中区・西区・南区版【11月6日(木)号】
世界大会に臨む吉野さん

南消防署吉野美貴子さん サンボで世界大会へ 階級下げ、優勝狙う

 南消防署に勤める吉野美貴子さん(25)が、日本代表として中央アジアのキルギス共和国で開催される「世界サンボ選手権大会」(11月7日〜9日)に出場する。同大会は、2回目の挑戦。前回はスポーツサンボ女子54kg級に出場し、1回戦で敗退したが、今回は50kg級に階級を下げ、優勝を狙う。

 サンボはロシア発祥の格闘技。柔道に似た競技だが、大きく異なるのは技でポイントを競う点だ。制限時間以内に8ポイント以上差がついた時点で「テクニカル一本」となり、勝者が決まる。「一本」を取った場合もその場で勝敗が決する。

全日本では2連覇

 吉野さんは、今年2月に開催された「第51回全日本サンボ選手権大会」で2連覇を果たし、世界大会の切符を手にした。156cmの吉野さんは、同じ階級の外国人選手と比べるとやや小柄な体格で、前回出場した世界大会では、外国人選手の身長の高さ、手足の長さに苦戦した。そこで全日本サンボ連盟の監督からの助言もあり、階級を下げることを選択した。

 小学3年生で柔道を始め、中学時代にはサンボの大会にも出場。高校、大学では柔道に没頭した。「小さいころから頑張ってきた柔道を人命救助に役立てたい」と横浜市消防局に入局。今も現場に出続け、救命活動を行う。勤務の傍ら、横浜消防レスリング部に所属。そこで、部員にサンボを勧められ再び試合へ出るように。昨年は「アジア&オセアニア選手権大会」で優勝するトップアスリートとなった。

 普段は、港南区にあるスポーツジムや母校である横須賀学院の柔道部、同連盟の監督のもとで練習を行う。「背中をつかまれてしまうと、技をかけられやすくなる」と、組手のテクニックなどを磨き、手が長い外国人選手に対応できるよう練習を重ねてきた。「柔道と違い、ポイントを取りに行くことも意識したい」と話す。

 世界サンボ選手権大会のスポーツサンボ女子50kg級には、最大16人が出場する予定で、4回勝てば優勝となる。吉野さんは「試合で他の選手に力負けしない自信があるので、練習したテクニックを生かして、優勝をつかみたい」と意気込む。吉野さんは、11月7日から試合に出場する。
制作した山口さん(前列中央右)と内田さん(同左)

西消防署×岩崎学園学生 防災啓発アプリ制作 「若年層にも関心を」

 西消防署は、岩崎学園情報科学専門学校=神奈川区=の学生2人と共同制作した消防局初の予防啓発アプリ「防災すごろくゲーム」を10月29日にリリースした。子育て世代を中心に、楽しみながら防災知識を学んでもらうことが目的。アプリストアで「防災すごろくゲーム」と検索し、ダウンロードできる。

 西消防署から、若年層の防災意識が低下していると伝えられた同校が、今年5月に横浜市が民間に公民連携事業を募集する「共創フロント」に提案したことで共同制作が始まった。

 開発に先立ち、学生は消防署を見学。7月からは、署員と2週間に1回程度打ち合わせを重ねてきた。

 ゲームで大切にしたのは「家族で楽しく気軽に防災を学べる」こと。制作した先端ITシステム科3年の山口悠真さんは「子どもでも直感的に操作が分かるような作りにした」と説明する。

 市消防局や西消防署のマスコットキャラクターが主人公となり、火災・救急・地震・風水害に関する問題を解きながらゴールを目指す。

 止まったマスに応じてアイテムを獲得したり、火災などの事案を回避することで得点が加算。継続して遊んでもらえるよう、ゴールするごとにスタンプがもらえ、ためると隠れキャラクターが使えるように工夫した。

 背景はみなとみらいの風景や掃部山公園の井伊直弼像などが描かれ、西区らしさも取り入れた。

60%が不参加

 今年3月に公表された横浜市のアンケートでは、直近3年間で地域の防災、減災の研修や訓練に何も参加していないと答えた人は60・9%。年代別では、20・30代で70%を超えていた。

