鶴見区版【12月12日(木)号】
市長に活動報告する林さんら

潮田中・林さん市場小・志村さん 国際平和願い、行動を 市長に国連訪問研修を報告

 今年度の「よこはま子どもピースメッセンジャー」を務める潮田中学校3年の林睿騰さんと市場小学校けやき分校6年の志村優妃さんらが山中竹春市長を訪問した。アメリカの国連本部などを訪問した研修の報告を行い、国際平和への思いや決意を伝えた。

 ピースメッセンジャーは、毎年市内の児童生徒約4万人が参加する「よこはま子ども国際平和スピーチコンテスト」で市長賞を受賞した児童生徒4人が市長から委嘱を受け3年間の任期で活動するもの。国際機関の事務所訪問や募金活動などに取り組み、体験を通して国際平和について学んでいく。今年度の4人のうち、鶴見区から林さんと志村さんが選ばれた。

 今回の報告会では、4人が10月に米ニューヨークの国際連合本部や国連国際学校を訪問し、国連職員らと交流した際の感想などを報告。林さんは「この派遣を通じて沢山の新しいことに触れ、視野が大きく広がった。国連で出会った方々は世界平和を本気で願って、自ら行動を起こしている。今、世界が抱えている問題は多くの多様な人々が共に解決を目指して努力すれば必ず解決できる。だから苦しんでいる人たちのためにも、私も自分を信じて行動を起こしたい」と力強く語った。また、志村さんは9/11メモリアル・ミュージアムを訪れて改めて平和の大切さを実感したと語り、「あと、アメリカではみんなフレンドリーで、男女問わず積極的に話したり、楽しそうだった。多様性を受け入れたり、相手を知るためにも話したり、私も真似していきたいと思いました」と感想を語った。

 山中市長は「小学生や中学生のうちに今回のような素晴らしい体験をして、世界の広さを知ってくれたことが嬉しい。ぜひ皆さんのような子どもたちと、これから地球規模の課題の解決に向けて一緒に頑張っていきたい」と語りかけた。

横浜市ごみ処理 燃やすプラ3割削減 10月開始の新分別ルールで

 10月から横浜市内9区でプラスチックごみの新たな分別が始まった。開始月10月4週間の燃やすごみに含まれるプラスチックの資源量は1295tで、2022年の基準年度の約3割にあたる591tを削減(速報値)。市はさらにプラごみ削減を進め、地球温暖化の原因となる温室効果ガス削減につなげたい考えだ。

 市のごみの総量は分別やリサイクルが生活に定着し、順調に減少してきた。ごみ処理の基本計画「ヨコハマ3R夢(スリム)プラン」で目標に掲げていた「ごみと資源の総量10%削減」は、2023年度に2年前倒しで達成。一方で、温室効果ガスの削減は、思うように進んでいないのが現状だ。

 温室効果ガスはごみ処理の過程でも排出される。うち9割はプラスチックなどの石油由来のごみ焼却によるもの。市は、温室効果ガスの削減には、プラごみの削減が必要不可欠と考え、新たな計画「ヨコハマプラ5(ご)・3(み)計画」を今年1月、策定した。

目標1人5・3kg減

 計画では燃やすごみの中に含まれるプラごみを30年度までに年間2万t削減することを目標としている。市民1人あたりに換算すると削減量は年間5・3kg。

 目標達成のため、10月からプラごみの新たな分別を9区で開始。燃やすごみとして回収していた「プラスチックのみでできているもの」も資源として活用される。

 10月4週間の燃やすごみに含まれるプラスチック資源の量は1295t(速報値)で、1886t(基準年度)から約3割の591t削減した。これは、市民1人あたりの年間削減量に換算すると4・7kgにあたる。

 市担当者は、燃やすごみに含まれたプラ資源の半数近くがラップやチャック付きポリ袋だったといい、「啓発に引き続き力を入れ周知が進めば、目標値の5・3kgも視野に入る」とする。プラごみの分別は来年4月から、全18区で実施される予定。「温室効果ガス削減といっても、具体的に何をしたらいいか思い浮かびにくいが、ごみの分別も立派な行動。身近なアクションが繋がることを知って、きっかけにしてほしい」と話した。

絵本作家で地区センターのプレイルームのリニューアルをプロデュースした 市原 淳さん 中区在住 54歳

憧れの横浜で「楽しい」を形に

 ○…プレイルームの壁紙や家具に明るいタッチで船やカモメ、魚などを描いた。さまざまな親子が利用する施設のリニューアルにあたり、横浜をイメージした上で「明るく、楽しい場所になるよう、不快感を与えないこと」を心がけた。施設のリニューアルは初の体験だったが、「とても楽しかったのでまたやりたい」と意気込む。

