鎌倉版【5月9日(金)号】

鎌倉市議会議員選挙 26人の顔ぶれ決まる 市役所移転が一つの争点に

 任期満了に伴う鎌倉市議会議員選挙が4月27日に投開票され、新議員26人の顔ぶれが決まった。トップ当選は国民民主党新人の大石香氏(52)。当日の有権者数は14万7351人(男性6万8597人、女性7万8754人)、投票率は2021年の前回を1・07ポイント下回る47・66%だった。4月30日には当選証書授与式が同市議会で行われ、一人一人が同証書を受け取った。

 定数26に対して現職17、元職3、新人21の計41人が立候補した今回の市議選。各候補は教育や観光、まちづくりなど、それぞれの論点をかかげ政策を訴えた。

 なかでも、争点の一つが市庁舎の移転問題だった。投票日前に市選挙管理委員会が全戸配布した選挙公報では、半数以上の候補者が市庁舎移転に触れていた。移転に必要な位置条例改正案の可決には、出席議員の3分の2の賛成が必要となるが、条例案が2022年に提案された際は、出席者26人(議長含む)のうち賛成16票、反対10票で可決には2票足りなかった。そのため、賛成派や反対派の勢力図の変化が注目されていた。

大石氏「移転賛成」

 4604票を獲得しトップ当選した大石氏は、今回の選挙戦を「厳しい戦いだった」と振り返った。街頭に立つと市役所移転問題について市民から問われることが多く、「応援の声も厳しい声もあった」という。

 当選後の当社の取材に対しては、改めて「移転は賛成」と語った。結果については「市民からの期待を感じている。これまで停滞していた市政に対し、『進めてほしい』という気持ちの表れだと感じている。しっかりと動かしていきたい」と話した。

鎌倉市 犯罪被害者らを支援 条例施行で生活補助も

 今年度から鎌倉市を含む神奈川県内7市で「犯罪被害者等支援条例」が施行された。鎌倉市では、今年4月1日以降の被害を対象に、本人や家族への見舞金のほか、生活支援サービスや住居関連の費用助成、カウンセリングなどを行っていく。県による支援と併せて受けられる。

 犯罪や交通事故の被害に遭った人やその家族に対する支援の条例化が全国各地で進んでいる。神奈川県では現在、過半数を超える18市町で条例が施行されている。

 今年4月に施行された鎌倉市では、2023年11月に、鎌倉地区と大船地区の被害者支援ネットワークが条例制定を求め、市議会へ陳情を提出し、12月議会で採択された。翌年1月には、防犯団体・鎌倉ガーディアンズが松尾崇市長に条例化に向けた要望書を提出するなど、機運を高める動きがあった。

 今回の条例施行で、市では被害者(市民)が亡くなった場合は遺族に30万円、重傷病の場合は本人に10万円などを支給。日常生活に支障が出た場合には、家事・介護サービスなどを利用するための費用として1時間あたり4400円(1事件60時間)を助成する。

他自治体で少ない就労・修学支援も

 鎌倉市の特色として、他自治体で少ない就労や修学のための支援も行う。国としても修学支援は制度の拡充が重要と位置づけられており、神奈川県から自治体への補助もあることから取り入れたという。市では、転校や受験が必要な場合に6万円、通学が困難になった場合の家庭教師や送迎タクシー費用などに6万円、転職や就職が必要な場合の資格取得などに6万円を助成する。

 また住居関連の支援として、転居や転居に伴う家具家電等の購入の補助を上限20万円としているが、その対象に、緊急避難場所での滞在期間中ペットをペットホテルに預ける費用も組み込んでおり、「全国でも珍しい取り組み」と市担当者。

