参加促進や留学生との交流等を推進する。

 石川会長は「2区にまたがるまちづくりプランは市内でも初。国大生が多く住む地域なので、多方面で連携して成功させたい」と思いを語った。

設置が簡易な、おもり式の感震ブレーカー

横浜市 通電火災対策を加速 感震ブレーカー普及促進

 大規模地震の発生が危惧される中、必要性を指摘されているのが「通電火災」(電気に起因した出火)の対策だ。そこで市は地震火災対策として、大きな揺れを感知すると自動的に電気を遮断する装置「感震ブレーカー」の設置普及を進めている。

 大規模地震時における火災の発生状況を見ると、阪神・淡路大震災では85件(61%)、東日本大震災では71件(65%)を電気関係が占めている。このような通電火災を防ぐために、避難時にはブレーカーを落とすように呼び掛けられてきた。ただし被害状況によっては、ブレーカーの切断が困難な状況も想定される。そこで通電火災の防止効果が期待できるとして、注目されているのが感震ブレーカーだ。

 同装置の必要性については、1995年に発生した阪神・淡路大震災の後から、防災関係者の中でも叫ばれてきた。横浜市でも2013年7月、導入のための補助金制度を創設。しかし全国的に普及は進まず、内閣府が2022年に行った「防災に関する世論調査」では、設置しているとの回答は5・2%(参考値)に留まった。

 市は、昨年の元日に発生した能登半島地震の被害状況を受け、普及対策を加速。それまで木造密集地域に限定していた感震ブレーカーの購入・設置費用の補助対象を、2024年度から全市域に拡大した。ただし申請できるのは自治会・町内会やマンションの管理組合単位で、個人の申込みは重点対策地域と対策地域のみだった。その結果、24年度は自治会・町内会から2437件、個人から610件と、合計3047件の申請があった。

補助割合を拡大

 25年度はさらなる普及をにらみ、全ての市域で個人世帯での申込みを可能にする方向。また、これまで導入費用の50%で最大2000円だった補助を、重点対策地域においては、100%まで引き上げる方針だ。

 市担当者は「感震ブレーカーを設置することで電気火災から家と地域を守ることができる。簡易的なものもあるので、ぜひ設置を検討いただきたい」と話している。

菅田、神之木の地区センターでドラム講座講師を務める 遠藤 徳光(のりみつ)さん 保土ケ谷区在住 48歳

ドラムは縁の下の力持ち

 ○…「ステージ上で演奏する気持ちよさとか、人と合わせる楽しさとかを感じてもらえたんじゃないかなと思います」。2つの地区センターで受け持つ、小学生からシニアまで30人近い生徒がプロ奏者の伴奏に合わせ初めて神奈川公会堂で行った発表会。教え子に寄り添い、ドラムセットの傍でサポートした。「リハーサルで緊張して泣いていた小4の女の子が勇気を出して演奏したり…。それぞれのドラマがあって、レッスンする立場の僕が感動しました」と目を細める。

 ○…西区出身。洋楽好きの長兄と邦楽好きの次兄の影響で、様々なジャンルの音楽を聴き育った。ドラムを本格的に始めたのはバンドブームだった高校1年。周りがギターやボーカルをしたがる中、部屋に転がっていた兄のドラムスティックを見て「これはおいしいな」と打ち込んだ。専門学校在学中、20歳でサポートミュージシャンとしてプロに。森高千里さんのバックバンドとして音楽番組に出演したほか、葉加瀬太郎さんとも親交を深めた。

 ○…30歳を機に、米国ロサンゼルスへ音楽留学。レベルの高さと文化の違いに「この街ではまだ仕事ができるレベルじゃない」と心が折れそうになった。それでも踏みとどまったのは、快く送り出してくれた人たちの思い。「『中途半端に帰ることはできない』と支えになった」と、ビザが切れる3年間研鑽を積んだ。帰国後、練習拠点としていた菅田地区センターの副館長から講座開設を頼まれ現在に至る。

 ○…プロ奏者としてはポップス、ジャズ、演歌…と多彩なジャンルのサポートを手がける。「子どもの時から野球は捕手、サッカーはキーパー。縁の下の力持ちっていうのが、僕の性格に合っているのかな」

