川崎区・幸区版【8月22日(金)号】
北乃さん(右)と作品を作る子ども

川崎市内2病院 小児病棟から万博参加 俳優も支援しアート制作

 大阪・関西万博会場と全国各地の小児病棟等をオンラインでつなぐアートイベント「KIDS ART WORKSHOP-ゴチャ・ゾウ」が8月8日に開催された。会場に足を運べない子どもたちにも万博の楽しさを感じてもらうのが目的。川崎市内からは日本医科大学武蔵小杉病院(中原区)、総合川崎臨港病院(川崎区中島)の小児病棟で生活する子ども等が参加。木材とタイルを使ったアート作品を作り、万博や他会場の参加者と出来栄えを共有して楽しんだ。

 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに開催されている大阪・関西万博。同イベントはこのテーマに沿いながら、難病等で長期間入院している子どもたちにも、万博を楽しんでもらうために開催された。当日は市内2病院のほか、岡山大学病院、長野県立こども病院等の子どもたちもZoomを通して万博とつながり、木材とタイルを使って制作した作品を見せ合って楽しんだ。

大人も驚く想像力

 日本医科大学武蔵小杉病院では、年長から高校1年までの子どもたち6人が参加。俳優の北乃きいさんや同病院の関係者とともに、アート作品を制作した。最初は緊張気味だったが、大人たちの積極的な声掛けによって徐々に打ち解け、笑顔をみせた。中には万博の公式キャラクター・ミャクミャクを木材に直接マジックで描いたり、タイルと木材を組み合わせてゲーム機のニンテンドー・スイッチを模して作ったりする子どもたちもいて、北乃さんらが驚く一幕も。制作が終わると、子どもたちは細長い木材を使った作品に「木のタワー」、カラフルなタイルを散りばめた作品に「色の王国」等、思い思いの名前を付け、Zoomを通して紹介した。

 また他会場には俳優の伊原六花さん(万博会場)、鈴鹿央士さん(岡山大学病院)などが参加し、制作をサポート。北乃さんは「プライベートでもボランティアで同じようなことをした経験がある。明るい子が多くて、逆にパワーをもらった」と感想を語った。

 同イベントは万博のテーマ事業プロデューサー・中島さち子氏が手掛けるイベント「世界遊び・学びサミット」の一つで、認定NPO法人 キッズアートプロジェクト(渡邊嘉行理事長/川崎区中島)が協力し実施。同法人はこれまで、粘土でクリスマス作品を作るオンライン教室等を実施して、入院中の子どもたちを勇気づけてきた。渡邊氏によると、作品の色や形から子どもたちの心理状況を読み取り、入院生活へのヒントを得られるという。今回は総合川崎臨港病院でも理事長を務めている渡邊氏を通じて、全国各地の小児病棟等をつないで開催されることとなった。渡邊氏は「今後は海外の小児病棟ともつながるイベントにできれば」と展望を話した。

「幸区平和のための原爆展」を開催している同実行委員会の 西尾 理恵子さん 幸区小倉在住 79歳

活力の赴くままに

 ○…20年ほど前、人の勧めで幸区原水爆協議会を立ち上げた。最初は4人ほどのメンバーでスタートし、徐々に活動の幅を広げていった。今年も開催している原爆展では、被ばく者の写真や、広島の高校生が被ばく者の話を聞いて描いた絵などを展示。「被ばく者の写真を見るのは今でもつらい」と複雑な心境を吐露する。広島・長崎に原爆が投下された日にちなんだ69運動では、川崎駅付近などで原爆に関するメッセージが書かれたチラシなどを配った。「理屈ではなく、やってはいけないことだと感覚で理解してもらうのが、平和への近道になる」と思いを語る。

 ○…東京都・両国の下町生まれ。幸原水協の立ち上げは、川崎市議会員として1期4年を務めた際の平和活動や、母親の影響も大きい。幼い頃、母親からは当時お腹の中にいた娘を守るために、東京大空襲を命からがら逃げ延びた話を聞いて育った。「母が生き延びてくれなかったら今の自分はいないと思うと、不思議な気がする」と平和への思いを新たにする。

