川崎区・幸区版【11月29日(金)号】
資格確認書のイメージ=市のホームページより

マイナ保険証 市「正確な情報確認を」

 マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」への移行に向け、現行の健康保険証の新規発行が12月2日に停止される。国民健康保険証を交付する川崎市では移行に向け、「正確な情報を確認してほしい」と呼びかけている。

 12月2日から本格的移行が始まる「マイナ保険証」は、健康保険証の登録をしたマイナンバーカード。医療機関や薬局の顔認証付きカードリーダー、セブン銀行ATMなどで利用登録を済ませば、現行の健康保険証の代わりになる。

 国はマイナンバーカードの利用推進を図る目的で、「マイナ保険証」への切り替え措置に踏み切った。そのメリットとして国が挙げるのは、複数の医療機関に分散する医療情報が一本化されること。一刻を争う救急医療や、的確な薬の処方などに役立つとされる。

 医療保険制度は、会社員を対象とする「健康保険」と、企業に所属しない地域住民の「国民健康保険」(国保)、そして75歳以上のすべての人を対象とする「後期高齢者医療制度」に大別される。

 このうち、国保の保険証を交付する川崎市によれば、国保加入者約22万5000人(10月末時点)のうち、55%の約12万4千人が、マイナ保険証の利用登録を済ませたという。

 市の担当者は、「今回の移行は、加入者が何か新たな手続きをしなくてはいけないものではない」と語る。今回の移行措置では、12月1日までに加入手続きを終えた国民健康保険証は最長で来年の7月末まで有効で、これまで同様に使うことができる(健康保険証は1年間有効)。

 加えて、マイナ保険証の利用登録をしていない人や、今後も登録をしない人、またそもそもマイナンバーカードを持っていない人やカードの有効期限が切れた人、マイナ保険証の利用登録を「解除」した人などには、「資格確認書」が交付される。こちらは現行の保険証と同じ機能を持つ事実上の「代替保険証」となるだけに、市の担当者は、「市としてはこの『資格確認書』を、対象者に漏れなく交付することが最も重要」と語る。

 一方でマイナ保険証に利用登録を済ませた人には「資格情報のお知らせ」が交付される。マイナ保険証に記名されていない保険者番号などの資格情報を記したもので、マイナ保険証と合わせて持ち歩くことを前提としている。市の調べでは、11月時点でマイナ保険証に対応可能な医療機関や薬局は約86%。対応できない機関では、保険適用を受けるうえでこの「お知らせ」が必要になる。

 市の担当者は「加入する保険者ごとに『資格確認書』も『お知らせ』も扱いが異なる。市内の国保加入者の窓口は基本的に市だが、国保以外は各保険者に確認してほしい」と話している。

 国民健康保険と後期高齢者医療制度に関する問い合わせは市保険コールセンター【電話】044・200・0783。

舞台のチラシを手にする出演者たち

舞台「音琉舞歌」 川崎で沖縄×クラシック 「あやぐくる」の心で

 沖縄の伝統舞踊・音楽とクラシックがコラボした舞台「音琉舞歌(おんりゅうまいか)」が12月5日(木)、ラゾーナ川崎プラザソル(幸区堀川町)で開催される。公演に向け、出演者は川崎沖縄県人会館(川崎区中島)などで練習に励んでいる。

 川崎沖縄県人会の比嘉孝前会長が中心となって企画された同舞台。川崎には戦前から出稼ぎなどで多くの沖縄県出身者が移住してきた歴史がある。「だが両者の関係はあまり知られていない。川崎の多くの人に知ってもらいたかった」と比嘉さんは舞台を企画した意図を語る。

 琉球舞踊は元々中国からやって来た来賓をもてなすために始まった踊り。時代の変遷とともに庶民の間にも伝わり、現在まで受け継がれている。こうした沖縄の伝統に、西洋のクラシックが合わさるのは一見異色に見える。だが「沖縄には絆に近い意味の『あやぐくる(綾心)』という言葉がある。本土も西洋も分け隔てなく、温かさで包むのが沖縄らしさ」とソプラノ歌手の松永知史(ちふみ)さんは話す。

 行われるプログラムは川崎出身の詩人・佐藤惣之助作詞の楽曲や、宮古島出身で日本の女性作曲家として初めて交響曲を作曲した金井喜久子の楽曲など、川崎と沖縄にゆかりのあるものばかり。「今日まで伝統を受け継いできた先人たちに思いをはせる機会にしてもらえたら」と松永さん。琉球舞踊の宮城タケさんは「演者の気持ちは一つになっている。沖縄の温かさを感じに来てほしい」と思いを語った。