契約締結式に出席した神奈川大学の石渡理事長(左)とKSPの田邊社長

神奈川大学 運動部支援でKSPとサポーター契約 学生アスリートの成長へ

 神奈川大学は運動部の競技力向上を支援する組織「アスレティックデパートメント(AD)」のサポーターとして、総合警備企業の株式会社KSP=中区、田邊中社長=とプラチナサポーター契約を結び、4月9日に契約締結式があった。

 ADは指定した「重点強化部」の競技力向上を支援し、学生の教育環境などを整備する組織。現在の重点強化部は陸上競技部駅伝チーム、硬式野球部、水泳部、サッカー部、レスリング部、スケート部、男子バスケットボール部の7団体。

 神大は外部の企業などの知見を活用し、学生に将来の社会人生活まで見据えた幅広い視野を持ってもらおうと、サポーター制度を導入。大学の呼びかけに応じたKSPがサポーター第1号となった。契約期間は1年間。

救命講習実施へ

 プラチナサポーターは4段階の最上位ランクで、KSPのロゴマークが神大のサイト内やキャンパス内に掲示される。KSPは今後、学生向けの普通救命講習の実施などを検討している。

 神大横浜キャンパスで行われた契約締結式で神大の石渡卓理事長は「地元の企業に手を挙げていただき、感謝している。人材育成など、双方のメリットを考えながら、関係を築いていきたい」とあいさつ。自らもサーフィンで体を動かしているというKSPの田邊社長は「神大が学生アスリートの教育に力を入れている点に大きく共感した。学びの機会の大切さが社員にも伝われば」と話した。

横浜医療秘書専門学校の生徒のパフォーマンス

1千人が夢に向かって新たな一歩 三幸学園6校が合同入学式

 神奈川区などで専門学校を運営する学校法人三幸学園の横浜地区入学式が4月8日、横浜BUNTAI=中区=で行われた。

 入学式には中区にある横浜医療秘書専門学校といずれも神奈川区にある横浜リゾート&スポーツ専門学校、横浜ビューティーアート専門学校、横浜こども専門学校、横浜ウェディング&ブライダル専門学校、横浜スイーツ&カフェ専門学校の6校の新入生約1千人が参加。

 式典の後にあった新入生歓迎会では、各校の上級生がパフォーマンスを見せた。横浜医療秘書専門学校の生徒は手話を取り入れたダンスを披露し、「ご入学おめでとう」のメッセージを掲げた。ほかにも、横浜リゾート&スポーツ専門学校の生徒はトレーニング器具を使うなど、学校の特色を生かした演出となった。

 上級生からは新入生に「1年前は自分も期待や不安でいっぱいだったが、今では技術や知識が身についた。夢を叶えるために、仲間との絆を大切にしてほしい」などの言葉が送られた。

音楽演奏やダンスなどが披露される(昨年)

19日、六角橋で「ヤミ市」 商店街の名物イベント

 六角橋商店街の名物イベント「六角橋商店街ヤミ市」が4月19日(土)に行われる。今年も8月を除く10月までの毎月第3土曜日に開催。これまで「ドッキリヤミ市場」として親しまれていたが、今年から名称を改めた。

 同商店街では1990年代、シャッターが降りた空き店舗が目立っていた。そこで、「狭くて昭和レトロな雰囲気が漂う商店街のコンプレックスを逆手に取り、名物を作れないか」とシャッター前のスペースを活用する形で1997年に「ヤミ市場」が始まった。

 東南アジアのナイトマーケットを思わせるスタイルが人気を集め、過去には「クレイジーケンバンド」のギタリスト・小野瀬雅生さんのライブステージや商店街プロレスを同時に行ってきた。

 今年度初回となる19日は午後6時30分からダンスやライブなどが繰り広げられる。会場は「食品館あおば」裏の駐車場やふれあい通りの「佐野洋品店」横、「居酒屋かめちゃん」向かいなど。商店街の各店舗による飲食物の店頭販売も名物だ。

