金沢区・磯子区版【11月27日(木)号】

いじめ認知件数が大幅増 市教委「早期対応の結果」

 横浜市教育委員会はこのほど、2024年度の「いじめ・暴力」等の状況調査結果を公表した。いじめの認知件数は2万件超で過去最多を更新。市教委は「これまでの反省を踏まえ、『疑い』の段階から積極的にいじめと認知し、深刻化しないよう取り組んだ結果」と分析した。

 市立学校509校を対象にした24年度のいじめ認知件数は、2万1955件で、前年度(1万6263件)から約5700件増加、20年度と比べると約4倍に増えた。また、いじめが原因で命や心身、財産に被害を及ぼしたり長期欠席を余儀なくされたりするような「重大事態」の発生件数も前年度の2件から59件と大幅に増加した。

 件数の大幅増について市教委事務局不登校支援・いじめ対策担当課は「これまでの反省を踏まえ、『疑い』の段階でいじめと認知したことが件数増につながった」と対応の強化による結果と捉えている。

積極関与で解消率上昇

 横浜市では昨年3月、20年にいじめが原因で自殺した中学生の事案について、学校が基本調査の段階でいじめを認知していなかったことなどを公表。これを受け市教委では「いじめ防止対策推進法」に則った対応を徹底すべく、いじめの未然防止から要調査までを速やかに振り分け、再発防止に取り組むよう各学校に指示。同年8月にはこれまでの対応を強化する再発防止策を策定した。

 いじめの未然防止のため、例えば「ふざけあい」などから発展した「けんか」など、「いじめ」かは疑わしい初期段階の事案であっても積極的に「いじめ」と認知する方針を学校現場で徹底。今回の調査結果では、いじめ発見のきっかけは「当該児童生徒の保護者」および「本人から」の訴えが全体の6割以上を占めており、認知件数の増加は、これらの訴えを「いじめ」と捉え、より深刻化しないよう早期対応を強化した結果とみている。

 実際、児童や保護者がいじめのような「困りごと」が「無くなった」とする解消件数は24年度内で1万3270件に上り、過去5年で最多を記録。解消率も60・4%と上昇している。
広場の企画・運営に携わる同園のスタッフ

あおぞら谷津保育園 まち全体で子育てを 交流拠点となる広場完成

 金沢区谷津町の「あおぞら谷津保育園」の園庭の一角に、地域住民と子どもたちの新たな交流拠点「あおぞら広場」が完成した。「まち全体で子どもを育てる」ことを目的に、今年度の市の「ヨコハマ市民まち普請事業」で採択されたもの。「ゆるやかに顔の見える関係」が地域全体に波及し、誰もが安心して暮らせるまちづくりを目指す。

 広場は、11月16日に同園で開催された「あおぞらふれあいまつりin谷津」で初披露。皆が集える場所の目印として、「ふらっとパーゴラ」や、園庭から道路にのびる「みんなのベンチ」などが設置された。広場の特徴でもある鉄製の棚「パーゴラ」は、デザインが複雑で作るのが技術的に難しく、業者選びに難航。同まつりでつながりがある金沢鉄工が引き受けることに。約3カ月かけて完成させた。

 また、広場のロゴは、同園の保護者でプロのデザイナーが作成。パーゴラをモチーフに、たんぽぽの綿毛のような形をしており、綿毛のように色々な所へ飛んで種をまき、活動が地域に広がっていければという願いも込められている。さらにフェンスには、国連で採択されている「子どもの権利条約」を紹介。子どもから大人まで、子どもの権利について考える場を提供している。

 同園の芳尾寛子園長は「計画から完成まで、多くの方が子どもたちのために動いてくださり『あったかい』気持ちに包まれた。ここから地域で子育てを実現する場にしていきたい」とする。

毎月イベントを開催

 広場は、月曜から金曜の午前9時30分から正午まで開放。誰でも利用できる。また、毎月イベントも予定。11月29日(土)には絵本や紙芝居、季節の制作を行う「みんなであそぼ!」を午前10時30分から開催する。

 12月22日(月)には、クリスマスマーケットを11時45分から午後0時30分に開催。横浜野菜の販売も。現在、絵本やおもちゃ、衣類など食料品以外の品物を1点10円で販売する出店者を募集中。出店料無料。申し込み、問い合わせは同園地域子育て支援センターあおぞら【電話】045・784・0542(受付午前9時30分から午後2時)。

