町田版【5月29日(木)号】
受賞を喜ぶ市の担当者ら

町田市 シティプロモで最高評価 データ基に戦略的取組み

 町田市はこのほど、街の魅力を発信し地域の活性化につなげる取り組み「シティプロモーション」を行う自治体を表彰する「シティプロモーションアワード2024」で、事実上の最高評価となる金賞・審査員特別賞を受けた。データに基づいた戦略的なプロモーション活動が高く評価された。

 シティプロモーションは近年、街を持続的に発展させるために必要なものとして、各地の地方自治体において展開されている。そのなかで求められるのが、取り組みの論理的な説明。市民ら関わる人たちにより理解してもらうことで、周知が進むことなどが期待される。

 シティプロモーションアワードはそのような背景のもと、2021年に設立された表彰制度で、優れた取り組みに金賞や奨励賞などが授与される。今回は17団体から応募があり、町田市は他の8団体と共に金賞を受賞。そのうえで事実上のグランプリとなる審査員特別賞を受けた。

数字で見える化

 町田市は昨年、ロジカルにデータを収集・分析しながら、戦略的なプロモーションを進めてきた。地元の話題など、年間300を超えるプレスリリースを発信し、テレビや新聞といったマスメディアへ露出した際はその効果を広告換算額で数値化するなど、徹底して成果を可視化。その後のプロモーションに生かしてきた。

 また、町田の魅力を発信する市のシティプロモーションサイトでも検索キーワードやユーザーの動きを詳細に調査し、効果的なサイトづくりにつなげた。

「市民のおかげ」

 受賞の反響は大きく、他の自治体から具体的な手法についての問い合わせも寄せられているという。

 市の政策経営部広報課長を務める越智崇全さんは「今回の受賞は行政だけで成し得たものではなく、市民の協力があってこそのもの。みなさんが日頃から町田の魅力や情報を周囲に伝えてくれたことの効果が非常に大きかった」と市民への感謝の思いを口にする。

 そして今後も活動のなか開催したイベントの来場者などが町田に関する情報を周囲へと広めてくれるよう仕掛けづくりに力を入れていきたいと話す。「今回の受賞を地域の方々にも知っていただき、一緒に町田の魅力を広めていけたらと思う」

佐藤さんの祖父が町田駅近くに開いた映画館(佐藤さん提供)

賑わい創出にシネマ? 町田駅周辺 機運高まり

 町田駅周辺の賑わいを生むものの1つとして複数の映画スクリーンを有するシネマコンプレックスの誕生を期する機運が高まっている。町田駅周辺の再開発を進める町田市の推進計画に想定の1つとしてあがり、2000代前半まで駅前で映画館を運営していた町田駅前商店会の会長を務める佐藤雅男さんは「需要は高いと思う。場所を確保できるかが課題になるのでは」と話している。

 町田駅周辺にはかつて10を超える映画館が存在していた。戦後の復興が進む時代、市民の娯楽として人気を集め、街の賑わいを生むものの1つに数えられた。ただ、さまざまなものが溢れ、娯楽が多様化していくと、町田駅前の映画館は数を減らすようになっていった歴史がある。

 独自に選んだ映画を上映していた単館の映画館を2006年まで運営していた佐藤さんは「祖父が1949年にオープンさせたものを引き継いだが、40年代は『映画館は金儲けになる』と参入が相次いだと聞いた。でも、2000年代にもなると町田周辺にはうちだけに。いろいろな企画を実施したが経営し続けるのは困難だった」と振り返る。

開発進む

 市は町田駅周辺の開発を進めている。70年代から80年代にかけて大規模な商業ビルの建設が進み、多摩地域を代表する商業地の1つに数えられるようになった。しかし、それからおよそ半世紀が経過した現在は代表的な施設の老朽化が進行する一方、町田の周辺地域では次々と集客力のある新たな施設が誕生。町田の優位性が下がっているとして、官民通じた開発への機運が高まっている。

 そんななかで賑わいを生むものの例の1つとして市の開発推進計画にあがるのが、シネマコンプレックスだ。市の資料によると、町田駅(JR横浜線、小田急線)の1日あたりの乗降者数はおよそ51・8万人で改札を出た「街なかへの来街者」の割合は13・4%。乗降者数が約33・7万人である立川駅の22・8%に比べて、「街なかへの来街者」の割合は9・4ポイント低いが、比較的新しい商業施設が立ち並ぶことに加えて、シネマコンプレックスが駅近にあることも立川駅周辺の賑わい創出にひと役買っているとみることができそうだ。

