「片瀬魚店 平安丸」代表の石川達郎さん(43)が今月から始めたサービスが、地元の常連客に支持されている。移動販売車に市場直送の鮮魚を積み、市内各地で販売。「たくさんの人に旬の味を届けたい」と夢を膨らませる。
軽トラックにたなびく大漁旗。新潟県の漁師だった石川さんの祖父のものだ。「じいちゃんの取る魚はうまかった。後は継がなかったが、思いは受け継ぎたかった」と市内移住後に魚屋で働いた。
その経験を生かし”買い物難民”を救うために独立した。遠出できない高齢者が住み、スーパーから離れたエリアを選定。協力店の前に車を止め、買い物客を待つ。現在自身が住む片瀬山や片瀬海岸など6カ所を回る。商品棚には横浜の市場で仕入れた生きの良いマグロやカマス、アジのほか、カツオのつみれやサンマの酢の物などもそろう。
10日には、江ノ島電鉄湘南海岸公園駅近くにある「炭焼き ミンナミ食堂」前に出店。慣れた手つきで発泡スチロールの板に値段を書き込んでいるうち、珍し気な表情の人が集まりだした。戦後まもなく発足したという片瀬中央商交会の金子皓会長(84)は「昔は豆腐屋なんかも売りに来ていたが、高齢化が進み、だいぶ店も減った。にぎわいが生まれて助かる」と笑顔。石川さんは「もっと流行らせて、机や椅子を置いて交流の場にできれば」と展望を語った。
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