藤沢版【10月18日(金)号】
輪になって長後音頭を練習する民踊協会長後地区のメンバー

長後音頭、令和によみがえる ふるさとまつりであす披露

 1935年に誕生し、地域に親しまれていたものの、人々の記憶から忘れ去られてしまった「長後音頭」があす19日(土)、「長後地区ふるさとまつり」で復活する。長後歴史散策の会が発見した資料をもとに、藤沢市民踊協会長後地区の面々が振り付けを再現する。

 事の発端となったのは昨夏、郷土資料が多数収められている羽根澤屋資料館から見つかった1本のテープ。同館を運営する歴史散策の会のメンバーが2階を整理していたところ、偶然発見した。添え書きや資料から、長後地区に製糸工場が立ち並んでいた時代、当時の商工会が町おこし目的で作成した曲だということが分かった。

 昨年の同まつりで長後音頭を流していた同会のブースを通りがかったのが、民踊サークルの藤沢市民踊協会長後地区で指導にあたる岩田すみ江さん(82)=人物風土記で紹介=とメンバーだった。同会が踊りの再現を依頼したところ、岩田さんは「絵図(文章と写真で振り付けを表したもの)があるなら」と快諾。長後音頭復活への道筋が開けた。

 早速絵図の読み解きに取り掛かった岩田さんだったが、失われた踊りの再現は一筋縄ではいかなかった。曲の序盤、絵図に示された動きと実際の音が噛み合わず、再現に難航。分かりづらい部分はオリジナルの振りを付けることで、ようやく再現版を完成させた。

 今年7月ごろからサークルメンバーと練習を始めると、今度は慣れない曲調に苦しめられた。「ゆっくりしたテンポなので、皆でタイミングをそろえるのが大変」。何度も繰り返し練習を重ね、体に覚えこませた。

 戦時下にレコードに収められ、令和に発見され、踊り手につながるという偶然が重なり叶った今回の復活劇。「ただ披露するだけではまた失われてしまう」と岩田さん。「地域で盆踊りなどに使われながら浸透すれば」と、この先に思いを馳せる。よみがえった伝統がどう受け継がれていくのか注目だ。

 ふるさとまつりについては長後公民館【電話】0466・46・7373。

パレード開始を告げる湘南台高校ファンファーレ(昨年)

市北部最大の祭典26、27日に 市民手作り「湘南台ファンタジア」

 藤沢市北部地域最大のイベント「湘南台ファンタジア」が今年も10月26日(土)、27日(日)の2日間、湘南台駅周辺を会場に開催される。実行委員会会長の酒井一二さんは「地域あげて盛り上げていきたい。ぜひご来場を」と呼び掛ける。

 同イベントは、9月に行われる藤沢市民まつりの一環として、1999年から始まった。実行委は市民と地元事業者が中心。企画から運営まで市民手作りの祭典として親しまれ、昨年は16万人が訪れたという。

 駅西口、東口の道路を使って繰り広げられる名物のパレードは今年も健在。27日、セレモニーの後、11時40分からスタートし、名門として全国に名を轟かせる湘南台高校吹奏楽部の「WhiteShooting Stars」をはじめ、地元の様々な団体や、世界最高峰の軍楽隊として知られる米国海軍第七艦隊音楽隊らおよそ13組が華やかな演技で練り歩く。

 原谷公園と湘南台公園で両日行われるステージでは、湘南台中学校の吹奏楽部や市消防音楽隊、キッズダンスチームなど50を超える団体が登場。パレードに続いて米第七艦隊音楽隊もジャズの生演奏を披露する。

 そのほか、駅地下では、乗り入れている鉄道3社の子ども向け駅長コスプレ撮影会(26日)や、ダンスワークショップ(27日)などが繰り広げられ、人気のフードマーケットや犬猫の譲渡会、フリーマーケットなど多彩な企画が用意されている。

