金沢区・磯子区版【8月7日(木)号】
当選を喜ぶ横溝氏(右から4人目)

市会議員金沢区補選 国民・横溝氏が初当選 2万票差で一騎打ち制す

 金沢区の横浜市議会議員補欠選挙が8月3日に投開票され、国民民主党新人の横溝絢子氏(46)が4万4140票を獲得して初当選を果たした。同じく新人の自民党・甲斐誠氏(41)は2万4944票で及ばず、国民が自民との一騎打ちを制して議席を獲得した。

 今回の補選は、金沢区選出で市議を4期務めた高橋徳美氏が、横浜市長選出馬のために辞職したことで実施されたもの。与野党新人同士の一騎打ちとなり、9日間の選挙戦で議席を争った。

 国民は選挙戦3日目に榛葉賀津也幹事長、最終日のマイク納めには玉木雄一郎代表が応援に駆けつけるなど、党幹部が選挙戦を後押し。2週間前に投開票された参議院議員選挙の勢いのまま自民候補に約2万票差をつけ、今年2月の南区補選に続けて議席を得た。横溝氏は「当選して安心した。街頭では女性から声をいただくことが多かった」と選挙戦を振り返り、「金沢区のために一日でも早く結果を残して、選んでよかったと言われるようにならないといけない。これからがスタート」と意気込みを語った。

自民2議席目失う

 一方、自民は横浜市内各区の市議が連日応援に入り、甲斐氏ととともに区内を回った。しかし、党への逆風もあり、約2万票差をつけられ、金沢区での2議席目を守れなかった。結果を受けて甲斐氏は「これが今の時代を表しているというのを率直に受け止めなければならない」とし、「消防士としての経験を政治にいかしていきたい、挑戦する気持ちは変わらないので、次の選挙に向けて準備していきたい」と話した。

 今回の補選は市長選と同日の投開票となり、投票率は44・79%。2021年に行われた補選での投票率と比べると23・69ポイント高かったが、23年の前回選挙を0・04ポイント下回った。
参加を呼び掛ける井上代表

「いそご区民劇団」が発足 8月末まで出演者募集

 磯子区民を中心にした新たな市民参加型の劇団「いそご区民劇団」を作ろうと、区民らによる実行委員会が8月末まで出演者を募集している。磯子や横浜の歴史などを題材とし、年一回のペースでオリジナルの舞台を作り上げる予定だ。

芝居に特化

 同劇団は、磯子区民文化センター杉田劇場主催で活動する「杉劇☆歌劇団」のメンバーを中心に結成。芝居だけでなく歌や踊りにも取り組む歌劇団と異なり、より芝居に特化した劇団を作ろうと有志による実行委員会が立ち上がった。

 劇団の代表を務めるのは、歌劇団で芝居の指導や脚本を担当した井上学さん=磯子区中原在住。これまでに「ふじさわ市民ミュージカル」などさまざまな市民ミュージカルを手掛け、現在は浜中学校の演劇部でも講師を務める。歌劇団に関わる中で、「もっと芝居を深めたい」という思いが募って今年3月頃から準備を進めてきた。「地域の演劇を30年近くやってきたが、横浜の演劇はまだまだ都市部が中心。この磯子の地域で演劇を盛り上げ、皆で楽しめる劇団を作りたい」と思いを明かす。

「人生を変える経験を」

 7月13日には杉田地区センターで説明会を開き、翌日から参加者募集を開始した。8月末まで募集し、活動開始は9月中旬の発会式からを予定。その後、12月までは月1、2回の頻度で発声や身体トレーニングなどの基礎練習を実施し、年明けから稽古に入る。区内の公共施設で合計40回程度の稽古を行い、来年5月末に杉田劇場ホールでの公演を目指す。

 出演者は毎年の上演ごとに募集し、公演のテーマや台本などは集まった参加者に応じて考案していくという。井上代表は「体一つあれば活動できるのが演劇。人生を変えるほどの経験をしたという声を聞くこともあるので、ぜひ達成感を一緒に味わってほしい」と呼び掛けている。

