鎌倉 人物風土記
公開日:2025.10.17
鎌倉市商工業元気アップ事業(創業部門)で最優秀を受賞した
伊藤 眞依子さん
鎌倉市在住 33歳
「布の家」から地域愛届け
○…約7メートルの吹き抜けに、お気に入りのテキスタイル(布)をアートのように飾り、ギャラリーとして開放する。市民活動として、テキスタイルをテーマに、クリエイターと地域の人たちと共に展覧会やワークショップなどを開催してきた。スペイン語で「布の家」と名付けられた「テキスタイル研究所Casa de Pano(カサデパーニョ)」を主宰し、同活動とは別に手掛ける『LOCAL TEXTILE PROJECT』がこのほど、鎌倉市商工業元気アップ事業(創業部門)の最優秀に輝いた。鎌倉を中心に湘南の魅力をデザインし、テキスタイルで発信する。「街の魅力や暮らしの楽しみを日常のふとした瞬間に感じてもらえれば」と顔をほころばせる。
○…デザインを作り上げる上で力を入れたのは、そこに暮らす人や営む人たちとの対話。インタビューを通し、ローカル視点の楽しみや地域の宝物、地域愛を聞き、デザイナーとともにこだわりを持って仕上げた。イラスト一つをとっても「愛あるストーリー」が展開されており、「街の風景や記憶を思い起こさせ、毎日を彩ってくれる小さな宝物になるはず」と自信をみせる。
○…鎌倉で育つ。プロダクトデザインに興味があり、慶應義塾大学では認知科学などと合わせ専門的に学んだ。パナソニックに入社後は、さまざまな商品企画に携わり、そのなかで出合ったテキスタイルに魅了され、自宅兼ギャラリーをオープンさせた。閉館時は2人の子どもたちが元気に走り回ったり、デザイナーと一緒に絵を描くこともあるとか。「平日は子育てに全振り」と苦笑するが、テキスタイルとおもちゃが共存する空間に、充実した日々が垣間見える。「これも日常のふとした瞬間の暮らしの楽しみですね」
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