 西区の子育て世代の人口割合は高い傾向だが、地域の消防訓練などの参加率は低く、防災意識を持ってもらうことが課題とされている。情報セキュリティ学科3年の内田結斗さんは「若い人にも防災の知識を伝えていきたい」と話した。

ボーカルグループ「横濱シスターズ」のリーダー 渡辺 真帆さん 西区在住

歌で横浜と世界をつなぐ

 ○...結成の地はその名の通り横浜。2015年、中区吉田町のボイストレーニングスクールに通う3人で活動を開始した。レストラン1軒1軒を回り出演交渉するなど手探りでのスタート。「メンバーとは喜びも苦しみも常に共有。仲間の存在を力にしてきた」と語る。リーダーとして、「利益ではなく歌で世界をハッピーに、という思いはブレないようにしたい」と力を込める。

 ○...ライフワークは世界の国歌を歌うこと。米国大学への留学を経て、通訳者として世界一周、観光協会で横浜の魅力を海外にPRしてきた。その経験で築いた交友関係を頼りに、歌う時には発音だけでなく、各国の背景にも気を配る。「歌として成立し、美しくなければ。横浜から世界へ、友好と平和の気持ちを発信したい」--そんな思いが通じたのか、22年にウクライナ国歌斉唱動画を公開すると、国内外で大きな話題になった。

 ○...作詞作曲で大事にしていることの一つが「説得力」。子育て支援ソングを作ろうと思い立てば資格を取り、保育園に勤務。愛猫との思い出を歌にしてほしいと依頼されれば、エピソードを直接聞き取りに仙台へ。「新聞記者を目指してジャーナリズムを学んだ大学の経験が生きているのかも」。取材さながらの情報収集で、曲を生み出している。

 ○...仕事がひと段落すると向かうのはイセザキ・モールの古本屋。「時代物の本を買って読むのがストレス解消」だ。野毛やぴおシティで酒を楽しむのも至福の時。生まれ育った横浜の魅力を「市民が街にプライドを持っているところ」と語る。この地で生まれた名曲や埋もれていくカルチャーを次世代に伝えたい、との思いも強い。「横浜の看板を背負い活動を続けていく」
AEDを手にする社員

Vol.1横浜型地域貢献企業 地域の美化と安全を 西区/(株)SHIDA.

 地域貢献活動に取り組む企業を横浜市などが認定する「横浜型地域貢献企業」に今年10月、新たに6社が選ばれた。認定された中区と西区の企業を3回にわたって紹介する。

 西区戸部町の(株)SHIDA.(志田隆一代表取締役)は、地域の清掃活動や地域住民の使用も想定したAEDの設置などで、地域の美化保全と安全安心に寄与していると評価された。

 昨年5月から毎週金曜日を清掃日とし、西区の本社と旭区の事業所の周辺一帯のごみ拾いを行っている。継続してきたことで、地域の人からお礼の言葉をかけられたり、手紙をもらうなどの交流も増えた。

 また、近隣住民や社員が安心して過ごせるようにと、社屋の入り口近くにAEDを設置。社員全員が講習を受け、使用が必要な事態が起きれば、誰でも使えるようにしている。

 今年の夏には、これまで金銭面で支援していた地域の夏祭りに初めて参加。焼き鳥を出店、地域住民と一緒に神輿を担ぎ、祭りを盛り上げた。

 同社は1962年創業。住宅用ガラス工事の請負から始め、現在はサッシの施工、学校や官公署の建物改修や建築も手掛ける。活動は「長年お世話になってきた地域へのお礼」と常務執行役員の吉田茂さんは話す。

 「横浜健康経営認証」にも選ばれており、今後は働きやすい職場づくりやSDGsの達成にも取り組んでいく。
京浜急行黄金町駅付近の初音町交差点の様子(1969年9月 竹中洋一氏撮影)

入場無料 市電の「お宝」一挙公開 11月9日(日)、開港記念会館で

 本紙で市電コーナーを連載中の団体「しでんの学校」が11月9(日)、横浜市開港記念会館で展示イベントを行う。

 なか区民活動センター祭りの一環で、未公開やカラー刷りの希少な1960年代後半〜70年代前半の写真を中心に、停留場看板などの市電関連部品や昨年寄贈された大正時代の乗車券金型の展示も。会場内で、市電や同時代のSLなどHOゲージ鉄道模型が走行する。