横浜市内で小学生から大学生まで過ごし、フリーアナウンサーとして活躍する 羽鳥 慎一さん 横浜平沼高校出身 54歳

野球部の経験が今に

 ○…司会を務めるテレビ朝日の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』は10月で放送開始10年。自らの名が付く番組は「責任とやりがいが隣り合わせ」という。意識するのは、アナウンサーの大先輩である徳光和夫さんから教えられた「出過ぎず、引き過ぎず」。文字通り、番組を司る役割として、視聴者との距離感を大切にしている。

 ○…埼玉県で生まれ、小学校の頃、保土ケ谷区に移り住む。権太坂小に通い、授業が終わると友達と空き地で野球をする日々。境木中、平沼高と野球部で、エースとしてチームを引っ張った。試合後に学校隣の岡野公園で「終わり」と言われるまで走り続ける”無制限ランニング”を命じられ「監督に忘れられたみたいで。みんなが練習を終わった後も1人で1時間半走り続けた」ことも。夏の大会の応援に駆け付け、11月7日に行われた平沼高125周年式典の司会を務めるなど、母校愛も強い。

 ○…早稲田大で学び、進路を考えた時に頭に浮かんだのは没頭していた野球の存在。テレビも好きだったことから、野球の実況アナウンサーを夢見て日本テレビへ入社。思春期だった中学時代は「笑ったところを見たことがない」と言われたほどで「しゃべる仕事で大丈夫?と同級生から心配された」と笑う。「岸恵子さんや草笛光子さんは平沼の大先輩。草笛さんは番組でも『後輩』って言っていただいて。同窓生の絆を感じます」

 ○…そこで服を買うと誰かと被ったという「ビブレ」や「横浜のザ・ごちそう」と断言する「ハングリータイガー」の思い出は横浜を離れた今も忘れられない。「学生時代に出会った人たちは、その後の人生で長く助けてくれる存在になっている。これからも出会いを大切にしていきたい」

指定都市市長会が「特別市」へ条文案 山中市長「機運高まっている」

 政令指定都市(政令市)の市長でつくる指定都市市長会が11月17日に「特別市(特別自治市)」構想の法制化に向けた条文案を公表した。

 特別市は、政令市が都道府県から独立し、行政サービスを一括して担う制度。横浜市など、多くの政令市が導入を主張しているが、実現には法改正が必要となる。

 指定都市市長会は、議論を前に進めるために、条文案をまとめた。この中に特別市への移行要件に住民投票を行うことなどが盛り込まれた。

 条文案が示されたことを受けて、横浜市の山中竹春市長は21日の定例会見で「(市長)就任時に比べて、特別市に関する機運は高まってきたと思う」と述べ、「都構想が議論される中、特別市という二重行政の解消の仕方があることが多く知られるようになった。地方自治のあり方や大都市の役割について、国全体で議論が進んでいく契機になると考えている」と世論の高まりと議論の進展に期待した。

富岡西公園で冬祭り 12月7日、フリマも

 富岡西公園でふれあい冬祭りが12月7日(日)、同園の自由広場とグリーンハウスで行われる。午前10時30分から午後3時。富岡地域ケアプラザ共催。

 午前11時30分から地域の子どもたち「ベリーロウジイズ」のダンス発表会、午後1時30分から女性コーラス「能見台ゴスペル」、午後2時からウクレレ演奏会がフラダンスを披露。

 また、キッチンカー6台やフリーマーケット約40店の出店も。横浜パンの家、焼きそば、クレープ、各種ドリンク、射的のほか、うさぎやモルモット、ひよこなど「ふれあい動物園」も開かれる。雨天中止。車での来場不可。

 問い合わせは同園管理事務所【電話】045・775・2714。
古山署長(右)から感謝状を受け取る佐々木さん=磯子署提供

人命救助に貢献し感謝状 磯子警察署が区民へ

 磯子警察署(古山秀和署長)は11月12日、人命救助に貢献した区内在住の佐々木純一さんへ感謝状を贈呈した。

 佐々木さんは11月2日午後10時15分頃、区内の歩道橋で泣いている10代女性に遭遇。一度は通り過ぎたが、振り返ってみると手すりを乗り越えている状態だったことから、大きな声で励ましの声を掛けた。その声に気付いた付近の住民が110番通報し、駆け付けた警察官と佐々木さんが協力して女性を保護した。