 ○…陶芸が盛んな愛知県常滑市の出身。7歳の時に叔母が陶芸家と結婚。工房へ遊びに行き、ラフな服装や時間の使い方が自由な仕事ぶりを目の当たりにし、「遊んでいるみたいで、楽しそうな仕事だな」と陶芸家や画家に興味を持った。

 ○…大阪芸術大学でイラストレーションを学び、その後にデザイン会社に就職したが、作業的な仕事に満足できず、1年で退社。フリーランスのイラストレーターとして仕事を得ようと、自身の作品をまとめたファイルを持って出版社を20社以上訪問。徐々に認められ、2009年にテレビアニメ化された絵本『ポペッツタウン』、17年には「赤ちゃんが泣きやむ絵本」として話題になった『もいもい』を世に出し、絵本作家としても世界中から評価されるようになった。

 ○…04年から中区に住む。東京でも物件を探したが、山手で港を眺めながら描き続けたイラストレーター・柳原良平さんへの憧れが転居の決め手となった。「横浜は景色がいいので、散歩するのが気持ちがいい」と話し、1日おきのジョギングや絵本作家仲間とのフットサルで汗を流す。アメリカのバンド「スパークス」にほれ込み、自主的に送った企画書が本人たちに気に入られ、公式ツアーグッズを制作・販売した。「音楽関係の仕事もやりたい」と意欲を見せ、横浜から活動の幅を広げていく。

区民活動センターまつり 15日 鶴見公会堂で

 つるみ区民活動センターまつりが12月15日、鶴見公会堂で開かれる。

 地域で活動する登録団体とボランティアバンク「鶴見人ネット」登録者が日々の活動を紹介。歌や演奏、ダンスなどのステージパフォーマンスや、体験イベントなども行われる。

 入場無料。午前10時から午後4時まで。ステージは11時開演。(問)つるみ区民活動センター【電話】045・510・1694

啓発物を手渡す松本組合長(右)

遊技場組合 巡回で防犯呼びかけ 青少年入店防止も徹底

 鶴見遊技場組合(松本相基組合長)と鶴見警察署による区内パチンコ店などへの防犯巡回が、12月3日に行われた。

 この巡回は同組合が鶴見署と協力し、20年以上前から毎年の年末に実施しているもの。長期の休みを前に青少年の出入りがないか、健全に遊戯が行われているかなどを見回り、犯罪を未然に防止することを目的としている。

 当日は組合員や同署署員ら約15人が参加し、組合加盟の全店舗を訪問。店舗スタッフらに盗難や青少年入店の防止などを啓発したほか、今年は店内に「闇バイト」の危険性を訴えるポスターの掲示依頼も行った。

 区内12店舗が加盟し、防犯巡回だけでなく能登半島地震への30万円の寄付など、積極的に社会貢献活動にも取り組む同組合。組合常任顧問の赤川順一さんは「店内を快適に利用してもらうことはもちろん、犯罪に対しての啓発も行い、安心安全のまちづくりに貢献していきたい」と意気込みを語った。

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国道1号沿いに”枝サンタ” 親子連れら約100人が参加

 剪定した枝にサンタクロースを描いて国道1号沿いに飾る「枝サンタ」作りが11月30日、ライフ鶴見店前で行われた。

 これは、国道1号線沿いの緑化活動を行う(一社)鶴見みどりのルート1をつくる会が主催したもの。同会会員企業が市内の公園の剪定で出た枝を再利用し、子どもたちに木の温もりを感じてほしいと行っている。

 当日は、親子連れら約100人が参加。用意された絵の具を使って、カラフルなサンタやクリスマスツリーなどをかわいらしくデザイン。国道沿いに飾るだけでなく、自宅用にと2個、3個と制作を楽しむ様子が見られた=写真。

 同会の高田房枝会長は「年々回数を重ねる中で、リピートして参加してくれる方も増えてきた。多くの人に木の温もりや自然の良さを感じていただけるよう、地域の恒例行事になれば」と笑顔で語った。

 枝サンタは12月25日まで同店周辺の国道1号線沿いに飾られている。

展示を行った児童たち

入船小4年1組 海洋ごみの問題知って 区役所で万華鏡や学習内容を展示

 入船小学校4年1組の児童が制作した万華鏡の画像などが、鶴見区役所1階に飾られている。

 この万華鏡は児童たちが微小なプラスチック粒子、マイクロプラスチックを再利用して制作したもの。児童たちは今年度の総合的な学習の時間でごみを増やさないためのリデュースなど3Rや再利用について学び、紙のリサイクル工場見学やペットボトルキャップでキーホルダー作りなどに取り組んできた。

