中区・西区・南区版【9月19日(木)号】
無電柱化が完了した、山下本牧磯子線

災害時の第1次緊急輸送路 無電柱化が難航 計画策定時と同程度に

 横浜市は2018年度、災害時の消火や救助活動、物資輸送の生命線となる「緊急輸送路」などについて無電柱化(※)の推進計画を策定したが、工期の長さや高い整備費で難航。高速道路や幹線道路などと広域ネットワークを構成する第1次緊急輸送路の無電柱化率は、策定時と同程度の33%にとどまる。

 市は推進計画に基づき、緊急輸送路を含む管理道路を整備してきた。しかし、23年度末の第1次緊急輸送路(総延長198Km)の無電柱化率は計画策定以降に指定された道路もあり、18年と同程度の33%(65Km)。また、第1次緊急輸送路のうち、横浜新道や保土ケ谷バイパスにつながる環状形成3路線(環状2号線、山下本牧磯子線、鶴見溝ノ口線/合計36Km)を27年度までに完成させることを目標にしていたが、23年度末の無電柱化率は18年から3ポイント増の71%(26Km)と達成困難な状況だ。

 整備が進まない要因の一つが長い工期。市道路局企画課によると、既設埋設物の移設や共同溝の設置、電柱・電線の撤去など10年前後かかる。整備費も高く、国交省の試算では電線共同溝方式の場合、道路管理者の負担額は1Kmあたり約3・5億円。横浜市のような都市部は既設埋設物が密集しており、試算以上の費用が必要という。

 市は現在、環状形成3路線の整備に注力し、25年度末の無電柱化率74%を目指している。コスト削減の技術導入や国への補助金要望にも取り組むとして、担当者は「人命救助や復旧・復興につながる事業。しっかり進めていきたい」と話す。

 NPO法人電線のない街づくり支援ネットワーク(大阪府)の井上利一事務局長は無電柱化推進にあたり、低コスト手法の積極的な活用のほか、昼間の工事や昼夜連続した常設作業帯などの導入を呼びかける。また、「11月10日の『無電柱化の日』などを活用し、市民に意義やメリットを周知すべき」と説明する。

一般社団法人「減災ラボ」=本社・中区=の代表理事で、防災・減災活動を続ける 鈴木 光さん 港北区在住 48歳

災害を「自分ごと」に

 ○…自治体や町内会などで防災・減災の大切さを伝える。2017年に仲間と立ち上げた法人の名前「ラボ」には、試行錯誤を行う「実験室」の意味合いがある。「災害対策は日常生活の延長なので『楽しく、頑張らない』が大切」といい、柔軟な発想を心掛ける。

 ○…建設コンサルタント勤務時の04年、新潟中越地震で犠牲者が出た家の倒壊現場を見て「被害が防げたのではないか」と感じた。退社後はフリーとして活動。東日本大震災後はボランティアを続け、岩手県大船渡市では、津波で被害を受けた家から写真や賞状を捜す活動を行い「日々の営みが一瞬で奪われ、これが災害だと思った」。中越地震の時にはどこか「自分ごと」ではなかった災害が日常のすぐそばにあることを実感した。

 ○…防災・減災の意識を定着させるには、子どもに知ってもらうことが重要と考え、小学生に自宅や周辺の災害リスクを地図にまとめてもらう「my減災マップ」を作る活動に励む。ある学校で2人の児童が自宅周辺の浸水や崖崩れの危険性を地図で確認し、「川があふれそうになったら、うちの家に避難して」と告げていた姿が強く印象に残る。「誰かを思いながら、災害を『自分ごと』にしているのがうれしかった」と笑顔。「防災・減災を子どもに伝えることは、未来の社会への投資」と力を込める。

 ○…港北区で生まれ育つ。趣味は音楽、サックスも吹く。能登地震以降、月1回は被災地へ。避難所にプレーヤーを持ち込み、美空ひばりさんなどの懐かしの曲をレコードでかけると、被災者が大喜びした。「能登の被害が忘れ去られているのではと感じる。ぜひ行ってみて」。災害を「自分ごと」にし、防災・減災を進めるための実験と試行錯誤が続く。

握手を交わす渡邉代表取締役社長(右)と西川明秀代表取締役

ビブレ運営(株)OPA 古着を水素エネルギーに スタートアップと共同

 横浜ビブレ=西区南幸=などのファッションビルを運営する(株)OPAは、廃棄物から水素エネルギーを生み出すプロジェクトを推進するスタートアップ企業の(株)BIOTECHWORKS-H2とパートナーシップ契約を締結した。

 9月17日に行われた締結式では、ファッション業界の大量生産・消費・廃棄問題や両社が提供を目指す「ポジティブにファッションを楽しむ環境」への取り組みについて説明された。

 今回、(株)OPAが運営する商業ビルで衣料品を回収。リユース、リサイクルできないものは、一時的に保管され、(株)BIOTECHWORKS-H2の廃棄物を燃焼させずにガス化する独自のプラント技術でそのほとんどを再生可能エネルギーである水素エネルギーに変換する。プラントは2025年に建設開始を見込んでいる。

29日まで衣料品回収

 横浜ビブレでは、9月29日まで衣料品の回収ボックスを1階インフォメーション前に設置する。持ち込んだ衣料品がどう水素に生まれ変わりエネルギーが生成されるかをモニターで可視化できる仕組みで消費者の意識や行動変容を促す。

