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公開日:2025.09.18
認知症月間
他人事と思わず関心を
市内でも周知の取り組み
9月21日は「世界アルツハイマーデー」。日本でも「認知症の日」とされ、9月は「認知症月間」になっている。市内外で認知症について関心と理解を深める取り組みが行われている一方で、市内で10年にわたり認知症当事者やその家族に寄り添ってきた施設がある。
JR八王子駅南口から徒歩2分のビルの2階。扉を開くと明るく落ち着いた雰囲気の室内にテーブルセットやソファなどが並び、読書や歓談など思い思いに過ごす人の姿がある。ここは「八王子ケアラーズカフェわたぼうし」。認知症当事者やその家族などの介護者(ケアラー)の交流と相談の場づくりを目的に市が2015年に開設し、一般財団法人八王子福祉会が運営する施設だ。常駐する認知症アドバイザーに介護や生活上の悩みを相談したり、介護経験者の体験談を聞いたり、ゆったりとお茶を飲むだけでも利用できる。
医師や介護士などから認知症や介護についての話を聞くことができる学習会、介護経験者などによるミニ講座と参加者同士で気軽に意見交換ができる懇談会、認知症当事者が生活の工夫などを語るお話会などが定期的に開かれており、中には認知症当事者や家族が周囲を気にせずに音楽や絵画などを楽しめるイベントもある。「友人や近所の人などに相談しづらいことでも、ここなら心の持ちようや、どう対応したら良いかなどのヒントがもらえる。悩んでいる人たちが出会い・つながれる居場所になれれば」と管理者の中村真理さん。
開設から10年、当初は年間1500人程度だった利用者も、2024年度には4873人まで増えた。中村さんは「認知症への世間の理解が徐々に広がり、雰囲気も和らいできた」と振り返る。一方で「認知症の有病率は65歳以上の12・3%、軽度認知障害を含めるともっといる。今は関係ないと思っていても、いずれ認知症や介護者になる可能性がある。親や自分が元気なうちに地域の認知症カフェや講座などに参加して理解を深め、備えてほしい」と呼びかける。
オレンジ照明で啓発
東京都立大学南大沢キャンパスにある「光の塔」が、認知症普及啓発のシンボルカラーのオレンジ色にライトアップされる。9月22日(月)まで。
市の認知症月間の取り組みに、同大が地域貢献の一環として協力したもの。「地域の皆様への認知症に関する啓発につながれば」と同大。市内ではJR八王子駅北口マルベリーブリッジのオブジェや東京たま未来メッセの大階段も同様にライトアップ。市役所などにオレンジ色のマリーゴールドも展示されている。
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