 他にも駅周辺にシネマがある橋本駅(相模原市/13・8%)や新百合ヶ丘駅(川崎市/30・2%)の「街なかへの来街者」の割合は町田駅周辺よりも高くなっている。

 佐藤さんは「シネマコンプレックスであれば単館系とは異なり、多種類の映画を上映することができるため、『はずれの作品』があったとしても他のものでカバーするなど、集客を安定させることができる」と分析。町田駅に近い南町田にもシネマコンプレックスはあるが、「それでも町田駅周辺でシネマコンプレックスを運営したいと考える会社は少なくないと思う。場所を確保できるかが課題になるのではないか」と話す。

 学生時代から映画ファンという町田駅近くで店を開く石井康一郎さんは「学生のころまでは町田で映画を観ていたが、今は新百合ヶ丘などまでいく。再び近所で楽しめるようになればと思う」と話している。

町田演劇鑑賞会の事務局長で先ごろ、市の表彰を受けた 紫桃 弘美(しとう ひろみ)さん 中町在住 62歳

観劇文化を次世代に

 ○...生の演劇を楽しむ機会を提供してきた「町田演劇鑑賞会」。会の発足から40周年となった今年、「みんなを代表として表彰いただけたことがとてもうれしい」とほほ笑む。企画した催しがコロナ禍によって延期や中止となり苦しい期間が続いたが、乗り越えることができたのは仲間のつながりがあったから。「会員のみなさんに感謝しています」。鑑賞会をあたたかく見守る存在。やさしい笑顔をみせる。

 ○...広島県出身。子どものころはテレビドラマのワンシーンを真似る「ごっこ遊び」に夢中だった。演じる楽しさに惹かれ高校では演劇部に所属。ただ、台詞を覚えるのが苦手で「演者として舞台に立つのはトラウマに。「未だ悪夢を見ます」と苦笑い。照明などの裏方にやりがいを見出したことが現在につながる。演劇を支えることができる喜びが原動力となる毎日だ。

 ○...鑑賞会は生活の中心となってきた。人生の先輩である会員から学ぶことが多い一方、若い世代と感性が響き合う瞬間がうれしい。「皆さんと顔を合わせる時間は宝物。事務局長の特権と思っています」と声を弾ませる。観劇後に感想を語り合う時間はいやしのひととき。「演劇の楽しみ方は人それぞれ。人とつながる温かさがここにはあるんです」

 ○...近年は若い世代へのアプローチに力を入れてきた。6月には市内の高校生らを無料招待する特別例会を企画。「今すぐ会員にならなくても、いつか思い出してもらえたら」と考える。観劇文化を次世代につないでいくのは使命。「人が集まり、心が動く――そんな場所を絶やしたくないんです」。事務局長となって14年が過ぎた。これからも演劇を通じて育まれる絆をつないでいくつもりだ。

期限内の納税呼びかけ 町田駅で税務署ら

 町田税務署と町田市らが5月14日、町田駅ペデストリアンデッキで納税キャンペーンを実施した。期限内の納税を呼びかけることを目的に毎年行われているもので、この日は地元のフットサルチーム・ペスカドーラ町田の選手らも参加。広報用のチラシや花の種などが入ったバッグを配布し、駅利用者へキャッシュレス納税の利用を呼びかけた。

森澤さん(左)と榛葉さん

イタリアオペラの真髄に触れる プッチーニ作曲「トスカ」上演

 町田イタリア歌劇団満を持しての公演・プッチーニの大傑作オペラ「トスカ」が6月28日(土)・29日(日)、町田市民フォーラム3階ホールで開催される。

 オペラ黄金期にマリア・カラスとレナータ・テバルディの両プリマが競って歌ったフローリア・トスカ。「星は光りぬ」「歌に生き愛に生き」等の名アリアが散りばめられる最高傑作とされている。トスカ役には藤原歌劇団の宮川典子さん、今回初挑戦の二期会・森澤かおりさん。恋人カヴァラドッシはドラマティックテナー加藤康之さん、テレビでもお馴染みの二期会・榛葉樹人さん。悪徳警視総監スカルピアは町田初出演の実力派バリトン金子亮平さん、日本を代表する大バリトン木村聡さんほか、名だたるキャストでの公演となる。