 イベント詳細は公式ホームページで。

「長後音頭」を再現した藤沢市民踊協会長後地区の指導を担当する 岩田 すみ江さん(芸名:岩藤寿美江) 用田在住 82歳

踊り一筋、楽しくやりたい

 ○…藤沢市民踊協会長後地区で民踊を教えている。19日には「長後ふるさとまつり」で自身が振り付けを再現した「長後音頭」を披露。協会では御所見地区も指導し、新日本舞踊「岩藤流」の家元、岩藤寿美江としても市内各地の弟子とともに年数回の発表を続けている。舞踊漬けの毎日だが、「その地域で発表を待っていてくれる人がいるのがうれしい」と疲れは一切感じさせない。

 ○…幼い頃から踊ることが大好き。近所で盆踊りがあると聞けば、あちこちに顔を出した。新日本舞踊との出合いは45歳の時。たまたま訪れた公民館で、一門の練習を扉の隙間から覗いていたところ、「あなた、入ってらっしゃいよ」と誘われた。仲間に入るとすっかり夢中になった。10年ほどした頃、「誰でも気軽に楽しめる場を作りたい」との思いから独立。岩藤流を起こし、民踊協会と掛け持ちしながら、仲間たちと「今を大事に」をモットーに躍り続けてきた。

 ○…長年にわたる活動の中で大きな糧となったのは夫の支え。2人連れ立って他の公演を見に行く機会も多く、「あの人の目も肥えた」と笑う。「頑張るなら応援する」と、練習の送迎だけでなく、発表の度に欠かさず駆けつけ声援を送ってくれた。その熱心な姿に弟子たちは「旦那さんは先生の一番のファンよね」と口にするほどだ。

 ○…踊り好きな仲間たちと集う時間も、やりがいの一つ。民踊の会での熱海旅行中、駅前の足湯で休憩していると、大道芸人が現れた。パフォーマンスの音楽に合わせて何の気なしに踊り始めると、周りに人だかりができた。「あんなこと初めて。とても楽しかった」と目を細める。気の置けない仲間たちとともに、長後音頭復活の晴れ舞台を待ちわびる。

熱いプレーで会場を沸かす選手(提供)

湘南ユナイテッドBC 高校生まで観戦無料

 プロバスケットボールB3リーグの「湘南ユナイテッドBC」が10月25日(金)午後7時からと26日(土)2時から、バスケファンの間では親しみ深い秋葉台文化体育館で徳島ガンバロウズ戦を行う。ホームとして活動する藤沢、茅ヶ崎、寒川の2市1町に住む高校生まで、無料で観られる。

 観戦希望者は、学生証または身分証明書を会場で提示。小学生以下は、保護者同伴。大学生以上はチケットが必要。

 チケット購入や詳細は湘南ユナイテッドBC公式ホームページから。

 問い合わせは【電話】0466・23・6001。

夜空を彩る花火(過去/提供)

夜空に咲け大輪の花火

 「ふじさわ江の島花火大会」があす19日(土)、片瀬海岸西浜で開かれる。市や市観光協会などでつくる実行委員会の主催。

 4号玉を含む約1800発の花火が打ち上げられる。打上時間は午後6時から30分間。雨天・荒天中止。問い合わせは藤沢市観光センター【電話】0466・22・4141。

湘南ビジネスコンテスト 最終プレゼン11月7日に

 「第25回 湘南ビジネスコンテスト」の最終審査が11月7日(木)、藤沢商工会館で行われる。起業や新事業立ち上げの支援を進める(公財)湘南産業振興財団(増田隆之理事長)と湘南新産業創出コンソーシアムの主催。

 藤沢・茅ヶ崎・寒川2市1町の創業者らを対象に、ビジネスプランを競う。大賞には50万円の賞金が贈られる。

 書類審査を経て、ファイナリストに残ったのは6組。事業内容は、再生プラスチックによるアップサイクル製品の開発・製造や地域情報プラットフォームを活用した魅力発信、障害者の能力を見える化できるツールの運用、港の利活用を促進するボートシェアリングサービス、医療・介護現場の従業員体験(EX)向上、AI人材と在宅ワークを組み合わせた育児・介護女性のキャリア支援などとなっている。