 対象は小学4年生以上で、舞台経験の有無は問わない。出演者だけでなく、運営や裏方に興味がある人も募っている。参加費は月額3000円。申し込みは、専用のフォームから8月31日まで受け付けている。問い合わせは井上代表【電話】090・9102・0023、【メール】kumingekidan@gmail.com。
手話講座であいさつする市聴覚障害者協会の小島理事長(左奥)

聴覚障害者当事者団体 法施行で支援拡充期待 市へ手話通訳者増員要望

 手話の習得や利用、文化の継承を促進する「手話に関する施策の推進に関する法律(手話施策推進法)」が6月に施行された。これにより、国や自治体の責務が明確化され、手話施策の推進が図られることになった。横浜市は区役所への手話通訳者配置などの支援策を行うが、聴覚障害者団体からは通訳者配置の増員など、支援拡充を求める声が出ている。

 同法制定の背景には、2011年の障害者基本法改正で手話が言語と位置づけられ、神奈川県でも15年に「手話言語条例」が施行されるなど、全国で条例制定の動きが広がったことがある。

 同法は、手話習得機会の確保や通訳者養成、教育の充実や文化継承などを規定し、それを国や自治体の責務としている。

 横浜市によると、24年度末時点で、市内の聴覚・平衡機能障害の身体障害者手帳所持者は9361人。市は聴覚障害者支援策として、手話通訳者を中区役所と戸塚区役所に週2回、各3時間ほど配置する。さらに、全区役所に手話通訳者とつながるタブレットを設置し、行政手続きや相談を受ける体制を整備。市健康福祉局によると、24年度、区役所での手話通訳の利用は88件、タブレット利用は80件だった。

 聴覚障害者の生活課題解決や手話講座などを行う横浜市聴覚障害者協会の小島(おじま)天(たかし)理事長は、「昨年4月に改正障害者差別解消法が施行されたこともあり、企業が研修に手話を取り入れるなど、社会の認識が変わってきた」という。

「全区役所に配置を」

 同協会は毎年、市に聴覚障害者支援に関する要望を出しており、特に区役所への手話通訳者配置拡充を求めている。小島理事長は「通訳者がいることの安心感は大きく、全区に配置してほしい」と説明し、同法の施行を受けた対応に期待する。これに対し市側は「利用状況などを踏まえ、毎年協議している」という。

 市は通訳者配置以外にも職員向けに聴覚障害者対応のガイドラインを示すほか、「市障害者プラン」の次期計画(27年度以降)にも施策を盛り込む方針で、法の施行を受けた対応を進めていく。

神奈川県神社庁長を務める 石川 正人さん 港北区在住 73歳

感謝と絆、未来へつなぐ

 ○…神奈川県神社庁は、県内1120の神社から成る組織。委員会による選考を経て4月に長に就いた。今年は、来年の県神社庁80周年記念大会に向けた準備や、伊勢神宮遷宮に関わる行事の開始と、重要な年でもある。これまで理事を25年、周年記念大会の実行委員長を2度。その経験を生かして、「しっかりやり遂げたい」とまっすぐ前を向く。

 ○…港北区で4人きょうだいの末っ子として生まれる。父親は師岡熊野神社の先代宮司。生まれながらに神社、祭りが身近にあり、自ずと自身が進むべき道も定まっていく。中高時にはバンド活動に熱中した。ドラムやベースで青春を謳歌し、鶴見川河川敷で練習に励んだ思い出も。「迷惑にならないよう”こっそり”のはずが、人が集まってしまってね」

 ○…父親の急逝により宮司を継いだのは24歳の時。「とにかく無我夢中だった」という日々からおよそ半世紀。昨年、同神社は創建1300年を迎え、さまざまな記念行事が行われた。一大事業は氏子による宮神輿の造営で、無事に同神社に奉納された。今、胸にあるのは「皆さんに支えられてきた」という感謝。「鎮守の森に集う人々によって、街はつくられる」という思いを新たにし、「1300年の節目を次の100年への足がかりに」と未来を見据える。家族は妻と長男、次男、長女の4人。2人の息子は同じ神職を志す。