 六角橋商店街連合会の石原孝一会長は「おかげさまで『音楽のまち白楽』と呼ばれるようになりました。今年も多くの方にお越し頂ければ」と来場を呼びかける。

5月は特別ゲスト

 5月17日(土)の開催では、「伝説の大道芸人」と称されるギリヤーク尼ヶ崎さんが出演予定。

 雨天の場合、内容縮小や中止の可能性もあり。問い合わせは同商店街事務所【電話】045・432・2887。

満開のチューリップとサクラの木=反町公園

区の花 チューリップ見頃 サクラとの「共演」も

 神奈川区の花はチューリップ。区制60周年・市制100周年を記念し、1988年に区民の投票をもとに制定された。

 春本番を迎えたこの季節、区内の様々な場所で見頃を迎えている。区役所裏手の反町公園では先週末の4日、同じく見頃を迎えたサクラと色とりどりのチューリップの「共演」を楽しむことができた。

 神奈川区役所では5月6日まで、SNSのXでチューリップの写真を投稿すると区マスコット「かめ太郎」のグッズが抽選でもらえるキャンペーンを実施中。詳細は区役所公式Xで確認を。

興味津々に庭を眺める参加者ら

いつもの街を花さんぽ ボランティア団体が企画

 神奈川区地域づくり大学校の受講生が立ち上げた「花まちプロジェクト」による散歩企画「花まちさんぽ2025春」が4月5日に行われた。

 2月から3月にかけて「河津桜」(新子安エリア)「桜」(六角橋エリア)「チューリップ」(東神奈川エリア)と春の花を題材に街なかの季節の花を愛でてきた同イベント。春の最後となる今回は、自宅でガーデニングを楽しむ人の多い菅田エリアが舞台。協力してくれた個人宅の庭見学を中心に、約15人の参加者が自然あふれる菅田の街を約2時間かけて歩いた。

 矢車草やノースポール、ラナンキュラスラックスなど、色とりどりの花であふれる清水さん宅の庭では「ピーターラビットの世界みたい」と参加者が興味深げに花々を眺めていた。

 また、道端の耕作放棄地に咲くツクシや一見雑草に見える花などをメンバーが丁寧に解説。代表の岩崎久美子さんは「今度は自宅の周りをゆっくり歩いて草花を見てもらえれば」と話した。

 花まちプロジェクトはこうした活動のほか、ハマロード・サポーターとして東神奈川駅前デッキのかなっくウォークにある花壇の維持管理を毎月第3土曜日の朝9時から参加自由で行っている。

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HAZAARの外観

テナント入居進む 羽沢横浜国大駅前・HAZAAR(ハザール)

 羽沢横浜国大駅に隣接する複合商業施設「HAZAAR(ハザール)」は、4月に入りテナントの入居が進んでいる。

 昨年10月に開業したハザールは駅周辺の再開発エリア「HAZAWA VALLEY」の中核施設として、駅前広場につながるプロムナードやマンションと一体になった複合商業施設。

 2月26日に待望の食料品スーパー「食生活♡♡ロピア」が開業して以降、3月16日には「ラブリークリーニング」、4月1日にはカフェレストラン・生花店の「花LAb.Nocturne」、9日には和食堂「ヨロコビノ」、パン店の「hazaar Bakery」がオープン。以降もシミュレーションゴルフやクリニックなどの入居が予定されている。

当日の様子(菅田地区センター提供)

公会堂でドラム発表会 プロ奏者が伴奏

 菅田、神之木の地区センター自主事業の「ドラム教室」受講生らによる発表会が3月22日に神奈川公会堂で開かれた。

 普段、菅田地区センでは子ども向け、神之木地区センでは全年齢向けの講座を実施。今回は「せっかくなら大きなステージで」と神奈川公会堂で初めて開催された。

 講師でプロ奏者の遠藤徳光(のりみつ)さん=人物風土記で紹介=が親交のある生バンドに合わせ、各教室の受講者約30人が日頃の練習の成果を披露した。

 来場者からは「想像以上のステージで素敵でした」「来年も続けてほしい」といった感想があがった。

弁当を受け取る利用者

菅田でこども食堂 動物愛護センターも協力

 菅田地域で昨年8月から始まったこども食堂「みんなのカフェ」が4月2日、横浜市動物愛護センター=菅田町=で開かれた。主催は近隣住民らによるボランティア団体「はぴねす保健室」(エッチュウミユキ代表)。

