川崎区・幸区版【9月19日(金)号】
水が溢れる道路=中原区下新城付近

川崎市 記録的大雨、各所で被害 鋼管通で通行規制も

 9月11日、首都圏を襲った記録的な大雨。川崎市では局地的に1時間で100ミリの雨が降り、各所で道路冠水や浸水被害に見舞われた。

 気象庁は午後1時53分、川崎市に大雨(浸水害)、洪水警報を発表。雨足は徐々に強まり、川崎区では1時間の降雨量が66ミリ、幸区では70ミリを記録した。一方、高津区では116・5ミリ、中原区では市内過去最大となる131・5ミリを観測した。数年に一度レベルの短時間の大雨を観測・解析した際に発表され、災害の危険度の高まりを伝える「記録的短時間大雨情報」が2時51分以降繰り返し出され、3時48分、市は危険な場所から全員の避難を促す警戒レベル4の土砂災害警戒情報を発表した。市危機管理本部では災害応急対策活動要因を増強する警戒体制1号動員(浸水被害)、2号動員(土砂災害)を発令、全区で災害対応シフトが取られた。

浸水、道路冠水も

 市の発表では、川崎区鋼管通や中原区小杉町、高津区末長のアンダーパスをはじめ市道8カ所で道路冠水による通行規制を実施。武蔵中原駅や高津区役所などでエレベーターが浸水により停止したほか、宮前区の民地ではフェンスの倒壊も発生した。このほか主に川崎区、中原区、高津区、宮前区で民間や関係部署から多数の通報が寄せられ、一時的な道路冠水や建物への浸水などが確認されている。川崎区の大島四ツ角付近で店を営む50代男性は「店は土のうのおかげで浸水することはなかったが、交差点は水没し、大変な状況だった」と振り返った。

 市では今回の大雨被害に関して、中原、高津、宮前の3区役所で連休中も罹災証明の臨時受け付けを実施。発災後から16日(午前9時時点)までに、あわせて88件の申請があった。市危機管理本部では「こうしたゲリラ豪雨は、短時間で大量に雨が降り、川が急に増水するなど非常に危険。普段から自治体の呼びかけや気象情報に注意し、対応を確認するなど備えを進めてほしい」と話している。

Upsy-Daisy

地元教室主催 四半世紀超えるタップフェス 全国からダンサー集う

 中原区にあるタップダンス教室「Bloomove」主催による「KAWASAKI TAP FESTIVAL HOOFERS 2025」が9月13日〜15日、ラゾーナ川崎プラザソル(幸区堀川町)で開催された。北海道から鹿児島まで、全国各地のダンサーが集まり、プロアマ問わずさまざまなステージが繰り広げられた。

「川崎にタップを」

 同教室代表の藤川誠さん(55)が「地元川崎でタップダンスを盛り上げたい」との思いから、2008年にスタートした同フェスティバル。プロダンサーのソロパフォーマンスほかに、若手の登竜門となるソロコンテスト、ユニットでのパフォーマンスと、3部構成になっているのが特徴だ。

 国内最大級のタップダンスの祭典「NATIONAL TAP DANCE DAY」を主催する同事務局によると、全国のタップダンススタジオは約150〜300程度。アメリカ発祥のタップダンスは、日本ではまだまだマイナーなダンスだという。

 そんな中、藤川さんは回を重ねるごとに根付きつつあることを実感。16回目を数える今回は全国各地からダンサーが集まり、ソロコンテストはキャンセル待ちが出るほど盛況だった。

さまざまなユニット出演

 15日に行われたユニットパフォーマンスには、ゲストを含め13組のユニットが出演。男女混合の8人組ユニット・Upsy-Daisyなどが個性あふれるダンスを披露した。各ステージの後には、MCの藤川さんが出演者にインタビューを実施。ダンスの出来栄えなどを尋ねながら、観客とも感想を共有し、終始和やかな雰囲気でステージが進んでいった。

