八王子版【9月18日(木)号】
都内に設置したセンサーカメラで撮影されたツキノワグマ=東京都環境局提供

改正法 クマ駆除迅速化へ 市判断で猟銃使用可能に

 北海道などで相次ぐクマの市街地への出没と人身被害を受け、9月1日、新たに市町村の判断で人の生活圏でも猟銃を使用できるとする改正鳥獣保護管理法が施行された。従来の使用許可条件と比べ、クマなどの危険鳥獣による被害への対応が迅速化されることが期待されている。

 これまでは、市街地での猟銃使用は原則禁止されており、発砲は警察官職務執行法4条による警察の命令に基づく措置など特別な場合に限られていた。

 しかし、近年はクマやイノシシなどが人の生活圏に出没し人身被害も発生するなど、生活安全上の支障が生じる事例が増加。2023年度にはクマによる人身被害の件数が過去最多となった。

 そこで今回施行された改正法では、被害に対しより迅速な対応をするため、警察に加え新たに市町村がハンターに猟銃の使用を委託できるようになった。

 委託できるのは、以下の4つの条件をすべて満たした場合に限る。

 ▽クマなどが人の日常生活圏に侵入している、またはそのおそれが大きい▽緊急性がある▽迅速に捕獲できる他の手段がない▽人に弾丸が到達するおそれがない

 その際、発砲前には住民の避難指示など安全確保が義務付けられ、弾丸の跳弾や射線後方への飛散防止策も確認する必要がある。万が一、物的・人的損害が発生した場合はハンターではなく市町村が補償や賠償を行う。

 ここでいう危険鳥獣には、クマ(ヒグマ、ツキノワグマ)だけでなく、イノシシ(成獣)も含まれる。

市「マニュアル基づき対応」

 八王子市の獣害対策課は、「(4条件すべてを満たすケースは)非常に限られる」とした上で、もしものときを想定し、東京都が今月策定した「東京都ツキノワグマ対応マニュアル」に基づき、当面はマニュアルに沿った対応を継続するという。

先月 市内でクマ目撃2件

 東京都環境局がホームページに掲載している、地元住民などから集まったツキノワグマと思われる目撃情報をまとめた「東京都ツキノワグマ目撃等情報マップ〜TOKYOくまっぷ〜」によると、先月1カ月間で八王子では上恩方町で2回、目撃情報が寄せられている(8月3日、28日)。

 委託される側である東京都猟友会(千代田区)の本部理事によると、同会の会員は約2000人(24年度時点)。このうち八王子エリアの会員は約90人だという。「もしもの事態が起こったときにどのように行動するか、細かな段取りはまだ東京都と打ち合わせできていないのが現状。会として協力していくことを前提に、対応を協議中だ」と話している。

八王子ケアラーズカフェわたぼうし

認知症月間 他人事と思わず関心を 市内でも周知の取り組み

 9月21日は「世界アルツハイマーデー」。日本でも「認知症の日」とされ、9月は「認知症月間」になっている。市内外で認知症について関心と理解を深める取り組みが行われている一方で、市内で10年にわたり認知症当事者やその家族に寄り添ってきた施設がある。

 JR八王子駅南口から徒歩2分のビルの2階。扉を開くと明るく落ち着いた雰囲気の室内にテーブルセットやソファなどが並び、読書や歓談など思い思いに過ごす人の姿がある。ここは「八王子ケアラーズカフェわたぼうし」。認知症当事者やその家族などの介護者(ケアラー)の交流と相談の場づくりを目的に市が2015年に開設し、一般財団法人八王子福祉会が運営する施設だ。常駐する認知症アドバイザーに介護や生活上の悩みを相談したり、介護経験者の体験談を聞いたり、ゆったりとお茶を飲むだけでも利用できる。

 医師や介護士などから認知症や介護についての話を聞くことができる学習会、介護経験者などによるミニ講座と参加者同士で気軽に意見交換ができる懇談会、認知症当事者が生活の工夫などを語るお話会などが定期的に開かれており、中には認知症当事者や家族が周囲を気にせずに音楽や絵画などを楽しめるイベントもある。「友人や近所の人などに相談しづらいことでも、ここなら心の持ちようや、どう対応したら良いかなどのヒントがもらえる。悩んでいる人たちが出会い・つながれる居場所になれれば」と管理者の中村真理さん。