 地域の子どもたちの放課後の居場所作りを目的に始まったこの取り組み。普段は社会福祉法人孝楽会が運営する特別養護老人ホームけやき荘=菅田町=内の地域の憩いの場「けやきっさ」で月に一度、午後3時から開催。お菓子や遊び道具の提供のほか、学習支援などを行っている。高校生までは無料で、大人は100円。

 今回は春休み期間中のため、昼食の時間帯に合わせて実施。動物愛護センターが場所提供に協力した。この日は20人近くの予約があり、「餃子の王将」運営会社から提供された弁当とコーンスープが配られた。

 友人同士4人で訪れた菅田の丘小に通う男子児童は「春から6年生なので、新学期に向けて元気が出ます」と餃子やソーセージの入った弁当を食べていた。食後には同センターの職員が参加者に向けて、施設の説明や犬に関する知識などをクイズ形式で紹介していた。

 区境にあるため、利用者は保土ケ谷区の上菅田町や緑区からも訪れるという。ボランティアメンバーの中にも他区のこども食堂の運営に携わる人もいる。エッチュウミユキ代表は「知らない人同士が交流してつながりができている様子を見ると、こちらもうれしい。少しずつでも続けていければ」と話す。
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ベテラン勢が奮闘したOB戦

翠嵐・平沼 緑と赤、伝統の一戦 周年記念で今年も

 横浜翠嵐高校と横浜平沼高校伝統の一戦が、今年も開幕―。サッカー部の現役生とOBによる試合が3月22日、平沼高校グラウンドで行われた。

 これは昨年創立110周年を迎えた翠嵐と、今年創立125周年の平沼が、周年記念事業として44年ぶりに復活開催した部活対抗戦。昨年は翠嵐主催による「翠平戦」、今年は平沼主催による「平翠戦」として2年にわたり実施している。かつて翠嵐の校舎焼失による平沼への間借りをきっかけに、1954年から80年までの間に25回開催された伝統行事だ。

 開会式で、平沼高同窓会「真澄会」会長の皆藤愼一さん(62期)が、平翠戦の歴史を当時のエピソードを交えながら説明。平沼高サッカー部部長の谷口凌輝さんが「歴史ある戦いに参加できてうれしく思う」とあいさつした。

 現役生による第一試合は白熱の展開となり、1対0で翠嵐が勝利。続く第二試合は勝ち点のつかないフレンドリーマッチだったが、両チームとも気合い溢れる熱戦となり、引き分けに。

 OB戦では50代中心のメンバーと20代の若手で挑んだ平沼と、50代から最高齢73歳までのベテラン揃いの翠嵐が対戦。試合は終始若手を中心に平沼が攻める展開となったが、翠嵐のゴールキーパーの堅い守りがゴールを許さず、0対0の引き分け。翠嵐高OBの野口隆さん(30期)は「普段の紅白戦や対外試合では出ないパワーが湧いてきたのは、後輩たちの応援と歴史的なイベントの力。『機会があれば再試合ができれば』との声が皆さんからも上がりました」と振り返った。

 この試合を皮切りに、今年は11月までの間、剣道、テニス、ハンドボール、バスケ、野球の各競技で対決。勝利校に勝ち点3、引き分けは1が与えられ、年間の合計勝ち点を競う。

盛大に行われたフィナーレ公演=提供

県民ホールで最終公演 建て替えで長期休館に

 老朽化による建て替えで4月から長期休館となった神奈川県民ホール=中区山下町=は3月31日、現ホールでの最終日を迎えた。「ありがとう県民ホール」と題した大ホールでのフィナーレコンサートのほか、パイプオルガンを備えた小ホールやギャラリーでの最後のセレモニーなどが行われた。来場者はギャラリーの壁にメッセージを書き残すなど、多くの人が別れを惜しんだ。

