高津区版【10月31日(金)号】
だるまに目入れをする福田氏(左)

川崎市長選挙 福田氏が4選果たす 市民「市政継続」 投票率は32%

 任期満了に伴う川崎市長選挙が10月26日に投開票され、無所属で現職の福田紀彦氏(53)が25万超の票を獲得し4選を果たした。福田氏の3期12年にわたる市政評価などが争点となる中、市民は「市政継続」を選んだ格好だ。投票率は32・93%で衆院選との同時選挙となった前回よりも24・73ポイント下回った。

 午後8時、4期目の当選確実の一報が伝えられると、選挙事務所は支持者らの万雷の拍手に包まれた。あいさつに立った福田氏は「謙虚に市民のみなさんとの対話を重視し、これからも川崎の発展のために未来を作っていくこと。その具体的な政策を実行し、川崎が成長することができるように頑張っていきたい」と意気込みを語った。選挙期間中、市内7区で約130回にわたる「青空集会」と呼ぶ演説集会を行った福田氏。「私の思いや政策をしっかり訴えることができた。最も充実した選挙ができた」と振り返った。公約として掲げた卓越スクール(高専)の設立については、大学関係者からも関心が寄せられるなど期待の高さに驚いたという。喫緊の物価高対策については、「今後、国の政策と連携しながら取り組んでいきたい」と気を引き締めた。政令市を県から独立させる「特別市」制度の実現については浮上する「副首都構想」を意識し、国へしっかり訴えていく考えを示した。

 市長選には福田氏のほか、川崎市議を辞職して無所属で挑戦した山田瑛理氏(42)、出版社CEOで事務事業評価で税金の使い道を正す党から出馬した宮部龍彦氏(46)、社会福祉法人理事で共産党が推薦した野末明美氏(60)、無所属で会社員の國谷涼太氏(25)、無所属で清掃員の関口実氏(67)の5氏が立候補し、街頭演説などでそれぞれの政策を訴えたが及ばなかった。

高津区投票率は31・84%

 高津区の投票率は31・84%で前回比で24・99ポイント下がった。
ペンキを塗る小学女児

川崎市子ども夢パーク 「ゆめ横丁」準備進む 子どもの権利を体感

 川崎市子ども夢パーク(高津区)の秋恒例のイベント「こどもゆめ横丁」が11月3日(月・祝)に開催される。企画立案から売上金管理までを子ども自身が担う「子どもの権利」体感イベント。参加予定の31組が当日に向け、懸命に店舗設営に取り組んでいる。

 毎年11月20日は川崎市子どもの権利条例が定める「かわさき子どもの権利の日」。この日に合わせ、子ども夢パークでは企画づくりから模擬店づくり、商品の店頭販売やお釣りや売上金の管理まで、すべてを子どもたちだけで完結する「こどもゆめ横丁」を、2006年から開催している。

 10月4日には「第一回横丁会議」があり、出店者で「子どもが買い物を楽しめる工夫」などを協議。18日からは廃材とくぎ、金づちなどを使った模擬店作りが始まった。

 参加者の保護者らには「大人は手出し、口出しをしないこと」という「ゆめ横丁」のルールを共有の上、事務局のスタッフが会場に常駐し、安全確認をしたり相談に乗ったりする。

 本番を1週間後に控えた27日、高津区内の小学校に通う女児3人は自力で建てた模擬店にペンキを塗っていた。3人は入学前から客として「ゆめ横丁」を訪れてきたといい、「いつか自分も」という希望が叶い、今回初めて「雑貨店」を出店するという。手をペンキだらけにして、「楽しみ!」と声を弾ませた。

 3日は午前11時から午後3時までで、午前11時45分までは高校生年齢以下の子どものみ入場可能。問い合わせは子ども夢パーク【電話】044・811・2001。

川崎北工業会青年部部長として「オープンファクトリー」の企画を担当した 齊藤 倫平さん 溝口在住 45歳

「ものづくり」への情熱、胸に

 ○…「住宅と工場が混在する地域において、両者が調和して共存できるまちづくりを目指す『住工共生』の取り組み」を、より多くの人に知ってもらおうと定期的に行われる川崎北工業会の「オープンファクトリー」。今年節目の10回を数えたこのイベントの企画・運営を担当する同会の青年部長は「子ども達に、ものづくりの楽しさを知ってもらう貴重な機会にしてもらいたいですね」と、11月8日の開催を前に期待を込める。

