高津区版【8月22日(金)号】
笑顔を見せる柳澤さん

東高津中3年柳澤孝英さん ボクシング全日本Jr.王者に 男子68kg級で

 武蔵新城のYSボクシング(孫創基代表)に通う柳澤孝英さん(東高津中3年)が、8月4日、兵庫県立武道館で行われた「第12回全日本アンダージュニアボクシング王座決定戦」に参加。中学生男子68kg級で優勝を果たした。

 東日本と西日本を勝ち上がった代表選手が戦い、王座を決める今大会。1ラウンド開始直後から攻めの姿勢を貫き、わずか1分21秒で、相手をレフェリーストップに追い込み、試合を決めた。決勝の大舞台でも緊張はなく、ワクワクしながら自信を持って試合に臨めたと振り返る柳澤さん。優勝という結果について「率直にうれしい」と語った一方で、「戦い方が雑だったので、もっときれいでうまいボクシングがしたい」と今後への思いを口にする。

悔しさバネに

 5歳から習う極真空手の技術向上のため、小6の時にボクシングを始めた。空手で培った身のこなしのおかげで、利き手とは反対のサウスポーを選択した際も、苦労なく始められたと明かす。「比較的短い競技歴でも活躍できるのは、間違いなく黒帯(少年部)の実力を持つ空手のおかげ」と孫代表は太鼓判を押す。現在は、孫代表の勧めで二つのボクシングジムを掛け持ちするほか、元日本チャンピオンの黒田雅之さんにも、個別指導を受け技術を磨いている。

 今年3月に行われた全日本大会では、前回大会の王者と1回戦で対戦し敗れる結果に。「負けたのが悔しかった」と当時を振り返る。周囲のトレーナーらが勝つための課題として口をそろえたのは「体力づくり」だった。助言を受け、大会終了後から毎朝3Kmのランニングを欠かさず実施。今大会の東日本予選決勝では、最長の3ラウンドにわたる試合となったが、最後まで粘り強く戦い勝ち抜いた。「前の自分だったら、ここまで戦えていなかった。これまでの練習の成果を実感できた」と笑顔で語る。

 今後の目標は、ボクシング部のある高校に進学し、インターハイで優勝すること。そして、将来の夢は世界チャンピオンだと明かす。「日本人に重い階級は難しいという風潮があるが、自分がその壁を越えたい」と目を輝かせた。

市ふるさと納税 受入額は過去最高26億円 流出額も拡大、138億円に

 川崎市は8月1日、2024年度のふるさと納税寄付受入額が過去最高の約26億円に達し、全国の自治体中91位となり、初めて「トップ100入り」したと発表した。一方で継続的な課題だったふるさと納税制度経由の市税減収額も歯止めがかからず、約138億円と過去最大だった。

 市によると、24年度のふるさと納税寄付受入金額は23年度より約10億円多い26億円となり、全国の自治体1741市町村の納税寄付受入額の順位でも91位と、前年度の153位から大きく順位を伸ばした。

市長「奪還」を表明

 ふるさと納税の返礼品競争の激化に伴い、川崎市は「市税流出額」にあたる市税控除額が全国トップクラスとなる一方で、寄付受入額が伸び悩んでいた。そのため福田紀彦市長は昨年4月の記者会見で「本格的に取り組み、流出分を取り返したい」と述べ、「税収奪還」に向けた決意を表明した。

 24年度から市ではふるさと納税関連の担当者を増やして全庁的な取り組みを続け、ふるさと納税ポータルサイトを3サイトから14サイトに増やし、いわゆる「4大サイト」も網羅した。返礼品も約400品から倍以上の約850品に増やし、「藤子・F・不二雄ミュージアム」(多摩区)の来館者を登戸駅から運ぶ直行バスだった「バス小型車」を返礼品とするなど、話題づくりにも力を入れた。

 市によると、物価高の影響でトイレットペーパーや洗剤などの日用品を返礼品として選ぶ納税者が急増したことに加え、新規に返礼品に加えた電化製品が、増収額を支えたという。中国の家電メーカー「ハイセンス」の日本法人「ハイセンスジャパン」(幸区)の家電製品を返礼品に加える際には、製造拠点が海外でも企画や設計が市内であれば「地場産品」として返礼品にできる仕組みを利用した。