 (株)OPAの渡邉祐子代表取締役社長は「お客様と共に笑顔でファッションを楽しめる世界にしていきたい。服が循環する仕組みづくりにご協力いただけたら」と話した。

勇気と希望を届ける「レインボーコンサート」天羽柚月さんらが出演。 9月21日午後2時半から 横浜市西公会堂で

 神奈川県中小企業家同友会アクティブシニア部会は9月21日(土)、横浜西公会堂で「レインボーコンサート」を開催する。

 出演するのはボーカリストの天羽柚月さん。天羽さんは、24時間の完全介護が必要な身体障害と言語障害を持ちながら、亡き母との約束である「歌手になってNHK紅白歌合戦に出場」を目指して、路上ライブやコンサートで歌手活動を行っている。当日は、天羽さんのほか、南部なおとさんと山本亜美さんが出演する。

 午後2時半から。参加費は3000円。問い合わせは、同会【電話】045−222ー3671へ。

 事前チケットの申し込みは、https://kanagawa.e-doyu.jp/s.event/showDetail.html?init&eid=878187 へ。9月20日午前9時まで受け付ける。

平田副知事(左)から表彰される受賞者

地域安全県民のつどい 県内142人・73団体を表彰 防犯活動で顕著な功労

 神奈川県内各地での自主防犯活動において、顕著な功労があった個人・団体を表彰する「第55回地域安全県民のつどい」が9月6日、県立音楽堂=西区=で開かれた。(公社)神奈川県防犯協会連合会と県警の主催で、142人・73団体が受賞した。

 表彰式には受賞者や関係者のほか、柳下剛県議会議長ら多数の来賓も出席。同連合会の会長を務める黒岩祐治知事の代理で挨拶に立った平田良徳副知事は「受賞者の長年にわたる地域防犯への多大な貢献に感謝します。安全で安心なまちを守るため、これからも協力をお願いしたい」と話した。表彰式では各賞ごとに代表者が表彰状や感謝状を受け取り、第2部ではマジシャンや県警音楽隊の演奏も披露された。

 中区・西区・南区の受賞者は以下の通り(順不同・敬称略)。

【県防犯協会連合会会長感謝状】▽功労団体=セーフ・コミュ・ネット伊勢佐木21▽功労者=仲野仁志(加賀町防犯協会)、上保光正(本牧元町東部町内会)、佐野達雄(南防犯指導員連絡協議会)、鈴木博文(西区防犯指導員連絡協議会)、長田和行(横浜港防犯指導員連絡協議会)【県防犯協会連合会会長・県警察本部長連名感謝状】▽功労団体=京浜サービス(株)、山手防犯協会、神立新聞舗(朝日新聞・東京新聞)、野毛地区防犯パトロール隊、テイシン警備(株)横浜支社、横浜倉庫(株)鈴繁埠頭営業所▽功労者=金子洋子(山手防犯指導員会)、程島正雄(新山下1丁目自治会)、平戸善久(別所地区連合町内会)、牛山裕子(伊勢佐木防犯協会)、長島修(西区防犯指導員連絡協議会)、平田博志(公社/横浜港防犯協力会)【関東防犯協会連絡協議会会長・関東管区警察局長連盟表彰状】▽功労者=福井牧江(山手防犯指導員会)、岩田春男(南防犯協会)、小宮禎夫(伊勢佐木防犯指導員会)

横浜植木の門壁に設置された文学碑

南区唐沢 吉川英治の文学碑建立 命日に約40人が集い除幕式

 数々の歴史小説を世に生みだした作家・吉川英治氏(1892―1962年)の文学碑が、園芸会社「横浜植木」=南区唐沢=の門壁に設置された。吉川氏は中区山元町で生まれ、幼少期を唐沢周辺で過ごしたとされる。命日である9月7日には同社で除幕式が行われ、建立に尽力した地域住民や関係者ら約40人が集い、完成を祝った。

 吉川氏の代表作の一つ『宮本武蔵』の巌流島のシーンが描かれた文学碑は縦60センチ、横90センチ。吉川氏の略年譜や横浜で過ごしたこと、当時の横浜植木の構内建物案内図が記された。同社の創業は1890年。幼い吉川氏が敷地内を通って学校に通っていたという。渡邊秀一代表取締役会長は「(吉川氏が)この地で暮らしたことが、創作物に何らかの影響を与えていれば嬉しい」と話した。

 製作・設置をしたのは「吉川英治友の会」。横浜にゆかりがある作家でありながら、吉川氏の痕跡が地域に何もなかったことから、地域住民ら有志が発足。昨年から活動を開始し、文学碑建立のための協力者や募金を募ってきた。

 同会代表で近隣に住む作家の伊東潤さんは、「こんなに早く実現するとは思っていなかった」と喜ぶ。本が読まれなくなった現代、文学碑を建立する理由を「地域の人たちに忘れ去られてしまわないためにも必要だと思う」とした。

西区 こんにちは区長です。

商店街&個店のスタンプラリー

 西区の商店街スタンプラリーは2018年から始まりました。今年は区制80周年を記念して商店街&個店を対象とした過去最大規模の「ぱくぱく&てくてくスタンプラリー」を9月30日まで開催しています。商店街組合連合会をはじめ、多くの方の協力で12商店街の他、全172店舗が参加、スタンプを集めて応募すると抽選で素敵な景品が当たります。

 「幅広い年代の方に商店街それぞれの魅力を知ってもらえたら」と商店街組合連合会の大塚眞司会長は話します。区制80周年で商店街、企業、地域、在勤の方々の結束力が高まっています。このつながりを大切に次の区制90周年、100周年に向かってさらに盛り上げていきたいですね。

合唱練習をする緑ケ丘高校の卒業生ら(提供写真)

