藤沢版【5月30日(金)号】
チラシを手に市民参加を募る利根川さん

長後市民センター 防災士研修、試験会場に 公共施設では市内初

 藤沢市は19日、長後市民センター(長後513)が防災士の研修と試験会場になることを発表した。市内の公共施設では初で、市と(株)防災士研修センターが連携。同市民センターの利根川伸さんは「資格取得を機に災害を想定し、各地域での自助共助の意識が高まれば」と市民参加を呼びかけている。

 防災士は、認定NPO法人日本防災士機構が「自助」「共助」「協働」の原則に基づき、防災に関する十分な知識や技能を持ち、社会防災力向上のために活躍できる人を認定する民間資格。阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ2003年に創設され、これまで全国で約30万人が資格を取得している。市によると、藤沢市内には現在約400人の防災士がいるという。

 資格取得は、同NPOが発行する教本を学習した上で、2日間の研修を受けた後、試験を受けて合格すると可能。しかし研修や試験が開かれる会場は限られており、県民が取得する際は月に1〜3度、都内・千代田区の会場か、不定期開催される大学などの会場に行く必要がある。こうした現状を鑑み、同市民センターが名乗りを上げた。

地域づくり担当の声形に

 きっかけは、地域づくり担当の利根川さんによる働きかけによるもの。「防災のことをもっと自分事として捉えてほしい」と利根川さんは昨年、親子向けの防災教室を企画。それを機に自身も防災士の資格取得。しかし、研修、試験会場が遠いことに苦慮し、「近場で資格を取れたら市民の防災士が増えるのでは」と考え、同研修センターに開催を依頼した。

 市内は震災時、南部が津波被害、北部が土砂災害のほか、長後など住宅密集地では大規模火災の発生、また道が狭い地域は救助車両の到着が遅れることも予想される。こうした事態に備え、「意識改革をし、それぞれの地域の防災会議でリーダーシップを取る人が育ってもらえれば」と利根川さんは期待する。同市民センターの佐藤友哉主査は「藤沢市の人口など考慮すると、避難所の受け入れには限界がある。震災や水害時に地域内で自助・共助できるよう備えるきっかけにしてほしい」と語った。

 研修は9月13日と14日に実施される。詳細は同センターHPから。

会議を取りまとめる西川さん(左)と神山さん

湘南台七夕まつり 地元学生が主導 実行委に新風

 7月に行われる「湘南台七夕まつり」の実行委員長と副委員長に、地元の大学・高校に通う学生がそれぞれ初めて選ばれた。企画力や体力面で長らく親しまれる地域行事に新しい風を吹かせている。

 今年で18回目を迎え、駅地下アートスクエアや商店街を舞台に毎年数多くの来場客でにぎわう同イベント。会場では「円行竹林の会」が円行公園で伐採した竹が並べられ、昨年は願いごとが書かれた短冊が約2万枚飾られた。

 今年度は、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)4年の西川大智さんが委員長に、副委員長には藤沢工科高校3年の神山大和さんが選出された。湘南台郷土づくり推進会議の河合恒二議長は「責任感もある若い2人なら任せられると判断した」としている。

 昨年は同じく7月にSFC内で行われるSFC七夕祭の実行委員を務めていた西川さん。「周辺地域の人に協力をいただいた。恩返しをしたいとの思いで引き受けた」と振り返る。

 学生を動員した現場作りや、インターネットを活用した周知の強化を図りたいとし「若い世代は体力や機動力があり、SNSを使った広報も得意。それをどのように生かすか、皆さんと考えていきたい」。神山さんは「自分が実行委に主体的に携わることで、同世代の人が地域行事に参加しやすくなってほしい」と話した。

 河合議長は「自分が学生の頃は、大人と一緒の会議に出て積極的に発言するなど考えられなかった。自分たちにはできなかったことを始めてくれるのではと期待している」と話した。