「さらに体制を強化」

 一方で、ふるさと納税制度で市外に流出した市税減収額は、前年度から約15億円増の約138億円。寄付受入額との差額は5億円増の約112億円となり、こちらも過去最高額だった。

 市は「受入額の増収は体制を強化し、返礼品の充実に取り組んだ結果。今年度はさらに組織体制を強化し、市場分析や中長期的な戦略検討を進めていく」としている。

自閉症の紙版画作家として地元で作品を発表している 末吉 光さん 中原区在住 60歳

人の心を動かす作品描く

 ○…風景や動物、植物などを細かくデッサンし、紙を切り貼りして版を作り、墨の濃淡で表現する紙版画を続けて30年以上。これまでに描いた作品は1万枚を超える。「墨で描いたリンゴが赤く見えるように、単色で七色を表現できるぐらいになりたい」。木版画と違い、紙版画は3枚刷るのが限界。「心を込めなければ人の心は動かせない」と、作品づくりは一枚一枚が真剣勝負だ。

 ○…3歳のころ、会話がオウム返しで続かないと祖母が気にした。公園でも他の子どもたちと遊ばず、一人の世界に入る息子を心配した母が大学病院に連れて行き自閉症と判明。「例えば算数なら公式のある計算式は得意だけど、文章問題は全然だめでしたね」。高校を卒業し、職業訓練学校へ進学。辻堂にある手作りの製本会社に就職し、活字を拾う根気のいる仕事に20年以上従事した。

 ○…25歳のとき、部屋にあった版画に生活指導の担当者が目を留めた。小学1年の図工の時間に描いたものだったが、力強さを褒められた。それがきっかけで身近なものを描くことから始めた。小さい作品なら1日、大作でも3日ぐらいで仕上げる。「遠くから見た富士山が好きなんです」。2011年から国際交流センターで展示会を開き、5月の開催では130人が来場。今年は12月にもう一度開きたいと作品づくりに励んでいる。

 ○…友人と3人で二ヶ領用水沿いや商店街のごみ拾いをするようになって5年。毎週1回、雨や雪の日、猛暑の夏も休むことなく5時間を費やす。協調性を持てるようにと思って始めたが、顔見知りになった人たちから「きれいにしてくれてありがとう」と声を掛けられることがうれしい。「少しでも人のためになることをして、自分の心を育てていきたい」

同会代表の中根一氏

認知症 区民有志が「啓発講座」 8月31日 JAセレサ高津支店で

 早期発見が重要とされる「認知症」の理解を深めてもらおうと、区民有志らで構成する「高津区認知症連携を進める会」が8月31日(日)に啓発講座を開催する。

 帝京大学医学部附属溝口病院の脳神経外科教授・中根一(まこと)氏が代表を務める同会は「認知症」をキーワードに2009年発足。高津区内の医療・福祉従事者(有志)が集まり定期的に情報交換等を行い連携を強化。これまでにも認知症に関する市民啓発活動として市民講座の企画や開催、「認知症の人とその家族のためのハンドブック(高津区編)」の発行等を手掛けている。

各分野の専門家が登壇

 今回「JAセレサ川崎高津支店」(溝口1の6の7/武蔵溝ノ口駅徒歩5分)で午後1時30分から実施する「高津区認知症啓発講座」には、中根代表も参加。認知症への理解を深める講座を担当する。また包括支援センターや地元のケアマネージャーを講師に迎え、認知症をわがこととして捉えたり、認知症とともに日常生活を送る術をレクチャーする講座なども予定されている。

 また認知症の本人や、その家族が相談できる機関などを生活支援コーディネーターが紹介してくれるほか、社会福祉士も認知症における「生活を支える制度」について役立つ情報を提供する。

「皆に役立つ情報を」

 同会のメンバーで高津区薬剤師会の会長を務める恵木立氏は「(認知症は)ご家族だけで支えるのではなく、皆で助け合う事も重要な分野なので、今回の催しを通して区民・市民の皆様の役に少しでも立つ情報を提供できれば」などと話し、広く参加を呼び掛けている。参加は無料で事前申込み不要(定員100人・先着順)。詳細は右記二次元コードへ。