緑ケ丘高校 同窓生200人が音楽祭 9月23日、県立音楽堂で

 横浜緑ケ丘高校の創立100周年を記念して、同窓生による音楽祭が9月23日(月・振休)、神奈川県立音楽堂=西区紅葉坂=で開催される。

 昨年100周年を迎えた同校。新体育館の完成にあわせて来年記念式典を開催することから、3年間にわたり記念事業を実施しているという。

 当日は3部構成で、同校卒業生でプロとして活躍する演奏家や音楽愛好家が多数集結するほか、吹奏楽部やクラシックギター部の現役高校生など、総勢約200人が出演する。

60人の合唱団も

 この音楽祭のための合唱団も結成された。同窓生で構成される「牧陵合唱団」が主体となり、大人数の合唱で100周年を盛り上げようと今年3月からメンバー集めに奔走。各合唱団に所属する卒業生に呼びかけたところ、約60人が集まった。「合唱経験者が多く練習もスムーズ。80代から在校生まで幅広い年齢層の合唱団になった」と発起人の市原義国さん(76)=磯子区東町。主催の同事業委員会では「同窓生だけでなく、地域の方や受験生などにもぜひご覧いただければ」と来場を呼びかけている。

 出演者はテノール・篠崎義昭、マリンバ・市瀬孝子、ソプラノ・小島和子、ピアノ・島田桂子、合唱指揮・相澤宏一、琵琶・室井三紀、バリトン・鴨川太郎ほか(順不同・敬称略)。

 午後3時開演、当日券あり、入場料1千円。詳細は牧陵会HP。(問)【電話】045・664・9020(月〜木、10〜16時)。

河野教諭(左)と石田さん

英語ディベートの日本代表 聖光学院石田さん 世界大会で決勝Tへ

 聖光学院高等学校=中区滝之上=の石田幹太朗さん(2年)は今夏、セルビアで行われた高校生英語ディベート世界大会(WSDC)に日本代表として出場した。

 同大会は、世界約80カ国から選抜されたチームが参加し、英語ディベートの世界一を競う。石田さんは今年2月の選考会で日本代表に選出された。5人のメンバーは毎日のようにオンラインで集まり自主練を行い、腕を磨いた。「最初は上手くいかないことも多かった」という石田さん。試合に参加し実践も重ねることで、チーム力を向上させていった。

 論題に対し肯定・否定に分かれ論戦をするディベート。討論技術だけでなく、短い準備時間の使い方が勝敗を左右する。同校の英語ディベート同好会の顧問で日本代表のヘッドコーチも務めた河野周教諭は「個々の英語力や知識に加え、チームの協力が不可欠。今年の伸び率は歴代断トツだった」と話す。

 そして迎えた大会本番。「レベルは想像以上に高く、苦戦の連続だった」という石田さん。それでも力を合わせ、8戦5勝で予選を突破し、日本代表としては対面大会で初の決勝トーナメント進出を果たした。

 「政治家への定年制導入」を論題にパキスタンと戦った1回戦で惜敗したものの、石田さんは「本番は一番いい出来がでた。出し切ったけど、勝てる試合ではあったと思う」と振り返る。興味がない分野にも目を向け、肯定・否定のどちらの視点も持てることがディベートの魅力だという石田さん。「次はもっと上を」と話した。

障がい当事者がコンサート 21日 生活創造空間にし

 「うたごえでつないだ20年〜つたえたい!私たちのおもい〜」が9月21日(土)の午後2時から3時30分まで、生活創造空間にし=西区浜松町=の5階食堂で行われる。1時30分開場。

 歌を披露する「町田とびたつ会」は、東京都の町田公民館で行われている障がい者青年学級で活動していたメンバーが2004年に立ち上げた団体。当日は20人ほどが障がい当事者の心の声を詩に乗せて届ける。

 チケットは500円。購入は生活創造空間にしで。定員は先着30人。(問)【電話】045・250・6506

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「もしも手帳」の案内をするスタッフ

横浜市 「もしも」考えるきっかけに ほけんの窓口(株)と連携

 横浜市とほけんの窓口グループ株式会社(猪俣礼治代表取締役社長)はこのほど、「もしも」のときの治療やケアについて話し合うきっかけ作りのために市が作成している「もしも手帳」の普及啓発に向けた連携協定を締結した。協定を受け、同社は8月中旬から「ほけんの窓口」の市内直営10店舗(マルイシティ横浜店、横浜ジョイナス店など)で普及啓発活動を開始。接客時に手帳の配布と案内を行っている。

 生命保険や医療保険などへの加入を検討する時が「もしも」を考えるタイミングでもあるため、同社と連携することで、同社の主な顧客層である20代から50代への顧客層への啓発を強化するねらい。同社によると、手帳を受け取った子どもがいない60代の夫婦から、「ふだんきょうだいに話しづらい『もしも』のことをメッセージとして残せるのはありがたい」という声があったといい、「ライフプランのひとつとして、考えてもらうきっかけを広げていければ」と同社の担当者は話していた。

 手帳は各区役所高齢・障害支援課、地域ケアプラザ、市内薬局や病院などでも配布している。

植物を観察する福田さんと児童

中区間門小 複数植物育て生態系学ぶ ソニーの教育プログラム

 間門小学校=中区本牧間門=の5年3組は、総合の授業でシネコポータル作りを行っている。シネコポータルとは「小さな生態系」と言われる、数十種類の植物を同じ場所に植え、どう育つか仮説を立てながら多様な植物や生物が集まる場所を作ること。自然の豊かさや生態系の存在、生物多様性へ何ができるかを考えるきっかけになる。