 ○…高津区久地や宇奈根エリアの製造業を中心とした企業などで構成される川崎北工業会には2023年に加入後、ほどなく若手経営者・後継者約20名から成る青年部のリーダーに。「互いに学び合い、地域産業の発展に注力しています」と笑顔をみせる。

 ○…革製品を取り扱う工房を構える溝口は、生まれ育ち45年を過ごしてきた場所。自分の子どもに「この街を好きになってほしい」という思いから、消防団やPTAなどの地域活動にも積極的に関わってきたのだとか。さらに小学校での出前授業やワークショップを通じて、子どもたちに環境意識と、ものづくりの楽しさを伝えるなど、ライフワークを通じて自身の持つ郷土愛を次世代に繋ごうとしている。

 ○…「オープンファクトリー」に深く関与するようになったのは工場見学が、にわかに注目を集め始めてきた頃。このイベントをより良いものにするため、各工場に直接足を運び丁寧に説明を重ねることで「少しずつ協力の輪が広がっていきましたね」と当時を振り返る。こうして迎えた今年は、これまでで最も大きな規模での開催となる予定。「これから先もさらに地域に根差し、未来へとつながる活動に育てていきたい」と、力強く語ってくれた。

川崎北工業会「オープンファクトリー」11月8日(土)開催 工場見学、仕事体験など今年は10回の節目記念しプログラムを拡充

 (一社)川崎北工業会(五十嵐崇会長)が11月8日(土)に「オープンファクトリー」を実施。現在、参加者を広く募っている。主催は同会および川崎市経済労働局、高津区役所で構成される「高津区久地・宇奈根地区住工共生推奨事業部実行委員会」。

 この催しは高津区久地および宇奈根にある、さまざまな工場を無料で見学できる、というもの。それぞれの工場で行われている仕事の様子や作られている製品についても学ぶことができ、毎回多くの参加者で賑わう地元屈指の人気イベントとして広く親しまれている。

久地梅林公園も会場に

 特に10回目を迎えた今年は、同会が大切にしてきた「住宅と工場が混在する地域において、両者が調和して共存できるまちづくりを目指す『住工共生』の取り組み」を、より多くの人に知ってもらおうとプログラムを拡充。久地・宇奈根地区の「ファクトリーエリア」では普段入ることのできない工場を特別開放し、見学や職人によるものづくり体験を通して、製造の現場を楽しく学ぶことができる。同エリアでの見学は、各工場への事前申込みが必要となっており、基本的に雨天決行だが一部中止となるプログラムもある。申込み受付は始まっていることから、工場によっては現時点で既に定員に達している可能性もあるという。

 また、久地梅林公園に設けられる「パークエリア」では子どもから大人まで楽しめるワークショップや体験型アクティビティなどを多数用意し、新たな発見や気付きの機会を提供する(同エリア内のプログラムは当日参加可)。

 さらに当日は、パークエリア内に飲食ブースやキッチンカーも並び、地元のグルメや食事も味わえるほか、ものづくりだけではない多種多様な企業が加盟している川崎北工業会の特性を生かした楽しい企画も。「パターゴルフ体験」(久地ゴルフガーデン)や「スピードガンで目指せ164キロ」(城南信用金庫)などのほか地元の警察や消防署による協力の下、パトカーや消防車の乗車コーナーも設けられる。

「街と工場、繋がる1日に」

 今回のオープンファクトリーの開催に際し、企画などを担当した川崎北工業会青年部長の齊藤倫平さんは「10回目を迎え『街と工場が繋がる1日』になるよう充実したラインナップを目指した。お子様も大人も『学び・遊び・食』を、笑顔で楽しんでもらえるような時間にしてもらえれば」と話し、広く参加・来場を呼び掛けている。
防犯などを呼びかけるパンチ佐藤氏

パンチ佐藤氏 一日署長に 溝ノ口駅前で防犯啓発

 高津警察署と高津防犯協会は10月14日、元プロ野球選手でタレントのパンチ佐藤さんを一日警察署長に迎え、武蔵溝ノ口駅前のキラリデッキで地域住民に犯罪被害防止を訴える「啓発キャンペーン」を実施した。