 過去に海で溺れて助けられた経験があった佐々木さんは「命のバトンをつなぎたい」という思いで、励ましの声を掛けたという。古山署長は「冷静かつ勇気ある行動で人命救助に協力していただき、大変感謝している」と話した。

称名寺の木々を学ぶ 12月4日に講座と散策

 金沢区の称名寺の木々に関する講座と散策イベント「称名寺ゆかりの木々 青葉楓とともに」が12月4日(木)、金沢町内会館=金沢町141=で開催される。午後1時30分開演、3時終了予定。

 金沢八名木の一つ「青葉楓」を見守る地元有志「ふみくらの仲間たち『青葉楓の会』」が企画。講師に元県立金沢文庫学芸員の山地純さんを招き、講座の後に称名寺境内を散策する。

 参加費700円で定員20人。12月2日(火)締切。申し込みなどは同会【電話】090・3809・2753(SMSも可)。
横浜磯子ライオンズクラブ会長 大迫 宏明株式会社東横不動産代表取締役社長

地元奉仕団体 新会長の横顔 皆が「ハッピー」に

 1966年設立の横浜磯子ライオンズクラブで、第60代会長を務める。今期のテーマは「ハッピー」。「活動を通じメンバー自身や関わる人たちが笑顔になり、喜びや幸せを感じられるようにしたい」と語る。

 自身の弟が生まれつき身体障害者だったこともあり、地域での活動に興味を持ち5年前に入会。現在会員は20代から80代まで幅広い年齢層で活動。「雰囲気が良いのがクラブの特徴だと思う」と話す。児童養護施設の子どもたちをズーラシアに招待し一日を共に過ごしたり、区内の障害者活動ホームで年に1回バーベキューを開催。「出会った子どもたちが大きくなったら自分も同じような活動をしようと心の片隅で思ってもらえたらいいな」と話す。
竹に穴を開ける園児

能見台 竹灯篭でまちを一体に 町内会・商店会・地元有志が連携

 金沢区の能見台地区を盛り上げようと、竹灯篭を活用した初の取り組みが進んでいる。きっかけは、能見台駅周辺で清掃美化活動を行うマチニオンガエシ能見台の鈴木誠一さんが戸塚区の谷矢部池公園で15年ほど続く竹灯篭のイベントを見て「いつかは能見台でやりたい」と思いを巡らせてきた。

 今年になり、能見台地区連合町内会が竹灯篭イベントを企画。能見台駅前商店会とマチニオンガエシ能見台が連携し、駅前と、会員45店舗に約80本の竹灯篭を展示している。18日にはアイン能見台駅前保育園の5歳児が竹灯篭を制作。園児9人が順番に、約120cmの竹にドリルで穴を開け、模様を完成させた。竹は、地区内の竹林で9月下旬に伐採。竹を灯篭の長さに切ったり、カビが生えないように火であぶる過程を、商店会有志や同園の保育士らが手作業で進めてきた。完成した竹灯篭は20日に能見台駅前の花壇に「竹灯篭ツリー」として設置。来年1月3日まで飾られている。

29日にイベント

 能見台地区連合町内会では、29日に「やっちゃえ!竹灯篭in能見台」を能見台中央公園グラウンドで企画。午後2時から6時。町内会や地元小学校の児童らで作った竹灯篭約150本を飾る。点灯式は午後4時30分頃から。グラウンドの開放や午後3時半からはカレーの販売も(数に限りあり)。雨天中止。

 鈴木さんは町内会、商店街、保育園など「地域との一体感が生まれるイベントに」としている。
訓練後に一般公開された消防ヘリ

海の公園に消防ヘリ 災害想定し訓練

 金沢区の海の公園多目的広場で11月11日、金沢消防署と横浜市消防局の消防航空隊が連携した訓練が実施された。

 訓練は消防ヘリコプターが災害時に使用する飛行場外離着陸場が会場となり、毎年各区で行われているもの。金沢区では同所と長浜公園グラウンドが飛行場外離着陸場に指定されており、今年は海の公園が会場となった。訓練には同署や横浜ヘリポート、金沢消防団から総勢68人が参加。災害を想定し、ヘリコプターの離着陸のほか、地上からは行けない場所でもすぐに救助できる「ホイスト救助」の実演も行った。

