多摩区・麻生区版【11月1日(金)号】
支援者と万歳をして喜ぶ笠氏(中央)=10月27日、午後8時過ぎ

衆院選神奈川9区 立民・笠氏が8選 他候補引き離し議席守る

 第50回衆議院議員選挙は10月27日、投開票された。前職2人と新人2人の計4人で1議席を争った神奈川9区(多摩区、麻生区)は、立憲民主党で前職の笠浩史氏(59)が9万3878票を獲得し、8回目の当選を果たした。自民党・前職の中山展宏氏(56)、日本維新の会で新人の吉田大成氏(54)、日本共産党で新人の赤石博子氏(63)は及ばなかった。

 午後7時45分頃、登戸の事務所で支援者の前に姿を現した笠氏は、「皆さんと一緒に時を待ちたい」と席に着いてテレビ画面を注視した。8時の開票速報からすぐに当選確実が報じられると、事務所内は大きな歓声と拍手に包まれた。

 支援者の前に立った笠氏は、今回の衆院選について、「この12年間、自民党の一強体制が続く中で、政治とカネを巡る問題、裏金づくりなどが重なり、国民の政治不信が極まっている状況で行われた」と思いを述べた。続けて、「それだけに、立憲民主党の責任は極めて重いという自覚を持って戦った。今までと違って与野党が伯仲する緊張感のある政治を、国民の力で作り出すという、政治が大きく変わる大事な選挙戦になった」と振り返った。加えて、党国会対策委員長という立場で全国各地の候補者の応援に駆け付ける間、地元での活動を支えた地方議員、後援会や事務所関係者らに対し、感謝の言葉を伝えた。

「緊張感を持って」

 今後に向けて笠氏は、「これからが本当に私たちの真価が問われる。皆さんの今の政治に対する不信、不満を受け止め、信頼を取り戻していくことができるかどうか、我々にかかっている。私も大きな勢力の国会対応の責任者を務めていくこと、その先頭に立っていくことを、今日の勝利からしっかりと胸に刻んで、より緊張感を持って次の国会に臨みたい」と引き締まった表情で抱負を述べた。

自民・中山氏は落選比例復活も叶わず

 前回、比例で復活当選した自民党の中山展宏氏だったが、今回は笠氏に約4万票の差をつけられ敗戦。重複で立候補した比例代表でも及ばず、議席を失った。

 登戸の事務所で午後8時頃から支援者らと共に開票結果を伝えるテレビを険しい表情で見つめていた中山氏。笠氏の当選確実が報じられると、支援者の前に立ち、感謝の言葉に続けて、厳しい結果について「私の不徳の致すところ」と肩を落とした。政治とカネに関わる問題が大きな争点となり、自民党に逆風が吹く中で選挙戦に臨み、「激励もいただいたが、ご批判もいただいた」と厳しい表情を見せた。地元を回り、支援を呼びかけた戦いを振り返り、「皆さまからのそのような意見が政治の最前線。地元の皆さまからご意見を伺えたことが何よりも幸せだった」と語り、「今回の結果を真摯に受け止め、前向きに歩いていきたい」と思いを述べた。

 日本維新の会の吉田大成氏、日本共産党の赤石博子氏は共に及ばなかった。吉田氏は「現役世代の負担軽減など、若い人たちをサポートしていく訴えは響いたと感じられた」と選挙戦について振り返り、「今後も自分のできる範囲での政治活動、社会を変えていくことを続けていきたい」と語った。

 赤石氏は「社会保障の拡充や早急な賃上げの政策など有権者の反応に手応えを感じた一方、男女の賃金格差などジェンダー平等の訴えを幅広く伝えきれなかった部分もある」と話し、「直接人と会って対話を重ね、政策のオリジナリティーを高めていきたい」と話した。