 今年の七夕まつりは7月1日から7日に湘南台駅周辺で行われる予定。

第46代藤沢市議会議長に就任した 山口 政哉さん 片瀬海岸在住 53歳

「身近で分かりやすく」

 ○…藤沢市議会では初の議長選で同票、くじ引きによって重責に就いた。難しい舵取りが想定されるが、「議員36人の熱のこもった意見をどうまとめていくか。対立よりも対話、批判よりも提案ができる機運を高めていきたい」と表情を引き締める。掲げるテーマは「身近で分かりやすい、開かれた議会」。その実現に向け、市民との交流の場を増やすつもりだ。

 ○…片瀬海岸の政治一家に生まれ育った。祖父は初孫の名に、政治の「政」を入れた。「厳しい人」という大人たちのイメージとは裏腹に、祖父は優しく接してくれた。海が間近ということもあり、中学からサーフィンを始め、大学卒業後はサーフショップの店長に。「政治の世界とは無縁」と思っていたが、父の活動を陰で支えるうちに、「選挙は一人ではできない」と地域のつながりや仲間の大切さが身に染みた。周囲からの期待や体力的に限界を迎えた父の背中を見て、「市政を動かす一人になりたい」との思いが高まり出馬。当選を果たした。

 ○…誘客、インバウンド、交通渋滞、ごみ、民泊での騒音といった課題に向き合う観光行政に注力。交通安全対策にも奔走した。「人から頼まれたことは断るな。応える努力をしろ」。昨年、亡くなった父がよく口にしていた言葉だ。街頭指導で通学路に立ちながら市民の声に耳を傾ける真摯な姿には、父の存在が色濃く投影されている。

 ○…妻と2人の子どもと暮らす。アロハシャツを羽織り、淡い黄昏が下りてくる江の島を望みながらウォーキングするのが息抜きだ。「健康のため」というが、「一般質問は形になっているか。条例は運用できているか」と頭の中ではいつも疑念が渦巻く。多様化・複雑化する市民ニーズに的確に応えていく。

オリジナル香水づくりに夢中の親子

未来の研究者育成へ アイパークフェス、盛大に

 医療や健康分野の研究開発拠点、湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク/村岡東)で24日、フェスタが開かれた。「最先端研究施設で学ぶ・楽しむ・やってみる」をテーマに今年で3回目を迎え、普段は非公開の施設を一般公開。親子連れなど約3700人が来場した。

 目玉は「湘南アイパーク学生研究発表会〜集まれ未来の研究者!」。全国から公募した高校・大学生が研究発表を行い、同パークの研究者がアドバイス。未来の研究者育成に貢献する企画だ。

 また企業や大学によるサイエンスのワークショップや展示もあり、自社の魅力を伝えた。「ぬりぐすり」クリームづくり体験(マルホ(株))や電子顕微鏡を用いた観察(日本電子(株))のほか、横浜国立大学×CurioSeedsでは、参加者がオリジナル香水づくりに挑戦。甘い匂いが漂う中、村岡小4年の女児は「想定通りにできた。でも少し薄かったかも」と言って笑った。

6月4日から10日は「歯と口の健康週間」 正しいケアで歯と口の健康を守ろう 藤沢市歯科医師会 地域保健部 宮田保之さん

 健康を支える毎日の食事をとるために、大切なのが歯と口腔環境だ。6月4日(水)から10日(火)の「歯と口の健康週間」にあわせて、藤沢市歯科医師会の地域保健部担当で常務理事の宮田保之さんに、歯や口を健康に保つためのポイントや歯科医療の現場について話を聞いた。

 自分の歯を健康に保つためには「まずは食事をしたら必ず歯を磨くという基本を徹底していただくことが第一」と宮田さん。食べ物が口に入ると、口の中は一時的に酸性になる。この状態が続くと虫歯(う蝕)になりやすいといい、予防には正しい歯磨きが不可欠だという。「歯磨きをしないまま、しょっちゅう間食を取ることも、虫歯の原因になりうる」と話す。

