川崎区・幸区版【10月3日(金)号】
ラップ調のコールに合わせて手を振るハルモニたち

ハルモニも叫ぶ ヘイトに「NO」ラップで 約500人参加 川崎区でパレード

 音楽やパレードを通して差別に「NO」の声を上げるイベント「かわさきともにフェス&ノーヘイトパレード」が9月28日、富士見公園(川崎区富士見)で開催された。市民約500人(主催者発表)が参加。パレードでは、川崎駅前までの約2Kmをラップ調のシュプレヒコールで反差別を訴えた。

 今年7月の参院選で広がった排外主義に危機感を持つ市民有志が企画。パレードの出発地となった同公園では、アーティストによる音楽演奏が繰り広げられたほか、差別根絶に取り組む識者らがあいさつに立った。ジャーナリストの安田浩一さんは「川崎は色彩、音、さまざまな言語が溢れる豊かなまち。この風景を守り続けるためにきょうのフェスがある」と意義を強調。師岡康子弁護士は選挙ヘイトについて「民主主義の名の下で差別を広げている。卑怯で許してはいけない」と述べ、川崎市長選でも注視していこうと呼びかけた。

 パレードでは、ラッパーらがサウンドカーに乗り込み、ヒップホップ調の音楽を流しながら「人種差別NO、NO、NO」「いろんなルーツYES、YES、YES」のコールで隊列をけん引。桜本の在日高齢者クラブトラヂの会のハルモニ(おばあさん)たちは音楽に合わせ腕を振って差別反対を叫んだ。

 イベントに参加した50代の女性は「差別をなくさねばならない思いを強くした」と語った。

 実行委員を務めたFUNIさん(42)は「ヘイトスピーチ自体がダメだと大人たちが本気で楽しみながら示したかった。ハルモニが最後まで参加してくれたのが嬉しかった」と述べた。
AIで生成した空き家のイメージ画像(川崎市提供)

「対策計画」改定1年 市、空き家52戸に改善指導 予防の啓発チラシも作成

 年々増加する空き家の問題を解消するため、川崎市の「第2期空家等対策計画」の一部が昨年8月に改訂されて1年が過ぎた。行政指導の対象となる「管理不全空家」に52戸が認定されるなど新制度の効果は見られるといい、市は制度に関する啓発チラシを作成して一層の周知を図る構えだ。

 全国的に空き家は増え続けており、総務省によると2023年の時点で約900万戸という。このため国は23年12月に「空家法」の一部を改正し、市区町村が空き家の持ち主などに改善を促しやすいしくみを整えた。

 川崎市内の空き家も増加しており、23年時点で戸建て住宅約6千戸が空き家の状態だ。市は「空家法」の改正に伴い、昨年8月に「第2期空家等対策計画」を改定。保安上の危険が生じる可能性のある空き家などを「管理不全空家」と認定して指導・改善を促し、対応が見られない場合には「勧告・命令」のうえ、固定資産税の軽減措置を解除する制度となった。

 市によると、昨年9月の新制度開始から今年3月までに「管理不全空家」と認定されたのは52戸。所有者に対して文書で適切な管理を求めた結果、解体を始めたり、更地に戻したりしたケースが確認された。一方で対応が確認されないため「勧告」に至ったケースは13件で、このうち市が裁判所に清算の申し立てを行ったケースも2件あった。いずれも清算人による解体などの作業が進められているという。

 市の担当者は「新制度により少しずつ空き家の解消につながっている」と語る。より広く制度を周知する必要があるとして、このほど啓発チラシを作成し、区役所などで配布する。市ではまた、地域活動などに空き家を利用したいと考える希望者と、空き家の所有者を市がつなぐ「マッチング制度」も試行実施中だ。

 空き家に関する相談窓口は所有者向けが市住宅供給公社【電話】044・244・7590、空き家の近隣住民は市住宅整備推進課【電話】044・200・2253。各区の地域振興課でも受け付ける。