 今回の衆院選は従来の「多摩区、麻生区、宮前区の一部(神木本町1〜5丁目)」から、「多摩区、麻生区」の新区割りとなって初めて実施された。9区全体の小選挙区の投票率は57・98%。前回2021年10月31日の衆院選旧9区の投票率に比べて、1・49ポイント減少した。多摩区は55・83%、麻生区は60・66%だった。

瓶を片手に「乾杯」と声を上げる清末さん(前列左から3番目)、安藤支部長(同4番目)、生産者ら

多摩川梨の魅力 ビールに 生産者と醸造所が協働

 地元の果樹生産者が育てた多摩川梨を使った瓶ビールが11月7日、数量限定で発売される。醸造は「稲田堤麦酒醸造所」が担う。名産品である梨の存在を広く発信するねらい。

 「地場のビールを造りたい」。JA菅支店が、地元果樹生産者と同醸造所から相談を受けたのが2年前。そこから、ビールをきっかけに多摩川梨を知ってほしいと話が進み、同支店と醸造所、果樹生産者で構成されるJAセレサ川崎果樹部菅支部(安藤聡支部長)の3者が一体となり、プロジェクトが始動した。

 味は劣らないものの、形が悪い規格外品の梨を使用してできたのがクラフトビール「PEAR PEAR PEAR」。試作、グラスでの販売と段階を踏み、今回ボトルで販売することになった。

 250リットルの醸造量に対して150kgの梨を使用し、ふわっとした香りが特徴的。同醸造所の清末彰胤さんは「梨を少しでも無駄にしないよう、手作業で一つ一つ皮むきをした」と振り返る。

 10月24日には同支店でお披露目会を実施。口にした生産者は「ほんのり梨の甘みを感じる」などと称賛した。清末さんは「地元の産品を使うのはブルワリーの使命」と笑顔を見せた。

 同醸造所は、仕込みの際に出てくるビール粕を肥料として生産者に提供。地域で循環する仕組みを整えている。清末さんは「1回の仕込みで80kgと大量なので廃棄にもお金がかかる。双方の利益になれば」と語る。

 ボトル販売は11月7日(木)午前9時30分からセレサモス麻生店、宮前店で行われる。各店10本ずつの限定販売だ。JAの担当者は「梨は取れる時期が限られており大量生産は難しい。より多くの生産者に協力してもらうなど、方法を模索していきたい」と展望を語った。(問)セレサ川崎農協販売対策部販売課【電話】044・877・2220

フットゴルフのシニア日本代表としてアジアカップの団体戦で優勝に貢献した 岡 洋之さん 麻生区上麻生在住 51歳

あくなき挑戦と楽しむ心

 ○…日本代表メンバーとして出場したフットゴルフのアジアカップ男子シニア団体戦で優勝に貢献。重要な局面で出番を迎えた決勝戦では、「想定通りにゲームを進められた」と安定したプレーで勝利を掴んだ。「勝った瞬間、めちゃくちゃうれしかった。チャンピオンとしての景色を見ることができて良かった」と達成感をにじませる。

 ○…6年ほど前、けがをした息子のリハビリにと赴いたのがフットゴルフ。小中高とサッカーに打ち込み、ボールを蹴ることにはある程度自信はあったが、やってみると難しい。「サッカーとは違う面白さがある」と各地の大会に参加するように。ある時、「シニアは競技人口が少なく日本代表になるチャンスがある」と聞き心がときめいた。家族の声援を背に競技に打ち込み、大会で上位に名を連ね、昨年米国で開かれたW杯で念願の代表に。「この歳で日の丸を背負って世界と戦うなんて夢にも思わなかった。重みと喜びを感じる」と誇らしげに語る。

 ○…麻生区には20年ほど前に転居。平日はIT関連の企業に勤め、週末は地元少年サッカーチーム「真福寺FC」でコーチとして小学生を教える。「強くなることや勝つことも必要かも知れないが、この年代にはサッカーが楽しくなる、好きになることのほうが大切」。指導歴12年目を迎える今も、子どもの可能性をより引き出すため、試行錯誤の日々は続く。

