町田版【12月12日(木)号】
今秋行われた催しの様子

「親と離れた子」支援し10年 市内の「大人」ら 交流機会を

 町田市内の児童養護施設で生活する子どもたちに、「外での体験」「大人との交流」などを提供してきた支援団体が先ごろ、活動開始から10年を迎えた。代表の花岡伸旨さんは「親元から離れざるを得ない子どもたちに、家族で出かけるような身近な経験をさせてあげたいと考えてきた」と話す。

 団体名は「地域こども支援・みかん」。町田青年会議所(JC)の事業として企画されたイベントをきっかけに活動をスタートさせ、取り組みに関わった伊藤剛さんや原康之さん=中面・人物風土記で紹介=らが2016年に「みかん」を立ち上げ、活動を継続してきた。会員に名を連ねるのは地域の大人たち。親から虐待を受けたことなどの理由で児童養護施設での生活を送らざるを得ない子どもたちに対して、ピザやカレーを一緒につくるなど、食や自然にまつわるイベントを原則年1回、企画してきた。

 今秋は牧場でバーベキューを開催すると、参加した子どもたちからは笑顔がこぼれ、副会長の粉奈里衣さんは「初めは緊張している子も、徐々に打ち解けて楽しんでくれていた。企画してよかったなと感じられる瞬間」と振り返る。

「お金をかけずに」

 同会の運営で発足当時から大切にしているのは「お金を使わずにどうやるか」ということ。寄付などを募るのではなく、月々の定例会費から捻出することにこだわり活動してきたという。「お金をかければ、良い場所に連れていくことは容易かもしれない。でもそうではなく私たちが考え動くことで、子どもたちに家族で過ごすような、身近な体験をさせてあげたいと考えている」(花岡さん)

 一方で、粉奈さんは「一緒に遊んだ女の子たちが言ってくれた『粉奈ちゃんがお母さんだったらよかった』という言葉が胸に突き刺さっている」と話す。

 長期にわたって行ってきた取り組みも、今年で10年。昨年まで会の代表を5年間務めていた原さんは「毎回子どもたちと再会し、その都度成長を見守れることがうれしい一方で、親元に戻れていない現状にもどかしさを感じる。本来であれば『ここにいてはならない』子どもたちなので」と話し、「彼らが大人になったとき、私たちの活動を通して経験したことが頭の片隅にでも思い出として残ってくれていればと思う」

アウェイの会場ながら、多くのゼルビアサポーターが駆けつけた最終節(©FCMZ)

ゼルビア J1快進撃 町田の活気に 3位 初昇格の最高成績

 町田を拠点とするFC町田ゼルビアのJ1リーグ1年目が終了した。19勝10敗9分けの3位。首位と勝ち点が6点差と最終戦まで優勝の可能性を残す快進撃をみせた。躍進する地元チームは地域の話題をさらい、町田市の研究機関の調査研究結果からはゼルビアの活躍が市民に活気を与えていることが浮かび上がる。

 昨シーズンJ2を制覇して挑んだJ1の初舞台。ゼルビアは序盤から勝ち星を重ね、夏前に首位へ浮上。終盤は息切れしてしまったものの、最終戦まで優勝の可能性を残す健闘をみせた。J1で3位という結果はチームの黒田剛監督がシーズン前に掲げた5位という目標を上回り、J2からの初昇格チームとしての最高成績を更新することになった。

 躍進するチームは地域の話題をさらい、ホームの野津田での試合では観客動員数が平日の試合でも1万人を超えるように。そして、主催試合として国立競技場で行った際は終盤にかけ5万人に迫るサポーターを集めた。

 街の観光事業にあたる町田市観光コンベンション協会の亀田文生事務局長は「J1に昇格した今シーズンは相手サポーターに町田の魅力を知ってもらう目的のツアーを組むなど、ゼルビアに絡めたさまざまな企画を実施してきた。チームの活躍が町田の認知度アップにつながっているのは確か」とゼルビア効果を話す。

他市との差別化に

 一方、市の研究機関「町田市未来づくり研究所」が9月に発表した調査研究結果(町田及び対象とした12市、合計6千サンプル)によると、休日のにぎわいに関して、「地元のスポーツチームを応援する」といった内容を選んだ市民が最も多かったのが町田だったという。地元のスポーツチームはゼルビアだけを指すものではないものの、研究所担当者は「ゼルビアの影響は強いと考えられる。町田が多摩地域でのリーディングシティを目指すうえで他の市との差別化につながる要素ではないかと思う」と分析する。