 藤川さんは「とにかく楽しく、もっと楽しくがモットー。今後も回を重ねて、誰もがタップダンスを楽しめるようなお祭りにしていきたい」と意気込みを語った。

桐光学園野球部の新監督に今夏就任し、チームの指揮をとっている 天野 喜英さん 相模原市在住 41歳

薫陶を胸に 進化を誓う

 ○…春1回夏4回甲子園に出場、全国的に注目を浴びる神奈川県で「四天王」とも称される高校野球の強豪・桐光学園。約40年にわたりチームを率いて今夏に勇退した野呂雅之前監督の後を継ぎ、名門の指揮を任された。出身校でもあり、コーチとしても14年目。「体に染みつきすぎている」というほど近くで学んできた恩師の教えを継承する決意を固め、「一つ一つのプレーを丁寧に、自分たちから崩れない、最少失点で守り勝つ野球をより進化させていきたい」と抱負を語る。

 ○…相模原市出身。小1から野球を始め、中学で硬式へ。チームの柱として全国大会に出場するなどの活躍が野呂監督の目にとまり声をかけられた。第一印象は「シュッとしていて格好良い監督だな」。運命の出会いを経て桐光学園に入り、卒業後は指導者の道も見すえて東海大学に進学。セガサミーに6年勤め、2012年に体育教員として母校に着任した。

 ○…毎朝40分ほどグラウンドを走るのが日課。オフは近所のスーパーへ買い出しに行くなど家での時間を過ごすが「家族サービスとまで言えるかなあ」と少し気恥ずかしそう。父の背中を追って2人の息子も野球に打ち込んでおり、キャッチボールで心を通わせる。

 ○…2001年春の選抜で、桐光学園として初めて甲子園の土を踏んだときの主将で捕手。初出場が決まった当時、新百合ヶ丘駅に掲げられた懸垂幕を見て「皆さんに応援されて野球ができている。桐光の一員として、一人の人間として、しっかり行動しなければ」と襟を正したことを覚えている。「野呂監督には『いろいろなことに気づきなさい』と言われてきた。社会で必要とされる人間になろうと」。野球を通じて学んだ「人間教育」を受け継いでいく。

過去の開催風景

銀柳街でスリッパ卓球 10月5日 参加無料

 全かなスリッパ卓球選手権大会実行委員会と川崎銀柳街商業協同組合の主催による、スリッパ卓球大会が10月5日(日)、銀柳街(PIA前)で開催される。午後1時〜4時(0時半受付)。参加無料、雨天決行。

 県内各所の商店街で開催されている同大会。当日受け付けた64人(先着)で、トーナメント戦を行う。1〜3位には銀柳街で使える商品券など豪華景品も。

 銀柳街ラウンドには、川崎を拠点に活動する卓球Tリーグ所属の木下アビエル神奈川と木下マイスター東京が全面協力。櫻井花選手(木下アビエル神奈川)などとエキシビションマッチも予定している。

 同組合の吉澤慶太理事長は「いつもは食事や買い物に来る商店街で、体を動かしてみませんか」と参加を呼び掛けた。

白熱したボッチャ大会

日吉地区ボッチャ大会 「だんごむし」が頂点に

 日吉地区スポーツ活動振興会主催によるボッチャ大会が9月7日、日吉合同庁舎(幸区南加瀬)で開催された。

 同大会には日吉地区の12の町内会・自治会から、22チームが参加。幅広い年代がプレーし、パークシティ新川崎自治会の「だんごむし」が頂点に輝いた。準優勝はレジデンシャルスクエア自治会の「シニア倶楽部(A)」、3位は鹿島田町内会の「鹿島田チーム」だった。

 同大会で上位に入った8チームと、抽選で決定した4チームを合わせた12チームが、10月19日に実施される幸区ボッチャ大会予選への出場権を手にした。

ミストシャワーを浴びる幸町小学校の児童ら

幸町小学校 ミストシャワー設置で快適 「ずっと浴びてたい」

 気温33℃となった9月8日。厳しい暑さの中でも、幸町小学校の児童たちはどこか涼しげだ。

 夏休み中の8月8日、同校の昇降口にミストシャワーが設置された。同校PTAの中橋直紀会長が昨今の猛暑を鑑み、ミストシャワーの寄付を思案していたところ、本紙の過去記事で同様の取り組みをしている川崎市建設青年会を発見。知り合いのつてを辿って連絡し、当初は有償で取り付けてもらう予定だったが、同会の厚意で無償での寄付が実現した。