 ○…3・11以降「目の前にあることは当たり前ではない」と強く思う。「できる環境に感謝し、機会があれば挑戦し楽しむ」。そのチャレンジ精神が遅咲きの日本代表を誕生させ、今や競技の普及を担う立場に。「フットゴルフは接触プレーもなく道具もボールだけ。もっと知ってもらいたい」と目を輝かせる。

田んぼアートで「祝100th」 JAセレサ川崎と農家が企画

 麻生区岡上の田んぼで、川崎市制100周年を祝う「田んぼアート」が9月末から10月にかけて披露された。色合いの異なる2種類の稲穂が実り、浮かび上がった文字は『祝川崎市100th byJA』。JAセレサ川崎が企画し市民らに贈られたこのメッセージに、現地で鑑賞した人から称賛と感嘆の声が聞かれた。

 10月12日の収穫日は約130人の親子らが参加。JA職員から稲の刈り方や束ね方、天日で稲を乾燥させる「はさ掛け」などの説明を受け、稲刈りを体験した。親子で参加した柿生在住の多田隼人さん(39)は「息子が自然や昆虫に興味があり稲刈りも体験させたくて」と話し、鎌を手に作業した悠人さん(7)は「コツが掴めてきた」と笑顔を見せた。母娘3世代で参加した地元在住の今岡さんは「昔は登下校の時、田んぼの移り変わりで季節を感じたり農家の人に感謝をしていた。我が子にもお米を食べるだけでなく、農作業にもふれてほしかった」と思いを込めた。

 岡上で初めて田んぼアートが行われたのは2011年。東日本大震災で、日本中に深い悲しみと絆の輪が広がる中、田んぼの所有者・山田邦夫さん(71)が、被災地を元気づけようとJAセレサ川崎に田んぼアートを提案。JA側も共感し、「ガンバレ 日本」という文字を、県奨励米の「はるみ」と黒い稲穂が特徴の古代米「緑米」を使って表現した。

佐藤区長(左)に要望書を渡す西尾会長(中央)と手塚達雄副会長

生田町連 多摩区へ2項目要望 道路拡張など

 生田地区町会連合会(西尾信会長)は10月16日、地区内の意見をまとめた要望書を佐藤直樹多摩区長に提出した。

 住みやすいまちづくりを推進しようと、同連合会は毎年、単一の町内会や自治会だけでは解決できない問題について要望を集約して伝えている。

 今年度は【1】小田急線向ヶ丘遊園4号踏切の改良及び踏切上側(セブンイレブン側)の道路改良 【2】生田歩道橋下交差点付近の道路拡張――の2項目。【1】は2019年度にも要望があったが、住民数の増加などを踏まえ、踏切の拡幅など円滑な通行を促すことを再度要望することとなった。【2】は新規内容で、道路が狭く車の往来に支障がある状況が長年続いているとして、改善を求めた。

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麻生区文化協会 日頃の成果 市民館で 文化祭 6日まで

 麻生区文化協会が主催する第40回「麻生区文化祭」が麻生市民館で行われている。

 11月1日(金)から6日(水)は美術工芸展。絵画や書、写真などの作品が市民ギャラリーなどに並ぶ。3日(日)は午後1時から大会議室で吟詠大会、4時30分からホールで洋舞の発表会が行われる。

(問)佐藤勝昭さん【携帯電話】090・6185・4724

現事務所の前に立つ池田センター長

片平地域包括支援センター 五月台駅前に移転 11月11日に開所

 麻生区白鳥にある「片平地域包括支援センター」が11月11日(月)、小田急多摩線五月台駅前に移転する。

 地域包括支援センターは、地域の高齢者を支えるための公的相談窓口。川崎市から委託を受けた事業者が運営し、麻生区、多摩区内には各7カ所が開設されている。

 同センターは現在、坂道のカーブの途中に位置しており、利用者からは「場所が分かりづらい」「車で入るのが難しい」と環境改善を求める声が寄せられていた。事務所が手狭になっていることも踏まえ、新事務所への移転が決まった。