 入場無料。午前10時から午後4時まで。
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【神奈川県内初 小中一貫の「学びの多様化学校」文部科学省指定】横浜きりん学園(横浜市栄区)が2026年1月開校 不登校等児童を募集中
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[横浜市内の小学生記者募集]総合格闘家・井上直樹選手の取材と競技体験イベントを開催
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総合格闘家で第7代現RIZINバンタム級チャンピオン(2025年11月4日時点)の井上直樹選手(28歳)の取材&競技体験イベントが1月17日(土)、横浜市内で開... (続きを読む)
イベントポスター

横浜市から称号を授与された 「匠」の技能を目の前で 11月9日 市技能文化会館

 横浜市から「横浜マイスター」の称号を授与された匠たちの技能が見られる「横浜マイスターまつり」が11月9日(日)、市技能文化会館(中区)で開催される。横浜マイスター会主催。入場無料。

 当日は食や暮らし、美容など各分野で活躍する15人の技能職者が集結。花束アレンジの実演・販売やDIY・住宅相談などさまざまな形で触れ合える。

 また、会場内ではジャーマンホットドッグやフカヒレカレーなどさまざまな食事を販売。「タウンニュースを見た」と伝えると700円のフカヒレ丼が100円引きとなるキャンペーンも実施する。午前10時から午後4時まで。詳細・問合せは事務局【電話】045・232・4922まで。
横濱シスターズのメンバー=提供

横濱シスターズ 家族で楽しむクリスマス 12月13日にコンサート

 横濱シスターズ(代表・渡辺真帆さん=人物風土記で紹介)が主催する「クリスマスファミリーコンサート」が、12月13日(土)にアメリカ山ガーデンアカデミー=中区元町=で開催される。午後2時30分開演、3時45分終演予定。

 コンサートは、小さな子連れでも気兼ねなく、家族みんなでくつろぎ楽しめるライブを開催したいと2017年からスタート。『ジングルベル』『サンタが街にやってくる』など定番のクリスマスソングのほか、手遊び歌やディズニーソング、横浜ご当地メドレーなどを披露。ダンスやマジックショーも行われる。

 「一緒に踊って歌いましょう。家族でもお一人でも、ぜひ遊びに来てください」と渡辺さん。大人1800円、子どもはミニプレゼント付きで1300円、2歳以下無料。申し込みは、アメリカ山ガーデンアカデミー【電話】045・651・6558(平日午前10時から午後7時)へ。

不動産2社×タウンニュース 秋の特別企画 不動産を無料で査定 応募締切は11月30日まで

 「子どもも独立したし、老後は適度に快適な家で過ごしたい」「相続対策で自宅をどうするか悩んでいる」など、将来の備えとして自宅の価値や評価を把握することは大切だ。そこで本紙では今回、地元の不動産売却で実績を持つ2社と協力し、不動産の合同無料査定を実施する。本紙が取り次ぎ、一括依頼をすることで、資産価値を比較できるだけでなく、各社それぞれの視点で今後の住まいや不動産全般に関する相談ができるなどの利点もある。関心のある人は、まず当編集室へお問合せを(下記参照)。

地価上昇続く

 神奈川県が9月に公表した地価調査によると、住宅地の平均価格は横浜市全区で上昇。西区30万1300円/平方メートル、中区39万2300円/平方メートル、南区26万3300円/平方メートルだった。平均変動率は横浜市内の18区すべてで上昇。西区4・4%(前年3・9%)、中区3・2%(同3・0%)、南区3・2%(同2・8%)だった。特に交通利便性が高い中心部は需要が堅調で、高い上昇率となった地点が見られた。

 商業地の平均価格は、西区438万7900円/平方メートル、中区129万8400円/平方メートル、南区51万6900円/平方メートル。みなとみらい地区は商業施設の充実を背景に、継続して上昇。関内駅周辺では、駅前再開発への期待感や上層階の共同住宅としての需要から継続して強い上昇傾向が見られた。平均変動率は中区が11%以上、西区・南区ともに9%以上となった。

シートを記入し送付

 もし不動産の売却を考えるなら、売却の目的を明確にし、希望条件や売却時期などを具体的にイメージすることが重要だ。特定の1社に絞るよりも、複数の企業に依頼するのが安心。各社それぞれ違った視点などから自宅の価値を確認でき、今後の住まいや不動産全般の情報についてもさまざまな意見を聞くことができるからだ。