 訓練後には消防ヘリコプター「はまちどり2」の一般公開も行われ、会場に集まった人々は間近でヘリコプターを見学した。

 訓練を終えて同署の三村英明署長は「今回の訓練は、災害時における人命救助や物資輸送を円滑に進めるために重要であり、地域住民の安心・安全を守る基盤となる。今後も関係機関が協力し、災害に強いまちづくりを推進していく」と話した。
一時同点に追いつくゴールを決め、喜ぶ西山峻太選手

サッカーYSCC 最終戦は黒星 チームはJFL残留

 サッカーJFLの最終節が11月23日に行われ、YSCC横浜はホームのニッパツ三ツ沢球技場でいわてグルージャ盛岡と対戦。一時は2点差から同点に追いついたものの、終了間際に失点し2対3で敗れた。

 1年でのJリーグ復帰を目標に掲げた今季だったが、7月には成績不振で長嶺寛明監督を解任。新たに尾松剛氏を招へいしたが、5連敗で一時は最下位に転落。地域リーグへの降格も現実味を帯びたが、下位チームとの直接対決など要所で勝利し、16チーム中13位で残留を決めた。

 試合後サポーターへあいさつしたYSCCの吉野次郎社長は「J3復帰という目標を達成できず申し訳ありませんでした。来年創立40周年の年には目標を達成できるように、クラブの顔も変えつつ次の10年に向かって皆様とともに喜びを分かち合いたい」と総括。去就については「自分も今年60歳。新しい顔に変えていくことは組織の新陳代謝にもなる」と本紙に語り、体制変更を示唆した。

 JFLはJリーグの秋春制移行に伴い、同様に2026--27シーズンから秋開幕に移行する。移行期となる来年3月からはリーグ戦とは異なる特別大会を実施するが、昇降格は行われない。
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大きなケーキにろうそくを立てる児童たち

70周年を楽しみ祝う 屏風浦小で記念式典

 磯子区の屏風浦小学校(市岡直也校長)は11月15日、児童が中心となった創立70周年記念式典を開催した。

 同校は1956年、杉田小から独立して開校した。体育館で行われた式典には、児童たちが作った大きなケーキが登場。仕上げに各クラスの代表児童がろうそくを立てた後、皆でハッピーバースデーを歌って節目を祝った。その後、児童が考案した70周年マスコット「美貝(ミシェル)」とのじゃんけん大会や学校に関するクイズなども行われ、児童や教職員、地域の来賓ら全員でイベントを楽しんでいた。

 市岡校長は「皆さんは学校の歴史と未来をつなぐ大切な存在。皆で力を合わせて未来へ歩みだしましょう」と児童たちに呼び掛けた。

能が映す「金沢」に迫る 金沢文庫で12月20日

 神奈川県立金沢文庫は12月20日(土)、横浜能楽堂と連携した講座「能に映し出される『金沢』の中世」を開催する。会場は金沢文庫地下大会議室で、午後1時30分から3時まで。

 金沢区の名所である称名寺と瀬戸神社をそれぞれ舞台にした能「六浦」と「放下僧」を取り上げ、作品が生み出された背景となる中世金沢の姿に迫る。講師は金沢文庫学芸員の貫井裕恵氏と横浜能楽堂芸術監督の中村雅之氏。伝統芸能のプロデュースを幅広く手掛けてきた中村氏が聞き手となり、能の映像を交えながら中世鎌倉の歴史・文化を研究する貫井氏が解説する。

 定員70人で応募多数の場合は抽選。参加無料だが、当日は特別展の観覧券購入が必要。申し込みは12月4日(木)までに金沢文庫ホームページまたは往復はがきで。往復はがきは往信用に【1】受講希望講座【2】氏名(ふりがな)【3】住所【4】電話番号、返信用の宛先に自分の住所・氏名を明記して〒236─0015金沢区金沢町142金沢文庫講座係へ。(問)横浜能楽堂【電話】045・263・3055