 この活動は、11日から20日まで実施されていた「安心・安全まちづくり旬間」に関連したもの。

 当日は、暴力団排除対策推進協議会や地元の少年野球チームなど約20団体がイベントに参加し、犯罪への警戒を呼びかけるチラシを配布して駅利用者などに注意を呼びかけた。

 また、キャンペーン中にはトークショーも開かれ、詐欺対策や自転車のロックの重要性について、パンチ佐藤さんが呼びかけた。
来場を呼び掛ける梶が谷駅前通り振興会のメンバー

エルカジまつり 文化・環境 梶ヶ谷で「楽しんで」 11月9日 フリマも開催

 梶ヶ谷地域の恒例イベント「エルカジまつり」が11月9日(日)、「コジマ×ビックカメラ梶ヶ谷店」の1階と屋上、梶が谷駅近くで開かれる。午前11時から午後3時30分。荒天中止。

 梶が谷駅前通り振興会(元井政代会長)主催。当日は、梶が谷駅駐輪場沿いでフリーマーケット(午前10時開始)が開かれるほか、1階エリアでは和太鼓や合唱、歌、チャンバラなどが披露される「ステージ」や、地域の飲食店が多数出店する「フードエリア」も用意されている。

脱炭素ブースを設置

 さらに、同イベントの目玉となる「脱炭素防災環境ブース」も屋上エリアに設置。ポリ袋に入れた食材を、そのまま鍋で調理する「パッククッキング」を、高津区役所地域支援課が実演。同区役所の水素カー展示や脱炭素PRブースのほか、宮前生活環境事業所によるフードドライブとスケルトン清掃車の展示ブースも設けられる。

 さらに、使用済み天ぷら油を持っていくと、廃油を原料に作った石鹸がもらえる「かわさきかえるプロジェクト」のブースなども設置される。

 元井会長は「文化や環境について楽しみながら体験できます。また、梶ヶ谷の魅力も来場者に知ってもらえたら」と来場を呼びかけている。

 (問)梶が谷駅前通り振興会【携帯電話】080・5054・3548

川崎西ロータリー 事務スタッフを募集 「まずは気軽に問合せを」

 高津区内を中心に奉仕活動を行っている「川崎西ロータリークラブ」(安藤信行会長)が現在、事務スタッフを募集している。

 主な仕事内容はクラブの運営を支える一般的な事務作業。具体的には会合の準備、書類作成、電話対応などのほか、奉仕活動の支援も含まれる。

 勤務日は週4日(金曜日は固定)。安藤会長は「待遇や社会保障などの委細は面談の上、決定します。詳細については、ぜひお気軽に問合せを」と呼び掛けている。

 問合せは【携帯電話】090・7730・7903同クラブ担当・松田さんへ。

俳優・森次晃嗣さんに聞く 「ウルトラセブンは分身」 シニアに熱いメッセージ

 ウルトラマンシリーズは来年、放送開始から60周年の節目を迎える。数ある名作の中でも誉れ高いのが「ウルトラセブン」だ。主役のモロボシ・ダンを演じた俳優、森次晃嗣さん(82)=藤沢市在住=に、当時の思い出や年齢を重ねても元気に過ごす秘訣を聞いた。

 --「セブン」撮影当時の思い出は。

 「高校卒業と同時に、文字通りかばん一つで北海道から上京し、ジャズ喫茶などで住み込みで働いた。オーディションを勝ち抜いてモロボシ・ダン役を射止めたのは24歳の時。撮影には毎日始発で藤沢の自宅を出て、成城学園前のスタジオまで通った。40度の熱があっても撮影したことも。過酷なスケジュールで、よく1年やれたと思う。特に心に残っているのは、海底人が人間の海底開発に抗議して攻撃してくる『ノンマルトの使者』。実はもともと地球に住んでいたのは海底人の方で、ダンも地球人がしたことに苦悩する。ウルトラセブンは戦争もテーマに置く、社会派ドラマだった。怪獣もエレキングやキングジョーなど魅力があったから、人気があるんじゃないかな」