甘い飲み物にも注意

 特にこれからの季節には熱中症を予防しようと、水分補給で甘いスポーツドリンクなどを頻繁に飲む人も多くなる。「砂糖の入っている飲み物を頻繁に飲むことも虫歯のリスクを高めることにつながる。甘いドリンクを飲んだ後には水を飲むなどして、虫歯になりやすい状態が続くのを防ぐことが望ましいですね」と宮田さん。

健診で早期発見を

 近年では医療技術の進歩や歯に対する意識の向上などによって虫歯の罹患率は減少傾向にある一方、歯周病の患者数は増加傾向にあるという。歯周病は、歯の汚れが歯ぐきの炎症や歯を支える骨の破壊を引き起こす進行性の病気。自覚症状がないまま進行することが多く、放置すれば歯を失う原因にもつながる。

「きちんと正しい歯磨きをしていても、ストレスなどで顎に力が入りすぎて歯を食いしばってしまい、歯や歯ぐきを痛めてしまう咬合性外傷も増えてきている」と宮田さん。「歯周病の早期発見や噛み合わせ治療のためには、定期的に歯科健診を受けること、そして歯科医院での専門的なメンテナンスが重要」と改めて呼びかける。プロの目で口腔内の状態をチェックし、適切な処置を受けることが、健康な歯を保つための最善策だ。

大切な歯を守るために 成人歯科健診 来月1日から

 むし歯のチェックや歯周病の早期発見、早期治療を目的とした「成人歯科健康診査」が6月1日(日)から始まる。期間は、10月31日(金)まで。

 対象は、20歳から70歳までの5歳ごとと、80歳の藤沢市民(2025年4月1日から26年3月31日の間に該当年齢になる人)。

 対象者には、5月下旬に市から受診券と指定歯科医療機関一覧表が郵送される。

 健診では、問診、口腔内診査(虫歯・歯周病の診査、歯周ポケット測定、入れ歯の状況、清掃状態)、保健指導などを行う。65歳、70歳、80歳のみ、噛む機能を調べる「咀嚼能力検査」も実施される。

 負担額は1千円(80歳になる人、市民税非課税世帯・生活保護受給者などは無料)。受診希望者は指定医療機関へ予約の上、受診券と本人確認書類を持参する。

 問い合わせは、市健康づくり課【電話】0466・50・8430。

協議会総会であいさつに立つ鈴木会長(中央奥)

誰もが利用しやすい海水浴場へ 開設期間やルール決定

 藤沢市内3海水浴場(片瀬東浜、片瀬西浜・鵠沼、辻堂)の運営ルールを決める市夏期海岸対策協議会(鈴木恒夫会長)の総会が27日、市役所で開かれた。海の家を運営する組合や市関係者が開設時間や海水浴エリアの使用法を確認した。

 開設期間は片瀬東浜が7月1日(火)〜8月31日(日)、片瀬西浜・鵠沼が7月1日(火)〜9月7日(日)、辻堂が7月12日(土)〜8月31日(日)。開設時間は平日が午前9時〜午後5時、休日と盆期間が午前8時〜午後5時とした。

 今夏の主な特色として「誰もが利用しやすいインクルーシブな海水浴場へ」を掲げ、片瀬西浜・鵠沼にバリアフリーマットを設置するほか、全海水浴場でバリアフリートイレの利用が可能になる。またルール周知の看板や海の家のメニューなどを英語表記にし、インバウンドにも対応する。

 ルールの改正点として、南海トラフ地震臨時情報が発表された場合の海の家従事者の対応を追加。犬などペットに関する取り扱いも緩和した。

 昨夏の海水浴客数は約150万人で4年連続増加となり、コロナ禍前の2019年約155万人に近づいた。総会の冒頭、あいさつに立った鈴木会長は「昨年は大きな事故もなく、皆さんのご協力で無事に終了できた。今年もより多くの海水浴客に来ていただきたい。それには何より安全安心な海であるということが一番の要素。皆さんと心を一つにし、今夏を乗り切っていきたい」と述べた。

