宮前区版【10月10日(金)号】
(上)2017年の川崎フロンターレの始球式(下)フロンターレの観客席で応援する3人=いずれも©KAWASAKI FRONTALE

川崎ゆかりのバンド SHISHAMO「終了」 フロンターレ「大切な存在」

 3ピースロックバンド「SHISHAMO」が9月27日、来年6月のライブを最後に活動終了することを発表した。川崎市制100周年記念イベントや川崎フロンターレのイベントに出演するなど、川崎との縁が深いアーティストの「終了」を惜しむ声が各方面から上がっている。

 9月27日、SHISHAMOの公式ホームページに「大切なお知らせ」がアップされた。「2026年6月13日・14日にUvanceとどろきスタジアム by Fujitsu(等々力陸上競技場)でワンマンライブを開催します。そして、そのライブをもって、SHISHAMOは活動を終了します」

 メンバー3人で「これからのSHISHAMO」について話し合った結果、「完結に向かおう」という結論に至ったことを知らせる内容だった。

 SHISHAMOは10年に川崎市立川崎総合科学高校の軽音部で結成され、卒業後に本格的な活動を始め、13年にデビューした。日本武道館などでの大型ライブやNHK紅白歌合戦出場なども果たす一方で、川崎フロンターレの始球式やハーフタイムショーを務めたり、昨年6月の川崎市制100周年記念イベント「かわさき飛躍祭」にも出演した。

 3人の発表をうけ、川崎フロンターレは「ともに川崎を盛り上げていく同志のような存在であり、音楽の力で後押ししてくれる大切な存在。数多くの活動に協力していただいた」とコメントを発表した。フロンターレ後援会の会員向けにSHISHAMOのラストライブチケットの先行発売を始め、コラボグッズもJリーグの試合会場で販売。第1弾は「SHISHAMOコラボキーホルダー」計400個を完売し、10月18日の清水戦で追加販売する。

 川崎総合科学高校教諭で軽音部顧問の菊田直史さん(52)は、練習熱心な教え子たちが成長する姿をファンとしても見守ってきた。「(発表には)驚いたが『長い間よく頑張った。本当にお疲れ様』という思い。彼女たちの今後がどんな形であれ応援していく」とねぎらった。

 高津区のとんかつ店「華家」はファンの間で「聖地」として知られ、全国からファンが訪れる。常連客の菊田さんが「教え子自慢」をしたところ音楽関係者の耳に入り、SHISHAMOのデビューへとつながった現場だ。店主の天谷信元さん(52)は「全国からファンがここに来て音楽でつながり、自分も多くの出会いに恵まれてきた。心からありがとうと伝えたい」と、満面の笑顔で感謝を述べた。

川崎市長選 現新6人の争いか 10月12日告示、26日投開票

 任期満了に伴う川崎市長選が10月12日に告示される。本紙の調べでは10月6日の時点で現職と新人の計6人が出馬に向けて準備を進めている。投票は26日に即日開票され、13日から25日まで期日前投票が行われる。

 立候補の意思を示すのは、表明順に会社員の國谷涼太氏(25)、現職の福田紀彦氏(53)、社会福祉法人理事の野末明美氏(60)、出版社CEOの宮部龍彦氏(46)、前市議会議員の山田瑛理氏(42)、清掃員の関口実氏(67)。いずれも無所属での立候補を表明している。

 國谷氏は「若者・子育て世代から選ばれるまち」「ビジネスのまち」「安全・安心のまち」を重点施策に掲げる。子育て世帯向け「アフォーダブル住宅」の供給、市民税の減税、地域活動のデジタル化などを訴える。

 4選を目指す福田氏は、人づくりや健康づくり、住まいなどの「7つの循環」を掲げ、卓越スクール(高専)の設立や子育て支援住宅の実証の開始に取り組む。また、特別市の実現に向けた法改正にも意欲をみせる。

 野末氏は共産党の推薦を受けて挑戦。「市民の子育て・くらし・福祉優先」を掲げ、18歳までの子ども医療費・窓口負担ゼロや中学校給食までの無償化を強調。等々力緑地の緑の保全、公共施設の市の直営化を唱える。