 --ウルトラセブン=モロボシ・ダンは、森次さんにとってどのような存在ですか。

 「もはや分身と言える存在だと思う。色んな役を演じてきたけれど、やっぱりモロボシ・ダンなんだ」

 --他のウルトラマン役を演じた俳優とも交流があるとか。

 「昨年、同じ藤沢に住む、つるの剛士さん(ウルトラマンダイナ役)から『今日暇ですか』と電話があってね。彼の自宅に行ったら高野八誠さん(『ウルトラマンガイア』ウルトラマンアグル=藤宮博也役)とか若いウルトラマンも何人かいて。お酒を飲んで、話をして、元気をもらったよ」

 --「セブン」の後も、時代劇から現代劇までさまざまな役を演じてきました。長く活躍できた秘訣は。

 「60代に入ってからは、若くはないけれどおじいちゃんでもない、難しい役どころが多くなった。でも挑戦することを大事にしていたので、もらった役は全力で取り組んできた。70代に入り、流石に体力の衰えを感じるようになって、海までの散歩を日課にしていた。振り返ると好きなことをやってこられたと思う。でも、まだまだファンのみんなに元気な所を見せていかないとね」

 --現在は藤沢で飲食店「ジョリー・シャポー」を経営されています。

 「以前は店でシャンソンを歌ったりもしていた。今はほとんど娘に任せているけれど、今も年に数回はファンミーティングを開いている。ファンの皆さんが、こんなに長くセブンを大切に思ってくれてありがたい」

 --ファンからサインを求められた際、色紙には必ず「正義」「勇気」「希望」と書くとか。

 「正義を貫くには勇気がいる。勇気があれば希望が生まれる。この言葉を生涯大事にしている」

 --最後に読者にメッセージをお願いします。

 「いつ何が起きるか分からないからね。若い人に力をもらって、一緒に楽しくいきいきと生きていきましょう」
撮影方法について指導する鈴木常務(右)

高津青年会議親睦会 子ども達に「学びの場」提供 「写真のたなかや」を探検

 地元の有志などで構成される「高津青年会議親睦会」が10月15日、区内の小学生を招いた、探検企画を実施した。

 この取り組みは、大山街道ふるさと館で活動する「子ども探検クラブ」のメンバーに「学びの場」を提供しようと同親睦会が続けているもの。「高津の町、再発見」をテーマに、普段はなかなか見ることのできない区内施設や、仕事の裏側を体験できる企画として、毎年この時期に実施されている。

鈴木常務が案内役に 

 当日参加した13人のメンバーは、大山街道沿いにある「写真のたなかや」を訪問。同店の常務取締役を務める鈴木重登さんの案内のもと、撮影や写真の加工方法などを学んでいった。

 写真撮影を体験できる時間では、鈴木さんが「写真を撮るときは、光の当たり方やピント、被写体の表情を引き出すことが大切だよ」と話すと、子どもたちはアドバイスを参考に撮影に挑戦。また、パソコンのツールを活用して撮影した人物の写真を加工していく工程も見学した。

 鈴木さんからは、「最近ではAIを使った加工も使われるようになってきました」と説明があると、子どもたちだけではなく、様子を見守っていた高津青年会議親睦会のメンバーからも驚きの声が上がっていた。

 探検の最後には、質問を受け付ける時間も設けられ、子どもたちからは「1日どれくらいの写真を撮るんですか?」「なんで撮影する時の背景は白色なの?」などといった質問が寄せられた。鈴木さんは「日によって異なるが、多い時は100枚撮影する時もある。白い背景は光をよく反射するため、綺麗に撮影できるんです」と、回答していた。

地域に「愛着を持って」

 この取り組みはこれまでにも川崎信用金庫や区役所、JR溝ノ口駅、ムサシボウル、高津警察署、溝口神社で行われてきた。同会は「子ども達が地域の魅力を知り、より深く愛着を持ってもらえるよう、探検企画を継続していければ」と抱負を語った。

 また、鈴木さんも今回の催しを経て「普段は関わる機会のない子どもたちと交流する良い機会になった。将来、撮影スタッフに興味を持つ人も出てきてくれれば嬉しい」と話した。
緊張のスタート直後の様子