 開設から10年、当初は年間1500人程度だった利用者も、2024年度には4873人まで増えた。中村さんは「認知症への世間の理解が徐々に広がり、雰囲気も和らいできた」と振り返る。一方で「認知症の有病率は65歳以上の12・3%、軽度認知障害を含めるともっといる。今は関係ないと思っていても、いずれ認知症や介護者になる可能性がある。親や自分が元気なうちに地域の認知症カフェや講座などに参加して理解を深め、備えてほしい」と呼びかける。

オレンジ照明で啓発

 東京都立大学南大沢キャンパスにある「光の塔」が、認知症普及啓発のシンボルカラーのオレンジ色にライトアップされる。9月22日(月)まで。

 市の認知症月間の取り組みに、同大が地域貢献の一環として協力したもの。「地域の皆様への認知症に関する啓発につながれば」と同大。市内ではJR八王子駅北口マルベリーブリッジのオブジェや東京たま未来メッセの大階段も同様にライトアップ。市役所などにオレンジ色のマリーゴールドも展示されている。

東京八王子ビートレインズを運営する(株)THTマネジメントの代表取締役社長に就任した 高松 僚さん 子安町在住 48歳

逆境超え、志を貫く強さ

 ○…9月3日付で代表取締役社長に就任。これまでも常務として「子どもたちに夢と未来を」「バスケで八王子を盛り上げる」の理念を掲げ、クラブを支えてきた。「責任が倍になった実感がある。変わらず頑張る」と決意を語る。前運営団体から引き継いだのは5年前。コロナ禍で試合中止が相次いだ厳しいスタートから、昨季は債務も解消しリーグ昇格も目前に。「今季も、地域の方に誇りと幸せを届けられるクラブを目指す」

 ○…藤沢市出身。母子家庭で父親代わりだった祖父に厳しく育てられた。野球や水泳、そろばんと習い事が好きで、小5でバスケに出会う。「個人競技よりチームプレーが好きだった。バスケは点をとるのが楽しくて、個人が上手くないと強くなれないけど1人では勝てないところも面白い」。とにかく上手くなりたいと自主練の日々。中1でレギュラーを獲得すると嫉妬から嫌がらせを受けたが、持ち前の負けん気と正義感で立ち向かったのはいい思い出。山あり谷ありのバスケ人生に青春を捧げた。

 ○…やるならトコトンな性格。大学では居酒屋バイトに明け暮れ月平均30万円を稼ぐも、留年が決定。退学を考えたが母に泣かれ、自分で学費を払うことを条件に残ることを決意。卒業後も自分を鍛え直そうと、就職はあえて離職率の高い会社を選択するなど、人一倍の意志の強さを見せた。

 ○…他県に家族をおいて単身、八王子を奔走する。家族に年に数回しか会えなくても家訓である「忠義が先、孝行があと」という「忠孝」の考えを大切にしている。息抜きはショートドラマや映画鑑賞。勧善懲悪など筋の通った物語と相性がいい。今後の目標は「スポーツの力を通じた地域社会の発展」と、大きなヴィジョンを掲げる。

「はざま」上映会

 在日コリアンである朴(ぱく)基浩(きほ)さんが監督を務めるドキュメンタリー映画『はざま〜母語のための場をさがして』の上映会とトークショーが10月12日(日)、八王子市生涯学習センターで開催される。主催はNPO法人八王子国際協会。

 映画は日本語と朝鮮・韓国語という二つの言語を日常的に使い分ける監督の視点から、日本社会の在り方を問いかける。上映は40分間。上映後には朴監督とゲストを交えてのトークショーもある。会場はクリエイトホール11階視聴覚室。午後2時から4時30分。入場料は500円(同協会員は無料)で、定員は先着60人。申込みはメールに▽上映会とトークショー▽氏名▽住所▽電話番号を明記し同協会【メール】event@hia855.comへ送信する。問い合わせは同協会【電話】042・642・7091。

八王子名山を歩く 9月23日 参加者を募集

 「八王子名山」と呼ばれる山々を歩く会が9月23日(火・祝)に行われる。参加費300円。

 昨年、登山家などの有志により眺望や自然度などの観点から市内36の山を「八王子名山」として決定。歩く会は5回目の開催で、今回は草戸山、榎久保山、泰光山、入沢山、中澤山、大洞山、高尾山、稲荷山を歩く。

