鎌倉版【11月15日(金)号】
本箱を設置したコバカバの内堀さん

朝食屋コバカバ 本と出会える街角 「誰かの1冊」が鎌倉巡る

 読書の秋。本と出会える場所と言うと、書店や図書館を思い浮かべる人が多いだろう。実は、鎌倉の街角にも本が並ぶ場所がある。その1つが鎌倉市農協連即売所(レンバイ)そばに店を構える「朝食屋COBAKABA(コバカバ)」(小町)だ。店の外には木製の本箱があり、地元の人や観光客が時折中をのぞいていく。

 本箱の名は「みんなのほんばこ」。30冊ほど入る小さなもので、小説に図鑑、専門書など、さまざまな本が並ぶ。自由に箱を開けて本を借り、読み終わったら返す。寄贈も受け付け中だ。

 この本箱、鎌倉市内では1カ所のみだが、実は葉山町には30カ所もある。元々は葉山町の私設図書館「うみとやまのこどもとしょかん」による取り組み。代表理事を務めるのは、(一社)Telacoya921代表理事で、まちの保育園鎌倉(小町)の園長でもある中尾薫さん。市内大町や葉山町で4年半続けてきた移動図書館の活動が終了し、新たに「どこでも図書館プロジェクト」と銘打ち、昨秋から支援者の協力を得て本箱を設置。「本と本箱があれば、誰でもどこでも始められる。手持ちの箱で始めてみてほしい」と同館の植田由賀さんは話す。

 コバカバの店主・内堀敬介さんも賛同者の1人という訳だ。「店では、1日の、旅の、出会いの…と『はじまりに立ち会う』をコンセプトにしているので、本箱もそのきっかけになるなと」

 本は借りられていくことの方が多いが、寄贈も少なくない。誰かを救ったかもしれないメンタル系の本に、地元作家が寄贈してくれたと思しき本もある。40年前のガイドブックが届くこともあるが「古いなら古いで『昔はこんなお店があったんだ』とか、街の歴史を楽しむこともできる。寄贈された本にハンコを押して、時々本を入れ替えてという作業も楽しいです」と内堀さんは笑う。

 「もっと本が循環する街になって、知らない人同士がつながったり、交流する場になったら。観光に来た人にも、そんな珍しい面白い取り組みが鎌倉にはあるんだと思ってもらいたい」

循環の「はじまり」

 そう話していると、ある女性が内堀さんに声をかけた。本箱の利用者で、十二所で本を循環させる「みちくさ本棚」を今春から開いており、いつか話がしたいと考えていたという。話を聞き、内堀さんは「本箱に置ききれない本があるので、持っていきますか」と提案。鎌倉で新たな本の循環が生まれた。

出生数、今年は推定764人 直近15年で500人減へ

 国は11月5日、2024年上半期(1〜6月)の国内出生数が約33万人だったことを公表し、年間出生数は過去最少を更新して70万人を初めて割り込む見通しとなった。鎌倉市内の上半期は382人、下半期も同じペースだと年間出生数は推定764人。15年前の1286人から約500人の減少が見込まれる。

 厚生労働省が11月に公表した人口動態統計によると、上半期の国内出生数は32万9998人。前年同期比で6%減少し、1899年の統計開始以来初めて年間70万人を割り込む公算だ。

 2009年に1286人だった鎌倉市内の年間出生数は、18年に1000人を割り込む。21年に一度微増したものの減少傾向は続き、今年は800人を下回ることが予想される。市担当課は「日本全体の傾向として未婚や晩婚化、新型コロナウイルスで結婚や出産を控える人が増えたことなどが要因」と話す。

 少子化が進む中、鎌倉市は今年度から「かまくらまるごと子育て・子育ち戦略 きらきらプロジェクト」をスタート。妊婦健康診査費用3万円分の追加補助や産後ケア事業の自己負担額軽減、認可外保育施設の利用料補助などを施策に盛り込み、子育て環境を整備する。進捗について市担当課は「支援が十分とは言い切れない」とし、「今後も必要なところに必要な施策を講じていきたい」。

 また注力するポイントに挙げたのが、子育てに関する情報発信。現状では、各課ごとに発信する子育て情報を、スマートフォンなどから同一ページで閲覧できるように改修していく。都市計画や災害情報をウェブ上の地図に反映した「かまくらわが街マップ」で、子育て情報を追加することも検討している。

パリ五輪の体操競技で金メダルを獲得した 岡 慎之助さん 市内在住 21歳

叶えたい”史上初”