ショベルカーのおもちゃを操作する子どもたち

産業フェス、大盛況 3万人来場

 市内の商工業・観光などの事業者が製品や特産品を紹介する「ふじさわ産業フェスタ」が24日と25日に開かれ、市内外から約3万人が来場した。

 屋外では地元飲食店による出店や、ダンスなどのステージ発表、地元団体・企業の体験コーナーが設置され、幅広い世代の来場者が楽しんでいた。

 会場では他にもロボットとの対話・ダンス体験や、職人による伝統技術の体験コーナーなど、誰もが参加しながら藤沢の産業技術を知ることができる場として2日間にぎわった。

 ロボットと一緒にダンスをしていた小学5年生の男子は「こういうのが家にあったら便利なのに」と感想を述べ、最新技術と身近に触れ合っていた。

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買い物ゲームをする参加者とスタッフ

「お金のひみつ」親子学ぶ

 「家族で学ぶ金融教育セミナー」が24日、藤沢商工会館ミナパークで開かれた。当日は親子16組が参加し、”お金”について理解を深めた。

 「未来を担う子どもたちに楽しみながらお金のことを知ってもらおう」と、藤沢ロータリークラブが企画。三井住友信託銀行が運営協力した。

 「お金のひみつをさぐれ!」をテーマに、金銭には「モノと交換する」「モノの価値を測る」「モノの価値を貯めておく」3つの機能があることなどを学んだ子どもたち。その後、買い物ゲームに挑戦し、バナナやニンジンなどスタッフから頼まれた商品をできるだけお釣りが出ないよう購入するシュミレーションをした。

 同クラブの吉野貴美会長は「将来、お金が必要になる場面がある。今のうちに勉強して夢を勝ち取ってほしい」と子どもたちにエールを送った。

バスケットボール部 「ハッピーとエナジー」で勝利

 「ハッピーとエナジー」を合言葉に活動する女子バスケットボール部。「特に今年のチームは、みんな明るく元気なメンバーがそろっている」と朗らかに話すのは廣瀬優菜部長(3年)だ。一方で、インターハイ常連の同部だからこそのプレッシャーも。1月に行われた県の新人戦では準決勝で敗退。1つ上の代が引退して、新チームとしての練習が始まってわずか1カ月と、他チームに比べて日が浅かったことが痛手となった。「ベスト4で終わりたくないと強く思った」と大矢夏音キャプテン(3年)は振り返る。

 悔しさを胸に、限られた練習時間や場所で質にこだわり続け、先日行われた関東大会神奈川県予選では、新人戦で負けたチームに同じ準決勝で勝利し、見事優勝を果たした。6月7日、8日には関東大会に出場するほか、ほぼ同時進行でインターハイ予選も始まる。「支えてくれる人にハッピーを返したい」と廣瀬部長。大矢キャプテンは「インターハイに出るため、日々日本一の練習を積み重ねたい」と昨年に続くインターハイ出場に向けて意気込みを語った。

懐かしい制服の前で思い出を語らう門馬会長(左)と高橋さん

思い出語る

 100年の歴史を振り返る--。門馬幸子同窓会会長(1968年度卒)と、元教員でOGの高橋泉さん(75年度卒)に在学当時の話を聞いた。

   ♢    ♢ 

 女学生時代、特に印象的だったというのが、生徒たちの格好だったという。「女性たるもの、朝三つ編みをする余裕がないと」と水野千代子校長(1953年〜74年在任)の意向で、学生は全員「おさげ」姿だった。「入学式のときにいつもドレスと帽子をお召しになってる姿が印象的でした」と高橋さん。「正門を入って校舎の正面に水野校長の銅像があったわね」と門馬会長は回想する。校長の像の前で一礼するのが生徒たちの日課になっていたという。