 ○…県神社庁の役割に、祭祀の振興や道義の昂揚がある。「行事や祭りを通し、地域のつながりを深く保ち、平和と情操を高めることが大切」とし、特に地域の絆づくりの重要性を説く。「県内1120という神社の数だけ、祭りや絆のかたちがある。研修や関係大会を通して、それぞれの活性に努めていけたら」

齋藤区長から感謝状を受け取った岩崎会長、増田会長(左から)

連続無火災で感謝状 金沢区の2連合へ

 金沢区の六浦東地区町内会連合会(岩崎建一朗会長)と金沢シーサイドタウン連合自治会(増田一行会長)は7月22日、連続無火災の達成で表彰された。

 横浜市では世帯数ごとに連続無火災の表彰基準を設定。継続期間に応じて市民防災の日推進委員長(区長)、消防局長、市長表彰が贈られる。2672世帯の六浦東地区連合は6月15日で2年間、5526世帯のシーサイドタウン連合は6月25日で1年間の無火災を達成。金沢区役所で7月22日に開かれた区町内会連合会定例会の冒頭で、齋藤真美奈区長から両会長へ賞状が手渡された。

 感謝状を受けて「火が起こると周りにも迷惑がかかってしまうため、住民それぞれが注意してくれていると思う。無火災はその積み重ねの結果」と増田会長。岩崎会長は「日頃から地区の皆で気を付けようと話している。せっかく賞をいただけたので、今後もできる限り無火災を続けていけたら」と話した。

生徒の前でバイオリンを弾く石田さん(左)

石田泰尚さんが金沢中へ 弦楽部とバイオリン練習

 「横浜みなとみらいホール プロデューサー2025─2027」に就任したバイオリニストの石田泰尚さんらによる「弦楽合奏部応援プロジェクト」が7月24日、金沢中学校=釜利谷東=で行われた。

 次世代育成や地域に根差したプロデュース事業の一つとして、市内3カ所の中学・高校の弦楽部を指導するプロジェクトを実施しており、この日はバイオリニストの大宮臨太郎さんとともに同校を訪れた。

 当日は、同部の2年生と3年生11人が練習に参加。12月に3校合同で演奏する「セントポール組曲」や、7月28日に開催されたTBSこども音楽コンクールで演奏する「トリプティーク」などを石田さんらと共に練習。2人からは「歯切れよく、元気よく、明るく」「皆おとなしすぎるのでもっとバンとやって」など、一緒に弾きながらの指導が続いた。石田さんからは緊張して固くなっている生徒たちに「どう、うまいすか」と聞く場面も。

 練習後に、副部長の鈴木香梅さん(3年)は「すごく活躍している方に教えてもらえてうれしかった。最初は少し怖いかなと思ったけれど表情豊かでやりやすくなった」と感想を話していた。石田さんは「言葉よりも弾くようにしている。アンサンブルの醍醐味、魅力を少しでも伝えられたら」。大宮さんは「音楽だけでなく、一人ではできないけれど、力を合わせてできることがあることに気づいてもらえたら」と話していた。

列車内で刃物を持った不審者に対応する警察官

シーサイドライン新杉田駅 電車でのテロ想定し訓練 鉄道・消防・警察が連携

 シーサイドラインの新杉田駅=磯子区新杉田町=で7月30日、鉄道事業者、消防、警察の三機関が連携した鉄道テロ対応訓練が実施された。

 市内で8月に開催されるアフリカ開発会議を前に、関係機関の連携強化を目的に実施された訓練。(株)横浜シーサイドラインや神川県警察、横浜市消防局をはじめ、約90人が参加した。

 訓練は列車内で刃物を持った不審者が暴れたことで多数の負傷者が発生し、車内で火災も起こった想定で行われた。不審者が暴れる状況を確認した駅員が乗客の避難誘導を行った後、警察が刃物を持った不審者に対応。身柄の確保後、火災が確認された車内に向けて駅員が消火器で初期消火、消防による救護活動など、実際の事件を想定した動きを確認した。