 中橋会長は「建設青年会の皆さまには心から感謝している」と謝意を示し、設置をした同会の石塚太一さんは「子どもたちが少しでも楽しく快適に学校生活を送ってくれれば」と目を細めた。

 ミストシャワーは長さ約14m。同校の本田宏教諭は「水道の蛇口に直接つながっているので使いやすい。子どもたちも気持ちの面で明るくなったと思う」と話す。ほかの教諭にも、登下校時や休み時間、体育の時間などで積極的に利用するよう呼び掛けているという。児童たちは「涼しくて気持ちがいい。ずっと浴びていたい」と笑顔を見せながら、家路を駆けていった。

川崎区で市議補選 10月17日告示、26日投開票

 川崎市議会議会局は9月11日、川崎区選出の山田瑛理市議(無所属)が議長宛に提出していた辞職届について、本会議で許可されたと発表した。

 これを受け市選挙管理委員会は9月12日、同区での補欠選挙の実施を決めた。10月17日告示、投開票は市長選と同じ26日となる。

戦中の記憶を静かに語ってくれた小林さん

戦後80年 戦禍の記憶【12】 中原区小杉御殿町在住 小林美年子さん(93) 『海ゆかば』歌い迎えた英霊 近衛兵の従兄も「負ける」

 今もなお聞きたくない歌がある。記憶の奥底にしまい込んだままの歌の名は『海ゆかば』。天皇への忠誠心と死を恐れない覚悟を表した歌詞……。太平洋戦争末期、かっぽう着姿の女性らに交じり、まだ10代前半だった少女がこの歌を歌いながら駅に到着した英霊たちを出迎えた。「母の代わりに行かされたんです。何とも言えない悲しさと、この場にいたくないという嫌な気持ちがあふれ、心の中で激しく葛藤していました」

 横浜市鶴見区で育った。戦争が激しくなると、敵機の襲来を知らせる空襲警報が響くようになり、夜は電気に風呂敷をかぶせて外に光が漏れないようにした。1945年3月10日の東京大空襲は、自宅から東の空が真っ赤に染まるのが見えた。「ここには住み続けられない」と、母や妹と親戚のいる愛甲郡愛川町田代に避難した。

 疎開先では離れにあるあばら屋から厚木の女学校に通い、自給自足の生活を送った。肥桶を担いで畑仕事に精を出し、まき割りやわら草履も自ら編んだ。田んぼで捕れるイナゴは貴重なたんぱく質とカルシウム源。夕暮れには川に行き、アユを釣った。サイズが合わなくなったセーターはほどくときに編み方をノートに書き、人に教わることなく編み返した。「こうしないと着るものがなかった」。女学校の体育の授業ではなぎなたを訓練し、バケツリレーも経験した。周囲はみんな、それが当然のこととして受け入れていた。

 その後、40歳に近い叔父にも召集令状が届いた。「叔父が『こんな歳の者が駆り出されるようでは日本は危ないな』と言ったことをはっきり覚えています」。また、近衛兵だった従兄も『この戦争は負ける』と口にしていた。「常識のある大人は知っていて、無謀な戦争とわかっていたのでしょう」

 終戦は疎開先で迎えた。玉音放送が流れた日のことは忘れない。その親戚宅では、酒やしょうゆの醸造所を営んでおり、海軍の将校らが燃料となるアルコールを求めて連日のように通ってきていた。「海軍の若い将校さんたちは涙を流していましたね」

 『海ゆかば』を聞くと、今でも当時の記憶がよみがえる。「戦争は絶対にいけない。若い人たちが国のために、大切な命を犠牲にすることはあってはならない」 

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今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。

ワークショップの様子

ワークショップで政治考える ことばすけっと イベントレポート

 市民団体「ことばすけっと」が「わたしが政治と向き合うとき」と題して、生活と地方議会の関係性や、今後の議会の活用を考えるワークショップを8月30日に開催した。場所は多世代の居場所「メロディーココ」(幸区中幸町)で10〜70代の23名が参加した。ゲストには、地方議会からジェンダー平等を実現するために活動する「FIFTYS PROJECT」の神奈川支部から鈴木美乃里さんを招いた。