 生徒たちの格好は時代とともに変化してきたが、校風は今も昔も変わらない。昔から、勉強も部活も熱心で、特に勉強は「先生たちが楽しさを教えてくれた」と高橋さん。だからこそ、母校での教員生活を志すようになったとか。

 そんな伝統ある女子校が共学となることが決まった際には「思わず涙が出てしまった」と門馬会長は振り返る。「どうして…と思ったけど、あの決心があったから、鵠沼高校は今がある。100年続いた」

 1月から、60年余り使われてきた校舎も建て替え工事が始まった。「いつまでも存続される鵠沼高校であってほしい」と門馬会長は次世代に思いを託す。

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ダンス部 豊かな表現力で高みへ

 今年2月、「第36回 全日本高校・大学ダンスフェスティバル」に4年連続7回目の出場を果たしたダンス部。夏にはまた全国の舞台が控えている。いまだ手にしたことのない優勝を目指し、日々の練習にも気合が入る。

 部長を務めるのは祝田和奏さん(3年)。部員31人のかじ取り役だ。自身は4歳からクラシックバレエを始めたが、メンバーの中には未経験者も多い。「同じ目標に向かって努力を重ね、チームの上達が目に見えて分かるのがうれしい。私自身も視野が広がった」と顔をほころばせる。

 講堂で繰り広げられるコンテンポラリーダンス。一糸乱れぬ華麗な舞を実現させることは最大の楽しみであり、苦しみでもある。体で分かってくるには、集中力と時間を要する。手先つま先の表現にまで細心の注意を払う。

 強さの秘訣について顧問の武居学範さんは「決しておごらず、全員で苦手なことに挑戦し続ける向上心がある」とし、優し気なまなざしを送る。「さらなる高みへ」。みんなの気持ちは色あせることはない。

バドミントン部 夢に向かって切磋琢磨

 インターハイ出場を果たすなど、強豪校の一つとして数えられるバドミントン部には現在、男女30人が在籍する。夏の全国出場の切符をかけた関東大会が間近に迫る中、体育館で汗を流す部員たちの表情は真剣そのものだ。

 「パァーン」。巧みで正確なフットワークと高い跳躍力から放つジャンピングスマッシュ。部長の新岡虹河さん(3年)と会計の櫻井柊弥さん(3年)がラリーする。競技の魅力は「長いラリーを制した時」としつつも、「競った場面で勝ちきれないこと」を課題に挙げる。試合を想定した鍛錬を重ね、技術力はもちろん、メンタル強化を図る。

 「みんな仲が良く、大会の応援では他校に負けない」と互いに労を称え合う。顧問のほか、コーチ、OB・OGたちも部員たちのプレーを支え、いつも多くの人の期待を一身に受けてコートに上がる。

 「みんなで切磋琢磨できる環境にある」。確かな誇りと喜びを持ちながら、虎視眈々と夢の全国制覇を狙うつもりだ。

一生の財産となる高校生活を 井上奈々校長メッセージ

 鵠沼高校では、新たな出会いを成長の糧にできる、生徒一人ひとりが納得できる進路を見つけ、巣立っていけるよう教育活動を行っています。

 教職員一同は建学の精神を受け継ぎながら、教育目標にある「自己と社会をより良く変えていく資質の育成、社会で貢献できる有為な人材育成」に努めています。

 「人生100年時代」と言われる今、柔軟な適応力と挑戦する勇気を持ち、人生の土台を伸びやかに築いていけるよう、サポートしています。私たちに求められることは「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」。これら一生の財産となる力は、人と人との結びつきによって育まれます。生徒、先生方との関わりだけではなく、卒業生や大学、企業など、たくさんの方々との関係性を築ける教育活動を展開しています。