中学校駅伝競走大会 男女108チーム、健脚競う 東橘(女子)、激戦制し県大会へ

 地元中学生にとって毎年、運動系部活動の集大成ともなる「川崎市中学校総合体育大会」(市総体)。その最後を飾る「駅伝競走大会」が、10月24日に等々力陸上競技場および等々力緑地公園周回コースで行われた。

 男子78回、女子40回の歴史を誇るこの大会。今年も川崎市内中学校から計108チーム(男子54校、女子54校)が参加。大会に向け、陸上部を中心に、他の部活に所属する生徒を加えたスペシャルチームを編成する学校も多く、この駅伝はいわば「総力戦」。各校での選抜を勝ち抜いた精鋭たちが女子5区間、男子6区間でタスキをつなぎ、健脚を競い合った。

県大会はあす号砲

 男子は上位9チーム、女子は上位8チームに県大会への出場権が与えられるとあってレースは熾烈な展開。そんな中、東橘中(女子)が、接戦を制し優勝。あす11月1日(土)に横浜市で行われる県大会へと駒を進めた。

(株)タウンニュース 終節に向け、応援の一助に 川崎Fの特別号を配布

 タウンニュース川崎支社では「川崎フロンターレ」特別号を発行。10月18日(土)の清水エスパルス戦の当日、武蔵中原駅、武蔵小杉駅周辺で会場に向かう同チームのサポーターらに配布しました。

 紙面には、ジュニーニョ選手のインタビューや、弊社が1998年から2006年まで取材してきた同チームの歴史を知ることができる懐かしい記事を掲載。また「組織マネジメント」をテーマにしたキャプテンの脇坂泰斗選手らの新たにインタビュー記事も載せています。

 次回は11月8日(土)のホームゲームの当日、近隣の駅などで配布予定。

 また富士通スタジアム川崎やフロンタウンさぎぬま、Anker フロンタウン生田、川崎市民プラザなど試合当日以外も入手できます。無くなり次第終了。お早めに。
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JR武蔵小杉駅から中原区役所への経路の交差点

視覚障がい者目線で歩く  川崎は「バリアー」だらけ 協会の要望、実現に壁

 川崎市視覚障害者福祉協会では毎年、川崎市長に要望書を提出している。その内容は交通機関の安全確保や高齢者問題など多岐にわたるが、大半が実現に至っていない。だが要望の「現場」を訪ねると、川崎の街は決してバリアフリーではないことが実感される。

 JR武蔵小杉駅から中原区役所に向かうルートを歩くと、頻繁に人と車が行きかう交差点にぶつかる。協会ではこの交差点に「音響式信号」を設置するよう、数年前から要望してきた。だが協会関係者によれば、「行政から『近隣住民に許可を得る必要があり、難しい』と聞いた」という。

 音響式信号の設置の可否を決めるのは神奈川県警だ。要望の扱いを記者が尋ねたところ、「今回の要望を受け、中原警察と共有の上、現場の交通実態を把握して整備に向けた作業を進める方針」と答えた。この県警の回答に、協会副会長の舩橋光俊さんは「予算の都合などで難しいものも多いことは承知している。実現してもらえるならありがたい」と語った。

画一的な線引き

 要望の中でも協会が「通りにくい」との印象を持つのが、鉄道各社への要望だ。今回の要望では、視覚障がい者が頻繁に利用する「川崎市視覚障害者情報文化センター」の最寄り駅であるJR八丁畷駅と、同駅に向かう乗り換え地点であるJR南武線浜川崎支線尻手駅の「3番線」のホームドア設置も求めた。

 この要望は、川崎市から神奈川県の「鉄道輸送力増強促進会議」を経由して鉄道事業者に伝えられる。JR東日本横浜支社に問い合わせたところ、「ホームドア設置に関しては、乗降者数10万人以上の駅等を優先している。2031年度末までの整備目標である330駅の中に、南武線浜川崎支線は含まれていない」とのことだった。

 舩橋さんは「乗降者数など画一的なデータで線引きされては、両駅の設置は絶望的。視覚障がい者が多く乗降している特性も踏まえて欲しい」と悔しそうだ。

踏切は特に「怖い」

 要望の内容以外にも、障がい当事者が「怖い」と声を上げる場所は、市内各所にある。川崎区の京急大師線と国道409号線が斜めに交差する「大師第一踏切」がその典型だ。歩道の幅が広いこともあり、視覚障がい者がカーブに気づかず車道にはみ出たり、直進して線路に落ちたりするトラブルが後を絶たないという。舩橋さんは「踏切から出られずに電車にひかれてしまったら、一発で命を落としてしまう。点字ブロックを整備するなど、対策を講じて欲しい」と訴えている。
ペンキを塗る小学女児