 万華鏡作りは、マイクロプラスチックが海洋生態系に与える悪影響を学ぶ中で、金沢区の野島公園でプラスチックごみを集め、再利用法として万華鏡作りに取り組んだ。

 そして、万華鏡や学んだことを紹介する場がないか探していたところ、資源循環局鶴見事務所が区役所1階でプラスチックごみの分別啓発をしていて、テーマが合致することから一緒に展示することに。同事務所が展示するジオラマは職員有志が約2年の時間をかけて粘土で作成した。

 児童たちは万華鏡の絵柄や学習内容をまとめた模造紙を展示し、「沢山の人に見てもらって、問題を知ってもらいたい」「物を大切に。買ったものはなるべく長く使ってほしい」などと話していた。万華鏡の展示は来年1月7日までの予定。

沖縄テーマの9作品を上映 鶴見ウチナー国際映画祭

 沖縄をテーマにした映画9作品を一挙上映する「第1回 鶴見ウチナー国際映画祭」が12月21日、22日の2日間、サルビアホールで開かれる。ちむどんどん横浜鶴見プロジェクトの主催。

 上映作品は「幸せのサンドウィッチ」「オキナワ サントス」のほか、鶴見を舞台にした「なんでかね〜鶴見」「だからよ〜鶴見」も上映。「なんでかね〜」の上映ではガレッジセールの川田広樹さんが舞台挨拶に登場するなど、ゲストによるトークや音楽・お笑いステージも予定されている。チケットは作品ごとに購入。無料上映や区民割などもあり。

 初日21日の午前11時からはオープニングイベントあり。上映作品や時間、イベント詳細などは左記2次元コードから確認を。

そびえ立つ大銀杏=11月27日撮影

常倫寺 大銀杏、鮮やかに色づく 下旬には境内が黄色い絨毯に

 駒岡の常倫寺(上原良広住職)境内にある樹齢330年超の大銀杏が紅葉の見頃を迎えている。

 横浜市指定の名木古木にも指定されている大銀杏。乳が出ない母と子のために枝から乳が流れ出たという乳母銀杏伝説や、天狗がいたという逸話もある。

 昔は30m以上の高さがあったが、1955年ごろの落雷で上部が燃え、その後も台風の影響で枝の一部が折れるなどしたが、今年もしっかりと色付き、逞しくそびえ立っている。

 同寺によると今秋は例年より暑い期間が長かったこともあって、11月下旬にようやく色付いてきたという。

 上原住職は「12月中旬過ぎまでは色づいた銀杏が楽しめると思う。散った後は境内が黄色い絨毯の様になるのも素敵ですよ」と話している。

鶴見大学杯を制した同チーム

元宮ファイターズ 鶴見大学杯で優勝 ジュニアの大会でも連覇

 「第13回鶴見大学杯少年野球大会」の決勝戦が12月1日に同大獅子ヶ谷グラウンドで行われ、元宮ファイターズが優勝した。

 鶴見区少年野球連盟所属の5年生以下、19チームが参加して開かれた同大会。元宮はトーナメント戦で接戦をものにしながら勝ち進み、決勝戦ではリトルイーグルスと対戦。3回に4点を先取すると、投手や守備陣が奮闘。6回を0点に抑え、6対0で優勝を決めた。

 大会MVPとなる「鶴見大学賞」には、数多くのヒットを放つなど活躍を見せた元宮の主将、中村勇人さんが選ばれた。中村さんは「苦しい場面が多かった大会だったけれど、みんなでつないで優勝できたことが嬉しい」と笑顔で語った。

ジュニア大会も優勝

 また、元宮は11月30日に行われた「第9回鶴見区少年野球大会」の決勝でも優勝。春に続き、同大会2連覇となった。

 4年生以下のジュニアチームが出場する同大会。主将を務めた石井結心さんは「みんなで最後まで諦めず戦ったことが勝ちにつながって良かった」と喜びを語った。

掛け声に合わせて餅をついた

江ヶ崎町内会 餅つきで交流楽しむ 住民約800人が参加

 江ヶ崎八幡神社で12月1日、町内会の餅つき大会が行われた。

 これは、江ヶ崎町内会住民の交流を深めようと20年ほど前から同町内会が行っているもの。

 当日は約800人が参加し、子どもや大人たちが大きな掛け声に合わせて餅つきを楽しんだ。

 ついた餅はお汁粉やきな粉餅にして振舞われたほか、持ち帰り用として大福も提供。同町内会の黒川治宣会長は「多くの人が参加してくれてよかった。今後も老若男女、新しい人など誰もが一緒に楽しめるイベントを開いていきたい」と話した。