 そして、これまでは同様の調査でそのような結果が出ることはなったといい、「ゼルビアの活躍が街の活気を生んでいる結果では」とみる。

 チームを応援してきた町田商工会議所の澤井宏行会頭は「初参戦ながら素晴らしい成績でシーズンを全うしたことを喜び申し上げる。あきらめない気持ちで最終節まで優勝争いを演じたことは多くの町田市民に感動を与え、シビックプライドの醸成につながったと思う」とチームをたたえている。

市内児童養護施設の子どもたちを支援する団体を支えてきた 原 康之さん 町田市在住 48歳

父親のように 思い出を

 ○…児童養護施設で生活する子どもたちを施設外に連れ出し、遊びを通した体験の機会を提供する団体の運営にたずさわってきた。子どもたちと接する際は実の父親のように共に楽しみ、時には叱ることも。毎回再会した子どもたちが見せる笑顔に喜びを感じる一方で、「表し難い悲しさがある」と親元に帰れない児童らの現状に言葉を詰まらせる。少しでも思い出になるものを--その一心で活動してきた。

 ○…50年の歴史をもつ不動産会社の2代目として社の舵取りを担う。社の代表としての原点は若い頃の苦い経験。22歳で入社するも「経験不足」と相手にされず、「それが悔しくて悔しくて」30歳で3年間、修行と称し町田を離れることに。そして培われたのは経験だけではなく、地元の魅力を再認識する視点。「より良いまちにするには」と現在地域活動に奔走する力になっている。

 ○…多忙な毎日を送る傍ら、3人の子の父として過ごす時間を大切にしている。前日夜どんなに遅く帰宅しても翌朝6時半には起き、必ず家族で食卓を囲む。そして、同じく「大切なもの」と話すのが弁当屋の運営。3年前に幼いころから親しんだ味を守ろうと廃業寸前だった地元の店を受け継ぎ経営。店をPRするためのSNSの更新は欠かせない習慣になった。

 ○…「不動産の仕事はありがとうを貯める仕事」。生前母が残したその言葉を胸に感謝される人であり続けたいと願ってきた。地域から必要とされ続けるには現状にとどまらず時代に合わせた変化が大切と考える。子どもたちへの支援活動は今年で10年。「どう変えていくか」仲間と考えていくなか、変化させないことが子どもたちに多くの思い出を残すこと。「大人になっても忘れないでもらいたいですね」

イベントの告知

東京諸島ショップ初登場 ぽっぽ町田に 12月22日まで

 原町田の施設「ぽっぽ町田」1階催事場で現在、大島や新島、八丈島など、東京諸島の特産品や島酒が並ぶアンテナショップが期間限定で開かれている。「プチ島体験」できるワークショップや島について学ぶことができる企画などが行われ、22日(日)まで。東京諸島の魅力を堪能することができる。

 12月14日(土)・15日(日)には伊豆大島・椿油の手作り石けんづくりや椿油生しぼりを体験できるワークショップ(有料)が開催される。いずれも定員制でプレゼント付き。22日には島酒アドバイザーが来店し、島のお酒の楽しみ方について紹介してくれるという。

 ワークショップの詳細などについてはぽっぽ町田のHPなどで。このアンテナショップは多摩エリア各所で開かれてきたもので、町田では初開催。各日午前10時から午後7時まで。来店しアンケートに答えると抽選で1人に大島への往復ペア航空券がプレゼントされるという。問い合わせは(株)文伸【電話】0422・60・2211まで。

星 大輔 東京都議会議員/FC町田ゼルビアの元選手で引退後はチームスタッフを務めた。

来シーズンの目標ができた 元選手 星都議

 選手、スタッフ、ファン・サポーターの皆さんシーズンお疲れ様でした。そしてありがとうございました。3位という結果。来シーズンの目標ができました。良い時も、厳しい時もぶれずに戦えたことが結果に結びついたと思います。選手を信じてマネージメントをした黒田剛監督に敬意を表します。来シーズンはまた新たな気持ちで共に闘いましょう。

横浜で「城」の祭典 12月21日・22日開催

 「城」をテーマにした日本最大級のイベント「お城EXPO2024」が12月21日(土)と22日(日)、横浜市のパシフィコ横浜ノースほかで開催される。国宝五城(姫路城・松本城・彦根城・犬山城・松江城)をはじめ、日本全国の城が集結し、城めぐりに役立つ観光情報ゾーンや城グッズの販売など、過去最大の114団体が出展。そのほか城にまつわる模型や展示、ご当地キャラクターや武将隊のステージ、忍者体験など、「お城ファン」必見の内容だ。