 ○…銀行員として働いた過去を持つ。寿退社が当たり前の時代の中、子どもを産んでからも40代半ばまで、仕事を続けた。当時は世間の風当たりも強く、子どもを保育園には入れたものの、小学校に上がると学童がなかった。そこで同じ境遇の仲間たちと一念発起。学童を作るための運動を開始した。「今思えば、そんな活動が議員になる下地だったかもしれないね」と懐かしむ。

 ○…趣味はスキーと踊り。毎年シーズンになると2回ほど、家族や友人と山形県の蔵王などに出掛ける。踊りは教室に通いながら、友人と盆踊りやジャズダンスなどさまざまなジャンルに挑戦。衰えぬ活力で、今日も活動を続ける。

36組の親子が議場見学 正副議長へ質問も

 川崎市議会は8月6日、小学4年〜6年生を対象にした「夏休みこども議場見学会」を実施し、市内外の小学生と保護者36組が参加した。

 議会のことをより広く知ってもらおうと実施し、今回で12回目となった同見学会。当日は、市議会局の職員が、一昨年に議場が第2庁舎から新庁舎に移転したこと、壁や天井の造りなどを説明。その後、2グループに分かれて、子どもたちが議員席から原典之議長、堀添健副議長に質問を投げ掛けた。「どうして議員になったのか」「どんな活動をしているのか」などの質問に議長、副議長が丁寧に答えていった。

 また議会図書室や委員会室に設けられたチェックポイントでクイズに答えていくスタンプラリーも行われ、「議長はどうやって決まるのか」などのクイズに子どもたちは保護者と一緒に挑戦していった。

 横浜市在住の北條あずささん(小4)は「議長への質問は緊張したけど、スタンプラリーが面白かった」と話し、中原区在住の濱田雄守さん(小5)は「議長に会ってみたかったので参加した。質問の答えで難しい話も多かったので、しっかり勉強したい」と感想を語った。

 原議長は「『川崎市は高齢化が進んでいるのか』『等々力緑地の環境問題』など想定外の質問があり、将来が頼もしく感じた。今回は応募された方全員に参加してもらった。一人でも多くの人に議会をより身近に感じてもらえて有意義な時間になった」と語った。

技を披露する伊藤さん

勝空会 伊藤夢叶さん 全日本硬式空手道での活躍誓う

 市立京町中学校2年生で実践空手道「勝空会」に所属する伊藤夢叶(ゆめか)さんが8月23日、24日に国立代々木競技場第二体育館で開催される「第39回全日本硬式空手道選手権大会」に形、組で選抜出場する。

 伊藤さんは小学生の時、母・千恵さんの友人からの誘いをきっかけに空手を始めた。4年生で初出場したFSA拳真館主催の大会では、組手で準優勝に輝いた。負けず嫌いな性格。空手の面白さについて「先輩たちとどんな技を出せばよいのか話し合い、アドバイスを基に修正しながら上達できること」を挙げる。

 6年生で神奈川県大会の組手で優勝。今年度は、昨年11月3日の同大会で2連覇を果たし、形で準優勝。今年3月23日の全日本総合武道大会の組手で準優勝し、5月11日の関東甲信越大会で形と組手で3位に輝いた。全日本硬式空手道選手権大会出場に選ばれたのは小学6年生の時以来2度目。初出場では形、組手ともに3位だったという。伊藤さんは「新たな気持ちで自分自身へのチャレンジと、道場からの期待に応えたい」と意気込む。

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記念写真に納まる参加者

言葉と障害の壁超えて 空手で日韓交流、カルッツで合同練習

 川崎市空手道連盟は8月10日、東京2025デフリンピックに出場する韓国デフ空手代表団を招き、カルッツかわさき武道室(川崎区富士見)で合同練習会を行った。市連盟の波江野充氏と釜山連盟の親交がきっかけとなり実現した。