 午後1時30分から。来場のほか、インターネット上で視聴もできる。申し込みは「湘南産業振興財団」のホームページから。10月29日(火)締切。

漁師だった祖父の思いを受け継いだ大漁旗を軽トラックに取り付けて、新鮮な魚の移動販売を行う石川さん

平安丸・石川さん "買い物難民"に鮮魚お届け

 「片瀬魚店 平安丸」代表の石川達郎さん(43)が今月から始めたサービスが、地元の常連客に支持されている。移動販売車に市場直送の鮮魚を積み、市内各地で販売。「たくさんの人に旬の味を届けたい」と夢を膨らませる。

 軽トラックにたなびく大漁旗。新潟県の漁師だった石川さんの祖父のものだ。「じいちゃんの取る魚はうまかった。後は継がなかったが、思いは受け継ぎたかった」と市内移住後に魚屋で働いた。

 その経験を生かし"買い物難民"を救うために独立した。遠出できない高齢者が住み、スーパーから離れたエリアを選定。協力店の前に車を止め、買い物客を待つ。現在自身が住む片瀬山や片瀬海岸など6カ所を回る。商品棚には横浜の市場で仕入れた生きの良いマグロやカマス、アジのほか、カツオのつみれやサンマの酢の物などもそろう。

 10日には、江ノ島電鉄湘南海岸公園駅近くにある「炭焼き ミンナミ食堂」前に出店。慣れた手つきで発泡スチロールの板に値段を書き込んでいるうち、珍し気な表情の人が集まりだした。戦後まもなく発足したという片瀬中央商交会の金子皓会長(84)は「昔は豆腐屋なんかも売りに来ていたが、高齢化が進み、だいぶ店も減った。にぎわいが生まれて助かる」と笑顔。石川さんは「もっと流行らせて、机や椅子を置いて交流の場にできれば」と展望を語った。

湘南台小で授業支援 地域の市民が先生に

 湘南台小学校で先月から、ミシンを使った家庭科授業を地域の市民が支援している=写真。湘南台地区学校応援団が中心となり、手芸サークルなどのメンバーがボランティアとして児童に手ほどきを行うことで、スムーズな授業の進行につながっている。

 「縫い始めの糸をこっちに向けると良いよ」。11日に行われた5年生の家庭科授業では、ボランティア2人が児童にミシンの使い方を指導した。

 授業では2人1組でミシンを使うが、クラスで十数台あるため、教員1人では指導が行き届かないこともあるという。そこで、同団が湘南台公民館で活動する刺繍やパッチワークのサークルなどに声をかけたところ、15人程がボランティアに手をあげた。この日参加したボランティアの吉岡宏子さんは「子どもたちはとても素直で楽しい。やりがいもあって良いですね」と笑顔をみせる。同校の天野和美校長は「授業で手が足りないこともあるので、とても助かっています」と感謝を口にする。今年5月に有志30人ほどで発足した同団。今夏のプールの授業でも、移動する児童の見守りなども行った。

今田囃子を披露する子どもたち(提供)

市北部2保存会で練習法模索 文化継承の今 伝統の囃子、次代へ

 藤沢の各地区に存在する「お囃子」は、季節の祭りには欠かせないものだ。今月13日に湘南台公民館で開催された「湘南台まつり」では晴天の下、約3時間かけて今田地区の「今田囃子」と七ツ木地区の「七ツ木囃子」が披露された。子どもたちに今田囃子を教える「今田鯖神社囃子保存会」の松岡直美さんは「大切な文化を守っていくための工夫もある」と話す。

 「鎌倉」「昇殿」「お囃子」の3つの曲目が現在に伝わる今田囃子を継承する保存会は、未就学児から80代の奏者まで約20人で構成されている。今田鯖神社の例大祭や正月祭り、今田自治会の夏祭りで披露。普段は月に1、2回ほど稽古に励む。かつては夜に行われていたが、近年では保護者への配慮もあり、昼の練習も増えたという。松岡さんは「鯖神社の社務所だけでなく、今田遊水地の管理棟で稽古できる」と教えてくれた。

 今田囃子の起源は、江戸時代以前にさかのぼるとされる。地域社会の希薄化などにより、戦後に一度衰退したものの、1975年頃に当時の地域住民らが活動を再開。明治・大正生まれの住民や隣接する飯田地区(現横浜市泉区)に住む人々に習いに行くなどして復活した。