 午前8時に京王線高尾山口駅改札前集合、午後4時頃解散予定。希望者は懇親会も。申し込みは(一社)デマンド・アンド・ケア【電話】042・686・2272。

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「オンマル」のチラシを手にする門脇実行委員長

八王子ゆかりの「食」初参戦 9月28日 オンガタマルシェ

 八王子の自然や食を満喫できる「オンガタマルシェ」が9月28日(日)、小田野中央公園(西寺方町)で行われる。

 「恩方地域の魅力をもっと知ってもらいたい」と、西寺方町でデザイン事務所を営む門脇大輔さんが始めた同マルシェ(市場)の第7回目。今年は他のマルシェイベントとの差別化を図り、初の試みとして八王子にゆかりのある4地域からそれぞれ名産品が初出店する。

 1つ目は、武田信玄の娘・松姫が織田勢から逃れる際に超えた「松姫峠」がある山梨県北都留郡小菅村。村内で獲れたシカのジビエなどを出店する。2つ目は、江戸時代に八王子の警備や治安維持を担った組織「千人同心」が生まれたと言われる山梨県甲州市勝沼。勝沼随一の生産量を誇る阪本ぶどう狩り園のぶどうが目玉だ。3つ目は、戦国時代、小田原北条氏の3代・氏康が三男の氏照を八王子に配置したという縁がある神奈川県小田原市。干物やかまぼこなどの海鮮グルメが楽しめる。4つ目は、同じく北条氏康が四男を配置した鉢形城のある埼玉県大里郡寄居町。老舗精肉店「秩父屋」が豚肉やホルモンを出店する。

食で歴史感じて

 同マルシェ実行委員会の会長でもある門脇さんは「この4地域からの出店は、実行委員会で口説き落として出店が叶った店。ぜひ当日お越しください」と呼びかける。

 今年の出店数は86店。市内外から飲食、食品販売、物販・ワークショップなどが並ぶ。抽選会、ステージイベントも。

 午前10時から午後5時。小雨決行、荒天時は10月5日(日)に順延。詳細は公式ウェブサイト。

虎丸(左)とレースのぬいぐるみ

キャラで歴史をPR はちはくで企画展

 キャラクターを通じて八王子の歴史や文化財に関心を持ってもらおうと、子安町の桑都日本遺産センター八王子博物館(はちはく)で企画展「見る・知る・魅せる! ―文化財におけるデザインの活用―」が、12月7日(日)まで開催されている。午前10時から午後7時まで。入館無料。

 市文化財課には、八王子城を築いた北条氏照をモデルに2006年に作成した「うじてるくん」をはじめ、忍者犬の「虎丸」や八王子城跡から出土したレースガラス器をモチーフにした「レース」といった24年に制作された「北条氏照友垣絵巻」のキャラクターなどがいる。企画展では各キャラクターのパネル展示のほか、虎丸とレースのぬいぐるみや、その制作過程などが紹介されている。

 問合せは同館【電話】042・622・8939

感謝状を手にする並木さん(左)と篠原さん

富士森高生が高齢者救助 市から感謝状贈呈

 学校前で転倒した高齢者を救助した勇気ある行動を称え、市は9月1日に都立富士森高等学校(中村弘志校長)2年生の篠原光さん(17)と並木一磨さん(17)に感謝状を贈呈した。

 7月4日の午後1時頃、富士森高校の前で女性(76)が転倒し立ち上がれないでいた。通りかかった年配の男性が女性を発見し周囲に助けを求めたところ篠原さんらがその声に気付き、駆け付けたという。篠原さんは女性に呼びかけて状態を確認し、自身の携帯で119番通報。日差しが強く、そのままでは熱中症になる恐れがあったことから校内に運び入れ、救急車が到着するまで救急用ベンチに寝かせることにした。一方の並木さんは校内へ走り、養護教諭に状況を説明。女性を日陰に移すことや体を冷やすことなど応急処置のアドバイスを聞き、職員室にも報告してバッテリー駆動のサーキュレーターなどを手にして女性のもとへ駆け戻った。篠原さんらは救急車が到着するまで校門の前を空けておくように周囲に呼びかけ、女性に水などを提供する生徒もいたという。女性は救急車で医療機関へ搬送され、幸い大事には至らなかった。