 練習会には、川崎市空手道連盟から有段者を中心とした約30人が参加。基本稽古から組手、形演武まで、約3時間にわたり汗を流した。言葉の壁や聴覚障害というハンディキャップを越え、ジェスチャーやハグを交えながら、空手を通じて交流を深めた。

 市連盟の深町重夫技術強化部長は、「パラ空手やデフ空手についてほとんど知らなかったが、今回の貴重な経験を今後の活動に生かしたい。11月のデフリンピックも必ず応援に行く」と語った。練習会に参加した高校1年生の山下真希さんは「海外の人と初めて空手で交流し、言葉や耳が聞こえなくても仲良くできることが分かった。また一緒に空手をしたい」と笑顔で話した。

 練習会の最後には、韓国代表団に川崎大師のダルマや手ぬぐいを贈呈すると韓国の選手たちは喜んでいる様子だった。

 韓国代表を率いた鄭拳弘監督は、「川崎市空手道連盟の皆さんに温かく迎えられ、大変感謝している。言葉の壁を越え、空手を通じて心を通わせることができたことは、選手たちにとって貴重な経験になった。この経験をデフリンピックでの活躍に繋げていきたい」と述べた。

 川崎市空手道連盟は昨年度創設50周年を迎え、今後も国際交流や大会でのパラ・デフ競技の実施を検討していく予定だ。

イベントを楽しむ人たち=昨年、提供

八丁畷駅前でビール祭 8月31日まで

 「川崎ビール祭 2025」が京急線八丁畷駅前の地域交流拠点「Park Line 870」で8月31日(日)まで開催されている。川崎祭り実行委員会が主催。

 今年で3回目を迎える好評のイベント。京急線沿線をはじめ、川崎エリア内外のブルワリーが集結する。TKBrewingやRoto Brewery、横濱金沢ブリュワリーなどが出店。会場でビール購入者に配る割引券で、隣接する京急ストア八丁畷店のおつまみが50円引きに。雨天決行、荒天中止。入場無料、申込不要。

チラシを手にPR

子育ての悩みを共有 幸区で交流会

 幸区で子育て中の保護者を対象にした「ユメカフェ発達交流会」が開催される。主催はまさ出版、協力はこども☆みらい。参加費無料。

 子どもの発達に関する不安や悩みを共有する。ゲストの特別支援学校に関わるプロや子育ての悩みに寄り添ったワークショップを実施する。参加者同士が交流を深めるオリジナルカード(ユメカ)の製作も行う。

 第1回が8月25日(月)に「幸盛HOUSE」、第2回は9月27日(土)、第3回は10月18日(土)にいずれも「シェアスペース アンソレイエ」で開催。時間は各回午前10時30分から午後1時。3回連続講座で1回だけの参加も可能。事前申し込み制で定員は10人。「子どもや子育てのことについて、じっくりと話すことができる貴重な機会」と主催者は話す。

 申し込み、詳細は、まさ出版ウェブサイトから。

川崎市 世帯数と人口を発表 8月1日現在 

 川崎市は8月1日現在の全市世帯数が79万5320世帯、人口が155万7963人であることを今月12日、発表した。前年同月比で人口は6188人増加。対前月比では280人増だった。

 区別では、川崎区の世帯数が13万600世帯、人口が23万3053人で、幸区の世帯数は8万5365世帯、人口は17万5316人。

「一人でもくつろげる施設づくり」に注力する小倉園長

夢見ヶ崎動物公園 魅力向上のアイデア募集 地域の「拠点機能」も加わる

 夢見ヶ崎動物公園(幸区南加瀬)が魅力向上のためのアイデアを募集している。川崎市と民間企業が共同で取り組む「住民参加型クラウドファンディング」の実証実験で、クラファンの対象となる事業候補の公募に加え、ユーザーから幅広い意見を集める目的もある。

 昨年に開園50周年を迎えた夢見ヶ崎動物公園では、今年度中に再整備計画を策定する予定。これと並行して魅力向上の取り組み「ゆめみ50+1アクション」を進行中で、新たな動物の導入や、市民が救護した負傷動物の治療といったバックヤードの仕事を紹介するワークショップなどを開催している。

