旭区・瀬谷区版【10月16日(木)号】
意見を伝える児童

上瀬谷小児童 園芸博への要望、続々 区長や協会職員らと交流

 瀬谷区の上瀬谷小学校(小林京子校長)は10月8日、地元で開催されるGREEN×EXPO 2027(国際園芸博覧会)に向けた意見交流会を開いた。4〜6年生の児童が、山岸秀之瀬谷区長や瀬谷土木事務所、(公社)2027年国際園芸博覧会協会の担当者らに質問や提案を投げかけた。

地元ならではの声

 「未来へつなごう GREEN×EXPO 2027の輪」と題された交流会。総合的な学習の時間で上瀬谷地区について学んでいた6年2組の児童が、「地元で開かれる国際園芸博をもっと知り、自分たちの考えを伝えたい」と企画した。当日は、旧上瀬谷通信施設(旭区・瀬谷区)の跡地整備や道路計画について説明を受けた後、まちづくりや会場運営に関する意見が相次いだ。

 子どもたちからは「卒業式や夏祭りを会場で開きたい」といった地域に密着した提案のほか、「ごみのポイ捨て対策」「交通渋滞が心配」「歩道の拡幅について」など、地元ならではの課題も挙げられた。山岸区長は「有意義な時間でした。誰もが楽しめる博覧会にしていきましょう」と応じた。

 意見交流会を終えた菊池翔太さん(4年)と樋口輝(き)羅(ら)さん(同)は、「会場がとても広い」「花と人との交流が楽しみ」とそれぞれ笑顔を見せた。胡田(えびすだ)爽介さん(5年)は「東名高速とつながる計画に驚いた」と振り返り、大塚里紗さん(6年)は「参加できる取り組みがあれば関わりたい」と意欲を見せた。

 同協会の担当者は「地元に住む子どもたちならではの意見を聞くことができた。上瀬谷小の意見を踏まえて、開催に向けた検討を続けていく」と話した。
22年度に発生した、リチウムイオン電池による収集車の火災※消防局提供

リチウムイオン電池 12月から分別収集 市、車両発火などを受け

 横浜市では市内各地の専用ボックスで回収しているリチウムイオン電池などについて、集積場所での分別収集を12月から始める。通常のごみに混入したリチウムイオン電池などにより、収集車や廃棄物処理施設の火災が、市や全国で発生していることを受けたもの。

 モバイルバッテリーやスマートフォンに使われているリチウムイオン電池。12月からは週2回の燃やすごみの日に、モバイルバッテリーはそのまま、その他の機器は本体から取り外した状態で、乾電池などと同じ「電池類」として袋にまとめて出すことができる。膨張・破損したものやポータブル電源については、各区の資源循環局収集事務所に持ち込む。

 リチウムイオン電池などは現在、区役所や家電量販店にある専用ボックス(市内168カ所)で回収されている。同局によると、公共施設(59カ所)での回収量は年間およそ17t(2024年度)。年々増える一方で、市民から「回収ボックスがあることを知らない」という声も上がるなど認知度が課題だった。

 近年は集積場のごみに混ざったリチウムイオン電池などにより、収集車内で発火する事例が市内でも発生。大きな火災にならなかったが、22年度から24年度までに28件、今年度も4件発生している(10月1日時点)。

 市ではこうした背景を受けて、昨年度から分別収集の導入を検討しており、12月の開始を決めた。専用ボックスは引き続き設置される。

 分別収集の徹底にあたっては、市民への周知が必要になる。同局では地域の掲示板や集積場所、ホームページや広報などで発信する考えで、職員は「出し方に注意しながら分別収集に協力を」と話している。

電気火災も増加

 住宅などで発生しているリチウムイオン電池関連の電気火災も、市内で増加傾向にある。市消防局によると、25年度は9月30日までに50件(速報値)発生しており、21年度以降の年間件数を既に超えている。