 同ホールは1975年1月17日、山下公園や横浜港、中華街に隣接する恵まれた場所に、全国屈指の大型文化施設として誕生。最大2493人収容可能な大ホールやパイプオルガンのある小ホール、ギャラリー、会議室、レストランなどを備えた。2023年に累計入場者数は3千万人を突破。半世紀にわたり文化芸術の拠点として親しまれてきた。

 施設老朽化のため、神奈川県は昨年11月に建て替えによる再整備の方針を表明。市内臨海地域にはない本格的なオペラやバレエの公演ができる施設を念頭に置き、誰もが使いやすいバリアフリーを意識した施設を目指すとしている。

 今年度は基本構想を策定するため委員会を立ち上げ、新たなホールが目指す方向性や求められる機能、施設の規模などについて検討していく。

「千載一遇の機会」

 総支配人の眞野純さん(76)は建て替えを「千載一遇のチャンス」と捉え、「県内各地で様々な事業を展開していく計画を進めている」と話す。

 4月は19日・20日に県立青少年センター紅葉坂ホールでリーディングドラマ「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」が行われる。眞野さんは「神奈川県はそれぞれの地域に独自文化があり多様な活動団体がある。休館が空白期間にならないように、33市町村でもれなく公演をやりたいんです」とにっこり。それぞれの市町村が求めることを協力して作りあげることで、心を通わせ繋がりを強めていきたいと考える。

 「休館は7〜8年、もしかしたら10年はかかるかもしれない。だけど、その間に水平的に各施設が繋がっていけば、その年数は無駄ではないはず」。今以上の役割が期待されるであろう新施設開館に備え、可能性の幅を広げる。

スタッフ一同で見送った

横浜ロイヤルパークホテル 4月から一時休業 再開は28年度予定

 みなとみらいのシンボル・横浜ランドマークタワーの高層階に位置する「横浜ロイヤルパークホテル」が設備の大規模修繕工事のため、3月31日の最終営業をもって一時休業となった。再開業は2028年度を予定。

 当日は正面玄関で休館セレモニーが行われ、別れを惜しむ人たちが集まった。同ホテルの雄城(おぎ)隆史総支配人は、1993年9月の開業からの約32年を振り返り「多くのお客様やこの地域の皆様と共に歩んでこられたのは誇り。結婚式や記念日など思い出の場所としてご利用いただけたことに心から感謝しています」とあいさつ。「再開の日に向けてしっかり充電し、また皆様にお目にかかれる日を心待ちにしています」と力を込めた。

 最後の宿泊客として夫婦で花束と記念品を受け取った岩村晃秀さん(53)=千葉県=は、数年前から週末ごとに泊まって仕事の活力にしていたといい「ここからの景色が見られなくなるのはさみしいけれど、3年後の再開を楽しみにしています」と話した。セレモニーの最後にはスタッフが並んで深くお辞儀をし、休業前のフィナーレを飾った。

 休業中はランドマークタワー内に今秋オープン予定のレストランで、ホテルの味やサービスを提供していくという。

 再開業後は米国マリオット・インターナショナルとフランチャイズ契約を結び、客室やレストラン、スパなどをフルリニューアル。インバウンド需要などに応えるため、ラグジュアリーホテルにリブランドする。

横浜市民広間演奏会所属のアーティストが出演

プレゼント コンサート5組10人招待 5月9日、関内ホールで

 あいすくりーむの日を記念し、日本発祥の地である馬車道で「陽だまりコンサート〜新緑と音の輝きの中で〜」が、5月9日(金)に開催される。会場は関内ホール(JR関内駅北口6分)。この観覧券を抽選でタウンニュース読者5組10人にプレゼント。

 ソプラノやフルート、ピアノ、サックスと多彩なアーティストが出演。クラシックから歌謡曲、ミュージカル音楽まで、全12曲が演奏される。毎回好評の会場全員で歌うコーナーも。

 午後2時開演(90分予定)。全席指定で1千円、4歳以上入場可。チケット購入は【電話】045・662・8411。

 プレゼントの応募はハガキに〒住所、氏名、年齢、本紙感想を明記の上、〒231―0033中区長者町2の5の14タウンニュース「関内ホールコンサート」係へ。4月22日(火)必着。

