鎌倉版【10月17日(金)号】

鎌倉市長選 現新5人の争いか 10月26日投開票

 任期満了に伴う鎌倉市長選挙が10月19日(日)告示、26日(日)に投開票される。これまでに現職・新人合わせて5人が立候補の意向を示しており、市役所庁舎移転やまちづくりの方向性などが争点となりそうだ。(10月14日起稿)

 5期目を目指す現職の松尾崇氏(52)は、今年7月に分割案を示した深沢での市庁舎整備について「市役所の移転計画に取り組んできたが道半ば。災害に強いまちを実現するため尽力したい」と意欲を語った。

 会社員の広瀬浩一氏(61)は、少子高齢化対策やオーバーツーリズム対策のほか、市長や市議会議員の報酬ゼロ、公務員半減など行政コスト削減を重点施策にあげる。市庁舎移転は白紙撤回と住民投票の意向を示す。

 市議3期目の栗原絵里子氏(56)は、新庁舎整備を白紙撤回し、市民参加型のまちづくりの仕組みを訴えるほか、避難ビルの整備や文化財保護、公共施設等のインフラ整備、学校給食の無農薬化などを掲げる。

 NPO代表の寺田浩彦氏(63)は、歩行者や自転車、人力車にやさしいまちの実現や、ごみ焼却所の余熱による銭湯などコミュニティーの場の創造、文化芸術の尊重、市立大学や人材活用センター設置などを訴える。

 造園会社会長の梅澤保雄氏(73)は、緑地保全や防災を目的とした緑基金の創設をはじめ、公的不動産の活用、芸術や文化事業の強化、子育て・福祉支援など「次世代のための鎌倉を創りたい」と施策を話す。

 同選挙の最終的な立候補者は、告示日の届出によって決定する。

 また、同選挙では20日(月)から期日前投票が可能になる。日程は、市役所第3分庁舎と大船行政センターでは20日から25日(土)。腰越行政センター、深沢行政センター、玉縄行政センターでは23日(木)から25日。各日午前8時30分から午後8時。

18日に公開討論会

 鎌倉青年会議所(JC)は、鎌倉市長選の立候補予定者による公開討論会を10月18日(土)に開き、公式YouTubeチャンネルでライブ配信するほか、アーカイブ動画を配信する。時間は午後6時から7時45分。

(問)JC事務局【電話】0467・25・5538
江ノ電沿線の魅力が散りばめられたファブリックカレンダーを持つ伊藤さん

伊藤眞依子さん 街の魅力、「もよう」で紡ぐ 市元気アップ事業で最優秀

 鎌倉市が地域経済活性化のために実施する「鎌倉市商工業元気アップ事業」の2025年度創業部門でこのほど、テキスタイル研究所「Casa de Pano(カサデパーニョ)」(雪ノ下)代表の伊藤眞依子さん(33)=人物風土記で紹介=が手掛ける『LOCAL TEXTILE PROJECT』が最優秀に輝いた。

 同事業は、創業予定者や開業間もない中小企業者による新商品、新技術、新サービスの開発や新事業への挑戦を補助金等で支援する取り組み。

 伊藤さんのプロジェクトは、鎌倉を中心に、湘南や三浦半島エリアで暮らす人々の「地域愛」を言語化し、「地域もよう」としてテキスタイル(布)に落とし込み、ローカル視点での暮らしの楽しみ方や街の魅力を発信する。審査員から、「鎌倉で暮らす人や営む人と共に、鎌倉の魅力を再発見・共有するデザイン事業」として、高い評価を受けた。

対話で得た地域愛をデザイン

 慶應義塾大学卒業後、パナソニックで商品企画などに携わった経歴を持つ伊藤さん。鎌倉で暮らし子育てするなかで、「観光のお土産ではなく、地元民が誰かに贈りたくなるものが少ない」と感じ、自ら手掛けることを決意。手仕事感があり、街の風景や人々の記憶を共有できるプロダクト製作に乗り出した。