船で巡る堀割川と根岸湾 12月13日、参加無料

 磯子区役所は12月13日(土)、堀割川の魅力を発信する「堀割川/根岸湾クルーズ」を開催する。参加無料。

 堀割川いそご桟橋に集合して堀割川や根岸湾を船で周遊。明治期以来の磯子の埋め立ての歴史に触れながら、根岸湾から望む磯子のまちをガイドする。3便が運航し、出航は午前9時・10時・11時。所要時間は約45分。定員は各回30〜40人。希望者は11月28日(金)までにウェブサイトから申し込みを。4人まで同時に申し込み可能で、申し込み多数の場合は抽選。未就学児は参加不可。小雨決行、荒天中止。

 問い合わせは磯子区区政推進課【電話】045・750・2332。
発足式に参加したキリンやブルワリー関係者ら

横浜をビールで盛り上げ キリンと醸造所らが協力

 横浜を発祥とするキリンビール(株)が市内のブルワリー(醸造所)らと横浜のクラフトビールを盛り上げるための新組織「Yokohama クラフトビールアソシエーション」を立ち上げ、11月13日に生麦の横浜工場で発足式が行われた。

 小規模な醸造所が職人のこだわりや個性を反映させて造る多様なクラフトビール。横浜には現在17のブルワリーがあり、全国でも有数。また、キリンビールもクラフトビール造りに力を入れている。今回の新組織は「クラフトビールと言えば横浜!と言われる街をつくる」をビジョンに、同社や市内11のブルワリーに横浜市や市観光協会、商工会議所などが協力。互いに切磋琢磨しながら、市内クラフトビールの認知向上やコラボ商品の開発、イベントでの情報発信などを目指していく。

 発足式には、同社クラフトビール事業部の大谷哲司部長や(株)横浜ビール醸造所の高橋智己代表らが参加。「クラフトビールを片手に、横浜の景観や文化を楽しんでもらえる景色を作っていきたい」と思いを語った。
会見で握手するAGCの吉羽執行役員(左)と山中市長

小学校の廃棄窓ガラスを水平リサイクル 横浜市とAGCが実証実験

 横浜市は大手ガラスメーカー「AGC」とともに、小学校の解体工事で廃棄される窓ガラスを新たな窓ガラス製品として再生する「水平リサイクル」の実証実験を12月から始める。市によると、公共建築物の窓ガラスの水平リサイクルは全国初の試みだという。

 実験は二俣川小学校=旭区=の旧校舎解体工事で行われ、12月から約7トンのガラスを搬出する。同社によると、これまで解体された建物の窓ガラスの多くは破砕され、埋め立て処分されていた。窓ガラスだけを回収することは、手間やコストの問題で難しかったという。

 実験では、現場でサッシからガラスを取り外して回収し、中間処理業者が細かく砕いて「カレット」と呼ばれる再生原料に加工。その後、鶴見区にあるAGCの開発・製造拠点で製品化される板ガラスの原料の一部として再利用する。

メーカー「CO2削減につながる」

 取り組みを発表した11月21日の市長会見に出席したAGCの吉羽重樹執行役員は「ガラスの水平リサイクルは、化石燃料の使用量を減らせるなど、CO2排出量の削減につながり、メーカーとして進める意義がある」と説明。山中竹春市長は「この取り組みをほかの学校や市営住宅に展開できるか検討したい」と述べた。
表彰を受ける受賞者

納税普及の功績称える 横浜南税務署管内4区で表彰

 横浜南税務署管内で納税普及に尽力した個人・団体を表彰する「納税表彰式」が11月13日、横浜市金沢産業振興センター=金沢区=で開かれた。

 金沢、磯子、港南、南の4区から選出された対象者に、同署の大西浄子署長らから表彰状や感謝状が贈呈された。また、財務大臣表彰などの受賞者が紹介された。受賞者は以下の通り(敬称略)。

 ▽横浜南税務署長表彰 関係民間団体役員等=大貝まり、鈴木純子、高野一哉、西谷寛臣、野村一郎、野本幸延▽横浜南税務署長感謝状 関係民間団体役員等=児島徹、澤田信廣、瀧澤貴史、浜野靜子▽同税務広報関係=(株)シーサイド開発▽租税教育推進校等表彰制度 横浜南税務署長感謝状=杉田小学校▽神奈川県戸塚県税事務所長表彰 納税功労者=垣副多津夫、西谷寛臣、比留間育也▽南区長表彰=忠田伸一▽港南区長表彰=向留美子▽磯子区長表彰=浜田登志男▽金沢区長表彰=至田勝紀▽横浜南納税貯蓄組合連合会長感謝状=猪鼻久義、木村薫子、佐々木雅俊、鳥本勝壽、福本行雄▽横浜南青色申告会長感謝状=上野千惠子、加藤高二、蒲原美佐子、菊島弘明、矢崎人志▽横浜南法人会長感謝状=大藏慶彦、岡部郁子、栗田祥吾、黒田裕太郎、至田勝紀▽横浜南間税会長感謝状=稲垣浩介、成澤郁子、野村一郎▽財務大臣表彰=武田勝▽国税庁長官表彰=山岸幹夫▽東京国税局長表彰=江塚潔▽神奈川県知事表彰 納税功労者=佐藤眞里子▽横浜市納税奨励表彰市長表彰=佐藤理恵子