 今回は信頼と実績ある2社が資産価値を無料で見積り。希望者はまず当編集室に問合せを。当編集室が送付する「チェックシート」に記入して返信するだけ。応募締切は11月30日(日)まで。大切な資産価値を確認し、家族の将来設計に役立ててみては。
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自治会町内会活動に役立つ補助金活用例などを紹介した「横浜デジタル版」11月号
タウンニュース社からお知らせ
自治会町内会活動に役立つ補助金活用例などを紹介した「横浜デジタル版」11月号
今回は、外国人住民が市内で3番目に多い南区で行われた外国人向け生活ガイダンスについて取り上げています。ほかにも、自治会の要望によって泉区で始まった移動販売や神奈... (続きを読む)

永田地区センまつり 9日、舞台発表や作品展示

 南区永田台の横浜市永田地区センターで「永田地区センターまつり」が11月9日(日)に開催される。午前10時から午後3時まで。雨天決行。

 地域の団体によるピアノやダンスの舞台発表、写真、油絵などの作品展示が行われる。模擬店やワークショップ、永田中学校の作品展示なども。

 (問)同センター【電話】045・714・9751
イベントポスター

ハローよこはま 週末は中区民祭りへ 9日(日)、象の鼻パーク

 中区民祭り「ハローよこはま」が11月9日(日)、午前10時から午後4時まで、象の鼻パークを会場に開催される。

 1976(昭和51)年から半世紀近く続く伝統の祭典。横浜を代表する観光地で開催されるため、区民はもとより中区で働く人や横浜を訪れる人々も楽しめるイベントづくりがコンセプトだ。

 会場では特設ブースやステージプログラムが実施されるほか、2027年に控える「中区制100周年」や「GREEN×EXPO」に関連した展示も。本町小3年1組は巨大ぬり絵のコーナーを、北方小6年1組は持続可能な航空燃料SAFの原料となる廃食用油の回収ブースを出展。フタ付き容器に入れた使用済み食用油を持参し、環境活動に貢献できる。

 中区ゆかりの豪華景品が当たるスタンプラリー抽選会や、「象の鼻カフェ」では食用花を使用した限定メニューも楽しめる。イベント詳細は中区役所HPで。
一座にしメンバー=提供

音楽ボランティア・一座にし 活動25周年盛大に 11月16日 西公会堂で

 西区を拠点に活動する音楽ボランティア「一座にし エイチファイブ」の活動25周年を記念した公演「大うたごえ広場」が11月16日(日)、横浜市西公会堂=西区岡野=で開催される。午後1時開演、4時終演予定。申込不要で入場無料。

 『手のひらに太陽を』や『見上げてごらん夜の星を』などの名曲約20曲を披露する。同団体が目指すのは、聴かせるだけにならない「双方向コンサート」。座長の有澤博さんは「会場で一緒に歌いましょう」と話す。

 ゲストに、西区で活動する杉豊太鼓同好会とクワトロ◇ピーナッツが登場する。開場時間の午前11時からは、ロビーで出店販売も行われる。(問)【携帯電話】090・1204・3350(有澤さん)
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日産スタジアム命名権問題 市と日産の協議開始 山中市長「新たな提案があった」

 港北区の横浜国際総合競技場(日産スタジアム)の命名権(ネーミングライツ)契約に関し、横浜市の山中竹春市長は11月5日の定例会見で、「日産から新たな提案があり、昨日から協議を開始した」と述べた。

 命名権契約を巡っては、日産が契約が切れる来年3月以降、年間5千万円の1年契約を市に求め、一度は市が応じる方針を示した。しかし、山中市長が担当局に再検討を指示。市は日産に10月末までの回答を求めていた。

 山中市長は会見で、10月31日付で日産から回答があったとしたが、協議中であることを理由に提案の詳細は「差し控える」とした。
技巧を凝らしパンで作った「本気のかにぱん」

学生作の商品に長蛇の列 国際フード製菓専門学校が学園祭

 西区北幸にある国際フード製菓専門学校(廣瀬道理事長・校長)の学園祭「フードフェスティバル2025」が11月3日に行われた。日頃の学習成果を披露するため、学生たちは「食欲の秋祭り」をテーマにパンや洋菓子、和菓子を作り販売。午前10時の開場を待たず、入口には長蛇の列ができた。保護者をはじめ地域住民、協賛企業の関係者ら約2000人が訪れた。

