町田版【9月4日(木)号】
法人の副代表理事も務める杉浦校長

南成瀬中で「部活」地域移行 別団体立ち上げ、今年度から

 中学校の部活動を地域人材にゆだねる「部活動の地域移行」。町田市立南成瀬中学校で今年度、取り組みが進んでいる。学校を主体としながらも、運営の核を地域にゆだねる方法を取り入れ、同校の杉浦元一校長は「現在多くの方に支えられている生徒がいずれ地域を支える存在となっていく。そんな循環を生んでいければ」と話している。

 部活動の地域移行は教員の業務増加を背景に学校だけでは部活動を支えきれなくなっている現状などから国が進めているもので、完全移行を目指している。ただ、町田市内では杉浦校長によると議論が進んでおらず、「このままでは子どもたちの活動場所が失われる」と学校独自で動くことを決意。学校とは別の団体を立ち上げ、活動をスタートさせたという。

 南成瀬中が立ち上げた一般社団法人を通じて始めた新たな形は学校と地域が密接に連携していく形を取る。教員の勤務時間である午後4時45分までは「部活動」として顧問の教員が指導に関わり、それ以降や土日・休日、長期休業の際などは地域の指導者が主体となる「クラブ活動」として部活動を行う。顧問と地域の指導者は指導方針を共有し、役割を分担。これにより、学校としてのまとまりや教育的意義も失わない形で指導者の専門性を確保できるメリットがあるという。

 一方で、運営資金は保護者から年会費3千円と活動回数に応じた月会費を徴収し、保険料や指導者謝礼などに充当。「今まで無料だったのに」という反発もあったものの、説明会を重ね理解を得ていったという。

運営が安定

 新たな部活動の形が始まって9月で5カ月。運動部では専門的な指導を受け、生徒が練習メニューを自主的に考えるようになり、「部活動が楽しい」という声も聞かれているという。以前は教員の負担増や、異動で部活動の継続が危ぶまれたり、廃部に至るケースがあったものの、部活動を別法人で運営することで異動した教員が継続して指導できるようになるなど、「安定して部活動を運営していく環境が整ってきた」と杉浦校長は力を込める。

「地域貢献」必須

 この新たな取り組みは地域貢献活動にあたることも必須とする。地域の祭りや防犯パトロールなどの手伝いを行うことを課し、「現在多くの方に支えられている生徒がいずれ地域を支える存在となるようにしていきたい。そんな循環を生んでいければと考えている」と杉浦校長。こうした活動は地域の共感を呼び、地元町内会や商店会から寄付という形で支援してもらうことにつながっているという。

 南成瀬中の部活動・地域移行に協力する町田ゼルビアスポーツクラブの渡邊さや香さんは「総合型地域スポーツクラブとしてお手伝いしていければ。南成瀬中さんの先駆的な取組みを勉強させてもらいながら、一緒に子どもたちの居場所づくりを進めていきたい」と話している。

新型コロナ変異株 「のどの激しい痛み」拡大 町田市内でも増加傾向

 「ニンバス」と呼ばれる新型コロナウイルスの変異株の感染が全国的に拡大している。のどの激しい痛みが特徴とされるもので、町田市内でも患者数が増加傾向にある。

 感染症の流行状況をみることができる町田市保健所の「定点把握報告数」によると、町田市内のコロナ感染は第28週(7月7日から13日)の定点あたり15人から、34週(8月18日から24日)の76人までおおよそ右肩上がりで増加。国の機関などは発熱やせき、倦怠感などに加え、のどの激しい痛みの症状がみられるニンバスと呼ばれる新型コロナの変異株の感染が拡大しているとし、重症化することは少ないものの、感染力が強く、抵抗力の弱い高齢者や乳幼児などは注意が必要とする。

 残暑が続く現在、部屋を閉め切った状態でエアコンを使用し続け換気しないことが感染拡大につながっているとも言われ、町田市内で高齢者施設を運営する社会福祉法人竹清会の担当者は「換気するように心がけている。手洗いや消毒、マスクといった基本的な感染防止対策を徹底している」と話す。

10月にワクチン

 10月からは例年、新型コロナワクチンの定期接種が始まる。今年度は国による接種費用の助成が無いため、接種率の低下が懸念されているが、小池百合子東京都知事は先ごろ、区市町村に対して1回あたり千円を独自に補助すると発表。区市町村による費用助成に上乗せするとした。