かわさきジャズ2025のBRIDGEアーティストに選出された 山田 ゆきさん 川崎市内在住 44歳

ジャズを届ける橋に

 ○…今年で11年目を迎える「かわさきジャズ2025」を盛り上げる「BRIDGEアーティスト」に選出。「連絡が来た時はうれしかった」と話し、24日にはラゾーナ川崎で初ステージ終え「多くの人に観て頂き楽しかった」と感謝を伝える。歌い始めて約15年。今回初めての作詞作曲にも挑戦し、川崎市の街並みを歌った「Swing Harmony」を引っ提げて8公演出演していく。「ジャズでみんなをつなげたい」

 ○…名古屋市出身。実家は開業医。父は産婦人科医、母は薬剤師で両親ともに日夜関係なく忙しかった。祖母と編み物遊びで幼少を過ごし「手を動かすのが好きでした」と振り返る。高校の時に女性の歯科医に治療してもらい「かっこいいな」と憧れを抱き、この道を歩む。現在は訪問歯科として現役の歯医者の日々、奮闘する。

 ○…ジャズの影響は母から。趣味で母もステージで歌っており、車の中は母の練習スタジオだった。一人暮らしを始め、母の聴いていた曲をまちで耳にした。感性が追いつき「気持ち良さそうな歌声」とジャズの魅力に気付いた。思えば中学では合唱部。高校でも友達と歌いながら帰っていた。「私も歌いたい」と思い、歯科医院に勤務しながらライブハウスで歌うように。世界で活躍するジャズピアニストとも出会い「ジャズはお客さんと一緒に作るもの」と教えられ、観客の手拍子も音の一つと学び、共に楽しむことを覚えた。3枚のアルバムをリリースし、各地のジャズクラブに出演と、シンガーとして階段を登っていった。

 ○…家族は夫と子ども2人。人の為に尽くす両親の姿が二足の草鞋を履く原動力。その背中を追い、次は子ども達に「パワフルな母ちゃんを見せたい」と笑顔をみせた。

気合十分で試合に挑む三枝さん(右)

スポーツチャンバラ全日本選手権 幸区在住 三枝さん3位

 幸区在住で古川小6年の三枝継(つぐ)さんが8月31日に横浜武道館で行われた日本スポーツチャンバラ協会主催の全日本選手権に出場。37人がエントリーした楯小太刀4〜6級の部で3位に入賞した。

 スポーツチャンバラは、日本発の新しいスポーツでポリカーボネート製の面を頭に付け、空気で膨らませた「エアーソフト剣」という安全な剣を相手の体のどこかに当てて勝敗を決める。同大会にも日本全国から約1200人が出場した。

 三枝さんは、幼い頃から剣を使って戦うアニメが好きで、父の守さんと自宅でチャンバラごっこをしていた。「スポーツチャンバラ」という競技を知り、保育園年長の頃から守さんと共に習い始めた。

 2020年の全国幼年選手権大会の基本動作初心者年長の部で優勝。切磋琢磨できるライバルにも恵まれ頭角を現すと、2024年同大会楯長剣4〜10級の部ベスト4に輝いた。

 三枝さんは、「中学に入っても応援してくれる家族の為に全日本大会だけでなく、世界大会で優勝したい」と意気込んだ。

次期会頭に窪田氏 川崎商議所

 川崎商工会議所は9月26日、常議員会を開き、次期会頭に窪田雅己副会頭(66)=富士通アドバイザー=の就任を内定したと発表した。11月4日に開催される臨時議員総会で正式に選任される。また、草壁悟朗会頭は10月末で任期満了となり、退任する。

 窪田氏は1958年生まれ。横浜国立大学を卒業後、81年に富士通入社。同社執行役員常務、専務などを経て2022年富士通Japan代表取締役会長CEOに就任。24年には取締役会長を務め、今年4月から現職。11月1日からは同社相談役となる。

若宮八幡宮で秋祭 10月4日、5日

 若宮八幡宮(中村博行宮司)の秋祭が10月4日(土)と5日(日)に開催される。5日は、午前10時から連合渡御が行われ、7基の大人神輿と3基の子ども神輿、6架の唐櫃が練り歩く。川崎大師平間寺境内の山門をくぐり加持を受ける「神輿のお山入り」は祭りのクライマックス。