 若手デザイナーと協働し、そこに暮らす人々や企業に取材を慣行。対話のなかで得た「地域愛」をデザインして、テキスタイルを完成させた。

 補助金等を活用しながら、今年は江ノ電沿線の「地域もよう」を散りばめたテキスタイルやファブリックカレンダー、布小物など日用品を展開。他にも「湘南の花」や「三浦野菜」などをキーワードにした商品開発も行っている。

 伊藤さんは「布を通して暮らしの楽しみの再発見や、魅力発信につなげていければうれしい」と話している。

鎌倉市商工業元気アップ事業(創業部門)で最優秀を受賞した 伊藤 眞依子さん 鎌倉市在住 33歳

「布の家」から地域愛届け

 ○…約7メートルの吹き抜けに、お気に入りのテキスタイル(布)をアートのように飾り、ギャラリーとして開放する。市民活動として、テキスタイルをテーマに、クリエイターと地域の人たちと共に展覧会やワークショップなどを開催してきた。スペイン語で「布の家」と名付けられた「テキスタイル研究所Casa de Pano(カサデパーニョ)」を主宰し、同活動とは別に手掛ける『LOCAL TEXTILE PROJECT』がこのほど、鎌倉市商工業元気アップ事業(創業部門)の最優秀に輝いた。鎌倉を中心に湘南の魅力をデザインし、テキスタイルで発信する。「街の魅力や暮らしの楽しみを日常のふとした瞬間に感じてもらえれば」と顔をほころばせる。

 ○…デザインを作り上げる上で力を入れたのは、そこに暮らす人や営む人たちとの対話。インタビューを通し、ローカル視点の楽しみや地域の宝物、地域愛を聞き、デザイナーとともにこだわりを持って仕上げた。イラスト一つをとっても「愛あるストーリー」が展開されており、「街の風景や記憶を思い起こさせ、毎日を彩ってくれる小さな宝物になるはず」と自信をみせる。

 ○…鎌倉で育つ。プロダクトデザインに興味があり、慶應義塾大学では認知科学などと合わせ専門的に学んだ。パナソニックに入社後は、さまざまな商品企画に携わり、そのなかで出合ったテキスタイルに魅了され、自宅兼ギャラリーをオープンさせた。閉館時は2人の子どもたちが元気に走り回ったり、デザイナーと一緒に絵を描くこともあるとか。「平日は子育てに全振り」と苦笑するが、テキスタイルとおもちゃが共存する空間に、充実した日々が垣間見える。「これも日常のふとした瞬間の暮らしの楽しみですね」

平和願うひととき

 鎌倉市内で福祉を中心に活動する団体や市民が一堂に会し、平和な未来を願い他者とつながるイベント「第3回鎌倉平和まつり」が9月21日、月華鎌倉誠行社を会場に開催された=写真。

 ダンスなどのステージ発表の他、手作り品などの販売もあり、500人以上が集まった。参加者は「さまざまな人とつながり、情報交換できた。有意義な時間だった」と話していた。

朝比奈社長(左)と高橋教育長

子どもたちの学びを応援 鎌倉エフエムが市へ寄付

 鎌倉エフエム放送(株)(朝比奈惠温代表取締役社長)は、8月に開催した「しごとてん2025in鎌倉」で導入したチャリティーチケットの収益金の一部10万5960円を、「鎌倉スクールコラボファンド活用基金」に寄付した。

 10月8日に鎌倉市教育委員会教育長室で贈呈式が行われ、朝比奈社長から高橋洋平教育長に目録が手渡された。

 寄付金は、学校と地域が協働して子どもたちの学びや挑戦を支える活動に充てられる。

 朝比奈社長は、「子どもたちの学びを応援したいという地元の思いが形になったもの」とコメント。「今後も企業、市民、行政と連携し、鎌倉から未来につながる教育の土壌を育んでいきたい」と抱負を述べた。