優勝を果たした久地第三レッズのメンバーら

エヌアセット杯争奪野球大会 久地第三レッズが頂点に 野地主将「努力の末の勝利」

 「第15回 エヌアセット杯争奪大会兼 関東学童秋季軟式野球大会 高津予選大会」が6月から7月にかけて瀬田球場と諏訪第一球場で開かれ久地第三レッズが優勝を飾った。

 高津区少年野球連盟の主催、(株)エヌアセットの後援で開かれたこの大会は、小学5年生以下の選手が対象。区内12チームが出場し、頂点を目指して熱戦を繰り広げた。

 久地第三レッズは昨年の準優勝チーム。雪辱を果たすべく臨んだ今大会は、手堅い守備で接戦を勝ち抜き、決勝戦においては小林樹生選手のランニングホームランで勢いに乗ると、中西柊太朗選手の好投も光り坂戸第一ドジャースとの好ゲームに勝利。栄光を掴んだ。

 主将の野地海斗選手(5年生)は「昨年は準優勝だったため、今年は頂点に立ちたいと一生懸命練習しました。優勝は頑張ったからこその結果だと思う」と語った。

 大会の結果は以下の通り。▽優勝/久地第三レッズ▽準優勝/坂戸第一ドジャース▽三位/新作第二少年野球部▽敢闘賞/溝口第三サンダース

写真は昨年の様子

高津区社協 90歳、長寿を祝う 記念品贈呈、功労者表彰も

 90歳以上の人の長寿を祝う「高津区福祉敬老大会」が9月13日(土)午後1時30分から高津市民館大ホール(ノクティプラザ2)で開催される。

 これは高津区社会福祉協議会(冨田誠会長)が、区内の満90歳の人に祝い品の贈呈などを行うもので、今年で53回目。高津区社協では例年、こうしたシニアを祝うほか、高齢者福祉に貢献した人や団体を表彰している。

吹奏楽の演奏も

 今年、記念品が贈呈されるのは高津区在住で1934年(昭和9年)9月16日から1935年(昭和10年)9月15日の間に生まれた人。また、老人クラブの会長を10年以上務めた人や役員歴5年以上の人、高齢者福祉に功績のあった人などの表彰が行われる。さらに東高津中学校吹奏楽部による演奏アトラクションも予定されている。

 来場希望、詳細問合わせは同協議会【電話】044・812・5500。

「3つの柱」で会員増強を

 12月に創立60周年を迎える同クラブ。大きな節目となる重要な1年の舵取りを担うにあたり「メンバーが一致協力して、すばらしい年度にしていければ」と抱負を語る。

 今年度、掲げた方針は「行動しよう! そして学びましょう!!」。他クラブと同様、少子化伸長の波は避けられず「会員増強」が喫緊の課題となる中、「全員参加の増強活動」「委員会活動におけるチームビルディングの構築」「研修(ラーニング)の充実、公共イメージの向上」という3つの柱を重点目標として策定した。「すべての行動から学んでいただき、自分から愉しんでいただく、それがすべて(会員の)増強につながる」と自論を述べると共に、「先ず行動し、学んでそして皆様とともに愉しむことを念頭に努めていきたいですね」と話している。

クリエイターの岡本さん

クリエイター岡本和泉さん 街歩きと写生の魅力語る 大山街道ふるさと館で9月

 大山街道ふるさと館(溝口3の13の3)で9月15日(月)に、クリエイターの岡本和泉さんを迎えた講演会「スケッチ旅でひろがる人生の楽しみ」が開かれる 。午後1時から4時。

 (公財) 川崎市生涯学習財団主催、大山街道ふるさと館の協力で実施される催し。岡本さんはコロナ禍に、人混みから外れるアウトドアとして街道歩きを始め、これまでも、出版社の(株)風人社が運営するウェブサイト「風人社の窓」で、大山街道の始点から終点までの風景を描いていく「岡本和泉 大山街道スケッチ紀行」を今年5月まで連載していた。

