小田原・箱根・湯河原・真鶴版【9月21日(土)号】
「小田原煮干し味噌らーめん」を紹介する加藤社長

加藤兵太郎商店 老舗味噌蔵がラーメン店 おしゃれ横丁に開店

 170年の歴史がある味噌蔵・加藤兵太郎商店(加藤篤社長)が初の直営店として味噌ラーメン店「麺屋 加藤兵太郎商店」を9月21日(土)、おしゃれ横丁内(小田原市栄町2の2の9)に開店する。地元飲食店と協力し、至極の一杯を作り上げた。

 加藤兵太郎商店は小田原の地で創業し、「いいちみそ」の名で木桶で熟成させる昔ながらの味噌づくりを続ける老舗。事業継続と拡大のため、昨年5月に小田原紙器工業株式会社の子会社となり、他の系列会社と共に大豆の生産から味噌づくりに取り組んでいる。

 加藤さんは、新たな事業を模索する中で地元飲食店の経営者らとの出会いから「味噌ラーメン」の開発を思い立った。「ラーメン店に味噌を提供することはあったが、自社で作る発想はなかった。味噌の製造元が直営でラーメン店を運営する事例も全国でもまれ。味噌屋の可能性を探りたい」と動き出した。

地元飲食店も開発協力

 地元のラーメン店「どすん」と和食店「魚菴」の監修を受けて、開発を進めてきた。いいちみその風味を最大限生かすために、試作を繰り返し、約半年かけて味噌の配合とだしを決めたという。完成したのは、アジを中心とした煮干しだしを使った「小田原煮干し味噌らーめん」と鶏だしの「兵太郎味噌らーめん」を主に、辛味噌とつけ麺の4種類。「特に味噌に合わせることは珍しい煮干しだしは風味豊かで、新しい味噌ラーメンの定番にしていきたい」と加藤社長。

 通販用の商品開発も進行中で、今後は麺に使用する小麦の生産も視野に入れる。「170年の歴史の中で、また新しい一歩が踏み出せた。みなさまに食べてほしい」と思いを語った。

県 都市計画素案を公表 小田原市 少年院跡地編入は見送り

 神奈川県によるまちづくりにおける今後の整備・開発方針などを示した「都市計画素案」がこのほど作成され、9月27日(金)まで小田原市役所や足柄下郡3町の町役場などで閲覧期間が設けられている。今後は公聴会での住民による公述機会や審議会、県と国による協議などを経て2025年度以降、新たな都市計画が決定される。

 小田原市は今回、道路整備や河川改修などによる軽微な変更や、市街化区域から市街化調整区域への編入などを県に申し出ている。

 その一方、市街地の計画的な再開発を要する「一号市街地」について、小田原駅西口周辺の一号市街地区域への編入を計画していた少年院跡地(市内扇町)周辺エリアの区分変更は見送られた。これは小田原市の事業見直しの中で、同跡地を活用した「ゼロカーボン・デジタルタウン創造事業」の計画中止を受けてのもの。

 県による都市計画の見直しは将来の人口予測のもと、都市計画区域の開発方針や市街化区域と市街化調整区域の区分、都市再開発や住宅市街地整備の方針が各自治体からの申し出を受けて進められる。「線引き見直し」とも呼ばれ、県は1970年から実施し、今回が第8回目の線引き見直しとなる。

 第8回線引き見直しの詳細や素案閲覧場所、各エリアで予定されている公聴会の日程などは神奈川県のホームページで公開されている。

子育て世代などが集う居場所づくりを行う「わってらか」代表を務める 五十嵐 敦子さん(本名:福田敦子) 小田原市南町在住 47歳

親子と地域の輪をつなぐ

 ○…親子や子どもが地域の人とつながる場所を作ろうと、母親ら5人が中心となり活動する団体「わってらか」。10月に小田原市南町にオープンするカフェ作りに向け、クラウドファンディングに挑戦するなど、気軽に集える拠り所づくりに奔走する。「ふらっと来て何気ないお喋りができるような、居場所の一つとして立ち寄ってもらえる場にしたい」。込めた思いを熱く語る。

 ○…宮城県生まれ。大学卒業後は都市開発に携わる会社で働きながら、大学院で建築工学を研究した。現場でまちづくりに取り組みたいと、事業型NPOに所属した経験も。住民と直に交流していくうちに見えてきたのは、世代を問わず孤立する人の姿。「関係をつなげられるような場所があれば」、自身の経験が活動の原点だ。

