町田版【12月4日(木)号】
宝永堂の歴史について話す三橋社長(上写真)。創業時の原町田村(右下)と現在の店舗

宝永堂 中心市街地で商い140年 道具屋として明治に創業

 ジュエリーや茶道具などを取り扱い、町田駅周辺の中心市街地における代表的な店舗の1つになっている宝永堂(原町田)が今年、創業140周年を迎えた。海外との貿易の窓口となった横浜と絹で栄えた八王子を結ぶ町田街道の中間地点にある「道具屋」として創業。以来、町田の中心市街地に欠かせない存在となってきた。

 創業は明治時代の1885年。内閣制度が発足するなど、日本の近代化が進んだとされる年に海外との貿易の窓口となった横浜と当時の輸出における花形産業だった絹の生産地、八王子を結ぶ町田街道の中間に位置する場所で店が開かれた。現在の町田中心市街地にあたる原町田村のなかで、創業したのは現在、宝永堂を運営する株式会社宝永堂の社長を務める三橋信介さんの祖父、治平さん。「貿易商などがお昼に立ち寄るなか、商売をやってみたくなったんでしょう。西洋の置時計などを扱っていたようです」と三橋さん。以来、戦時などの困難をくぐりぬけながら商いを続け、戦後には三橋さんの叔父や父である国民さんが運営会社を経営するようになり、宝石販売をメインに衣料スーパーを運営するなど、事業を拡大していったという。

 三橋さんは「工芸品作家でもあった父の理解もあり、茶道具も取り扱うようになった。日本の景気拡大とともに事業が大きく伸びていきましたね」と振り返る。

信頼厚く

 一方、不動産バブルの崩壊や景気低迷が進むなかでも宝永堂が町田の一等地で店を開き続けることができた理由の1つが周囲からの信頼の厚さだ。優良企業とされる「優良申告法人」に何度も指定され、駅前における「町田の顔」として美にこだわった店舗づくりには高い支持が集まる。町田市の企業を中心に2千を超える事業者が名を連ねる公益社団法人町田法人会の担当者は宝永堂について「町田屈指の会社であることは間違いない」と話す。

 企業の信用調査にあたる帝国データバンク東京西支店の担当者によると、100年以上の歴史をもつ東京都内の会社は11月下旬時点で4690社。町田市内では26社といい、長寿企業の特徴としては宝永堂を含め不動産事業にあたっているところが多いという。「固定客をつかんでいる点も宝永堂さんの強み。財務体質も良好で今後も町田を代表する会社として発展していってもらいたい」と話している。
先日行われた町田高定時制祭の様子(上写真)、日本語指導について語る角田さん

町田高定時制 大学と連携し日本語指導 新しい形として注目

 外国にルーツのある生徒が増加するなか、都立町田高校(中町)の定時制で特別教育課程として日本語指導が行われている。桜美林大学(常盤町)と連携し実施しているもので新たな定時制の形として注目を集めている。

 「これは日本語でなんと読みますか」「発音がいいね」――。夜間に行われている町田高定時制の日本語指導。進路相談にも乗り、フィリピンやタイ、ネパールなど、外国にルーツのある生徒が桜美林大から駆け付けた講師の授業に耳を傾ける。

 町田高定時制で日本語指導が始まったのは2021年。同年赴任した教員の角田仁さんが外国にルーツのある生徒が日本語をほとんど話すことができず勉強についていけないだけでなく、孤立してしまう様子を見て、「何とかしなければ」と考えたことが始まりだった。

 角田さんが周囲に相談すると桜美林大で日本語教育学を専門とする准教授、川田麻記さんの紹介を受け、「言語の壁に当たり、弱い立場に置かれる子どもたちの状況を変えたい」と賛同を得ると一緒に日本語指導の環境を整えていくことに。学びからの離脱を防ぐことを目的に補習として対話的な交流を中心に指導を進めていったという。

 23年度からは特別教育課程として授業が実施されることとなり、川田さんは「子どもの個人的な能力の問題として矮小化されることもある問題。協力してくれる当大学の学生たちがウェルカムな雰囲気をつくってくれている」と話し、角田さんは「この日本語指導を受けた生徒のなかには大学に合格し進学を果たした子もいる。うれしかった」と成果を喜ぶ。