 8月に出馬表明した宮部氏は、事務事業評価で啓発事業を整理し、税金の使い道を正すと強調。SDGsなどの「理念先行」の啓発事業を整理対象に挙げる。最終目的として、ヘイトスピーチ禁止条例の廃止を掲げる。

 山田氏は9月に川崎市議を辞職し、自民党に離党届を提出した。2児の母親目線と庶民感覚をいかした市政運営を掲げる。学校ルールの一斉点検と必要な見直しや、歩道整備などのインフラ対策などに意欲をみせる。

 関口氏は9月下旬に挑戦を表明した。国籍や性別、障害の有無にかかわらず「差別のない、多様性のある社会」づくりを目指すと明言。ヘイトスピーチの対策強化や、南海トラフ地震への防災力に向けた強化を掲げる。

本紙がアンケート

 タウンニュースは市長選立候補予定者に最も訴えたい政策などのアンケートを実施。回答を政治情報サイト「政治の村」で公開している。(10月6日起稿)

「木月庵を大切にする会」で30回目の茶会を開催した 長谷川 宗江さん(本名 長谷川 喜代江) 東有馬在住 86歳

「させていただく」の精神で

 ○…川崎市国際交流センターの一角、日本庭園にたたずむ茶室「木月庵」で開催している茶会が、節目の30回を迎えた。「木月庵は茶道を通じて、市民文化や国際交流の場としての役割を担ってきたが、決して一人ではできなかった。協力してくれる方たちのおかげ」と周囲への感謝を忘れない。

 ○…「小2で川崎に戻ってきたが一面焼け野原だった」。川崎区出身で、疎開先の徳島県内で空襲を経験した。焼夷(しょうい)弾から身を守ろうと、必死に川へ逃げ込んだ記憶は今も鮮明。市内の小学校に招かれることもあるが、講演する際には日本の文化だけでなく、命の尊さも伝える理由だ。中学では放送部に所属。NHKの放送コンテストで入賞した感動が忘れられず、高校卒業後、銀行員として働きながら専門学校でアナウンスを学び直した。朗読ボランティアの経験を買われ、かわさきエフエムで10年間パーソナリティーを務めたことも。「502人の社長さんを招いた番組。出会いが私の財産」

 ○…茶道は高校の部活動がきっかけ。「お菓子が魅力的だったの」と当時を振り返る。指導歴は60年以上。現在は茶道裏千家の正教授・名誉師範として約30人のまな弟子を抱えながら、日本文化の普及に努めている。木月庵では留学生への指導も行っており、このたび川崎市国際交流協会から感謝状が贈られた。

 ○…「のどかな雰囲気が気に入った」と約50年前から東有馬で暮らす。フラワーコーディネーターとしての顔も持ち、市内の病院や公共施設に寄贈。奉仕団体・国際ソロプチミスト川崎の会長としても活躍した。「『させていただく心』は母から受け継いだ。木月庵を川崎の有形文化財にして次世代に受け継いでいきたい」と夢を語った。

子どもにあいさつする美谷島代表(左)

散歩ついでに地域を見守り 「無理せず継続」で1年

 日課の散歩をしながら地域の防犯活動に取り組んでいる市民団体「子どもたちを見守り隊」が、発足から1年を迎えた。メンバーは14人、草の根的な活動が町の安全に寄与している。

 同隊の発足は昨年10月、仲間同士の飲みの席での雑談がきっかけだった。「普段の散歩を地域に役立てられないか」。何気ない声が賛同を得て活動をスタートした。

 隊の決まりごとは「無理しないで続けること」。時間の制限や集まって活動することはほとんどなく、メンバーはそれぞれが住む地域の周辺で、同じ緑色のビブスを着て登下校時の子どもたちへのあいさつや見守りを行ている。