 同プロジェクトは、20代・30代の女性(トランス女性を含む)やノンバイナリー、Ⅹジェンダーの方の立候補呼びかけや支援のほか、構造的に生まれている不平等について学ぶ講座を開催している。鈴木さんからは、地方議会議員への提言を通じて、自身が居住する自治体の制度が見直された経験や、藤沢市議会への陳情を経て選択的夫婦別姓に関する意見書が提出された事例などが紹介された。参加者間では、今期の川崎市議会での請願・陳情の提出状況や、北海道栗山町議会などで定期的に実施されている、定例会後に全議員が班ごとに地域に赴く出前報告会の事例も共有された。また、他都市の議会との比較により情報共有度や住民参画度の立ち位置を認識できることも確認した。

 後半のグループワークでは、地方議会を身近にするためのさまざまなアイデアを出し合い、次のような案が共有された。

【議員との距離を近く】

 議員と雑談や世間話をする/議員同士の討論の場をつくる/「先生」呼びをしない/どんな小さなことも議員に相談してみる

【議会の動向・議員を知る】

 本会議、委員会の傍聴に行く、友人を誘う/裁判員制度のようなくじ引き傍聴制/小学1年生でも分かる議会サマリーを公開する/各議員の一般質問の時間を数字で可視化する/議会運営を自治体間で比較する(市民との関係性を中心に)

【まちに話せる場を】

 安心して政治の話ができる場づくり/議会について教え合う場づくり/考えが違う人と建設的に対話するスキルを磨く(けんかせずに!)

【選挙】

 議会改革に取り組む議員を選ぶ/立候補のハードルを下げる/マイノリティ、女性の立候補のしづらさを解消する

 その他に出されたアイデアは「ことばすけっと」のインスタグラムでも公開予定。主催者の一人の佐々木さんは、「参加者の皆さんと知恵を出し合い、これまで気づかなかった視点を得られた。さまざまな方法で議会と関わると、まちでの暮らしがおもしろく感じられそう」と語る。

   ■ ■ ■

 次回の「ことばすけっと」は9月27日(土)午後0時30分〜4時に幸区のコミュニティカフェ「メロディーココ」で開催される。テーマは設けず、出入り自由で参加可能。大人は参加費500円(ドリンク付き)。詳細は公式インスタグラムアカウント(@kotoba.sket)、メール:kotoba.sket12@gmail.com。

中国、インド文化に触れる 9月20、28日 教文で

 中国とインドの文化や教育に触れながら多世代・多文化交流を行う「グローバル交流イベント」が9月20日(土)と28日(日)、市教育文化会館(川崎区富士見)で開催される。20日が午後1時30分から4時30分まで、6階大会議室。28日は午前の部が10時30分から正午、午後の部は1時30分から4時30分まで、1階イベントホール。

 20日は、インドの数学と日本語教育、インド舞踊を体験する。講師は、元川崎区小中学校英語講師でかわさきグローバルアカデミー顧問のべへラプラティマさん。

 28日は、中国珠算大会(午前の部)と文化体験交流(午後の部)が行われる。講師を務めるのは、博文中文学校校長の盧明華氏。

 参加費は無料。定員は100人で当日先着順。

 問い合わせは、一般社団法人グローバル文化協働支援センター【電話】044・222・3582。

講演会(昨年)で講義する広木氏=提供

ぷれ〜ん主催 不登校を考える 市教育文化会館

 不登校に関する講演と座談会が10月4日(土)、市教育文化会館(川崎区富士見)で開催される。午後1時半から4時。主催は不登校の子どもの居場所作りや、親の相談場所作りに取り組む「ぷれ〜ん〜ありのままでいいじゃん〜不登校を考える親の会in川崎区」。