 消防局では対策として関連製品を夏場など高温の車内に放置しない、本体に強い衝撃を与えないなどを挙げる。膨張や熱を持っている場合の使用中止も呼びかける。
宝探しでイラストやメッセージを集めた

上白根小 児童主体で節目祝う 50周年集会で宝探し

 旭区の上白根小学校(小嶋一喜校長)の創立50周年記念集会が9月26日に開かれた。子どもたちが自主的に計画を立てて節目をお祝いしようという取り組みで、校内宝探しなどが行われた。

 1975年に白根小学校から分離するかたちで開校した上白根小。現在は児童365人が通う。

 来賓や保護者が訪れた記念集会。校歌の全員合奏のほか、図書館の新しい名前「本友(ほんとも)図書館」の発表などがあった。

 校内宝探しは、教室や廊下に隠されたオリジナル周年キャラクターのイラスト、「上白根っ子」や「50周年」などのメッセージを見つけるもの。児童はグループごとに、棚のなかや模造紙の裏側、本のすき間などに挟まったイラスト、メッセージを集めながら、一つの作品を完成させた。

 「学校への感謝の気持ちが伝わるように準備してきました。みんなが喜んでくれて嬉しいです」と、実行委員会の及川実南さん(5年)。司会も務めた青木結衣子さん(6年)は「これからもみんなが協力しながら、楽しく通えて思い出になるような小学校になって欲しい」と話していた。

人気のストラックアウト※写真は昨年の様子

スポーツや昔遊び楽しもう 第3会場 阿久和向原第二公園

 今年は3会場に分けて開催される「瀬谷フェスティバル」(10月19日(日)の午前10時〜午後3時/荒天中止)。第3会場の「阿久和向原第二公園」=瀬谷区阿久和東1の4=では、スポーツ体験や昔ながらの遊びなど、子どもたちが楽しめるプログラムが揃っている。

 公園内ではビッグシャボン玉や昔遊び、スーパーボールすくいなどに挑戦できる。さらに、野球体験、球速を測れるスピードガン、ストラックアウト、グラウンドゴルフ、輪投げ、ナインゴールなども楽しめる。

 さらに、阿久和北部連合自治会による竹笛づくり体験やお赤飯の販売、瀬谷の逸品おみやげ試食会(数量限定)、横浜西部工業会のパネル展示などが行われ、飲食や体験を通じて地域の魅力を堪能できる。

子どもたちが楽しめるプログラムも※写真は昨年の様子

「働く車」ずらり 第2会場 瀬谷土木事務所

 今年は3会場に分けて開催される「瀬谷フェスティバル」(10月19日(日)の午前10時〜午後3時/荒天中止)。第2会場にあたる瀬谷土木事務所=瀬谷区三ツ境153の7=では、来場者がさまざまな「働く車」を間近で見たり、関連する体験プログラムが豊富に用意されている。

 (一社)横浜建設業協会瀬谷区会では、ミニチュア重機によるボールすくいを実施。また、警察や消防、三ツ境水道事務所、(一社)公縁クロス機構などのブースが並び、パトカーや消防車、給水車、ミスト車(雨天時は中止)、道路パトロールカーなどが展示される予定。

 煙体験コーナーもあり、火災予防について理解を深めることができる。また、数量限定で花苗が無料配布される。

毎年多くの人が訪れる瀬谷フェス※写真は昨年の様子

今年は3会場で瀬谷フェス 19日、園芸博関連の企画も

 瀬谷区の秋を彩る恒例イベント「瀬谷フェスティバル」が、10月19日(日)午前10時から午後3時まで開催される。主催は瀬谷フェスティバル実行委員会と瀬谷区役所。

 瀬谷区最大の行事として、毎年多くの人で賑わう瀬谷フェス。昨年の会場だった旧瀬谷西高校で校舎の解体工事が始まることから、今年は二ツ橋公園・瀬谷区役所、瀬谷土木事務所、阿久和向原第二公園の3会場に分けて行われることになった。