 4日の午後4時からは、南大師中学校吹奏楽部による奉納演奏が行われる。

右奥から時計回りに、萬谷純さん、息子の漣くん、かおりさん、須山さん

FM大師で新番組 FM大師オリジナル番組紹介【4】 「1枚の写真(スタジオ・シモムラ)」

 川崎区中心のコミュニティーFM放送局・FM大師で新番組「1枚の写真(スタジオ・シモムラ)」がスタートしています。

 川崎区の老舗写真館「スタジオ・シモムラ」の提供で、同社の萬谷(よろずや)かおりさんとナビゲーターの須山成美さんがトークをお届け。これまでに同社が撮影してきた写真などを振り返りながら、その背景にある家族のストーリーなどを紹介します。

 毎週第2・4金曜日午後3時〜4時の放送。萬谷さんは「プリントして残すことの良さ、写真の手触りを伝えていきたい」と話します。

グループに分かれてAED訓練などを体験する参加者

川崎東郵便局 有事の備え万全に 防災訓練実施

 川崎東郵便局(川崎区東扇島)主催による、地震や津波などを想定した防災訓練が9月17日、同所で実施された。協力は臨港消防署。

130人参加

 同郵便局社員のほか、近隣の山九株式会社、横浜税関川崎外郵出張所、日本郵便輸送株式会社の社員職員ら総勢130人が参加した。避難訓練では震度6強の地震と5mの津波を想定。「窓のそばから離れて」などといった館内放送が入り、揺れが収まったことが伝えられると、参加者らは階段で地上から9mの高さにある3階発着場と屋上の二手に分かれて、避難を行った。全員が避難場所に着いたのは、放送から約10分後。各部署の担当者が点呼を行い、全員の無事を報告した。

「消火器、赤ちゃんより重い」

 避難訓練が終わると、参加者らは3階発着場に移動。3グループに分かれて順番に消火訓練、AED訓練、起震車による地震体験を行った。

 消火訓練では、訓練用に水が出る仕組みの消火器を使い、火に見立てたカラーコーンに向かって模擬的な消火を実施。消防士からは「消火の際には火の上部ではなく、根本を狙うこと」などといったアドバイスが伝えられた。同局の木村栞さん(35)は「消火器は赤ちゃんより重かった。持てない場合は地面に置いてやってもいいと教わり、学びが深まった」と語った。

 前川光浩局長は訓練後のあいさつで「まずは避難経路と一時避難場所をそれぞれで共有してほしい」と述べ、参加者らの啓発に努めた。

パレードを先導する光邦さん

秋の交通安全啓発 光邦さんが一日警察署長

 幸区交通安全対策協議会、幸警察署、幸区役所など計6団体の主催による「秋の交通安全キャンペーン」が9月22日、ラゾーナ川崎平面駐車場西などで開催された。

 会場では起震車や自衛隊のトラック、ビーチパトロールに用いられるライフセーバーカーなどを展示。買い物の途中で母親と立ち寄り、バスの運転席に座る体験をした男児は「ハンドルが大きくて楽しかった」と笑顔を見せた。

 南河原銀座商店街(ハッピーロード)では、幸署の一日警察署長を務めたFMヨコハマのDJ・光邦さんが、カラーガード隊「レッド・ウイングス」と市消防音楽隊を率いてパレードを先導。「秋は日が落ちるのが早くなり、交通事故が増える季節。早めのヘッドライト点灯を」などと注意を呼び掛けた。パレードは西口通りを経由してシンフォニーホール前の交差点を左に曲がり、ラゾーナ川崎平面駐車場まで約30分間練り歩いた。

開催をお知らせするチラシ

10月5日 江戸の文化や賑わい、体験 東海道川崎宿場まつり

 東海道川崎宿場まつりが10月5日(日)に川崎駅周辺で開催される。

 江戸時代の川崎宿の賑わいを現代に蘇らせ、当時の情緒や街の活気が楽しめる秋の恒例催し。

 午前11時からは、殿様や武士など和の仮装した人々に加え、沖縄伝統芸能の「じゅり馬」などが川崎銀座街から六郷の渡し跡までの約1・4Kmの道のりをパレード。また多摩川河川敷や六郷橋下流側広場では、川崎フロンターレや川崎ブレイブサンダースによるスポーツ体験企画や地元グルメの出店も。