 9月6日、生物多様性を研究するソニーコンピュータサイエンス研究所での成果の社会還元と普及のために設立された(一社)シネコカルチャーのナビゲーター・福田桂さんが同校で出張授業をした。児童が5月から育てるシネコポータルを共に観察。「この植物は何か」「植えてないものが育つ理由は」など質問が飛び交った。

 福田さんは地球の歴史や生物の進化にも触れ「生態系とは生き物がつながり合っている様子。植物が増えるとやってくる動物も増える。多様なものが一緒に住んでいるのは喜ばしいこと」と話した。児童は「虫や鳥、ウサギなどいろいろな動物が来るようになったらいいな」と今後の変化を楽しみにしていた。

 ソニーグループは、2022年から子どもたちの学びや好奇心をサポートする教育プログラムの一環でこの活動を展開する。全4回のワークショップを通し、仮説を立てて実験し、結果を元にまた仮説を立てるという学びのサイクルをつくる。担当者は「将来直面する、答えがない問題に対して自ら考え行動する1つのきっかけになれば嬉しい」と話した。

 シネコポータル作りは今年度、同校と青森県、長崎県の3校で実施。講座はオンラインでつなぎ、生育環境による違いや多様な植物が育つ条件を共に学んでいる。

田中さん(本人提供)

南区の18歳田中さん ダンサー夢見て渡米 「世界で活躍したい」

 南区中島町の田中柚茉(ゆま)さん(18)がダンサーとして世界で活動することを夢見て、ロサンゼルスでダンス留学プログラムを受けるため、9月16日に渡米した。3歳から教室に通い、「踊っているのが幸せ」という田中さんは、米国の大舞台での活躍を目標にしている。

 田中さんは母親の勧めで3歳からダンスを始めた。キッズダンス教室「H―kiDS Dance」では同年代の仲間とジャズヒップホップを踊り、小学3年生からはチームで各地のコンテストに参加。毎週のように各地で踊り続けた。2020年にはキッズダンスの最高峰とされる「オールジャパンスーパーキッズダンスコンテスト」で優勝し、日本一のダンスチームとなった。

ドリカムと同じ舞台に

 高校生になり、個人で踊る機会が増え、ドリームズ・カム・トゥルーのライブや若者に人気のKAMIYAさんのダンスビデオに出演。DefTeckのMicroさんのバックダンサーも務めた。プロと共演することで「世界で活躍したい」という思いが強くなった。米国最大のスポーツイベント、アメリカンフットボールのスーパーボウル」のハーフタイムショーでの歌手・ビヨンセさんらのパフォーマンスをSNSで見て、「ここで踊りたい」と目標を明確にした。

 高校を卒業した今春から、株式会社HDIが企画する「HDI COLLEGE 長期留学プログラム」に参加。多数のエントリー者の中から選考され、田中さんのこれまで積み重ねた実績が世界へ羽ばたく一歩となった。

 今後、語学と踊りを学ぶ。ジャズファンクと呼ばれる滑らかさとキレが必要な踊りが得意で「ダンスが好きな気持ちは誰にも負けない」と話し、夢への挑戦が始まった。

コラージュづくりの様子=西区提供

21日は「認知症の日」 各区で関連イベント

 今年1月、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行され、毎年9月を「認知症月間」、9月21日を「認知症の日」と定められた。誰でもかかる可能性がある認知症の関心と理解を深めるための関連イベントが各地で行われている。

 西区では9月10日、かながわオレンジ大使(認知症本人大使)の伊藤敬子さんと写真や絵、文字などの切り抜きを自由な発想で台紙に貼り作品にする「コラージュづくり」が行われた。南区の南図書館では30日まで、認知症に関連する書籍コーナーが設置されている。中区では24日に認知症サポーター養成講座が区役所で行われる。

 9月19日から21日には横浜マリンタワー、横浜ランドマークタワー、日産スタジアム、市庁舎が認知症のシンボルカラーであるオレンジ色にライトアップされる(マリンタワーは21日のみ)。

行政書士による無料相談会 9月26日、27日

 県行政書士会横浜中央支部(海原比呂志支部長)では相続・遺言や離婚、空き家対策などに支部に所属する行政書士が応じる無料相談会を毎月開催している。9月26日(木)には西区役所で(午後1時〜4時)三輪良介・木村直康が、27日(金)には中区役所で(午後1時〜4時)丸山理・宮出克巳が相談に応じる。問い合わせは同支部【電話】050・3803・8480へ(予約不可)。

9〜11月号の表紙

神奈川県 文化芸術の情報冊子を発行 特集は「かながわ県民文化祭」

 神奈川県は、県内の魅力的な文化芸術イベント情報をまとめた冊子、「イベントカレンダー」の9月〜11月号をこのほど発行した=写真。

 文化芸術の魅力で人を引きつけ、地域のにぎわいをつくり出すマグネット・カルチャー(マグカル)の取組みを推進している県が発行する冊子で、毎号、県内文化施設の公演や展示情報などがカレンダー形式で紹介されている。今号では、9月から県内各地で行われる「かながわ県民文化祭2024」を特集。県、各市町村で開催される主なプログラムを紹介している。また、アンケートに答えてチケットやカレンダーが当たるプレゼント企画も実施している。