二ツ橋公園・区役所

 二ツ橋公園のステージでは原中学校吹奏楽部のオープニング演奏を皮切りに、区内グループによるお囃子、歌、ダンス、ソーラン節、太鼓などのパフォーマンスが楽しめる(詳細は下記)。

 二ツ橋公園には地区連合、瀬谷区商店街連合会、奉仕団体の横浜瀬谷ロータリークラブなどさまざまな団体が出店。また、区内で人気の飲食店や小売店によるグルメ商品、障害福祉事業所の利用者手作りの焼き菓子などを味わえる。

 区役所の各階では医療・建築・税などに関する各分野の専門組織などが参加。5階は瀬谷区の医師会・歯科医師会・薬剤師会などのブースが並び、各種相談に応じてくれる。

クイズラリー

 上瀬谷で1年半後に開幕する「GREEN×EXPO 2027」(国際園芸博覧会)にちなんだクイズラリーが実施される。各会場を周って計6個のクイズに答えるというもので、区役所3階のブースで答え合わせ。全問正解者はハズレなしの抽選会に参加できる(景品がなくなり次第終了)。楽しみながら、園芸博への理解を深められる。

シャトルバスを運行

 当日は、各会場を周るシャトルバスが10分〜15分間隔で運行。会場には駐車場と駐輪場が無いため、主催者は公共交通機関やシャトルバスの利用を呼びかけている。

 荒天中止。イベントの開催可否は区役所ホームページ、または当日の朝8時以降に市コールセンター【電話】045・664・2525。問い合わせは区役所地域振興課【電話】045・367・5691。

横浜市瀬谷水緑の健康ウォーキングの会 横浜の海沿いエリア巡り 27日 大桟橋や臨港パークなど

 瀬谷水緑(みりょく)の健康ウォーキングの会(名雪勝利会長)が10月27日(月)、ウオークイベント「ベイエリアウオーク&横浜港見学会〜マリンルージュに乗船 ミナトヨコハマを満喫〜」を開く。後援に瀬谷区役所。

 当日は横浜そごう正面入口左側広場(横浜駅徒歩5分)に午前10時集合。横浜港見学は事前受付制で定員に達したため、山下公園までのベイエリアウオークのみ参加可。風の広場を経由し、臨港パークや大桟橋などの横浜の海沿いエリアを散策。山下公園で午後0時30分頃に解散予定。

 事前申込は不要。参加費300円(当日集金)。保険証持参。

 当日午前7時のNHK天気予報で横浜に午前中大雨などの荒天予報発令時は中止。新型コロナウイルスの影響で中止の可能性あり。詳細は瀬谷スポーツセンターのHP内のウオーキング情報、または同会の名雪さん【携帯電話】080・5683・2784へ。

ダンスを披露する出演者※過去の様子

横浜市瀬谷区で54回目となる文化祭 約120の多彩な演目を堪能しよう 10月25日、26日に公会堂で

 毎年恒例の「瀬谷区文化祭」が10月25日(土)と26日(日)に瀬谷公会堂=横浜市瀬谷区二ツ橋町190=で開かれる。入場無料。

 この催しは瀬谷区文化協会(小川肇会長)の主催。区民が日頃の活動成果を発表する場として1970年から行われており、今年で54回目。

 両日とも瀬谷音頭を皮切りに歌や舞踊、フラダンス、相撲甚句などが披露され、フィナーレは歌手・悠木真湖さんが「2027横浜花博花だより」を熱唱。25日は瀬谷区を拠点とする和太鼓グループ「オキタマ太鼓」も特別出演。2日間の演目は約120にも上る。また、会場には生け花が展示され、お茶席も設けられる。

 25日は正午〜午後5時、26日は午前10時〜午後3時。問い合わせは小川会長【携帯電話】090・3131・3376。

横浜市の瀬谷区音楽協会 来年2月の音楽発表会に向け、参加者募集 申し込み締め切り10月31日

 横浜市の瀬谷区音楽協会が、来年2月28日(土)午後1時30分(開場は30分前)に瀬谷公会堂=瀬谷区二ツ橋町190=で開催する「早春の区民コンサート2026」に向け、ステージ参加者を募集している。