 移転先は五月台駅から徒歩3分のマンション「ミリア五月台ANNEX」(五力田3の18の6)の1階。これまでと同じく、金井原苑の母体である社会福祉法人一廣会が運営する。

 約2倍の面積となり、事務所スペースに加えて相談ができるイベントスペースも設置予定だ。多世代交流サロンや健康増進の講話などの開催も企画する。池田稔センター長は「気軽に立ち寄れる憩いの場にしたい。『駅前包括』を進めていければ」と意気込む。(問)【電話】044・986・4986

㊨アジア杯に参加した日本代表メンバー。岡さんは後列右から3人目㊧決勝でボールを蹴る岡さん=写真提供:一般社団法人日本フットゴルフ協会

麻生区在住・岡洋之さん フットゴルフでアジアV 男子シニア団体戦

 麻生区上麻生在住の岡洋之さん(51)=人物風土記で紹介=が、9月24日から27日までマレーシアで開かれた「フットゴルフアジアカップ2024」に、男子シニア日本代表メンバーとして出場し、国別対抗の団体戦で初優勝に貢献した。

 フットゴルフは、サッカーとゴルフを融合させたスポーツ。通常のゴルフコースの半分程度の距離をラウンドし、自分の足をクラブ代わりにしてサッカーボールを蹴り、カップに入れるまでの回数を競う。2009年にオランダでルール化されて欧米を中心に普及し、日本では14年に本格的に導入された。

 6年ほど前にフットゴルフを初めて体験した岡さんは、幼少の頃から励んだサッカーとプレーに共通する部分もあって、競技にのめり込んだ。徐々にスコアを伸ばし、46歳以上のシニアカテゴリーで日本代表に選ばれるまでになった。

 コロナ禍の影響で5年ぶり4回目の開催となったアジア杯は、個人戦と団体戦が行われた。

 今回から創設されたシニア団体戦では日本、マレーシア、中国、台湾が総当たりで予選を戦い、日本は2勝1敗で2位通過を決めた。決勝は予選で苦杯をなめたマレーシアとの再戦。「チームの勝利のため、自分にやれることをやり切ろう」と臨んだ岡さんは、堅実なプレーでチームに初優勝をもたらした。「うれしかった。アジアチャンピオンという景色が見られた」と岡さんは勝利の瞬間を振り返った。

麻生区 地域で防災講座 職員が出張

 麻生区危機管理担当が地域に出張する出前講座の枠組みを活用した防災教育研修がこのほど、麻生区多摩美の小泉悦子さん宅を会場に行われた。

 区役所の水田啓介さんが災害時の初動対応や家庭備蓄の重要性、携帯トイレの使い方などを解説=写真。集まった約20人の近隣住民が熱心に耳を傾けた。質疑応答や意見交換なども行われた。

約20ブースが出店 川崎市緑化センター

 多摩区の川崎市緑化センターで11月10日(日)、「緑化センターまつり」が開催される。午前10時から午後3時。荒天中止(小雨決行)。地域交流と、植物に親しんでもらうきっかけを作ろうと、毎年開催している。

 約20のブースが出店する。飲食の販売のほか、ゲームコーナーなど盛りだくさんの内容だ。担当者は「子どもから大人まで楽しめるので、気軽に足を運んで」と呼びかける。(問)同センター【電話】044・911・2177

㊤中日から3位指名を受け笑顔で記念撮影㊦野球部員に胴上げされる森選手

桐光学園森駿太選手 中日から3位で指名 プロ野球ドラフト会議

 プロ野球ドラフト会議が10月24日に都内で開かれ、桐光学園高校(麻生区栗木)の森駿太選手(17)が中日ドラゴンズから3位で指名された。

 同校視聴覚室に設けられた会見場ではスクリーンに会議の様子が映し出され、本人は別室で野球部の野呂雅之監督や父母と共に様子を見守った。会議が始まり、約1時間半が経過した午後6時15分頃。中日の3位指名が読み上げられると会見場に森選手が姿を現した。