 技巧を凝らした工芸菓子の展示のほか、カフェレストランや甘味処などもあり、一般の店舗同様に学生たちが接客を担った。また、クリスマスケーキを作る高校生対象の「お菓子教室」も行われた。
企業の事例発表を聞く参加者

多様な働き方、企業の先進的な取り組みを共有 横浜市が意見交換会

 横浜市内の企業による多様な働き方の事例発表会と意見交換会が11月4日、市役所で行われた。

 企業の女性活躍や育児・介護の両立支援など、誰もが働きやすい職場環境づくりのヒントを共有しようと市が企画。経済団体で組織される横浜市女性活躍推進協議会の構成企業8社の実務担当者や人事担当者らが参加した。

外国人社員に通訳を通じて制度説明

 自動車整備業の雨宮自動車工業=金沢区=は、月曜日から土曜日の週6日稼働を、7月から月曜日休業の週5日稼働に移行した。ワークライフバランスを重視した取り組みについて、同社の小宮里子社長は「売上、利益ともに伸びている」とし、経営への影響はないと語った。さらに、ベトナム人社員に対して、会社の新制度を通訳を介して丁寧に説明し、男性社員の育児休暇取得などにつながった事例を紹介した。

 情報・電気通信業の日興テクノス=磯子区=は、社員の高齢化や私傷病に対応しようと、仕事と治療の両立を支援するための規定を整備。消滅する有給休暇を「傷病休暇」として積み立て可能とした。ほかにも、育児休暇取得者の業務をカバーする社員に手当を支給するなどの取り組みも報告された。

 「横浜市女性と経済アドバイザー」のアキレス美知子さんは「参加企業は、従業員の声に耳を傾けており、多角的なコミュニケーションが成立している」と感想を述べた。市は今後も各企業の好事例を広めていく方針だ。
コンペのチラシ

花と緑の屋外装置物 デザインコンペ受付中

 花と緑をテーマにしたストリートファニチャー(屋外装置物)を提案してもらう「ストリートファニチャーデザインコンペティション」の作品募集が11月24日まで行われている。同コンペ運営委員会(菊嶋秀生会長)の主催で7回目。

園芸博へ向け

 コンペは、まちづくりのアイデアを募り、地域活性化につなげることを目的にしている。今回は「花と緑で街を楽しくする」をテーマに、2027年の国際園芸博覧会につながるストリートファニチャーの提案を受け付けている。素材、大きさ、機能は自由で材料費・工事費を合わせて30万円以内。

 建築家などが来年1月17日に市開港記念会館で公開審査を行い、優秀賞の3作品は実製作を行い、来年3月頃に横浜駅東口の「はまテラス」に設置される予定。

 コンペの協賛者も募っている。問い合わせは同コンペ事務局【電話】045・633・3663。

首都圏9都県市、国に生成AIガバナンス強化求める

 首都圏の9都県市で構成される九都県市首脳会議(座長=山中竹春横浜市長)が10月31日、横浜市で行われ、生成AIなどの人工知能技術の健全な活用に向け、国によるガバナンス構築の強化を求める要望が取りまとめられた。

 生成AIは各自治体でも住民からの問い合わせ対応などのために導入が進んでいる。一方、誤った情報の生成や偽情報の拡散などのリスクも指摘されている。

 9都県市は国に対し、人工知能戦略本部が司令塔として機能を発揮し、国際的なAIガバナンス形成を主導することを要請。AI事業者へのリスク評価やリテラシー教育の推進、地方自治体の意見を踏まえたガイドライン策定などを求めた。
神奈川文化賞と未来賞、スポーツ賞の受賞者ら

神奈川文化賞に声優・野沢雅子さんら

 神奈川の文化の向上発展に尽力した人を県などが表彰する「神奈川文化賞」の贈呈式が11月3日、県立音楽堂=西区=で行われた。同賞は県と神奈川新聞社が共同で主催し、今年度で74回目。