 これらはいずれも今年4月1日以降の被害かつ被害者や家族が市民であることが原則。支援内容などの詳細は、市ホームページで閲覧可能。

(問)市地域共生課くらしと福祉の相談担当【電話】0467・61・3864

円覚寺山内 佛日庵本堂で10回目の「北鎌倉狂言の会」を公演する 和泉 元彌さん 狂言師・俳優 50歳

狂言の未来を拓く

 ○…鎌倉幕府の8代執権・北条時宗公が中国・宋より招いた無学祖元禅師により開山された円覚寺。開基である時宗公を祀る墓所のある、同寺の塔頭(たっちゅう)寺院・佛日庵で狂言を披露し続け、5月11日の公演で10回目を迎える。2001年に放送されたNHK大河ドラマ「北条時宗」で主演を務めたことがきっかけとなり、撮影終了後に同寺に狂言を奉納したことで縁がつながった。伝統芸能の発信に尽力する同寺の協力に感謝を示し、「10回という大きな節目。人の思いが重ならないとつながっていかないと思う。鎌倉に毎年帰ってくることができてうれしい。2人の姉、史上初女性狂言師の和泉淳子、十世三宅藤九郎をはじめ、一門総出主演の公演が楽しみ」とほほ笑む。客席が近い贅沢な空間。「北鎌倉の新緑を感じながら遊びにいらして」

 ○…600年近い歴史を誇る和泉流宗家。狂言師の家に生まれ、実父とも師弟という世界で育った。4歳で初舞台を踏み、「泣きながら」稽古に励んだ日々。「父に褒めていただいたのは片手もない」と苦笑し、「稽古後、泣き止むまで励ましてくれたのは母だった」と懐かしむ。21歳で宗家継承。先代宗家の実父が亡くなってからは「ジェットコースターのような人生だった」。さまざまな重圧を感じながらも歩みを止めなかったのは「狂言の未来を切り拓いていきたいから」。

 ○…プライベートでは2002年に俳優の羽野晶紀さんと結婚。2人の子に恵まれた。子どもたちも成長し、稽古をつける時間も増えた。50歳を迎えた今、「もっと社交的になろう」とゴルフデビュー。新たな交友関係も生まれ、「新しい世界に飛び込んでいく重要さを感じている」。すべての活動に共通することは「狂言の普及」だ。

サウナ室のイメージ(カヤック提供)。「Saunner of the Year 2024」を受賞したアカデミックサウナレーベル「madsaunist」が監修する

面白法人カヤック サウナ起点ににぎわい創出 「御成桑拿」今秋開業 

 鎌倉市御成町に今秋、サウナ「御成桑拿(おなりさうな)」が開業する。市内に本社を構える面白法人カヤックと、鎌倉を拠点に建築・不動産の企画やプロデュースを手掛けるグリーニングの協業。

 鎌倉に縁のあるショップと連携した飲食の提供や、施設を活用したイベントの開催など、健康やリフレッシュの場を提供するとともに、サウナを起点にした新たな交流の場を創出。まちの賑わいにつながる地域密着型のコミュニティサウナを目指す。

人とまちが”ととのう”

 サウナ室は、科学の視点からサウナとスチームを研究する、アカデミックサウナレーベル「madsaunist」が監修。内外装は、サウナ愛好家として知られる谷尻誠さん・吉田愛さん率いる「SUPPOSE DESIGN OFFICE」が担当する。

 男女混浴(水着着用)で最大30人収容可。サウナストーブは2台、温浴・水風呂も整備される。カヤックでは「人もまちもより豊かで活気あるものにしていきたい」とコメントしている。

展示資料の1つ、映画雑誌「スクリーン」1957年2月号(10周年記念特別号)

「スクリーン」の流儀 川喜多映画記念館で開催中

 鎌倉市川喜多映画記念館で企画展「映画雑誌SCREENの流儀―近代映画社の仕事」が開催されている。

 1946年に近代映画社が創刊した映画雑誌「スクリーン」。同社が所蔵する映画スターの表紙パネルや写真、サインなどを展示。身分証提示で鎌倉市民は展示観覧無料。7月27日(日)まで。

 5月の映画上映は『地上より永遠に』『エデンの東』、6月は『ロシュフォールの恋人たち』など。一般1300円(展示観覧料含む)。

 5月24日(土)午後1時30分からは、『エデンの東』の特別上映と映画評論家・渡辺祥子さんのトークイベントを開催。一般1900円(展示観覧料含む)。

 月曜休館。(問)【電話】0467・23・2500

<PR>
お金のプロと将来を考える
日本FP協会
お金のプロと将来を考える
6月21日 参加無料
「FPフォーラム夏2025」が6月21日(土)、藤沢商工会館ミナパーク5階で開催される。午前10時から午後3時30分まで。日本FP協会神奈川支部主催。セミナ... (続きを読む)