 歌唱のみならず、公演の聴き所ともなるのは、ピアニスト土屋麻美さんの演奏。本場イタリアのバーリの歌劇場で昨年「トスカ」の稽古ピアノを務めるなど、経験を積んできたという。

字幕付き公演

 イタリア語上演・日本語字幕付きのため、初心者からオペラファンまで幅広く鑑賞することができるという。町田イタリア歌劇団のモットーの『オペラは声が命』が良くお分かりになる公演になると確信しています。町田イタリア歌劇団渾身の「トスカ」に是非足をお運び下さいませ。早めのご予約をお待ちしております」と主催者。

 午後1時開演(12時30分開場)チケットは特別価格の3千円。予約・問い合わせは主宰の柴田さん【携帯電話】090・1734・8116へ。

色のバランスやデザイン性が評価された花壇(同園提供)

さふらん幼稚園 花壇コンで最優秀賞 287団体が参加

 本町田の学校法人松本学園・さふらん幼稚園が、「2025年度春の花壇コンクール」で最優秀賞に輝いた。都市緑化推進のため、町田市が年2回にわたって実施しているもので、今回は287団体が参加。「各花壇の可愛らしさ、青系を効果的に使った統一感、植物への愛情が伝わる」とさふらん幼稚園は評価された。

 創立者の「子どもたちに花を」との思いを継ぎ、このコンクールに第1回から参加してきたさふらん幼稚園。入賞はあったものの、最高賞を受賞するのは初めてで、デザインや植え替えは保護者の有志が担当。日々の水やりは園のバスを運行する運転士と職員が担った。

 デザインを担当した保護者は「さまざまな形の花壇に苗をどう組み合わせるか苦心した」と振り返り、「道路沿いは華やかに」「園内は子どもたちが親しみやすい花を中心に」ポピーやムラサキハナナなどを彩ったという。受賞を知った近隣住民からも祝福の声があったといい、栗山結園長は「地域の方にも見ていただけていたと知りうれしかった。皆で育ててとれた賞。今後も続けていきたい」と話している。

松原広美さん

刈田享子&松原広美 奇跡のデュオコンサート第3弾

 2年連続で開催し好評を博したソプラノ刈田享子さんとメゾソプラノ松原広美さん2人による奇跡のデュオコンサートが6月3日(火)、町田市民フォーラム3階ホールで開催される。

 刈田さんはGWオペラ「椿姫」のヴィオレッタを歌い絶賛を浴びたプリマ。松原さんは東京藝術大学大学院修了後イタリアへ5年留学し世界的なメゾソプラノF.コッソット女史の薫陶を受け切った実力者。藤原歌劇団本公演他の大舞台にも度々出演し好評だ。「実力充分の2人の声の饗宴が今年も聴ける事に喜びを隠せません。日本の歌、イタリアの歌、重唱等を存分にご堪能下さい。ご来場お待ちしております」と主催者。

 午後2時開演(1時30分開場)。チケット3千円。(問)柴田さん【携帯電話】090・1734・8116

事務局長の紫桃さん

演劇鑑賞会 高校生ら無料招待 40周年記念事業 6月に

 今年で発足40周年を迎えた町田演劇鑑賞会が6月9日(月)、記念事業として東京芸術座による『おんやりょう』を上演する。出勤に明け暮れる消防署長・救急隊員の生活や人生を描いた作品で、町田市民ホールで午後6時30分から。

 「誰もが舞台芸術を楽しめる場を」と活動を続けてきた同会。今回の例会では市内の高校生・専門学生を無料招待するという。長年事務局を務め、先ごろ市から表彰を受けた紫桃弘美さん=人物風土記で紹介=は、「40年続けてこられたのは会員や地域の支えがあってこそ。未来へつなぐ一歩として若い世代に演劇の魅力を体験してもらいたい」と話している。