 午後6時半開演、二部制(途中休憩あり)。チケットは3000円(一般自由席)。購入は二次元コードから。

「かわさき市民活動センター」の理事長を務める 竹迫 (たかば)和代さん 横浜市港北区在住 

アクティブに楽しむ

 ○…本職は、地域の人と人をつなげ、課題の解決に向けて進めていく「まちづくりファシリテーター」。「かわさき市民活動センター」(中原区)では市民向けの研修講座の講師として登壇する。同センター理事を経て、理事長に就任して約半年を迎える。「事業の柱であるこども文化センターやわくわくプラザといった子どもの居場所に地域の活動拠点の可能性があると実感した」とその奥深さを噛みしめる日々だ。

 ○…重視するのは、現場感覚や対話。職員と接する中で、力量がある職員が多いことを感じる。「みんな、一生懸命に取り組んでいますね」。さらなるモチベーションの向上に向けて取り組んでいるのは、人材育成の知見を生かした「ワークショップ」。約1500人の職員が意見をあげやすいボトムアップ型の組織作りを目指す。

 ○…にこやかな笑顔、丁寧でおっとりとした語り口ながら「アスリート気質です」ときっぱり。学生時代はバレーボールでならし、ある親子対抗試合では「つい本気を出し過ぎて」しまい、手首を骨折してしまった経験も。高校時代はバンド活動にも熱中しギターで「REBECCA(レベッカ)」を演奏していた。目下、憧れるのはサーファー。「波乗りはかっこいい。もう少し年をとったら始めたいですね」と目を輝かせる。

 ○…自宅は幸区に隣接する日吉。子育て時期は、ひんぱんに夢見ヶ崎動物公園で遊ばせていたという。「夢見で3人の子どもたちは育ちました」と懐かしむ。当時は自宅から6Km離れた保育園に自転車で30分かけ送迎。「10年間の走行距離は地球4分の3周。自転車5台は乗りつぶしました」。職場まで、今は通勤だが自転車通勤を画策している。

Colorsかわさき 技術とアートを体感 ミューザ、12月1日まで

 障害のあるなしに関わらず、作品の魅力を感じてもらうことを目指す絵画展「Colorsかわさき」が12月1日(日)までミューザ川崎シンフォニーホール(幸区大宮町)4階企画展示室で開催されている=写真。川崎市文化財団主催。

 一般公募142人と特別支援学校58人の子どもたちの作品約200点が展示されている。今回は初の試みとして、生成AIを活用して制作した作品も展示。過去作品をAIが分析し、次の制作に向けてアドバイスしてくれる仕組み。アートディレクターを務める大平暁さんは「テクノロジーが制作のきっかけとなり、アートの底上げになれば」と話している。

 12月1日(日)はワークショップ「視線入力アート体験」を実施(午前10時30分〜午後0時30分)。(問)同財団【電話】044・272・7366

川崎市平和館 戦争の悲惨さ伝える 1月末まで各区巡回展

 恒例の川崎市平和館「かわさき巡回平和展」が、11月20日から始まった。1月下旬までの間に市内を巡回する。

 「かわさき巡回平和展」は、川崎市平和館(中原区)が毎年春に開催する企画展「川崎大空襲記録展」のプレイベントとして、年末から各区を巡回して開催する。1945年4月15日の川崎大空襲の被害の様子や、原爆が投下された広島や長崎の街の写真など、戦争の悲惨さを伝える写真パネル30枚ほどを、区役所や市民館で展示する。

 担当者によると、春の企画展の告知に加え、「平和館の取り組みを市内全域に伝えたい」という狙いもあるという。

 巡回展の予定は、11月28日〜12月4日(中原市民館)▽12月6日〜12月11日(高津市民館)▽12月18日〜12月23日(宮前区役所、21日と22日は休み、23日は正午まで)▽1月8日〜1月14日(川崎市役所第3庁舎、11日〜13日は休み、14日は正午まで)▽1月17日〜1月19日(麻生市民館)▽1月22日〜1月27日(多摩区役所)。幸区はすでに終了した。

 問い合わせは川崎市平和館【電話】044・433・0171。

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のりものフェスタのチラシ

乗り物が大集合 12月1日 川崎市役所に

 バスや電車、タクシー、飛行機などの乗り物が集まる「かわさき のりものフェスタ」が12月1日(日)、川崎市役所本庁舎で開催される。午前10時から午後4時。入場無料(一部有料)。

 川崎市や公共交通事業者らで構成される同実行委員会が主催。公共交通の運転手不足から減便などの課題を抱えていることや、公共交通をより利用してもらうことを目的に、初めて企画された。