 町田市の担当者は「町田のものは10月に詳細を公表する予定。費用などは現在、検討中」としている。

ジャパンパラ陸上競技大会の走幅跳(T35クラス)で日本記録を更新した 佐伯 菜々美さん 帝京大学八王子キャンパス在学 23歳

障害を成長に変える

 ○…両手足の不自由さを抱えながら、陸上の学生パラアスリートとして活動している。先のジャパンパラ陸上競技大会「走幅跳」では、自身の持つ日本記録を15cm塗り替えた。喜びもほどほどに、同じ障害クラスの参加者が少ないことに触れ、「予選を行えるほど参加者がいる大会に出るのが夢」とパラスポーツが当たり前になった未来を思い描く。

 ○…青梅市在住。現在は足に装具をつけ生活しているが、小学校の頃は長距離を移動するのに小児用車いすで移動することもあった。「障害があることで『別枠』にされることが多かった」と振り返る一方で、装具を取れば見た目が健常者と変わらないため、「障害があるように見えない」と言われたり、電車の優先席に座るのを怪訝な目で見られたり、「なかなかわかってもらえない」と嘆くこともあった。

 ○…くすぶる思いを昇華させたのは、陸上だ。運動未経験ながら、帝京大学入学後、「自分にできるスポーツはないか」とパラ競技の体験会に参加。都内にある陸上クラブチームを経て、今年4月、帝京大学陸上部の一員に。「大学のユニホームを着て走ってみたかった」。念願の夢をひとつ叶えた。世界を見据えて走幅跳や短距離走の技術を磨くためにも、来春卒業後に身を置ける、競技と両立できる自治体や企業との縁を待つ。

 ○…障害があると日々の生活だけでも疲れやすく、「スポーツをやろうなんて思いにくい」という。ただ、「できない理由を全部障害のせいにしたくない」という強い思いを原動力に、走り出した結果、今の自分がいる。「楽しく走ってたら、いつの間にかここまで来れた。こんな私でもできたから、始めようか迷っている人は勇気を出してほしい」

7日、シバヒロで催し 音楽ステージなど

 昼のバラエティとして人気を集めた番組に出演していた岸田健作さんがプロデュースする催し「町田っていいとこ!」の2回目が9月7日(日)、中町の芝生広場「町田シバヒロ」で開かれる。音楽ステージを中心に開催されるもので子ども向け企画のほか、キッチンカーなどを楽しむことができる。時間は午前11時から午後4時30分(予定)。入場無料。詳細はHPなどで。

女性経営者の交流会 9月19日 商工会議所で

 町田商工会議所の女性会「シルクまちだ」が9月19日(金)、女性経営者らの交流会「女性ビジネス交流会」=画像=を開く。町田商工会議所の会員以外でも参加できるもので、経営者や企業の役員など、自社のビジネスを拡大したいと考える人が対象という。

 会場は町田商工会議所(原町田)の2階会議室で時間は午後6時30分から8時30分(受付は8時から)。

 参加無料で申込締切は9月11日(木)まで。希望者は町田商工会議所のHPなどから申し込み。当日は自己PRタイムや、軽食をとりながらの交流会が開かれるという。

 同会は「名刺をたくさん持参下さい。配布したいパンフレットも用意してもらえれば」としている。問い合わせは町田商工会議所・女性会事務局【電話】042・724・6614まで。

当時を振り返り、語った宮下さん

戻ってきた「慰問文」 下小山田町在住 宮下靖夫さん

 下小山田町に暮らす宮下靖夫さん(96)は、少年時代に戦争を経験した一人だ。前線の兵士を励まし、労うために戦地へ送った自身が書いた手紙(慰問文)のことなど、戦時中を振り返り、当時の暮らしや空襲の惨状、学徒動員の体験を静かに語ってくれた。

 日中戦争が続く1937年、小学5年生だった宮下さんは、戦地の兵士に向けて絵と文を書いた「慰問文」を作成した。「内地の自分たちが、兵隊さんにできることは何かという思いで書きました」。ただ、前線へと送られ、兵士の目にとまったものと思っていたものが約60年の時を経て手元に戻ってくることになったという。当時の図画の先生が、宮下さんの絵を「残しておきたい」と考え、自宅に保管していたのだといい、母校の周年行事で掲示されているのを友人に知らされ、約60年の時を経て再会することに。「戦地に送ったはずなのに残っていた。空襲も免れ、よくとっておいてくれたと思います」と振り返る。