 当日は、岡本さんが、街歩きやスケッチの楽しさを丁寧に解説するほか、参加者とふるさと館の施設内や中庭をスケッチするなど、実践的な体験活動の時間も用意されている。

 当日は筆記用具が必要。担当者は「街歩きにスケッチを組み合わせることで、旅に新たな楽しみを発見できますよ」と、参加を呼びかけている。

25日まで応募受付

 参加無料。定員は45人までで、超えた場合は抽選となる 。

 応募方法は、生涯学習財団のシニア活動講演会担当(【電話】044・733・6626/平日午前9時から正午、または午後1時から4時まで受付)、もしくは、財団ホームページの申込フォームから8月25日(月)までに申請を。

 

 

『うつし世の静寂に』より 

消えゆく川崎の風土問う 『うつし世の静寂に』上映 9月にアートセンターで

 川崎を拠点に映画づくりを続ける「ささらプロダクション」(宮前区)製作の旧作2本の特別上映会が、9月6日(土)と7日(日)、川崎市アートセンター(麻生区)小劇場で開催される。由井英監督作の『オオカミの護符』と『うつし世の静寂(しじま)に』で、いずれも失われつつある川崎の風土や風習にフォーカスした作品だ。

 『オオカミの護符』(2007年製作)は、川崎北部に残る護符にいざなわれ、関東一円に伝わる信仰の風習を追ったドキュメンタリー映画で、08年度の文化庁・文化記録映画優秀賞を受賞した。一方の『うつし世の静寂に』(10年製作)は、農村社会を支えた共同体の形「講」が川崎北部でも続く様子をとらえ、宅地化で失われた習俗と人との関係性を問う意欲作だ。

 『うつし世』は6日午前と7日午後に上映、『オオカミ』は6日午後と7日午前に上映予定。両日とも上映後にトークイベントがある。チケット発売中。問い合わせは主催の川崎市アートセンター【電話】044・955・0107。

「一人でもくつろげる施設づくり」に注力する小倉園長

夢見ヶ崎動物公園 魅力向上のアイデア募集 地域の「拠点機能」も加わる

 夢見ヶ崎動物公園(幸区)が魅力向上のためのアイデアを募集している。川崎市と民間企業が共同で取り組む「住民参加型クラウドファンディング」の実証実験で、クラファンの対象となる事業候補の公募に加え、ユーザーから幅広い意見を集める目的もある。

 昨年に開園50周年を迎えた夢見ヶ崎動物公園では、今年度中に再整備計画を策定する予定。これと並行して魅力向上の取り組み「ゆめみ50+1アクション」を進行中で、新たな動物の導入や、市民が救護した負傷動物の治療といったバックヤードの仕事を紹介するワークショップなどを開催している。

 実証実験も「アクション」の一環。川崎市が事業開発コンサルティング会社「Blue Lab」(本社・東京都)と共同で、市民から募ったアイデアやリクエストの事業化を目指すという。アンケートで選ばれたアイデアの実現に向けたクラファンを来年度に実施予定だが、まずは施設面や公園の機能に関するアイデアや希望を9月30日まで募集している。

散策がてら読書も

 また小倉充子園長は、クラファンに限らず「今の夢見ヶ崎動物公園に足りないものや、あればもっと楽しくなると思うものなど、利用者の目線から意見を寄せて欲しい」と呼びかける。

 同園では昨秋、休憩スペースや多目的室、乳児室などを備えた公共施設「パークセンター」を開設した。すると子育て世代の集まりや知的障がい者の絵画教室など、多様な市民が「センター」を利用し始め、さらに共用スペースに「書棚コーナー」を開設したところ、高齢者を中心に散策を兼ねて読書に訪れる来場者も増えたという。

 小倉園長は「もともと入園無料なので誰にでも開かれている施設だが、パークセンターの新設によりコミュニティーの『拠点機能』も加わった。その観点からも、利用者目線の要望や意見を寄せて欲しい」と呼びかけている。問い合わせは動物公園【電話】044・588・4030。

国際化学五輪「銀」の高校生 高津のKISTEC 「挑戦の大切さ痛感」と報告 藤嶋館長「立派な科学者に」

 アラブ首長国連邦のドバイで7月に開催された「国際化学オリンピック」に日本代表として出場し、銀メダルに輝いた高校3年生・早田茂さんが、このほど神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC、高津区)内の光触媒ミュージアムを凱旋訪問し、藤嶋昭館長らに結果を報告した。