 実証実験も「アクション」の一環。川崎市が事業開発コンサルティング会社「Blue Lab」(本社・東京都)と共同で、市民から募ったアイデアやリクエストの事業化を目指すという。アンケートで選ばれたアイデアの実現に向けたクラファンを来年度に実施予定だが、まずは施設面や公園の機能に関するアイデアや希望を9月30日まで募集している。

散策がてら読書も

 また小倉充子園長は、クラファンに限らず「今の夢見ヶ崎動物公園に足りないものや、あればもっと楽しくなると思うものなど、利用者の目線から意見を寄せて欲しい」と呼びかける。

 同園では昨秋、休憩スペースや多目的室、乳児室などを備えた公共施設「パークセンター」を開設した。すると子育て世代の集まりや知的障がい者の絵画教室など、多様な市民が「センター」を利用し始め、さらに共用スペースに「書棚コーナー」を開設したところ、高齢者を中心に散策を兼ねて読書に訪れる来場者も増えたという。

 小倉園長は「もともと入園無料なので誰にでも開かれている施設だが、パークセンターの新設によりコミュニティーの『拠点機能』も加わった。その観点からも、利用者目線の要望や意見を寄せて欲しい」と呼びかけている。問い合わせは動物公園【電話】044・588・4030。

感謝状を手にする高橋さん(左)と石崎署長

生保社員高橋喜美子さん 訪問宅で詐欺被害防ぐ 川崎臨港署から感謝状

 特殊詐欺被害を未然に防止したとして、第一生命保険(株)神奈川東支社川崎中央営業オフィスの高橋喜美子さんが8月7日、川崎臨港警察署から表彰を受けた。

 高橋さんは7月下旬に川崎区内の顧客の女性宅を訪問した際、携帯電話で対応する女性の会話から詐欺を疑い、電話を切らせて被害を防いだという。会話は警察をかたった者が女性のSNSに連絡し、「2時間以内に電話が停止される」として、個人情報を聞き出そうとしていたものだった。高橋さんによると、女性に詐欺であることをなかなか聞き入れてもらえなかったという。国民生活センターのウェブサイトを示し、女性はようやく気づいた。「特殊詐欺の手口を頭で理解していてもいざ、当事者になってしまうと混乱して被害にあっていることになかなか気づかないと実感した」と高橋さんは振り返る。

 表彰式では石崎弘志署長が「高い防犯意識のおかげで詐欺被害を防ぐことができた」と述べた。警察がSNSから通話することやオンライン上で警察手帳、逮捕状を見せることは決してないとも語った。

 同署によると、今年に入り管轄エリア内での特殊詐欺の被害件数は6月30日時点で7件。SNSによる投資、ロマンス詐欺は3件発生している。

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予選を突破した2、3年生メンバー=ダンス部提供

橘高校ダンス部 2度目の全国大会へ 予選突破し、8月29日本番

 東京ガーデンシアター(江東区)で8月29日(金)に開催される、高校ダンス部日本一を決定する「第13回全国高等学校ダンス部選手権」(DCC)に市立橘高校(中原区)ダンス部が出場する。同校は、7月に行われたオンライン予選を突破。地方大会、オンライン予選を通過した全国36チームの中から日本一をかけて大会に臨む。

 同大会は、エイベックス・エンタテインメント(株)(港区)が主催する高校ダンス部の全国大会の一つ。各地方大会とオンライン予選で勝ち上がったチームが決勝大会に進むことができる。

 今年は全国から185チームがエントリー。全国最多の99チームが参加した関東大会は6月28日、29日に行われ、同校も出場した。入賞できなかったものの、7月13日に併願でエントリーしていたオンライン予選の発表が行われ、決勝大会に進む36チームに神奈川県から唯一選ばれた。同校のダンス部が全国大会に出場するのは、10年以上前に一度あるだけだという。