 ○…始まりは保育園だった。園児が鉄棒で逆上がりする姿を見た保育士は、「体操をやった方がいいよ」と声をかけた。遊びの延長から4歳で体操教室へ通い出した。それから16年、今夏のパリ五輪では個人総合、団体、種目別鉄棒で金メダル。日本人の1大会3冠は、1972年ミュンヘン五輪の加藤澤男さん以来52年ぶりの快挙だった。平行棒の銅も合わせ、初の五輪で4個のメダル。「率直にうれしかった。自分の演技をすべて出せたので満足している」と話す。

 ○…柔軟性のある美しい体操が称賛された。五輪の床演技では、まっすぐな倒立姿勢に会場から歓声があがった。ただ、そこに至るまでは「地味なことをずっとやってきた」。そして、金メダルを獲得した今改めて思う。「地味なことを継続していくのが大事」。2019年の世界ジュニア選手権個人総合で金メダルに輝き、”日本の宝”と期待されてきた。しかし、2年前に右足の前十字靭帯を断裂。選手生命が危ぶまれる大けがでもまったく諦めることなく、「どうやったら金を獲れるのか」を模索し続け、結実させた。

 ○…岡山県出身。15歳までおかやまジュニア体操スクールに所属し、中学卒業後に神奈川へ。徳洲会体操クラブで腕を磨く。鎌倉で暮らし、「1番好き」というのが小町通りのソーセージ。勝負どころの前日にはサウナへ。五輪期間中も「整ってました」とおどけて見せた。大舞台を前にも、自然体は健在だった。

 ○…次のロス五輪では、連覇とともに、種目別平行棒を加えた4冠を狙う。また、個人総合で五輪&世界選手権の世界大会を8連覇した内村航平さんの名を挙げ、「それに並ぶぐらいの歴史を作っていきたい。自分にしかできないことを」。

ポスターの題材は高野の切通し=12日・大船中

塩澤夏帆さんが最優秀賞 県文化財保護ポスター

 神奈川県教育委員会が主催する第53回文化財保護ポスターの入賞作品が10月28日に発表され、塩澤夏帆さん(大船中1年)が「わたしたちの文化財部門(私のまちの文化財)」の最優秀賞に選ばれた。

 文化財保護ポスターは、県内の中学生に文化財への関心を持ってもらうことを目的に企画。今年は、日本各地の歴史的建造物や天然記念物が対象の「わたしたちの文化財」と、鎌倉市内の寺社や景観を描いた「世界遺産登録をめざす鎌倉」の2部門で、820点の応募があった。

 塩澤さんは、夏休みの美術科の宿題としてポスター制作に挑戦。題材には、近所の高野の切通しを選び、現地で写真を撮って描いた。幼い頃から愛犬の絵を描き、アニメのキャラクターやロゴを模写することが好きな塩澤さん。「一度失われると再生できない景観を描くことで、自然の大切さを伝えたい」とポスターへの思いを話した。

 鎌倉市内の中学校で優秀賞に選ばれたのは、太田瑚七さん(大船中2年)、山崎大緒さん(同)、古川紗羽さん(同)、山田樹奈さん(同1年)。入賞者の作品は鎌倉駅地下道ギャラリー50で、11月18日(月)正午まで展示されている。

ミドルシニアの「働く」考える 12月 きらら鎌倉で講座

 40代、50代のミドルシニアの「働く」「学ぶ」を考えるライフキャリア講座が、きらら鎌倉で12月に開講する。主催は鎌倉市生涯学習センター。

 多様化する働き方の中で不安を抱える人に向けて、講師や同世代とともに自身のキャリアを見つめ、未来への一歩を踏み出すヒントを見つけてもらう。講師は、鎌倉投信(株)社長の鎌田恭幸さんやヒトノコト代表の渡辺みさきさん、ソンべカフェ店主の宇治香さんが務め、自分との向き合い方や地域とのつながりを通じた考えに触れる。

 講座は12月3日(火)、10日(火)、17日(火)、21日(土)の全4回。講義やグループワーク、最終回はフィールドワークも予定する。参加無料。対象はセカンドキャリアを検討中のミドルシニア。定員は24人(1回目のみオンライン聴講あり)。応募多数時は抽選。申し込みはきらら鎌倉HPから、11月24日午後5時締切。(問)【電話】0467・25・2030