オペ室たんけんや講演会も 5月25日は湘鎌ナースフェス

 湘南鎌倉総合病院(岡本1370-1)で5月25日(日)、「湘鎌ナースフェス2025〜地域と創る未来の看護〜」が開催される。時間は午前10時30分〜午後3時30分。入場無料。

 当日は、オペ室たんけん(5月10日までに要申込・抽選・5月16日結果発表)やスペシャルコンサート(午後2時〜)、講演会などが開かれる。講演会の詳細は以下の通り。◆もしかして認知症の始まりかも!?(午前10時40分〜/午後1時20分〜)、◆119番のヒミツ、教えます(午前11時20分〜/午後0時40分〜)、◆知って安心!家庭でできるノロウイルス対策(正午〜)

 詳細は湘南鎌倉総合病院の公式ホームページで確認を。

平和願ってパレード 11日 鎌倉駅周辺で

 「みんなで鎌倉平和パレード」が今年も5月11日(日)、鎌倉駅周辺で実施される。

 核兵器のない世界を目指し、全国から広島へと歩く国民平和大行進の神奈川県内開催エリアの1つでもある。当日は、鎌倉市役所から御成通り商店街、下馬四ツ角、若宮大路、鶴岡八幡宮、カトリック雪ノ下教会のルートを音楽を奏でたり、踊ったりしながら練り歩く。鎌倉被爆者の会「いちょうの会」やイマジン盆踊り部なども協力している。

 「今年は被爆から80年。昨冬には、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞した。子どもたちも一緒に楽しく、気楽に参加し歩いてほしい」と実行委員会。昨年は200人弱が参加したという。

 参加無料。当日直接来場を。プラカードや横断幕の持参も可。パレード終了後には、鎌倉生涯学習センターで交流会も実施。問い合わせは、実行委員会の古城さん【携帯電話】080・3005・5068。

ヨットで目指す健全育成 NPO法人「海育プロジェクト」

 セーリングで日本一に輝いた3人の兄妹の父、服部祐太さん(52・藤沢市在住)がヨットの普及啓発に乗り出した。NPO法人「海育プロジェクト」を昨秋設立し、今年度から事業を本格化させている。自然相手の競技で得られる「先を読む力」を全国の子どもに養ってもらおうと、セーリングキャンプなどを企画。6月には鎌倉市在住の冒険家、白石康次郎さんらとのトークイベントも行う。

3人の子どもは”日本一”

 都内で生まれ、小学1年の時に鎌倉へ移住した祐太さん。高校からヨットを始め、大学に進学すると、さらに競技にのめり込んだ。

 結婚を機に鵠沼へ居を構え、発電設備メーカーで営業職として働きながら週末は海へ足を運んだ。そのうち自身の子どもたちをジュニアクラブに入れ、一緒に海を満喫する日々を送った。

 熱心な指導の甲斐あってか、長男の陸太さんは鎌倉学園高在学中にジュニア五輪、インターハイ、国体の3冠を達成。その後、早稲田大学の全国連覇にも貢献した。次男の輝海さん(現・明治大3年)も横須賀学院高で、妹の春花さん(現・慶応大1年)も山手学院高で日本一となった。

競技の魅力全国に波及

 8年前からヨット仲間で沖縄・座間味村を会場とした子ども向けセーリング体験イベントを企画。過去7度の開催でセーリングやシュノーケリング、シーカヤックのほか、ヨットの帆を再利用したバッグ作りなどアップサイクルのワークショップを通じ、子どもとその保護者に笑顔と感動を与えてきた。

 NPO設立のきっかけは今春、陸太さんが社会人になったことが大きい。「立派に成長した。今度は全国各地にいる子どもたちにヨットの魅力を伝えたい」と思い立ち、セーリングを中心とした自然体験に加え、ビーチクリーンを通した海洋環境保全に対する意識向上、世代間交流から社会性やリーダーシップを養い、子どもの健全育成につなげたい考えだ。

 まずはNPOの認知向上を図りながら活動の賛同者を増やし、2030年にはイベント参加者数を1千人に到達させる目標を掲げている。

冒険家白石さん対談イベント

 6月21日(土)には、単独無寄港無補給世界一周を達成した海洋冒険家、白石康次郎さんらをゲストに迎え、「海から学ぶ土壇場力」と題したトークイベントを行う。

 会場はゴールドウイン東京本社(東京都港区北青山3の5の6)。午後2時から。参加費は大人3千円、大学生2千円、小中高生無料。オンラインライブあり(千円)。参加応募締め切りは6月18日(水)。「ヨットをしに沖縄へ行くにも費用がかかる。参加されるご家族の負担を減らしたい」と、収益はNPOの子ども育成活動資金として活用する。