 冊子はA4判で、オールカラー32ページ。県内各文化施設や一部の商業施設、自治体等で無料で受け取ることができる。

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災害への備えを学ぶブース

防災・交通安全 親子で学ぶ 西区とtvkハウジングプラザがコラボ

 防災イベント「西区BOW-祭フェア」が9月14日、tvkハウジングプラザ横浜で行われた。

 西区制80周年とtvkハウジングプラザ横浜の50周年を記念したコラボイベント。当日は親子連れをはじめとした多くの人でにぎわった。

 来場者は、震度7の体験ができる西消防署の起震車や横浜市都市整備局の地形ジオラマとタブレットを使った地震火災延焼シミュレーターなどで災害発生時の身の守り方を学んでいた。

 また、企業もブースを出店。東京ガス横浜中央エネルギー(株)は災害時にガスが止まった際の復旧方法の体験やポータブル蓄電池の紹介などを行った。無印良品Colette・Mareみなとみらいは同店で販売している備蓄品を紹介。「いつものもしも」をテーマに、ローリングストックなど自宅での備えの重要性を説明していた。

 消防車やパトカー、JFAのレッカー車など「はたらく車」のお披露目も。首都高速道路(株)は事故や車両故障、火災などが発生した際に車線規制やドライバーの誘導などを行うパトロールカーを展示した。普段近くで見ることがない車両を前に、子どもたちは目を輝かせていた。

登場人物を演じ分ける小俣さん

敬老の日に小学生が講談 南区の老人ホームで

 敬老の日の9月16日、南区吉野町の老人ホーム「サニーステージ横濱吉野町」で小学生が講談を披露した。

 挑んだのは小俣壱ノ心さん(11)。昨年、祖母の友人から講談の演目の本をプレゼントされ、夏休みの自由研究のテーマにした。それまで全く触れたことはなかったが、「実話をもとに昔の人が作った話をいかに面白く話すか」という魅力に惹かれた。学校で教諭に勧められ、昼休みやイベントの際に教卓の上に座布団を敷き、クラスメイトの前で披露することもあるという。

 今回の演目は「はらぺこ横綱」。江戸時代に実在した伝説の横綱、阿武松緑之助が一人前の相撲取りになるまでを語った。主人公の長吉や宿の主人、親方、女中さんなど、複数人いる登場人物に合わせて声色を変えながら約15分の話を披露した。

 「おじいちゃん、おばあちゃんの前では初めて。ゆっくり大きな声で話したい」と意気込んでいた小俣さん。堂々とした話しぶりに集まった入居者約50人からは盛大な拍手が送られた。出番を終え、「無事に終わって安心した。新しい演目を覚えたらまた披露したい」と話した。

 

イベントの告知ポスター

500人を無料招待 五輪メダリスト 卓球・石川佳純さん参加のイベントが横浜武道館で 11月4日、県協会が観覧者募集

 ロンドン、リオ、東京の五輪3大会連続でメダルを獲得した元卓球選手の石川佳純さんが参加する「石川佳純47都道府県サンクスツアー」が11月4日(月・振休)に横浜武道館=中区=で行われる。神奈川県卓球協会の設立100周年記念事業のメイン企画。

 「サンクスツアー」は石川さんが全国に卓球の楽しさを伝えるため、2022年から行っているもの。

恩師との対談や実技指導も

 イベントでは石川さんの記録映像の上映、同協会会長で石川さんの恩師でもある元日本代表監督・近藤欽司さんとの対談、観客とのクイズやゲームなどのトークショーのほか、石川さんが実技指導する卓球教室が行われる。

 石川さんは五輪3⼤会連続でメダルを獲得したほか、17年デュッセルドルフ世界卓球選手権で混合ダブルス⾦メダル、全⽇本卓球選⼿権優勝5回などの成績を残す。09年には、横浜アリーナで行われた世界卓球選手権で世界ランク99位だった石川さんが世界ランク10位の台湾選手を相手に大逆転勝利を収め、「世界デビュー」を果たしており、横浜は思い出の地の一つ。

 イベントの一般観覧者を募集中。定員は500人で観覧無料。応募受付は9月20日(金)から10月15日(火)までで、定員に達し次第終了。応募方法の詳細は同協会のサイト(https://ktta.jp)に9月20日から掲載される。問い合わせは同協会【電話】045・662・5061。

健康と平和を願う「孔雀舞」

横浜中華街でお月見 月餅食べ伝統芸能を鑑賞

 十五夜の満月を愛でながら秋の豊作を祝う節句「中秋節」のお月見鑑賞会が9月17日、横浜中華街の山下町公園で行われた。

 中国では、中秋節に家族で食卓を囲み、月餅を食べながら一家だんらんを楽しむ風習がある。開会に先立ち、横浜中華街発展会協同組合の進藤さわと理事長は「おめでたい日にはぜひ中華街に来て楽しんでもらえたら」とあいさつした。 

 来場者は月餅をほおばりながら、満月と中国の伝統芸能の舞踊や変面、演奏を楽しんでいた。

 横浜中華街では中秋節に合わせ、この時期限定の中秋月餅を販売している。各店舗で餡やナッツ類が入った甘いものから肉を使った食事になるものまで、中国の銘菓を味わえる。

 また、中華街の延平門から西門通りに入ったところにある屋外展示施設の「九龍陳列窓」では、中秋節をテーマにした展示を行っている。なぜ月餅を食べるのかやどんな種類があるかなどを知ることができる。

 中秋月餅の販売と中秋節の展示は9月30日(月)まで。

持参したマイボトルをセットしてコーヒーを購入する山中市長

マイボトル専用のコーヒーサーバーを横浜市庁舎内に設置 プラスチックごみ削減へ実証実験

 横浜市はプラスチックごみの削減やマイボトルの利用促進を目的に、市庁舎18階にボトル専用のコーヒーサーバーを設置した。9月17日から実証実験を約3カ月間行い、区役所などへの設置を検討していく。