横浜市 地域防犯力向上へ補助金 町内会に上限20万円

 横浜市は、住民一人ひとりの防犯意識や地域の防犯力を高めることを目的とした「地域の防犯力向上緊急補助金」制度を4月から開始する。

 対象は、自治会町内会や地区連合町内会が実施する、地域の防犯力向上に向けた公益的な取組。防犯パトロールの実施や活動に必要な物品の購入、防犯啓発グッズの作成・購入、センサーライトや防犯カメラの整備や設置、防犯講座の開催などに対して補助金が支給される。

 補助率は10分の9、上限額は1団体あたり20万円。団体内で取組の内容を決め、実施後に申請、請求する(1団体につき申請は1回)。取組と申請の受付期間は2025年4月1日(火)から10月31日(金)まで。請求書の最終提出期限は12月26日(金)。

 昨今、「闇バイト」による強盗事件などが各地で発生している。自助・共助・公助を組み合わせた社会全体での防犯対策の強化が求められている。市の担当者は「必要な対策は地域ごとに異なる。団体内で話し合い、決めることで、地域の防犯力向上への自主的な活動の推進やコミュニティの活性化につながれば」と話す。

 市のホームページでは、神奈川県警察公式アプリやNPO法人神奈川県防犯セキュリティ協会のホームページなど、取組の参考となる防犯関連情報を紹介している。

 問い合わせは、4月1日から開設する防犯緊急補助金受付センター【フリーダイヤル】045・550・5125まで(土日祝除く午前9時から午後5時)。

済生会横浜市東部病院=市提供

夕方の小児急病に対応 東部病院で4月から外来設置

 横浜市は4月1日から、済生会横浜市東部病院=鶴見区=と横浜労災病院=港北区=で、急病の小児のための夕方の外来診療を開始した。

 横浜市によると、救急相談センター(#7119)の小児に関する医療機関案内の入電件数は午後6時から8時にかけてピークを迎えるなど、小児医療のニーズは夕方時間帯に高まる。しかし、この時間帯は診療を終えている診療所等が多く、市内3カ所の夜間急病センターも診療開始前で、急病の小児医療体制の狭間となっている。

 そこで市は今回、この医療ニーズ検証のために小児人口の比較的多い北東部地域をモデル実施として選び、済生会横浜市東部病院と横浜労災病院での設置を決めた。

 診療は小児科のみ。時間は平日・土曜の午後6時から8時(日曜・祝日は4時から8時)まで。東部病院での受付は事前に代表電話(【電話】045・576・3000)に連絡のうえ、救命救急センター入口へ。同院は救急医療機関のため、緊急性のない受診の場合は時間外選定療養費の負担が必要となる。

大会を支えるボランティア(提供=横浜マラソン組織委員会)

横浜マラソン 大会支えるボランティア募集 家族での参加も

 10月26日に行われる「横浜マラソン2025」のボランティア募集が4月9日に始まる。

 ボランティアは大会前日、当日にランナーや応援者への案内、誘導を行う。今回は大会当日の集合場所の選択肢を増やし、アクセスしやすいように工夫。小学生・中学生とその保護者が一緒に参加できる「ファミリーボランティア」を新設し、幅広い層に参加してもらうようにした。活動に不安がある人向けに、研修やリーダーを目指す人向けの茶話会(ミーティング)を充実させる予定。募集人数はリーダー600人、メンバー2600人。

 募集期間は6月30日(団体、ファミリーは9月頃)までで、ボランティアウェアやキャップなどが支給される。申し込みは大会公式サイトから。参加ランナー募集も9日から始まる。問い合わせは事務局【電話】045・651・0666。