 ○…結婚後は都内で子育てに励んだが、知らない土地、知り合いがいない環境で「心細くて孤独だった」。コロナ禍の4年前、家族で小田原に移住。周りの移住者も過去の自分と同じ悩みを抱えていた。幼稚園のママ友らと活動を開始し、月に4回ほど教会や寺院、ゲストハウスを間借りして「親子の遊び場」を開催、世代を越えた交流の輪を生んできた。活動を進めて生まれた地域や人との温かい縁に、「人に恵まれてできる活動なので、支えられています」と感謝の気持ちを示した。人と人の縁をつなぎ、輪を広げていく。

 ○…小田原への移住は歴史好きな夫の提案。まちの印象を聞くと、「最初から面白いまちづくりができそうだなと思った。実際に住んでみて分かる魅力もたくさんある」。気分転換はチェロ、音楽好きが高じて30歳ごろに思い切って購入した。「細々と練習していきたい」と照れ笑いで話した。

笑顔で接客にあたる鈴木さん(上)と大久保さん

ラスカスター 小田原店、2人が受賞 大会通じて接客技術向上

 駅ビル・ラスカ(株式会社JR横浜湘南シティクリエイト)がこのほど、接客技術を審査するロールプレイング大会「ラスカスター2024」をラスカ平塚で開催した。茅ヶ崎、平塚、小田原、熱海の4店から30人が出場した今大会。小田原店からは文明堂の鈴木妙子さんが準大賞、ファンケルの大久保千裕さんが優秀賞に選ばれ、それぞれ関東甲信越大会の出場を決めた。

 過去3年分のDVDを見返して大会に臨んだという鈴木さん。「結果を出している人は何が良かったのかを見直した。大会ではエンターテインメント性や親しみやすさを意識して、文明堂のCMの歌を接客に取り入れてみた。それが良かったのかもしれない」と振り返った。

 審査後のフィードバックが勉強になったという大久保さん。化粧品の特徴や使い方について「自分にとっては当たり前のことだけど、お客様はそうじゃない。もっと分かりやすく伝えられる」と気付いた。「悩みを持って訪れるお客様に対して、いかに明るい未来を見せてあげられるかを大事にしたい」と話した。

クリニック併設 安心の住まい 21日・22日 試食付き見学会

 住宅型有料老人ホーム「ウィズリビングへいあんやはぎ」(小田原市矢作5の1)が9月21日(土)と22日(日)の2日間、試食付き見学会を開催する。事前予約制、各日午前10時〜午後3時。

 見学会では湘南ナンバーワンを獲得したシェフ監修の料理も試食可能。モデルルームを用意し、安心と安全に配慮した充実の設備やサービスを公開する。入居や介護の相談にも応じている。「ご来場の際は、マスク着用と手指の消毒にご協力を」と担当者。

 申し込み・詳細は【電話】0465・45・0382(担当/小林・藤原)

電動車椅子で小田原城址公園本丸広場に移動した神保さん

電動車椅子でお城楽しんで 観光交流C レンタル開始

 小田原市観光交流センターが9月10日、電動車椅子のレンタルを開始した。徒歩の移動に不安がある人にも、小田原城址公園などの散策を楽しんでもらおうという狙い。

 初日に利用した神保育雄さん(市内新屋・77)は、同センターと本丸広場を往復。途中の段差や砂利道、坂道も走り、「普段は杖を使っているがこれなら楽。操作も楽しい」と笑顔で話した。

 利用は電話で事前予約(【電話】0465・46・8403)。対象は原則障害者手帳がある人、60歳以上(運転免許不要)。料金2時間1千円(障害者手帳持参で500円)。貸出時間は午前9時30分〜午後4時30分。

 電動車椅子は近距離モビリティを展開するWHILL(株)(東京都)の製品で、(一社)かながわ西観光コンベンションビューロー代表理事古川達高氏が2台寄贈した。

クラファンサイト

南町に「まちの居場所」を わってらかがクラファン

 小田原市南町に、親子と地域の人が出会える「まちの居場所」をつくろうと「わってらか」(五十嵐敦子代表=人物風土記で紹介)がクラウドファンディングに挑戦している。

 歴史資料館「十字町ヒストリア」があった場所を改修して進められている「カフェわってらか」は、遊び場や雑貨販売、カフェ、情報コーナーなどを設置し、世代を超えた地域交流の場として活用していく。