 皆さまより賜りましたご縁とご支援に感謝を申し上げ、今後の発展に精進して参ります。

新校舎イメージ(上)=鹿島建設(株)提供、(右下から)開校当時1925年2月の授業風景、大空襲の被害を受けた校舎、鵠沼女子高校に改称した61年の生徒=鵠沼高校提供

鵠沼高校 次なるステージへ 校舎も一新、完成は2年後

 上原とめ氏により、平塚市内で家政女塾として1925年に開校した鵠沼高校。戦時下、軍に校舎を接収されるなど厳しい状況の中で、学徒動員されていない生徒が寺や保育所で子どもたちの面倒を見るなど奔走した。

 しかし、終戦が間近に迫る45年7月の平塚空襲で、移転先の校舎を焼失。戦後、再建の資金のあてもなく途方に暮れていたところ、藤嶺学園に移管が決まり、48年から「藤嶺学園女子中高等学校」に改称。校舎を転々としながら、56年に現在の鵠沼に現校舎が完成し、61年に「鵠沼女子高等学校」として新たなスタートを切った。

 「知識・情操の調和した豊かな人格を備えた人間の育成を理想とする人間教育」を教育理念に掲げ、文武両道に取り組んできた。

 そして鵠沼の地に移転してから48年が経った2004年、次なる転換期を迎えることに。安定した生徒数を確保するために、共学化に踏み切った。「鵠沼高等学校」と改称。近年は男女比率が2対3となり、男子211人、女子360人の学生が在校している(25年4月時点)。

 創立100周年を迎えた今年から校舎の建て替え工事をスタート。新校舎は延べ面積約6800平方メートル。生徒の自主性を育み、学びの交流が活性化する空間設計となっている。

 完成は27年度を予定している。

ステージ上で完成した書を披露する書道部員たち

節目祝う記念式典 生徒、関係者ら盛大に

 鵠沼高校創立100周年記念式典が4月18日、鵠沼東の藤沢市民会館で開かれた。生徒や教員のほか、多くの来賓が訪れ、節目を祝った。

 開校から現在までの歩みを動画で紹介した後、書道部とマーチングバンド部がステージ上でパフォーマンス。両部員たちは100周年の思いを込め、音楽に合わせて大判の和紙に筆を走らせた。完成作品をお披露目すると、会場から大きな拍手が送られた。

 あいさつに立った井上奈々校長は「地域の皆さまに愛される学校づくりを目指し、次の新しい100年に向けて歴史を積み重ねてまいります」と決意を新たにし、藤嶺学園理事長で西富にある時宗総本山遊行寺の75代他阿一浄上人でもある東山勉さんは「100周年を大きな土台に、鵠沼高校がますます繁栄、発展していければ」と展望を語った。来賓として招かれた鈴木恒夫藤沢市長は、鵠沼高校が「ふじさわSDGs共創パートナー」に登録していることに触れた上で、「これからも皆さんとの調和やパートナーシップを大事にしながら、過ごしやすく、学びやすい藤沢を作っていく。100周年おめでとうございます」とねぎらった。

 その後、参加者全員で校歌斉唱。また、ラジオパーソナリティーや司会など多方面で活躍するDJ・HAGGY(本名・萩原浩一)さんが「逆境を乗り越えて、人生どうにかなる」と題し、記念講演を行った。

 閉会後、記念祝賀会も催され、鵠沼高校に関係する企業や団体が集い、乾杯。食事を共にしながら互いに親睦を図った。

「かけがえのない友と青春謳歌」 生徒会長 和田悠花さん

 学校生活の改善や向上、さまざまな活動の連絡調整、学校行事への協力などを目的に組織される生徒会。その代表を務めるのが、生徒会長の和田悠花さん(3年)だ。生徒側の意見を吸い上げ反映させるなど、学校をより良くするべく奔走。創立100年の節目に、インタビューを試みた。