 代表を務める美谷島文彦さん(73)は、活動1年を振り返り、「最初はぎこちなかったけれど、今はお互いに名前も知らないのに、子どもたちに会うのが楽しみ」と笑顔を見せる。他のメンバーからも「役に立っていると感じると、頑張って歩こうと思う」などの声が聞かれ、やりがいにもつながっている。今後は会員を増やし、見守りの輪を広げたい考え。美谷島代表は「地域や子どもたちの安全に貢献できれば」と抱負を語った。

宮前警察署 巡回連絡に協力を

 宮前警察署は巡回連絡への協力を呼び掛けている。巡回連絡では警察官が家庭や企業を訪問し、事件事故の発生状況や防犯情報を提供する。

 災害時や迷子・高齢者を保護した際に家族への連絡に活用する巡回連絡カードへの記入も求めている。「安心安全のまちづくりのために行う活動。ぜひご協力ください」と同署。

(問)【電話】044・853・0110

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2025年度・持続化補助金
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25年度、2回目となる小規模事業者持続化補助金の申請受付へ向け、川崎中小企業診断士会では小規模事業者や個人事業主を対象に10月17日(金)、川崎区富士見にある川... (続きを読む)
上野理事長(左)と沼尻音楽監督

神奈川フィル 「地元神奈川で音楽を通じて地域に貢献したい」 来シーズンのプログラムを発表

 神奈川フィルハーモニー管弦楽団は9月16日、来シーズンのプログラムを発表する記者会見を横浜みなとみらいホールで開いた。会見には同楽団理事長の上野孝氏、音楽監督の沼尻竜典氏らが出席した。

 会見で上野氏は、定期公演を行っていた神奈川県民ホール休館にあたり、今年度立ち上げた「ミューザ川崎」での定期公演に触れ「大変好評で、次年度は公演を増やす予定」と明言。沼尻氏は、「ミューザ川崎では次年度も2027年に没後200年を迎えるベートーヴェンを取り上げ、12月の『第九』のほか、交響曲『2番』『8番』『英雄』などをお届けしたい」とした。なおオペラに造詣が深い沼尻氏による「日本人による制作オペラ」は次年度はプッチーニの歌劇「トスカ」が予定されている。上野氏は「神奈川県全域での巡回公演もあり、これからも地域の方々へ音楽を通じて社会貢献していきたい」と意気込んだ。
入賞した書籍を持つ川手さん

料理レシピ本大賞に入賞 東有馬の川手鮎子さん

 東有馬在住の川手鮎子さん(83)の著書『心も体ももっと、ととのう薬膳の食卓365日』(自由国民社)が、第12回「料理レシピ本大賞」の入賞に輝いた。

 薬剤師であり、国際中医師の資格も持つ川手さん。同書は、「医食同源」を基本理念とし、季節や体調に合わせ、日々の食事に手軽に薬膳の知恵を「ちょい足し」できるヒントを365日分にわたり紹介している。表彰式では「この表彰状は川手家の家宝として、これから子どもや孫にも伝えていきたい」と語った。

読者プレゼント

 同書を読者5人にプレゼント。はがきに氏名、年齢、電話番号、住所、紙面の感想を明記のうえ、〒211-0042 川崎市中原区下新城3の14の7 タウンニュース「薬膳の暮らし」係へ郵送。メールでも可。(kawasaki@townnews.jp)。10月21日(火)必着。当選は発送をもって。

イベントを楽しむ高齢者たち

鷺沼町会 笑顔いっぱい敬老祝賀会 134人が漫才など楽しむ

 鷺沼町会(持田和夫会長)は10月5日、敬老祝賀会を鷺沼小学校体育館で開催した。

 イベントには、同町内から満70歳以上の134人が招かれた。パフォーマンス集団「東海道セブンスターズ」による夫婦漫才や歌謡メドレー、タヒチアンダンスなどが会場を盛り上げたほか、ソプラノ歌手・小松崎綾さんとピアニスト天日悠記子さんがオペラ『リナルド』より「涙の流れるままに」などを演奏した。

 持田会長は「歌あり笑いありで大満足の2時間となった。鷺沼町会では、地域のつながりを大事に、住み慣れた地域で誰もが何時までも楽しく住み続けたい、そんな街を目指していきたい」と話した。