<PR>
70代女性の抜け毛や薄髪のお悩み 相談増加中 鎌倉「髪育サロン URUMA」
70代女性の抜け毛や薄髪のお悩み 相談増加中 鎌倉「髪育サロン URUMA」
JR鎌倉駅東口から徒歩1分、完全予約制の″髪を育てるサロン″として9月9日で17年目を迎えた美容室「URUMA」。最近では70代の女性から「抜け毛」や「薄髪」に... (続きを読む)

腰越で23日 最多の27店参加ぶらり呑み歩き 3千円で3店利用

 江ノ電腰越駅から湘南モノレール湘南江の島駅周辺で、11月23日(土)に飲食イベント「ぶらり呑み歩きの日」が開催される。午前11時〜午後6時(チケット販売時間)。主催は地元住民による実行委員会。

 今年は過去最多の27店舗が参加。3000円でチケットを購入すると、各店自慢の1ドリンク1フードのセットを、3店舗で楽しむことができる。当日券は腰越交番向かいの駐車場で販売。

 参加店舗や前売券などはイベント公式インスタグラムで。

防犯対策を呼びかけた鎌倉ガーディアンズの大津さん

「サッシ破りに対策を」 防犯講座に約40人参加

 深沢学習センターで11月9日、防犯団体鎌倉ガーディアンズ代表で、鎌倉市観光協会専務理事の大津定博さん(61)による市民向け講座「防犯と防災と鎌倉よもやま話」が開催され、参加した約40人は熱心に耳を傾けた。

 近年多発する強盗や自然災害を受け、同センターが講座を企画。講師を務めた大津さんは、約100人が在籍する防犯団体で培った経験を生かし、闇バイトによる強盗と空き巣の特徴を挙げ、注意を呼びかけた。「鎌倉は狙われやすい街のひとつ。窓のサッシ破りに備え、防犯フィルムを内側に貼ったり、防犯ガラスなどの対策をしてほしい」と訴えた。

 参加した60代男性は、「防犯のヒントを聞かせてもらえた。気をつけないと」と気を引き締めていた。

3月の駅前朝市の様子(主催者提供)

23日「かまくら駅前朝市」 地元名産品など22店

 かまくら駅前朝市が11月23日(土)、東急ストア鎌倉店前の通りで開催される。午前9時から正午まで。小雨決行。

 今年3月に盛況だった朝市の第2弾として、鎌倉駅東口の道路に10のテントが並び、地元企業など22店舗が出店。ラーメン、鎌倉ワイン、シフォンケーキ、蒸牡蠣の食ブース、湘南の海で獲れた鮮魚、鎌倉彫、クリスマスリース、ぶどう蔓工芸品、桜貝のアクセサリーなどが販売される。ライブステージでは音楽の生演奏も。

 主催の鎌倉表参道商店会は、「いちょう並木の紅葉が始まる時期に、食事や買い物を楽しんでほしい」と話す。

 問い合わせは【電話】0467・25・4551。

清泉女学院中・高(上)と横浜国大鎌倉中

清泉女が2年連続最高賞 全日本合唱コンクール

 全日本合唱コンクールが10月26・27日に埼玉県で行われ、清泉女学院中学・高校が最高賞の文部科学大臣賞、横浜国大付属鎌倉中学が銀賞を受賞。清泉女は、2年連続で中学と高校そろって最高賞を獲得した。

 清泉女高は、10月12日のNHKコンクールで初の金賞受賞。その直後にテスト期間を迎え十分な練習ができず、本格的に再開したのは大会前日だった。「楽しむことを一番に」と話したのは、部長の奥園結帆さん(2年)。意識したのは、「競うのではなく、自分たちの音楽をしっかり出すこと」。テーマに掲げた「平和への祈り」を体現し、結果も付いてきた。

 清泉女中は3年生7人と少ない最上級生がチームをけん引し、力をつけてきた。部長の槙野慈子さん(3年)は、「最高賞をいただけてうれしい。これまでの練習が報われた」と喜びをかみしめた。

横国大付属鎌倉中有志で掴んだ銀賞

 横浜国大鎌倉中は、全日本コンクールに12年ぶりに出場した。現在、同校に合唱部はなく、毎年有志を募って合唱団を結成。今年は4月にメンバーを募集し、2〜3年生46人が集まった。

 中心メンバーの高田弥智子さんと高橋美月さんは柔道部で、吉川晴起さん(すべて3年)は吹奏楽部。NHKコンクールでの県予選敗退の経験が団の結束を強め、「大好きな仲間や先生と、全国の舞台で一緒に歌えたことが幸せ」と団員たちは口をそろえた。