 午前10時からは東海道かわさき宿交流館でお手玉や投扇興などの江戸時代の昔遊びや「東海道五十三次」の中で川崎を描いた「六郷渡舟」の模擬版画体験などが出来る。

 入場無料(一部有料)、詳細は、同まつり実行委員会【電話】045・508・1104。

優勝を喜ぶメンバー

男子ソフトボール 大島上町が初優勝 ひまわり杯

 男子ソフトボールの川崎区大会「ひまわり杯」(主催は川崎区スポーツ活動振興会連合会、川崎区役所)が9月14日、県立川崎高校グラウンドで開催された。

 昨年度に行われた、川崎、大師、田島地区の各大会を勝ち抜いた12チームが出場し、大島上町町内会がトーナメント戦を制して初優勝した。砂田道夫キャプテンは、「まさか優勝できるとは思わなかった。みんな本当に頼れる存在になってくれた。嬉しい」と語った。2位以下は次の通り。▽準優勝=小田中央町内会▽3位=川中島町内会、姥ヶ森町内会

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10月11日県立川崎高で 多様なルーツの先輩が語る キャリア支援相談会

 社会福祉法人青丘社主催による「外国につながる高校生・若者キャリア支援相談会」(川崎区役所、ザリットゾーンビサイト共催)が10月11日(土)、県立川崎高校1階多目的室1で開催される。

 進路や就職を考える高校生や若者が対象。当日はIT企業社員や自治体職員、大学生で、中国、フィリピン、ブラジル、ネパール、インドなどのルーツを持つ先輩たちが自身の経験を語る。

 また、横浜市福祉事業経営者会、神奈川県立東部総合職業技術校、神奈川県立産業技術短期大学校、桜本保育園などの参加団体による学校や職業の紹介、ブース別の相談会も行われる。

 参加費は無料。開催時間は午後1時30分から4時まで。

 事前の申し込みが必要で川崎市ふれあい館へ直接、メールもしくは電話で。10月9日(木)締切。メールアドレス:fureaikan@seikyu-sha.com、【電話】044・276・4800。

おむすびー ZU解散 「一定の役割果たした」

 「川崎おむすび音頭」の普及を行ってきた市民グループ「おむすびー ZU」が解散したことが分かった。各地の盆踊りなどでも披露されていることから、同グループは「一定の役割を果たした」と判断した。代表を務める池田ハルミさんは「グループは解散するが、川崎おむすび音頭は引き続き楽しく踊っていただきたい」と願いを込める。

 川崎おむすび音頭は東海道川崎宿が三角おむすび発祥の地との伝承を知ってもらおうと作成。これを受けて2017年10月1日に同グループが発足した。

フォーラム幸 バザー献品募集

 地域活動支援センターNPO法人フォーラム幸(幸区戸手2の2の2/神戸博代表)は10月18日(土)に開かれる第43回幸区民祭のバザーで販売するブローチやネックレス、スカーフ、マフラーなどの装身具の献品を募集している。

 同法人は障害者が社会参加し、心身ともに豊かに暮らせることを目指し、さまざまな活動機会を提供している。

 同法人の神戸加代子さんは「バザーの売上は障害のある人の支えになります。ぜひご協力をお願いいたします」と話す。献品は、フォーラム幸まで直接持ち込むか郵送(10月13日くらいまで)。受け取りに行くことも可能。(問)同所【電話】044・555・1150

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成田絵麻氏

立民、成田氏を擁立 川崎区市議補選で

 川崎市議会議員川崎区選挙区補欠選挙(10月26日投開票)に、立憲民主党が新人の成田絵麻氏(35)を擁立する。

 成田氏は1989年生まれ。日本航空高校を卒業後、中谷一馬衆院議員の私設秘書を務め、現在は同党神奈川県10区総支部市政担当政策委員。

 成田氏は本紙の取材に「3児の母親目線で子育てしやすいまちにしたい。中学校給食、制服の無償化や学校空調設備の迅速な整備を訴える」と話す。  9月30日起稿

関口実氏

市長選 関口氏が出馬表明 ヘイト対策強化訴え

 任期満了に伴い10月26日に投開票される川崎市長選挙に、多摩区の清掃員・関口実氏(67)が無所属で立候補する考えを、9月26日に明らかにした。

 本紙の取材に対し、精神障害者グループホームで暮らす関口氏は、「国籍や性別、障害の有無にかかわらず、川崎を誰もが幸せに暮らせる街にしたい」と出馬の理由を説明。「差別のない、多様性のある社会を目指す」とし、ヘイトスピーチの対策強化を訴えた。南海トラフ地震に対する防災力の強化にも取り組む意欲を示したほか、ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ問題などにも言及。「平和な世の中に向けて、川崎市としてできることをやっていきたい」と述べた。