 会場に集まった報道陣や野球部員、学校関係者らの前で森選手は「このような(上位の)順位で選んでいただきとても光栄に思う」とあいさつ。「自分の夢であり憧れであったプロ野球選手。夢を夢で終わらせないためにも、これからも目標を高く設定し、現状に満足せず、プロの世界でより高い位置を目指せるよう日々取り組んでいく」と意気込みを語った。中日の印象を聞かれると「地元に根づいた球団」と答え、「結果を出し続け、長く応援される選手になりたい」と話した。

 高校3年間は、自宅のある横浜市青葉区から自転車で通学した。「毎朝、柿生駅まで出て、川沿い(片平川)を走ったことが、(麻生区での)一番の思い出」と振り返った。吉報を共に待った母親の美幸さんは、「本人が決めてプロ志望届を出したことで息子の成長は目に見えていたので、指名されてもされなくても、どんな道であろうと楽しみでしかなかった。でも、今になってこの先のことを考えると、ようやく緊張してきた」と笑顔を見せた。

 森選手は父・敦士さんの影響で小学1年の時に地元青葉区のチーム・桜台ジュニアで野球を始め、中学時代は横浜緑ボーイズに所属。188cm、91kgの体格を生かした長打力が持ち味で、高校通算48本塁打の大型内野手として注目を浴びた。右投左打。

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展示された神輿に親しむ兄弟

琴平神社 秋祭り活況

 琴平神社(麻生区)恒例の秋祭りが10月14日に開催され、例大祭のほか地元団体によるパフォーマンスなどが行われた。

 今回は通りに面した駐車場で初開催。盛り上がりに引き寄せられ、立ち寄る人の姿も見られた。志村幸男宮司は「コロナ前に戻ったようなにぎわい。地域の方の発展や能登半島の復興を祈っている」と思いを語った。

チャレンジパーク早野 まちの魅力を満喫 11月9日にイベント

 東急(株)が運営する「ネクサスチャレンジパーク早野」で11月9日(土)、イベント「ハロー ネイバーズ!」が開かれる。午前11時から午後3時。

 射的などのゲームや飲食のコーナー、ワークショップ、青空図書館などの企画が多数。キッチンカーも並ぶ。同日は同施設の近隣で関連イベントもある。詳細は同施設ウェブサイト、SNS。

取り組みを紹介する石井教授

「デジタル」で災害に備え 専修大が地域連携

 専修大学ネットワーク情報学部は10月12日、多摩区との大学・地域連携事業として、防災のデジタル化事例などを紹介する講座を初開催した。

 避難所などで人数や備蓄物の数を瞬時に把握できる技術などを披露。石井健太郎教授は「災害時に機能を果たせるように課題を整理していく」と述べた。年齢や地形などを考慮して、避難所までにかかる時間などが分かる地図をデジタル化する事例も。佐藤慶一教授は「今後、地図を地域に公表するなど、貢献していきたい」と話した。

 また、「災害時の食事と栄養」と題した講演や同大の学生が考案した災害食レシピも発表され、約100人の入場者は熱心に耳を傾けていた。

壁面に投影された映画

野外シネマ5年ぶり復活 エルミ壁面 スクリーンに

 「しんゆり野外シネマ」が10月12日、5年ぶりに復活し、多くの人が飲食物を片手に、映画を楽しんだ。

 日本映画大学(麻生区)が企画、上映を担当。新百合ヶ丘エルミロード(新百合ヶ丘駅ビル)の南側壁面をスクリーンに、2作品と同日に別会場で初公開した麻生区の記録映画のダイジェスト版を上映した。

 担当した同大の芦澤浩明さんは「今後もマルシェなどの開催と合わせるなど、わいわいとした雰囲気で楽しんでもらいたい」と期待を寄せた。

叩き方を教える菅原代表(中央)