 慰問文を書いた当時は「欲しがりません勝つまでは」と言われた時代。食べ物も乏しく、遠足でバナナや卵を持たせてもらえたときは大きな喜びだったという。「今では想像できないくらい貴重だった」と話す。

 戦争の爪痕は、より深く宮下さんの人生に刻まれている。1945年3月10日、深川区木場(現江東区)の自宅で東京大空襲に遭遇。父を亡くし、家も焼けた。母と妹は富山に疎開していたが、たまたま用事で戻ってきた日に空襲にあった。母や妹、弟は先に逃げ、宮下さんは火消しにあたる父とともに残った。焼夷弾が落ちる中、父から「逃げろ」と言われ、必死に火の海を駆け抜けた。防火水槽の水をかぶり、焼け跡を突き抜けて自身は生き延びた。夜を明かし、目にしたのは無数の遺体だった。「道に死体が重なり合い、顔も判別できない。怖いと思わなかった。見慣れてしまったのかもしれない」と当時を思い出す。

 家を失い、身を寄せたのは学徒動員先だった。中学2年の後半から、級友とともに海軍省の軍需工場で働いた。軍艦の部品を作る日々は勉強とは無縁で、子どもながらに社会の厳しさを知ったという。その心情を詠んだのが「温かき家から一歩外に出ず 外は無情の寒風ぞ吹き」。戦地に赴いた大人たちの代わりに働く中で、社会の冷たさを痛感したのだという。

「ただ空虚」

 終戦を知らせる玉音放送を聞いたのは新小岩の電器店。「悔しいとも思わず、ただ空虚だった」と振り返る。それでも胸に残るのは「戦争は何もしていない人の命を奪う」という事実だ。東京大空襲で一夜に10万人が亡くなったことを思い、「何の罪もない人々がなぜ犠牲になるのか」と問い続けてきた。

 10年ほど前まで、両国の慰霊堂で行われる慰霊祭に足を運んできた宮下さん。今は体調面を考えると参列できないが、その思いは変わらない。「やっぱり戦争はよくない。平和であることのありがたさを忘れてはいけないね」

八王子での試合の様子

B3八王子 町田でファン拡大を 10月、3月に公式戦

 町田市立総合体育館(南成瀬)を会場に、プロバスケットボールB3リーグ所属「東京八王子ビートレインズ」(八王子市)が2025-26シーズン公式戦を開催する。

 日程は10月24日(金)午後7時20分開始、25日(土)午後3時開始、来年3月13日(金)午後7時20分開始、14日(土)午後2時開始。対戦相手は10月が「しながわシティバスケットボールクラブ」、3月が「金沢武士団」となる。町田市内での公式戦は約10年ぶり。ビートレインズは町田開催も含め地域密着でファン拡大を目指す。(問)【電話】042・649・4440

パラ走幅跳で日本新 帝京大の佐伯さん

 障害者スポーツで活躍する陸上アスリートが帝京大学八王子キャンパス(八王子市)を拠点に練習を積んでいる。先天性の脳性まひにより両手足などが動かしにくく、足に装具をつけ生活している佐伯菜々美さん(法学部4年)だ=写真・人物風土記で紹介。両下肢に中等度の障害がある「T35」というクラスに属し、6月に行われたジャパンパラ陸上競技大会では女子T35クラス・走幅跳競技で自身のもつ日本記録を塗り替え、優勝。2メートル67センチをマークし、共に出場した100メートル競技でも18秒33の記録で優勝した。

大学から

 そんな佐伯さんが陸上競技を始めたのは大学生になってからという。パラスポーツは興味をもちつつ、身体への負担などを考え控えていたものの、大学入学後、汗を流す運動部の学生たちの姿を見るうちに「自分もやってみたい」と思ったのだという。

 そして、様々な競技を体験してみたなかで、「陸上の練習が一番自分に合っていると思った」といい、その後、クラブチームを経て今年、帝京大陸上競技部に所属するようになった。