 市長選には、これまでに会社員の國谷涼太氏、現職の福田紀彦氏、政治団体役員の野末明美氏、出版社代表の宮部龍彦氏、元川崎市議の山田瑛理氏が出馬の意向を示しており、関口氏が6人目で過去最多となった。(9月30日起稿)

乾杯で盛り上がる客

川崎モアーズ 屋上ビアガーデン盛況 10月13日まで

 川崎モアーズ(川崎区駅前本町)の屋上でビアガーデンが開催されている。10月13日(月・祝)まで。

 サッポロとアサヒの生ビール全3種が飲み放題のほか、「網焼きBBQセット」(定量)では牛、豚などの盛り合わせが卓上グリルで楽しめる。同店の三田裕介さんは「最近は大学生の利用も多い。30人ほどの高校生の団体がノンアルプランで楽しんでいたこともあった」と盛況ぶりを話す。

 宮前区と中原区から訪れた家族連れは「ようやく暑さが落ち着いたので、外で飲むのが気持ち良い。お肉も美味しい」と笑顔を見せた。

コンテストのチラシ

川崎一の妖怪に 妖怪仮装コンテスト

 10月25日(土)に川崎ルフロン前で開催される「川崎駅前フェス」(主催NPO法人カワサキミュージックキャスト)。その第3部で川崎銀柳街商業協同組合「ハッピーハロウィン銀柳街2025」の目玉として行われる「川崎百鬼夜行妖怪仮装コンテスト」(午後3時〜6時)の出場者を募集している。

 仮装の完成度等を競う同イベントでは、優勝者を銀柳街公式妖怪宣伝大使に任命。動画出演等、銀柳街を盛り上げるさまざまな活動に従事できる。銀柳街で使える商品券も謹呈。参加費は1人3000円。年齢性別不問。先着20人で、10月10日(金)締切。アニメ等著作権侵害にあたる衣装は不可。(問)サニーワンステップ 今田さん【電話】080・4145・7832

川崎市役所

不登校の児童・生徒 総務省が健康状況を調査 川崎市も独自対応を調整

 不登校の子どもたちの健康状態を把握できていない可能性があるとして、総務省は10月から全国の市町村を対象に実態調査を始めた。川崎市でも、不登校の小中学生の健康診断に関する独自の取り組みを調整中だ。

 全国的に不登校の児童・生徒数は11年連続で増加しており、2023年度は過去最多の34万6482人。市内でも3261人となり、初めて3千人を超えた。

 不登校の状態にある子どもたちの多くが学校で実施する健康診断を受診できておらず、病気などが見つかりにくい環境にある。そのため総務省では今年10月から来年6月まで、全国市区町村の教育委員会や福祉部局、小・中学校にヒアリングやアンケートで実態調査の上、「改善すべき点が見つかれば当該省庁に改善を促していく」(担当者)という。

 川崎市では、学校で受診する健康診断のほか、市立学校の児童・生徒の全保護者に「保健調査票」を配布し、子どもたちの健康状態を把握している。しかし23年度に市議会で「不登校の子どもの健康状態を把握できていないのでは」との指摘を受けたため、市の医師会と歯科医師会と調整の上、各校に一人ずつの「校医」が所属する診療所やクリニックで健康診断を受けられるよう、環境整備を進めている。

 「川崎市子ども夢パーク」(高津区)内の「フリースペースえん」には約90人の小中学生が通う。夢パーク所長の友兼大輔さんは「不登校の子どもたちにとっても健康診断は大事なこと。市としての対応が求められている」と話している。