 部長の坂本柚友さん(3年)は「これまで全国大会に行けなかったので、その歴史を塗り替えたかった。この大会に合わせて8カ月練習してきたのでその努力が実ってうれしかった」と笑顔で喜びを語る。

気持ちを表現

 今大会はダンス技術だけでなく、漢字二文字のテーマをダンスで表現することが審査基準となった。同校が選んだのは「燦花(ララライ)」。アニメ『竜とそばかすの姫』で使われたmillennium parade×Belleの『U』の曲中にも出てくる言葉で、坂本さんは「歌詞があった方が気持ちをのせて踊れる。この曲の世界観を表現したい」と選曲の理由を話す。最初は暗いイメージからラストにかけて、殻を破って自分を信じて踏み出すことを2分30秒の中で表現。チアダンスのリフトを採用し、ステージを立体的に使うことにも挑戦した。そうした取り組みが評価され、審査を通過した。

 8月29日の本番に向け、練習にも熱がこもる。ダンスリーダーの一人、柳橋杏菜さん(3年)は「全国大会に出るのは強豪校ばかり。気持ちをのせて、見ている人を感動させられる演技をしたい」と意気込んだ。

著書を手にする山本健吾さん(右)、真由美さん

山本健吾さん、真由美さん 障害の息子と母の歩みつづる 「ぼくとかあちゃんのマラソンアート」出版

 重度の知的障害のある山本健吾さんと母の真由美さん=幸区鹿島田在住=が二人三脚で歩んだ33年間の軌跡を綴った『ぼくとかあちゃんのマラソンアート』(星雲社)を出版した。真由美さんは同書を通じ「障害をひとくくりにしてもらいたくない。いろいろな人がいることを知ってもらいたい」と願いを込める。

 健吾さんは1歳半の時に、「伊藤白斑」と宣告。脳の中枢神経障害の合併により、運動や感覚機能に支障をきたし、歩行や食事、排せつなどすべてにおいて介助が必要で、生涯、車いすの生活を余儀なくされる人も多く、植物状態になってしまう恐れもあるという。

 こうした中で健吾さんは古川小学校の特別支援学級、市立養護学校中等部、同高等部に通学。高等部時代には市障害者陸上競技クラブに入会し、10Kmマラソンに挑戦して完走を果たした。2020年に入所した幸区の生活介護事業所でアートの世界に触れ、才能を発揮し、展覧会で入選するなど、アーティストとして活動する。

 子どもの頃、小説家になりたかった夢もあった真由美さんは、昨年末、健吾さんの今までの頑張りを実話で書こうと決意。1月から執筆を始めた。「アンパンマン」の一語しか話すことができない健吾さんが10Kmマラソンに挑戦した際、ゴールで「やったー!!」と叫んだことや、健吾さんと伴走する真由美さん自身が陸上やダンスなどに楽しむ姿を軽妙な語り口で綴る。表紙の絵は健吾さんが手掛け、展覧会に出品した作品も掲載されている。

 「将来、私の手を離れて山下清画伯のように日本中を旅して歩いてくれることを願う」と真由美さん。「その時には健吾の得意なこと、苦手なことを人に説明しなくてもすむよう、この本に全てを書いた」とも話す。

 四六判、160ページ。価格は1000円税別。北野書店やネットで購入できる。

名産品をPRする三好康道愛媛県東京事務所長(中央)ら

川崎アゼリアでフェア 愛媛の特産品ずらり 8月29日から31日

 愛媛県の特産品を集めたフェアが8月29日(金)から31日(日)まで、川崎アゼリアサンライト広場で開催される。午前11時から午後7時、最終日は6時まで。

 みかんジュースや温州みかんジャム、代表的なソウルフード「じゃこ天」、「徳用ちりめん」など、約140品を販売する。銘菓では、柚子を使用したあんをカステラ生地で巻いた和菓子「一六タルト」や夏目漱石の小説『坊っちゃん』にちなんだ「坊っちゃん団子」、「母恵夢(ポエム)」などが並ぶ。地域ブランド「今治タオル」は、アゼリア特価の品もお目見え。このほか、みかんを使った日本酒や季節限定酒なども陳列。冷や汁、鱧ちくわといった「隠れた逸品」も販売される。