野川神明社で例大祭 神輿や奉納演芸も

 野川神明社の例大祭が10月11日(土)と12日(日)、同社境内で開かれる。

 多くの神輿会が集まり、威勢の良い掛け声とともに町内を練り歩く大人神輿は祭りの一番の見どころ。他にも子ども神輿や地域住民が参加する奉納演芸、境内には屋台が数多く出店する。

 主な行事の日程は、11日が宵宮祭(午後7時)。12日は、御神輿宮出(午前9時)、例大祭(午前11時)、子供御神輿宮入(午後1時)、奉納演芸(神楽殿・午後2時)、大人御神輿宮入(午後5時)。

 問い合わせは、野川神明社【電話】044・777・0288。

北部市場 親子向け花育教室 模擬せり体験も

 川崎市中央卸売市場北部市場で11月22日(土)、クリスマスリースづくりと花の模擬せり体験イベントが開かれる。

 午前の部が午前9時〜11時30分、午後の部が午後1時から3時30分の2部制。対象は小・中学生とその保護者20組(1組4人まで)で抽選。1作品2500円。申し込みは10月24日(金)までに、市ホームページの北部市場業務課より。(問)【電話】044・975・2219

次期会頭に窪田氏 川崎商議所

 川崎商工会議所は9月26日、常議員会を開き、次期会頭に窪田雅己副会頭(66)=富士通アドバイザー=の就任を内定したと発表した。11月4日に開催される臨時議員総会で正式に選任される。また、草壁悟朗会頭は10月末で任期満了となり、退任する。

 窪田氏は1958年生まれ。横浜国立大学を卒業後、81年に富士通入社。同社執行役員常務、専務などを経て2022年富士通Japan代表取締役会長CEOに就任。24年には取締役会長を務め、今年4月から現職。11月1日からは同社相談役となる。

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昨年の縁日の様子

影向寺(ようごうじ)で「ご縁日」 歌とマルシェで秋の一日を

 宮前区野川本町にある影向寺で11月3日(月・祝)、「影向寺ご縁日」が開催される。時間は午前9時から午後4時。

 主催する影向寺重要文化財・史跡保存会が、史跡「橘樹官衙遺跡群」の国史跡10周年を記念し、影向寺の薬師如来像の国宝復活を祈念して企画。当日は、演歌歌手の杜このみさんと彩青さんによるコンサートや「電動自転車」「国内ペア旅行」「食事券」など豪華景品が当たるお楽しみ大抽選会が実施される。

 会場には、屋台はじめ新鮮野菜や地域の銘菓が並ぶほか、ミニ四駆サーキットや昆虫くじなど、子どもたちが楽しめるブースも多数。ハンドメイド雑貨の販売などのワークショップが集まるマルシェも同時開催。宮前区の観光大使「メロー・コスミン」も来場し、会場を子どもから大人まで、秋の一日を満喫できるイベントだ。

 (問)縁日はjubun.shiseki.hozonkai@gmail.com亀ケ谷会長、マルシェは小川さん【電話】090・4175・4634。

土橋で阿波踊り 参加者募集 地域に活気を

 徳島の阿波踊りを体験できる練習会が、11月1日、8日、22日、12月20日のいずれも土曜日に、土橋二丁目公園で開催される 。主催は宮前第2地区社会福祉協議会。

 練習会は、地域住民の交流と健康増進を目的としており、誰でも無料で参加可能。指導は公園体操「この指とまれ」のメンバー・大神倫章氏が務める。また、12月27日(土)には「阿波踊りで本年を納めましょう!」と題した踊り納めが、来年1月17日(土)午前11時からは初踊りが同公園で行われる予定となっている。

制作中のミューラルアートの前に立つDragon76

聖地ミゾノクチの象徴 「ブレイキン」が壁画に 世界的アーティストが制作

 世界的なダンサーたちが巣立った「ブレイキンの聖地」として知られる「ミゾノクチ」を象徴する壁画制作が、JR南武線武蔵溝ノ口駅の南北自由通路で進んでいる。世界で活躍する日本人ミューラル(壁画)アーティスト、Dragon76が来日し、10月11日(土)までの完成を目指して制作中だ。