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表彰を受けた受賞者ら

交通安全功労者らを表彰 個人23人と11団体に

 鶴見区内で安全運転や安全運転管理業務の推進等に貢献してきた人の功績を称える「交通安全功労者表彰伝達式」が11月28日、鶴見中央コミュニティハウスで行われた。

 個人23人と11団体に対し、鶴見警察署の中西実署長、鶴見安全運転管理者会の山谷朋彦会長、鶴見交通安全協会の大野慶太会長、渋谷治雄区長から各表彰が行われた。

 表彰者は以下の通り(敬称略・順不同)。

【関東管区連名表彰】▽交通功労団体/ナイス(株)【神奈川県知事表彰】▽交通安全功労者/山崎充、不動田昌弘▽交通安全功労団体/東洋電装(株)【神奈川県公安委員会表彰】▽交通安全功労団体/(株)京三製作所【警察本部長表彰】▽交通安全協力者/深瀬善永、鶴岡政彦▽交通安全協力団体/JFEエンジニアリング(株)▽優良運転者(顕彰)/岡田重則、加藤大和、原健一郎、渕田康成【警察本部長・神奈川県安全運転管理者会連合会長連名表彰】▽交通功労者/内田整▽優良安全運転管理者/阿部和樹▽優良運転者/石川俊輝、通山泰之、野中孝弘▽優良事業所/東邦酸素工業(株)、井上鋼材(株)、(株)千代田企業、興栄工業(株)【警察本部長・神奈川県交通安全協会会長連名表彰】▽優良運転者/齋藤かおり【警察本部長・地域交通安全活動推進委員協議会連絡協議会会長連名表彰】▽地域活動推進員/大橋ひさ江、松島由美子【安全運転管理者会連合会長表彰】▽交通安全功労者/木下逸人▽優良運転者/高橋玄、山本公彦、大平知範、佐藤敦▽優良事業所/港栄作業(株)、潮井利興業(株)、新明和オートエンジニアリング(株)【交通安全協会長表彰】▽交通安全功労者/重田将王、八木幹雄

新しくなったプレイルーム(写真は寺尾地区センター)

市内27館地区センター プレイルームを刷新 壁面イラストや司書推薦の絵本など

 横浜市はこのほど、寺尾地区センターや生麦地区センターなど、市内27館の地区センターにあるプレイルームを親子が利用しやすいようにリニューアルした。

 プレイルームは市内に81館ある地区センターのうち、79館に設けられているが、これまで利用者から「古くて暗いイメージがある」「絵本やおもちゃが古い」などの声が出ていた。今回は利用者数などを考慮し、リニューアルする27館を選んだ。

壁面をカラフルに

 リニューアルのデザインは横浜市在勤のイラストレーター、市原淳さん=「人物風土記」で紹介=がプロデュース。壁面や家具には市原さんが描いた船やカモメ、魚など、横浜をイメージしたイラストが配置され、カラフルな空間にした。

 絵本コーナーには、中央図書館の司書が推薦した120冊の乳幼児向けの新しい絵本セットを27館共通で配架した。市原さんは「明るく、楽しい場所になるよう、不快感を与えないように心掛けた」と話す。

 市の担当者は「このリニューアルで、より快適な親子の居場所として活用してほしい」と話す。反響を見ながら他の地区センターのリニューアルも検討。今後、子育て相談会や絵本の読み聞かせ会などのイベント開催も拡大していく方針だ。

利用者増の傾向も

 寺尾地区センターではリニューアルから約1カ月が経ち、利用者が増えてきているという。週5回の頻度で利用するという利用者は「遊び道具や本が増えて子どもが飽きず、利用しやすくなった」と話した。同館の横山雅俊館長は「リニューアルは好評。自主事業を開く場としても、積極的に利用していきたい」としている。

落語と寸劇で初笑い 寺尾地区センター

 寺尾地区センターで1月13日、楽しく学ぶ防犯講座「落語と寸劇で初笑い」が開かれる。

 区内各所で防犯寸劇を披露する「お笑いジーバー劇団」と夢見亭わっぱさんが出演する。

 午後1時30分から3時まで。60歳以上対象。定員40人。参加無料。申込は12月16日午前10時から窓口(電話は翌日から)。(問)同館【電話】045・584・2581

前回の最優秀作品

オリジナルの弁当づくり 中学生、レシピコンテスト

 オリジナルの弁当をつくる第6回中学生レシピコンテストの作品募集が始まった。

 主催はお弁当づくり実行委員会(事務局/野田鎌田学園横浜高等専修学校)。中学生に地元の食材を知ってもらい、地産地消を考えるきっかけにと企画された。

 応募は中学生で1チーム1〜3人。「お弁当」を題材に手軽につくれてアイデアに富んだもの。【1】大根【2】キャベツ【3】ネギ【4】赤玉ねぎ【5】マグロ【6】豚肉【7】なす【8】ほうれんそう【9】ブロッコリー──の中から1つ以上の食材を使う。材料費は1人分1000円以内。書類審査で受賞作品を決定する。最優秀賞は3万円相当ギフト券。他、各賞を用意。応募期間は2025年1月17日(必着)まで。