 この取り組みは、自動販売機の設置などを手掛ける株式会社アペックスと味の素AGF株式会社から市に提案があって進められたもの。市職員のほか、市民が参加する会議が多く行われる会議室がある18階にマイボトル専用のコーヒーサーバーが設置された。アペックスによると、同社のマイボトル専用コーヒーサーバーは全国に約500台設置されているが、自治体の庁舎内に置くのは初めてだという。

 マイボトルやタンブラーをサーバーに置き、カバーを閉めた後にボタンを押してコーヒーや烏龍茶などの商品を選ぶ。ホットとアイスがあり、アイス用の製氷機がサーバーの隣に置かれている。コーヒーは一杯ずつドリップするタイプ。支払いは電子マネーやQRコードで行う。

 設置初日の17日午後には、山中竹春市長がマイボトルを持参して「来店」した。アイスコーヒーを飲んだ山中市長は「おいしい」と感想を語り、日頃コーヒーをよく飲んでいることから「(サーバーを)定期的に使いたい」としていた。

 市は温室効果ガス削減を目的に、プラスチックごみの分別ルール変更を10月から市内9区で先行して実施する。山中市長は「マイボトルから始まる環境にやさしい生活を市から広められるようにしたい」と述べた。

 サーバーは12月13日まで3カ月間設置され、利用頻度や使い勝手を調べていく。その上で、市は区役所や多くの市民が集まる施設への設置も検討していくという。

横浜駅西口周辺の公共スペース整備イメージ(相鉄HD提供)

相鉄、横浜駅西口を大規模再開発へ ムービル建て替えも 構想発表、2040年代の実現目指す

 相鉄ホールディングス(HD、横浜市西区)と相鉄アーバンクリエイツ(同区)は9月11日、横浜駅西口周辺を大規模に再開発する「横浜駅西口大改造構想」を発表した。2040年代の実現を目指し、市や地権者と連携を進めていく。

 横浜駅西口は相鉄が1952年に土地を取得し、開発を始めてから70年以上が経過。安全性や機能性の面からも再開発の必要性が高まっているとして、構想を定めた。

 構想では、20年代後半から映画館「相鉄ムービル」の建て替え工事に着手。相鉄ジョイナスと横浜高島屋が入る「新相鉄ビル」も建て替えを視野に検討する。横浜市が主導するまちづくり計画「エキサイトよこはま22」を踏まえ、官民一体となって公共空間も含めた再開発を進め、40年代の実現を目指す。

 11日の会見で相鉄HDの滝澤秀之社長は、再開発が進む新宿、渋谷、品川などの例を挙げながら「東京にはない、個性ある街づくりが求められている」とし、現在の横浜駅西口の魅力に「豊かさ」をプラスした「Well-Crossing」をコンセプトに掲げた。歩行者優先のウォーカブルな駅前空間、河川を利用した親水空間などのハード面の整備のほか、多様な人の交流やオフィス機能、居住機能などのソフト面でも、「現在の西口エリアに不足した魅力を盛り込んでいきたい」とした。

参加店に掲示されるポスターを手にする市商連の石川会長(中央)ら

横浜市商店街総連合会がPayPay使い広域プレミアム商品券 10月1日から販売

 一般社団法人横浜市商店街総連合会(石川清貴会長)は、キャッシュレス決済サービス「PayPay」を利用し、市内広域の商店で使えるプレミアム商品券を10月1日(火)から発行する。市内商店のデジタル化と、商品券発行のノウハウや資金のない小規模商店街の支援などが目的。

1200店舗以上が参加

 市内商店街のうち、9月上旬時点で80団体・1200店舗以上が参加予定。すでに今年度、市の補助金を活用して紙のプレミアム商品券を販売している商店街と、市商連未加盟の旭区、独自企画を行う保土ケ谷区、泉区の店舗は参加しない。

 プレミアム分は20%。1口1万円の購入で、1万2千円分の利用ができる。販売総数は2万5千口・3億円で、1人あたり3口まで購入可能だが、購入機会は1回のみ。横浜市民以外でも購入できる。来年1月15日まで使用できる。

 販売開始は10月1日の正午からで先着順。PayPayアプリ内での購入となり、本人確認が必要なため、市商連では事前の本人確認審査完了を呼び掛けている。

 石川会長は「(紙の商品券で多い)500円単位ではなく1円単位から使えるのでお得感を味わってほしい。ぜひ加盟店で買い物して頂き、物価高を乗り切って頂ければ」と話した。詳細は横浜市商連のサイト(http://www.yokohama-syoutengai.com/news/20240912-1/)で。

式典の様子

お三の宮日枝神社 例大祭 しめやかに始まる 15日には大みこしの巡行

 お三の宮日枝神社=南区山王町=の例大祭が9月13日に始まり、15日まで行われている。13日には角井瑞宮司や神職による式典奉仕が行われ、神社責任役員や各町の祭礼委員が参列した。

 14日と15日には神賑行事が行われる。色鮮やかな提灯と縁日でにぎわう境内では、お囃子や和太鼓が演奏され、氏子有志による踊りやカラオケが披露される。

 15日には横浜随一の大みこし「千貫みこし」が氏子町内を巡行する。午前9時に神社を出発し、南区と中区の氏子町内をまわる。

 

優勝旗贈呈の様子=提供写真

横浜寿ライオンズクラブ 野球大会で子ども応援

 南区にある奉仕団体「横浜寿ライオンズクラブ」(福井康朝会長)などが後援する少年野球大会「横浜寿ライオンズクラブ旗争奪 前期新人戦大会」の決勝戦が8月15日に保土ヶ谷硬式球場で行われた。 