 JR武蔵溝ノ口駅の改札前通路はブレイキンのダンサーが集まることで国内外に知られ、パリ五輪の金メダリスト・AMI(本名・湯浅亜実さん)や世界で活躍するSHIGEKIX(本名・半井重幸さん)もここで技を磨いた場所だ。

 そんな特別な空間を地域のプライドとして形にしようと、高津区内の団体や学校、ダンス関係者が「高津区ブレイキン・モニュメント制作委員会」を結成。中心メンバーで川崎市出身のダンサー「KATSU ONE」こと石川勝之さんが、友人のミューラルアーティストであるDragon76をニューヨークから招聘し、ブレイキンをイメージした壁画の制作を依頼。9月下旬から制作が始まった。

 Dragon76は2019年と20年に、市役所本庁舎の工事現場の仮囲いに巨大なミューラルアートを制作した実績があり、川崎での壁画制作は3度目。今回のテーマは「ニューヨークで生まれたブレイキンの文化が日本独自の発展を遂げ、再び世界に広がるイメージ」という。

 完成する11日には、午後5時から壁画前で完成記念セレモニーがある。

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神奈川の企業Web集客に タウンニュースのネット版「タイアップ広告」でPR強化
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1人1台のスマホ時代。企業広告・商品サービスPRにおいて「デジタル化」は避けては通れないテーマといわれている。「日本の広告費」(電通調べ)によると、2024年の... (続きを読む)

がけ・擁壁 専門家が無料相談 10月25日 宮前区役所で

 近年、大雨や台風により、全国各地でがけ地や老朽化した擁壁の崩壊などが発生している。これを受け、川崎市は10月25日(土)、がけ地や擁壁を所有する個人を対象とした無料相談会を宮前区役所で開催する。時間は午前10時から午後4時20分。

 所有者が抱えるがけ地や擁壁に関する不安や心配事を専門家である「地盤品質判定士」に直接相談できる貴重な機会。「雨で崩れないか不安」など幅広い相談に応じる。事前予約制で先着10組申し込み開始は10月15日(水)午前8時30分から。

 (問)市まちづくり局指導部宅地企画指導課宅地防災担当【電話】044・200・3035

ピンク色に照らし出された川崎市役所(川崎市提供)

10月はピンクリボン月間 がん検診の受診率向上 市役所をライトアップ

 乳がんの早期発見・早期治療を目指して普及啓発を行う10月の「ピンクリボン月間」に伴い、川崎市では2日から9日までの8日間、市役所本庁舎(川崎区)をピンク色にライトアップした。

 国はがん予防の指針となる「第4期がん対策推進基本計画」を改定し、全国のがん検診受診率の目標値を50%から60%に引き上げた。これを受けて市でも目標値を60%に引き上げ、啓発活動を続けている。

 市によると、全体的に市民のがん検診受診率は上がっており、市が40歳以上の女性を対象に実施する乳がん検診の受診率は2023年度の実績で19%と2割以下だが、職場などで受診可能な市民も含めた全体の受診率をまとめた22年度の「国民生活基礎調査」によれば、乳がん検診の受診率は前回の19年度より2・9%プラスの51・4%だった。

 ほかのがん検診も、肺がん54・8%(4・3%増)、大腸がん51・3%(4%増)、胃がん53・8%(0・3%増)、子宮がん49・1%(0・6%増)と、受診率は軒並みアップしている。

 市は肺がんや胃がんなど各種のがん検診を実施しており、70歳以上や住民税非課税世帯などの市民は無料で受診できる。問い合わせは【電話】044・982・0491。

全国学力・学習状況調査 全教科で平均を上回る 自己肯定感も上昇

 川崎市総合教育センターはこのほど、今年4月に国が実施した今年度の全国学力・学習状況調査に関する市内分の分析結果をまとめ、公式ウェブサイトで公表した。小中学校とも、全教科で全国平均を上回った。