鎌倉ユネスコ 書き損じはがきで支援 1年間で45万円分に

 市民らが慈善活動や国際理解活動に励むNPO法人鎌倉ユネスコ協会では、世界の教育支援のため、書き損じはがき等を随時募集している。

 集まったはがきは郵便局で切手に交換し、世界寺子屋運動に協力するため、日本ユネスコ協会連盟に寄託される。例えばカンボジアの場合、14枚の書き損じはがきで1人が1カ月学校に通うことができるという。

 このほど、寄付1年分が集計され、金額は昨年を上回る45万530円だった。担当者は「多くの方々のご寄付のおかげ」と感謝を伝える。

 募集しているのは、書き損じはがき、未使用の切手、プリペイドカード、外国のコインなど。ベルマークの回収も行っている。はがき等は封筒に入れ、〒247―0075鎌倉市関谷387の13鎌倉ユネスコ協会書き損じはがき担当の小倉さんへ送付を。(問)同協会【携帯電話】080・6602・9498

指揮/大植英次

読者20組40人を招待 神奈川フィル巡回公演 ベートーヴェン「第九」で今年を締めくくる 12月23日(月) ミューザ川崎シンフォニーホール

 神奈川フィルハーモニー管弦楽団が12月23日(月)、ミューザ川崎シンフォニーホール(JR川崎駅下車徒歩3分、京急川崎駅下車徒歩8分)で「For Future巡回公演」を開催する。午後7時開演。

 今回の演目は年末を飾るにふさわしい、ベートーヴェン「第九」。第4楽章「歓喜の歌」では、苦悩を越えた向こうに見える自由、そして平等が謳いあげられる。指揮は巨匠レナード・バーンスタインに師事し10年以上活動を共にした大植英次。欧米や日本の名だたるオーケストラの音楽監督・指揮を務めてきた。演目は他にモーツァルトの歌劇「バスティアンとバスティエンヌ」序曲。

 S席8000円、A席6000円、B席4500円、25歳以下1000円。65歳以上各席10%割引。チケット申込みは神奈川フィル・チケットサービス【電話】045・226・5107。

 この公演に読者20組40人を招待。希望者はQRからの申込みか、ハガキに氏名・住所・メールアドレスを明記の上、〒231―0023横浜市中区山下町46番地第1上野ビル1階・神奈川フィル事務局「タウンニュース係」まで。12月6日(金)必着。当選はメールにて。

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)

保護猫とお見合い 市役所で17日、予約不要

 NPO法人湘南鎌倉猫ほっとさぽーとは11月17日(日)、「保護にゃんとのお見合い会」を鎌倉市役所第3分庁舎の講堂で開催する。午後1時〜3時半。無料、予約不要。

 イベントは、市内で保護された猫と新しい家族との出会いの場として企画。当日はお見合いのみ。市ホームページで保護猫を紹介中。(問)市環境保全課【電話】0467・61・3454

音楽情報 湯原昌幸ライブ 東海大学前タウンニュースホール

 今年デビュー60周年&喜寿を迎えた歌手・湯原昌幸さん=写真=が、東海大学前タウンニュースホール(小田急線東海大学前駅南口徒歩2分、秦野市南矢名1の5の13)で12月7日(土)「湯原昌幸ハッピーLIVE」を行う(午後3時開演・2時30分開場)。予定曲は「雨のバラード」「冬桜」「たそがれロマン」「GSメドレー」ほか。昭和〜令和の名曲を歌い紡ぐ貴重なライブとなる。タウンニュースホールは希代のボーカリスト・湯原昌幸の歌声を間近で堪能できる全150席のサロン感あふれる会場。

 チケットは全席指定5000円。購入はチケットぴあ(Pコード281―249)で。会場窓口でも直接購入可能(予約制)。(問)同ホール【電話】0463・77・0025へ(水曜休館・午前10時〜午後5時)

23日大船 食料・日用品無料で配布

 物価高で生活に影響を受ける市民を対象に鎌倉市は11月23日(土)、スマイルフードプロジェクトを大船支所1階ロビーで開催する。

 主食や副菜の食料パック、洗剤などの日用品を無料配布。正午〜午後1時。予約不要。数に限りあり。大きめのエコバッグ持参を。(問)市生活福祉課【電話】0467・61・3958