 期間中、県のイメージアップキャラクター「みきゃん」との記念撮影やキッズスペースでは、塗り絵が楽しめる。香川県・愛媛県共同アンテナショップ 香川・愛媛 せとうち旬彩館や愛媛県東京事務所のSNSのフォローキャンペーンも行われる。

 同フェアは、川崎市東京事務所と愛媛県東京事務所の両所長の情報交換をきっかけに、2018年から行われている。詳細は、愛媛県東京事務所のX(旧ツイッター)やフェイスブックで確認できる。

海のふしぎな宝箱のワークショップ ©鈴木穣蔵

カルッツかわさきで 音楽ワークショップ 「あけてみよう!海のふしぎな宝箱」

 カルッツかわさきは10月5日(日)、東京文化会館と連携した音楽教育プログラム「東京文化会館ミュージック・ワークショップ in かわさき あけてみよう!海のふしぎな宝箱」を同所で開催する。このワークショップは、ポルトガルの音楽施設「カーサ・ダ・ムジカ」と連携した最先端のプログラム。

 対象は6カ月から4歳の子どもとその保護者。ワークショップでは、クラシックやラテン音楽など幅広い分野の音楽に触れ、身体表現を楽しむことができる。参加者と共に歌やダンス、打楽器の演奏を行う内容で、ピアノと打楽器が使用される。ワークショップリーダーは桜井しおりさん、野口綾子さん。

 参加費は子ども1人と大人1人の組み合わせで1000円(税込)。定員は6カ月から35カ月が18組、3歳から4歳が20組。申し込みは8月22日午前10時から受付開始。定員に達し次第締切。問い合わせは、カルッツかわさきチケットセンター【電話】044・222・5223。

ロボットを操作する参加者

手作りロボットで対戦 市産業振興会館で

 ラジコン型のロボット同士で対戦する「かわさきロボット競技大会」が9月7日(日)、川崎市産業振興会館1階ホール(幸区堀川町)で開催される。今年は30回目の記念大会。

 学生から社会人まで、全国各地から集まった72チームが参戦。各チームはそれぞれ趣向を凝らして、ロボットの企画から設計、製作までを行い、戦いに挑む。ルールは相手を10秒間走行不能にするか、リング場外に押し出すと勝ち。予選は1ラウンド(2分間)1本勝負、決勝トーナメントは3ラウンド3本勝負。

 観覧無料。申込不要。午前9時30分にオープニングセレモニー、10時に予選、午後2時30分から決勝トーナメント。

核兵器廃絶を訴える渡部議長

核廃絶、声高に 川崎駅などで啓発

 市内約7万4000人の労働者とその労働組合で組織する「川崎地域連合」(渡部堅三議長)と県組織「連合神奈川」は8月7日、核兵器の廃絶を訴える街頭活動「ピースウィーク」を、JR川崎駅前と溝口駅前で実施した。

 川崎駅前では渡部議長があいさつ。80年前の原爆投下や、2017年に国連で採択され、94の国と地域が署名した核兵器禁止条約について述べ、「唯一の被爆国である日本が批准していないのはなぜなのか。我々は引き続き政府に対し、早期の署名・批准を求めていく」と訴えた。

 参加者は世界の核保有の現状などが書かれたチラシが同封されたティッシュや、原爆ドームなどの写真が載ったうちわを道行く人たちに配り、啓発に努めた。

『うつし世の静寂に』より 

消えゆく川崎の風土問う 『うつし世の静寂に』上映 9月にアートセンターで

 川崎を拠点に映画づくりを続ける「ささらプロダクション」(宮前区)製作の旧作2本の特別上映会が、9月6日(土)と7日(日)、川崎市アートセンター(麻生区)小劇場で開催される。由井英監督作の『オオカミの護符』と『うつし世の静寂(しじま)に』で、いずれも失われつつある川崎の風土や風習にフォーカスした作品だ。