*  *  *

 ――生徒会活動の目玉を教えて下さい。

 「やはり『鵠輝祭』(学校祭)ですね。催し物からステージパフォーマンスまで、それぞれのクラス、部活動がみんな盛り上がる企画を用意。生徒会では校内を鮮やかに装飾するなど、夏休みに入ると準備を進め、開催前からワクワクしながら取り組んでいます」

 ――そもそも生徒会長になった経緯は。

 「鵠沼高校に入学してすぐ、生徒会活動に汗を流す先輩の姿を見ました。堂々とした振る舞いで『私もあんな風になりたい』と思いを抱き、1年生から生徒会に携わりました。せっかくなら学校に全力で貢献してみようと、今に至ります」

 ――学校の好きなところは。

 「人と人とのつながりです。後輩から先輩まですれ違うたびにあいさつしますし、新入生歓迎会に顔を見せる卒業生も。優しく見守り、指導して下さる先生方は私たちの良き理解者です」

 ――今後、学校に何を望みますか。

 「私はここで一緒に学んだり、遊んだりする一生の友達ができ『青春を謳歌しているな』とつくづく実感します。温故知新。お互いに切磋琢磨できる環境はこれからも変わらず、長い歴史や伝統を大切にしながらも新しい風が吹いてくれれば」

こどもタウンニュースふじさわ

藤沢編集室では、藤沢市内の市立小学校全校に配布される「こどもタウンニュース」を発行しました。今回のテーマは「福祉」。盲導犬の役割や点字の仕組み、市が進める「地域の縁側」事業、通学路にあるバリアフリーな場所などを紹介しています。また福祉に関するクイズも10問用意。皆さん、挑戦してみて下さいね。



p span{color:#ff6e00;font-size:1.4em;line-height:1.1;} #akimeguri{margin-bottom:60px} #gazouId{background-color:#F6F6F6;padding:10px;} #gazouId img{display: block;width: 98%;float: left;padding: 1%;} .none{display: none} ◆以下の画像をクリックかタップするとデジタルブックが開きます。


辻堂の海をきれいに ブルーサンタプレ企画

 辻堂まちづくり会議が、来月7日(土)に行われるビーチクリーンイベント「辻堂の海を守ろう!」の参加者を募集している。対象は小学3年生から6年生までの70人(抽選)。時間は午前9時から正午までで、参加費は無料。

 7月21日の「海の日」に合わせて行われる恒例ビーチクリーンイベント「ブルーサンタ」のプレ企画。事前の機運醸成につなげようと、当日はNPO法人海さくら代表の古澤純一郎さんをゲスト講師に迎え、辻堂海岸のごみ拾いを行う。また、拾ったマイクロプラスチックを使ったハーバリウムボールペンの工作も予定されている。

 参加希望者は6月4日(水)までに電子申請で申し込む。問い合わせは辻堂市民センター地域づくり担当【電話】0466・34・8661。

トンボロ歴史講座

 (公社)藤沢市観光協会と江島神社の連携企画「トンボロと江の島の歴史講座」が6月14日(土)、午前11時から江島神社で開催される。参加無料、先着50人。受付開始は午前10時半から。

 トンボロは干潮時に岸と島が地続きになる自然現象。市は江の島と片瀬海岸のトンボロを新たな観光資源にしようと動いており、管理用階段を設置するなどさまざまな取り組みを行っている。

司法書士の無料相談会 6月7日・21日

 県司法書士会湘南支部(池田将史支部長)は「司法書士無料相談会」を6月7日(土)と21日(土)、フジサワ名店ビル6階で開催する。午後2時30分から5時30分。

 同支部所属の司法書士が相続全般や遺言、相続登記、債務整理、過払請求、成年後見などの困りごとにアドバイスする。申し込み不要。当日会場へ。(問)司法書士法人シーガル法務事務所【電話】0466・97・1196