2千年以降に

 定時制高校は勤労青少年のために1948年に発足した高等学校過程で、かつては働きながら学ぶ生徒たちが通う場所だった。しかし、角田さんによると、2000年代に入るころには外国にルーツのある子どもたちが通うことが増えていったといい、「桜美林さんは外国にルーツのある子どもたちのための居場所づくりにも取り組んでくれている。このような高大連携が広がっていければと思う」と話している。

 先日行われた東京都議会では町田高定時制の日本語指導が紹介され、都は定時制高校での地域の力の活用について進めていくとした。
敗れたものの、強豪相手に果敢に攻める選手たち。一時は逆転し会場をわかせた

ペスカ、一時逆転も敗戦 Fリーグ 首位とホームで対戦

 Fリーグ(日本フットサルリーグ)で初優勝を目指す町田を拠点とするフットサルチーム・ASVペスカドーラ町田は先ごろ、ホームの町田市立総合体育館(南成瀬)で現在首位を走る名古屋オーシャンズと対戦。3対6で敗れた。

 ペスカは直近4連勝の勢いそのままに、試合開始直後から積極的に攻め入ったものの、反撃され2点を献上。そこから立て直し、反撃をみせると一時は逆転。駆け付けた地元ファンを喜ばせる場面もあったが、再逆転を許すと失点を重ねる結果となった。

まだ可能性

 ただ、優勝の芽は残っている。ペスカは12月1日現在、3位をキープし、残り3試合となったレギュラーシーズンを終えると、2月からは上位6チームによる1回戦総当たりリーグ戦(ファイナルシーズン)に挑むことになる。

 レギュラーシーズンで得た勝点とファイナルシーズンのものとの合計が多いチームが優勝となることから、今回の敗戦でトップとの差は広がったものの、チャンスは残っている。

身近なところ魅力

 駆け付けたファンの一人は「優勝を諦めていない」と話し、子どもと観戦した岩山朋子さんは「子どもがペスカのスクールで習っているが、昨日会ったコーチが今プレーしているのが何だか驚き。身近に感じられるところもチームの魅力。がんばってもらいたい」と笑顔をみせている。
決意を記した横断幕を掲げるメンバー

10年の思い幕に込め 町ガ、13日記念公演

 町田市を拠点に活動するコーラスグループ「まちだガールズ・クワイア」が先ごろ、町田市民ホールで12月13日(土)に開催される結成10周年記念ライブ「時間の扉〜Time trip〜」に向け、掲出される横断幕にサインと意気込みを記した。

 2015年の結成以来、「町田から全国へ!全国から町田へ!」を掲げて活動する同グループ。石田ショーキチさんや佐々木良さんという町田ゆかりのアーティストがプロデュースを手掛け、年間100本を超えるライブで全国を巡る一方、市内のイベントにも積極的に出演するなどしてきた。

 10周年を迎えた今年は地域との絆をより深めるため、市内の麺料理を紹介するSNS企画『推し麺』も展開中といい、今回の記念ライブに向けては情報発信をメンバー主体で行う「セルフマネジメント」体制で挑むという。

 メンバーの一人は「10周年に市民ホールという規模で、手作りで挑みます。だからこそ、多くの方に応援に来ていただけると心強い」と来場を呼びかけている。公演は午後5時開演(4時開場)。チケット等の詳細は公式HPへ。

読者プレゼント 『漢方薬』本4人に

 南大谷在住の植物画家・貝原京子さんが作画を担当した書籍2種を、抽選で計4人(1人1冊)にプレゼントする=写真。『図とイラストで薬がみつかる わかる!漢方薬』と『生薬と処方がわかる漢方薬』(ともにユーキャン学び出版)で繊細な植物画が要所に配され、専門的な内容も親しみやすく解説されている。「植物画は年齢問わず楽しめる趣味。まずは本で世界観に触れてほしい」と貝原さん。

 希望者は住所、氏名、希望する本、紙面の感想を明記し、〒252-0239神奈川県相模原市中央区中央2の6の4(株)タウンニュース社相模原支社「漢方薬読者プレゼント係」かメールpresent04@townnews.co.jpへ。12月18日(木)必着。発表は発送をもって。