片平小3年生 「夏蒐太鼓」を特訓 創立40周年に向けて

 今年創立40周年を迎える市立片平小学校(麻生区/紀裕子校長)の3年生は記念式典に向け、麻生区片平を拠点に活動する和太鼓グループ「夏蒐(なつかり)太鼓」(菅原陽子代表)の指導のもと、太鼓を特訓している。

 104人の児童は大太鼓、締め太鼓、鈴などを用い、夏蒐太鼓のオリジナル曲「巻狩太鼓」を練習中だ。全員が叩けるよう、入れ替わりながら演奏を行っていく。児童は「中休みも練習をしている。本番は親が来るので、上手になった姿を見せたい」と意気込む。

 10月16日には、同校で4回目となる合同練習を実施。最初に児童たちが通しで披露すると、菅原代表は「前回とは違い、自信がある顔になった」とにっこり。腕の角度や目線、鈴の鳴らし方など細かい指導を行った。

 同グループは、青少年育成活動の一環として、学校の授業などに協力。同校とも交流があったが、コロナの影響で中止していた。今回「地域に開かれた学校にするため、40周年を機に復活させたい」と学校側から相談を受け、記念式典での披露に向けてパフォーマンスの指導をすることになった。菅原代表は「地元の文化や歴史を知ってもらう機会になれば」と思いを語った。
自身の作品の前に立つ笠原さん=10月17日

麻生区在住書家 笠原さん 秋水会書展に600人

 麻生区高石在住の書家・笠原秋水さん(87)が主宰する秋水書道会の秋水会書展が10月17日から20日まで、川崎区のミューザ川崎で開かれた。笠原さんと会員、学生部の生徒による作品111点が展示された。

 「自分らしさを言葉と書で表現する」を掲げ、「だれにでも読める・だれにでもわかる」書作に取り組む同会。同展は31回目を迎え、4日間で延べ594人が会場を訪れた。19日には童謡『ちいさい秋みつけた』の詩を書にした自身の作品への思いを笠原さんが語るギャラリートークが行われ、70人が聴き入った。

(前列左から)新田さん、山崎さん、梶さん、石井よし子さん(後列左から)小栗さん、末永さん、中島さん、吉田直樹さん

麻生区 地域貢献称える 功労、奨励賞を表彰

 麻生区地域功労賞の表彰式が10月13日、あさお区民まつりの中で行われた。個人で山崎優さん、新田博哉さん、団体でアジア航測(株)、岡上郷土誌会が受賞した。

 山崎さんは、金程冨士見会で活動し、子ども会を設立。「子ども会の父」と称されるなど、地域住民の交流促進に尽力した。山崎さんは「地域に根差した活動を続けてきたのでうれしい」と声を弾ませた。

 新田さんは、長沢小学校児童の登下校を見守るスクールガードや、認知症サポーターとして、地域の安全、福祉向上に寄与してきた。新田さんは「雨が降ろうと体が続く限りは続けていきたい」と力強く語った。

 アジア航測(株)は、公園緑地の美化活動や、防災マップの作製、無料配布を行うなどまちに貢献する。中島達也常務取締役は「ボランティアとして受賞できるのは光栄」と感謝を述べた。

 岡上郷土誌会は、地域の歴史的資料を岡上分館に記録保存するなど文化活動振興に多大な影響を与えてきた。梶睦子代表は「地域の方がつないできた歴史を発信するお手伝いをしたい」と語る。

 同時に地域奨励表彰も行われ、今夏5年ぶりに「王禅寺東夏まつり」を復活させた王禅寺中央中学校おやじの会が表彰を受けた。小栗徳則さん、末永教明さんは「励みになる」と笑顔を見せた。