 50人を募集する「混声合唱団・花」は、ベートーヴェン第九「歓喜の歌」や「ふるさと」、「美女と野獣」などの楽曲を、木管五重奏とのセッションで歌唱する。希望楽曲のみの参加も可。11月23日(日)(二ツ橋地域ケアプラザ/瀬谷区二ツ橋町83の4)、12月14日(日)(場所未定)に練習あり。1月と2月の日程は未定。練習も含めた参加費は9000円。

 15組を募集する「花にまつわる楽曲でのステージ発表」は、個人・団体問わず形態自由で、5分以内。生演奏のみでCD等の伴奏は不可。参加費5000円。

 申込締め切りは10月31日(金)。応募多数の場合は抽選。申し込みは専用フォーム、電話(【携帯電話】090・4592・0369)、メール(onmachiseya@gmail.com)のいずれか。氏名、電話番号(花にまつわる楽曲ステージは団体名、人数、演奏曲目も)を伝える。

 今後の練習日程については、同協会HPから。

約80人が参加した講座

薬物乱用防止教育の担い手養成 ライオンズクラブ国際協会330-B地区が講座

 神奈川県や山梨県などで奉仕活動を行うライオンズクラブ(LC)で構成されるライオンズクラブ国際協会330―B地区は10月8日、中区で「薬物乱用防止教育認定講師養成講座」を開いた。

 LCは各地の小中学校などで薬物乱用防止教室を実施しており、講座は教室で指導する講師を養成するため毎年開かれている。今回は、新たに講師を目指す人や資格更新の時期を迎えた講師ら約80人が参加した。

 参加者は、公益財団法人「麻薬・覚せい剤乱用防止センター」や神奈川県警の担当者から、薬物乱用が心身に与える影響や取り締まりの現状について説明を受けた。

 同地区薬物乱用防止委員会の立山和也委員長は「薬物使用の低年齢化が進んでおり、小中学生のうちに薬物の恐ろしさをしっかり教えたい」と強調。県内の一部地域で教室が開催できていない現状にも触れ、「活動をさらに広げていきたい」と抱負を語った。

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児童盗撮で逮捕・起訴の市立小学校教諭を懲戒免職

 横浜市教育委員会は10月10日、児童の盗撮動画をSNSで共有したり、わいせつな行為をしていたとして逮捕・起訴されている市立小学校の30代男性教諭を9日付で懲戒免職処分としたことを発表した。

 市教委によると、教諭は昨年10月に県内の施設で児童にわいせつな行為をした。さらに、今年1月には、児童の下着を撮影し、その動画をSNSで共有したほか、4月にも着替え中の児童を盗撮していた。

 市教委は今回の事件を受け、懲戒処分に関する指針を一部改正。法律や条例に違反するわいせつな行為は、被害者の年齢に関わらず、原則として懲戒免職とすることを明示した。

 下田康晴教育長は「極めて重大な不祥事。教育への信頼を著しく損なうもので深くお詫びする」とし、「性暴力は絶対に許さない。児童生徒のケアと再発防止に全力で取り組む」とコメントした。

男児盗撮の市児童相談所職員を懲戒免職

 横浜市は10月7日、市児童相談所の一時保護所で保護中の10代男児を盗撮した20代の会計年度任用職員を懲戒免職処分にしたことを発表した。

 市によると、職員は今年6月、就寝中の男児の尻をスマートフォンで撮影。被害児童からの申し出で発覚し、児童相談所が警察へ通報。その後、職員は横浜地方検察庁に書類送検されていた。

朝井リョウさん(撮影:川口宗道)

直木賞作家・朝井リョウさん招き読書イベント 12月に市中央図書館 高校生〜25歳以下の参加者募集

 横浜市教育委員会などは、直木賞作家の朝井リョウさんを招き、市内の高校生から25歳までの若者を対象にしたイベントを12月19日(金)に市中央図書館=西区=で開催する。