米国関税引き上げで横浜市が特別経営相談窓口

 米国の関税引き上げに伴い、横浜市は経営への影響が懸念される市内中小企業を対象にした「特別経営相談窓口」を4月4日に設置した。

 公益財団法人横浜企業経営支援財団(IDEC横浜)は経営全般、市経済局金融課は融資制度、横浜市信用保証協会は信用保証に関する相談に応じる。

 また、今年度、売上や利益率の減少を受ける中小企業向けの融資メニューも新設している。

 問い合わせはIDEC横浜(平日午前9時〜午後5時)【電話】045・225・3711。

桜木町駅前でチラシを配布する協会のメンバーら

「自閉症の特性を知って」 啓発デー、横浜市自閉症協会が企画

 国連が定めた「世界自閉症啓発デー」の4月2日、一般社団法人横浜市自閉症協会(事務局・中区、平下和子会長)が桜木町駅前で啓発イベントを行った。

 同協会は市内で自閉スペクトラム症がある人や家族の支援、啓発活動などを行っている。毎年、啓発デーに合わせてイベントを行っており、今回は当事者を含む約15人と中区のマスコットキャラクター「スウィンギー」が自閉スペクトラム症のシンボルカラーであるブルーのジャンパーなどを着て、市と同協会が作成した啓発チラシを配布した。チラシには「ひとりごとを声に出すことで自分の考えを整理したり、ストレスの高まりを鎮めている」といった自閉スペクトラム症の特性が書かれており、「あたたかく見守ってください」とのメッセージが添えられた。

 自閉スペクトラム症の当事者5人とともに参加した港南区上永谷の生活介護事業所「おもろ」の横山健太郎所長は「最近は自治会の行事に声をかけていただくなど、あたたかい目で接してくださる方が増えている」と話した。

 同協会の平下会長は「足を止めてチラシを受け取ってくれた方が多くて良かった。また、当事者が参加したことも意義がある」と喜んだ。

ブルーライトアップも

 横浜市は4月2日から8日までの「発達障害啓発週間」に合わせ、自閉スペクトラム症を含む発達障害に関する普及啓発を行っている。

 市役所1階などでは、市内4カ所の地域療育センターと横浜市総合リハビリテーションセンターに通う子どもたちがブルーの画用紙に描いた絵を「ブルーフラッグ」として展示。市役所では7日正午まで展示している。

 観光スポットなどをブルーにライトアップする企画も実施しており、市庁舎や横浜スタジアムが青い光に包まれている。

ポーズを決めるなつぽい選手  【プロフィール】1995年7月15日、横浜市都筑区出身。3歳からタレント活動を始め、2015年5月31日に19歳で「万喜なつみ」としてプロレスデビュー。2020年10月からリングネームを「なつぽい」に改め、2021年1月、スターダムに入団。2023年4月にはCDデビューも果たすなどリングの内外で活躍。2025年5月31日には大田区総合体育館でデビュー10周年を記念した興行「なつ&さおりー 来たよ。来たね。10周年。〜うちらの足跡〜」を安納サオリ選手とともにプロデュースする。

横浜「注目の人」インタビュー 都筑区出身 女子プロレス「スターダム」 なつぽい選手 プロレスの「プ」の字も知らない…から「リングの妖精」へ

 女子プロレス団体「スターダム」に所属するなつぽい選手(29)は横浜市都筑区出身。リング上での華麗なファイトはもちろん、SNSで発信するメークやファッションも注目を集め、新たなファン層を広げている。スターダムは4月27日に横浜アリーナでビッグマッチを行う。地元での大一番を前に「リングの妖精」の異名を持つなつぽい選手に話を聞いた。(取材=2025年3月)

◇ ◇ ◇

――プロレスラーになったきっかけを教えてください。

「3歳から芸能事務所に所属して、アイドルとして活動していたこともありました。プロレスラーになるきっかけは、スカウトされたことです。最初はプロレスの『プ』の字も分からなくてお断りしました。レスラーになる前は、プロレスというと、ジャガー横田さんや北斗晶さんのイメージが強かったです。でも、スターダムの試合を見て、入場からコスチュームまでみんなキラキラしていて、かわいくてきれいだと感じました。私は芸能界でみんなに見られるお仕事を目指していましたが、プロレスはリングを囲む360度、何千人もの観客が集中してリング上の1人、2人のことをずっと見ている。それがうらやましいと思うようになり、自分も出たい、そっち側に行きたいという気持ちになりました」