湘南鎌倉総合病院 講演やキッズ企画24日に病院祭開催

 湘南鎌倉総合病院で11月24日(日)、毎年恒例の病院祭が開催される。午前10時〜午後3時(受付終了)。入場無料。

 「未病改善宣言。人生100年時代に人生をデザインする」をコンセプトに、黒岩祐治知事の特別講演や院内見学ツアー、まちあるきワークショップを実施(事前申込制)。医師によるテーマ別講演もあり(申込不要)。キッズコーナー、キッチンカー、ダンスパフォーマンスなど予定。

 詳細は同院ホームページ。(問)病院祭実行委員会【電話】0467・46・1717

今年2月の初公演の様子

カマクラシックオーケストラ 1月の公演に新成人を招待

 「鎌倉が好き」な人による管弦楽団「カマクラシックオーケストラ」の第2回演奏会が1月11日(土)、鎌倉芸術館大ホールで開催される。成人の日直前ということもあり、席数限定で新成人を無料招待する。

 今回は中学1年生から70代までの居住地も年齢も異なるメンバーが、ブルッフの『バイオリン協奏曲第1番Op.26』とチャイコフスキーの『交響曲第5番Op.64』を演奏する。前回に引き続き、指揮は佐藤有斗さん、コンサートマスターは塩加井ななみさんが務める。ソリストには、吉江美桜さんを招く。

 前売り券の販売もスタート。一般1500円、学生千円。「カマクラシックチケット」で検索を。新成人とその保護者に限り、左記の専用フォームからの申し込みで無料招待。

 当日は、ホワイエでアクセサリーやアート、スイーツなどを販売するマルシェも開催される。

 

 

地元産品を販売秋の収穫まつり 24日午前10時〜

 山崎浄化センタースポーツ等広場で11月24日(日)、秋の収穫まつりが開かれる。午前10時から午後1時まで。

 鎌倉産の農産物や水産物の販売をはじめ、じゃがいも袋詰め放題(有料)を実施する。収穫まつりの問い合わせは市農水課【電話】0467・23・3000へ。

 また会場では、技能祭を同時開催。包丁研ぎの実演、鎌倉彫やお灸体験(一部有料)のほか、先着制で景品が必ず当たる抽選会も行われる。

 

長谷寺の紅葉

鎌倉のとっておき 〈第174回〉 かまくら花めぐり(長谷寺:盛夏から)

 盛夏の頃は凌霄花(のうぜんかずら)。オレンジ色の花々が和み地蔵を飾る。妙智池(みょうちいけ)周辺では、青紫色の桔梗(ききょう)や細長い柄に薄紫色の花を付ける禊萩(みそはぎ)が咲き始め、これに紅白の蓮が彩(いろどり)を添える。また弁天窟周辺では、白い鉄砲百合や薄紅色の鹿の子百合が咲く。そして蝉時雨(せみしぐれ)が盛りを迎える頃、山門傍や大黒堂脇の百日紅(さるすべり)も、紅や薄桃色など沢山の花を付ける。

 境内に静けさが戻る頃、妙智池周辺では、女(おみ)郎花(なえし)が黄色い可憐な花を付ける。また放生池(ほうじょういけ)周辺では、白から薄桃色へと色を変える酔芙蓉(すいふよう)も咲き始める。かたや地蔵堂へ続く路沿いや眺望散策路では、紅白の彼岸花が一斉に花開く。

 季節が進むと、大黒堂前などでは、白や青紫色の秋明菊(しゅうめいぎく)が秋風にそよぐ。また放生池周辺では、薄紫の細かい花を付ける藤袴(ふじばかま)や、青紫色の竜(りん)胆(どう)が畔(ほとり)を飾る。かたや眺望散策路の入口では、淡いピンクの子福桜(こぶくざくら)が花を付け、冬の間も訪れる人々の目を楽しませてくれる。そして阿弥陀堂前では金木犀(きんもくせい)が甘く香り始める。

 初冬の頃には、放生池周辺で紺菊(こんぎく)や黄色い磯菊(いそぎく)が清楚な姿で咲く。また下境内では、黄色い石蕗(つわぶき)をはじめ、寒椿や山茶花(さざんか)が赤や白の花々を咲かせてくれる。そして紅葉(もみじ)。全山が錦秋(きんしゅう)に染まる光景は圧巻である。

 古(いにしえ)より長谷観音の名で親しまれ、見所もいっぱいの長谷寺。四季折々、年間を通して咲く沢山の花々が、訪れる人々を癒してくれる鎌倉随一の花の寺である。  石塚裕之