 磯子消防署の渡邉浩司署長は訓練を終えて「電車内での事件、火災などの災害が増えてきている。実際の駅舎内で実践的な訓練を行い、各関係機関との連携を再確認し強化することができた。今後も市民の安全・安心を守るために相互に協力して備えていきたい」とコメント。同社の猪俣宏幸社長は「事前の連携含め、お客様の安全のために今後も危機管理に努めていく」と話した。

巣箱を作ろう 8月23日、富岡西公園で

 金沢区の富岡西公園グリーンハウスで8月23日(土)、親子夏休み工作教室「巣箱を作ろう」が開催される。午後1時から3時。持ち物はエプロン、軍手、汚れてもいい作業ができる服装で。

 参加費1人500円。参加希望者は電話、または公園受付で申し込む。申し込み締め切りは8月19日(火)午後1時まで(大人一人でも参加可)。問い合わせは同園【電話】045・775・2714。

磯子で「ふるさと寄席」 9月6日、杉田劇場

 「いそごふるさと寄席 七代目 三遊亭円楽襲名披露」が9月6日(土)、磯子区民文化センター杉田劇場で開催される。会場は同館5階ホールで、午後1時30分開場、2時30分開演。

 地元有志らによる「いそごふるさと実行委員会」が主催するイベント。19回目を迎える今回は、タイトルの通り七代目・三遊亭円楽さんの襲名を記念した公演。さらに、三遊亭好楽さん、立川晴の輔さん、三遊亭ぽん太さん、三遊亭兼矢さんが出演する。

 全席指定で木戸銭4500円。チケットの申し込みや問い合わせは、フローリスト花だより(プララ杉田1階)【電話】045・771・2906、または杉田劇場【電話】045・771・1212。

昨年の受賞作品「港につづく花園の道」

横浜港と客船の写真募る 恒例のコンテスト

 横浜市と一般社団法人横浜港振興協会は、今年で22回目となる「横浜港客船フォトコンテスト」の作品を募集している。

 横浜港で撮影したクルーズ客船がテーマの同コンテストは、市民に客船や港に親しんでもらおうと、2004年から実施。昨年は113作品の応募があり、入賞作品が横浜港大さん橋国際客船ターミナルに展示された。

 今年からは新たに「学生賞」が設けられ、若い世代の参加も期待されている。応募対象は、今年1月1日から12月31日までに横浜港で撮影されたクルーズ客船の写真。応募期間は26年1月16日(金)まで(当日消印有効)。

 申し込みは、応募作品(印刷した写真)の裏面に応募票を添付し、郵送または宅配便で送付する。応募先は〒231―0002 中区海岸通1の1 大さん橋ふ頭ビル2階 一般社団法人横浜港振興協会「横浜港客船フォトコンテスト」事務局へ。詳細などに関する問い合わせは同事務局【電話】045・671・7241。

読書や昔遊びを楽しもう 金沢八景権現山公園で

 金沢八景駅前にある金沢八景権現山公園内の旧円通寺客殿で8月28日(木)まで、「横浜金沢の歴史」をテーマにした歴史図書コーナーが設置されている(8月23日と25日はのぞく)。午前9時30分から午後4時30分。客殿内の畳の上で風鈴の音色に癒されながら読書を楽しめる。入場無料。

 8月23日(土)には「畳で昔遊び」を開催。午前10時から午後2時(正午から1時まで休憩)。参加無料。お手玉、福笑い、折り紙コマ、絵本を客殿に用意。「畳の上でお子さんと一緒に楽しみませんか」と同園スタッフ。

 また、9月23日(火)に開催する「むしとしょくぶつの観察会」の参加者を8月11日(月)午後1時から募集。小学生以上10人(先着順)、1人500円。申し込み・問い合わせは同園管理事務所【電話】045・370・7535(午前9時から午後5時)。

動画の一場面=提供

横浜市 動画でバス運転士確保 やりがいや魅力発信

 横浜市は、深刻化するバス運転士不足による減便・廃止などに対応するため、運転士のやりがいやバスの魅力を伝える動画を作成した。7月18日から市の公式YouTubeやデジタルサイネージで公開している。