 松岡さんが今田に移住し、子どもたちと保存会に入ったのは今から15年ほど前。当時は主に、先輩の演奏を直接見て聞いて覚えていたという。「民謡は楽譜を作ることが難しい。今の子どもに覚えやすくするために、どうしたらいいか」を考えた若手により、動画撮影や録音といった現代の技術を稽古に取り入れ、覚えやすい教え方を模索した。「お囃子を継承していきたいという気持ちがベテランの人にも評価され、いい環境が作れている」と実感する。

 600年の歴史を持つといわれる七ツ木囃子でも同様に、若い世代への継承を目指している。奏者の一人である岸田信次郎さん(73)は「指導する際にも、強く言いすぎないことなどを心掛けている。次の世代につながるサイクルを作れれば」と語った。

一日署長として敬礼する児童ら

藤沢北署 「詐欺防ぐきっかけに」  啓発イベントに児童ら参加

 神奈川県の「安全・安心まちづくり旬間」にあわせて藤沢北警察署(仲戸川博幸署長)が11日、「藤沢北安全・安心まちづくり防犯ポスター」の表彰式と防犯啓発イベントを開催した。

 毎年10月11日から20日までの同旬間では、県内各地で防犯活動活性化や防犯意識向上の取り組みが行われる。

 同署では、今回初めてポスターを募集した。管内の市立小学校17校の児童が夏休みに特殊詐欺や闇バイトの防止を啓発するポスターを制作し、寄せられた74作品から12作品が入賞。同署で表彰を受けた。表彰式で仲戸川署長は「子どもの目線で犯罪防止を啓発するために企画した。快く参加していただき感謝している」と述べ、「特殊詐欺の件数は残念ながら増加傾向にある。ポスターを見て気をつけようという思いが広がってほしい」とした。入賞者の一人で大庭小学校5年の日置怜菜さんは、スマートフォンを中心に据えた構図で注意を呼び掛けた。日置さんは「電話での詐欺を防ぐきっかけになってくれたら」と話した。

 湘南台駅地下でのイベントでは入賞者のうち、5人が「1日署長」として参加。警官の制服を着た児童らが防犯を呼び掛けるチラシやグッズなどを駅利用者に手渡した。

 応募作品は、12月31日(火)まで管内の市民センターや湘南台駅地下自由通路などに掲出される。

「ブルーハンズプロジェクト」の発起人で「藍左師」として活動する守谷さん(提供)

桔梗屋×ブルーハンズプロジェクト 歴史的建築物で藍染め

 旧東海道藤沢宿に残る歴史的建築物「旧桔梗屋」(藤沢1の1の9)であす19日(土)、藍染め体験イベントが開かれる。

 旧桔梗屋は江戸時代の嘉永年間(1848〜55年)頃から、茶や紙の問屋を代々営んでいた旧家。現存する3つの建築物はいずれも、かつての藤沢宿の面影を伝える貴重な存在として評価され、2013年に国登録有形文化財(建造物)に登録された。20年には藤沢市に帰属し、公民連携による保存活用を目指した活動を行っている。

 今回のイベントは、日本古来の藍染めを使い、衣類のリユースやシティプロモーションにつなげる取り組み「ブルーハンズプロジェクト」の発起人で、「藍左師」として活動する守谷玲太さんとのコラボレーション企画。藍染めを通じて日本文化を学ぶとともに、建物内外を見学することにより、古き日本建築の魅力を感じてもらう狙いだ。

 時間は午前10時から午後4時。地元高校生と守谷さんによるオープニングイベントあり。Tシャツや手ぬぐいなど染めたい布を持参。1点500円(1人2点まで)。予約不要。荒天中止。

 詳細は市街なみ景観課【電話】0466・25・1111(内線4261)。

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いけばなライブも 池坊鳳秀流が華道展

 創流60周年を迎えた池坊鳳秀流の「THE いけばな展 彩IRODORI」が10月19日(土)と20日(日)、湘南モールフィル2階コミュニティーホールで開かれる。藤沢市・市教育委員会ほか後援。

 江島神社の例大祭などに作品を献花している長田華鳳二世家元をはじめ会員の作品を発表する。午前11時から午後7時(20日は5時終了)。19日午後1時から約30分間、いけばなのライブパフォーマンスも披露される。観覧無料。