 『オオカミの護符』(2007年製作)は、川崎北部に残る護符にいざなわれ、関東一円に伝わる信仰の風習を追ったドキュメンタリー映画で、08年度の文化庁・文化記録映画優秀賞を受賞した。一方の『うつし世の静寂に』(10年製作)は、農村社会を支えた共同体の形「講」が川崎北部でも続く様子をとらえ、宅地化で失われた習俗と人との関係性を問う意欲作だ。

 『うつし世』は6日午前と7日午後に上映、『オオカミ』は6日午後と7日午前に上映予定。両日とも上映後にトークイベントがある。チケット発売中。問い合わせは主催の川崎市アートセンター【電話】044・955・0107。

国際化学五輪「銀」の高校生 高津のKISTEC 「挑戦の大切さ痛感」と報告 藤嶋館長「立派な科学者に」

 アラブ首長国連邦のドバイで7月に開催された「国際化学オリンピック」に日本代表として出場し、銀メダルに輝いた高校3年生・早田茂さんが、このほど神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC、高津区)内の光触媒ミュージアムを凱旋訪問し、藤嶋昭館長らに結果を報告した。

 「国際化学オリンピック」は90カ国・地域等から354人の高校生らが参加し、日本からは早田さんのほか中原区在住の高校3年生・天野春翔さんら計4人が出場。一人が金メダルを、3人が銀メダルを獲得し、帰国後に文部科学大臣表彰を受賞した。

 早田さんは大和市在住で三田国際科学学園高等学校(東京都)に通う高校3年生。2023年12月に光触媒ミュージアムを訪れた際、対応にあたったKISTEC研究員の濱田健吾さんから「オリンピック」の選考を兼ねる「化学グランプリ」の要綱を手渡され、背中を押された。選抜試験の準備中もKISTECのスタッフが支援を続けた経緯があり、早田さんが報告に訪れた。

 KISTEC職員らは手作りのくす玉などで早田さんを迎え、藤嶋館長と早田さんがくす玉を割ると一斉に「おめでとう!」と祝福した。早田さんはパソコンを使ってドバイで経験したことを藤嶋館長らに説明。他国チームと交流を深めたことや、「理論」の問題が「ヤバかった」と振り返る難問だったことなどを報告。観光も楽しめたといい、「ハンバーガーがおいしかった」などと、無邪気に笑った。

 報告の最後には「自分は物理の方が得意と思ったが、挑戦することは大事だと痛感した。ここを訪ねて本当によかった」と感謝を伝えた。藤嶋館長は「早田さんの力と活躍に感心している。挑戦を後押しできたこともうれしい。ぜひ立派な科学者になってほしい」とエールを送った。

10代の参加者に向け資料館の展示を説明する山田館長(中央)

明大登戸研究所資料館 戦後80年 「戦争の本当の姿」伝える 10代向け特別イベントで

 終戦から80年を迎えた8月15日、明治大学生田キャンパス内の平和教育登戸研究所資料館で、10代のための特別イベント「ひみつの研究所をさぐれ! 〜登戸研究所と戦争の裏側〜」が開催された。小学5年から高校3年までの18人が日本の加害の歴史について学び、考察を深めた。

 同イベントは、戦争中に「秘密戦」の兵器を製造していた旧日本陸軍登戸研究所の史実を、戦争を知らない世代に伝える試みとして昨夏に初めて実施された。2回目の今年は申し込みが殺到し、定員より3人多い18人が市内外から参加。イベントの進行には同大の学生ボランティアの意見を取り入れ、山田朗館長の解説のもと館内を回った後、3グループに分かれて自由な雰囲気のもとで意見を交わした。

 戦時中、登戸研究所で働く人は所内のことを口外することを禁じられていたことについて、参加者が「終戦後に『ヤバいことやってた』と暴露する人がいなかったのはなぜか」と質問すると、進行役の学生は「研究所内の立場がそれぞれなので、沈黙した理由も一人ひとり違うと思う」と回答。逆に学生から「もし国から給料を出すから研究所で働けと言われたらどうする?」と質問され、「闇バイトと違って国の命令なら、危険だとは思わずに働くと思う」と即答する参加者もいた。