 応募方法等の問い合わせは、野田鎌田学園横浜高等専修学校【電話】045・642・3900へ。

デクラーク選手(左から2人目)の発言に笑みを浮かべる田村選手(左端)と祝原選手(右端)

ラグビー横浜キヤノン 悲願の優勝へ決意表明 リーグ開幕前に出陣式

 横浜市をホストエリアとするラグビーリーグワン「横浜キヤノンイーグルス」が12月のシーズン開幕を前に、「出陣式」を横浜市役所でこのほど行った。

 会場には沢木敬介監督をはじめ、田村優選手、小倉順平選手、竹澤正祥選手、祝原涼介選手、ファフ・デクラーク選手が登壇。約300人のファンは選手の名前入りタオルを掲げるなどして出迎えた。

 チームは2季連続でプレーオフトーナメントに出場したが、決勝の舞台は踏めていない。今季は「共に超える」をシーズンテーマに掲げ、日本一に挑む。沢木監督は「シーズン中も1戦1戦成長できるような戦いをして、シーズンが終わって皆さんと優勝を共有できるように、引き続き応援よろしくお願いいたします」と優勝を目標に据えた。

 南アフリカ代表としてワールドカップ優勝も経験したデクラーク選手。昨季は1月以降負傷で欠場していたが、「昨シーズンは試合にあまり出ることができず本当にがっかりしていたが、しっかりとイーグルズのスタイルのラグビーを発揮して、日本一を目指しながら日本を盛り上げていきたい」と決意を語った。

 12月22日(日)の開幕戦は、昨季王者の東芝ブレイブルーパス東京を日産スタジアム=港北区=に迎える。このほかニッパツ三ツ沢球技場=神奈川区=でも3試合を行う予定。

着なくなった服がよみがえる(高校生作・提供)

リメイク服・小物を募集 1月10日までに応募

 今あるものを楽しく使い切る、循環できるファッションへ―。3月22日・23日にみなとみらいで行われる「かんきょう文化祭」のリメイク作品展とファッションショーで披露する服や小物の作品案を募集している。主催はかんきょうデザインプロジェクト。

 審査を通過した作品は当日ショーでモデルが着用、または会場に展示される予定。入賞者には賞品もあり。

誰でも応募可

 アップサイクルやリペアなど環境問題に関心のある人で、年齢問わず応募が可能。1人3作品以内。1月10日必着。【メール】info@kankyo-design.orgに、作品の写真や絵コンテなどを添付し、名前、電話番号、年齢、職業を記載の上応募。審査通過者のみ2月末までに現物を納品。作品テーマなど詳細は、公式サイトhttps://kankyo-design.org/で確認。

今年のメインビジュアル「城熱の日。」

プレゼント 横浜で「城」の祭典 12月21日・22日開催

 「城」をテーマにした日本最大級のイベント「お城EXPO2024」が、12月21日(土)と22日(日)、パシフィコ横浜ノース他で開催される。

 今年も国宝五城(姫路城・松本城・彦根城・犬山城・松江城)をはじめ、日本全国の城が集結。城めぐりに役立つ観光情報ゾーンや城グッズの販売など、過去最大の114団体が出展。そのほか城にまつわる模型や展示、ご当地キャラクターや武将隊のステージ、忍者体験など「お城ファン」必見の内容だ。

 入城料は高校生以上2200円、小中学生1千円。前売有。厳選プログラムは1講演につき別途1300円。イベント詳細はHPで確認を。

 招待券を5組10人に。件名に「入城券希望」、本文に〒住所、氏名、年齢、電話番号、好きな城と理由を記入の上【メール】yoko-d@townnews.co.jpへ。12月15日必着。

「リンゴ病」の11月25日から12月1日の区別の定点当たり患者報告数

横浜市内に「リンゴ病」警報発令 2018年以来の流行

 横浜市内でウイルス性感染症の伝染性紅斑(通称「リンゴ病」)が流行している。横浜市衛生研究所は12月5日、「感染症臨時情報」を出し、警報発令基準を超えたことを発表した。

 市内94カ所の定点医療機関から報告された2024年第48週(11月25日〜12月1日)の定点あたりの患者報告数は、市全体で2.45となり、警報発令基準の2.00を上回った。

 定点あたりの患者報告数は、5月中旬から増加傾向で、特に8月下旬以降は例年より多い状態が続いていた。同研究所は「2018年から19年にかけての流行以来の規模。特にここ数週間で急激に患者報告数が増えている」と話す。

4〜5歳が33.5% 妊娠初期の感染には注意を

 患者の年齢は4〜5歳が中心で、全体の33.5%を占めるが、小学校低学年の報告も増えている。赤い発疹が出ている時期には感染力がなく、発疹のみで他の症状がない場合は登園・登校が可能とされている。