 「日本の伝統文化の代表格ともいえる華道の灯をより一層大きくしていくことは私ども華道家の使命と考えています」と同家元は話す。

健康長寿の秘訣は「体を動かすこと」という勝俣夫妻。江の島ボウリングセンターで=10日

勝俣將義さん・越子さん夫妻 ふたりで投げて20年 “横綱級”ご長寿ボウラーに

 ボウリングを楽しみ、習慣にしている高齢者を力士の番付に例え、年齢別に紹介する「長寿ボウラー番付」。江の島ボウリングセンター(片瀬海岸)で練習する勝俣將義(まさよし)さん(89)・越子さん (84)夫妻が、年齢の合計で登録される夫婦編で昨年に続き2度目の横綱入りを果たした。

 70歳と65歳で家業の工場を畳んだ後、夫婦そろって始めたボウリング。きっかけは、当時小学生だった孫だった。ボウリング場に出掛け、一緒に遊んでいるうちに夢中に。いつしか練習を重ねるようになった。

 近所の練習場に通っていたが閉業したため、今では自宅のある横浜市泉区から電車に揺られて約1時間、片瀬海岸まで足を運ぶ。場所を変え、20年にわたって投げ続けてきた理由は「ボウリングが好きだから」と至ってシンプル。「最近あまり調子が出ない」とこぼす越子さんだが、最高スコアは257。投球のコツは「投げ切ること」と、13ポンドのマイボールを手に笑う。將義さんのお気に入りはリーグ戦。「皆さん兄弟のように集まる時間が楽しい」とうれしそうだ。

 夫婦共に生きがいとも呼べるボウリングだが、その楽しさは競技以外にもあるよう。週に1度の練習と一緒に企画される生徒同士のランチ会もモチベーションの向上につながっている。「和気あいあいと、いろいろなことを話せる」と顔をほころばせる。

 2人合わせて173歳。これまで大病を患ったこともなく、普段病院にかかることもほとんどないという丈夫な体を誇る。健康長寿の秘訣は「とにかく体を動かすこと」と言い切る。

 何歳からでも始められる有酸素運動として親しまれているボウリング。人生の後輩たちに向けて「皆さんも悩まず、とにかくやってみたらいい。体に良いし、投げるだけでも楽しい」と競技の魅力を伝えた。

藤沢市指定重要文化財「小栗満重坐像」=上写真=と「小栗判官絵巻」(巻七上前半)

遊行寺宝物館 「藤沢のおぐり」に焦点 開山700年記念し特別展

 遊行寺開山700年を記念した特別展「藤沢のおぐり」が、同寺境内にある遊行寺宝物館で始まった。小栗判官伝説と藤沢のゆかりに焦点を当て、藤沢市指定重要文化財に昨秋登録された「小栗満重坐像」のほか、初公開を含む108件151点を厳選して公開している。12月16日(月)まで。

 江戸時代から歌舞伎や浄瑠璃で庶民に親しまれた小栗判官伝説のモデルとなった満重は、室町前期から中期にかけて常陸国(現在の茨城県)真壁郡小栗を支配した武将。県内をはじめ、関東近郊で史実にちなんだ伝説が複数残されている。

 伝説は、妻・照手姫の実家である横山家に殺された満重がよみがえり、復讐するストーリー。同寺との関わりが深く、東海道道中案内記で藤沢宿といえば「小栗判官・照手姫伝説」が紹介されるなど有名になった。

 同寺境内の長生院は、照手姫が中興したとされるかつての山内寺院。中庭には満重や照手姫、愛馬である鬼鹿毛の墓と伝わる石造物群がある。

 同展で特に貴重な作品が、江戸初期の絵師・岩佐又兵衛が描いた古浄瑠璃絵巻群の一つ「小栗判官絵巻」(皇居三の丸尚蔵館収蔵)。全長約324mにわたる超大作で、主人公の満重と照手姫との恋愛物語を色鮮やかに、躍動感あふれる展開により表現。修復には、上皇后美智子さまが育てられた蚕の糸が用いられている。会期中4回の巻き直しを施し、巻七上と巻十一下の各前半・後半を全て観覧できる。