 決勝では川和シャークス=都筑区=が師岡ベアーズ=港北区=を11対4で制し、27チームの頂点に立った。表彰式では横浜寿ライオンズクラブが優勝旗や賞状を選手に授与。福井会長は、「暑い中だったが素晴らしいプレーだった。子どもたちが大きな声で応援したり、挨拶したりする姿には感動しました」と健闘を讃えた。

 同大会は(一社)神奈川県少年野球交流会が市内を中心とした少年野球チーム間の交流などを目的に主催し、今年で45回目を迎える。

冊子を渡す局員

市内郵便局 防災・暮らしの情報発信 来局者に冊子配布

 横浜市内の郵便局は9月9日から、避難行動計画やハザードマップ、困ったときの連絡先などの情報が1つになった冊子「防災と暮らしの安心情報」を無料で配布している。

 配布は日本郵便(株)が「地域の人に役立つ情報を発信しよう」と2021年から始めた。災害時に備えた食品備蓄のポイントやチェックリストなどの共通の情報の他に、各区の特徴に合わせて内容を変えている。西区は高低差のある地形が広がっており、マンション世帯が多い。災害時に避難場所に行くのが困難な人も多数いると予測されることから、区から提供された在宅避難リーフレットが加えられた。

 西区の横浜ランドマークタワー郵便局の石田眞弓局長は「郵便局は地域の拠点。災害時に必要な情報を皆様に届けていきたい。ご家庭で防災について話し合うきっかけになれば」と話す。

 冊子は来局者を対象に、簡易郵便局を除く市内の郵便局で配布している。数には限りがあるため、窓口で確認を。

BARDUHN ドイツ デリカテッセンの無添加ソーセージ

横浜市内商店街9店舗が高島屋で自慢の品販売 9月25日から催事「LOVE YOKOHAMA」

 横浜市内商店街の9店舗が自慢の品を横浜高島屋=西区=で販売するイベント「LOVE YOKOHAMA」が9月25日(水)から30日(月)まで行われる。

 市経済局が商店街活性化や店舗の販路拡大に向けて出店を支援。横浜をモチーフにした商品を扱う9店舗が参加する。同店地下1階フーディーズポート2のイベントスクエアで午前10時から午後9時。

 参加店舗と主な販売商品は次の通り。▼25日〜30日▽BARDUHN ドイツ デリカテッセン(鶴見区・鶴見銀座商店街)…ドイツ人手作りの無添加ソーセージ▽カウアイハニー(神奈川区・反町駅前通り商店街)…クリスマスベリーハニー、他単花蜂蜜▽きじま 戸塚本陣(戸塚区・戸塚宿ほのぼの商和会)…銀だらの有機味噌漬け焼き弁当▼25日〜27日▽黒滝洋菓子店(保土ケ谷区・和田町商店街)…レーズンサンド▽とりあえず星川店(保土ケ谷区・星川商店会)…熊本あか牛重▽こまちカフェ(戸塚区・戸塚宿ほのぼの商和会)…こまちカフェのクッキー缶tamatebako▼28日〜30日▽メリハリベイク(保土ケ谷区・星川商店会)…バスクチーズケーキ▽とんかつ稲 仲町台駅前店(都筑区・仲町台商業振興会)…手延肉厚ヒレかつサンド▽からあげ専門店 鶏笑中田店(泉区・中田中央商店会)…骨なしムネ

ランチメニューの「牛モツ炒め」

町中華へGO!【7】 南区真金町「龍華」で出会ったハチノス 本紙記者がランチ紹介

 どの町にもある、古くから地元に愛される中華料理店。「町中華」が注目を集める中、地域を回るタウンニュース記者が中区、西区、南区にある中華料理店で食べるランチを紹介。さあ、町中華へGO!

 南区真金町にある「龍華」は横浜橋通商店街から関内方向に向かった場所のマンションや戸建てが並ぶ通りにある。テーブル席と座敷があり、家のような雰囲気だ。

 ランチメニュー(800円)は牛モツ炒め、酢豚、にら炒め、鶏肉野菜うま煮、チャーハンセットとバラエティ豊か。ランチでは比較的珍しい牛モツ炒めを注文。正面奥にあるテレビを見上げながら待っていると、テーブルに置かれたのは牛の胃である「ハチノス」。コリコリととした食べ応えが特長。思いがけないハチノスとの出会いに再訪を心に誓った。

■南区真金町1-11-3【電話】045-231-1471(メニュー、価格は取材時のものです)

地区連合町内会インタビューvol.9 私のまちの連合会長 第4地区南部連合町内会会長 小島智子さん

――地域の特徴と主な取り組みを教えてください。

 代々この地域に住んでいる方も新しく来られた方も、全員で協力してまちをつくっています。イベントなどは「本牧4南元気なまち運営委員会」が主催して行います。これは、各町内会やコミュニティハウス、PTAなど地域で活動している団体が一体となりまちを盛り上げていこうと結成されたもの。昨年8月の昔遊びと縁日には子どもから大人まで約550人が集まりました。他にもふれあいウォークや運動会など、いろいろなイベントを企画し、住民の方が地域との関わるきっかけをつくっています。

――抱える課題は。

 次の世代にどうつないでいくかでしょうか。そのためにも中高生や大学生が地域活動に参加するきっかけを作りたいです。ゆくゆくは引っ張っていってもらえたら。時代に合わせ、変えるべきところ、つなげていくべきところを見極めていかなければと思っています。会長として「ここで生まれ、育ってよかったと思える地域」を目指して活動していきたいですね。