生田周辺をウォーキング 多摩区観光協会ツアー

 多摩区観光協会は11月22日(金)、「登戸研究所と水とかがやく未来館見学ウォーキングツアー」を行う。参加者を募集中。

 午前9時15分から午後3時。生田駅、明治大学、登戸研究所資料館、長沢浄水場を歩く約2Kmの行程。定員30人、申し込み先着順。参加費300円(保険料、印刷費など。昼食費別途必要)。雨天決行。申し込みは11月5日(火)午前10時以降、協会事務局(多摩区地域振興課)を訪れるか、【電話】044・935・3132、【FAX】044・935・3391へ参加者氏名と年齢、住所、電話番号を伝える。詳細は事務局。

シニア向けスマホ教室 受講者を募集中

 来年1月から麻生市民交流館やまゆり(麻生区)で「シニア向けスマホ教室」が開催される。川崎市と認定NPO法人かわさき創造プロジェクトが主催する。

 対象は、スマホの操作に意欲のある市内在住、在勤、在学のいずれかで40歳以上の人。iPhoneコースは1月17日から2月7日までの毎週金曜、全4回。Androidコースは2月28日から3月21日までの毎週金曜、全4回(2月21日に事前講座)。両コース、2千円(資料代)、午前10時から正午で12人(応募多数の場合、抽選)。

 申し込みは、氏名、住所、年齢、電話番号、希望コース、スマホ歴を記載の上、郵便はがき(往復)は、〒210-8577川崎市川崎区宮本町1番地川崎市健康福祉局高齢者在宅サービス課。12月13日(金)消印有効。抽選結果は、返信用はがきで通達。二次元コードでも受付。(問)【電話】044・200・2638

中学校駅伝 中野島中女子が連覇 2年連続の大会新記録で

 川崎市中学校駅伝競走大会が10月25日、等々力陸上競技場および等々力緑地公園周回コースで行われ、女子の部で中野島中学校(多摩区)が優勝した。

 男子77回、女子39回の歴史を誇る大会。市内中学から男子59校、女子61校が参加し男子6区間、女子5区間でたすきをつなぎ健脚を競い合った。

 中野島は昨年に引き続き大会新記録での優勝で連覇を達成。女子駅伝部顧問の折笠慶頼教諭は「子どもたちは連覇を目標に練習してきた。苦しい練習に耐えて達成できてよかった」と話した。

 男子は上位9チーム、女子は6チームが県大会の出場権を得た。多摩区・麻生区は、男子で白鳥中が4位、稲田中が7位、南生田中が8位、女子で稲田中が5位に入った。県大会は11月2日(土)に横浜市で行われる。

和気あいあい、でも白熱の編集会議。この日は4時間にも及んだ

あさお区民記者が走る! vol.41 2024年 November ボランティア・(当事者)連絡会縁の下の力持ち

 「ボランティア(当事者)連絡会」(「当事者」が入らない会もある)は、ボランティアと当事者団体がより充実した活動を行えるよう、情報提供、意見交換や親睦を図るとともに、社会福祉協議会の活動に協力すること等を目的とする組織だ。市内7区にあり、いずれもボランティア団体である。その中で、今回は麻生区の「あさおボランティア・当事者連絡会」(以下「連絡会」と表記)とその機関紙について簡単に紹介したい。連絡会の機関紙「あさおボランティア・当事者連絡会だより」は、10月1日発行分で通算387号となり、個人のボランティア体験を紹介する欄、地域の福祉活動を紹介する欄のほか、希望する会員団体や社会福祉協議会の企画を紹介する欄などがある。連絡会はこのほかにも多彩な活動も行っており、今年、30年を超える社会福祉活動への功績により、神奈川県社会福祉協議会から表彰された。

 「あさおボランティア・当事者連絡会だより」は、麻生市民館等で入手できる。

 


区民記者とは?

地域活動が盛んな麻生区で活動する団体にスポットライトをあてるために、麻生市民交流館やまゆりを運営する認定NPO法人あさお市民活動サポートセンターが中心となって、文章を書くことが好きな区民で活動しています。