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町田 コラム

公開日:2024.12.12

町田天満宮 宮司 池田泉
宮司の徒然 其の146

  • 越冬植物

    越冬植物

冬の便り

 あまり嬉しくない言葉。冬の便りというと、木枯らし一番や初冠雪、初雪など。そしてそれらを取りまとめる冬将軍。足元にも冬を感じさせるものがある。今年は暖冬が予測されているが、ネジバナやキュウリグサ、オニノゲシなどは秋に葉を出し、効率よく光合成をするために地面に張り付くように葉をロゼット状に拡げて冬に立ち向かう。アメリカフウロ、ナズナやセイヨウタンポポ、タネツケバナなども葉を広げて越冬に備える。葉を付けたままで越冬することで、根や球根で越冬し春に芽吹く植物よりも、いち早く花芽を出すことができるという戦略だ。ところが、今年は11月に夏日を記録し、七五三参りの子どもやお母さんが熱中症で体調を崩す異常事態。そんな気候だから、初冬を迎えてもみんな立ち上がり気味で、梅の根元のネジバナやキュウリグサも地面に張り付ついていない。そして数日後に急な寒波、木枯らし一番。みんな慌てて張り付くのだろうか。ニュースは各地の紅葉の進み具合で盛り上がっているが、越冬植物も真冬は霜焼けのように葉を赤くして耐え忍ぶ姿は健気でかわいい。こんな小さな植物も小声で冬を知らせてくれている。

 9月の終わり頃、町田市野津田町のとある段斜面の草地にネジバナが群生していた。中には白花も混じっていて、少数のマニアには耳寄りな話かもしれない。ネジバナの根は土中の菌と共生している。だから可愛いからと引き抜いて移植すると枯れることが多い。生まれた土地の馴染んだ土は、ネジバナにとって命を保つ土だ。生まれ育った故郷を大切に思う気持ちは、人も近しいものがあるのではないだろうか。

 ウクライナにも厳しい冬が来る。穏やかな暖かい春を望む国民が戦禍で凍える。凍てつく冬を越す家を追われる多くの人々。頭の硬そうなあのお方はわからないのか。自分も冬が長くて厳しい国にいるのに。

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