21日、絵本イベント 町田駅前施設で 担当者に聞く

 町田ゆかりの絵本作家の講演会などがある催し「絵本ワールド」が12月21日(日)、JR町田駅近くの施設「町田パリオ」の4・5階で開かれる。どのようなイベントか。準備を進める久美堂外商センターの井之上盛浩さん=写真=に聞く。

 ――どのような催しに

 「作家による講演会やワークショップ、本の展示販売などを通じて、絵本の魅力を知ることができるイベントです。絵本ワールドと呼ばれる全国各地で開催されているもので町田では初開催となると思いますが、豊かな感性と想像力を育む絵本の魅力を子どもたちに知ってもらう機会にしたいと考えています」

 ――見どころは

 「町田ゆかりの絵本作家3人が講演会を開催してくれることでしょうか。イラストレーターとしても活動している志村まゆみさんや木版画にも取り組むたけがみたえさん、町田在住の中垣ゆたかさんの3人で、それぞれのカラーにあったワークショップも開いてもらいます」

 「その他、幼児から小学生を対象にした絵本の読み聞かせや、予約不要で参加できる各種ワークショップもあります」

 ――絵本の魅力はどんなところに

 「想像力を養える点が1つにはあると思います。動画のように受動的ではなく、活字は想像をめぐらすことになる。そんなこともこの機会に多くの方に知ってもらいたいですね」

11時から

 この絵本ワールドinまちだ2025は町田市内を拠点とする書店、久美堂の80周年記念イベントとして開かれる。時間は午前11時から午後5時30分(最終受付は4時30分)で入場無料。絵本作家の講演会・ワークショップは予約制で各先着40人、それぞれ参加費200円。詳細・申し込みは久美堂のホームページから。

 問い合わせは実行委員会事務局(久美堂外商センター内)【電話】042・722・3317へ。メールはinfo@hisamido-gaisho.co.jpまで。

町田・新社長インタビュー あらゆる困りごとに対応する クリエーティブカミヤ(株)・中原代表

 町田市を拠点に躍進する企業の新社長を尋ねるコーナー。今回はつくし野を拠点に紙おむつ事業からスタートし福祉用具、介護、看護などの分野まで取り組みを広げるクリエーティブカミヤ株式会社の中原英喜・代表取締役=写真=に聞く。

 ――事業を拡大している

 「『介護する方もされる方も笑顔にしたい』の考えのもと、紙おむつ事業に長く取り組んできたが、居宅介護支援や訪問看護サービスの提供なども進めてきた。子どもの問題にも関わるようになり、今は生まれてから亡くなるまでのライフステージごとのあらゆる困りごとに寄り添える企業を目指しているところだ」

 ――地域の声を聞く部署もつくった

 「地域連携室として、町田市内の福祉や町の集まりに参加させていただくようにし困りごとに耳を傾けるようにしている。つながりを大切にし暮らしやすい地域づくりに関わっていきたいと考えている」

 ――更に新しい事業にも取り組む

 「あらゆる困りごとに対応するため、葬儀に関することや住み替え相談などの事業にも他社の力を借りたり、M&Aなどを視野に入れながら進めていく。今は当社がそのような取り組みを進めていることを広く知ってもらうことが大切。そして、生活や暮らしの困りごとは『カミヤに相談すれば解決してくれる』と思ってもらえるようにしたいと思う」

市議の秋田氏が出馬表明 来年の町田市長選

 町田市議会議員の秋田史津香氏=写真=が先ごろ、来年2月に行われる町田市長選挙への出馬を表明した。議会を通じ市政をみるなか、市民の声が届いていないことを感じ、市役所の組織改革などが必要と考えているという。秋田氏は早稲田大学第一文学部を卒業後、4人の子どもを育てながら起業。PTA活動や子ども食堂運営にもあたってきた。22年に町田市議会議員に初当選し現在1期目、無所属。45歳。
作品を持つ受賞者

薬物乱用防止の啓発 中学生作品を表彰

 中学生がポスターや標語で薬物の危険を訴える「薬物乱用防止ポスター・標語事業」(都保健医療局主催)。今年は市内から計1195作品の応募があり、このうち都選考への推薦に選ばれた6人が11月19日、町田市役所で表彰を受けた。

