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藤沢 人物風土記

公開日:2024.10.18

「長後音頭」を再現した藤沢市民踊協会長後地区の指導を担当する
岩田 すみ江さん(芸名:岩藤寿美江)
用田在住 82歳

踊り一筋、楽しくやりたい

 ○…藤沢市民踊協会長後地区で民踊を教えている。19日には「長後ふるさとまつり」で自身が振り付けを再現した「長後音頭」を披露。協会では御所見地区も指導し、新日本舞踊「岩藤流」の家元、岩藤寿美江としても市内各地の弟子とともに年数回の発表を続けている。舞踊漬けの毎日だが、「その地域で発表を待っていてくれる人がいるのがうれしい」と疲れは一切感じさせない。

 ○…幼い頃から踊ることが大好き。近所で盆踊りがあると聞けば、あちこちに顔を出した。新日本舞踊との出合いは45歳の時。たまたま訪れた公民館で、一門の練習を扉の隙間から覗いていたところ、「あなた、入ってらっしゃいよ」と誘われた。仲間に入るとすっかり夢中になった。10年ほどした頃、「誰でも気軽に楽しめる場を作りたい」との思いから独立。岩藤流を起こし、民踊協会と掛け持ちしながら、仲間たちと「今を大事に」をモットーに躍り続けてきた。

 ○…長年にわたる活動の中で大きな糧となったのは夫の支え。2人連れ立って他の公演を見に行く機会も多く、「あの人の目も肥えた」と笑う。「頑張るなら応援する」と、練習の送迎だけでなく、発表の度に欠かさず駆けつけ声援を送ってくれた。その熱心な姿に弟子たちは「旦那さんは先生の一番のファンよね」と口にするほどだ。

 ○…踊り好きな仲間たちと集う時間も、やりがいの一つ。民踊の会での熱海旅行中、駅前の足湯で休憩していると、大道芸人が現れた。パフォーマンスの音楽に合わせて何の気なしに踊り始めると、周りに人だかりができた。「あんなこと初めて。とても楽しかった」と目を細める。気の置けない仲間たちとともに、長後音頭復活の晴れ舞台を待ちわびる。

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