 同館の遠山元浩館長は「史実と伝承に照らし合わせた小栗にまつわる展示の中で、これだけの作品が集まるのは稀。ぜひお楽しみ下さい」と来館を呼び掛けている。

 開館は金・土・日・月・祝日の午前10時から午後4時30分。入館料は高校生以上800円、中学生以下400円。問い合わせは同館【電話】0466・22・2063。

第50回記念で行われたジュニアエキシビション

海難救助の技競う 西浜で全日本選手権

 海水浴場の安全を守るライフセーバーたちが救助技術を競う「第50回全日本ライフセービング選手権大会」が12日から14日にかけて、片瀬西浜海岸で開催された。

 同大会には、予選会を勝ち抜いた全国各地のチームのほか、海外からも4カ国が参加。62チーム600人以上がエントリーした。

 競技は、サーフレースやボードレース、ボードレスキューなど22種目が行われた。

 各種目の上位入賞者に与えられる得点の合計で競われ、「西浜サーフライフセービングクラブ」が181点で1位を獲得した。

 同海岸に拠点を置く同クラブ。2位に80点以上の大差をつけて実力を発揮した。同クラブのスポーツ推進委員会理事の片平悠理亜メリッサさんは「若手選手の活躍とベテラン選手の頑張りが上手くかみ合って、良い結果が出せた」と話す。

 今年は第50回の節目を記念して、エキシビションとしてジュニアのニッパーボードレースやビーチフラッグスも行われ、少年少女ライフセーバーが大人に負けない激しいレースを繰り広げた。

 また、会場では水辺の事故ゼロと海辺の美しさと環境を考えるイベント「ふじさわLIFE FEST」も開催され、さまざまなブースで盛り上がった。

六会中学校陸上競技部リレーチームの6人と八木さん、鈴木市長(右)、岩本教育長(左)

六会中陸上部など表彰 全国大会で優勝

 8月に福井県などで開催された全国中学校体育大会で優勝した栄誉を称え、藤沢市は10日、六会中学校陸上競技部男子4×100mリレーチームと明治中学校2年の八木陽夏さんに「生涯学習特別貢献表彰」を行った。市役所で表彰式があり、鈴木恒夫市長が賞状と記念品を手渡した。

 表彰を受けたリレーチームのメンバーは、浅岡湊さん、新井伶さん、小川銀司さん、加藤瑠李(るい)さん、瀬口充軌さん、冨松慶貴さんの6人(いずれも3年)。同チームは県代表として臨んだ全国大会の決勝レースで42秒73をマークし、第1位に輝いた。

 キャプテンを務めた瀬口さんは「チームをサポートし、中学生最後の部活動をこの6人で過ごすことができてうれしい」と話し、第1走者を任された浅岡さんは「別々の高校に行ってもまたそれぞれの目標に向かって進んでいきたい」と抱負を語った。

 水泳競技の女子50m自由形に出場した八木さんは、予選を7位で通過。決勝では予選タイムを0・54秒上回る26秒17で全国の頂点に立った。普段は市内のスイミングクラブで練習に励んでいる。「決勝進出が決まり、コーチと『メダルを取れたらいいね』と話していた。1位の結果を見た瞬間はとてもうれしかった」と振り返った。

 鈴木市長は「スポーツで市民を元気にしていただき、感謝。これからも大きく飛躍してほしい」と中学生らを激励した。

「よいしょ」と女子2人組

転がせ!巨大カボチャ 大船フラセンで31日まで

 「ハロウィーン」に合わせ、県立大船フラワーセンター(鎌倉市岡本1018)では「おばけカボチャ」を展示中だ。

 巨大なカボチャは茨城県常陸大宮産で、約160個がごろり。70kgを超えるものもあり、14日には、カメラ撮影や仮装して楽しむ家族連れなどでにぎわっていた。

 10月31日(木)まで。期間中は、子ども向けにお菓子のプレゼントもある。また26日(土)は午後8時30分、27日(日)は8時まで閉園時間を延長し、園内がライトアップされる。

 問い合わせは同センター【電話】0467・46・2188。

江の島を彩るキャンドル(写真提供)