 入城料は高校生以上2200円、小中学生1千円。前売有。厳選プログラムは1講演につき別途1300円。イベント詳細はHPで確認を。

プレゼント

 招待券を5組10人に。件名に「入城券希望」、本文に〒住所、氏名、年齢、電話番号、好きな城と理由を記入の上【メール】yoko-d@townnews.co.jpへ。12月15日必着。
出演する児玉氏

「パリ発」のシャンソン 18日 森野で

 食事と共に本格的なシャンソンを堪能するひと時「まほろ座シャンソニエ パリス デ タイム」が12月18日(水)、森野のまほろ座で開かれる。

名曲からポップス

 「パリ発のシャンソン」として、唄い継がれてきた名曲からフレンチポップスまでが楽しめる時間で、今回は日野美子、児玉正浩両氏らが出演。ピアノは原英彦氏、ギターは並木健司氏が担当する。児玉氏は「前回は立ち見が出るほどの賑わいがみられた。今回も楽しんでもらえれば」と話している。

 開演時間は午後6時30分(開場は5時30分)、料金は税込4千円(先着順自由席)。問い合わせは(株)ベネフレックス【電話】042・722・3861。または、メール【メール】group@alllife.co.jpまで。

左から順に高野さん、新井さん、石阪市長

文化や芸術の振興に貢献 市文化協会会長らを表彰

 芸術や文化の振興などの分野で功績を残したとして先ごろ、町田市文化協会の元会長である新井吼優さんと現会長の高野宗佳さんが表彰された。

 新井さんは、町田市吟詠連盟の設立や発展に尽力したほか、長年にわたり東京都の吟詠・芸術文化の発展に貢献してきたことから、地域文化功労者表彰を受けた。

 一方の高野さんは町田茶道会及び町田華道協会の会長を歴任し、市民の文化活動振興に尽力してきたことが評価され、東京都功労者として表彰された。

 2人は今月2日に石阪丈一市長を表敬訪問し、挨拶に立った新井さんは「吟詠に触れて64年、いろんな方とお目にかかってきたなかで皆さまのご高配をいただき、今回表彰をいただけたことがうれしい。感無量」と笑顔。高野さんは「文化協会の会長を務めて7年となるが、皆さんの協力のおかげでここまでこれた。皆さんの代表として表彰いただけたものだと感じている」と話した。

学習に励む子どもたち

「不登校」放デイがオープン 大蔵町に 先月から

 障害のある子どもが通う場所というイメージが強い放課後等デイサービス(以下、放デイ)で不登校の児童らが学び始めている。

 場所は大蔵町にある学習支援型「自由な遊び場SOU!」(大蔵町155-1)。鶴川地区で無料塾を開き、不登校支援などにあたってきた一般社団法人や町田市を拠点に医療介護の総合サービスを展開している企業らが共同出資により設立したスマイルこもんず株式会社が運営する東京都認可の放デイだ。

 11月にオープンすると、児童らは平日午前11時から開かれるこの場所へ自分の希望する日に足を運び、専門家のもと、勉強に励むように。工作や料理などにも取り組み、SOU!で学んだ時間は学校長などの判断によって小学校の「出席扱い」になることもあるという。

 毎日のように通っているという児童の一人は「楽しい。行きたい大学が見つかった。目標に向かってがんばりたい」と笑顔をみせ、SOU!の福田有美子さんは「放デイのあり方として今年度から不登校の子どもたちの学ぶ場として明文化されるようになり、開設に至った。そのことを広く知ってもらいたい。行き場を無くした子どもたちが通うようになってもらえば」と話す。

背景に不登校増

 背景にあるのが不登校となる小中学生の増加だ。福田さんによると、10年前に全国で10万人を超える程度だった不登校の数は昨年度、30万人を超え、町田市内も増加の一途という。「元気を無くした子も場所が変われば、目を輝かせるようになる。手助けを必要としている子どもたちに寄り添っていきたいと思う」

15日に施設見学会

 12月15日(日)にはSOU!の施設見学会があるという。福田さんは「不登校経験がある保護者対象の茶話会も開く予定。多くの方に参加してもらいたい」と話している。

 参加希望者は事前にメール【メール】sou@c-kamiya.co.jpまたは電話【電話】042・816・2117で福田さんまで申し込み。SOU!の利用に関しての詳細はHPなどで。
LED栽培で育った玉川レタスを手にする渡邊教授