 無料招待は事前申込制。一般の観覧には同会への入会が必要。問い合わせは町田演劇鑑賞会【電話】042・726・9325へ。

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引退を表明した森岡選手

アグレッシブさ増す 新監督就任 初優勝目指す

 町田市立総合体育館(南成瀬)を拠点とするフットサルチーム「ASVペスカドーラ町田」が6月1日(日)、Fリーグ(日本フットサルリーグ)の2025―26シーズン開幕戦を迎える。2シーズン前の2位を最高成績に近年は優勝争いに加わってきたぺスカ。地元成瀬エリアを中心に初優勝を期待する声が挙がっている。

 昨シーズン4位のペスカは今季、ブラジル人のルーカス・キオロ監督が就任。攻守にわたるハードワークが持ち味のチームに「攻める戦術」が注入され、これまで以上のアグレッシブなプレーが期待される。注目は今シーズンでの引退を表明した森岡薫選手。最優秀選手賞、得点王を獲得するなど、さまざまなチームで活躍をみせてきた46歳。最後はぺスカのユニフォームで有終の美を飾ること決めた。「新監督が就任し、どんな戦い方になるか楽しみ。最後のシーズン、覚悟をもってのぞみたい」と意気込んでいる。

初優勝へのキーマン 「甲斐兄弟」に聞く 父は前監督

 ぺスカ初優勝への鍵を握るのが、新加入したきょうだい。甲斐修侍・前監督(現コーチ)の息子で昨シーズン他チームに所属するなか2けた得点をマークした兄の稜人選手と、サッカーから転向した翔大選手だ。町田で生まれ育ったきょうだいに意気込みを聞いた。

 ――今シーズン、なぜペスカに

 稜人「ペスカに所属していた3シーズン前、父が監督に就任することになり互いにやりづらいと思い移籍したが、監督でなくなったので戻ってきた。町田で戦いたいという思いは強く、予定より1年早く戻ることになった」

 翔大「15歳からブラジルでサッカーに打ち込んできたが、フットサルへの転向を決めた。昨シーズンまで一時帰国するたびにペスカの試合を観戦してきたが、生まれ育った町田のチームに貢献したいという思いは強い。サッカーでは攻撃を主とするポジション。ドリブルには自信がある」

 ――きょうだいでプレーすることになった

 稜人「違和感しかない。長い間、顔をあわせる機会が少なく、弟とフットサルをすることになるとは考えていなかった」

 翔大「私も同じ。兄がどんなプレーをするのか楽しみ」

 ――シーズン前、チームの状況はどうか

 稜人「悪くないと思う。優勝には全員の力が必要。一人ひとりそれを自覚していくことが大切と考えている。昨シーズンまで所属していたチームはぺスカと異なり全員がプロ選手。競技に対する意識が高く、学んだことは多い。得たものをぺスカで伝えていければと思う。それにしても、新監督の練習は厳しい。豊富な運動量を求められる」

 翔大「私は初めてのフットサル。サッカーとは全く別物で、まだチームの状況をみる余裕がないのが正直なところ。ただ、みんな仲が良く、雰囲気は良い」

 ――父親の修侍さんへ伝えたいことは

 稜人「何かな・・・難しい。『優勝します』と伝えたい。幼い頃からボールを蹴る環境をつくってもらってきたが、父に強制されたり、怒られた記憶はない。母親を含め、うちの一家はみんな左利き。顔は弟の方が似ているといわれることが多い」

 翔大「顔は兄の方が似ているのではないか、と個人的には思っている。父には『優勝して町田を盛り上げたい』と伝えられればと思う」

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水のあそびばは、昨日からオープン!9/28まで楽しめます(10時〜17時)

ママ記者 南エリアめぐり【2】 今回は鶴間公園を取材しました

子育て中のママが集まる南エリア。乳幼児のきょうだいを育てるいしうら記者が紹介します。

成長してもずっと家族のお気に入り

家族みんなで成長に合わせて楽しめる「鶴間公園」。幼い頃は遊具、大きくなったらスポーツ教室と、長く通えるのが魅力的です。夏に人気の「水のあそびば」もオープンし、地面から吹き出す水しぶきに大はしゃぎ必至。園内の「つるま食堂」では、赤ちゃんから参加できるリトミックやジャズ演奏などイベントも定期的に開催されているので要チェックです!

■鶴間公園/鶴間2-5-13