 妊娠初期に感染すると、流産や胎児に異常を起こすことがあるため、同研究所は「妊娠中の人、その可能性がある人は、風邪のような症状がある子どもに近寄らない、接触しないなどを心掛けてほしい」としている。

両頬に出る紅斑から「リンゴ病」とも

 伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19による感染症で、両頬がリンゴのように赤くなることから「リンゴ病」とも呼ばれる。発熱(微熱)、倦怠感、頭痛、筋肉痛、咳、鼻水などの風邪のような症状が出てから7〜10日後、頬に紅斑が出て、手足に網目状(レース状)の紅斑が現れる。風邪様症状が出ている期間の感染力が強く、頬に紅斑が出る頃にはほとんど感染力はない。感染していても症状が出ない人が約25%いるため、自覚なく感染を広げてしまうリスクがあるとされる。

手洗いや人混みでのマスク着用を推奨

 感染経路は咳やくしゃみなどの飛沫感染、感染者の飛沫などに触れた手で口や目などを触ることによる接触感染。症状がない時期に自覚なくウイルスを拡散してしまうことがあるため、同研究所は「日頃からこまめな手洗いをしたり、人が多い場所ではマスクを着用するなどの対策をしてほしい」と話す。伝染性紅斑のウイルスにはアルコール消毒が効きづらく、罹患者が触れたものを消毒する際は、次亜塩素酸ナトリウムを使うことも推奨している。同研究所は「インフルエンザの報告数も急激に増えている」とし、改めて感染対策を呼び掛けている。

黒岩知事(右)に要望書を手渡す山中市長

学費補助金の対象拡大などを県に要望 山中市長が黒岩知事に

 横浜市の山中竹春市長が12月10日に県庁を訪れ、黒岩祐治知事に2025年度の県予算に対する要望書を提出した。

 要望書の提出は予算査定が始まる時期に合わせて毎年行っているもの。

 重点要望として、国による「こども未来戦略」に基づく子育て支援策の実施に向けた県と市の連携・協力の強化や県の制度である学費補助金について、対象を県外の私立高校に通う生徒にも拡大することなどを挙げた。

 提出後、山中市長は「(黒岩知事に)真摯に受け止めていただいたという印象を持っている」と語り、要望が予算に反映されることを期待した。

 また、県が2025年3月で休館する県民ホール=中区山下町=を建て替える方針を示したことに関しては「山下公園を含め、広い視点でまちづくりを行えると良いと思う」と述べた。

横浜市職員に冬のボーナス支給 平均101万6900円 山中市長には450万円

 横浜市の職員に12月10日、冬の期末・勤勉手当(ボーナス)が支給された。

 対象は4万2902人、平均年齢は41・7歳。支給総額は約439億3千万円。平均支給額は101万6900円。支給月数は2・35月。

 市長や市会議員などの特別職にも支給された。支給額は次の通り。▽市長450万9180円▽副市長362万3700円▽教育長265万800円▽市会議長332万4780円▽副議長299万2020円▽議員268万7460円

山中市長と発表会の登壇者

横浜市、グリーン社会実現へ新プロジェクト 「地球1個分で暮らそう STYLE100」、環境の取り組み発信

 横浜市は環境や地球にやさしい取り組みを進めていく新たなグリーン社会に向けたプロジェクト「地球1個分で暮らそう STYLE100」を12月5日に立ち上げた。

 プロジェクトは、地球にやさしい暮らしをつくる横浜の人や活動を可視化して賛同者を増やし、未来に向けた活動を創出することが目的。

 5日に市役所で発表会があり、横浜スタジアム、アルファロッカーシステム、青葉区の鴨志田第一小学校5年生、JICA(国際協力機構)の4団体が参加。食品ロス削減や生き物調査などの取り組みを報告した。発表会に出席した山中竹春市長は「皆さまとともにサステナブルな未来を作っていくプロジェクトにしたい」と述べた。

 市は専用サイトやインスタグラムを開設し、市民や企業の持続可能な取り組みや環境への挑戦を発信していく。

今年度、市指定文化財となった東漸寺の「木造釈迦如来坐像[中尊]」(左)と「木造迦葉立像[右脇侍]」

横浜市指定文化財展と仏像入門展 市歴史博物館で同時開催 2025年2月8日〜3月16日

 今年度、新たに指定された文化財などが展示される「令和6年度 横浜市指定・登録文化財展」と仏像について分かりやすく解説・展示される「仏像入門展」が横浜市歴史博物館=都筑区=で2025年2月8日(土)から3月16日(日)まで行われる。

 文化財展では、新たに指定された文化財や今年度、文化庁に認定された「横浜市文化財保存活用地域計画」の取り組み、文化財保護のための修理実例が紹介される。また、磯子区の東漸寺に安置されている木造釈迦如来坐像など、日頃見られない仏像が拝観できる。