秋夜彩る「キャンドルナイト」 江の島で10月20日から

 約1万本のキャンドルが江の島を彩る「湘南キャンドル」が今年も10月20日(日)から11月4日(月)にかけて開催される。ほのかな明かりが集い、16日間だけの幻想的な世界を演出する。時間は平日午後5時から8時(最終入場7時30分)、土日祝は午後5時から9時(同8時30分)。入場料は大人500円、子ども250円。雨天・荒天中止。

 2003年に始まり、今年で21回目。会場は江の島サムエルコッキング苑と江の島シーキャンドルなど。期間中は同苑内の「UMIYAMA GALLERY」で昨年使ったキャンドルをアップサイクルするワークショップを毎日開催。世界に一つだけのオリジナルキャンドルを作る。

 江の島シーキャンドル「THE SUNSET TERRACE」では、10月20日(日)、26日(土)、27日(日)、11月2日(土)、3日(日)、4日(月)にフォトグラファー市川紀元氏のスライドショーを開催。午後5時30分と6時30分。

 江島神社では、特別企画として11月2日(土)にバリ舞踊、3日(日)にFILM BRASS演奏、4日(月)に生田流箏曲が披露される。詳しくは湘南藤沢活性化コンソーシアム(江ノ島電鉄内)【電話】0466・25・3525。
講師の佐藤知正さん

記念講演 ロボットの過去と未来

 「ロボットのこれまでの50年 そしてロボットがいる未来」と題した記念講演が11月3日(日)、角若松ビル(藤沢559)6階セミナールームで行われる。時間は午前11時40分から午後0時40分まで。参加無料。

 講師を務めるのは、東京大学名誉教授の佐藤知正さん。1973年に東大産業機械工学科を卒業後、電総研や東大先端研などで半世紀以上にわたり、知能ロボット研究開発とロボット社会実装活動に従事した産業用ロボット界の権威。現在はロボット分野のアドバイザーとして、後進育成にも力を入れている。

 定員45人で先着順。ロボット知識の有無を問わず、興味のある人なら誰でも参加できる。

 希望者は(公財)湘南産業振興財団ホームページ内にある専用フォーム、または【電話】0466・21・3811【FAX】0466・24・4500【メール】conso@cityfujisawa.ne.jpから申し込む。

 問い合わせは同財団の田中さん。

イベントのポスター

海辺のイベント満載 10月27日に湘南海岸公園まつり

 秋の海岸で多彩なイベントを楽しむ「第15回湘南海岸公園まつり」が10月27日(日)、県立湘南海岸公園サーフビレッジ周辺で行われる。午前10時から午後3時。

 「海と風と緑の文化祭」として、当日は空高くジャンプする人気のバンジートランポリン(1回3百円)や、ふれあい動物園(ポニー乗馬百円)をはじめ、ビーチテニスやビーチバレー等のビーチスポーツ、フラダンス、凧作り(無料・先着50人)など体験イベントが充実。

 ライフセービング活動紹介や海浜植物のパネル展示・苗と種の販売、ハロウィンスタンプラリー(先着400人)、鵠沼海岸の郷土資料のパネル展示などもあり、家族で楽しめる。

 イベントの詳細は湘南なぎさパーク【電話】0466・34・9912。

市長動向 鈴木恒夫藤沢市長

10月7日)▽座間市佐藤弥斗市長▽決算特別委員会▽藤沢市みらい創造財団宮治正志理事長▽中山副市長

10月8日▽湘南地域連合・湘南地域労働者福祉協議会から政策制度要求書の受領▽市議会本会議▽川崎副市長▽市民ギャラリー

10月9日▽休暇

10月10日▽政策会議▽市政運営の総合指針改定委員会▽川崎副市長▽中山副市長▽生涯学習特別貢献表彰式

10月11日▽マスターズオープンサーフィン選手権大会▽藤沢市高齢者スポーツ大会▽藤沢北警察署管内安全・安心まちづくり旬間出陣式・市内一斉防犯パトロール出発式▽神奈川県観光協会望月淳会長ら▽藤沢警察署管内安全・安心まちづくり旬間出陣式・市内一斉防犯パトロール出発式▽国民スポーツ大会ゲートボール競技南関東地域代表チーム夢湘南表敬訪問