 表彰式で東京都薬物乱用防止推進町田地区協議会の山下幸光会長は「危険性を知ってもらうために募集している。薬物乱用撲滅にはこれからの社会を担う中学生の力が必要。作品を見て啓発活動の意義を実感した」と話し、中学生に今後も啓発活動への協力を求めた。

 受賞者は次の通り。【ポスター】会長賞▼齊藤想也さん(鶴川第二3年)、唐木彩羽さん(金井3年)、市長賞▼中橋暖さん(木曽1年)、【標語】会長賞▼比留間梨乃さん(金井1年)、五味川愛美莉さん(忠生1年)、市長賞▼佐々木鷹斗さん(堺1年)

 なお、都選考において齊藤さんの作品がポスター部門優良賞に選ばれた。
ワークショップの参加者

町三小跡地活用を考える ワークショップに50人

 2028年3月で閉校となる町田第三小学校の跡地活用に関する地域住民向けワークショップがこのほど、同校体育館で開催され、大人30人、子ども20人の計50人が参加した。

 市は22年度から跡地活用についての検討を進めている。「学校は教育以外にも地域住民にとって多くの機能を担っている」との考えの下、昨年度もワークショップを実施。今後の建物や土地のあり方について住民との意見交換を行ってきた。

 今年は大人向けプログラムとして子ども食堂運営団体の代表である森下和海さん、副代表である鹿島亜樹さんの講演と横浜市立大学大学院の三輪律江教授(工学博士)の「ひろばなどの地域の居場所があることの大切さ」についての講演が行われた。また、子ども向けには、一辺3〜4m程の大きな地図に、お気に入りの場所や将来やってみたいことなどを書き込むプログラムなどが用意された。

 実施後に市が行ったアンケートでは「子どもも大人も楽しく参加できた」「ゲストの講演は参考になった」などの意見が挙がった。市は来年1月にもワークショップを予定しており、参加を呼び掛けている。
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町田アンコール上演が決定 種谷典子&今井俊輔デュオコンサート

 今年4月に開催され反響を呼んだデュオコンサートのアンコール上演が決定した。BS日テレ「こころの歌」にフォレスタのメンバーとして出演し人気のバリトン・今井俊輔さんと、二期会本公演オペラ「椿姫」の主役を演じ絶賛されたソプラノの種谷典子さんによるデュオコンサートが12月23日(火)、町田市民フォーラムで開催される。

 主催者は「種谷さんは私が一声惚れした、素晴らしい声と歌心を併せ持つプリマ。今井さんは言うまでもなく、日本バリトン界最高峰の歌声と歌唱力で全国を飛び回る大物」と魅力を語る。

渾身の歌声間近で

 当日は、主催者が「凄腕」と厚い信頼を寄せるピアニスト・水野彰子さんの伴奏に乗せ、日本の歌、イタリアの歌、オペラアリア、重唱までたっぷりと披露。「前回は瞬く間に完売となった人気公演。今回も売り切れ必至です」と主催者は早めの予約を呼びかける。

 町田市民フォーラム3階ホールで午後2時開演(1時30分開場)でチケット3千円(全席自由)。予約は電話のみで12月4日(木)午前9時から、主催・柴田さん【携帯電話】090・1734・8116又は【携帯電話】080・4374・8148(4日のみ可)で受け付ける。留守番電話の場合メッセージ録音は不可とのこと。
チラシ

シャンソン 新年コンサート1月11日 12月9日からチケット配布

 町田市シャンソン文化協会が事業主催となる「カンツォーネ・シャンソンを楽しむニューイヤーコンサート」が1月11日(日)、和光大学ポプリホール鶴川で開催される。時間は午後2時から(1時30分開場)。無料だが全席指定で入場券が必要。入場券は12月9日(火)から、ポプリホール鶴川と、町田市文化協会事務所(町田市民ホール内)で配布される。ポプリホールは午前8時30分から、文化協会事務所では午前10時からの配布。

 出演は斗南良子さん、ピーノ松谷さんをはじめ、ローズ斉藤さん、天間千代子さん、小野寺英明さん、重南ゆうこさん、浜島重尚さん。重南さんは「昨年も満席でした。新春を楽しむコンサートです」と来場を呼び掛けている。問い合わせは【携帯電話】090・2429・3045(重南さん)。