金沢区自助連絡協議会が総会 いま「地震・津波警報が発生したらどうするか」テーマに

 金沢区自助連絡協議会(自助カナ)の第5回総会が12月4日(木)、金沢公会堂で開催される。午後2時から4時15分。参加無料。

 第1部の総会のテーマは、「この会が終わった直後にマグニチュード6の地震&津波警報が発生したらどうするか」。災害時の医療体制や居場所づくりと地域連携、横浜市立大学金研究室の避難アプリ簡易実験、自助カナの活動紹介、パズルアーツの作品展など。

 総会後には交流会(4時30分から5時30分)も開催。参加費1000円(コーヒー・菓子・特典つき)。「いざという時に頼れる、協力し合える顔見知りの輪をぜひ一緒に広げましょう」と同会。

 参加申し込みは12月3日までに「自助カナ」サイトから。問い合わせは【電話】045・782・5243、【メール】info@jijyokana.jp。
活躍が目立った横浜高校野球部(写真は夏の県大会優勝時)

市民が選ぶ「横浜10大ニュース」投票受付開始 横浜高校センバツV、公園全面禁煙化など

 横浜市は市内関係の出来事から市民に今年の大きなニュースを選んでもらう「2025年横浜10大ニュース」の投票受付を11月21日に始めた。

 「10大ニュース」は毎年行っており、出来事や市政ニュースの中から市民投票で決めるもの。

 今回は横浜高校が春のセンバツ高校野球で優勝したことや公園の全面禁煙化、現職が再選した市長選挙など、36のニュースから5項目以内を選ぶか、項目にないものを記入して投票する。

 投票できるのは市内在住者。市のサイトから12月12日(金)まで投票できるほか、区役所広報相談係、地区センター、図書館などで配布するチラシに付いている専用はがきでの投票も可能。

 投票者の中から抽選で670人にありあけの「横濱ハーバー」やセンターグリルのナポリタン無料券など、企業や施設が提供するプレゼントが当たる。問い合わせは市民局広聴相談課【電話】045・671・2335。
田中直樹さん

ココリコ田中さんらと海の生物多様性・暮らしを考える 横浜市が12月22日に講演会

 横浜市は、海の生物多様性と暮らしの関わりを考える講演会を12月22日(月)に開港記念会館=中区=で開催する。

 講演会のテーマは「海の生物多様性と私たちの暮らし〜エシカルな選択が未来を変える〜」で、「エシカル」とは、人や地球環境、社会、地域に配慮した考え方のこと。

 講師に地球温暖化防止などの活動を行うWWFジャパンの滝本麻耶さんと海洋生物を愛するタレントの「ココリコ」の田中直樹さんを迎える。2人の話から暮らしの中で未来をより良くするためにできることを考える。

 午後2時から3時30分。定員350人。専用フォームから、12月12日(金)まで受け付ける。多数の場合は抽選。申し込みに関する問い合わせは受付事務局(エグザ株式会社)【電話】045・565・5078。

金沢八景駅前で11月23日に「コミュニティマーケット」 一日限定のフリーマーケットイベント

 金沢八景駅前の八景シーサイドひろばで11月23日(日)、「金沢八景コミュニティマーケット」が開催される。午前10時から午後4時。入場無料。

 事業協同組合金沢八景共栄会が主催し、ARCHとHAKKEY+が協力して開かれる一日限定のフリーマーケットイベント。古着やハンドメイド、ワークショップなどが多数出店するほか、地元の飲食店による出店もある。