(上)投げ初め式の篠山選手(下)記念撮影=DeNA提供

若者文化の新拠点 カワサキ文化公園が開業 Shigekixも祝福

 アーバンスポーツの新たな拠点となる「カワサキ文化公園」(幸区)が9月21日に開業し、同日午後にはオープニングイベントが開かれた。川崎市の福田紀彦市長や公園の運営事業者である(株)ディー・エヌ・エー(DeNA)の元沢伸夫取締役会長らが出席したほか、ブレイキンの世界的パフォーマーであるShigekix(本名・半井重幸さん)もサプライズ登場した。

 バスケットボールやダンスなどを楽しめる場として約8万人に親しまれた「カワサキ文化会館」の閉館に伴い、幸町の国道用地に「会館」の機能を移設。スケートボードの専用施設や、アクロバティックな自転車競技「BMX」のエリアなど、設備を拡充した。

 イベントには市民ら約600人が駆けつけた。DeNAのスポーツ・スマートシティ事業本部川崎拠点開発室室長も務める元沢会長は、「バスケやダンスなどの若者文化は『川崎カルチャー』。この公園で様々なパートナーとサステナブルな取り組みを行い、川崎カルチャーとサステナビリティの二つを強力に推進していく」と語り、福田市長は「素晴らしい施設を作っていただいた。川崎市が応援するアーバンスポーツやカルチャーをここから発信していきたい」と述べた。

 続いてパリ五輪のブレイキン日本代表選手で川崎市在住のShigekixがサプライズゲストとして登場し、パフォーマンスで会場を沸かせた。川崎ブレイブサンダースの篠山竜青選手も「投げ初め式」で華麗なシュートを決め、閉会のあいさつで「この公園でいっぱいチャレンジして失敗して、たくましく元気に育って欲しい」と、集まった子どもたちにメッセージを送った。

 「カワサキ文化公園」の営業時間は、平日午後2時から午後8時までと、土日祝日は午前10時から午後8時までで、営業時間内はスタッフが常駐する。初回利用時に利用登録のうえ、入退場にはパスが必要になる。

AIで生成した空き家のイメージ画像(川崎市提供)

「対策計画」改定から1年 川崎市 52戸に改善指導 予防の啓発チラシも作成

 年々増加する空き家の問題を解消するため、川崎市の「第2期空家等対策計画」の一部が昨年8月に改訂されて1年が過ぎた。行政指導の対象となる「管理不全空家」に52戸が認定されるなど新制度の効果は見られるといい、市は制度に関する啓発チラシを作成して一層の周知を図る構えだ。

 全国的に空き家は増え続けており、総務省によると2023年の時点で約900万戸という。このため国は23年12月に「空家法」の一部を改正し、市区町村が空き家の持ち主などに改善を促しやすいしくみを整えた。

 川崎市内の空き家も増加しており、23年時点で戸建て住宅約6千戸が空き家の状態だ。市は「空家法」の改正に伴い、昨年8月に「第2期空家等対策計画」を改定。保安上の危険が生じる可能性のある空き家などを「管理不全空家」と認定して指導・改善を促し、対応が見られない場合には「勧告・命令」のうえ、固定資産税の軽減措置を解除する制度となった。

 市によると、昨年9月の新制度開始から今年3月までに「管理不全空家」と認定されたのは52戸。所有者に対して文書で適切な管理を求めた結果、解体を始めたり、更地に戻したりしたケースが確認された。一方で対応が確認されないため「勧告」に至ったケースは13件で、このうち市が裁判所に清算の申し立てを行ったケースも2件あった。いずれも清算人による解体などの作業が進められているという。

 市の担当者は「新制度により少しずつ空き家の解消につながっている」と語る。より広く制度を周知する必要があるとして、このほど啓発チラシを作成し、区役所などで配布する。市ではまた、地域活動などに空き家を利用したいと考える希望者と、空き家の所有者を市がつなぐ「マッチング制度」も試行実施中だ。

 空き家に関する相談窓口は所有者向けが市住宅供給公社【電話】044・244・7590、空き家の近隣住民は市住宅整備推進課【電話】044・200・2253。各区の地域振興課でも受け付ける。

「ちびっ子薬剤師体験」のブースイメージ

GO!GO!!フロンターレ

大人も子どもも健康促進!