 佐伯さんは今後も自身の日本記録を塗り替えていきたいと話す一方で、「パラスポーツをもっと当たり前の社会にしたい」と意気込んでいる。

加藤さん

我孫子オペラ×町田イタリア歌劇団 ヴェルディ最高峰のオペラ「オテロ」上演

 町田イタリア歌劇団は、我孫子オペラとの初の共同企画として、ヴェルディ晩年の傑作オペラ「オテロ」を9月23日(火・祝)、町田市民フォーラム3階ホールで上演する。

 シェイクスピアの戯曲「オセロー」を原作とする本作は、巨匠ヴェルディが74歳の時に7年の歳月をかけて完成させた、オペラ界最高峰と称される大作。主役オテロを歌いこなせるテノール歌手が世界的に少ないため上演機会は極めて稀だという。

 この難役オテロに挑むのは、イタリアで長年研鑽を積んだドラマティック・テノールの加藤康之さん。妻デズデーモナには藤原歌劇団の実力派ソプラノ・宮川典子さん、オテロを破滅へと導くイアーゴ役にはドラマティック・バリトンの金子亮平さんを迎え、万全の布陣で臨む。

 主催者は「かつて伝説のテノール歌手マリオ・デル・モナコが日本中を熱狂させたことでも知られる作品です。今回は、わずか188席という贅沢な空間で、大迫力の歌声がシャワーのように降り注ぐ、迫真の舞台を間近で体感できるまたとない機会です。この感動をぜひ会場で味わってください」と来場を呼びかけている。

 午後1時開演(12時30分開場)。チケット3千円。予約・問合せは主催者・柴田さん【携帯電話】090・1734・8116へ。

特別インタビュー フルート・Cocomiが登壇 9月14日 町田市民ホールで

 町田市民ホールで9月14日(日)、「モーツァルト フルート四重奏曲全曲演奏会」が開催される。ソリストとして活躍中のフルート奏者・Cocomiさん=写真=を迎え、弦楽器との共演による名曲の数々が披露される。Cocomiさんは、桐朋学園大学で研鑽を積み、国内外のマスタークラスやコンクールで高く評価されてきた実力派。今回の公演を前に、Cocomiさんに話を聞いた。

--モーツァルトのフルート四重奏の魅力は

 変奏曲のように展開する曲や、各楽器がソロとなる場面など、バラエティに富んだ構成が魅力です。1番から4番まで、モーツァルトの良さを感じ取っていただけると思います。

--アンサンブルで大切にしていることは

 全員の音をしっかり把握しつつ、耳を澄ませるよう心がけています。メロディのときは歌うように、時にはコバンザメのようにそっと寄り添うことを意識しています。

--準備してきたことは

 曲のアナリーゼ(楽曲分析)を重ねてきたのですが、それがとても楽しかったです。思いがけず短調の和声が現れたり、まるでモーツァルトが少しいじけているような可愛らしい表現に出会えたりもしました。

--お客さまに届けたいメッセージは

 モーツァルトのフルート四重奏といえば1番の知名度が高いのですが、実はどの曲も美しいということを知っていただきたいと思います。それぞれのキャラクターを引き立てて演奏することができたらうれしいです。

--町田市民ホールや町田の印象は

 今回が初めてです。写真で見たホールの外観がモダンで美しく、驚きました。早く実際に響きを体験してみたいです。

◇  ◇  ◇

 公演は9月14日(日)午後7時開演(6時15分開場)。入場料は全席指定で5500円(6歳以上入場可)。チケットは同ホール【電話】042・728・4300ほかで発売中。

クールシェアスポットの目印

町田市 涼みスポットはこちら 市内45カ所で開放中

 外出時の危険な暑さから避けるための一時休憩場所として東京都では、「TOKYOクールシェアスポット」を開放している。

 スポットは、熱中症特別警戒アラート等の発表の有無を問わず開放されている。市内のスポットは8月15日時点で45カ所で図書館や市民センターといった公共施設の他、民間事業者の施設も含まれている。スポットで開放場所や日時は異なる。

 各スポットはウェブサイトで確認を。問合せは町田市健康推進課【電話】042・724・4236。

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 産後から1歳頃までの乳児と母親が対象の講座。ミキハウスの子育てキャリアアドバイザーが「赤ちゃんの足について」や正しい靴の選び方などを解説する。足の計測や体重測定、座談会も予定。会場は同院STRホールで午後1時から3時まで。定員20組。参加費無料、要予約。申し込みは同院ウェブサイト(https://www.shinyuri-hospital.com)、問合せは産科外来【電話】0800・800・6456。

町田スポーツ応援特別号

「MACHIDA SPORTS」は、町田市に関わるスポーツニュースを紹介する地域情報紙です。地元アスリートの活躍を楽しんで下さい。

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