 クラウドファンディングは9月30日(月)までで、コーヒーチケットなどのリターンを用意している。

バラエティー豊かなおでん種、梅みそを付けて食べる「小田原おでん」を楽しめる

小田原おでん祭り開催 10月5・6日、二の丸広場

 「第22回小田原おでん祭り」が10月5日(土)と6日(日)の2日間、小田原城址公園二の丸広場で開催される。午前10時〜午後4時。入場無料。

 雨天開催。荒天中止の場合はフェイスブック「小田原おでん会」で案内。問い合わせは同祭り実行委員会【電話】080・6500・1750。

乗用車に体を乗り上げたスタントマン

自転車事故再現で注意喚起 千代中で交通安全教室

 小田原市立千代中学校で9月11日、1年生185人を対象にスケアードストレイト方式による自転車の交通安全教室が行われた。

 同校は神奈川県の交通安全教育推進運動「スタートかながわ」のモデル校に今年度選ばれたことから、この取り組みを実施した。

 スケアードストレイト方式はスタントマンが交通事故を再現し、恐怖を実感することで安全意識を高める手法。当日は、「見通しの悪い交差点での事故」「トラックの死角による事故」など、自転車走行時に起こりうる事故などが再現された。

 見通しの悪い交差点で自転車と車が接触するシーンでは、生徒2人が車の後部座席に乗車し、その衝撃を体験。生徒は「怖かった」「飛び出てくるまで見えなかった」と感想を述べた。

 同校は市内で唯一、自転車通学が認められている学校で、今回の教室でマナー違反となる自転車の乗り方も紹介され、生徒たちは交通ルールの重要性を再認識していた。

 中村栄江校長は「ルール違反や不注意が取り返しのつかない交通事故を招くことを理解し、交通ルールを守る意味を考える機会になりました。子ども達には自分の命も他人の命も大切にして、生活をしてほしい」と話した。

自転車が関係する交通事故が約2割

 小田原警察署管内で1月から8月末に起きた交通事故の内、自転車が関係した事故は約20%を占めている。同署によると、右左折時と出会い頭の衝突事故が起こりやすく、学生の交通事故が多い時間帯は午前7時から9時と午後5時だという。

 事故防止について「事故にあった小中学生の50%以上がヘルメットを着用していましたが、高校生は着用率が低いです。ヘルメット着用が命を守ることにつながります」と話す。

インタビューに応じる永野署長

「自分の身は自分で守る意識を」 永野進署長インタビュー

 県西1市3町を管轄する小田原警察署によると8月末現在、管内での特殊詐欺認知件数は23件、被害金額は約3650万円にのぼる(暫定値)。また、交通事故は382件発生している(同)。生活を脅かす犯罪や交通事故を防ぐために必要な対策について永野進署長に話を聞いた。

――今年の特殊詐欺の被害状況を教えてください。

 「今年の1月から8月末までの特殊詐欺の被害金額は、前年同期から約50万円増加、認知件数も4件増えています」

――管内ではどのような特徴がありますか?

 「息子や孫などをかたり、お金をだまし取る『オレオレ詐欺』が全体の5割を占めています。また、自治体の職員をかたり、医療費や税金還付などに必要な手続きを装って被害者にATMを操作させて不法に利益を得る『還付金詐欺』は2件と昨年の10件から減少しています。しかし、手口が日々、変化しているため、いつ増加してもおかしくない状況です。

――最近の犯罪の特徴は?

「特殊詐欺のほかに、SNSを悪用した投資詐欺、ロマンス詐欺にも注意が必要です。1件当たりの被害額が大きくなる場合が多いのが特徴で、管内では投資詐欺で2億4000万円をだまし取られた被害も出ています」

――被害を防ぐための取り組みは?

 「昨年から管内のコンビニに担当の警察官を割り当て、定期的に店舗を訪れるなどして防犯の強化に取り組んでいます。金融機関やコンビニの店員さんが積極的に声掛けをして頂いているため、昨年の約3倍となる41件の被害を未然に阻止できました。詐欺被害にあうほとんどの人が手口を知っているけどだまされたという人です。だまされるかもしれないという気持ちを持つことが被害防止につながります」

交通事故の約4割高齢者が関係

――管内での今年の交通事故発生状況は?

