町田演劇鑑賞会の事務局長で先ごろ、市の表彰を受けた 紫桃 弘美(しとう ひろみ)さん 中町在住 62歳
観劇文化を次世代に
○...生の演劇を楽しむ機会を提供してきた「町田演劇鑑賞会」。会の発足から40周年となった今年、「みんなを代表として表彰いただけたことがとてもうれしい」とほほ笑む。企画した催しがコロナ禍によって延期や中止となり苦しい期間が続いたが、乗り越えることができたのは仲間のつながりがあったから。「会員のみなさんに感謝しています」。鑑賞会をあたたかく見守る存在。やさしい笑顔をみせる。
○...広島県出身。子どものころはテレビドラマのワンシーンを真似る「ごっこ遊び」に夢中だった。演じる楽しさに惹かれ高校では演劇部に所属。ただ、台詞を覚えるのが苦手で「演者として舞台に立つのはトラウマに。「未だ悪夢を見ます」と苦笑い。照明などの裏方にやりがいを見出したことが現在につながる。演劇を支えることができる喜びが原動力となる毎日だ。
○...鑑賞会は生活の中心となってきた。人生の先輩である会員から学ぶことが多い一方、若い世代と感性が響き合う瞬間がうれしい。「皆さんと顔を合わせる時間は宝物。事務局長の特権と思っています」と声を弾ませる。観劇後に感想を語り合う時間はいやしのひととき。「演劇の楽しみ方は人それぞれ。人とつながる温かさがここにはあるんです」
○...近年は若い世代へのアプローチに力を入れてきた。6月には市内の高校生らを無料招待する特別例会を企画。「今すぐ会員にならなくても、いつか思い出してもらえたら」と考える。観劇文化を次世代につないでいくのは使命。「人が集まり、心が動く――そんな場所を絶やしたくないんです」。事務局長となって14年が過ぎた。これからも演劇を通じて育まれる絆をつないでいくつもりだ。
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