人のために行動

 感謝状を受け取った2人は「以前、受けた救急救命の授業を思い出しながら対応した。こんなことになるとは思っていなかったが、表彰を受けて、一人の命を助けることができたのだと実感した」(篠原さん)、「女性が無事でよかった。救急救命士を志しているので今回、冷静にスムーズな行動ができて自信につながった」とそれぞれの感想を話した。

 同校の馬塲久恵副校長は「生徒たちのとった行動を誇りに思う。本校には優しい子がたくさんいるので、人のために行動した2人の気持ちが学校全体に広がり、地域に愛される高校でありたい」と称賛した。

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村内家具で恒例式典 チャリティセール開始

 家具専門店の村内ファニチャーアクセス八王子(左入町)で9月13日、恒例のチャリティバーゲンセールがスタート。開店前から並んでいた買い物客らが見守るなか行われたオープニングセレモニーには、同社の村内健一郎社長をはじめ、毎年売上の一部を寄附している八王子市社会福祉協議会の名誉会長を務める初宿和夫八王子市長や山本英雄会長らが出席し、テープカットを行った=写真。

 同社がこれまで社協などに行った寄附の総額は2億5600万円にのぼり、市内では社会福祉施設や団体を支援する助成事業に活用されている。昨年は障害者施設を運営する団体のテントの購入を助成し、イベント参加や災害時の仮設緊急避難場所としての活用もできると喜ばれたという。

 社協の山本会長は「福祉の概念が今ほど強くない時代から長きにわたるご寄付に感謝する。民間企業からご協力いただけると、我々も非常にありがたい」と話していた。

空間と自然光を再認識 多摩美術大で家村ゼミ展

 鑓水にある多摩美術大学八王子キャンパスのアートテークギャラリーで9月22日(月)から10月10日(金)まで、家村ゼミ展「中村竜治 空間に、自然光だけで、フィルムを置く」が開かれる。午前10時から午後5時まで。日曜日は休館。入場無料。

 家村珠代教授が担当教授を務める同大美術学部芸術学科の展覧会設計ゼミが主催する、9回目のゼミ展示。今回は建築家の中村竜治さんを招き、作品展示とトークイベントが行われる。

 会場となる4つの展示室では、約560平方メートルある空間の採光を自然光だけにして作品を置き、透明フィルムを使った水たまりを設置。自然光や空間に対する意識を促すことで、それらを見つめ直す体験へと変化する。

 トークイベントは9月23日(火・祝)の午後1時から4時まで同大レクチャーホールCで開催。中村さんと建築家の青木淳さん、美術評論家の中尾拓哉さんが登壇し、同展の魅力と可能性について鼎談する。予約不要。直接会場へ。

 同展に関する問い合わせは芸術学科研究室【電話】042・679・5627

マンドリンの音色を堪能 川口分館で講座

 生涯学習センター川口分館主催の市民自由講座「マンドリンのお話とコンサート」が、9月28日(日)に同館の視聴覚室で催される。午後2時から4時まで。参加無料。

 マンドリンはイタリア発祥の弦楽器。クラシックや映画音楽、歌謡曲など幅広いジャンルで使われている。講座では東京マンドリンアンサンブルの入戸野政代さんらマンドリン奏者とピアノ奏者を講師に招き、演奏や演奏に合わせた合唱、マンドリンに触れられるコーナーも予定されている。

 定員70人。申込みは電話(【電話】042・654・8450)、または同館窓口で先着順で受付。

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第12回すずかぜ祭 いちょう工房東浅川で

 生活介護事業所「いちょう工房 東浅川」(東浅川町666)で9月27日(土)、「第12回すずかぜ祭」が開催される。午前10時から午後2時まで。駐車場・駐輪場あり。

 障害者やその家族の支援に取り組む(社福)八王子いちょうの会による、毎年恒例のお祭り。同会が運営する全事業所が参加して、模擬店やゲームコーナー、自主製品の販売などが行われ、賑わう。eスポーツ体験やポップコーンの無料配布も。「福祉に興味がある人や施設内を見てみたい人、お祭りが好きな人など、楽しいイベントなどので、どなたでもぜひお越しください」と同会。問い合わせは同会【電話】042・673・8055。