連載 最終回鎌倉の未来 紡ぐ視点 まちづくりは人づくり 鎌倉商工会議所 久保田 陽彦 会頭

 鎌倉市のこれからのまちづくりについて、経済、観光、医療、スポーツ、学生、地域活動など、さまざまな分野の団体にインタビューする連載企画。最終回は、鎌倉商工会議所の久保田陽彦会頭=写真=に「地域経済」を軸に話を聞いた。

 「やるからには『苦しい』とか『辛い』は言いたくない。楽しくなきゃ仕事じゃない」と、久保田会頭は自身の信条を語る。「鳩サブレー」でお馴染みの(株)豊島屋の社長業を、さまざまな角度から俯瞰でみる「映画監督」と捉え、その情熱を地域活動にも注ぐ。

 目指すのは、商議所を市民に身近な存在とし、地域に活力を生み出すこと。その一環として、「オクトーバーフェスト」や「モノづくり展」といったイベントの開催に注力し、「地元の魅力を感じる場」を提供してきた。また、「まちづくりは、結局のところ人づくりだ」とし、未来への投資として創業支援や女性の社会進出にも力を入れている。

 鎌倉経済は、人手不足や事業承継、人件費高騰、物価高、デジタル化の遅れといった課題に直面しているという。

 これらの解消を目指し、これまでに「かまくらプレミアム商品券」の発行・販売を主導し、地域内消費を強力に喚起した。さらに、今年9月には、スキマバイトサービス「タイミー」との連携協定を締結。観光客増加で深刻化する人手不足に対し、学生やシニア層など多様な人材の労働力の掘り起こしを狙う。さらに、各種補助金申請のサポートなどで事業者を支える。

観光客と共存・共栄

 久保田会頭は、観光客の増加が事業を潤す「恵みの一つ」であると強調し、「観光客が来ているからこそ事業が潤う。このメリットを地域全体で享受できる共存・共栄の仕組みが必要だ」と指摘。一方で、鎌倉の弱点としてインフラ(道路など)の整備の遅れを挙げた。「道路の拡張などがされれば、市民はもっと住みやすくなり、想定外の災害にも強くなるはず。観光地の渋滞解消にもつながる」と、防災・減災の観点からも整備の必要性を訴えた。

 「鎌倉が大好き」と久保田会頭。「常に感謝の気持ちを持ち、持続可能な経済と地域文化を守り育てていきたい」

スポーツでつながる1日 パリ五輪金メダリストも登場

 鎌倉インターナショナルFCと徳洲会かまくら体操クラブは10月13日、「All Sports Together in 鎌倉」(オルスポ)をゴールドクレストスタジアム鎌倉で初開催した。

 両クラブの関係者や家族ら約350人が参加し、「競技を超えて、世代を超えて、スポーツで繋がる鎌倉の輪」をテーマに交流を深めた。

 イベントには、パリ五輪金メダリストの杉野正尭選手(徳洲会体操クラブ所属)もゲストとして登場。また、競技構成には市の課題である「防災」の要素も取り入れ、湘南鎌倉総合病院の救急救命士が心肺蘇生法などをレクチャーした。

 運営委員長の一人、岡田祐介さん(鎌倉インテル)は「みんなで一緒につくりあげることの大切さを実感した」と語り、来島歩さん(徳洲会)も「スポーツを通して一つになる思いが形になった」と話した。

 今後は、鎌倉を拠点とする多様なスポーツ団体を巻き込み、地域ウェルネスの推進を担うイベントとして発展させる考えを示した。

柳家花緑さん

読者プレゼント 柳家花緑さん独演会 11月8日 御殿場市民会館

 戦後最年少の22歳で真打に昇進した実力派落語家、柳家花緑さんの独演会が11月8日(土)、御殿場市民会館(静岡県御殿場市萩原183の1)で開催される。開場午後1時30分、2時開演。