川崎市子ども夢パーク 「ゆめ横丁」準備進む 子どもの権利を体感

 川崎市子ども夢パーク(高津区)の秋恒例のイベント「こどもゆめ横丁」が11月3日(月・祝)に開催される。企画立案から売上金管理までを子ども自身が担う「子どもの権利」体感イベント。参加予定の31組が当日に向け、懸命に店舗設営に取り組んでいる。

 毎年11月20日は川崎市子どもの権利条例が定める「かわさき子どもの権利の日」。この日に合わせ、子ども夢パークでは企画づくりから模擬店づくり、商品の店頭販売やお釣りや売上金の管理まで、すべてを子どもたちだけで完結する「こどもゆめ横丁」を、2006年から開催している。

 10月4日には「第一回横丁会議」があり、出店者で「子どもが買い物を楽しめる工夫」などを協議。18日からは廃材とくぎ、金づちなどを使った模擬店作りが始まった。

 参加者の保護者らには「大人は手出し、口出しをしないこと」という「ゆめ横丁」のルールを共有の上、事務局のスタッフが会場に常駐し、安全確認をしたり相談に乗ったりする。

 本番を1週間後に控えた27日、高津区内の小学校に通う女児3人は自力で建てた模擬店にペンキを塗っていた。3人は入学前から客として「ゆめ横丁」を訪れてきたといい、「いつか自分も」という希望が叶い、今回初めて「雑貨店」を出店するという。手をペンキだらけにして、「楽しみ!」と声を弾ませた。

 3日は午前11時から午後3時までで、午前11時45分までは高校生年齢以下の子どものみ入場可能。問い合わせは子ども夢パーク【電話】044・811・2001。

教えて!職人さん vol.69 読者の一大関心ごと「費用」について【2】

 Q...前回「一般的な家(延床面積約30坪)の外壁塗装の費用は少なくとも60万円」という相場感を教えて頂きました。今回は「こうした費用の節約術」を教えて下さい。

 A...ええ。例えば「冬や梅雨の時期は外壁塗装にはあまり向かない時期なので費用が安くなる」などといった事は過去にもお話しました。そして今回レクチャーするのは「費用に対する公的な補助金等」についてです。

 Q...具体的には?

 A...残念ながら川崎市ではリフォームを目的とする外壁塗装工事や屋根の補修工事等に対する助成制度(補助金等)は現在ありません。でも自治体によっては助成金や補助金が出ることがあるんです。助成金や補助金をもらえる条件や金額は、お住まいの市町村によって違うので、それぞれ自治体のホームページ等で確認してみて下さい。また大雨や台風が原因で、塗装工事を行わなければならない場合は「火災保険」が適用されるかもしれません。あらかじめご自宅の保険証書をチェックしてみましょう。

 Q...依頼する業者によっても、費用金額が上下するというのは本当?

 A...本当です!地元密着型の塗装会社や自社施工の塗装会社に依頼することで、大手の会社よりも費用が安くなる可能性が高いです。大手の会社の場合、さまざまなところに作業を委託するので、紹介料や中間マージンが発生して費用が高くなってしまいがちです。

不定期連載コーナー SELFフレンドシップ(船)へようこそ! Vol.41「高津高校 定時制Sカフェ」について

 第41回目は、「高津高校定時制Sカフェ」についてご紹介いたします。

 このカフェは、当コラムを執筆させて頂いている私たちSELFが川崎市より「川崎市立高津高校定時制自立支援業務」として、昨年から受託しているものです。同校に在籍する生徒を対象に、主にキャリアサポートを充実させることで、将来社会において自立していける人材となれるよう、高等学校卒業後の進路先を具体的に確定できる支援を充実させることを目的とし、生徒とふれあう場を作っています。