体験イベント実施

 会場では、疑似映像でバスや電車の運転手を体験することができるほか、自動運転バス、線路点検車の展示が行われる。バスの運転手不足による減便廃止をテーマにした音楽絵本「にじいろバス」の生演奏によるコンサートも実施。飛行機を誘導するマーシャリングや、空港・機内で行っているアナウンス体験、パイロットや客室乗務員の制服着用体験も用意されている。市営バスのオリジナルカラーのミニカーも販売なども行われる。

 詳細は、のりものフェスタ公式ウェブサイトで確認できる。

趙課長(左)と大竹事務局長

ハイセンス テレビを寄贈 幸区社協へ

 ハイセンスジャパン株式会社が幸区社会福祉協議会に65インチの大型テレビを寄贈した。11月20日に贈呈式が行われ、幸区社協の大竹薫事務局長は「これまでの小さなスクリーンだと見づらかったので、寄贈していただきありがたい。会議や講演会、市民への行政情報の周知や関連施設のPR活動に役立てたい」と感謝の意を示した。

 同社は2010年に日本市場に参入してから、日本の社会問題の解決や社会貢献の一環として、高齢者施設などにテレビや洗濯機といった製品を寄贈している。2021年には市内の老人ホームに31台のテレビを贈った。同社のマーケティング部課長の趙松(チョウショウ)さんは「製品の良さを感じてもらい、少しでも暮らしの楽しさを味わってもらえれば」と意図を話した。

大人も子どもも個々の意見に耳を傾けた「U18」

「地震のそなえ」テーマ 子どもと大人「ガチ」議論 カワサキ☆U18

 よりよい川崎について子どもたち自身が考える「川崎市子ども会議」の拡大企画「カワサキ☆U18」が11月17日に開かれ、市内各地から子どもと大人が市役所に集まり、「地震のそなえ」について真剣に意見を交わした。

 「川崎市子どもの権利に関する条例」に基づき、川崎市は2002年、子どもたちの考えを市政に反映するしくみ「子ども会議」を開設。22年からは子ども会議の拡大企画として、子ども会議に参加していない子どもたちや地域の大人を交えて議論する場「カワサキ☆U18」を年に数回、開いてきた。

 「カワサキ☆U18」には子ども38人と、地域防災組織やPTA関係者などの大人26人が参加。子ども会議が今年度のテーマとする「子どもが考える地震のそなえ」について、意見を募った。

 4組に分かれ、「防災の情報を知るきっかけ」「いざという時に地域の大人と協力する」「「家族と防災について話したい」「子どもが過ごしやすい避難所」の各テーマを協議。「避難所」を議論した組では、子どもから「勉強できる場所が欲しい」「避難生活は不安。楽しく過ごす場が欲しい」などの声が上がり、大人からは「教室を開放してもらえば勉強できる」「避難所の利用方法は協議次第。子どもたちも意見を出して」といった意見が出された。

 「防災の情報」を議論した組では、「ハザードマップを理解する機会がない」「紙で情報を配られても見ない」といった率直な意見が続出。代わりに「ポケモンGO」のような人気アプリや、市の健康推進事業「かわさきTEKTEK」などに防災情報を融合させるなど、「子ども目線」の提案が出された。

 この日の議論は、来年3月に子ども会議が福田紀彦市長に渡す「提言」に反映される。小学6年生の増田龍ノ介さん(高津区)は、「自分の意見を言えたし、それを大人がきちんと聞いてくれたのでうれしかった」と満足そうだった。

「ポジティブ不登校」とは 12月7日 教文で講演会

 講演会「不登校をみんなで考える〜ひとりで悩まないで〜」が12月7日(土)、教育文化会館(川崎区富士見)で開かれる。

 講師を務めるのは、オカンの駆け込み寺代表、JAMネットワーク代表、ことばキャンプ代表を務める村上好さん。3人の子どもが不登校を経験し、ユニークな解決方法が話題となった。「ポジティブ不登校のすゝめ」をテーマに、子どもたちが自分らしく、元気に生活できるヒントを見つける。終了後には交流会を実施予定。

 午後2時から4時。参加費無料。対象は不登校で悩んでいる人や関心のある人で定員50人(市内在住・在勤・在学優先)。参加希望者は同館【電話】044・233・6361(先着順)。