 講演では講師に神戸大学名誉教授の広木克行氏を迎え、向き合い方のヒントを探る。座談会では参加者とともに、不登校に関する悩みや情報を共有する。

 参加無料。先着30人。申し込みと問い合わせは【電話】090・6706・5454(城谷さん)、メール:shirotani.soichi@kawasaki.coop。

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優勝を喜ぶ元木1・2丁目メンバー

元木1・2丁目がⅤ4 川崎地区男子ソフトボール

 「川崎地区男子ソフトボール大会」が9月7日、県立川崎高校で開催された。

 川崎地区(中央、渡田、大島地区)の13町内会のチームが参加。トーナメント方式で行われ、元木1・2丁目が大会を4連覇した。キャプテンの澤出一彦さんは「チーム全員の粘り強さと団結力のおかげ。暑い中、選手たちはよく頑張ってくれた」と述べた。

 結果は次の通り。優勝=元木1・2丁目▽準優勝=大島五丁目▽3位=大島4丁目、中島 4チームは来年5月に開催予定の川崎区大会の出場権を獲得した。

自宅のスタジオで練習する大西夫妻

演奏家の大西夫妻 障害受け入れ、情熱届け 10月24日 チャリティコンサート

 障害を抱えながら、演奏活動を続けている夫妻がいる。コントラバス奏者の夫・大西雄二さんと、ピアニストの妻・大西ますみさんだ。地元のエポックなかはら(JR武蔵中原駅直結)で10月24日(金)に開催されるチャリティコンサート(主催・日本オストミー協会川崎市支部/坂本純支部長)への出演が決まり、自宅のスタジオで練習を重ねている。

夫の言葉が光照らす

 チェンバロ奏者として活躍していたますみさんは、2015年に脳出血を発症。右上下肢機能障害と診断され、右手・右足が不自由の身となった。「ピアノが弾けなくなるかと思い、失意のどん底だった」と絶望の淵に立たされる中、雄二さんから左手のピアニスト専用の楽譜があることを聞いた。「第二次世界大戦の頃、左手の音楽の父と呼ばれた著名なピアニストがいて、世の中に左手専用の楽譜が幾つもあるよ」。ますみさんに再び笑顔と意欲が戻った。

日常生活、前向きに

 それから2年後、今度は雄二さんを病魔が襲う。排尿時の違和感が続き、医師に診断されたのは「膀胱がん」。摘出すれば人工膀胱(オストメイト)になることは分かったが、とまどいはなかったという。「医師を信用するだけ」。現在は腹部にストーマ(人工膀胱の排せつ口)を装着した日常生活を送っている。それでも、「もっと大きな障害と向き合っている人もいる」と捉え、気持ちは常に前向きだ。

 生活に不便な面はあるが、得る学びも多いという。その一つが、人とのつながりの輪。障害者が集う場でも、ますみさんは遠慮なく積極的にコミュニケーションをとる。「障害の子をもつ母親に話しかけると喜んで受け応えしてくれて、それがうれしくて。みな強くて逆に私がパワーをもらうことも多いんです」

 障害者となっても演奏家としての情熱が変わることはない。いまも全国各地に出向いては、会場を訪れた人に、感動と幸せを与え続けている。NHKの朝ドラでも話題となった『見上げてごらん夜の星を』をはじめ、幾つかのアンサンブルを今回も届ける予定だ。

昼夜2回、ミニ講座も

 坂本支部長は「オストメイトに関するミニ講座も開催します。ぜひ楽しみながら知識を深めて」と呼び掛けている。

 開演は、昼の部3時、夜の部7時(開場は各30分前)。入場無料。(問)同協会事務局【電話】080・8048・1932

山田瑛理氏

市長選 山田瑛理氏が出馬へ 元市議、無所属で

 任期満了に伴い10月26日(日)に投開票される川崎市長選挙に、元川崎市議会議員の山田瑛理氏(42)が9月12日、立候補する意思を表明した。

 川崎区出身の山田氏はソニーの子会社に約12年半勤めた後、2019年の川崎市議選に自民党公認で川崎区から出馬し初当選。2期目の途中、9月11日に市議を辞職し、無所属で出馬することを決めた。山田氏は同党に離党届を提出している。