 「国際化学オリンピック」は90カ国・地域等から354人の高校生らが参加し、日本からは早田さんのほか中原区在住の高校3年生・天野春翔さんら計4人が出場。一人が金メダルを、3人が銀メダルを獲得し、帰国後に文部科学大臣表彰を受賞した。

 早田さんは大和市在住で三田国際科学学園高等学校(東京都)に通う高校3年生。2023年12月に光触媒ミュージアムを訪れた際、対応にあたったKISTEC研究員の濱田健吾さんから「オリンピック」の選考を兼ねる「化学グランプリ」の要綱を手渡され、背中を押された。選抜試験の準備中もKISTECのスタッフが支援を続けた経緯があり、早田さんが報告に訪れた。

 KISTEC職員らは手作りのくす玉などで早田さんを迎え、藤嶋館長と早田さんがくす玉を割ると一斉に「おめでとう!」と祝福した。早田さんはパソコンを使ってドバイで経験したことを藤嶋館長らに説明。他国チームと交流を深めたことや、「理論」の問題が「ヤバかった」と振り返る難問だったことなどを報告。観光も楽しめたといい、「ハンバーガーがおいしかった」などと、無邪気に笑った。

 報告の最後には「自分は物理の方が得意と思ったが、挑戦することは大事だと痛感した。ここを訪ねて本当によかった」と感謝を伝えた。藤嶋館長は「早田さんの力と活躍に感心している。挑戦を後押しできたこともうれしい。ぜひ立派な科学者になってほしい」とエールを送った。

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)
<PR>
【中途募集】「タウンニュース」の記者として、街の力になりませんか?
【中途募集】「タウンニュース」の記者として、街の力になりませんか?
神奈川県と東京多摩地域で発行する地域情報紙「タウンニュース」。制作するタウンニュース社では、紙面、Webプロモーション、イベント企画運営、公共施設の管理業務など... (続きを読む)
10代の参加者に向け資料館の展示を説明する山田館長(中央)

明大登戸研究所資料館 戦後80年 「戦争の本当の姿」伝える 10代向け特別イベントで

 終戦から80年を迎えた8月15日、明治大学生田キャンパス内の平和教育登戸研究所資料館で、10代のための特別イベント「ひみつの研究所をさぐれ! 〜登戸研究所と戦争の裏側〜」が開催された。小学5年から高校3年までの18人が日本の加害の歴史について学び、考察を深めた。

 同イベントは、戦争中に「秘密戦」の兵器を製造していた旧日本陸軍登戸研究所の史実を、戦争を知らない世代に伝える試みとして昨夏に初めて実施された。2回目の今年は申し込みが殺到し、定員より3人多い18人が市内外から参加。イベントの進行には同大の学生ボランティアの意見を取り入れ、山田朗館長の解説のもと館内を回った後、3グループに分かれて自由な雰囲気のもとで意見を交わした。

 戦時中、登戸研究所で働く人は所内のことを口外することを禁じられていたことについて、参加者が「終戦後に『ヤバいことやってた』と暴露する人がいなかったのはなぜか」と質問すると、進行役の学生は「研究所内の立場がそれぞれなので、沈黙した理由も一人ひとり違うと思う」と回答。逆に学生から「もし国から給料を出すから研究所で働けと言われたらどうする?」と質問され、「闇バイトと違って国の命令なら、危険だとは思わずに働くと思う」と即答する参加者もいた。

 イベントの最後には全員からの質問に山田館長が答えた。愛知県から参加した高校3年生の野牧叡人(えいと)さんは「日本にとって都合が悪い秘密の歴史を研究し、資料館で伝える意味は」と鋭く質問。山田館長は「人間は戦争でどんなひどいことでもやってしまうもの。戦争を知る世代が消えゆく時代に、戦争の本当の姿を伝え続ける必要がある」と回答した。

上半期の市内の火災件数 川崎市消防局 過去10年で最多の211件 リチウムイオン電池「注意を」

 川崎市内における2025年度の上半期(1月〜6月)に発生した火災件数は、昨年同時期より30件多い211件で、過去10年間で最多だったことが分かった。火災原因ではたばこや電気機器が多いほか、川崎市消防局では猛暑で発火事案が多発しているリチウムイオン電池の取り扱いに注意を呼び掛けている。