 当日直接会場へ。荒天時は中止。自転車での乗り入れは不可。

医師に症状どう伝える? 横浜市が来年1月に実践講座

 横浜市は市民が医師に上手な聞き方や伝え方を考えてもらうためのイベント「もっと知りたい!医師への聞き方・伝え方」を来年1月12日(祝)に市役所1階で行う。

 市と医師の団体「やさしい医療のカタチ」の共催。市は10月、患者と医療者が対等に対話できる場を広めている同団体と連携協定を結び、市民が安心して受診できる環境作りを目指している。

 イベントは午前10時から午後4時まで、5つのセッションで構成される。国立精神・神経医療研究センター部長の松本俊彦さんが市販薬による若者の依存症問題を取り上げ、薬の過剰摂取への対応を解説。「やさしい医療のカタチ」の医師が医師への質問方法や症状の伝え方などの会話法を伝えるほか、子どもの救急医療や受診前に知っておくと得をする医療制度や知識も語られる。

 ほかに、医療マンガ『Dr.アシュラ』などで知られるマンガ家のこしのりょうさんによる「お絵描き教室」も開催される。

 参加無料。市電子申請サービスから各セッションごとの申し込みで、定員はそれぞれ先着200人。問い合わせは市医療局医療安全課【電話】045・671・3654。
体験談を語る教員と話を聞く学生ら

横浜市の教員と志望者が座談会 旅行会社から転身、マンガで対話など 体験語る

 横浜市教育委員会は11月17日、市庁舎で教員と教員志望の学生が語り合う座談会「地上の星に聞く!」を行った。

 市教委は、学校現場で働く教員を「地上の星」と例え、教員志望者に横浜市の教員として働くことを具体的にイメージしてもらおうと直接語り合える座談会を企画。8月に続いて2回目の開催となった。

 現地とオンラインを合わせて約40人が参加。今回は、市教委が学校や教員の取り組みの情報発信に使うメディアプラットフォーム「note」に登場した5人の校長や教員が「地上の星」として登場した。

 南吉田小=南区=の八木浩司教諭は、旅行会社で働いた後、ウズベキスタンで日本語を教えるボランティアを経験したことをきっかけに横浜で教員になった。多くの子どもと関わる中で「この通りにやれば、絶対に成功するというものはない。情熱を持って子どもに接すれば、それは伝播する」と力説した。

マンガで生徒とコミュニケーション

 仲尾台中=中区=の小田原誠教諭は、毎日の学年の出来事をマンガにして発信し、生徒とコミュニケーションを図っている。描くのは生徒と教員の何気ない会話の様子などだが、「海に流れ着いた物を拾い集めるようなもので、それを大切な宝と思えるかどうか」だと語り、「自分はマンガという形だが、毎日一つでも子どものためになることを続けてほしい」と教員志望者に訴えかけた。参加者からの「デジタル化が進む中で、なぜ手書きのマンガにこだわるのか」との質問には「現物を手にしないと見られない。生徒と対話できる関係だからこそマンガにすることができる」と答えた。

 参加した女子学生は、横浜市の教員採用試験に合格し、来年度から学校現場で働くことが決まっているという。教員の「生の声」を間近で聞き、「試行錯誤を楽しむことや毎日何かを続けるといった話が心に残った」と感想を語った。さらに、「不安と楽しみが半々だが、AIの活用など、先進的な取り組みをしている横浜市の教員として頑張りたい」と刺激を受けた様子だった。

 市教委は12月にも1、2年目の若手教員が体験談を語る企画を行う予定。今後も仕事の魅力を発信しながら、教員志望者の支援を続けていく。
ユース出身で今季加入した兪龍海選手©︎B-CORSAIRS

横浜ビー・コルセアーズ 東地区10位から挽回図る

 B1リーグの横浜ビー・コルセアーズは、10月・11月の18試合を6勝12敗で終えた。開幕節は昨季準優勝の琉球ゴールデンキングスに連勝したが、その後2度の5連敗もあり、現在は東地区10位。リーグ再開に向け、挽回を期してたきがしら会館=磯子区=で練習に励む。

 リーグ戦が休止となるバイウィーク前最後の試合となった11月16日の滋賀レイクス戦は、敗れたものの横浜国際プールB1通算入場者数70万人を達成した。「バイウィークを使って、しっかりと準備していく。たくさんの応援、本当にありがとうございました」と兪龍海選手。次節は12月6日・7日、敵地で茨城ロボッツと対戦する。