記念写真に納まるメンバーら

小児がん支援に注力 川崎中央RC

 創立40周年を迎える奉仕団体「川崎中央ロータリークラブ」(RC)が小児がん支援に力を注いでいる。

 今年の秋にはライトアップで小児がん患者を応援するプロジェクト「ゴールドセプテンバーキャンペーン」に賛同し、神奈川県立こども医療センターをメイン会場にした啓発イベントをサポートした。同イベントでは動画サイト「ユーチューブ」で小児がん患者のサポートについて、各医療従事者が意見交換する様子を生配信。小児患者や看護家族の治療生活課題などが報告された。メイン会場でのライトアップカウントダウンやゴスペルミニコンサートも流されたほか、東京スカイツリー、仙台、小倉、沖縄と中継をつなぎ、ライトアップの様子も紹介された。

 同クラブでは例会で神奈川県立こども医療センター所属の栁町昌克医師を講師に招き、小児がん治療の現況や問題点について講演。同医師が発起人でもある「ちあふぁみ!」(小児がんと闘う子どもとその家族を支えるボランティア団体)への寄付を行っている。

縦約3m×横約12mの迫力あるアート

「川崎らしさ」壁一面に 市内在住アーティスト合作

 川崎区のハローブリッジ下の倉庫壁面が、市内在住アーティスト・YUSEIさんとunomoriさんの合作によるミューラルアート(壁画)で彩られ、行き交う人々の目を楽しませている。

 作品は、全国都市緑化かわさきフェアをテーマとし、川崎区の花「ひまわり」や県立川崎高校で行う養蜂の「蜂」、川崎市に生息する鳥「カワセミ」などをコラージュ表現で描写した。川崎大師の交通安全お守りステッカーなど「川崎らしさ」が随所に散りばめられている。

 コア会場である富士見公園へのアクセス道路となるハローブリッジ。以前は網状のフェンスがかかっていたが、ゴミの投げ込みや落書きなどの被害にあっていたという。フェアが始まるにあたり、市は景観美化も見据えてアート制作を両者に依頼。8月下旬から制作が始まり、10日ほどで完成した。

 市は若者文化発信事業として、これまでにも本庁舎整備工事現場の仮囲いにミューラルアートを行うなどしてきた。市の担当者は「地域特性を生かして描かれた作品。川崎のこれからを見せてくれる壁画となった」と話した。

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準備を進める平間小6年3組の8人

ブレイブサンダースの催し 平間小6年生がコラボ SDGsの大切さ伝える

 川崎ブレイブサンダースのホームゲームに合わせ、11月30日(土)と12月1日(日)に川崎市とどろきアリーナ(中原区)で開催のSDGsイベント「&ONE days Supported by 味の素(株)」に向け、平間小学校(中原区)の6年3組の児童が準備を進めている。小学校の参加は初めてだ。

 「&ONE days」は、2020年にブレイブサンダースが始めたSDGs推進プロジェクト。バスケットではシュート時にファウルを受けながら得点できた場合、さらに1本フリースローを投げられることを「&ONE」と呼ぶことから、「人と人のつながりがビッグプレーを生む」との意味を込めたという。

 今回、平間小の参加は2日目のみだが、イベントに加わるきっかけを作ったのも同校の6年生だった。8月の「平間なかよし祭」に向けて市内のプロスポーツチームに「一緒に活動しませんか」と呼びかけた。8月には実現しなかったが、「&ONE」の準備を始めたブレイブサンダース側から、「ぜひ一緒に」とオファーがあった。

 児童たちは10月中旬から、チームの広報担当者らと打ち合わせを重ねるなど準備を進めてきた。イベントでは、コロナ禍で量産されたアクリル板を、業者の協力を得てキーホルダーにアップサイクルしたり、来場者に「SDGs宣言」を付せんに書いてもらうコーナーや、古着や古本のリサイクルブースを構えたりする。能登半島地震の募金ブースも設け、一定金額以上の寄付者には、卒業生が地域への思いを込めて作った歌のCDをプレゼントする。

 当日は6年3組と希望者が参加する。大橋創太さんは「SDGsの宣伝とブレイブサンダースの応援を頑張る」、小嶋友人さんは「多くの課題を解決できるよう、地域の人に関心をもってもらいたい」と意気込みを語る。担任の武富布美教諭は「準備も楽しむ児童たちの取り組みも持続可能な姿勢。ぜひ応援してほしい」と話している。