LED光栽培のレタス? 玉川学園で販売

 玉川学園(小原芳明理事長)のLED農園(サイテックファーム)で栽培したレタスが現在、同学購買部で販売されている。店頭に並んでいるのは3種類で、サラダの主役となるようなシャキシャキとした食感が特徴的な「プレミアムフリル」や、ビタミンCなど抗酸化成分が豊富に含まれる「レッドファイヤー」。そして、葉が柔らかく甘みのある「グリーンリーフ」だ。

太陽の代わりに

 同事業を担う農学部の渡邊博之教授によると、太陽の代わりにLED光源を使用し栽培したものといい、光の色を調整することで野菜の栄養や味、食感を変えているという。今回販売に至ったのは、完全閉鎖型のクリーンルーム内で栽培することで、「天候に左右されずに安定供給ができるため」と話している。

 渡邊教授は「レタスのみならず現在、同じくLEDライトを用いてハーブ類の栽培も進めている。販売に向けて力を入れていきたい」としている。

映画のチケット(主催者提供)

金次郎の村復興描く 来年1月 相模原で映画

 村の復興を手がけた二宮金次郎の姿を描いた映画「二宮金次郎」が来年1月22日(水)、相模原市・橋本駅すぐの「杜のホールはしもと」で開かれる。「水戸黄門」で格さん役を務めた合田雅史が主演し、午後6時から(5時30分開場)。参議院議員で前神奈川県知事の松沢成文氏の金次郎に関する講演(20分間)あり。入場料は一般1500円、高校・大学生は千円。中学生以下は無料で全席自由。申し込み・問い合わせは主催する裸の金次郎の会・小関さん【携帯電話】090・5751・0482へ。チケットは当日会場でも購入できる。

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花壇コンクールの写真 カレンダーとして返礼品に 市のふるさと納税

 花の香り漂う美しい街づくりをコンセプトとする町田市花壇コンクールの花壇写真が並ぶカレンダーがふるさと納税の返礼品となった。市が今月発表したもので、見開きの縦42センチ、横29・5センチのカレンダー。寄付金額は3千円になるという。

 市は「美しい花壇を楽しみながらインテリアにもなるもの」としている。

認知症を語る 20日 原町田で集まり

 認知症の当事者や家族、支援者が交流し情報交換する場になっている「MACHIDA認知症カフェ」が20日(金)、原町田の施設「ぽっぽ町田」内のスターバックスコーヒーで開かれる。年内最後の開催となるもので、午前10時から正午。予約不要で参加無料。飲み物代は自己負担となるという。

「気軽に参加を」

 主催する町田市いきいき生活部高齢者支援課は「お気軽に参加いただければ」と呼びかけている。問い合わせは一般社団法人Dフレンズ町田【電話】042・732・3451へ。希望者多数の場合は参加できない場合もあるという。

自身の法律事務所で取材に応じた衣刀さん

相模原市の弁護士衣刀信吾さん ミステリー新人賞 「評議室」テーマにリアリティ

 第28回日本ミステリー文学大賞の新人賞に相模原市で法律事務所を経営する弁護士の衣刀信吾(いとうしんご)さん(本名=伊藤信吾さん)の作品が選ばれた。11月1日に一般財団法人光文文化財団が発表した。

 同賞は新しい才能と野心にあふれた新人作家の発掘を目的とするもので、応募総数205編の中から衣刀さんの作品『午前零時の評議室』が選ばれた。作家の辻村深月さんや湊かなえさんらが選考委員を務めた。

 作品名にある評議室とは裁判員裁判において議論が行われる場所で、同作品では裁判員に選ばれた主人公の大学生が通常の裁判員裁判とは異なる異例の事態に直面する物語が描かれている。裁判や事件が身近な弁護士だからこそ書けるリアリティのある作品に仕上がり、架空の地名を物語の舞台にしているものの、相模原市民がよく知る場所が登場するという。

きっかけはコロナ禍

 「ドキドキ感が好き」――。衣刀さんは幼い頃からミステリー小説を好んで読んでいた。ただ、小説家を志していたわけではなく、コロナ禍で時間に余裕ができた際に書き始めたのが最初だったという。弁護士として数々の文書を作成してきたことから文章を書くことへの抵抗は少なく、インターネットなどで小説の書き方を大まかに調べ、最初に書いた作品が同賞の最終選考に残ったという。

 それから3年連続最終選考に残る作品を生み出し、今回初めて新人賞を受賞。「今年は年齢的にも最後のチャンスかもしれないと思っていたのでうれしかった。原稿用紙500枚ぐらいあるので書けただけでも満足」と衣刀さん。集中できる早朝に原稿を書くことが多いといい、午前4時台から原稿に向かうこともあるという。