――都筑区で生まれ育ちましたが、どのような思い出がありますか。

「子どもの頃からバトントワリングに打ち込んでいて、12年間続けていました。毎朝、お父さんとセンター南駅付近を走ったり、悩んだ時も1人で走っていました。この前もセンター南駅あたりに行って、お店や建物が増えていて楽しかったですね。今でも実家には月に2、3回は帰っています。家族はとても仲が良くて、先日もたこ焼きパーティーをしました」

――仲の良さが伝わってきます。

「実は姉が先にスカウトされていて、後に妹がプロレスラーになっていたという(笑)。家族はビッグマッチの時にはいつも応援に来てくれます。ただ、私の親友は1度も見に来てくれなくて、理由を聞いたら、私がやられているところを見るのが怖いというので。デビュー10周年を迎えるので、1回は見に来てほしいと思っています」

――リングネームの由来を教えてください。

「中学生ぐらいの時、当時流行っていた『mixi』の中で『〜ぽん』という人が多くて、ちょっと変えて『ぽい』にしたら、みんながそう呼んでくれるようになりました」

――バトントワリングをやっていたことはどのようにプロレスにつながっていますか。

「いっぱいあって、バトンで培ったアクロバティックな動きはリングですごく役立っています。手をつかない側転を得意としていて、それで相手の技をかわすこともできます。一番の必殺技が『フェアリアル・ギフト』という、トップロープから側宙で踏み切ってダイビングプレスする技です。やっぱりこれもバトンで培ったものだと思います」

――バトントワリングとプロレスで共通する部分はありますか。

「バトンもプロレスも自分との戦いみたいなところがあって、常に戦い続けなければいけないっていうところはすごく似ています。両方を経験して、忍耐力とか根性みたいなところとかは、人よりも強いと思います」

――忍耐力や根性はどのような場面で発揮されますか。

「私は小さくて、やられることも多くて、『もうここでやめようかな』と思う時もあるんですけど、今やめたら終わっちゃうし、お客さんに勇気を与えることができないまま終わっていいのかなって思って立ち上がります。相手と打ち合うこともあり、本当に痛い中でも『お客さんが盛り上がっていて、今やめちゃダメだ』という気持ちで耐えています。そこは本当に気合ですね」

――会場のファンの声援はどのように力になっていますか。

「やられている時に『なつぽい!』と歓声が湧き上がることがあって、すごく嬉しかったです。アニメみたいに力が湧く瞬間があるので、声援はすごくありがたいです」

――プロレスを知らない人のために、どのようなことをされていますか。

「SNSの投稿はプロレスラーというより、美容などの内容が多く、若い子たちに『この子プロレスラーなの?』と思ってもらえるように意識しています。プロレスの動画は、YouTubeに上がっていると思うので、それとのギャップを見せられたらと思っています。SNSの美容の投稿で私を知った人たちが試合を見に来てくれることもあります。動画で試合を見て、実際見に来てくれる子が増えていて、イベントで中学生の女の子が『プロレスラーになりたい』って言いに来てくれたこともあります。夢を与える存在になれているのかなと思うとすごくうれしいですね」

――数多くのプロレス団体がある中で「スターダム」の特長や見どころを教えてください。

「スターダムには、新人を含めて約40人の選手がいます。これだけ多くの選手がいても、一人ひとりは個性が違って、知らずに見に行っても、推しが1人できると思います。上に行きたいという気持ちの子が多いので、プロレスのパフォーマンスはもちろん、SNSでも意識が高いというのを感じますね。人数が多い分、ストーリーがあるので、友情やライバル関係が見られるのも魅力だと思います」

――「リングの妖精」というキャッチフレーズですね。

「デビュー当時からこのキャッチフレーズです。妖精ってちょっといたずらっぽい、小悪魔みたいな感じがあり、小さくても華麗でピョンピョン飛び回るようなイメージです。『リングの妖精といえばなつぽい』と思われるように10年間やってきました」

――4月27日は横浜アリーナで大会です。

「横浜アリーナは憧れの場所です。私の対戦カードは決まっていませんが、あの大舞台で、たくさんの人に見てもらえるっていうのは本当にうれしいです」

――今後の目標を教えてください。

「まずは都筑区の自分の母校を訪れたいです。そこで子どもたちに夢を与えられたらいいですね」