巨匠が競演、歌舞伎展 浮世絵ギャラリーで

 川崎浮世絵ギャラリー(川崎区駅前本町)で現在、「歌舞伎展」が開催されている(12月22日(日)まで)。

 江戸時代、大衆が熱狂した歌舞伎。浮世絵は歌舞伎の世界を描き出し、庶民が気軽に手元で楽しめる役割を果たした。

 同展では、歌舞伎の名場面や役者の姿を題材にした「歌舞伎絵」の、特に歌舞伎が爛熟期を迎えた江戸時代後期の作品を中心に紹介。この時期に活躍していた葛飾北斎や歌川国貞(三代豊国)、歌川国芳といった浮世絵界の巨匠たちによる歌舞伎絵の競演が楽しめる。役者の似顔絵だけでなく、歌舞伎の物語や演出を名所、草花・干支などに見立てた絵師たちのウィットも見どころだ。

 同ギャラリーの山本野理子さんは「画面から伝わってくる歌舞伎役者たちのエネルギーを感じてください」と話す。

裵重度氏が死去 青丘社前理事長

 川崎市ふれあい館の開設に携わり、川崎市外国人市民代表者会議などの設置に力を尽くした社会福祉法人青丘社前理事長の裵重度(ペェチュンド)氏=写真=が闘病の末、11月23日に死去した。80歳だった。

 裵氏は1944年、東京都世田谷区生まれの在日2世。90年から2010年まで、市ふれあい館館長を務めた。マイノリティーの権利保障を目指し、日立就職差別事件や指紋押捺拒否運動、児童手当獲得、公営住宅入居資格などの活動に情熱を注いだ。川崎市の友好都市、韓国・富川市との草の根交流の発展にも寄与し、2016年には富川名誉市民にも選ばれた。04年には神奈川文化賞、20年には川崎市社会功労賞を受賞した。

 前夜祭は29日(金)午後7時から、告別式は30日(土)午前11時30分から、かわさき南部斎苑(川崎区夜光)で営まれる。

街を彩るフロンターレカラーのタペストリー

GO!GO!!フロンターレ

参加者募集タペストリー付け替え

 市内をフロンターレカラーに染めるとともに、商店街の活性化も目的として掲出されているフロンターレタペストリーの付け替え作業が行われる。デザインを変更しながら10年以上にわたって掲出されている身近な存在だ。作業は通常、各商店街の人々の手で行われるが、枚数が多い場合はサポーター有志が作業に参加する。色鮮やかな新しいタペストリーに変え、気分も街も明るくしよう。希望者は【メール】info@bluefriends.jpに「タペストリー付け替え作業参加」の件名を入れ、参加希望日時、名前、参加人数、緊急連絡先を入力して連絡を。日時は以下の通り(雨天延期)。

▽12月1日(日)新丸子駅周辺午前9時〜午後0時▽15日(日)鷺沼駅周辺午前10時〜午後1時▽22日(日)平間駅周辺午前10時〜午後0時、向河原駅周辺午後1時〜3時▽1月11日(土)百合ヶ丘駅周辺午前10時〜午後1時▽12日(日)稲田堤駅周辺午前10時〜午後1時。

 屋外での作業のため暖かい服装推奨。参加の際はフロンターレをアピールする服装やグッズを着用すること。

画像はいずれも川崎フロンターレ

左から山口さん、高井さん、清田さん

KAWASAKI NOTE 川崎発の新型太陽電池 ノーベル賞受賞に期待

 世界が注目するペロブスカイト太陽電池を発明したペクセル・テクノロジーズ(麻生区万福寺)が11月13日・14日、カルッツかわさき(川崎区富士見)で開催された「第17回川崎国際環境技術展」に出展した。同社は世界が注目する研究者として、ノーベル賞の受賞も期待されている桐蔭横浜大学特任教授の宮坂力氏が社長を務める。

 ペロブスカイト太陽電池は従来のシリコン系と比べて薄くて軽く、曲げられるなどの特性がある。これまで設置が難しかった家屋の屋根など傾斜のある場所や、直角の壁にも気軽に導入できる。また曇りや雨の日、室内の弱い光でも発電でき、エネルギー効率も従来型に引けを取らない。

 ただ課題はコスト面。同大学院修士1年の山口翔功(しょうかつ)さんと高井湖央(こお)さんはコスト削減のために、日々研究にいそしむ。他にも微量の鉛を使用するために生じる環境への配慮など、取り組むべき課題は多い。それでも現在、風雨への耐性を測るための実証実験を企業と行いながら、2〜3年後の発売を目指している。

 同社が描く青写真は壮大だ。総務部長の清田竜彦さんは「最終的には変化を実感しやすい家庭への販売を考えている。自宅で家族が使う分の電力を発電し、電力の自給自足を実現したい。太陽光だけで生活が成り立てば、SDGsにも貢献できる」と話す。もし実現すればエネルギー産業は大きく変わるはずだ。

 川崎から世界へ、同社の挑戦は続く。