 仏像入門展では、横浜市に伝わる仏像の作例を通し、どんな種類の仏が仏像になっているか、仏像の種類、特徴、材質、造り方などが解説・展示される。

 担当学芸員による展示解説(2月22日(土)、3月2日(日))や文化財に関する講演会(3月1日(土)、8日(土)。要事前申込)、ワークショップ(2月16日(日)、24日(月)、3月9日(日)。要事前申込)など、関連イベントも開催。

 開館は午前9時から午後5時まで(券売は午後4時30分まで)。月曜日休館(2月24日(月)は開館、2月25日(火)が休館)。観覧料一般500円。問い合わせは同館【電話】045-912-7777。

ドリカム35周年記念イメージビジュアル

DREAMS COME TRUEの楽曲がみなとみらい駅のBGMに 12月13日から22日、期間限定企画

 みなとみらい駅の構内で12月13日(金)から22日(日)まで、「DREAMS COME TRUE」の楽曲などが流れるコラボレーション企画が行われる。

 みなとみらい線が2024年2月に開業20周年、DREAMS COME TRUEは2024年3月にデビュー35周年を迎えたことを記念したメモリアルコラボレーションとなる。

 DREAMS COME TRUEは、1989年3月21日にデビュー。中村正人さん、吉田美和さんの2人で活動しており、「ドリカム」の愛称で親しまれている。

 今回のコラボ企画では、みなとみらい駅構内コンコース(地下3階・改札内)にドリカムからのメッセージボードを設置。駅構内で楽曲と中村正人さんから寄せられた音声メッセージを放送する。BGMに使用される楽曲は、「WINTER SONG」、「LAT.43°N」、「雪のクリスマス 」など6曲で、冬の代表的な楽曲が選ばれている。

 楽曲と音声メッセージは、期間中の午前9時から午後9時まで。初日の13日のみ午後1時開始。

山中市長(中央)と実行委員会委員長の野本さん(左)、佐藤さん

横浜市の成人式 テーマは「はじまり」 公募の20歳市民実行委が考案

 2025年1月13日(祝)に横浜アリーナで開催される横浜市の成人式「二十歳の市⺠を祝うつどい」の式典テーマが「はじまり」に決定したことが12月4日、横浜市から発表された。

 「つどい」の開催へ向け、公募によって集まった10人の20歳の市民による実行委員会が5月から活動を開始。テーマの検討のほか、会場で配布する記念冊子や放映する動画の作成も進めている。

コロナ禍の困難乗り越え

 テーマが発表された4日の市長定例会見に同委員会の野本優菜さんと佐藤快飛さんが参加。委員長を務める野本さんは「高校入学後の学生生活がほぼコロナ禍になってしまったが、その中でも試行錯誤し、さまざまな困難を乗り越えてきた」とこの数年を振り返り、「20歳という節目の年に新しい『はじまり』に向かって歩みを進めていきたい」とテーマに込めた思いを語った。

 山中竹春市長は「この式典が3万5千人にとって新たな『はじまり』の機会となるように願う」と話し、昨今の少子化問題も踏まえ、「若い人たちが横浜市で新たな挑戦をしたいと思えるような、可能性を感じられるまちづくりを進めたい」とした。

 今回、式典の対象は市内在住の約3万5千人。コロナ禍以降は3回以上に分散して開催してきたが、今回は2020年以来5年ぶりに2回に分けての開催となる。

イベントのイメージビジュアル

横浜港の夜空にきらめく「ドローンサンタ」出現 12月7日、1千機以上によるショー

 1千機以上のドローンが横浜の夜を彩る「コカ・コーラ クリスマスドローンショー2024」が12月7日(土)、横浜港で開催される。国内でコカ・コーラ製品を製造・販売するコカ・コーラシステムの主催。

 国内トップクラスの規模となる1,225機のドローンが横浜港の夜空を舞う。サンタクロースやクリスマスツリーなどが夜空に浮かび上がるほか、夜空に現れるサンタクロースとコカ・コーラで乾杯できる仕掛けも用意されている。

 開催は午後7時15分からの予定(荒天時は12月9日(月)に開催)。観覧場所は横浜港新港ふ頭付近。

 コカ・コーラ公式Instagram、コカ・コーラ公式YouTubeで、ドローンショーのライブ配信も行われる。

特別カラーライトアップや花火も

 横浜市の人気イルミネーションイベント「夜にあらわれる光の横浜〈ヨルノヨ2024〉」とのコラボレーションも企画されている。街全体が光と音で躍動する5分間のスペクタクルショー「ハイライト・オブ・ヨコハマ」の特別カラーライトアップとして、街がコカ・コーラのイメージカラーである赤一色に染まる。カラーライトアップの演出は、7日と9日の午後5時15分から午後8時45分までの30分ごとで全8回。