 祐太さんは「海から学ぶことは多い。子どもだけでなく、親御さんにも生きる力を再認識してもらえれば」と話す。イベントについて詳しくは事務局【電話】0120・515・733へ。

<PR>
『Amazonギフト券1,000円分』など読者プレゼントはこちら
『Amazonギフト券1,000円分』など読者プレゼントはこちら
メール版タウンニュース、タウンニュース for LINEの読者それぞれ毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼントします。ギフト券の進... (続きを読む)

動物の美しさ描く 道ギャラリーで個展開催中

 就労継続支援B型事業所「道工房」に所属するアーティスト・Honda.Kさんの個展「鼓動を掬う」が、5月20日(火)まで道ギャラリー(雪ノ下1の9の24小池ビル1階)で開催される。

 アクリル絵の具を主に使用し、クジラやシカ、ネコなどの動物をモチーフに描いた作品=写真=16点を展示する。迷いのない伸びやかな線が特徴で、動物たちの生きる美しさを雄大に表現しているという。

 「ぜひ間近で、その筆跡や細部に宿る表現をご覧いただきたい」と主催者は呼びかける。

 水曜休廊。正午から午後4時まで(土日祝日は午前11時から)。(問)【電話】0467・23・8772

玉縄城址の特別見学 6月に開催

 鎌倉ガイド協会では、玉縄城址の特別見学を含む史跡巡りのツアー参加者を募集している。開催は6月2日(月)、9日(月)、24日(火)、26日(木)の4回。

 玉縄城址の普段入れない史跡「諏訪壇」「蹴鞠場」などを巡る(約4・5Km、高低差あり)。定員各日100人。参加費800円(歴史館入館料200円)。午前9時から大船駅南改札で受付。昼ごろ解散予定。申し込みは、ガイド協会ホームページから。(問)【電話】0467・24・6548

鎌倉インテルジュニアユース 広町緑地で泥んこ代掻き

 今年4月に発足した鎌倉インターナショナルFC(鎌倉インテル)のジュニアユースチームが4月26日、鎌倉広町緑地の田んぼで代掻きを行った=写真。

 当日は、同地で田んぼを整備する保全ボランティア団体「田んぼの会」から、緑地の歴史や生息する生き物などの説明を受けた後、田植え前に行う重要な作業の代掻きを泥だらけになりながら行った。子どもたちは「感触が気持ちいい」、「足がとられて体幹が鍛えられる」と、楽しみながら作業を進めた。同チームは稲刈りまで関わっていく予定。

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)
公演のチラシ

和泉流宗家 北鎌倉で狂言披露 5月11日 佛日庵本堂で

 2001年に放送されたNHK大河ドラマ「北条時宗」で主演を務めた和泉元彌さんをはじめ、和泉流宗家の狂言師たちが出演する「第10回北鎌倉狂言の会」が、5月11日(日)に円覚寺山内佛日庵本堂で開催される。午後1時30分開場、2時開演。料金は6600円(子ども1100円、円覚寺拝観料込み)。

 当日は、狂言「鐘の音」や「口真似聟」、小舞、トークなどを予定。和泉さんは「間近でお楽しみいただけます。ぜひご来場を」とコメントしている。申し込みは、和泉流宗家【携帯電話】090・3432・2856へ。

歴史文化交流館が8周年 15〜17日に記念イベント

 鎌倉歴史文化交流館が5月15日(木)に開館8周年を迎える。これを記念し、15日から17日(土)までの3日間、感謝イベントを実施する。

 各日先着50人にはオリジナルグッズなどがもらえる抽選を用意。15日の午前10時30分からと午後1時30分からは学芸員による常設展と企画展の展示解説も実施する。

 常設展では、原始・古代から近現代までの鎌倉の歴史の実物資料や遺跡からの出土品を展示。企画展では、平泉や永福寺跡の出土品などを展示中。鎌倉市民は身分証提示で観覧無料。(問)【電話】0467・73・8501