 今年度は社会学者の江原由美子さん(73)=横浜市=、美術評論家の酒井忠康さん(84)=逗子市=、コーエーテクモホールディングス代表取締役会長の襟川陽一さん(75)、声優の野沢雅子さん(89)=横浜市=の4人が受賞した。今後の活躍が期待される若い世代に贈られる「神奈川文化賞未来賞」には、小説家の辻堂ゆめさん(32)と脚本家・小説家の吉田恵里香さん(37)の2人が選ばれた。

 アニメ「ドラゴンボール」の孫悟空の声などで知られる野沢さんは、約40年前から横浜市内で暮らしている。贈呈式は欠席したが、ビデオメッセージを寄せ、「たくさんの縁に恵まれた。支えてくれた人に感謝したい」と語った。

スポーツ賞は横浜高校野球部など

 同時に「神奈川スポーツ賞」の贈呈式もあり、車いすバスケットボールチーム「神奈川VANGUARDS」=藤沢市=、国民スポーツ大会スポーツクライミング競技少年男子神奈川県チーム、湘南工科大学附属高等学校テニス部男子団体チーム=藤沢市=、桐蔭学園高等学校ラグビー部=横浜市青葉区=、横浜高等学校硬式野球部=横浜市金沢区=が選ばれた。
ラッピングトレインの外装(横浜市提供)

「トゥンクトゥンク」が地下鉄走る 国際園芸博覧会開幕まで500日、ラッピング車両

 2027年に行われる「GREEN×EXPO 2027」(国際園芸博覧会)へ向けた機運を盛り上げようと、市営地下鉄ブルーラインで10月28日から園芸博のラッピングトレインの運行が始まった。

 ラッピングトレインの車両の外と中に公式マスコットキャラクターの「トゥンクトゥンク」などが描かれている。10月27日にあざみ野駅=青葉区=で出発式があり、横浜市や国際園芸博覧会協会の関係者が見守る中、門出を祝った。グリーンラインでのラッピングトレインは11月7日から運行される(外装のみ)。

 園芸博は11月4日で開幕まで500日となる。
選挙や政治関係の書籍などが展示されている4階

横浜中央図書館 節目の年で選挙・政治関連書籍を展示

 横浜中央図書館=西区=4階で選挙や政治に関する書籍の展示が行われている。2025年が普通選挙が実施されてから100年、女性の参政権が認められてから80年、選挙権が18歳に引き下げられてから10年となるために企画されたもの。

 選挙制度の変遷やそれに関わった人々の思い、社会の動きを関連資料とともに振り返っている。展示は11月24日まで。市選挙管理委員会は「一票の重みや投票の大切さ、未来へのつながりを図書館で見つけてみませんか」と呼びかけている。
フラワークルーズのイメージ=提供

エクスポ開催500日前 花で彩る船とロープウェイ 11月1日から3日までイベント

 「GREEN×EXPO 2027」が、11月4日(火)に開催500日前を迎える。これに合わせ、11月1日(土)から3日(月・祝)まで、クルーズ船「かなもえ」と都市型ロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」が花で彩られる特別企画が行われる。

 花で装飾されたクルーズ船「かなもえ」で、みなとみらいの運河を約20分航行する「フラワークルーズ」は、日本丸メモリアルパーク前のピア日本丸から乗船し、フルオープンデッキから、横浜ランドマークタワーや横浜赤レンガ倉庫など、横浜らしいベイエリアの景観を一望できる。

 料金は無料。各便定員20人。先着順で当日乗船券を配布する。配布はピア日本丸前で、1日は午前11時30分、2日・3日は午前10時から。

 都市型ロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」は、花々で彩られた特別仕様の「フラワーエアキャビン」を9日(日)まで運行する。限定2台。桜木町駅舎と運河パーク駅舎にも特別装飾を施し、乗車前から乗車後まで、花に包まれる時間を楽しめる。

 片道大人1000円、子ども(3歳から小学生)500円。フラワーエアキャビンの指定乗車は不可。

バザー献品を募集 横浜訓盲学園で11月12日まで

 中区竹之丸にある横浜訓盲学院は11月22日(土)、恒例のPTAバザーを開催する。正午から14時30分まで。雨天実施。

 開催に先立ち、11月12日(水)まで、提供物品を募集している。

 献品は、賞味期限内の食品、新品(未使用)の衣類やタオルセット、雑貨(食器類はセットのもの)。古着や中古バッグなどの使用済みの物品や、景品、破損品、持ち運べない大型の品は不可。