 12日に行われた会見で「参院選の結果に市民が今何とかしてほしい、今大変なことがあるということを感じた。幸せな未来をつくるには市長でないとできない」と市長選へ思いを語った。庶民感覚を生かし2児の母親目線で、教育格差の是正、年齢を問わない留学支援、中小企業支援などを訴え「今に応え、希望、夢があふれるまちにしていきたい」と語った。

 市長選には、これまでに新人の國谷涼太氏、現職の福田紀彦氏、新人の宮部龍彦氏、野末明美氏が出馬の意向を示している。(9月14日起稿)

マンホールトイレの構造(断面図)

災害時のトイレ対策方針 川崎市 在宅避難の備え求める 10月31日までパブコメ

 川崎市は「災害時のトイレ対策方針(案)」をこのほどまとめ、9月8日からパブリックコメント(市民意見募集)を開始した。過去の災害の教訓を踏まえ、下水道設備を利用したマンホールトイレの整備や在宅避難時の携帯トイレに関する啓発などを進めていく方針だ。

 内閣府は2024年1月の能登半島地震の被災地の状況などから、同年12月に「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」等を改定し、市町村に対し、在宅避難者等の支援方策を検討するよう求めている。これを受けて川崎市では今年4月、4つの方向性を盛り込んだ「新たな災害時のトイレ対策の考え方について」をまとめ、市議会総務委員会に提示。今回の方針案では「考え方」の内容を整理し、一部を拡充した。

 方針案では3つの方向性を掲げている。

 一つ目が「避難所におけるマンホールトイレを軸としたトイレ対策への転換」。これまでは避難所などに設置する仮設トイレを軸に対策を進めていたが、各地の災害では、避難所のトイレが詰まって使用禁止になったり、仮設トイレのし尿処理が追い付かずに不衛生な状態になるなど、課題が指摘されていた。そのため市では既設の下水道管を利用したマンホールトイレの設備を、31年度までに計174カ所の避難所(24カ所は整備済み)に整備する方針だ。

トイレも「自助」重要

 二つ目が「市民の具体的な行動につなげる自助・共助への働きかけ」で、4月の「考え方」より項目の昇順を上げて内容を拡充した。市ではマンションなど共同住宅の居住率が7割を超え、人口規模も大きいことから在宅避難が中心になる。しかし携帯トイレを3日分以上備蓄する世帯の割合は32・1%、災害時のトイレの使用方法を知る人は34・5%で、市民の備えが十分ではない。「自分の命は自分で守る」という「自助」の意識を高めるよう、市民への啓発を進めるという。

 そして三つ目が「共助・公助が連携したトイレ対策の地域展開」。市は「川崎市防災協力事業所登録制度」により、これまでに389の民間事業者から災害時のトイレ利用などの協力体制を構築してきた。市の担当者は「今度は地域のスーパーなどにも協力を得られるよう、声掛けしていく」としている。

 方針案は市のウェブサイトのほか、各区役所や図書館などで閲覧できる。意見提出は10月31日(金)まで、専用フォームや郵送のほか、市危機管理本部危機管理部などで受け付ける。問い合わせは市の危機管理部【電話】044・200・2842。

緑化かわさきフェア 川崎市 経済効果は89億円 公式記録まとまる

 川崎市制100周年を象徴する事業として開催した「第41回全国都市緑化かわさきフェア(かわさきフェア)」の全容をデータと写真で記録した公式記録を、川崎市がまとめた。計53日間の祭典がもたらした経済効果や波及効果なども分析、総括している。

 1983年から続く都市緑化フェアで初めて、かわさきフェアは2024年秋と25年春の2期制で開催された。市の公式記録によれば、来場者数は約162万人で、秋開催(24年10月19日〜11月17日)の30日間の来場者数は約94万人、春開催(25年3月22日〜4月13日)の23日間の来場者数は約68万人だった。

 主要会場の来場者数は、富士見公園(川崎区)は計71万5千人、等々力緑地(中原区)は約60万4千人、生田緑地(多摩区)は約30万4千人。年齢別では、秋開催は50代以上の世代が過半数を占めた一方で、春開催は10歳未満を含む40代以下の世代が52%だった。来場者の居住地は秋も春も川崎市内が6割以上で、神奈川県内(市を除く)は3割弱だった。