 観客を惹きつける巧みな話芸で古典と新作両方に取り組み、着物と座布団という伝統的なスタイルだけでなく、洋服と椅子で演じる新しいスタイルにも挑戦する柳家花緑さん。独演会チケットは3800円。

 タウンニュース読者10組20人にチケットをプレゼント。希望者は〒住所、氏名、電話番号、「柳家花緑独演会希望」と明記し〒110―0016 東京都台東区台東2の25の6の7階 エイフル企画(株)へ郵送。10月29日(水)締切(必着)。当選発表はチケットの発送をもって代える。詳しくは同社【電話】03・6240・1052へ。

26日は鎌人いち場 海浜公園由比ガ浜地区で

 マーケットイベント「鎌人(かまんど)いち場」が10月26日(日)、鎌倉海浜公園由比ガ浜地区で開催される。

 タンコロのあるグラウンドエリアでは、食事やステージ企画、フリーマーケットが楽しめる。

 遊具のあるエリアでは、乗馬体験や魚・野菜・地元の商品を中心とした物販、市民団体らの展示などを実施。

 丘エリアでは、ヒーリングブースやアート・クラフト作品の販売、ワークショップ、ステージ企画などを予定している。

 午前9時から午後4時まで。会場では、ゴミを出さないためにバッグ・食器・箸などの持参を推奨している。出展者の詳細や天候による開催の有無は、ホームページへ。

薬剤師がアドバイス 10月26日 薬と健康フェア

 鎌倉生涯学習センター(小町1の10の5)前で10月26日(日)、「薬と健康フェアかまくら2025」が開催される。時間は正午から午後3時。参加無料。荒天中止。

 当日は、体組成・骨密度・血管年齢測定・脳年齢・認知機能セルフチェッカー・野菜接種測定など健康項目の無料測定後、薬剤師がアドバイスをしてくれる。また、薬の相談にも応じてくれるので、「お薬手帳」の持参を。

(問)鎌倉市薬剤師会(オレンジ薬局鎌倉店)高村さん【電話】0467・61・2312

 

 

デザインも追求した空間

(株)カヤック 鎌倉にサウナ新設 「地元住民や働く人に」

 IT企業の(株)カヤック(柳澤大輔代表/御成町)が手掛けるサウナ施設「御成桑拿(おなりさうな)」が完成し、10月13日のオープンを前に、10日、報道関係者向けの内覧会が開かれた。

 サウナ室は約25平方メートルで、最大30人を収容。温浴、水風呂、シャワー、室内の休憩スペースに加え、約48平方メートルの屋上ウッドデッキを設置。鎌倉の伝統や昭和の銭湯文化を取り入れたデザイン、蒸気や湿度の快適な環境など機能性も追求している。

 建築設計に携わった関係者によるトークショーの中で、同社の佐藤純一執行役員は「街とオフィスを一体化させ、人とのつながりを生むものとして社内で考えたのがサウナだった」とし、「地元住民や鎌倉で働く人、旅行客にも利用してもらえたら」と期待を込めた。

 カヤックはゲームやウェブの制作を主力事業とし、企業連携により地域に提供する社員食堂や保育所の運営、環境保全活動など、地域貢献にも取り組んでいる。

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写真で四重奏 きらら鎌倉で29日から

 アマチュア写真家4人によるグループ「鎌倉カルテット」の第4回写真展「四重奏・鎌倉 第四楽章」が10月29日(水)から11月3日(月)まで、小町の鎌倉生涯学習センター(きらら鎌倉)ギャラリーで開催される。午前10時から午後5時(最終日は3時)。入場無料。

 写真家・原田寛さんの教室で出会った有田俊介さん、古川三紀雄さん、中沢賢治さん、林知道さんが、それぞれの感性で写した鎌倉の作品を展示。展示枚数は各自10点から20点。同グループでは「多彩で奥行きのある鎌倉を、ぜひお楽しみください」と来場を呼びかける。

 

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