 動画は、市に寄せられた運転士への感謝の声をもとにしたアニメと、市内を運行するバス事業者から写真や動画の提供を受け作った映像の2本。

 市としてバス運転士の魅力を発信する動画の作成は今回が初めて。横浜市都市整備局交通企画課の担当者は、「将来の運転士の担い手となる学生や若年層を中心に、幅広い世代に仕事の大切さややりがいを伝え、バス運転士を目指すきっかけになれば」と話す。

 横浜市は、今年4月から民間バス事業者の運転士を対象に住宅手当補助制度を開始するなど、バス運転士を目指す人を応援する取り組みを進めている。8月24日(日)には市役所のアトリウムでバス魅力発信イベントと合同会社説明会を開催する。

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当選確実が報じられ花束を受け取る山中氏(8月3日、中区)

横浜市長選 山中竹春氏 大差で再選 実績を強調、得票率5割超

 任期満了に伴い、8月3日に投開票された横浜市長選挙は現職の山中竹春氏(52)が約66万票を得て再選された。自民、公明、立民の各党が支援し、4年間の実績を強調した選挙戦を展開。幅広い支持を集めて新人5人を圧倒し、得票率は5割を超えた。投票率は41・64%で前回を7・41ポイント下回った。

 選挙戦は山中氏の1期4年の市政運営を中心に子育て支援策や高齢化への対応などが争点となった。

 山中氏は、この4年間で中学3年生までの小児医療費無償化や待機児童ゼロを実現したことを強調。施策によって人口の転入超過や企業進出が進んだことを「好循環」とし、それを推し進めたいと主張していた。

自民・公明・立民が支援

 選挙期間中の活動は、経済界を中心にした山中氏の後援会を軸に自民、公明、立民の市議らが日替わりでサポートして進められた。3日、当選確実が報じられ、支援者に「4年間で作ってきた実績をさらに発展させ、横浜市をもっと良くする、さらなる成長軌道に乗せていく」と述べた。

 元長野県知事で2度目の挑戦となった田中康夫氏(69)は「半数以上が投票に行かず、自分ではない候補者が選ばれた。これが民主主義の結果」、起業家の福山敦士氏(36)は「今回を起点に活動を広げたい」、前市会議員の高橋徳美(のりみ)氏(56)は「満足できる戦いができた」、元会社員の斉藤直明氏(60)は「今後も地域の役に立つ活動をしたい」、野菜卸売業会長の小山正武氏(76)は「私の政策で市民の命を守れることが伝わらなかったのが悔しい」とそれぞれ語った。

 金沢区の投票率は45・65%で前回から6・40ポイント減少したが、18区中トップ。磯子区は41・66%の9番目で、8・51ポイント減だった。

 候補者6人の得票数順は、磯子区は全体結果と同じだった。金沢区は山中氏に高橋氏が続き、田中氏、福山氏、斉藤氏、小山氏の順となった。

みなとみらいの花火火災 山中市長が主催者に原因究明求める

 みなとみらいで8月4日夜に行われたイベントで、花火を打ち上げる台船が炎上した火災に関し、横浜市の山中竹春市長は5日、主催者側から報告を受け、原因究明を求めたことを明らかにした。

 市が発表した山中市長のコメントによると、5日午前に市側の要請に応じたイベント主催者である「みなとみらいスマートフェスティバル実行委員会」の須藤浩之実行委員長(株式会社神奈川新聞社社長)から火災の報告を受けた。それに対し、「実行委員長のリーダーシップと責任のもとで、第三者による火災事故の原因の徹底的な究明について要請した」という。