 具体的には週1回、校内で「SELFカフェ」(通称Sカフェ)を運営し、様々な課題を持つ生徒の自立に向けて、学校と生徒に関する情報交換を行いながら、学校内における生徒の居場所づくり、相談の対応を行っています。

生徒が息抜きできる居場所を目指して

 「Sカフェ」では生徒とのコミュニケーションを大切にし、まずは話を聞いてあげる事を重視しています。何気ない日常の会話から、生徒の本音、相談や悩みを聞き、少しでも具体的解決に結びつけるように接していきます。またフードパントリー、生活物資などを提供する事により、前向きに明るく生活できるようサポートし、生徒が息抜きできる居場所づくりを目指しています。

 生徒と親や家族、教師といったタテの関係だけでなく、地域の大人と接することで、新たな視点で社会に関与できるように促しています。これからも夢や未来ある生徒達へ愛情を注ぎ、成長を見届けてあげたいと思っています。生徒の皆さん、これからもお節介な地域のおじちゃん、おばちゃんと仲良くしてくださいね(笑)!

不定期連載 市民健康の森だより 第205回 今年も無事に「親子サツマイモ堀体験」を開催

 今年も10月18日に無事、親子サツマイモ堀体験を開催出来ました。私たちが区役所との共催で行う「親子野菜収穫体験」シリーズの原型となったイベントです。今年で16回目となりました。区役所が参加者募集を担当してくれるお陰で区民には人気のイベントです。今年も募集の12倍もの応募を頂きました。

高い参加競争率の人気企画、高津高校生徒のサポートも

 この親子サツマイモ堀体験、一見すると毎年同じように見えるでしょうが色々と変化はあります。今年は新しく始めた小学校高学年向けの「土利用教室」最終回との共同開催でした。土利用教室では5月にサツマイモの苗植え体験、7月に生育途上のお世話体験を経て最後に自分で植えて育てたサツマイモの収穫を体験してもらいました。こちらへ参加した子供たちは単にサツマイモを掘るだけではない印象深さがあったようです。

 さらに今年は市立高津高校の生徒さん5名が手伝いに来てくれました。区役所を介して問い合わせがあり、授業の一つ、総合体験として区内の農業イベントを手伝いたいとの事で私たちは大歓迎です。当日はイベント開始1時間以上前の準備作業手伝いから始めて色々な作業を手伝ってくれました。終了時には参加者へ「地域探求学習に活用する」としてアンケートを依頼していました。母校地元のイベントに関心を持ち実情を体験しようとする高校生の姿勢は素晴らしいと思います。

 もう一つ、今年はイッツコムさんからの取材が入りました。これも区役所を介して依頼を受けました。取材に来られた方はお一人でカメラマン兼インタビュアーです。イベントの様子を撮影する合間には私たちの会長や高津高校生、参加した子供たちや保護者の方などに話を聞かれていました。既に10月24日の「地元ニュース」にて放映済ですがYouTubeでも視聴できるでしょう。番組ではサツマイモ堀りの様子に始まり前述した皆さんへのインタビュー内容が取り上げられていました。
選手が練習するグラウンドでシュート!

GO!GO!!フロンターレ

選手と触れ合う「青玄まつり」開催!

 川崎フロンターレの練習拠点である麻生グラウンドを舞台に、恒例の地域交流イベント「第13回あさお青玄まつり」が11月9日(日)に開催される。主催は川崎フロンターレ麻生アシストクラブ。午前11時30分から午後3時30分。入場無料。小雨決行。

 麻生区の和太鼓グループ・夏蒐太鼓(なつかりだいこ)の演奏や、麻生高校チアリーディング部によるステージパフォーマンスのほか、キックターゲットなどのアトラクションや、U等々力で人気のキッチンカーが並ぶ飲食コーナーが楽しめる。憧れの選手に会えるサイン会には、大関友翔選手、神橋良汰選手などが登場(変更になる可能性あり)。写真撮影や握手を通して選手と触れ合い、フロンターレをもっと身近に感じる一日になりそうだ。

 ほかにも、こどもサッカー教室や、若手選手が生活する青玄寮とクラブハウスの見学ツアーも開催(既に募集締切)。

 当日は小田急多摩線・栗平駅から無料送迎バスが運行される。(問)同クラブ【電話】0570・000・565

画像はいずれも川崎フロンターレ