 「8月末現在で382件が発生、前年同期より43件減少していますが、高齢者が関係する事故の割合がおよそ46・1%。県内平均 (33・6%)と比べても高くなっています。事故が多い場所は国道1号線と135号線、255号線の交差点で多発しています」

――交通事故を防ぐために心掛けることは。

 「これからの時期は日没が早く見えづらくなるので、事故が起きやすくなります。ドライバーは車のライトを日没の1時間前の時間帯から点灯するように心掛けてほしいです」

――読者へのメッセージをお願いします。

 「特殊詐欺や交通事故だけでなく、管内の特徴として自然災害があります。この3つの共通することは、いつ起こるかわからないということです。自分の身は自分で守るという意識を持っていただきたいです」

特殊詐欺 件数・被害額ともに増加 SNS詐欺にも要注意

 全国的に被害が後を絶たない「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」などに代表される特殊詐欺。小田原警察署管内の認知件数は、今年8月末までで23件、被害額は約3650万円と、昨年と比較してともに増加傾向にある(暫定値)。

 同署によると、最多は「オレオレ詐欺」の13件で、身内になりすまし緊急事態を装い金銭をだまし取るのが目的だ。被害者は60代〜80代が大半を占めている。同署は「手口を知っていても被害に遭う事例もある。『自分はだまされない』と思わないことが大事」と注意喚起する。

 被害防止の第一歩は、犯人からの電話に出ないこと。「常時、留守番電話に設定や迷惑電話防止機能付きの電話機の設置が有効」と話す。また、自宅に現金を置かないことも防止策。「強盗事件につながる事例もある。安易に現金を置かないで」と呼び掛けた。

 またSNS上で投資を持ちかけたり、恋愛感情を抱かせて金銭をだまし取る詐欺も多発。同署では「手口は日々変化している。知らない相手の話に乗らないように」と注意を指摘した。

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子どもから大人までが学べる(写真は昨年)

SDGsを体感しよう 28日にハルネでイベント

 SDGsに触れ、次のアクションへとつなげるイベント「おだわらSDGsデイ2024」が9月28日(土)、小田原地下街ハルネ小田原・うめまる広場で開催される。

 主催はおだわらSDGs実行委員会(原正樹会長)。国連サミットでSDGsが採択された9月25日に合わせ、毎年企画されている。

 当日はおだわらSDGsパートナーによる「体感ブース」のほか、放課後児童クラブの子どもたちが黒板壁紙の端材を活用して描いたアート「わたしたちのだいすきなまち小田原と大切にしよう小田原の自然」が披露される。また高校生や短大生、福祉施設の利用者によるライブチョークアート制作やFMおだわらで放送中の番組「おだわらSDGsユースレイディオ」の公開収録もある。

 入場無料で午前10時30分〜午後3時30分。詳細は二次元コードから。

 問い合わせは、同実行委員会事務局(小田原市政策調整課・おだわらイノベーションラボ内)【電話】080・4429・6253

志村理事長(左)と滝本理事長代理

報徳食品支援センター 報徳更生寮に食料品寄付

 県西地域で活動するフードバンク「NPO法人報徳食品支援センター」(本岡俊郎理事長)が9月5日、更生保護法人報徳更生寮に食料品を寄付した。

 同支援センターの会員と報徳更生寮の志村宗男理事長が大学の柔道部で先輩後輩の関係にあり、OB会で再会したのが寄付のきっかけ。今回が2回と目となる。

 当日は滝本一男理事長代理らが同更生寮を訪問。食品メーカーから提供されたカップヌードルやレトルトのビーフカレー、お菓子、甘酒などを手渡した。

 志村理事長は「物価の上昇が続く中で、たくさんの食料品の寄付を頂きありがたい。寮生も喜んでいます」と話した。

インバウンドの集客、接客 10月18日 無料セミナー

 訪日外国人旅行者の接客方法などを学ぶ「インバウンドセミナー」(主催/日本政策金融公庫小田原支店)が10月18日(金)、おだわら市民交流センターUMECOで開かれる。午後2時(受付1時30分)〜4時。参加費無料で定員30人。対象は飲食業やサービス業など、訪日外国人旅行者の集客に関心がある人。

 飲食店インバウンド専門家の内木美樹氏((株)華ひらく代表取締役)が講演。資金をかけずに集客する方法、英語が話せなくても接客する方法などを学ぶことができる。

 申し込みは同金庫【電話】0465・23・3175。10月11日(金)締切。

400人超で一斉清掃 さがみ信金恒例 地域活動

 小田原市の酒匂川河口で9月7日早朝、さがみ信用金庫が「酒匂海岸クリーン活動」を実施した=写真。

 この活動は同信金が創立70周年を迎えた1995年から行われており、今回が26回目。当日は遠藤康弘理事長や職員とその家族、OB組織、関係者ら400人以上が参加。和気あいあいとした雰囲気で汗を流した。

 遠藤理事長は「私たちの方針である地域貢献の一環として長く続く行事。協力団体、企業の方々とこれからも続けていきたい」と話した。この日は可燃ごみ130kg、瓶や缶、ペットボトル75kgを含む約240kgのごみが回収された。

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