「地域経済が活性化」

 「かわさきフェア実行委員会」の経費(予算ベース)は約25億円。一方で、来場者への調査結果から算出した消費額などから推計した神奈川県内への経済波及効果は計135・2億円だった。このうち川崎市内への波及効果は88・7億円で、「直接効果」は69・4億円、直接効果を受け経済活動が活性化するなどの「間接効果」は19・3億円と推計。公式記録では、フェア開催が県内や市内に経済波及効果をもたらし、「地域経済の活性化に大きく貢献した」と総括している。

 市はかわさきフェアの開催にあたり、「みどりで、つなげる。みんなが、つながる。」をテーマに掲げ、多くの市民が自然と関わる機会を創出し、緑を通じたコミュニティーの活性化を目指した。市内170の市立小中学校・特別支援学校すべてで花苗づくりの取り組みを実施し、枯れた花摘みなどを支えた市民ボランティアは大学生や高校生を含む458人だった。会場やネットで実施した来場者アンケートでは、フェアを通じて「花やみどり、自然への関心が高まったか」との質問に「高まった」「やや高まった」と答えた人は、秋も春も9割近かった。

 市の担当者は「緑を通して様々な形で地域に関われることを、フェアで多くの方に感じていただけた。ボランティアの方々が新たな活動を始めるなど、継続的な動きも生まれている。何をレガシーとして残せるか、今後の取り組みも大切」と話している。

 公式記録は市の公式ウェブサイトのほか各区役所などで閲覧できる。

開催告知のポスター

川崎競輪場 魅力紹介コーナー 九ちゃん通信

9月28日マルシェ日野未来さんトークショーも

 地域活性化を目的に、川崎競輪場が開催する好評企画「カワサキKEIRINマルシェ」。その第3回開催が9月28日(日)午前11時から午後8時に、西スタンド付近で実施されることが決まった。雨天開催。

 グルメでは日本酒、黒糖わたあめ、米粉たこ焼き、卵焼き、角煮丼、こだわり鶏カレー、クレープなどが味わえる。グルメ以外にもハンドメイドアクセサリーや羊毛フェルト商品、古着・ヴィンテージアイテムの販売のほか、耳つぼジュエリー体験などもできる。

 人気の野菜市場は午後4時10分にオープンし、川崎市産野菜「かわさきそだち」を中心とした新鮮野菜を驚きの価格で販売予定。購入は1人1000円まで。

 この日開催される競輪に親しんでもらう「競輪応援ゲーム」も行われ、各レース毎に1着を当てるとお菓子がもらえる。また、午後3時10分頃には元ガールズケイリン選手の日野未来さんのトークショーも行われる。

 詳細は、同競輪場ウェブサイトhttps://www.kawasakikeirin-marche.com/を参照。
ポールウォーキングを行う参加者

GO!GO!!フロンターレ

秋冬開催の運動教室

 フロンタウンさぎぬまは、日々の健康を気遣う人向けに、運動教室を開催している。

 教室の前半では、屋外で専用ポールを使った正しい姿勢でのウォーキングや、軽い筋力トレーニングを行い、全身運動で運動効果を高める。転倒予防や足腰への負担軽減が見込まれる。

 後半は室内でマットに横になりながらストレッチ。ゆっくりと体をほぐして、心までリフレッシュする。いつまでも元気な脚腰で自立した生活を続けたい、健康寿命を延ばしていきたいという人におすすめだ。

 12月19日(金)までの毎週火曜日と金曜日の開催で、火曜日は午後1時〜2時と2時30分〜3時30分の各2回、名称は「ロコ体操教室」。金曜日は午後1時〜2時10分の1回で、名称は「ポールウォーキング&ストレッチ教室」(宮前区との連携事業)。

 両教室とも予約制先着20人。火曜日は前月の15日、金曜日は開催1週間前から受付(どちらも午前10時)。1回600円。申込みはフロンタウンさぎぬま【電話】044・854・0210、または同所カウンター。

画像はいずれも川崎フロンターレ