 7日午後7時から、横浜港を彩る恒例の花火、「横浜スパークリングトワイライト2024」の打ち上げが5分間、行われる。打ち上げ場所は新港ふ頭。

 詳しくはコカ・コーラお客様相談室【電話】0120-308509。

「土木事業者・吉田寅松」56 鶴見の歴史よもやま話 鶴見出身・東洋のレセップス!? 文 鶴見歴史の会 齋藤美枝 ※文中敬称略

 寅松は、東京電気鉄道特許認可をめぐる激しい対立が続いていた頃、政界の重鎮となっていた元帥西郷従道に相談するため沼津の西郷別邸を訪れている。別邸のあった静岡県駿東郡静浦海岸は、富士山を眺望する白砂青松の風光明媚の地で、茶室のあった瓜島は西郷島と呼ばれている。

 富士山が好きな西郷従道は、邸宅造営予定地を求めて富士の眺望絶佳の鶴見ヶ丘を歩いたが、風趣に富んだ庭園もある目黒の大名屋敷を選んだ。

 鶴見ヶ丘には、明治四十四年に曹洞宗の大本山總持寺が移転してきた。大正三年に日本初の児童遊園地が開園した。

逆境から再起した吉田組

 明治四年に寅松は、難工事と言われた横浜の吉田新田一つ目沼地埋立事業を完遂し、土木業者としての地歩をかためた。

 幕末から薩摩藩の御用商人としての才覚もある寅松は、蓬莱町に木材や石材など建築資材を扱う店を構え、請負った工事に使う資材は直接仕入れることができた。明治三年から始まった、新橋・横浜間の鉄道建設工事では、多摩川から横浜駅(桜木町駅)までの工事を請け負った高島嘉右衛門の下請業者として初めて鉄道建設工事に従事し、お雇い外国人技師や鶴見川鉄橋架橋工事を担当した鉄道技師斎藤精一郎から鉄道技術を習得したのかもしれない。

 鉄道局長の井上勝に認められ、明治十二年には北陸本線の工事で藤田傳三郎、鹿島岩蔵、小川勝五郎らとともに井上鉄道局長特命の請負事業者に選ばれた。長浜・敦賀間の土木工事を請負ったが、工期を間違えて井上局長の逆鱗にふれ、小川勝五郎の下請人にされてしまった。横浜の埋立地の使用権や鶴見の鶴田家の財産など全財産を投じて、ようやく工事を完了させた。

 全財産を失った寅松は、心労から病床で過ごす不遇の日々を送った。その日の食事にもことかくような生活が続くなか、妻の芳子は寅松の看病、家計のやりくり、子育てをしながら、債務を整理し、業務の継続をはかることを算段した。

 妻の内助の功で再起した寅松は心機一転、明治十五年に大阪に行き、東海道線の長浜・関ヶ原間の鉄道工事を請負った。難工事だったが期間内に無事竣工させ、わずかながら利益を上げ、明治十七年には神戸に吉田組の本店を構えることができた。

 東海道線や滋賀県の長浜警察署の新築工事や県内の道路工事、琵琶湖疎水開削、長崎県佐世保軍港整備などの土木工事を請負い、すべてを確実に竣工させ、優良土木請負業者として盤石な基礎を築き、明治二十年には吉田組の本店を名古屋に移した。

 明治二十一年から東北本線の鉄道工事を請負うようになった吉田組は、明治二十二年に東京に進出し、芝区芝公園内第七号地に本店を構えた。

 明治二十一年から明治三十三年にかけては、現在のJR奥羽本線の青森・碇ヶ関間、鷹巣・秋田間、福島・山形間などの土木工事を請負った。

 明治二十四年には、群馬県の横川から長野県の軽井沢の間に位置する急こう配の碓氷峠の隧道掘削や橋梁建設などの難工事を分担した。

 明治二十五年十二月に横川・軽井沢間が開業し、明治二十六年四月一日に官営鉄道中山道線(後の信越本線)が東京(上野駅)から新潟(直江津駅)まで全線開通した。

 明治三十年には、舞鶴海軍工廠の敷地造成・軍港建設工事を請負った。硬い岩盤を掘削する危険を伴う大工事の割りに工費が低すぎ採算がとれないと、他の土木業者たちは尻込みした。吉田組の重役たちにも反対されたが、寅松は、海軍大将西郷従道の懇請も受け、「難工事なれども国家的な大事業」と、損得抜きで請負った。

 想像を絶する難工事で、多くの犠牲者を出した。傷病死者六十三人を鎮魂供養するため、寅松が発起人代表となり、明治三十二年十月二十三日、余部上村に大谷派本願寺説教所(現 真宗大谷派常盤山真宗寺)を設立し、翌年十一月には、境内に舞鶴軍港敷地造成工事犠牲者の鎮魂碑を建立し、手厚く供養した。