 国の「全国学力・学習状況調査」は、教育施策の成果と課題を検証することを目的に、毎年春に全国の小学6年生と中学3年生を対象に実施している。川崎市では、小学校115校と特別支援学校1校(小学部)の6年生1万1387人と、中学校52校と特別支援学校1校(中学部)の3年生8962人が対象となった。

 7月末の速報値を市教委が分析した結果、小学生、中学生とも国語・算数(数学)・理科のいずれの教科でも全国平均を上回った。また、国語の「読むこと」「書くこと」などの学習指導要領の内容に基づく設問の正答率も、いずれの教科でも全国を上回った。

塾など学習時間長め

 生活習慣などを尋ねた「児童生徒質問調査」では、「自分にはよいところがあると思う」と答えた小学児童は88・4%(全国86・9%)、中学生徒は85・7%(同86・2%)。10年前の調査と比べると小学児童が11ポイント、中学生徒が18・1ポイント高くなっており、市内の児童生徒の自己肯定感が確実に上がったことが分かる。

 また学習習慣を尋ねる設問では、校外での勉強時間が「2時間以上」の小学児童は37・6%(24・9%)、中学生徒が43・6%(30・8%)で、塾などの学習時間が長い傾向にあった。

 センター担当者は「川崎の子どもたちが頑張って勉強している結果が出ている」と評価した。

10月13日はスポーツの日 川崎市 持続可能な部活動へ 生徒の代表者会議も開催

 10月13日(月)は「スポーツの日」。部員減で学校の部活動が存続できない地域があることから、国は地方自治体に対して部活動の「外部化」などの対策を講じるよう求めている。川崎市でも、将来的に少子化に転じる可能性があるとして準備を進めている。

 今年8月、部活動の当事者である生徒たちの意見を集めるため、川崎市教育委員会が「部活動生徒代表者会議」を開催した。市内52校の中学2年生ら計95人が市役所の本庁舎(川崎区)に集合。「将来の後輩たちに向けて」という前提で「持続可能な部活動にするために必要な工夫」をテーマに議論し、生徒からは「部への参加スタイルを自分で決める」「自分たちでメニューを決める」といった意見やアイデアが出た。市教委ではこれを受けて2018年策定の「川崎市立学校の部活動に係る方針」を今年度内に改定する予定だ。

 市が「方針」の改定を進める背景には国の意向がある。文化庁とスポーツ庁は22年12月、少子化の影響で部活動が存続できないケースが増えているため、生徒がスポーツや文化・芸術活動に継続的に親しめる環境整備を目指す「総合的なガイドライン」を策定し、地方自治体に通知。23年度から25年度までを部活動に関する「改革推進期間」に指定し、状況に応じた取り組みを求めている。

部活動に充足感

 川崎市内の市立中学校の部活動の状況としては(24年5月時点)、52校で計749の部活動があり、内訳は運動部が520、文化部は229。全生徒2万9922人のうち約82%にあたる2万4659人が部活動に参加しており、市教委によれば、これまでのところ人員減で部を廃止したケースはないという。

 生徒にとっての部活の位置づけとしては、23年11月〜12月に実施した「中学校の部活動に関するアンケート」で、生徒が学校生活で「充実している」と感じる時間のトップは「休み時間」だったが、「部活動」が2位にランクインした。一方で部活動に関連した心配事や悩みを尋ねる設問では(複数回答可)、生徒の50・3%が「勉強との両立」、51・4%の保護者が「部活動と学業の両立」と回答。教員に負担感を尋ねた設問では「感じる」と「どちらかと言えば感じる」が合計で8割近かった。

 市の担当者は、「市も将来的に少子化となり、部活動の機能を地域で担う必要が生じるかもしれない。将来的な課題として、準備を進めていく」と話している。

ずらりと並ぶコラボメニューの数々

GO!GO!!フロンターレ

マルコメとのコラボメニュー販売

 川崎フロンターレオフィシャルカフェ「FRO CAFE」で、オフィシャルパートナーのマルコメ(株)とコラボしたメニューの発売が始まった。10月31日(金)までの期間限定。