 同委員会はホームページで「原因究明について、関係機関とともに調査を進めており、原因が判明次第、ご報告申し上げます」としている。

政策カードを使ったゲームを行う参加者

「政治を身近に」 学生団体が杉田でイベント

 政治を身近に考えてもらうためのイベント「ぽりふぇす〜政治って意外とオモシロイ!?〜」が7月13日、京急杉田駅直結のプララ杉田1階のパティオ広場で行われた。

 参院選、横浜市長選を前に若者を中心に、国民が政治を身近に感じるような取り組みを進める学生団体「ミラコエ」が主催し、政治を自分ごととして考えるきっかけ作りを行う学生団体「ぽりーず」が共催した。

 子どもにも楽しんでもらおうと、縁日形式の射的やヨーヨー釣りを行ったほか、自分の名前やキャッチフレーズを入れて選挙ポスターを作るコーナーや政策が書かれたカードを使った神経衰弱もあった。幼稚園児の子どもと射的などを楽しんだ父親は「子どもには政治の話はまだ難しいが、いずれは家庭内でも話せるようにしたい」と語った。

「自分ごとにしたい」

 「ミラコエ」代表で慶應義塾大学1年生の谷昊埜(こうや)さんは「若い世代は社会問題に関心があるが、政治の話はタブー視されているのではと感じる」とした上で「政治は社会の軸であり、難しいものではなく、『自分ごと』になるようにしたい」と述べた。今後、学生団体が連携して行うイベントや中学校・高校で主権者教育を行う出前授業の実施にも取り組んでいきたいとしている。

金沢八景駅前で第一声を上げる山中氏(右)と応援に駆け付けた自民党や立憲民主党の議員(7月20日)

2025横浜市長選・回顧〈上〉 山中市政2期目へ 「自公立」相乗りで体制一変

 横浜市長選挙が告示された7月20日、2期目を目指す現職の山中竹春市長は、第一声の場に京急・金沢八景駅前を選んだ。市長就任前まで、同駅そばにキャンパスがある横浜市大の医学部教授だった山中氏は「金沢区は横浜市長・山中竹春にとっての原点」と語った。その横には、自民党や立憲民主党の市会議員や国会議員の姿があった。この日は参院選の投開票日。選挙戦では激しくやり合っていた与野党が並ぶ姿は、今回の市長選を象徴するものだった。

 2021年の前回選、山中氏はカジノを含むIR(統合型リゾート)反対を掲げ、立民推薦で当選。当時現職の林文子氏を巡って分裂選挙となった自民が支援する2人を破った。今回、立民は4年間の市政運営を高く評価し、県連が支持した。

自民迷走 独自候補出せず

 一方の自民は迷走した。山中氏の就任当初、公約の一つだった「敬老パスの自己負担ゼロ」に関して市会で財政面の問題を指摘するなど、批判的なスタンスが目立った。分裂選挙となった前回選で苦杯をなめた反省から、「一丸となって応援できる人」(自民市議)を擁立する動きが続いた。今春以降、出馬への意欲を見せる市議がいたほか、党内の選考も行ったが、知名度不足などを理由に、独自候補の擁立を断念。

 6月30日、自民市連が「(山中氏には)4年間、我々の取り組みを理解してもらっている」と一部市議の反発を押し切る形で支持を表明。自民と歩調を合わせる公明も市組織が山中氏を支持し、「自公立」の3党相乗りとなった。さらに、経済界を中心とした山中氏の後援会が加わり、初当選時とは全く異なる支援体制が築かれた。

「支持できない」、応援拒否も

 しかし、自民の中には「山中氏を支持できない。選挙は手伝わない」と応援を拒否する市議が複数いた。街頭演説やビラ配りで姿が見られた市議は32人中10人程度。多くは、自民が公認した金沢区の市議補選候補者(落選)の応援に力を入れていた。

 山中氏は今回の選挙で「オール横浜」を強調。「生みの親」の立民だけではなく、市会第一、二会派の自民、公明に支援を求めた。2期目の安定した市政運営につなげたい狙いだが、ある自民市議は「選挙は勝たないと意味がないので支持した。今後、こちらの政策をもっと受け入れてもらわないと困る」と山中氏に注文を付けた。



 現職の山中竹春氏が再選された市長選。立候補した6人の戦いぶりやそこから見えてきたものを3回にわたって振り返る。