 イベントの最後には全員からの質問に山田館長が答えた。愛知県から参加した高校3年生の野牧叡人(えいと)さんは「日本にとって都合が悪い秘密の歴史を研究し、資料館で伝える意味は」と鋭く質問。山田館長は「人間は戦争でどんなひどいことでもやってしまうもの。戦争を知る世代が消えゆく時代に、戦争の本当の姿を伝え続ける必要がある」と回答した。

上半期の市内の火災件数 川崎市消防局 過去10年で最多の211件 リチウムイオン電池「注意を」

 川崎市内における2025年度の上半期(1月〜6月)に発生した火災件数は、昨年同時期より30件多い211件で、過去10年間で最多だったことが分かった。火災原因ではたばこや電気機器が多いほか、川崎市消防局では猛暑で発火事案が多発しているリチウムイオン電池の取り扱いに注意を呼び掛けている。

 7月29日に市消防局が公表した火災概況の速報によると、火災件数種別は建物火災が133件、車両火災が16件、その他の火災が62件だった。建物火災のうち住宅火災は79件で、このうち共同住宅が52件、専用住宅が19件、複合用途の住戸部分が8件だった。また火災による死者9人のうち8人が65歳以上の高齢者だった。

 火災原因のトップはたばこの31件。「ポイ捨て」による火災が後を絶たず、市消防局では「喫煙マナーを守って欲しい」と呼びかける。次いで電気機器と配線器具がそれぞれ23件だった。

 電気機器や配線器具などによる電気火災のうち、昨今の猛暑でスマートフォンやモバイルバッテリー、充電式扇風機などのリチウムイオン電池に起因する火災が増えており、市内でも昨年1年で30件、今年上半期では13件だった。市消防局ではリチウムイオン電池を内蔵する機器に関し、「正しく取り扱い、スマホなどに異常を感じたらすぐに使用を中止し、金属の容器に入れたうえで購入店やメーカーに相談を」と訴えている。

円真寺で天体観望会 8月30日 予約不要

 川崎天文同好会は8月30日(土)、円真寺境内(幸区幸町)で市民天体観望会を開く。

 テーマは「夏の大三角を探そう」。時間は午後7時30分から9時まで。参加費は無料。予約は不要。会場には駐車場がないため、主催者は徒歩での来場を呼び掛ける。雨天時は中止。問い合わせは、石黒さん【電話】090・2903・9249。

芝生の上で夜ヨガ(C)川崎フロンターレ

GO!GO!!フロンターレ

芝生の上で夜ヨガを楽しもう!

 フロンタウンさぎぬまで9月6日(土)、夜のヨガイベント「芝生de星月夜ガ」が開催される。

 まちづくり活動や地域活性化の推進のために、同所と宮前区が結んだ「まちづくり連携協定」のもと、企画されたもの。夜の涼しい芝生の上で、一日の疲れを癒やすリラックスヨガを体験できる。今回は同区のcafe83が提供する、野菜たっぷりの「冷たいスープ」の特典付き。講師は同区在住の石塚睦己さんで、まさに"宮前区づくし"のイベントとなりそうだ。

 時間は午後8時10分から8時50分まで。参加費は中学生以上が500円、小学生以下は無料。先着40人。中学生以上にはヨガマットが一人一枚無料で貸し出される(小学生以下は貸し出しなし)。宮前区民以外も参加可能。

 申し込みは同所公式ウェブサイト内のオンライン予約システム「hacomono」で受け付けるほか、電話や直接カウンターでも可能。9月5日(金)午後3時締め切り。雨天中止で、開催可否は前日の午後5時頃にメールで連絡、及びフロンタウンさぎぬまの公式Ⅹで告知する。詳細・問い合わせは同所【電話】044・854・0210。