「お倉」を演じる五大さん

横浜「注目の人」インタビュー 女優・五大路子さん「横浜は宝の宝庫、もっと掘り下げたい」 舞台生活50周年、横浜夢座25周年

 横浜市港北区出身の女優・五大路子さんが企画・主演を務める舞台「富貴楼(ふうきろう)お倉〜花のように、風のように、海のように〜横濱から日本を動かした女」が2024年9月13日から16日まで、KAAT神奈川芸術劇場=中区山下町=で上演される。五大さんが横浜から演劇を発信したいと立ち上げた「横浜夢座」の25周年、舞台生活50周年を記念した公演となる。今回の作品や横浜への思いを聞いた。(取材=2024年8月)

 ――これまで横浜の歴史の中ではスポットライトが当たることが少なかった「お倉」を演じようと思ったのはどうしてですか。

 「2009年の横浜開港150周年の時に記念事業の一環として大さん橋ホールで演じていました。横浜夢座の25周年、舞台生活50周年の節目に大きな場所でやってみたいと思ったからです」

まずはお墓参りから

 ――今回の公演へ向けて、どのように準備をしてきましたか。

 「まずは今から1年半前に、西区赤門町の東福寺にあるお倉のお墓参りから始めました。どの作品でも自分の足で舞台となるまちを歩いていて、今回もお倉がいたころの横浜駅、現在の桜木町駅周辺などを歩きました。そのころの横浜を想像しながら歩いてみると、開港当時の香りが残っていて、100年以上の歴史がパッと縮まる感じがします」

 ――お倉は1871(明治4)年に現在の相生町で料亭「富貴楼」を開き、伊藤博文や大隈重信といった要人が集まる場所として重要な役割を果たしていました。お倉はどのような存在だったのでしょうか。

 「困っている人がいれば助ける、身を挺してでも頑張るという人だったのではないでしょうか。自分が動き、この国を動かそうとしていました。当時、女性が物を言うのは命がけでしたので」

 ――今回の舞台ではどのようなところに注目してほしいですか。

 「開港し、世界に扉を開いた時、まちの人が何を思い、何を夢見てチャレンジしたのか。歴史を感じ、生きた人を感じ、当時の横浜にタイムスリップした気分で観てほしいです」

横浜から世界に演劇を発信

 ――舞台生活50周年を迎えます。演劇との出会いを教えて下さい。

 「神奈川区の神奈川学園中学の2年生の時に演劇部に入り、高校2年生の時、県立青少年センターで行われていた演劇講習会に参加したのが原点です。その時から『横浜から世界に演劇を発信したい』と夢を抱くようになりました」

 ――「横浜夢座」はどのような思いで作られたのでしょうか。

 「ある日、群馬県で行われた講演会に招かれ、町の人が作ったお芝居を見ました。それは地元の学校の先生が脚本を手掛け、出演者も全員町の人。主人公がタイムスリップするストーリーで、何百年も前から伝えられている踊りと太鼓を使った伝統芸能も加わったもので、エネルギーを感じました。横浜でこういうことができないかと考え、多くの方にアドバイスをいただきながら、『横浜夢座実行委員会』を作り、公募で市民の参加を募って、プロの役者と一緒に舞台に立ってもらうようにしました。そうして、1999年12月に旗揚げ公演『横濱行進曲』を上演しました。そこから2018年まで14回の公演を行ってきました。その後、コロナ禍で予定していた舞台の中止が続きましたが、やっぱり夢を持ち続けたいと考え、夢座が25年の節目を迎えるのに合わせ、『お倉』を上演することになりました」

横浜に「磁力」感じる

 ――ひとり芝居「横浜ローザ」で伊勢佐木町などに立ち続けた娼婦「メリーさん」を演じるなど、横浜の歴史を題材にした作品を多く手掛けていますが、五大さんにとって横浜はどんな場所でしょうか。

 「私は東京の大劇場での舞台も踏んできましたが、横浜にはいろいろなものを引き付ける『磁力』を感じます。これまで、生まれ育った港北区にあった篠原城や鶴見区の花月園、戸塚区のドリームランド、鎌倉時代に活躍し、旭区二俣川で最期を遂げた畠山重忠に関する作品も上演してきました。中区や西区だけが横浜ではありません。いろんな夢を持った人がいて、宝の宝庫、ワクワクするまちです。もっともっと横浜を掘り下げていきたいと思っています」

 ――50周年を迎え、これまでの活動を振り返り、節目となったのはどのような出来事でしょうか。

 「19歳の時、劇団の練習で行っていた空中回転で失敗し、頸椎を損傷する大けがを負いました。病院のベッドの上で『一生、体が動かなくなったらどうしよう』と思う中、そばに生けられていた一輪の花を見て『生きたい』と感じました。その後、25歳でNHK朝の連続テレビ小説『いちばん星』でヒロインを務め、環境が一変しました。この2つは大きな転機となりました」

「横浜ローザ」をエジンバラで

 ――今後の活動や目標について教えて下さい。

 「金太郎飴のように誰がやっても同じではなく、私の命、眼差しから演劇を発信したいと思っています。横浜で多くの方とつながることができました。つながった方と夢を共有し、横浜にある宝を世界に発信していきたいです。夢は仲間がいてこそ叶うもの。夢を見続けられることが幸せです。まだまだ夢の途中。いつか、『横浜ローザ』をイギリスのエジンバラ舞台芸術祭で上演する夢に向かって続けていきます」