 同学院PTA バザー係(〒231―0847横浜市中区竹之丸181番地)で、平日のみ17時まで受け付け。問い合わせは同学院【電話】045・641・2626。
パドルで漕ぐ「カヤック」の体験も

南区・蒔田公園でボート体験などの魅力創出実験 市が11月7日から3日間

 南区の蒔田公園にある親水施設などを使い、水辺空間活用の可能性を考える横浜市による実証実験「まいた公園水辺日和〜遊んで、食べて、休んで〜」が11月7日(金)から9日(日)まで行われる。

 市は都心臨海部の公共空間を活用し、地域全体の価値を高める取り組みを続けている。その中で同公園が大岡川と中村川の分岐点にあることに着目。河川と公園を一体的に活用し、居心地の良い滞在空間やボートなどが行き交う水辺空間の可能性を検討している。

 実証実験には、蒔田公園を中心に活動する団体で組織される「まいたエコサロンの会」が協力する。8日(土)は羽根付きパドルで漕ぐ「カヤック」、9日は手漕ぎ型の大型カヌーの「Eボート」の体験会がある。カヤックは小学生単独または保護者とのペアで、料金は単独1千円、ペア2千円。Eボートは小学4〜6年生と保護者のペアで、料金は1500円。希望者は11月4日(火)までにサイトから申し込む。

キッチンカーやテーブルチェアも

 公園内に周辺の店舗がキッチンカーで出店し、パンやコーヒー、もつ煮などを販売する。ゆったりと飲食できるようにレジャーシートが貸し出されるほか、ハンモックやテーブルチェアが設置され、普段の公園とは違う雰囲気になる。

 同局は「地域や企業と連携して取り組みを進め、多くの人々でにぎわう魅力的な水辺空間の創出につなげたい」としている。開催時間は7日と9日が午前10時から午後3時、8日は午後4時まで。問い合わせは市都市整備局臨海部活性化推進課【電話】045・671・4863。

トップインタビュー 「満足を感動へ日本一のホテルに」 ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜 阿部 泰年総支配人

 -9月23日に開業5周年を迎えました

 2020年の開業時は新型コロナの流行真っ只中。そんな大変な時期を経験したからこそ、お客様をはじめこれまで支えてくださった全ての方に感謝の気持ちでいっぱいです。同じ建物内に会員制ホテルの横浜ベイコート倶楽部を併設するハイブリットホテルとして、横浜の地でラグジュアリーホテルを開業したことは新たな挑戦でした。

 -ホテルの特徴は

 約7割が東京・神奈川からのお客様。リピーター率と誕生日などのアニバーサリー利用率の高さが目立っています。プロポーズは把握しているだけでも月平均40〜50件ほど。平日はビジネス、週末はファミリーと客層が異なります。子育て世代にやさしいという噂が広まり、ベビーカーを押していらっしゃるお子様連れの方も多いですね。一方、インバウンド客の取り込みは課題です。

 -モットーは

 お客様を喜ばせるため労を惜しまず、120%の感動を提供すること。ホテルへの期待値を100%満たし、さらに20%の付加価値を提供することで満足が感動に変わります。そのためスタッフにもマニュアルに縛られず、臨機応変に対応してほしいと伝えています。

 -コンシェルジュ経験が長いからこそのおもてなし精神ですね。ホテル業界に進んだ理由は

 就職活動の際「人に何かをして喜んでもらうことがうれしい」と気づき、一流のホスピタリティが学べるホテル業界へ。パンパシフィックホテル横浜(現・横浜ベイホテル東急)の開業に携わり、一般的には新人には任せないと言われるドアマンを志願、配属されたのが始まりです。ホテルマンとして成長するため、客層が異なる様々なホテルで経験を積みました。生まれも育ちも元町なので、老舗企業の同級生たちとは開業当初からコラボグッズなどで連携しています。横浜は都会と田舎の景色が融合する「温故知新」の街。大さん橋は、その両方の景色を眺めることができる、大好きな場所です。

 -今後の目標は

 今年は「20×3」と掲げてリピーター、記念日利用、インバウンドの3つでそれぞれ20%達成を目指し、今年8月に過去最高稼働率を更新しました。これからも地域に必要とされるホテル、愛されるホテルを目指し、横浜の街を盛り上げながら日本一のホテルを創り上げていきたいです。