 7月29日に市消防局が公表した火災概況の速報によると、火災件数種別は建物火災が133件、車両火災が16件、その他の火災が62件だった。建物火災のうち住宅火災は79件で、このうち共同住宅が52件、専用住宅が19件、複合用途の住戸部分が8件だった。また火災による死者9人のうち8人が65歳以上の高齢者だった。

 火災原因のトップはたばこの31件。「ポイ捨て」による火災が後を絶たず、市消防局では「喫煙マナーを守って欲しい」と呼びかける。次いで電気機器と配線器具がそれぞれ23件だった。

 電気機器や配線器具などによる電気火災のうち、昨今の猛暑でスマートフォンやモバイルバッテリー、充電式扇風機などのリチウムイオン電池に起因する火災が増えており、市内でも昨年1年で30件、今年上半期では13件だった。市消防局ではリチウムイオン電池を内蔵する機器に関し、「正しく取り扱い、スマホなどに異常を感じたらすぐに使用を中止し、金属の容器に入れたうえで購入店やメーカーに相談を」と訴えている。

不定期連載コーナー SELFフレンドシップ(船)へようこそ! Vol.35 「川崎壱門」について

 第35回目は、川崎壱門さんをご紹介いたします。

 2022年11月、川崎市をフィールドに活動する話題のエンターテインメントユニット『川崎壱門』が誕生しました。

 メンバーは異例ともいえる男女混合の10人で編成され、ダイバーシティ(多様性)を掲げる川崎市にふさわしく、ジェンダーフリーの時代を表現するかのような新ユニットの登場に、地元関係者など多くのファンから期待を背負いスタートしました。

 「川崎市の魅力を世界に発信したい」「川崎市を応援し、盛り上げていくこと!」を、モットーに、地域で行われる様々な活動やイベントなどへの出演し、地域活性化の一翼を担い、川崎市制100周年に纏わるイベントにも出演し盛り上げていました。

 SELF主催のイベントにも積極的に参加してくれて、たくさん元気・勇気をもらいました(いつもありがとうございます!)。

現在、川崎壱門メンバーは少数精鋭ですが、これからも地域が明るく元気になるように、楽しい演出を期待しています。SELFは、ずっと応援しますよ!

不定期連載 市民健康の森だより 第196回 小学生高学年向けに「竹工作教室」を初開催

 7月27日の日曜日、35度を超えるような猛暑日でしたが、小学校高学年向けに初めて企画した「竹工作教室」を無事に開催できました。募集は区役所地域振興課に依頼、応募は5名ありましたが当日の参加は3名、それぞれ保護者が同伴してくれました。講師は炭部会長以下7名の会員が熱心に務めてくれました。事前準備と合わせて炭部会は見事なチームワークを見せてくれました。教室では最初にやることの全体像と作業の注意点などが部会長によって資料をスクリーンに映し、丁寧に説明されました。

 説明終了後、まず道具に慣れてもらうためにノコギリを使って細目の竹を15cmほどのサイズに切ってもらいました。その後はこの日の為に会員が考案し試作も行った竹のスマホスタンドの制作実習です。子ども達にはノコギリとナタ、小刀を使ってもらい、竹材の穴あけには電動ドリルも経験してもらいました。

「全員保護者同伴」で思わぬメリットも

 募集時には子どもだけでの参加可能としていましたが、実際には全員保護者同伴でした。参加者が少なかったこともあり実技編では全組、親子の共同作業となっていました。これはこれでよかったでしょう。「普段、こんな風に子どもと接することはないのでとても良かった」と参加の保護者の言葉です。この教室は全2回で考えましたので翌週の8月3日に2回目を実施しました。竹灯籠や竹ポットを作ってもらう予定でしたので、どんなデザインにするかを考えてくることを宿題としました。8月3日には、皆、様々な型紙を作ってきて私たちの会員から1対1での指導を受けながら竹灯籠や竹ポットを作ってくれました。子ども達は最大限楽しんでくれた様子でした。

 この教室は三菱UFJ環境財団様からの「里山保全活動支援」助成金を使って道具類を購入できた事で実現しました。助成の意図を尊重し、子ども達に竹工作を通して私たちの緑のボランティア活動や自然を守る大切さを認識してもらうのが隠れた目的です。