 期間中は、同社の発酵食品や大豆ミートなどを使った、体に優しく美味しいメニューが楽しめる。ピリ辛の味付けが食欲をそそる「大豆ミートの台湾混ぜ飯」や、西京焼き用みそのマヨネーズソースが決め手の「塩糀ローストポークのピタパンサンド」、「濃厚味噌の鶏団子汁定食」などが並ぶ。いずれも1100円(税込)。

 ドリンクには同クラブの練習拠点、麻生グラウンドで選手にも提供されているスムージーを、カフェ風にアレンジした「米糀ミルクのベリーバナナスムージー」も登場。トップチームの選手も愛飲する一杯を味わうことができる。

 担当者は「マルコメさんの商品を使った、こだわりのメニューがそろいました。ぜひこの機会にご賞味ください」と来店を呼びかけている。問い合わせは併設のアズーロ・ネロ【電話】044・767・6111。

画像はいずれも川崎フロンターレ

検証 福田市政㊦ まちづくり、輸送力強化に課題 特別市は市民理解不可欠

 10月12日告示、26日投開票の川崎市長選挙。3期目・4年間の福田市政検証の2回目のテーマは防災対策やまちづくり、特別市などについて。

◇ ◇ ◇

 2024年1月1日に発生した能登半島地震を受け、福田紀彦市長は「被災直後から衛生面で重要な課題となる」との認識を示し、川崎市の災害時におけるトイレ対策を転換する方針を決めた。長期の断水により、災害時のトイレ対応の重要性が浮き彫りになったことを受け、川崎市は下水道管に接続して利用できるマンホールトイレを市内156カ所に整備、携帯トイレの備蓄も推進した。加えて、市内のコンビニエンスストア208店舗へAEDの設置を進める。一方で市民救命士の養成は課題だ。

 まちづくりの取り組みでは、京急川崎駅や武蔵小杉駅をはじめ、市内各地で整備計画を進めてきた。福田市長は「50年先を見据えた都市整備」を行うとしている。登戸、鷺沼、新百合ヶ丘などの駅周辺での再開発は、人口増加につながることも期待されている。交通インフラでは、川崎の南北を縦断するJR南武線で連続立体交差事業が進められているが、ラッシュ時の混雑問題はいまだ解消されていない。JR東日本は今春、南武線のワンマン運転を開始。ただ、遅延問題は度々発生している。輸送力増強に向けた市としての働きかけは、いっそう求められている。

 ふるさと納税で福田市長は「本格的に取り組み、流出分を取り返したい」との決意のもと、ポータルサイトを3サイトから14サイトに増やし、返礼品も24年度の約400品から倍以上の約850品目へと増やすなど、力を入れてきた。こうした取り組みが功を奏し、寄付受入額は、過去最大の約26億円に達した。もっとも、2024年度における同制度経由の市税減収額は、過去最大の約138億円に上り、歯止めがかからないのが現状だ。川崎市は市の税収で財政をまかない、国から地方交付税の交付を受ける必要がない「地方交付税不交付団体」であるがゆえ、ふるさと納税による住民税の減収分が補填されず、市民サービスの低下の懸念が生じている。

 福田市長が主張し続けているのが「特別市」の実現だ。政令市を都道府県から独立し、行政サービスを一括して担う制度。実現により、都道府県との連携強化に加え、市町村との水平連携が推進・強化され、「行政サービスの充実などの成果を市民、近隣自治体を含めた圏域、日本全体に還元できる」と福田市長は力を込める。「東京一極集中」の打開にもつなげたい考えでもある。法制化に向けて福田市長は音頭を取り推進する一方で、市民に「分かりづらい」との声はつきまとう。こうした中、福田市長は地方自治制度を「スマホの本体」、まちづくりや福祉、防災など個々の政策を携帯電話内の「アプリ」と例えてしきりに説明を行う。「いくら良いアプリ(政策)だとしても、携帯電話が古ければ使うことはできない」と抜本的改革の必要性を訴える。特別市実現に向けては市民の理解度を上げていくことは欠かせない。