 今年は1月頃に原稿を書き上げ、ゴールデンウィーク明けの締め切り日までおよそ4カ月かけて推敲してきた。

不思議さを追求

 作品の中で描かれる事件には、被害者の靴下が片方だけ持ち去られたという謎が出てくるが、衣刀さんは「私が書くのは本格ミステリー。批判や社会的目的はなく、『不思議さ』を考える」と笑顔。日頃から「こんなことあったら不思議だな」ということを思いつくとメモをする習慣があるといい、寝ているときにアイデアを思いつくとその場でスマートフォンを使って原稿を書き進めることもあるという。

 「え?そうなるの?と読者を驚かせたいと考えています」。そんな整合性を保ちつつ不思議な展開を考える過程は「胃が痛い」というものの、楽しいところでもあるといい、「弁護士は後始末の仕事。一方で小説は想像力を使ってゼロから作り上げる。使う能力が違うからおもしろい」

 「午前零時の評議室」は来年3月中旬頃に出版される予定という。

コンサートのポスター

小山ヶ丘のギャラリーカフェ 「クリスマスの名曲を」 25日、プロによる演奏会

 絵の展示などをする「ギャラリーカフェ アルル。」(小山ヶ丘)で25日(水)、クリスマスコンサート「聖なる夜にN響奏者(NHK交響楽団)達からのクリスマスプレゼント‼」が開かれる。

 同楽団で主席を務める藤森亮一さん(チェロ)や、次席の岡本潤さん(コントラバス)をはじめとした5人の演奏のほか、若手奏者ら4人の演奏を間近で聴くことができるコンサート。クリスマスに因んだ名曲の数々が演奏される。

 午後4時30分開場、5時開演。チケットは4千円(当日券は4500円)でフリードリンク付き。終演後にはギャラリーとつながりのある作家や関係者からプレゼントが贈られるという。予約・問い合わせは同カフェ【電話】042・705・5096。

キッチンカーが登場した会場(上写真)、来場者の目を集めた大凧

相模原の「日本庭園」で催し 70周年など記念し

 相模原市南区の日本庭園陵墓「紅葉亭」で先ごろ、相模原市制施行70周年などを記念し、催しが開かれた。「もみじ祭り」と題されたもので子ども向けの企画やサッカーチームによるアトラクションなどが行われ、模擬店やキッチンカーも出店。訪れた家族連れらを楽しませた。なかでも来場者の目を集めたのが会場となった紅葉亭の名が入った巨大凧。地元の凧作り職人らが制作したもので、「迫力ある」などの声を集めていた。

越冬植物

町田天満宮 宮司 池田泉 宮司の徒然 其の146

冬の便り

 あまり嬉しくない言葉。冬の便りというと、木枯らし一番や初冠雪、初雪など。そしてそれらを取りまとめる冬将軍。足元にも冬を感じさせるものがある。今年は暖冬が予測されているが、ネジバナやキュウリグサ、オニノゲシなどは秋に葉を出し、効率よく光合成をするために地面に張り付くように葉をロゼット状に拡げて冬に立ち向かう。アメリカフウロ、ナズナやセイヨウタンポポ、タネツケバナなども葉を広げて越冬に備える。葉を付けたままで越冬することで、根や球根で越冬し春に芽吹く植物よりも、いち早く花芽を出すことができるという戦略だ。ところが、今年は11月に夏日を記録し、七五三参りの子どもやお母さんが熱中症で体調を崩す異常事態。そんな気候だから、初冬を迎えてもみんな立ち上がり気味で、梅の根元のネジバナやキュウリグサも地面に張り付ついていない。そして数日後に急な寒波、木枯らし一番。みんな慌てて張り付くのだろうか。ニュースは各地の紅葉の進み具合で盛り上がっているが、越冬植物も真冬は霜焼けのように葉を赤くして耐え忍ぶ姿は健気でかわいい。こんな小さな植物も小声で冬を知らせてくれている。

 9月の終わり頃、町田市野津田町のとある段斜面の草地にネジバナが群生していた。中には白花も混じっていて、少数のマニアには耳寄りな話かもしれない。ネジバナの根は土中の菌と共生している。だから可愛いからと引き抜いて移植すると枯れることが多い。生まれた土地の馴染んだ土は、ネジバナにとって命を保つ土だ。生まれ育った故郷を大切に思う気持ちは、人も近しいものがあるのではないだろうか。

 ウクライナにも厳しい冬が来る。穏やかな暖かい春を望む国民が戦禍で凍える。凍てつく冬を越す家を追われる多くの人々。頭の硬そうなあのお方はわからないのか。自分も冬が長くて厳しい国にいるのに。