 富士通スタジアム川崎で10月13日(月・祝)、「富士通スタジアム川崎 健康長寿フェスタ2025 supported by ひまわり調剤薬局株式会社」が開催される。午前10時から午後3時。入場無料(一部ブース有料)。雨天中止。

 子どもからシニアまでの健康増進を目的としたさまざまなブースが出展。便秘薬をテーマにした「知って安心!お薬の説明会」をはじめ、同クラブOBの森谷賢太郎さんと薬剤師が登壇するトークショーなどで、薬の知識を深められる。「ちびっ子薬剤師体験会」では、分包・一包化という薬剤師の仕事が体験できる。

 ほかにも、家族でゆったりとした時間を楽しめる「あおぞら図書館&ぬりえコーナー」や、体の筋肉量や体脂肪量などが細かくわかる「自分の体が丸わかり!からだ測定会」など、健康意識が高まるブースが目白押し。担当者は「健康と向き合い、充実した日々を過ごしましょう」と参加を呼び掛けている。詳細は同スタジアム【電話】044・276・9133。

画像はいずれも川崎フロンターレ

検証 福田市政㊤ 描く未来へ抜かりはないか 子育て支援・教育に注力

 10月12日告示、26日に投開票される川崎市長選挙。本紙は、3期目・4年間の福田市政を2週にわたり検証する。

   ◇ ◇ ◇

 川崎市が誕生し100年を迎えた昨年度、市内では節目を祝うさまざまなプロジェクトが行われた。その記念事業実行委員会の委員長となった福田紀彦市長の主導の下、参画した団体・企業は約400、「重ね合わせることで新たな価値や行動を」と呼び掛けて実施された事業や催しは700を超えた。行政独自では難しい取り組みを、民間の資金と人材を活用し実現させたのは、福田市長が掲げる「市民派市長」としての10年余りの実績を示した格好ともいえる。同時に開催した「全国都市緑化かわさきフェア」では秋春2期制を全国で初めて導入し、来場者は約162万人、市内への経済波及効果は88・7億円と推計。児童生徒による花苗づくりや、市民ボランティアの輪を広げ、来場者アンケートでは「花や自然への関心が高まった」という声が9割近くに上った。

 その実行委員会も当該年度を終え解散。「次の100年へのレガシー」を合言葉に、「100+1」のポスターを市内に掲出するが、重要なのは検証だ。官民連携の持続性、緑化フェアの会場となった等々力緑地の再編整備で注視される樹木伐採計画も含め、100周年が一過性で終わらぬように。十分な検証なくして前には進めない。

 また福田市長が力を入れてきた取り組みの一つが子育て支援だ。希望しても認可保育所などに入れない待機児童は5年連続でゼロを維持し、保育士や看護師ら専門職への相談も可能な支援拠点「保育・子育て総合支援センター」の設置を進め、提供を始めたかわさき子育てアプリも刷新の方針。中学3年までを対象としていた小児医療費の助成は、18歳を迎えた年度末までに拡充し、一部負担金撤廃を表明。一方、小児ぜん息患者医療費支給制度は廃止した。

 周辺自治体や時代の流れに合わせて政策を打ち出してきたが、市内の人口が年々増える一方で、子育て世代にあたる30〜40代は市外への「転出超過」が続き、転入との差は5年間で1万3千人超に。東京都の保育料無償化などから見える財政支援での自治体間競争では分が悪く、福田市長の「国が一律で整備すべき」との主張もかなわない中、支援の質やきめ細かさ、環境への配慮がどこまで届いているか。少子化対策にもつなげ、子育て世代から選ばれる都市になれるかが課題だ。

 教育面では、学習状況調査の対象拡大と、GIGA端末ソフトを連動させた支援策を導入。「誰一人取り残さない学び」を目指し、苦手科目の分析・克服など個別最適化させた指導を進め、今年4月に実施された小4・中3対象の全国学力・学習状況調査の正答率は、いずれの教科も全国平均を上回った。一方で、教員の不足は5年連続で100人を超えており、教育の質低下への懸念は続く。教員の働き方改革が進み、下校時間が早まる中、家庭環境や経済状況による学力格差の拡大も危惧される。増える不登校やヤングケアラーへの対応も、次の100年を描く上で不可欠だ。