 朝井さんは2009年に『桐島、部活やめるってよ』でデビューし、13年に『何者』で直木賞、21年に『正欲』で柴田錬三郎賞を受賞している。

 イベントは、市が「二十歳の市民を祝うつどい」(旧成人式)で配布している冊子「はたちの20冊」の特別企画 。事前に寄せられた進路や就職などの悩みに、朝井さんがおすすめの本を紹介しながら答えるほか、20歳の公募市民による「つどい」の実行委員との対談も行われる 。

 参加無料。午後7時から8時15分。定員は50人で、応募多数の場合は抽選。申し込みは市のサイトから10月31日(金)まで。

 問い合わせは市教委生涯学習文化財課【電話】045・671・3282。

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定例会見に臨む山中市長

日産、マリノス筆頭株主継続に山中市長「市民の安心につながった」 スタジアム命名権は協議中

 横浜市の山中竹春市長は10月9日の定例記者会見で、サッカーJリーグの横浜F・マリノスを運営する日産自動車が筆頭株主を続ける意向を示したことについて「力強いメッセージ。市民の安心につながった」との認識を示した。

 日産がマリノス株の売却を検討しているという報道を受け、10月3日、市と横浜商工会議所、横浜市スポーツ協会が連名で日産に市内での活動継続を要望。日産は同日にホームページなどで「横浜F・マリノスの筆頭株主であり続けます」と発表していた。

 山中市長は会見で「(要望した)その日のうちに力強いメッセージがあった。市民の安心につながったのではないかと思う」と日産に感謝の意を示した。マリノスについては、「市民の愛着と誇りである大切なプロスポーツチームであり、Jリーグ発足時から横浜の象徴として活躍してきた」と述べ、今後も「市としてできることを行いたい」とした。

 一方、再検討を指示した日産スタジアムの命名権については、「日産とすでに協議を開始している」としたが、内容などについては回答を控えた。

横浜市旭区の白根公園 地域サークルや子どもたちのダンス、演奏を楽しもう 10月25日にイベント

 白根公園=横浜市旭区白根3の26=で10月25日(土)、「第28回 白根カーニバル」が開催される。午前9時30分から午後3時。予備日は翌26日(日)。

 白根地区社会福祉協議会の主催。不動丸小学校によるステージ演技(午前10時15分〜・順延の場合は中止)や、地域サークル「レアレア マカマカ」によるフラダンス(11時30分〜)、鶴ケ峯中学校吹奏楽部による特別演奏会(午後0時30分〜・順延の場合は中止)、「白根キッズダンス」による演技(1時30分〜)などがイベントを盛り上げる。2時からは抽選会も実施される。

クロチク文:山村卓也(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同) 瀬谷の生き物だより189

昨年の夏は港南区をはじめ、全国でリュウゼツランの花が咲き、マスコミで大きな話題となった。数十年に一回咲くというのは、タケ類も同様である。モウソウチク、マダケと並んで三大有用竹のハチク(淡竹)は、稈(かん)(竹の幹)全体が白みを帯びており、タケノコは一番美味だそうだ。

 ここ数年ハチクが、横浜や町田市内の数カ所で開花している。開花は120年に一度といわれ、その後地下茎でつながる竹林全部が枯れて、世代を更新するという。

 そのハチクの1品種であるクロチク(黒竹)は、逆に稈(かん)が黒いのが特徴のタケである。直径23mm、高さは3〜4mで繊細な趣があり、茶室の庭などに植栽される。黒色を生かして装飾品にも利用される。瀬谷区長屋門公園にあるクロチクが、昨年から開花している。

 稈(かん)は枯れるが一部の地下茎は残り、徐々に再生すると言われる。しかし詳細な記録はほとんど残っておらず謎も多い。次の開花は120年後らしいので、一度見学に出かけてみてはどうだろうか。